本拠点:〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4マスヤビル5F
診療時間 10:00〜19:00
エリア:東京、埼玉、神奈川、千葉(詳しくはこちら)
最愛のペットが病気になり、その病気が
慢性疾患に分類される腎臓や心臓の病気であったり、
または腫瘍性疾患(がん)であったりなど、
今後も定期的な治療や検査を
受けなければいけないとされた時から、
緩和ケアが始まります。
この日からペットの看護・介護が始まる一方で、
ご家族様の生活も維持していく必要があります。
「この子の方がつらいのだから、私が頑張らなきゃ」
自分の気持ちを抑え込み、肉体的だけでなく精神的な負担も加わり、
気づいたころには心も身体も疲弊しきってしまっている、
ということも少なくありません。
緩和ケアで大切なことは、「ご家族様だけで悩まないこと」です。
向き合い方と対処法を理解し、状況を相談できる存在が
いることを知るだけで、きっと心の中で詰まっていたものが
解放されることと思います。
そして、これから始まる緩和ケア、そしてターミナルケアが
辛いだけの想い出ではなく、ご家族様の心の絆を再確認できる、
そして今まで一方的にもらっていたペットからの愛情に応えられる、
心温まる恩返しの時間になるかもしれません。
ペットの
緩和ケアとは?
ペットの緩和ケアでは、病気に伴ったさまざまな
苦痛(吐き気や痛みなど)を可能な限り軽減することで、
最愛のペットに残された時間をその子らしく全うさせて
あげることを目指します。
「緩和ケア」と聞くと、高齢犬・高齢猫を想像されるかと
思いますが、決してそうとは限りません。
若くして慢性疾患や治療困難な病気を抱えてしまった場合には、
その時から緩和ケアを実施して行きます。
ペットの緩和ケアは、人の緩和ケアと違って、
本人がどうしたいのかよりも、ご家族様がどう過ごさせてあげたいのか、
何をどこまでしてあげたいのか、によってその形は大きく変わってきます。
もしも最愛のペットが病気になり、その病気が治らない
病気でずっと向き合わなければいけないと宣告されたとき、
ほとんどのご家族様で大きなショックを受けることと思います。
人の方では、緩和ケア患者様のご家族様のことを「第二の患者」といわれることもあるようです。
第二の患者とまで考えられるくらいにご家族様への負担は計り知れないため、
人の方では、緩和ケアを実施する時には、緩和ケアを受ける本人だけでなく、
そのご家族様に対しても様々な専門家がチームを組んで支援するシステムがあるようです。
きっとこの先、ペットの方でも人と同じような支援システムやネットワークが構築されていくと思いますが、
現状ではまだまだ十分とは言えません。
近年では、獣医療の著しい進歩により、多くの病気が発見・治療することができるようになりました。
しかしその反面、最後の最後まで入院管理下で集中治療を行うことだけが正しいと考えられがちです。
本当にそれが全てなのでしょうか。
本当のところ、残された時間を病院ではなくご自宅でご家族様と共に過ごさせてあげ、
大好きな家族に見守られながら、いつもの好きだった場所で、ご家族様の腕の中で、
最後の瞬間を迎えさせてあげたいという考えがあることも事実です。
ご家族様一つ一つにそれぞれの絆のかたちがあります。
決して周りの意見に流されるのではなく、ご家族様間でしっかりと相談し、
最愛のペットにとって最良の選択とは何かを考えてあげてください。
1日目 採血、超音波検査、処置
2日目 処置
3日目 処置、結果説明と今後の診療プラン決定、皮下点滴指導、投薬指導
〜この日からご家族様による内服薬、
ご自宅での皮下点滴を用いた緩和ケアが始まります〜
1日目 採血、超音波検査、処置、酸素ボンベ使用、酸素室設置
2日目 処置、酸素ボンベ使用
3日目 処置、酸素ボンベ使用、結果説明と今後の診療プラン決定
〜この日からご家族様による緩和ケアが始まります〜
1日目 採血、超音波検査、処置、酸素室設置
2日目 処置、酸素ボンベ使用
3日目 処置、酸素ボンベ使用、結果説明と今後の診療プラン決定
〜この日からご家族様による内服薬、酸素室を用いた緩和ケアが始まります〜
>酸素室に関する質問はこちら
緩和ケアを実施する上で何より重要なことは、
飼い主様と獣医療チームの良好な信頼関係です。
そのためにはご家族様のご意向を包み隠さず教えていただくことが最優先ですので、
まずはゆっくりお話を聞かせてください。
ご意向を把握することと良好な信頼関係の構築こそが、
より良い診療プランを組むことができると信じています。
ペットの状態はもちろんのこと、ご家族様のご意向も、
診療プランを組む上で大切な要素です。
ご意向はご家族様ごとで大きく異なり、「積極的に検査をしてほしい」
「毎日訪問してほしい」と希望されることもあれば、
「検査は望まないので最小限でお願いしたい」、そして「内服薬はあげられない」
「内服薬はあげられても1日1回まで」「皮下点滴はしたくない」などもありますが、
決して意見を押し付けずに一緒に最良となるプランを考えていきます。
できる限りご意向に沿ったプランをご提案させていただきますので、
ご家族様が最愛のペットに対して何をどこまでしてあげたいのか、
診療時にゆっくりとお伺いさせてください。
ペットの
ターミナルケア
(終末期医療)とは
ペットのターミナルケア(終末期医療)は、
残されたわずかな時間をできる限り苦痛なく過ごさせて
あげるために行われるケアのことです。
きっとこの頃になると、体は言う事を聞かないし、
食欲なんてものはおろか、呼吸することすら自然とではなく
頑張ってしている(努力性呼吸)状態なのかもしれません。
関節に痛みを伴っていたり、食べたものを消化する力も
そんなに残っていないかもしれません。
排泄するときも踏ん張れずに排泄物の上に倒れ込んでしまうかもしれません。
でも、決して叱らないであげてください。
今が本人の精一杯であると同時に、これが今の本人にとって普通であり、
その普通が刻一刻と変化しているということをゆっくりと理解し、
「今までありがとう」という気持ちを持って接してあげてください。
そうすることで、キツく苦しいこの時間が、心温まる時間のように捉えられるかもしれません。
どこから緩和ケアで、どこからがターミナルケアなのかの明確な基準はありません。
ただ、ターミナルケアでは、緩和ケアの時期と比べて、より明確なご家族様の覚悟が求められます。
この時期にできる限り実施した方がいいことは、「どんな状況になったら、
どんな具体的なアクションプランを家族として取るのか」について、
ご家族様間でよく話し合って決めておくことです。
たくさんある中から、これだけは押さえておいてもらいたいポイントを
3つ書かせていただきましたので、ご参考にしていただければと思います。
論点は複数あるかと思いますが、最大の論点は急変時にどうするかの
アクションプランの決定です。
「入院も視野に入れて通院させよう。」
「入院はさせないが、通院はさせよう。」
「もう十分頑張ったんだし、家で看取ってあげよう。」
もしその時が夜間だったら、一から事情を説明することを
前提に夜間救急に飛び込むのでしょうか。
日中であっても、かかりつけの動物病院がおやすみだった場合には、
こちらも前述の通り、一から事情を説明することを
前提に別の動物病院に行くのでしょうか。
通院中に、検査中に、処置中に、帰宅中に、
最愛のペットの最期が訪れるかもしれません。
それならいっそのこと、発作や強い疼痛を示した時のために
準備された頓服薬をご自宅で使用し、そのまま様子を見てあげるのでしょうか。
または何もしないで、そのまま自然に任せることを選択されるのでしょうか。
最後の瞬間は、少なからず苦しい時間を過ごしてしまうことと思っています。
その姿は脳裏に焼き付くほどの壮絶なもののように見えるかもしれませんが、
同時にその姿は最愛のペットが必死に生きた証であり、
ご家族様に見せる最後の姿でもあります。
何もしないと決めていても、いてもたってもいられず
夜間救急に駆け込んでしまった、
ということもあると思いますし、覚悟していたとしても、
いざその場になったらどうしていいかわからなくなってしまい、
「一瞬でも逃げたいと思ってしまった」というお話も聞いたことがあります。
どんな時でも、これだけは忘れないでください。
「最愛のペットは、きっとご家族様のことをひと時も忘れたことはないと思います。
出会ってから今までずっと。」
だからこそ、ご家族様にとって最後の義務であり最大の義務となりうることは、
ペットをしっかりと看取ってあげることであると、私たちは考えています。
この決断は、ペットを迎えた以上、必ずしなければならない最大の決断であり、
飼い主の覚悟であると思います。
目を背けず、しっかりと話し合っておきましょう。
ご飯に関しても、何をあげるのか、どこまで介助するのか、
の2つが大きなテーマになることと思います。
ターミナルケアの時期に入ったペットに、自分からご飯の前にいき、
いつものご飯をいつも通り食べてくれる、
ということを期待しないであげてください。
お皿の前までいき、前肢で体を支えながらご飯皿に顔を突っ込んで
食べてくれるなんて昔のことで、今は立ち上がることすら辛いのかもしれません。
ご飯を食べて飲み込むときは、呼吸を止めなければいけませんので、
もし呼吸が苦しいとしたら、酸素の補助なしでご飯を食べるなんてことは
難しいに決まっています。
呼吸に問題はないと仮定すれば、大きく低下した食欲に対して、
いつものご飯だけで最後までいくのか、
粉ミルクやスープなどのご飯をあげるのか、
それともなんでもいいからと模索してあげるのかなど、
何をあげるのかについても相談していきましょう。
専門家のアドバイスを参考にすると、
もしかしたらご飯の種類幅が広がるかもしれません。
獣医師の中には、それでも療法食だけをあげてくださいという方もいますが、
最終的に決めるのはご家族様です。
次に、自分から食べられなくなったら、どこまで介助するのかです。
飲み込みやすいように体勢を整え、ご飯を口の中に入れてあげるまでなのか、
それとも無理にでも飲み込ませるためにスポイトなどを使って喉の奥まで
ご飯を流してあげるのかなど、介助の度合いも重要なポイントとなってきます。
具合が悪くて気持ちが悪いと仮定した場合に、
そのまま何もしないで衰弱していくのを待つ覚悟はありますか?
それとも頑張って液状ご飯を飲ませることを選択しますか?
頑張って飲み込んで、少しでも栄養をつけて欲しいと願う気持ちとは裏腹に、
ペットはその時間をとても嫌がるようになると思います。
食欲がない時に無理やり食べさせられたらと想像してみてください。
結構つらいということが想像できるのではないでしょうか。
最愛の飼い主様から無理やり口の中にご飯を突っ込まれていくうちに、
ペットにとっては大好きだけど怖くて嫌なことを
する存在になってしまうかもしれません。
飼い主様が立ち上がっただけで、ピクッと警戒されてしまうかもしれません。
最初は頑張りたい気持ちで始めた強制給餌でしたが、時間が経つにつれ、
ペットにどんどん嫌われていくような気がして、「ここまでやるべきなのか。
残りわずかの時間なのに、最後の最後で今まで築いてきた
絆が壊れてしまうのではないだろうか。」と、
実際に一番近くでペットと向き合っている人から心が折れてしまいがちです。
だからこそ、「ご飯を食べさせてあげたい」ということに
関してどこまでやってあげるのか、もしご飯を口に運ぶのであれば、
嫌われ者役を誰が担うのかなど、ご家族様間でしっかりと
話し合っておくことが推奨されます。
これは食事のことだけでなく、トイレのお世話や寝返りが
打てないのであれば何時と何時は誰が寝返りを打たせてあげるのかなども、
ある程度決めておき、できることなら役目を分散させた方がいいと思います。
体力の消耗は、精神の消耗に直結します。
ご家族様みんなで、最愛のペットが旅立つその時までをサポートしてあげましょう。
ターミナルケアでは、ペットが抱えている症状を
少しでも緩和させるために、医薬品を用いることが多いです。
西洋医学、東洋医学、その他たくさんの医学が存在しますが、
現在の日本で最も多いのが西洋医学を用いた方法であると考えています。
疼痛(痛み)を伴う病状であれば鎮痛薬、吐き気が続く病状であれば制吐薬、
食欲がないのであれば食欲増進を目的とした薬、
発作を伴うのであれば抗精神薬などを用います。
ちなみにこの時期の嘔吐は、目で見てわかるくらい著しく体力を
奪っていきますので、確実に止めてあげたい症状の一つです。
薬をご飯に混ぜて飲んでくれるのであればいいのですが、
そうは言っていられないのがこのターミナルケア(終末期医療)のステージです。
ここで考えるべきポイントは、どの症状をどこまで止めてあげたいのか、
それらの投与方法は内服薬なのか、注射薬を用いた皮下点滴なのか、
朝と夜などの常用でいくか、症状が目立った時のみの頓服なのかなど、
ご家族様のご意向次第で選択することができます。
もちろん、症状によってはすぐには症状が治らず、
または全く効果を示してくれないということもあります。
しかし、止められるものであれば止めてあげたいと考えるか、
自然のまま過ごさせるという選択をされるのかで、まずは大きく分かれてきます。
「自然のまま逝かせてあげたい」という言葉だけを
見ると静かで優しい雰囲気を感じるかもしれませんが、言葉を変えれば、
痛みや吐き気を伴っていた場合には、それらの症状で苦しんでいるペットを前に、
ただ見て応援するだけということを選んだ、
というとても覚悟のいる決断だということをご理解ください。
もし最後まで投薬してあげることを選択されるのであれば、
症状を全体的に抑え込めるよう複数の薬を使用していくか、
症状をピンポイントで絞り、薬の種類を最少にするか、
飲めないのであれば皮下点滴で入れてあげるか、
その投薬は(点滴は)誰が実施するのか、などの問題が上がってきます。
内服薬はご飯に混ぜて飲んでくれるまではやってあげたい、
どうにか内服薬は飲ませたいので粉砕してご飯に混ぜる、
水などで液体にして口の中に注入するなど、
内服薬についてだけでもペットの状態、性格、そして生活環境で異なってきます。
2017年から今までの経験からすると、緩和ケアのときは内服薬で進めていき、
ターミナルケアではご自宅で皮下点滴を用いて投与しまい、
口からは美味しいご飯だけをあげたい、というパターンが最も多いと感じています。
ここでは3点のみをピックアップしてお話しさせていただきましたが、
もっと多くのポイントがそこには存在しています。
だからこそ、ターミナルケアではご家族様間でしっかりと話し合い、
家族の誰か一人に押し付けない、
みんなで方針を立てることが何より大切です。
ペットの体調(生理機能や運動機能など)の緩やかな低下を、
緩和ケアの頃からずっと見てきてある程度覚悟していたとしても、
いざお別れの日が目の前に来ると、誰しも恐怖を感じ、
目の前で起きている現実を受け止められないくらいの
不安を覚えることと思います。
治すことができないからといって、何もできないわけではありません。
どこからが延命なのか、と聞かれれば、
往診でできることの全ては延命ではなく緩和であるとお伝えしています。
ペットのターミナルケアに対する考え方は非常に繊細であり、
ペットの状態はもちろんのこと、登場する人物が置かれている環境や
その時々の精神状態によっても、大きく左右されると考えています。
そんなステージにいるからこそ、専門家に相談し、
そこで受けたアドバイスをもとに、ご家族様間でしっかりと話し合い、
方針を決めてあげましょう。
緩和ケア期間 :
2019年2月14日〜2020年5月11日
ターミナルケア期間:
2020年5月12日〜2020年5月28日
急に食欲がなくなってしまい吐き戻しが始まったと伺い、前倒しで血液検査・超音波検査を実施したところ、
腎臓の数値が跳ね上がっていました。その日から3日間朝・夜の1日2回の訪問を行いましたが、
3日目の結果で改善を認められなかったため、余命宣告を行いました。
この日から、ターミナルケアが開始しました。
今回は、ご家族様の「もう十分頑張ってくれたんだし、これ以上無理に栄養を摂らせて長引かせたくない」という決断を尊重し、
食事はペットが食べたいのであれば好きなものを食べさせてあげるまでとしました。
2020年5月28日の早朝、お母さん、お父さんの見守る中、大好きだったソファの上で眠りにつきました。
「にゃっ」と小さく声を出し、その後深い呼吸を数回行い、意識が薄くなっていくのを感じたとのことでした。
ターミナルケア期間 :
2020年2月10日〜2020年3月4日
急に食欲がなくなってしまい、かかりつけの動物病院で
検査したところ脾臓に腫瘍が見つかり、
肺への転移を認めたため余命2週間と宣告され、
できる限り家で過ごさせてあげたいということから
在宅でのターミナルケアを選択されました。
貧血が進行し、もうだめかなって思ってまた立ち上がってを繰り返し、
当初想定していた2週間を大きく伸ばし1ヶ月も頑張ってくれました。
その歩く姿は、力強さはないものの、ご家族様にすりすり、「撫でて!」と言わんばかりの行動に、
「もっとこの時間が長く続けばいいのにな」「でも、苦しい時間なら早く楽になってほしいな」という、
複雑で矛盾した感情が交互にくると、ご家族様からお伺いしました。
2020年3月4日の夕方、お父さんが帰宅したのを待っていたかのように、
ただいまとおかえりのすぐ後、急に立てなくなりそのまま眠りについたとのことでした。
緩和ケア期間 :
2018年12月5日〜2020年8月3日
ターミナルケア期間:
2020年8月3日〜2020年10月22日
腎不全ですでに往診で緩和ケアを実施しており、内服薬のみから皮下点滴の併用と、
ゆっくりと緩和ケアを進んでいた症例です。
急に食欲がなくなってしまい、軟便になってしまったことをきっかけに腹部超音波検査スクリーニングを実施したところ、
腸のあたりに複数の大きくなったリンパ節を確認しました。
通院が苦手な子であったことから、大きな動物病院での精査や、
抗がん剤などを視野に入れた攻めた治療は希望されませんでした。
年齢と猫であること、今の症状からリンパ腫の可能性が高いことを考え、同日、余命宣告を行いました。
2020年10月2日から腹水、胸水が溜まり始め、利尿剤などを使用して貯留速度を緩め、
徐々に弱っていきつつも、いつも玄関までお出迎えしてくれていました。
2020年10月21日、1週間何も食べれていなかったのですが、この日は少しだけお母さんの手からご飯を食べてくれまた。
もしかしたらって思いましたが、日を跨いだ真夜中に、静かに息を引き取りました。
緩和ケアの頃は、今抱えている症状を
できる限り緩和して、ご自宅でゆっくりと
過ごせることを目標に診療プランを組んできました。
「それでは、また来月お伺いします。」
診療が終わると、ご家族様は笑顔であり、また投薬などの看護や、
生活環境を整備した介護がある前提ではありますが、ペットとの日常が戻ってきます。
徐々に下がっていく体力に合わせて、「前回よりもこんな点がこんな風に変化したので、
ご飯の皿をこうしてあげて、床はこんなふうにし、お尻が汚れてしまったらこんなものを使用していきましょう。」など、
状態に合わせたアドバイスを行っていきました。
しかし、ターミナルケアになると、状況は大きく変わります。
1ヶ月後のお話などできることはなく、毎日どんな変化が出てくるのかを慎重にご説明させていただき、
1週間後も今と同じ体調でいられる可能性はとても低いです。
何をしても後悔は残ることと思います。
「もっとあの時、こんなことをしていればよかった」
「なんであの時、もっと一緒にいてあげられなかったんだろう」
答えなんてものは、誰もわかりません。
ただ、唯一言えることがあるとすれば、「飼い主として、最愛のペットをしっかりと看取ることができた」
という事実がそこにあるということです。
病気が見つかり、余命宣告され、目の前が真っ暗になったとき、諦めてしまう前に、
まずは専門家に相談して、できることを一つずつ確認していきましょう。
心ある緩和ケア、ターミナルケアは、そこから始まります。
往診と通院の違い
治療が見込めないと判断された時〜看取りまで
全年齢
初期〜通院させられるまで
全年齢
>> 乳腺腫瘍の高齢犬(東京台東区/急に歩けなくなった/食欲なし)
わんにゃん保健室で在宅ターミナルケアを実施した、高齢犬で保護犬だったバウちゃんです。
愛の溢れるご家族様に見守られながら、2021年10月23日、虹の向こうにお引越しされました。