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街の頼れる獣医たち vol.015
往診専門動物病院わんにゃん保健室 江本 宏平 院長

往診専門動物病院わんにゃん保健室は、東京都台東区・中央区を中心に都内で往診診療を行っている犬猫の往診専門動物病院だ。院長の江本宏平先生は、都内での動物病院勤務と1年半に及ぶ海外留学を経て「病院に行けず諦められていた命に対して手を差し伸べたい」と考え、2017年に開院した。時間や距離などの問題で通院できない場合や、病院が苦手なペットなど、様々な事情を抱える飼い主が往診を利用しているという。また、終末医療であるターミナル(緩和)ケアでは、飼い主に寄り添った医療が提供できることも往診ならではの特徴だ。「一人で悩まずに、些細なことでも相談してほしい」と話す江本先生に、往診の意義やターミナルケアでの医療についてお話を伺った。(取材日 2017年11月13日)

飼い主様とペットの生活環境に合わせた医療を提案

 

往診とはどのような医療でしょうか。

一言で言うと、飼い主様とペットの、健康と心に寄り添う医療です。

診察は、基本的に飼い主様のご自宅で行います。一般的な獣医療では、動物病院に通院できない子は医療を受ける手段がなく、諦めるしかありませんでした。しかし往診では、そのような子たちにも手を差し伸べることができます。

また、「飼い主様の生活環境を踏まえた診療プランを一緒に考える」ことができるのも往診の特徴の一つです。例えば、膝が悪いワンちゃんの飼い主様が「膝に負担がかからないようにしてください」と病院で言われても、どうすれば良いか分からないこともあるでしょう。一方、往診ではご自宅にお伺いしていますので、「この部屋のこの位置に、このような滑り止めをつけましょう。ソファーにはこれぐらいのスロープをつけましょう」と、具体的に話ができるのです。

往診では、飼い主様のお話を詳しくお伺いすることを大切にしています。理由は、そこに問題のヒントが隠されていることが多いためです。

また、飼い主様の生活環境を踏まえた診療プランをご提案できることが、往診の最大のメリットとも言えるでしょう。

診療内容によっては動物病院と比べて時間がかかる場合もありますが、血液検査や点滴といった処置も対応可能です。診断の結果、動物病院を紹介したり、入院をお勧めしたりすることもあります。「できること」「できないこと」を見極めた上で診療プランを提案することを心がけています。

往診専門動物病院わんにゃん保健室はどのような方が利用されていますか?

子犬・子猫から高齢の子まで、通院が難しい飼い主様にご利用いただいています。高齢の子に対する緩和ケアが3、4割を占めます。他にも、多頭飼いで通院が大変な飼い主様やワクチン接種が終わっていない子犬・子猫の家に行くこともありますね。猫ちゃんは年齢を問わず多く診療しています。

通院が難しい理由は飼い主様によって様々ですが、大きく分けると、「飼い主様側の問題」と「ペット側の問題」があります。

飼い主様側の問題としては、身体の不自由な方や病院までの距離が遠い方、通院の時間が取れない方などです。開院前は、ご高齢の飼い主様からの往診依頼が多いかと思っていましたが、お仕事で忙しい方や赤ちゃんがいる方など、結果的には幅広い年齢の方にご利用いただいています。

ペット側の問題では、病院が嫌いな子、症状やペットの体格が原因で外に連れ出せない子などです。往診では、白衣やスクラブを着ることは少ないですし、飼い主様も僕も自然体でお話していますから、病院が苦手な子であっても「獣医が来た」と警戒されることは少ないですね。

江本先生が考える往診の役割とはなんでしょうか。

様々な事情から通院を断念してしまった飼い主様は、「自分のペットに対しての責任」を一人で背負わなければいけない状況に置かれてしまいます。そのような方に対して、「一人で悩まないように寄り添うこと」が、往診専門獣医の役割だと考えています。

「病院に行けないから何もできない」ではなく「この環境で何ができるか」を追求していくことが往診です。

日本では往診という医療形態が浸透していませんが、往診が普及することで救える命と、往診が必要な飼い主様は多くいるはずです。これからも「諦めるしかなかった命」に対して、できる限りのサポートをしていきます。

飼い主の心も助けるターミナルケア。
残された時間をより良い時間にしていく

 

ターミナルケアとはどのようなものでしょうか。

「ターミナル期」とは、病気が進行して治療に反応しなくなってしまった状態を指します。「末期の腫瘍」「発作が止まらない」「ずっと吐いてしまう」などのケースはターミナル期と言えるでしょう。

ターミナルケアは完治を目的とした治療ではなく緩和ケアです。「残された時間をその子自身と飼い主様にとって良いものにしていく」ことがターミナルケアです。

ターミナルケアを行うことで必ずしも余命が伸びるわけではありませんが、残された時間のQOL(生活の質)は高めることができます。

最期をどう過ごさせてあげたいか、それは飼い主様によって異なります。最大限の医療を受けさせたいと思う方もいますし、好きなものを食べさせてあげることを優先させたい方もいます。「この子にとっての幸せとはなにか」を一緒に考えるので、決して飼い主様を一人で悩ませることはありません。

ターミナルケアでは、どのような診察をされていますか。

一番大切なことは、飼い主様からお話をお伺いし、現在の状況と問題点を整理することです。ターミナル期の子を抱える飼い主様の中には、日に日に弱っていくわが子を見て、何もできない自分に絶望をされている方が多くいらっしゃいます。相談する相手もおらず、すべての責任をご自分だけで抱えてしまっているのです。

そのような状況下で、まずはその子の現状と今後の経過をお伝えし、飼い主様が感じている課題への対応方法を考えていきます。痛みや吐き気といった苦しみは緩和させてあげることができますし、発作が起きたときの対処法もお伝えできます。飼い主様が一人で抱えていた悩みを一緒に考えることで、飼い主様の負担と精神的ストレスも軽減することができれば理想的ですね。

ターミナル期の子は残された時間が少ないので、1日1日が飼い主様が最愛のペットとの思い出を刻む大切な時間です。後悔のないように、どんな些細なことでも疑問を残さず、何でも聞いてもらえればと思います。状況によっては1日に2回訪問することもありますし、緊急時に備えて夜間でも繋がる電話番号をお伝えすることもあります。飼い主様とその子にとって、より良い時間が過ごせるようにサポートをさせていただきます。

印象に残っている患者さんはいますか?

中型犬の雑種の子にターミナルケアを行った時のことが印象深いですね。初めて呼ばれた時には発作を起こして痙攣をしていたのですが、処置をして2時間ほどすると、自力で立ち上がりご飯を食べられるほどに回復しました。その姿を見て安心した飼い主様が泣き崩れてしまったのです。

僕を呼んだ時には、安楽死をしてもらおうと考えていたとのことでした。誰にも相談できず、安楽死を考えてしまうほどに追い詰められていたのですね。

その子は徐々に歩行が難しくなり、感覚も鈍くなっていきましたが、最期まで自宅で生活することができました。最期の日は元気に起き上がってお母さんの手からご飯を食べ、自分のお気に入りのソファーに移動して眠るように亡くなったそうです。最期にお母さんに「ありがとう」と伝えていたのでしょうね。

「ターミナル期の子に対して何ができるか」は難しい問題です。しかし、痛みや苦しみは薬で軽減できますし、飼い主様の愛情も伝えることができます。感覚が鈍ってしまい、なでられていることすら分からなくなっている子であっても、強く抱きしめれば伝わります。飼い主様の精神的負担を少しでも減らし、一緒に何ができるかを考えていきたいと思っています。

最後に飼い主さんへのメッセージをお願いします。

動物を通院に連れていくことができない状況であっても、一人で悩まないでください。

往診ではご自宅にお伺いし、飼い主様に合った診療プランをご提案します。生活リズムにより一般的な治療が難しい場合や、動物病院に連れて行けないペットに対しても、往診で提供できる治療は多くあります。

ターミナルケアでは、飼い主様とペットにとっての幸せが何であるかを一緒に考えていきたいと思っています。

往診での診療プランは一つではありません。飼い主様にとって最適な方法をご提案しますので、「診てもらいたいけれども連れていくことができない」と悩まれている方は、ぜひ一度ご相談ください。

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ドクターズインタビューに当院のドクターが掲載されました

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