わんにゃん保健室
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ペット往診訪問介護の最近のブログ記事

こんにちは!往診専門動物病院わんにゃん保健室の獣医師です。

 

当院は、ご自宅を訪問しご自宅で診療を行う往診を専門とする動物病院です。

 

往診をご利用されるご家族様にはそれぞれの理由がありますが、多くお聞きする理由としては、①ペットが通院が苦手である②ペットが高齢である③持病のあるペットに負担をかけたくないといったものがあります。

 

往診では、ご自宅にお伺いしますので、外出するという負担をなくすことが出来、待ち時間という時間の無駄もなくすことが出来ます。

また、わんちゃんや猫ちゃんが一番ストレスを感じる診察や検査、処置の後にはすぐに安心できるいつもの居場所に戻ることが出来るため、ストレスも軽減してあげることが出来ます。

 

往診においても、身体検査だけでなく、血液検査や、超音波検査などある程度の検査や処置を実施することが可能です。必要に応じて、専門の二次診療施設をご紹介させていただくこともあります。

 

当院の診療範囲は、台東区や中央区を中心とした東京23区全域および周辺地域です。まずはお気軽にお問い合わせください。

 

 

高齢ペット相談会

当院では、診療業務の他、ご家族様向けのセミナーの実施や、ペットに関する各種イベントへの参加も積極的に行っています。

 

5月には、台東区の御徒町駅前で開催された『すまいるフェスin台東区 2019 ~ありがとうのRENSAで人も動物も笑顔に~』に参加させていただき、“高齢ペット相談会”を実施してきました。

多くの方々がイベントにご来場下さり、高齢ペット相談会にも高齢になったペットとの暮らしの中でさまざまな悩みを抱えるご家族様にお立ち寄りいただきました。

 

先程もお話ししましたように、ご自宅に伺い診察する往診という特性から、当院は高齢犬や高齢猫のご家族様からの診療のご依頼を多く受けます。それぞれのご家族様ごとに、オーダーメイドの介護の形を一緒に考えてきました。

そんな経験を踏まえ、高齢ペット相談会を実施いたしました。

 

相談会の中で出てきたお話は、もちろん病気に関するお話が多かったのですが、高齢ペットの行動の変化に関するお話が同じくらい多くあったことが印象的でした。

 

今日は、高齢ペットの行動の変化について少しお話させていただきます。

 

ペットの高齢化

獣医療の発展やペットの飼育環境の改善により、犬猫の寿命はとても長くなりました。

2018年に一般社団法人ペットフード協会が行った全国犬猫飼育実態調査によると、一般家庭で飼育された犬の平均寿命は14.29歳、猫の平均寿命は15.32歳だそうです。

 

ペットの寿命が延びたことにより、以前よりもペットの高齢化による行動の変化を感じるご家族様が増えてきたように感じます。

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人と同じように、犬猫も高齢になると加齢による身体機能の低下や、視力や聴力の衰え、認知機能の低下からさまざまな行動の変化が見られることがあります。

夜鳴きや、徘徊行動、攻撃的な行動、トイレの失敗、昼夜逆転、無駄吠えなど、それはさまざまな形で現れてきます。

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もちろん、その中には何かしら治療が必要な疾患が隠れていることもあるため、原因をきちんと見極めることが大切です。

原因を見極めた上でそれが治療出来る疾患が原因ではなかった場合には、生涯向き合っていくことが必要となります。

 

向き合っていく上で考えるポイントは、

 

①ペットにとってそのことで苦痛があるのか

 

そして、

 

②ご家族様にとって負担となっているかということだと思います。

 

例えば、痴呆で落ち着きなく徘徊し続け、ゆっくり眠ることも出来ていないペットには、気持ちを落ち着かせてあげるお薬を使うことがペットにとって良いこともあります。

トイレの失敗が増えて家中で用を足してしまい、ご家族様にとって大きな心労となってしまう場合には、おむつをつけてあげるという方法が一つの解決策となることもあります。

ちょっと無駄吠えはするけれど、本人に苦痛はないし、ご家族様もそれも可愛さと思って気にならないということであれば、そのままでもいいのです。ご家族様も夜も眠れなくて、体調を崩してしまうようなことがあれば、それは対策を考える必要があります。

 

完全に若い頃と同じような生活が送れなくても、ペットとご家族様がお互いに大きなご負担なく生活できること、高齢ペットとの暮らしで目指す形はこれで十分だと思います。

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(図:徘徊の末、汚れた足)

 

高齢ペットの介護にお悩みのご家族様へ

高齢ペットの介護をされているご家族様、皆さん一人ではありません。

同じような状況の方もたくさんいらっしゃいます。

動物病院でも、治療だけでなく介護に関する相談も出来ます。

 

一人で悩まないでください。

 

頑張りすぎないでください。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、医療面だけでなく、介護に関しても知識が豊富なスタッフが介護に関する相談をお受けすることも出来ます。ペットにとってもご家族様にとっても最後まで幸せな気持ちで日々の生活を送ってほしい、と考えています。

 

以前、落ち着いて眠ることが出来ないわんちゃんのご家族様からご相談を受け、ベットのタオルの敷き方を一工夫することでぐっすり眠ってくれるようになった子がいました。ほんの一工夫で生活の質が大きく変わることもあります。

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在宅介護についてのご相談や、高齢のペットの今後の通院や治療に関するご相談もいつでもお待ちしておりますので、こちらからどうぞお問い合わせください。

 

 

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在宅ケア相談/アメショ/19歳/目黒区

こんにちは

往診専門動物病院 わんにゃん保健室の看護師です。

先日はちゅーる大好きなアメショさん(19歳)の往診にお伺いいたしました!


最近、腫瘍摘出手術を乗り越えましたが、腎臓病を患ってしまいました。
今後は往診も視野にいれての在宅ケアのご相談です。

今後の身体の変化とご様子の流れ、病気について、シビアな金額のお話し等々

 

アメショさんの現在の状態をみて

ご相談させていただきました(^^) 総合栄養食のちゅーるをきっかけに
ふやかしだけでなく、ドライフードも完食してくれました❗️
その食欲!ステキです✨

illustrain06-neko17.png往診エリア拡大中!
港区、渋谷区、新宿区、品川区、中央区、目黒区、江東区、台東区、墨田区、千代田区、荒川区、葛飾区、江戸川区、足立区、文京区

 

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シニア期(高齢期)を迎えた犬猫の生活環境

往診専門動物病院 あさくさワンニャン保健室

代表獣医師の江本宏平です!

 

今回は、シニア期(高齢期)を迎えた犬猫のにとっての生活環境についてコラムを書きました^^

往診専門動物病院では、ご自宅まで往診獣医師が訪問し診察を行っていきます。往診獣医療が動物病院内での獣医療に比べて利点であると考えられるポイントに、『ペットの生活環境』をしっかりと見つめられることが挙げられます。診察時間を十分に確保し、ペットにとってだけでなく飼い主様を含めたご家族様全てにとっての最良の診療プランを一緒に考えていきます。往診をご希望の飼い主様は、お気軽にご相談ください。中央区に分院を構えることで、隣接する港区品川区までの往診が比較的スムーズになってきました^^最近になって港区と品川区にお住いのわんちゃん・猫ちゃんへの往診獣医療の提供依頼が増えつつあるため、新たに港区に拠点を設けていく予定です。港区や品川区にお住いの飼い主様にも、あさくさワンニャン保健室の往診獣医療をお届けさせていただけますので、お気軽にご相談ください。

 

では、コラムの開始です!

 

シニア期を迎えた犬猫の生活環境

シニア期(高齢期)を迎えたわんちゃん・猫ちゃんは、今までと比べて活動力が低下したり、食欲がなくなったり、本来なら失敗することがないトイレでも粗相してしまうことが増えてきます。これらの兆候には、もしかしたら代謝機能の低下や内分泌疾患なども関わっているかもしれませんし、どこかに腫瘍があって、生命維持活動を阻害しているためかもしれません。動きが悪くなったのは関節が痛いのかもしれません。トイレの粗相はトイレまで行こうとしても間に合わなかったのかもしれませんし、てんかんなどの神経症状を発症してしまったために失禁してしまったのかもしれません。毎日毎日、身体機能の衰えを感じて生活していくことは、犬猫本人からしても決して楽しいことではありません。例えば認知機能低下症疑いの柴犬では、トイレに間に合わないことが多く、その度に飼い主様が掃除し、尿で汚れた股周囲を拭いてあげなければいけません。でもこの柴ちゃんはとてもプライドが高く、股の周りを拭かれることにひどく唸り『やめろ!』と言わんばかりに牙を飼い主様の手に当てることがしばしあるようです。それでも飼い主様は『はいはい、ごめんね』と話しかけながら、尿で汚れてしまった股を毎日拭いてあげているとのことです。

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幼齢期(パピー期、キトン期)のお世話も壮絶ではありますが、毎日の生活の中でいろいろなことを覚えていくペットの成長を楽しめます。どんどん成長する我が子に、感極まることもあると思います。幼齢期(パピー期、キトン期)のお世話の先にあるものは『できることの増加』による楽しい生活の想像です。しかし、シニア期(高齢期)を迎えた犬猫との生活に待っているのは介護であり、そこにあるのは『できないことの増加』です。毎日毎日弱々しくなっていく我が子を見ていると、なんとも言えない感情を抱き、時には見て見ぬ振りをすることもあるかと思います。でも、その行為を単純にネグレクトだと責めることはできません。介護はとても大変であり、時として心を病んでしまい、思ってもいなかったようなことを口走ったりやってしまったり、冷静さを失ってしまったためにしてしまったということもあるからです。介護期に入ったら、できる限り介護に関わる人間の数を増やしてください。そして、この時期に必ず思い出してもらいたいことは、『我が子を迎え入れた時のこと』です。

 

ペットを迎え入れるとき、おそらく介護が必要になったシニア期(高齢期)のことを想像できている方は少ないと思います。日本では、まだウインドウ越しにパピー(子犬)やキトン(子猫)を眺め、わくわくしながら選択をして家族として迎え入れている風景をよく目にすることがあります。もしこのときに、わんちゃん・ねこちゃんが一人ではご飯も食べれなくなり、トイレもできなくなる日がいづれくることを知っていれば、もしかしたら選択肢は変わっていたかもしれません。

 

前置きが長くなりましたが、今回はシニア期(高齢期)に考えなければいけない、犬猫の生活環境について書かせていただきます。往診専門動物病院あさくさワンニャン保健室では、シニア期のわんちゃん・猫ちゃんのご自宅に訪問した際には、必ず生活環境を踏まえた診療プランをご提案させていただきます。

 

生活環境とは、犬猫の医療面や健康面、飼い主様の家庭状況などあらゆる事象を含めてひとくくりに呼んでいます。難しいことはさておき、ご家族様だからこそできる日常の介護ポイントについて少し触れていきます^^

 

1.ご飯皿の位置

シニア期(高齢期)になると、なんとなく食欲が下がってくることがあります。食事内容については、前回のブログでお話しさせていただきましたので割愛しますが、もしかしたら前足の踏ん張りが効きづらくなったためにご飯皿に顔を突っ込むことができないのかもしれません。シニア期では、ご飯皿や水皿は床に直接置くのではなく肩より少し低いくらいの高さに調整してあげましょう。腰が痛くなると前足に重心が強くかかるようになり、そのせいで常に前足がぷるぷるしてしまっていて呼吸も上がり、ご飯のときに息を止めて体制をキープしながらという姿勢は少し厳しいかもしれません。でも、お皿の位置をあげてあげるだけで、以前と比べて体制を前に倒さなくていい分、楽にご飯を食べることができます。ぜひ挑戦してみてください!

 

2.床

床はフローリングの場合には滑り止め加工を考えてあげてください。フローリングは滑ってしまうため、関節の痛みや筋力の衰えなどが影響して、うまく歩けなくなってしまうかもしれません。100円ショップなどでも売っている貼るタイルタイプの滑り止めを、わんちゃん・ねこちゃんの生活環境に設置してあげましょう。また、この時期は爪が伸びっぱなしにされていることが多いので、月1回は切るようにしてあげましょう。そして、足裏の毛が長くなっていたら肉球が見えるまでカットしてあげることをお勧めします。爪や足裏の毛が滑りの原因になることがありますので、日常ケアとして頑張っていきましょう!

 

3.物の位置は変えない、その形状に注意!

シニア期になると、犬猫も人と同じように視力が低下してきます。例えば腎機能低下のねこちゃんでは、腎性高血圧による網膜剥離が起きていて、すでに目が見えないかもしれません。また、ふらふらした歩き方になってきたときにはいきなり転んでしまうかもしれません。このときのポイントは、物の位置を変えないことです。物の位置を今までの経験から体が覚えていますので、目が見えなくても意外と平然と生活を送っている子達を多く見ています。荷物はできる限り床に置かないようにし、わんちゃん・ねこちゃんが家の中をうろうろするときに邪魔にならないようにしましょう。そして、次のポイントは『物(家具など)の角をカバーすること』です。いくら体で生活環境を覚えているとしても、体が不自由なのには変わりなく、たまたまぶつかってしまったところが尖っていて、それが目に刺さってしまったなどの事故を未然に防ぐ努力をしておきましょう。

 

4.気温や湿度

犬猫にとって生活しやすい環境はざっくりと20度〜28度(大型犬では20度程度、猫では28度程度)で、湿度に関しては人間が生活しやすい湿潤環境です。これらに関しては、若齢の頃とそこまで差はありませんが、食事量も筋肉量も減り、活動性も低下している場合には、少し暖かい環境を家の中に作ってあげることをお勧めします。もし本人が寒いと感じたならば、自分で暖かい場所に移動して暖をとります。このときは、もし可能であれば鎌倉のようなものを作っていただき、中にはタオルで包んだ湯たんぽをいれておくといいと思います。

 

このように、ペットのライフステージに変化に伴って考えなければいけないことは身近な環境にも多く存在しています。これらのポイントを把握することで、より快適なシニアペットライフを過ごせると思います。

 

今回のブログの最後に、シニア期(高齢期)における獣医療選択の話を少ししていこうと思います。ここでのポイントは、『ペットにしてあげたいこと』・『ペットが求めているであろうこと』・『ペットにしてあげられること』の3点です。

あさくさワンニャン保健室では、初回の診察のときにゆったりと2時間程度の時間をとり、状況と診療方針についてとお話を伺っていきます。

例えば、進行した病状を呈している高齢犬を診察するときには、現在抱えている症状や病気についてお話しさせていただき、この症状・病気が今後どのように進行していくのかなどの経過の推移をお伝えさせていただきます。専用施設(2次医療施設)でしっかりと入院管理で治療させたいのならば、信頼できる獣医療機関をご紹介させていただきます。費用はかかると思いますが、直せるのならばお願いしたいと以前相談されたことがあります。または、入院管理ではなく家で過ごさせてあげたいと考えられている飼い主様には、在宅でできる診療プランをお話しさせていただきます。選択された診療方針を踏まえた上で、今後の診療プランを何パターンか提案し、飼い主様に選択していただきます。その選択肢の中から、かかってくる費用面が飼い主様の生活を困窮させてしまうほどなのかどうかをしっかりと話し合い、意思決定をしていきます。犬猫の病状にとっての最良のプランが飼い主様にとっても最良であるとは限りませんし、絶対にこうしなきゃいけないというものはありません。ご家族様にとって最善の選択を一緒に考えていきましょう。

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犬猫も人と同じように年をとり、『できないこと』が日に日に増えていきます。しかし、このできなくなった部分は飼い主様が手を差し伸べてサポートしてあげられます。もしやり方がわからな毛れれば、往診の際に指導させて頂いたり、その他のサポート機関を利用したりなど、近年は多岐に富んだペットライフサービスが普及されています。

築き上げたペットとの絆を悲しい思い出で締めくくらないように、シニア期を迎えた・そろそろ迎える時には、是非ご相談ください。一緒にその子にとっての最善を探していきましょう!

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あさくさワンニャン保健室の江本宏平です。

現在は、台東区に本院中央区に分院を構えてペットの往診をしています。往診獣医師によるわんちゃん・猫ちゃんの往診をご検討のご家族様は、お気軽にお問い合わせください。

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シニア期を迎えた犬猫の食事で気をつけること(まだまだ自分で食べられる犬猫バージョン)

中央区江東区の街並みで目立つものとしてタワーマンションがあります。街が若いと表現するのが正しいのかわかりませんが、このエリアでは新たに引っ越されてくる方が多いように感じています。引越しに伴い、今まで迎えることができなかったわんちゃん・ねこちゃんを、新たな地で迎えているように思います。外で出会うお散歩中のわんちゃんの多くは10歳未満であり、往診で出会うわんちゃんは0歳の子が多く、また猫ちゃんは15歳以上の子が殆どです。元気に楽しそうに散歩しているわんちゃんの姿は、とても心癒される光景です。出会う飼い主の方々から、『ご飯は何がおすすめですか?』と聞かれることがあります。正直、どれがその子に適しているかということはわかりませんが、あまり添加物が含まれていなくて、できる限り含有成分が表示されているものをお勧めしています。中には、しっかりとしたペットフード製造工程がなされないままに製造・出荷され、店頭に並んでいるものあります。

愛犬・愛猫の健康管理は、飼い主様の義務です。しっかりやっていきましょう!

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そんなご飯の話ですが、実は成犬期や成猫期と高齢(シニア)犬・猫期では考え方が大きく変わってきます。ある程度までの年齢までならば一般食でもいいかとおもいますし、最近話題のプレミアムフードなども本人次第ですが嗜好性が高いのでお勧めです。しかし、これらの欠点としては含有成分とそれらの量についての明記が詳しくされておらず、またメーカーに問い合わせてもそこまで詳しくは答えられないということです。プレミアムフード、たしかに栄養価や嗜好性も高いようです。しかし、ずっとそれを与え続けていればいいのでしょうか?高齢期(シニア期)を迎えたわんちゃん・ねこちゃんにとって、考えるべきポイントは『含有成分』『代謝エネルギー(カロリー)』、そして『嗜好性』です。そんなご飯のお話について書いていきます。

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ご飯を大きく分類すると、一般食療法食に分かれます。一般食には総合栄養食副食(嗜好食)といったものがあります。総合栄養食は、タンパク質や脂肪、ビタミン、ミネラル、そして炭水化物がバランスよく含まれており、栄養素的にバランスのとれたものを言います。これに対して、副食や嗜好食栄養バランスよりも嗜好性を高めることを目的に作られているものです。おやつ程度やトッピング程度であれば問題無いとおもいますが、主として副食ばかりを与えていると、必要な栄養素が不足してしまい、その結果病気になってしまう可能性がありますので注意しましょう。間違えて嗜好性が高いからといって副食ばかりあげないように、購入前に必ずパッケージに書いてある『総合栄養食』の文字を確認し、それを主食としてあげてください。

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次に療法食についてです。

療法食とは、ペットが抱えている病気や症状に対して、獣医師の判断のもと治療過程の一環として処方されるものです。通常のご飯とは違い成分調整が施されているので、健常なペットが決まった療法食ばかりを与え続けられると体調を壊してしまうことが懸念されます。例えば成長期に腎機能低下用フードを与えていると、タンパク制限食のために成長に支障を起こしかねません。そのため、獣医師の処方なしでは基本的に購入することができなくなっています。ネット情報で自己判断し、量販店で購入することはあまりお勧めできませんので、まずは獣医師に相談してからにしましょう。

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たまに聞かれる質問に、『獣医師はなんでロイヤルカナン商品やヒルズ商品を勧めてくるのか』というのがあります。個人的な見解としては、『含有成分やそれらの含有量、代謝エネルギーを把握できるので、療法食として勧めやすいから』であると思います。動物病院によっては、それらの企業の方によるフードセミナーを院内で行っている場所もあります。希望すれば飼い主様も参加できるかもしれませんので、かかりつけの動物病院にいった際にはお伺いしてみてください^^

 

では、ここからは高齢期のわんちゃん・猫ちゃんには何をあげたらいいのかを実際に考えていきます。ヨーグルトを何グラムで野菜を何グラムというお話はいろいろな説がありますので、ここでは獣医療における高齢期(シニア期)の食事内容についてお話していきます。診療指針は、その子にとって最も良いことを飼い主様と一緒に考え、常に考案していくことです。

 

高齢期になると活動性も下がり、代謝機能や消化機能も衰えてきます。食欲もなんとなく以前と比べると下がってきたりもします。

活動性が下がると、犬では以前より散歩する時間が減ったり歩く速度が下がったり、物事に対する反応が鈍くなったりします。猫では、キャットタワーやテーブルの上、カーテンレールなどへの上り下りが減ってきたり、同じく物事に対する反応が鈍くなったりします。代謝機能も下がってきていることから、代謝性疾患に罹患しやすくなるのも事実です。代謝性疾患とは、代謝機能に関連して起こる疾患の総称であり、糖尿病や高血圧、脂質異常症、脂肪肝、肥満症などが含まれます。今まで通りに食事をあげていたらどんどん太ってしまったなどの場合には、もしかしたら代謝性疾患が隠れているかもしれません。そして、太ったこと自体が関節炎などの病気を悪化・発症する因子になってしまうなど、その他の疾患を誘発しやすくしてしまう可能性も考えられます。運動量も低下してくることを考慮し、1日摂取カロリー量を少なめに設定してあげるといいです。また、消化機能も低下していることも考えられます。ペットが欲しがるからと一気にたくさんのご飯をあげてしまうと、消化不良を起こして吐いてしまったり下痢や便秘になってしまったりします。ちなみに、高齢期(シニア期)の犬猫にとって、便秘は回避したことの一つです。便秘による脱水症状が致命的となることもありますので、注意してみてあげましょう。ですので、高齢期のわんちゃん・猫ちゃんへのご飯では、良質なタンパク質と高繊維食、できれば消化に負担をかけたくないので分子量が小さいものがおすすめです。

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つぎに嗜好性の変化についてです。

今まで食べてくれていたドライフード(カリカリ)をまったく食べなくなり、でも缶詰なら食べてくれたりと嗜好性が変わることもあります。

口腔内環境が悪く疼痛感がある場合には、ドライフードはおすすめできません。口が痛くて食べれない場合には、歯や歯茎の検査をするようにしましょう。必要に応じて抜歯やその他の処置を、動物病院で施してもらいましょう。犬の歯は、もともと噛みちぎって飲み込むためのものですので、基本的には飲み込みやす大きさに食いちぎって飲み込みます。そのため、歯がなくなったとしても、人間と一緒に生活している以上ご飯が食べれなくなるわけではありませんので、わんちゃんにとって口腔内環境の改善と比較したら大きな支障にはなりづらいと考えられています。さまざまな要因によって嗜好性の変化が起こり、以前のフードを食べなくなってしまった場合には、少し水で湿らせて電子レンジなどで温めることでフードの香りを際立たせてみたり、ふやかして柔らかくしてみてください。もしかすると食べてくれるかもしれません。

そして、もし固形物を食べるとすぐに吐き出し、ペースト状のものならば飲み込めるという症状がある場合には、口腔内から咽頭部、食道のどこかに障害物のようなものがあるかもしれません。この症状は『嘔吐』ではなく『吐出』かもしれません。『吐出』という症状を聞いたことはありますか?『吐出』と『嘔吐』は全く違い、吐出は胃まで行かないで吐き戻すことを指し、嘔吐は胃を経由して吐き戻されることを指します。食べてすぐ(30秒くらい)吐き戻した場合には吐出を疑います。吐出を疑った場合には、動物病院での検査が必要となりますので、疑わしい症状を確認されましたら、すぐに動物病院に連絡し、獣医師の診察を受けるようにしましょう。

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このように、高齢犬・猫の食事を選ぶにはさまざまなポイントがあります。決めるときには、前もって獣医師の診察を受けるようにしましょう。高齢期(シニア期)では体調の急な変化がいつ起きてもおかしくありませんので、できる限り月1回の動物病院への通院を検討し、獣医師による診察を受けるようにしましょう。

 

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犬猫のシニア(高齢)期っていつから?

中央区勝どきと中央区銀座に分院を構えてから、中央区と江東区豊洲や塩浜エリアの飼い主様からの往診獣医療依頼を多くいただくようになりました。

まだまだ往診専門の動物病院があることが知られていないのが現状です。ですが、往診を必要としているわんちゃん・ねこちゃん、そして飼い主様は大勢います。動物病院のオプションではなく、往診専門の動物病院があることを知っていただくだけで、通院できずに困っているご家族様の希望になれるはずです。往診獣医師として、往診専門動物病院の存在を広く知っていただけるように多方面に頑張らせていただきます。

 

往診専門獣医師として往診をしている中で、幅広い年齢のわんちゃん・猫ちゃんと出会ってきました。最も多く出会う世代としてはわんちゃんならば12歳以上、猫ちゃんならば16歳以上が多いように感じます。

よく聞かれる内容として、『うちの子って、人間でいうと何歳?』という質問があります。正直な回答としては10歳は10歳であり、それ以上でも以下でもないとは思いますが、これは飼い主様にとってはとても興味があることです。

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シニア期(高齢期)といってもいろいろな説があります。早いとシニア期(高齢期)を6歳からと定義するものもあれば、遅いものでは小型犬で11歳くらいからというものもあります。

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人間の方では、従来の年金制度で定められていた高齢者の定義は60歳以上であったことを参考にすると、それ相応の体年齢になったときに、初めて犬猫でも高齢期に値するのかと考えます。

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ペット保険の多くは少額短期保険であり、ペット保険会社数社の加入年齢上限は、10歳前後です。人間の方では加入年齢上限が満90歳であることを考えると、『ペットの10歳≒人間の90歳』という関係性が成り立ちそうですが、おそらく違うかなと思います。現在の人間の平均寿命は、2016年では男性が80.98歳、女性が87.14歳でした。(公益財団法人 生命文化センター調べ)そして、2016年のペットの平均寿命は犬が14.36歳、猫が15.04歳でした。(一般社団法人 ペットフード協会)それぞれの数値に母体数を換算すると、犬猫の平均寿命は14.7歳となり、人間では84.1歳となりました。

ここから考えると、『犬猫の14.7歳≒人間の84.1歳』と考えられると思います。

 

次に犬猫の初年度の成長スピードです。ちなみに、犬猫では生後4ヶ月齢〜7ヶ月齢で歯の生え変わりが行われます。今回着目するべくは性成熟かと思います。性成熟とは、生殖可能な体に成熟することです。犬の雌の場合は排卵と発情出血が生後8ヶ月齢〜1歳半前くらいで認められ、雄の場合は射精機能の発育が生後7ヶ月齢〜1歳くらいで認められます。猫では生後7ヶ月齢前後がと考えられています。人間では、性成熟が16歳頃とされていることから、『犬の8カ月齢、猫の7カ月齢≒人間の16歳』と考えられます。犬猫を平均化して7.5カ月(0.625歳)と考えると、犬猫は生後7.5カ月齢で人間の16歳まで歳をとり、その後犬猫の14.7歳が人間の84.1歳に値すると仮定すると、以下が成立します。

 

『犬猫は生後1年で17.8歳まで成長し、その後1年ごとに4.8歳年を取る』

 

これは単なる統計とペットの年齢換算をこじ付けただけの数字です。ペットの中には犬か猫か、小型犬か大型犬かなどで異なってきますし、その他計上しなければならない細かい要素があるかもしれません。

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往診のときには、よくペット(犬猫)は最初の1年で人間でいう20歳くらいまで成長し、その後は毎年4歳ずつ歳をとっていきますとお伝えしています。こじ付けた計算ではありますが、少しでも詳しく人間との年齢相関を考えたい飼い主様は、『犬猫は生後1年で17.8歳まで成長し、その後1年ごとに4.8歳年を取る』ということを覚えていても損はないかもしれません。

 

このことを考え、犬猫の高齢期(シニア期)は、約10歳(9.79歳)からとなります。

 

今回は犬猫のシニア期(高齢期)はいつからなのかをいろんなデータから計算してみました^^

犬4.jpeg

猫1.jpg

決してこれが正しいとは限りませんし、あくまで人は人であり犬は犬、猫は猫です。それぞれの動物種、品種、そして何より個体差を考慮し、毎月1回はかかりつけの獣医師の診察を受けるようにしましょう。

今はまだ赤ちゃん犬猫でも、すぐに高齢期(シニア期)を迎えます。

『うちの子はまだ若いから大丈夫』と自己判断せずに、大丈夫かどうかを専門家に相談する環境作りを早めからしておきましょう。

 

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