こんにちは!往診専門動物病院わんにゃん保健室の獣医師です。
当院は、ご自宅を訪問しご自宅で診療を行う往診を専門とする動物病院です。
往診をご利用されるご家族様にはそれぞれの理由がありますが、多くお聞きする理由としては、①ペットが通院が苦手である、②ペットが高齢である、③持病のあるペットに負担をかけたくないといったものがあります。
往診では、ご自宅にお伺いしますので、外出するという負担をなくすことが出来、待ち時間という時間の無駄もなくすことが出来ます。
また、わんちゃんや猫ちゃんが一番ストレスを感じる診察や検査、処置の後にはすぐに安心できるいつもの居場所に戻ることが出来るため、ストレスも軽減してあげることが出来ます。
往診においても、身体検査だけでなく、血液検査や、超音波検査などある程度の検査や処置を実施することが可能です。必要に応じて、専門の二次診療施設をご紹介させていただくこともあります。
当院の診療範囲は、台東区や中央区を中心とした東京23区全域および周辺地域です。まずはお気軽にお問い合わせください。
高齢ペット相談会
当院では、診療業務の他、ご家族様向けのセミナーの実施や、ペットに関する各種イベントへの参加も積極的に行っています。
5月には、台東区の御徒町駅前で開催された『すまいるフェスin台東区 2019 ~ありがとうのRENSAで人も動物も笑顔に~』に参加させていただき、“高齢ペット相談会”を実施してきました。
多くの方々がイベントにご来場下さり、高齢ペット相談会にも高齢になったペットとの暮らしの中でさまざまな悩みを抱えるご家族様にお立ち寄りいただきました。
先程もお話ししましたように、ご自宅に伺い診察する往診という特性から、当院は高齢犬や高齢猫のご家族様からの診療のご依頼を多く受けます。それぞれのご家族様ごとに、オーダーメイドの介護の形を一緒に考えてきました。
そんな経験を踏まえ、高齢ペット相談会を実施いたしました。
相談会の中で出てきたお話は、もちろん病気に関するお話が多かったのですが、高齢ペットの行動の変化に関するお話が同じくらい多くあったことが印象的でした。
今日は、高齢ペットの行動の変化について少しお話させていただきます。
ペットの高齢化
獣医療の発展やペットの飼育環境の改善により、犬猫の寿命はとても長くなりました。
2018年に一般社団法人ペットフード協会が行った全国犬猫飼育実態調査によると、一般家庭で飼育された犬の平均寿命は14.29歳、猫の平均寿命は15.32歳だそうです。
ペットの寿命が延びたことにより、以前よりもペットの高齢化による行動の変化を感じるご家族様が増えてきたように感じます。
人と同じように、犬猫も高齢になると加齢による身体機能の低下や、視力や聴力の衰え、認知機能の低下からさまざまな行動の変化が見られることがあります。
夜鳴きや、徘徊行動、攻撃的な行動、トイレの失敗、昼夜逆転、無駄吠えなど、それはさまざまな形で現れてきます。
もちろん、その中には何かしら治療が必要な疾患が隠れていることもあるため、原因をきちんと見極めることが大切です。
原因を見極めた上でそれが治療出来る疾患が原因ではなかった場合には、生涯向き合っていくことが必要となります。
向き合っていく上で考えるポイントは、
①ペットにとってそのことで苦痛があるのか、
そして、
②ご家族様にとって負担となっているかということだと思います。
例えば、痴呆で落ち着きなく徘徊し続け、ゆっくり眠ることも出来ていないペットには、気持ちを落ち着かせてあげるお薬を使うことがペットにとって良いこともあります。
トイレの失敗が増えて家中で用を足してしまい、ご家族様にとって大きな心労となってしまう場合には、おむつをつけてあげるという方法が一つの解決策となることもあります。
ちょっと無駄吠えはするけれど、本人に苦痛はないし、ご家族様もそれも可愛さと思って気にならないということであれば、そのままでもいいのです。ご家族様も夜も眠れなくて、体調を崩してしまうようなことがあれば、それは対策を考える必要があります。
完全に若い頃と同じような生活が送れなくても、ペットとご家族様がお互いに大きなご負担なく生活できること、高齢ペットとの暮らしで目指す形はこれで十分だと思います。
(図:徘徊の末、汚れた足)
高齢ペットの介護にお悩みのご家族様へ
高齢ペットの介護をされているご家族様、皆さん一人ではありません。
同じような状況の方もたくさんいらっしゃいます。
動物病院でも、治療だけでなく介護に関する相談も出来ます。
一人で悩まないでください。
頑張りすぎないでください。
往診専門動物病院わんにゃん保健室では、医療面だけでなく、介護に関しても知識が豊富なスタッフが介護に関する相談をお受けすることも出来ます。ペットにとってもご家族様にとっても最後まで幸せな気持ちで日々の生活を送ってほしい、と考えています。
以前、落ち着いて眠ることが出来ないわんちゃんのご家族様からご相談を受け、ベットのタオルの敷き方を一工夫することでぐっすり眠ってくれるようになった子がいました。ほんの一工夫で生活の質が大きく変わることもあります。
在宅介護についてのご相談や、高齢のペットの今後の通院や治療に関するご相談もいつでもお待ちしておりますので、こちらからどうぞお問い合わせください。
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