中央区勝どきと中央区銀座に分院を構えてから、中央区と江東区豊洲や塩浜エリアの飼い主様からの往診獣医療依頼を多くいただくようになりました。
まだまだ往診専門の動物病院があることが知られていないのが現状です。ですが、往診を必要としているわんちゃん・ねこちゃん、そして飼い主様は大勢います。動物病院のオプションではなく、往診専門の動物病院があることを知っていただくだけで、通院できずに困っているご家族様の希望になれるはずです。往診獣医師として、往診専門動物病院の存在を広く知っていただけるように多方面に頑張らせていただきます。
往診専門獣医師として往診をしている中で、幅広い年齢のわんちゃん・猫ちゃんと出会ってきました。最も多く出会う世代としてはわんちゃんならば12歳以上、猫ちゃんならば16歳以上が多いように感じます。
よく聞かれる内容として、『うちの子って、人間でいうと何歳?』という質問があります。正直な回答としては10歳は10歳であり、それ以上でも以下でもないとは思いますが、これは飼い主様にとってはとても興味があることです。
シニア期(高齢期)といってもいろいろな説があります。早いとシニア期(高齢期)を6歳からと定義するものもあれば、遅いものでは小型犬で11歳くらいからというものもあります。
人間の方では、従来の年金制度で定められていた高齢者の定義は60歳以上であったことを参考にすると、それ相応の体年齢になったときに、初めて犬猫でも高齢期に値するのかと考えます。
ペット保険の多くは少額短期保険であり、ペット保険会社数社の加入年齢上限は、10歳前後です。人間の方では加入年齢上限が満90歳であることを考えると、『ペットの10歳≒人間の90歳』という関係性が成り立ちそうですが、おそらく違うかなと思います。現在の人間の平均寿命は、2016年では男性が80.98歳、女性が87.14歳でした。(公益財団法人 生命文化センター調べ)そして、2016年のペットの平均寿命は犬が14.36歳、猫が15.04歳でした。(一般社団法人 ペットフード協会)それぞれの数値に母体数を換算すると、犬猫の平均寿命は14.7歳となり、人間では84.1歳となりました。
ここから考えると、『犬猫の14.7歳≒人間の84.1歳』と考えられると思います。
次に犬猫の初年度の成長スピードです。ちなみに、犬猫では生後4ヶ月齢〜7ヶ月齢で歯の生え変わりが行われます。今回着目するべくは性成熟かと思います。性成熟とは、生殖可能な体に成熟することです。犬の雌の場合は排卵と発情出血が生後8ヶ月齢〜1歳半前くらいで認められ、雄の場合は射精機能の発育が生後7ヶ月齢〜1歳くらいで認められます。猫では生後7ヶ月齢前後がと考えられています。人間では、性成熟が16歳頃とされていることから、『犬の8カ月齢、猫の7カ月齢≒人間の16歳』と考えられます。犬猫を平均化して7.5カ月(0.625歳)と考えると、犬猫は生後7.5カ月齢で人間の16歳まで歳をとり、その後犬猫の14.7歳が人間の84.1歳に値すると仮定すると、以下が成立します。
『犬猫は生後1年で17.8歳まで成長し、その後1年ごとに4.8歳年を取る』
これは単なる統計とペットの年齢換算をこじ付けただけの数字です。ペットの中には犬か猫か、小型犬か大型犬かなどで異なってきますし、その他計上しなければならない細かい要素があるかもしれません。
往診のときには、よくペット(犬猫)は最初の1年で人間でいう20歳くらいまで成長し、その後は毎年4歳ずつ歳をとっていきますとお伝えしています。こじ付けた計算ではありますが、少しでも詳しく人間との年齢相関を考えたい飼い主様は、『犬猫は生後1年で17.8歳まで成長し、その後1年ごとに4.8歳年を取る』ということを覚えていても損はないかもしれません。
このことを考え、犬猫の高齢期(シニア期)は、約10歳(9.79歳)からとなります。
今回は犬猫のシニア期(高齢期)はいつからなのかをいろんなデータから計算してみました^^
決してこれが正しいとは限りませんし、あくまで人は人であり犬は犬、猫は猫です。それぞれの動物種、品種、そして何より個体差を考慮し、毎月1回はかかりつけの獣医師の診察を受けるようにしましょう。
今はまだ赤ちゃん犬猫でも、すぐに高齢期(シニア期)を迎えます。
『うちの子はまだ若いから大丈夫』と自己判断せずに、大丈夫かどうかを専門家に相談する環境作りを早めからしておきましょう。
◆-----------------------------------◆