わんにゃん保健室
03-4500-8701 往診WEB予約はこちら

病気のお話の最近のブログ記事

今回は、前回に引き続き、左鼻腔内腫瘍を発症した猫ちゃんのお話です。

前のブログは以下からどうぞ!

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)1-4

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)2-4

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)3-4①

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)3-4②

 

過去4回の投稿のテーマはこんな感じです。

1-4:予約までの経緯とご家族様の葛藤

2-4:ターミナルケアの往診現場の臨場感ある初診雰囲気

3-4:急変時のマインドセットとアクションプラン

 

鼻腔内腫瘍を発症した猫ちゃん。

多くの猫ちゃんが動物病院への通院ができない中で、本当によく頑張りました。

急に状態が下がってきて、もう家にある酸素室から出られなくなったことをきっかけに、往診でのターミナルケアを希望されました。

2022年8月19日から往診に切り替え、家族の見守る中、2022年9月8日に旅立ちました。

 

最終回となる今回は、方針が決まってから最後の日までをご紹介します。

 

ここからいよいよ、実技的な指導に入ります。

 

まずは、皮下点滴をご家族様だけで実施できるようになる必要があります。

 

このお家の場合には、先代の猫ちゃんで家の中での皮下点滴を実施していたということもあり、初めてのご家族様と比べて比較的スムーズに指導を終えることができました。

 

しかし、先代の猫ちゃんと比べてこの猫ちゃんは拘束されることを非常に嫌がり、嫌がった挙句に呼吸状態が悪化し(鼻腔内腺癌なので仕方ないのですが…)、開口呼吸をしてしまうということもあったので、長い時間拘束することは難しいと判断しました。

 

力強い性格なのか、お水もご飯も自分から行ってくれていました。

 

通常だと、皮下点滴はその脱水の状況に合わせて輸液量を増やしてあげたいところではありますが、このような犬猫の場合には、いかにして短時間で終わらせるかがポイントとなります。

 

自力で飲食ができる=脱水補正はある程度自力で可能、と考え、それであれば輸液量をギリギリまで減らし、投薬する時間をものの数秒とすることで、猫ちゃんにも、ご家族様にも負担にならないような治療プランを実現できます。

 

今回の皮下点滴は、複数の医薬品を1回の針刺でまとめて投薬してあげるための手段であり、脱水補正は経口補水で頑張ってもらうこととしました。

 

実際は、皮下点滴を10mlシリンジと23G翼状針を用いて、1回の注射薬の薬液量と希釈するための輸液を合算して8mlで実施することができました。

 

そして、通常であれば、注射後に針穴を塞ぐために刺入部近くの毛の根本を30秒程度は持ち上げるのですが、8ml程度なので、最悪逃げてしまっても抑える必要がないくらいです。

 

そして、この量であれば、針が入ってしまえば5秒もかからないで終わりますので、嫌がり出した頃には終わっているという状況を作ることができました。

 

もしこの性格の猫ちゃんで、この呼吸状態で、腎臓病の皮下点滴による補正を試みることになっていたと考えると、酸素環境をしっかりと設置しなければ難しかっただろうなと思いました。

 

この日から、朝と夜の皮下点滴プランを組ませていただきました。

 

心臓も少し悪かったことから、できるうちは心臓のお薬を使っていきますが、内服しかないこともあり、できる範囲でやっていただくこととなりました。

 

ご飯はいつもの場所で、自分でお皿から食べたいって感じならお皿から、徐々に甘えてきて手から食べたいとされたら手から、もう食べたくないって言っていたら、何度か口にご飯をつけてあげ、それでも嫌がるようであれば、もう食事はストップとしました。

 

トイレに関しては、猫ちゃんって、最後の最後まで、自分の力で頑張って、いつものトイレの場所に行くんですよね。

 

ご家族様がその姿を見て大変だろうからとトイレを近づけてあげても、やっぱりいつもの場所まで、休み休み行くんです。

 

途中で力付きで漏らしちゃうことはありますが、環境として、そのルートではどこでもトイレをしていい環境を作ってあげ、また、近くに新たなトイレを新設する(猫砂は同じもので、ステップの高さは極力低めで)のはありです。

 

今後のプランとしては、1週間おきの往診で、貧血などのデータが大きく変わっていないかだけの、血液スクリーニング検査と、負担のない範囲での胸部・腹部エコーのチェック、また発作が始まったら、前倒しでの往診予定とさせていただきました。

 

今のままの容体で、少しでも安定している時間を長く取れたらなと祈りつつ、3日目の往診を終了としました。

 

初診から2週間後

状態が急変したのは、初診からちょうど2週間後の、2022年9月2日です。

前日の夜に発作が出て、発作止めを使用したら1本で止まったとのことだったのですが、またすぐに出てしまい、昨晩から今朝にかけて5回ほど認めたとのことでした。

ご飯を食べなくなってしまい、ふらつきが強く、立ち上がってもすぐに倒れてしまうような状態だとことでした。

 

もし往診に切り替えていなければ、すぐに夜間救急に今までと同じく連れて行っていたが、今は発作が出ても発作止めがあるので怖いけど怖くないとのことで、発作に対して向き合う覚悟ができたようでした。

 

しかし、日中に家を空けなければいけないことが多いこともあり、頓服としての発作コントロールだけでなく、朝夜の皮下点滴に発作を抑え込む薬を使用することとなりました。

 

今よりももっとふらつきが強くなるかもしれないし、効き過ぎてしまうとそのまま眠ってしまうかもしれないリスクをとり、少しでも発作で苦しむ頻度を減らしてあげたいという希望に沿ったプランです。

 

実際に使用していくと、そこまでふらつきも出ないで、普通に生活しているとのことでした。

 

ただ、もうご飯は食べてくれないとのことでした。

 

食欲を出させる軟膏があるのですが、この医薬品の使用で興奮してしまう猫ちゃんも多々いることから、興奮させてしまうくらいなら使用しないというご家族様もおり、今回はもう食欲は見ないこととし、軟膏の食欲増進剤は使用しませんでした。

 

この日の診察を終え、次回は2022年9月9日の午前中を予定していました。

 

9月10日からお姉さんが出張で1日家を空けてしまうので、お母さんだけでは心配とのことでしたので、その日の訪問プランはまた次回の診療の時に決めることとしました。

 

しかし、ターミナル期と言われる終末期は、そう安定した日々は長く続きません。

 

旅立ち

9月8日にお姉さんが帰宅すると、いつも通り視線をくれて尻尾でお迎えの挨拶をしてくれたとのことでした。

 

夕食を済ませ、食器を洗っていたところ、急に開口呼吸が始まったとのことでした。

 

発作かと思ったが、発作とは何か違う様子で、不思議と、もうお別れなんだと感じたとのことでした。

 

近くまで駆け寄ると、苦しそうにしながらも何度か視線をくれて、抱きしめながら最後の時間を過ごさせてあげられたとのことでした。

 

翌々日からの出張の前の休暇中だったこともあり、旅立った後の丸1日を一緒に過ごすことができ、葬儀を無事終わらせることができました。

 

先代の猫ちゃんの壮絶な最後が脳裏にあったため、緩和ケアに対して消極的かつ牽制的

だった最初の頃とは違い、全部を受け入れた上で最後の時間に臨めたことで、恐怖もあったが、それ以上に使命感が高買ったとのことでした。

 

2022年9月9日 ご家族様の腕の中で、長い眠りにつきました。

 

 

全体を通じて

今回は、ターミナルケアの症例に対する往診専門動物病院わんにゃん保健室の診療の雰囲気について、伝わりやすく、伝わりやすく、を意識しながら書かせていただきました。

 

ご紹介させていただいた猫ちゃんでは、今回のような診療プランとなりましたが、猫ちゃんの個性に合わせ、かつご家族様の生活環境や意向を加味してプランニングを行います。

 

できる限り事細かにご説明させていただき、愛犬・愛猫がこれから旅立とうとしているという現実を少しでも受け入れながら、できること、できないこと、やってあげたいこと、やるべきこと、などを決めていきます。

 

もう通院させることができないからと諦めてしまう前に、まずは往診のご相談をください。

 

東京23区を中心に、近隣地区まで獣医師と動物看護師が一緒にお伺いし、呼吸状態など全ての状態に合わせた往診を行います。

 

看取るということは、決して簡単なことではありません。

 

まずはご相談いただき、何ができるのか、一緒に考えていきましょう。

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆
 

今回は、前回に引き続き、左鼻腔内腫瘍を発症した猫ちゃんのお話です。

前のブログは以下からどうぞ!

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)1-4

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)2-4

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)3-4①

 

『もしも…』が起こってしまうのが、ターミナルと呼ばれる終末期です。

 

前回は発作について書かせていただきました。

 

今回は、吐血・喀血、下血、嘔吐、ぐったり、開口呼吸です。

 

吐血・喀血

あまり起こりづらいとは思いつつも、もし起きた場合には、もしかすると消化管粘膜に腫瘍細胞が浸潤した結果かもしれないとお伝えしました。

 

こちらに関しては、もし吐血を認めたら写真をとって共有していただき、お電話をいただくこととしました。

 

なお、吐血後の食事については、少量頻回としたいため、電話が繋がるまでは、吐血後の食事方法を少量頻回給餌とさせていただきました。

 

喀血は全く違ったもので、咳に血が混じったようなものを認めることがあります。

 

こちらは、きっとその咳から出てくる液体は赤というよりはピンク色のことが多く、この場合ですと腫瘍の肺転移に伴う肺水腫や肺の損傷を疑います。これを認めた場合には、早急に酸素室に入れてあげ、写真、動画の共有をお願いしました。

 

下血

猫ちゃんの腫瘍性疾患で、最も多いのが、リンパ腫という、今回の病気とはずれてしまいますが、そういうものがあります。

 

このリンパ腫には何個かのパターンがあり、その一つが消化器型リンパ腫というもので、猫ちゃんに多く起こります。

 

下血は大きく2つに別れ、鮮血なのか、黒色便なのか、です。

 

鮮血であれば、血が固まりづらくなっていることを意識していきますが、今回はすでに止血剤関連の医薬品が皮下点滴に含まれているため、特別対処はないことから、もし発症したらご連絡をいただき、状況を詳しく伺うことから始めましょうとしました。

 

そして、もし黒色便(タール便)であれば話は変わり、もう長くない可能性を示唆しているとお伝えしました。

 

日常生活の中で変えるべきことはなく、ただこれから一気に運動性が下がってきてしまうことと、貧血が一気に進行することで呼吸状態が悪化することも想定できるので、その時の対応についてご説明させていただきました。

 

経験上、このステージのメレナと呼ばれるタール便を認めると、なんとなく貧血が5%ずつ進んでいくような気がしています。これはあくまで個人的な見解ですので、参考程度に覚えておいてください。

 

嘔吐

基本、嘔吐は起きないような処方となっております。

犬猫たちのターミナルケアの現場では、嘔吐することで一気に状態が悪くなることが多いです。

例えば、ご飯を少しでも食べられていて、全然吐かない犬猫の場合でも、血液検査や超音波検査(エコー検査)所見などから、嘔吐が起こる可能性が高くなっている場合には、先制的に制吐剤(吐き気止め)を使用しています。

 

もちろん、こちらも選択制ですので、メリット・デメリットをお伝えした上で、常用として使用するのではなく、頓服として使用したいなどのご希望も承っています。

 

ここで覚えておくべきことは、吐き気止めには大きく2つあり、1つ目が吐き気を緩和する薬、2つ目が吐くことをほぼほぼ抑制する薬です。

 

1つ目の方が理にかなっていると思われますが、実際の獣医療の現場では、嘔吐がひどい場合や絶対に吐かせたくないと考えた時、2つ目を使用することが多いです。

 

ターミナルの現場では両方とも使用してあげることで、少しでも多く口にしてもらって、それが原因で吐いてしまわないように、医薬品の力を使って、ゆっくりと時間をかけて吸収できるように促してあげています。

 

ぐったり、そして開口呼吸

『急にぐったりした』『猫ちゃんの開口呼吸』は明らかな急変のサインです。

 

ここで重要な選択を迫らせていただきます。

 

延命は希望されますか?

 

延命と通院

元気だった犬猫が、急に具合が悪そうになった場合には、できる限り救急で動物病院へ通院させてあげてください。

 

もしかしたら誤飲や誤食などで、中毒のようなものや腸閉塞を起こしているのか、膵炎かもしれないし、持病が急激に悪化したのかもしれません。

 

日中であったり、まだかかりつけの動物病院が診療中であれば、飛び込んでください。

 

夜間であれば、夜間受付をしている動物病院へ飛び込んでください。

 

あなたには、待てる猶予など、1分もないはずです。

 

緊急で犬猫を通院させ、検査し、入院治療を受けさせてあげ、安定したら、また家に帰って来れて、今まで通りの生活が戻ってくる。

 

きっとこんな想像ができるからこその決断と行動だと思います。

 

では、今のこの猫ちゃんではどうでしょうか?

 

左鼻腔内腺癌を発症し、肺に転移を起こしている可能性が高い状態で、もし急変した場合に、苦手な通院をさせて、入院治療を受けさせれば、また元の生活が戻ってくると思えますか?

 

そして、また急変を繰り返します。

 

その度に、動物病院への通院と入院を繰り返しますか?

 

移動中に、病院での検査中に、入院中に、亡くなることが十分に考えられる状態であることを、忘れないでください。

 

夜間救急の責務は、命を繋ぎ安定させ、日中のかかりつけの動物病院へ犬猫たちを返すことであり、かかりつけの動物病院の責務は、その犬猫たちが安心して家に戻れるようにアシストすることです。

 

今という終末期ステージでは、これって延命なるのでしょうか?

 

多くの飼い主様が、もう急変しても連れて行かないとされます。

 

もっと長く生きていてほしいという本心はあるものの、苦しみながら長らえるのは可哀想だと判断されることが多いです。

 

しかし、延命という強い言葉は、家族であっても暗黙の了解のように口にできないキーワードですので、あえて私たちが言葉にすることで、話し合えるきっかけを作らせていただいています。

 

万が一の時、その場に立ち会っている人が全てを判断しなくてはいけません。

 

それがお母さんなのか、お姉さんなのか。

 

その判断は、後からそれでよかったと背中を撫でられたところで、その判断をした人が責任を感じてしまうものです。

 

だからこそ、事前にどうなったらどうするのかという家族としての指針を立てるべきなのです。

 

話し合う.png

 

愛犬、愛猫とずっと一緒に暮らしてきた家族だからこそ、目の前が苦しんでいるこの子たちに何をしてあげるべきなのかを話し合えるものだと思っています。

 

今回は、お姉さんも、お母さんも、急変時に通院させることはせず、家でのそのまま看取ることを決意されたようでした。

 

ただ、これはあくまで現時点での意志であり、数分後には変わっていても全く問題ないです。

 

一緒に最良となる方針を立てていきましょう。

 

今回のまとめ

前回の『発作』に続き、『吐血・喀血、下血、嘔吐、ぐったり、開口呼吸』について書かせていただきました。

 

愛犬、愛猫がどんな形で最後の時間を過ごしていくのか、旅立つときは苦しいのか、どんな症状を見せるのか、など、飼い主様ごとで相談される内容は様々ですが、これらの質問は必ずされています。

 

いざその場になってみなければ、実際のところわかりかねてしまうのが正直なところではありますが、経験上であったり、血液検査や超音波検査などの検査結果、診断された病気などを参考に、ある程度想定される最後の形についてご説明させていただいています。

 

万が一の時をただ怖がって待っているより、もしその時が来たらどうすればいいのか、というアクションプランを明確にすることで、ただ怖がっていたはずの未来が、知識と医薬品という武器を持って、戦えるようになれます。

 

完璧な飼い主になる必要はないです。

 

一緒に最後まで頑張っていきましょう!

 

次回は、ターミナルケア、そしてお別れです。

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆
 

今回は、前回に引き続き、左鼻腔内腫瘍を発症した猫ちゃんのお話です。

前のブログは以下からどうぞ!

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)1-4

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)2-4

 

愛犬、愛猫が病気であることを知り、まずは治療に向けてどう歩んでいけばいいのかを探すことと思います。

 

模索している間、きっと飼い主様の精神状態はズタボロで、何をしてあげるのが正解なのかわからずに、ただひたすらかかりつけの動物病院に足を運び検査をお願いしたり、インターネットで同じような症状の犬猫がいないかを探すことかと思います。

 

中には通院すら難しく、ぐったりした段階ですでに看取りを覚悟されるご家族様もいます。

 

最初から、すでに手遅れな状態だとわかったり、老化現象の一環での生命維持活動が弱まっているだけとわかればいいのですが、そこは検査をしてみなければわかりません。

 

そして検査はどんどんステップアップし、途中で必ず考えさせられることがきっと出てくることと思われます。

 

「どこまでやるべきなのか」

 

「この検査って誰のため?この子のためなのか、それとも理解したいというあなた自身のためなの。」

 

立ち止まるのもまた勇気がいることです。

 

検査が嫌な猫.png

 

もう攻めた検査はせずに、余生をゆっくりと過ごさせてあげるための最小限にとどめ、できる限り苦痛なく過ごさせてあげたいと考えた時点から、緩和ケア、そしてターミナルケアが始まります。

 

前回に引き続き、左鼻腔内腺癌の猫ちゃんのお話です。

 

初診で血液検査を行えましたので、翌日の再診となる今回は、そのデータを用いたお話です。

 

そして、今回の最大のテーマは、「急変時」です。

 

急変時はどうするべきなのか、については、その時になって考えるのでは遅いです。

 

どんなことが起こりうるのかを想定し、それに対して事前にある程度決めておくこと。

 

しかし、登場人物が多ければ多いほど、その意見は分かれてきてしまい、それらが交わらなければ、何もできないまま、ないも決められないまま、その時を迎えるのを待っているようなものです。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、できれば意思決定ができるご家族様全員が揃うように診察日程を調整しています。

 

私たちが想像できる事象に対し、どんなアクションを取ると、どんなメリット・デメリットが生じるのかを説明させていただき、それらを飲み込んだ状態で、ご家族様で話し合ってもらいます。

 

今回は、お母さんとお姉さんの2人です。

 

院内血液検査結果から、重度の貧血と黄疸、腎数値の大幅な上昇を認めました。

 

早速参ります。

 

再診(初診の翌日)

お伺いすると、猫ちゃんは昨日と変わらずゆっくり、ズビズビ音を立てながら挨拶に来てくれました。

 

追加の酸素発生装置とボンベも到着しており、酸素の運用方法について詰めてご説明させていただきました。

 

さて、本日は血液検査結果から想定される「急変リスク」についてです。

 

血液検査結果から急変のリスクが高いことをお伝えし、どんな症状を出す可能性があるかをご説明させていただきました。

 

ここで、先代の猫ちゃんが、最後に重度の痙攣発作を伴って亡くなったということがトラウマであることをお伺いできました。

 

痙攣発作は、意識を伴ったままのものと、意識すら飛ばしてしまう大きなものに別れ、放っておいても止まりますが、もしかするとそのまま旅立ってしまうかもしれないし、もし止まるのであれば、早期に止めてあげた方が、発作後の生活に支障が少ないように感じています。

 

発作止めがあることを説明しましたが、先代猫の時にそんな話をしてもらえなかったと辛い胸の内を聴かせていただきました。

 

なぜ説明がなかったのかは存じませんが、動物病院で獣医師として立っている以上、しっかりと説明して、飼い主様の理解をもらえるよう努力すべきだと、強く感じました。

 

きっと、その獣医師は忙しさを理由に、説明を省いたのだと解釈しています。

 

獣医師側の気持ちもお察ししますが、ちゃんと責務を全うしてほしいと思いました。

 

今回は、発作止めがあり、それがどんな風に作用するのか、投与経路も3つあって、お母さんとお姉さんに選択しただけることをお伝えしました。

 

発作が起きた時、本当であれば発作中に投与することが一番いいのですが、なかなかハードルが高いことと、その場に誰が立ち会えるのかで話が変わってきます。

 

何より、急変時の対応に対して「やらなきゃいけない」という切迫観念を持って過ごしてしまうと、人間側が簡単にガス欠を起こして精神衰弱となり壊れてしまいます。

 

できる範囲でできることをやればいいんですよ、ということを心がけ、それが正しいと肯定することが、私たち往診専門獣医師の大きな仕事の一つです。

 

お母さんは針刺が怖いため、点鼻タイプと坐薬タイプを選択され、お姉さんは針刺が一番楽という意味合いから注射タイプを希望されました。

 

発作って、3タイプに大きく分類できると考えています。

 

すぐに止まる発作と、なかなか止まらない発作、止まらない発作。

 

学術的な話を出すととても複雑になりますが、結局現場ではこの3つです。

 

そして、ご家族様を深く傷つけ、トラウマにするのが、「止まらない発作」です。

 

うちの子は苦しんで死んでいった。

 

もし今そう思っているのであれば、ここで訂正させてください。

 

止まらない発作であれば、きっとすでに早期段階から意識がないはずです。

 

苦しかったかどうかは本人でなければわかりません。

 

ただ、その姿を見て苦しがって死んでいったと断言する必要はないです。

 

その姿は、その子が最後まで頑張って生きていった証です。

 

そして、その姿をちゃんと最後まで見守り続けられたという、飼い主としての最後のお勤めを終えられたという、むしろ勲章に値することです。

 

あなたに見守られながら旅立つことができた子は、何より幸せだったと思います。

 

だから、もう自身を責めないでください。

 

発作に対しては発作止めがあり、また日常的にボ〜ッとさせてあげることで、発作の頻度を減らすことにつながるかもしれない方法もあります。

 

今回は、お母さんもお姉さんも先代の発作がトラウマだったため、もし発作が出たら頓服で止めていただき、次の点滴から安定剤を常時投与してあげる方針としました。

 

発作止め.png

 

もしもの話を1回でまとめようと思ったのですが、全然書ききれなかったので、この回だけボリュームが多くなると思います(>_<)

 

犬猫と暮らしているご家族様にとって有益となるブログになれるよう頑張りますので、是非お付き合いください^^

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆
 

今回は、前回に引き続き、左鼻腔内腫瘍を発症した猫ちゃんのお話です。

前回のブログはこちらからどうぞ!

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)1-4

 

 

がん治療といっても多種多様であり、さらにはターミナルケアに関しては、ご家族様や犬猫の状況を考慮しなければいけないため、それはもう無数の形があるといっても過言ではないです。

 

だからこそ、全てがオリジナルであり、その子その子の性格や体調、取り巻く生活環境と登場人物と協力体制などを細かく把握する必要があります。

 

それでは、実際の往診当日から初診までの流れを書かせていただきます。

 

診察前準備(初診前)

初診時は、獣医師1人と動物看護師2人でお伺いしました。

初診の時は、できる限り人数を多くし、1人でも多く状況把握と飼い主様のマインドを共有しておくことが必要です。話している飼い主様の仕草や言葉の詰まり、早さやトーンなど、今の精神状態を知るキーポイントは診療現場にたくさん溢れています。

 

ちなみに、お伺いする前に必要そうなものを事前に準備しなければいけません。

 

そのため、電話問診は最初の超重要箇所ですので、当院としても気を引き締めて応対させていただいております。

 

今回は、前回予約までの流れとして書かせていただいた内容から察するに、左鼻腔内腺癌の末期+肺転移と判断し、準備を行なっています。

 

持ち込むべきボンベは小型ではなく中型サイズであり、もしかすると呼吸が途中で安定しなくなる可能性も大いに考えられるため、診察中に酸素流量最大の10L/分で使用することも想定できました。

 

初診時

お伺いすると、意外と人馴れしている猫ちゃんで、擦り寄ってきてはくれなかったんですが、挨拶に来てくれました。

 

左鼻からは鼻血を伴う鼻水が出ており、ズピーズピーといった音をずっと鳴らしていました。

 

まずは問診です。

 

往診の問診、特にターミナルケアでは、この問診という聞き取りの時間を最大限取っていきます。

 

なぜご家族様が往診を選択したのか。

 

そこには、いろんな出来事や過去のトラウマ、もっとやってあげたいけど猫ちゃん自体が望まないということを受け入れなければいけないという葛藤、そして、今まで通院で診てもらっていた動物病院の獣医師からの突き放しなど、いろんな思いがあります。

 

できることに限りがあるのが、ターミナルケアです。

 

しかし、それは医療側面の問題であり、逆に日常生活や猫ちゃんとの関わり方などについては、かなり大きく広がっていきますので、実際には限りがあると感じている余裕はないと思います。

 

ご飯ひとつにしても、食べてくれないのであればそこで諦めるのか、はたまた食べてくれそうなものを血眼になって探し出すのか。

 

粗相が始まったら、おむつにするのか環境自体を変えてあげるのか。

 

排尿排便がうまくできなくなった場合に、圧迫排尿や摘便などはどうするべきかなど、たくさんの日常問題を一挙に解決していきます。

 

それが、往診です。

 

状況から考えて、最後の血液検査から1週間以上経過してしまっていることもあり、まずは血液検査、できそうであれば超音波検査で胸部・腹部を一通り見てあげたいと考えました。

 

ただ、鼻が詰まっていることで容易に呼吸が乱れることが懸念されている中で、さらに肺転移までも疑われている状況で、どこまで検査してあげるべきなのかという論点があるため、メリットとデメリットを説明した上で、ご家族様に決めていただき、結果実施となりました。

 

点滴量それで大丈夫?.png

 

今後の方針を組む上で、都度状態に合わせて変化させていくことは前提としても、やはり現状を把握することは重要であると考えています。

 

貧血が一気に進行していたことを見逃し、皮下点滴の輸液量を前回のデータを参考に算出した結果、皮下点滴後に呼吸が悪化しまった、となっては元も子もありません。

 

胸水や腹水の貯留状況、消化管(胃腸など)につまりはなさそうか、蠕動運動はできているのかなども、食事量や食事間隔などの参考になります。

 

呼吸状態が安定できるように、酸素化を万全に行い、検査中も最大量の酸素が終始確保できる環境で臨みました。

 

通常だと、小型酸素ボンベの持ち込みなのですが、電話での事前問診で呼吸状態が悪いことが強く懸念できたため、持ち込むことができました。

 

いよいよ検査です。

 

まずは持ち込んだ体重計で、今の猫ちゃんの体重を測定します。

 

1週間前で4.3kgあった体重が、本日は4.3kgと、まさかのキープ!すごいぞ、、、!^^

 

酸素キャップを設置し、まずは酸素流量5L/分で設定し、いざ保定です。

 

保定されるのは嫌いのようで、早速呼吸が早くなり、鼻詰まりもあるせいで少し開口を始めました。

 

この開口呼吸は、緊急時のものとは違い、ただ鼻詰まりに対して代償的に口呼吸をしたまでと考えました。

 

とはいえ、酸素流量を一気に10L/分に変更です。

 

すると、呼吸が安定したのか、それにより不安が少し取れたのか、全体的に安定していきました。

 

血管が細くなっていたため少し時間がかかりましたが、無事に採血、超音波検査を完了させることができました。

 

採血した感覚として、血液がサラサラしており、1週間ほど前の血液検査データではなかった貧血が起きていると判断できましたので、本日の処置として、皮下点滴の輸液量を当初20ml/kgで設定していたのですが、10ml/kgまで落とし、43mlとさせていただきました。

その中に、今の猫ちゃんの状況に適した8種類の注射薬(抗炎症剤や抗生剤、胃薬や吐き気止めなど)を混ぜて皮下点滴し、終了です。

 

処置が終わると、「終わったよ〜!ご飯出して〜!」と言わんばかりにお母さんたちに催促を始め、私たちの目の前でガツガツ食べている姿を見せてくれました。

 

検査結果は即日〜1週間程度で出揃いますので、都度そのデータとその時の体調に合わせた処置プランを組んでいきます。

 

次回の診察は翌日であり、予定としては翌日に皮下点滴指導を入れて、翌々日に再度指導と確認を行い、医薬品のお渡し、さらに2日後にフィードバックと状況確認のための往診としました。

 

3日間は集中的に往診することとなったため、お母さんもお姉さんも、最初のご挨拶の時の緊張した面持ちから変わり、優しい安堵の表情となりました。

 

そして最後に、すでに設置されていた家にある酸素発生装置の運用方法についてです。

 

初診時の酸素運用説明

機械の裏側をチェックすると、酸素流量を3L/分に設定すると酸素濃度80%の風が出てくると記載がありました。

 

酸素ハウスは横90cm×奥行60cm×高さ60cmと、俗にいうMサイズくらいでした。

 

当院では、酸素ハウス形状として、その中に犬猫を生活させながらトイレの処理や処置などを行うことを視野に入れて、より運用しやすいものを推奨しております。

 

ちなみによくあるアクリル板でできたかっこいいものは、確かにかっこいいことと、全面が透明なので閉塞感が少ないこと、そして酸素ハウスの上に物が置けるというのがメリットであると考えています。

 

酸素ハウスの比較.png

 

今回の運用では、3L/分の酸素流量でこのサイズの酸素ハウスを運用することは難しく、また猫ちゃんも酸素ハウスを自由に出入りさせてあげられるよう半分開きっぱなしにしていることもあり、せめて5L/分は必要であり、かつ5L/分で80%以上の酸素濃度が出るものでなければ、ほとんど意味がないです。

 

ハウスサイズは終の住処になることも視野に入れ、酸素ハウスの中にご飯やトイレ、寝床を設置することも考えれば、このサイズの猫ちゃんであれば最適であると考えます。

 

変更および追加点は以下です。

・酸素発生装置を1台追加(5L/分の酸素流量で80%以上を確保できるもの)

・ボンベ設置(10L/分でほぼ100%を確保できるもの)

 

酸素関連機器が届くまでの間は今ある酸素発生装置の8L/分(45%以上)で酸素ハウス内に噴射し、呼吸が苦しそうになったら、3L/分(80%以上)に切り替えて鼻先で嗅がせてあげるというプランにしました。

 

状態も安定しているため、翌日に届く酸素関連機器を待っていられると判断したため、上記のようなプランとしましたが、もし厳しいと判断した場合には、わんにゃん保健室の方で酸素発生装置(10L/分、80%以上)を準備しています。

 

すぐに準備しない理由は、音の問題です。(結構うるさいんです。。。)

猫ちゃんにとって、あまりうるさい音はストレスになってしまいますので、耳がかなり遠くなっている場合を除き、基本は別会社の酸素発生装置を依頼設置していただいております。

(・・・東京都内は設置可能で、おそらく近郊までは、、、という予想です。予想だけですみません。)

 

以上で初診が終了です。

 

入室から退室までで、この日はおおよそ2時間でした。1時間は初回問診、30分が処置時間、30分が今日から明日にかけてのお話と今後想定されるタラレバと対策でした。

 

今回のまとめ

今回は、犬猫の往診でのターミナルケアにおける初診の雰囲気を伝えられるよう、実際の症例を使ってご説明させていただきました。

 

命の現場には、緊張感はつきものであり、時としてその場で見送ることもあります。

 

だからこそ、ご家族様の言葉に誠意を持って耳を傾けることと、先入観を一旦外す努力が重要です。

 

そうすることで、ご家族様の求めている最後の形を想像でき、医療面及び生活面でアドバイスを交えて方針決定が行えます。

 

次回は、急変時はどうすべきなのかの意思決定について書かせていただきます。

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

犬猫にも同様に癌(がん)はあります。

 

人と同じように、癌と言っても一つではなく、良性腫瘍悪性腫瘍があります。

 

もっと早く検査していれば、早期治療ができたのにと思ってしまい、自身を傷つけがちですが、犬猫の場合は人間とは違い、そもそも治療を受けることが嫌いですので、愛犬・愛猫がどんな性格なのか、どこまでなら耐えてくれるのかなど、精神面も考えてあげなければいけません。

 

ただ理解しなければいけないことは、もしその腫瘍が悪性であれば、近い未来にお別れの日が訪れます。

 

その日がいつなのかは誰もわかりませんが、教科書や文献などのデータを参考にした余命(中央生存期間)をお伝えすることは可能です。

 

腫瘍に対する攻めた治療方法に、化学療法(抗がん剤)、腫瘍外科、放射線があり、最近では分子標的薬を用いた治療も適応であれば選択することができます。

 

腫瘍と診断された段階で、今後のことを事前に話し合っておく必要があります。

 

かかりつけの獣医師とご家族様で、何をどこまでやって、どんな副反応が出るまでは攻めた治療を続けるということ。

 

23245788.png

 

 

 

そして、もし抗がん剤治療などをやめて緩和ケアを実施したいとした場合に、どこに相談すべきなのか、または、かかりつけの動物病院が最後まで、在宅での治療も含めて支えてくれるのかなど、事細かに相談しておきましょう。

 

いざその時になると、気が動転してしまい、不安によって感情が先行してしまうことが予想されますので、冷静でいられるうちにある程度相談しておきのがおすすめです。

 

抗がん剤などの治療の一切を止める判断をするタイミングは、多くの例で投薬後にぐったりしてしまい、もう通院させることすら厳しいと判断した場合です。

 

昨日までは調子も良く頑張っていられたが、今朝になり急にぐったりとしてしまった、ということは容易に起こります。これが、【攻めた治療(抗がん剤治療など)を選ぶ】ということです。

 

ぐったりしてしまったことをきっかけに、もし往診を呼べる地域であれば、在宅緩和ケアに移行していきます。

 

緩和ケアにはいろんな形があり、ご家族様がどうしたいのか、それはそもそも実施可能なのか、犬猫の具合はどの程度まで下がっているのか、などはもちろんのこと、ご飯についてや温度や湿度、床の性状や物の高さや位置などの生活環境を、事細かに考えていきます。

 

緩和ケアを見据えた時には、これらに関しても担当の獣医師に相談しておくべきです。

 

もしかかりつけの動物病院だと緩和ケアはできないとされ、「内服薬だけを渡すので家で飲ませてあげ、ゆっくりと看取ってください」とされた場合には、すぐに往診専門動物病院に連絡するようにしましょう。

 

 

おそらくこの段階まで状態が下がった犬猫に対して、内服薬を飲ませることは叶わないと思っていた方がいいです。

 

ここの段階で突き放されてしまうというケースが多くあり、もしそうなってしまった場合には、諦める前に必ずお近くの往診専門動物病院まで連絡するようにしてください。

 

今回は、鼻腔内腫瘍を発症し、最初は通院できていたが急に状態が下がってしまい、家にある酸素室から出られなくなってしまったため、2022年8月19日から往診に急遽切り替え、在宅にて家族の見守る中、2022年9月8日に旅立った猫ちゃん(14歳7ヶ月)のお話です。

 

できることはもうないと諦めてしまう前に、まずは往診専門動物病院にご相談ください。

 

東京近郊であれば、私たち、往診専門動物病院わんにゃん保健室が、みんなの力になります。

 

疲れた猫.jpg

 

予約までの経緯

2022年2月頃に咳とくしゃみがはじまったとのことでした。

 

かかりつけの動物病院では怒ってしまうためX線検査ができず、とりあえず抗生剤を2週間ほど処方され一旦症状が治ったとのことでした。

 

その後もちょくちょく咳とくしゃみ継続していたのですが、そこまで症状がひどくならなかったので様子見としていたとのことでした。

 

徐々に粘り気のある鼻水や鼻血が出るようになり、7月3日に咳、くしゃみ、鼻血、吐血(少量)を認め、かかりつけが休診だったことから別の動物病院に通院したところ、そのまま入院となり、X線検査で左鼻の異常を認めたとのことでした。

 

麻酔をかけての精査を勧められたのですが、もっと元気になってからにしてほしいと伝え、4日間の入院を経て、無事退院することができました。

 

帰宅後には元気食欲があり、これで安心だと思っていたとのことでした。

 

退院から2週間後の7月21日に頻回嘔吐を認め、再度通院で点滴処置をしてもらい、また状態は安定したのですが、8月1日に鼻出血と呼吸促迫から入院となってしまいました。

 

入院中の8月4日にCT検査を行い、左鼻腔内腺癌が発見されました。

 

8月6日の退院と同時に酸素室をレンタルし、呼吸状態が悪い時だけ酸素室に入れてあげていたとのことでした。

 

その後も通院を予定していたのですが、8月15日の段階で重度の呼吸促迫と咳が出てしまい、もう通院できないと考え、往診を希望されました。

 

この経緯の中にも、本当であればかかりつけの動物病院で、担当の獣医師の指示のもと、最後まで一緒に歩いていけたら一番いいと考えていますが、通常の動物病院の運営上、多くの場合に、それは叶いません。

 

緩和ケアを希望された時点から、もしかしたら転院するかもしれないことを頭の片隅に置いておきましょう。

 

次回は、この猫ちゃんの往診で起きた実際のストーリーについて書いていきます。

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆
 

猫ちゃんの多くが、高齢になるにつれて腎臓の数値が悪くなりやすいです。

 

みんながみんなというわけではないですが、確率は高く、またこの腎臓病という病気は進行性であるため、早期発見早期対策が重要です。

 

今回は2回に分けて投稿している「猫ちゃんの家での緩和ケア」の後編です。

猫ちゃんの家での緩和ケア1-2はこちらから読めます^^

 

前回は猫ちゃんの腎不全について導入から腎臓病ステージ3までの話でした。

 

ここからは、いよいよ腎臓病ステージ4から後半についてです。

 

出会いがあれば別れがあります。

 

後半戦、書いていきます。

 

図1.jpg

 

腎臓病ステージ4

最も往診依頼が多い腎臓病ステージがこのステージ4です。

腎臓病ステージ3の時と比べて、全ての症状が増悪しているものを想像していただければ大丈夫です。

これらの症状が強く出ており、さらに進行していた場合には、痙攣発作を伴っていることも多々あります。

 

ここまで腎不全が進行すると、腎性高血圧腎性貧血などを起こしている場合を多く見受けます。

 

腎性高血圧がある猫ちゃんだと、ぱっと見で瞳孔(黒目)が大きくなってることが多いです

 

これは、高血圧に伴った網膜剥離が疑われます。

 

もしかすると、腎不全の薬によって高血圧が改善すれば少しだけ視力が戻ってくる可能性もある非裂孔原生網膜剥離の状態も疑われますので、早期に治療を入れてあげる必要があります。

 

腎性貧血は、腎臓から出てくるエリスロポイエチンという造血ホルモンが、分泌できる正常な腎臓細胞が減少してしまったため、単純にその数が減ってしまうことから起きる貧血と考えていただければ大丈夫です。

 

腎性貧血の場合には、わんにゃん保健室では週1回の注射でエリスロポイエチンを接種してあげることで、貧血改善を目指します。

 

22582236_m.jpg

 

痙攣発作に備える

そして、痙攣発作です。

 

腎不全からくる痙攣発作(尿毒症)を疑うとき、ほとんどの猫ちゃんで血中尿素窒素(BUN)>140mg/dlでその他の腎臓評価の指標であるクレアチニン(CRE)やリン(IP)と言われるものも高値になっています。

 

発作に対しては発作止めを注射、点鼻、坐剤の3タイプから選択してもらい、家に準備していきます。

 

発作止めの使用方法や環境整備に関し、生活環境を確認しながらご説明させていただきます。

 

発作が起きている時に立ち会うのが誰なのか。

 

家で発作に対する備えをして、家の中で猫ちゃんの発作を抑え込んであげるのか、それとも緊急で動物病院へ通院するのか。

 

お母さんかもしれないし、お父さんかもしれない、または息子さんかもしれないし娘さんかもしれないです。

 

協力できるご家族様がどなたであり、その方が望む発作止めはどのタイプなのかを考えて、準備に入ります。

 

在宅or通院.jpg

 

酸素環境の準備

腎性貧血が起こると、徐々に呼吸状態が悪くなってきます。

 

これは、血液中のヘモグロビンという成分が減少するからです。

 

これに対して先述したエリスロポイエチンの注射を実施しますが、功を奏することなく亡くなってしまう子もいれば、改善して生活の質を上げられる子もいます。

 

ただ言えるのが、注射による体への負担が、少なからずあるということ、そして即効性があるものではないとことです。

 

経験上、ヘマトクリット値(Ht,PCVなど)が20%未満になると呼吸状態が下がると考えています。

 

即効性のある対策として、酸素環境の整備が挙がります。

 

1.jpg

※実際に設置した画像です。

 

酸素環境の整備以上に、むしろこの状態の時に必要なものはないと言っても過言ではありません。

 

また、ただ酸素を準備すればいいというわけではなく、この猫ちゃんにとって最適となる環境づくりを考えなければいけません。

 

わんにゃん保健室では、酸素室の選定および作成、酸素発生装置を含めた酸素環境の運用、そして酸素環境における日常ケアのやり方の決定など、さまざまな視点から残された時間にできることをご提案させていただいています。

 

 

まとめ

今回は、猫ちゃんの腎臓病ステージ1〜4のざっくりとしたお話をさせていただきました。

 

猫ちゃんという生き物としてこの世に生を受けた以上、腎臓病を患ってしまうことは考えておかなければいけません。

 

そして、残念なことに、現代獣医療では腎不全を完全に治療することはできません。

 

腎臓病は進行性の病気であり、わかっていることは、早期発見が何より重要です。

 

早期発見で早期から対策を打ち、少しでも進行を抑え込んであげることを考えていきましょう。

 

猫の腎不全(特に慢性腎臓病)のコントロールでは、腎臓ケア系のフード切り替え、内服薬の使用、皮下点滴の大きく3つがあります。

 

動物病院での入院ができるタイプの猫ちゃんであれば、急にグッと腎臓の数値が上がってしまった場合に、入院させて点滴(静脈点滴)を行うことで一過性に悪化した数値を元の値まで改善させられるかもしれません。

 

しかし、通院も苦手であることと入院のストレスには耐えられないであろうと考えられる場合には、ご自宅での皮下点滴プランを組んであげましょう。

 

おそらく血圧も高く、心臓に負担がかかっていたり、貧血気味になっているかもしれないので、できれば1回の皮下点滴でたくさん入れるよりは、たくさん入れなければいけないのであれば、2回〜3回に時間帯を分けて投与してあげるほうが、負担の軽減につながるので、当院としては推奨しています。

 

通院しなければ何もできないと諦める前に、在宅での往診獣医療があることを知っていただき、お困りの際には往診のご連絡をください。

 

東京23区とその近隣を診療圏とし、東京、千葉、埼玉、神奈川、そして遠くても時間を調整してお伺いさせていただいております。

 

在宅医療のご相談であれば、私たち、往診専門動物病院わんにゃん保健室が、往診にてご家族様とその先にいるわんちゃん、猫ちゃんへ安心の獣医療をお届けします。

 

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆
 

ほとんどの猫ちゃんは通院が苦手なため、もし通院させるのであれば、週1、2回程度までくらいまでが限度だと思われます。

 

病気で具合が悪いので動物病院へ連れていくのに、移動の前後でどっと疲れてしまい、検査のためならまだしも、処置のためであれば、果たして本当に通院させるのが正しいのかと、考えさせられる場面に多く直面すると思います。

 

特に高齢期で、体力も弱ってきている中で、必要な時には1日2回の通院を求められることだってあります。

 

今回は、猫の腎臓病(腎不全)に対し、往診ではどんな提案をしているのか、ステージごとに記載させていただきますので、通院ではなく往診を検討されている方、今は通院させているけど、今後は往診へ切り替えたいとお考えの方は、是非読んでいただき参考にしてください^^

 

腎臓.jpg

 

※本来であれば全て腎臓病と表記するのですが、ご家族様にわかりやすい言葉で記載したいため、腎不全と表記させていただきます。

 

腎臓病ステージ1

このステージでは、ほとんどが無症状なため、健康診断の時に発覚することが多いです。

 

高齢、特に10歳を超えてきたら、健康診断は少なくとも年2回、できれば3ヶ月おきの4回を推奨しています。

 

猫ちゃんの腎不全に対する往診での治療法では、大きく食事、内服、皮下点滴の3つです。

最初は侵襲性が最も少ない食事療法と、腎不全の早期から推奨されている内服薬をご提案させていただきます。

 

なお、腎臓病ステージ1の時点で提案しているのは、食事療法と内服薬です。

 

当院では、味が苦いものや飲ませづらいものは極力使用しないよう、医薬品の選定に注力しています。

 

食事療法としては腎臓ケア系のドライとウェット、内服薬は動物薬の飲みやすいものです。

 

腎臓をケアした療法食を推奨してはいるものの、これまた好き嫌いが強い子が多く、療法食を食べてくれないということが多数見受けられます。

 

腎臓系のご飯は1種類ではなく、【猫 腎臓病 フード】など検索するだけで何十種類も出てきます。

 

診療時に複数種類の猫ちゃん用腎臓ケアフードをご紹介させていただきますが、なかなか好んでくれるご飯と出会えないことも想定できますので、気持ちとして全部に挑戦するくらいの意気込みを持って臨みましょう。

 

検診の頻度は、その猫ちゃんの状態やご家族様の希望にもよりますが、ほとんどの場合で状態は安定していることが多いため、大まかな目安として3ヶ月に1回程度です。

 

 

腎臓病ステージ2

このステージになると、なんとなく症状が見えてきます。

最近なんとなく飲水量が増えてきたような気がする、おしっこの量も増えたような気がする、といったものです。

とはいえ、日々の変化程度であることから、見逃されやすいです。

 

腎臓病ステージ2からは、内服薬をもう1種類増やすかどうかを相談していきます。

初めて腎臓病ステージ2を確認した時は一旦様子見とし、次回も腎臓病ステージ2だった場合には、ほぼ確実にもう1種類増やし、2種類の内服薬で様子を見ていきます。

 

検診の頻度は、状態次第ではありますが、大まかな目安として1〜3ヶ月に1回程度です。

 

猫ちゃんのストレス状況を評価し、往診頻度や血液検査の頻度を相談していきます。

 

腎臓病ステージ3

このステージになると、明らかな症状が見えてきます。

お水を飲む量は明らかに多くなり尿量も増える(多飲多尿)、週1回程度だった吐きが2,3回以上と嘔吐頻度が増える、脱水や胃腸の障害に伴った軟便または便秘、食欲低下、軽度な削痩などです。

 

IMG_0378.jpg

※写真は、現在当院でお伺いしているクロちゃん19歳です^^一つ前の記事で書かせていただきましたので、こちらも是非読んでみてください!

 

 

往診でお伺いする猫ちゃんのステージでは、第2位です。

 

第1位はステージ4、第3位はステージ1、第4位はステージ2です。

 

ステージ1の段階で見つかるのが第3位なのは、ご家族様の健康診断への意識が高い方が一定数いることを表していると考えています。

 

この腎臓病ステージ3では、内服薬だけで進めていくか、皮下点滴を合わせていくかを相談していきます。

 

当院では、腎臓病ステージ3からは在宅での皮下点滴を検討していくことから、ご家族様による皮下点滴を行える環境構築のため、皮下点滴トレーニングを実施していくことが多いです。

 

中には、ご家族様だけでは難しいとされた場合には、当院でスケジュールを組み、皮下点滴にお伺いすることもありますが、時間帯の確約が難しいことから、できる限りご家族様による皮下点滴をお願いしています。

 

猫ちゃんからしても、知らない人が来て抑えられて皮下点滴をされるよりも、お母さん、お父さんというプライベートな空間で実施される方が、ストレスも少なくできると考えています。

 

皮下点滴の頻度は週3〜4回程度、内服薬は2種類、食べられるのであれば療法食、の3つでコントロールしていきます。

 

検診の頻度は、状態が安定していれば1ヶ月に1回程度です。

 

なお、猫の腎臓病ステージ3でお伺いする場合には、1日目、2日目、3日目と連続で往診し、次は最終診療日から1週間後の10日目、ここで安定していれば2週間後の24日目、以後1ヶ月おきというのが多いパターンです。

 

ということで、まずは導入から腎臓病ステージ3までに対する往診での在宅中医療について書かせていただきました。続きは「猫ちゃんの家での緩和ケア2-2」で、腎臓病ステージ4を近日公開します。

 

猫ちゃんと暮らしていて、動物病院への通院で躊躇してしまっているご家族様は、まずは往診相談として当院へご連絡ください^^

 

気づいてからでは遅い猫の腎臓病、早期発見早期対策が大切です!

 

猫ちゃんの腎不全については、特集ページにて解説しております。

こちらをご一読いただければ、大まかな猫の腎不全について知っていただけると思います^^

猫腎不全バナー.jpg

 

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆
 

犬猫にも糖尿病があるのをご存知でしょうか?

 

わんちゃん、猫ちゃんたちにも私たち人間と同様、糖尿病が存在します。

 

糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があり、犬は1型、猫と人は2型が多いとされています。

(※詳しい病態や座学的な箇所は、web上でたくさん情報が落ちているため割愛します。)

 

本ブログでは、糖尿病を発症した猫ちゃんが、早期発見早期治療によってインスリン投与生活から離脱できたため、症例報告として書かせていただこうと思います。

 

猫ちゃんが糖尿病を発症すると、以下のような症状が現れます。

 

☑️飲水量が増える(多飲)

☑️尿量が増える(多尿)

☑️食欲不振

☑️元気消失

☑️嘔吐

☑️毛艶が悪くなる

☑️削痩(痩せてきた)

☑️尿の臭いがなんか変

 

ご自宅にいる猫ちゃんで、あれ?なんか変だな?と思う箇所が上記に当てはまるのであれば、かかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。

もし通院が難しく、かかりつけの動物病院がない場合には、往診専門動物病院まで相談し、指示を仰ぐようにしましょう。

 

 

糖尿病を発症した経緯

今回の猫ちゃんは、特発性膀胱炎を持病としていました。

 

猫ちゃんの膀胱炎というと、結石性膀胱炎細菌性膀胱炎、そして原因不明の特発性膀胱炎に分類されます。

 

特発性というのは調べたけど原因不明である、という意味です。

 

この場合は、ストレス性を疑うものの、原因は特定されませんので、対症療法のみを行って症状のコントロールを行っていきます。

 

この猫ちゃんは特発性膀胱炎を繰り返しており、処置すると症状が治るため、毎回同じ処置を繰り返していました。

 

本来は1日1回〜2回の内服薬でコントロールするのが一番いいのですが、とはいえ内服が苦手な猫ちゃんに対して毎日投薬することはとても難しく、ストレスがどんどん蓄積されてしまい、もしこの特発性膀胱炎の原因がストレスであればもっと悪化していく可能性も疑われました。

 

そのため、膀胱炎の症状が認められる度に、2週間の効果を期待できる注射薬を使用して、毎日処置するストレスをなくすことで調子を保てていました。

 

そんな中で、2022年1月末に異変が起き、糖尿病を発症していることが発覚しました。

 

糖尿病に気づくきっかけ

2022年1月末の定期検診の時に、「そういえば最近尿がベタつく」という主訴を受け、まさかと思い検査をしたところ、糖尿病を発症していることが発覚しました。

 

尿検査でケトンが検出されなかった(陰性)ことが救いです。

 

〜余談〜

糖尿病であれば、そのコントロールをどうするかについて経時的な変化を見つつ相談していく猶予がありますが、もしケトンが検出された場合には糖尿病性ケトアシドーシスを発症していることを疑い、致命的な結末も想定した入院管理が必須となり、24時間の集中治療を行います。

その場合には、できれば24時間管理ができるだけの規模の動物病院に入院させるのがおすすめですが、もし難しい場合に、夜間はケージで一人になることを受け入れなければいけません。

なお、在宅で管理できますか?、と質問を受けることがありますが、入院治療と比べて細かく1日に何度も検査ができないことから、コントロールが十分にできず、致命率は大幅に上がってしまうことを懸念し、もし回復を望むのであれば入院を推奨します。

なお、もうぐったりしていて、動物病院の中で1人旅立つのは絶対に嫌だとされる場合には、そのまま在宅で看取りを見据えた緩和ケアおよびターミナルケアに移行することもありました。

 

データが揃うのを待ち、2022年2月3日から、インスリン治療を開始しました。

 

血糖値の変化を知る方法

ここで、血糖値の変化について在宅医療ではどのように把握していくのかについて書かせていただきます。

 

皆さんは「Free Style Libre」をご存知でしょうか?皮膚に装着させることで、長期にわたって血糖値の変化をアプリで見ることができる優れものです。

 

人の医療では多用されているもので、ここ数年で動物医療にも使用されてきています。

 

img-index-01.jpg

 

装着させながら血糖値の変化を把握しつつ、尿検査も実施していただき、尿糖の状態、ケトン検出の有無を評価していただきました。

 

糖尿病のコントロールを把握するための表を作成し、ご家族様に測定していただいたものを毎日共有していただき、データの変化によってインスリン投与量を変化させてコントロールしていきました。

 

〜余談〜

Free Style Libreは、体表に装着させるため、設置面がそこまでルーズではなく、かつ設置面の広さを担保できる個体には有用かもしれませんが、結果としては参考値程度で3回の装着の後に、使用しなくなりました。

1回目は6日間程度データを取ることができ、2回目、3回目は4日程度で、商品に記載のある14日間有効というのは、「人の場合であり、ペットでは個体差あり」と認識させられました。

とはいえ、通常の動物病院で行うインスリン投与量決定前の日内入院による血糖効果曲線作成のための複数回の採血よりも、ストレスのない在宅中での正常時血糖を測定する方が有用であると考えているため、今後も初期検査方法の一つとして使用していこうと考えています。

 

基本プラン設定から離脱まで

 

基本的なプランは以下です。

 

☑️毎日の給餌時間と食事量(%)を主観で記載してもらう

☑️毎日のインスリン投与時間と投与量を記載してもらう

☑️トイレに溜まった尿で朝と夜に尿検査を実施してもらう

☑️毎日データを共有してもらう

☑️2週間に1回の往診で血液検査スクリーニング+長期血糖測定を実施する

 

基本的なプランと書きましたが、このプランもご家族様と相談し、何ができて何ができないかを明確にすることから、プラン決定に入ります。無理のない範囲で、かつちょっとだけ頑張ってもらうくらいがちょうどいいかと、個人的には考えています。

 

この方法で、インスリン投与量を徐々に増加させて4Uまで増加し、0.5Uずつ1週間〜2週間程度かけて下げていきました。

2022年2月3日から開始したインスリン療法は、ご家族様と猫ちゃんの協力により、2022年7月12日に完全離脱を成功し、今では食事療法のみでコントロールできています。

 

まとめ

猫ちゃんの糖尿病は、早期発見、早期治療でインスリン生活から離脱できるかもしれません。

もしすでに糖尿病が進行していて、ケトン尿が出てしまっている場合には、どうしても入院させたくない場合を除いて、治療を望むのであれば、可能な限り入院での集中管理を選ぶべきです。

とはいえ、もし糖尿病のサイン(多飲、多尿、尿の臭いの変化など)を感じた場合に、通院が苦手なわんちゃん・猫ちゃんであれば、早めに往診専門動物病院まで相談するようにしましょう。

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆
 

皆さんは、「誤嚥性肺炎」ってをご存じでしょうか?

 

人の医療では、よく赤ちゃんと高齢者が発症しやすい病気なのですが、実は犬猫でも同じです。

 

飲み込んだご飯やお水、嘔吐物などが誤って気道に入ってしまい、通常だと咳が出て、それらを吐き出そうとするのですが、それがうまくいかずに肺に流れてしまって引き起こされます。

 

高齢の犬猫に対して食欲がない場合に、無理矢理にでも栄養を取らせたいという目的から、「強制給餌」を行うことがあります。

 

強制給餌とは、その名の通り、半強制的に喉の奥にご飯を流し込む手法です。

 

回復期であれば止むを得ないと考え実施することが多いのですが、緩和ケアの後半やターミナルケアでは、あまり望まれないご家族様がいるが事実です。

 

少しでもお腹が減っているだろうから、少しでも栄養を摂らせてあげたいというご家族様の意志とは裏腹に、食欲がないのにご飯を流し込まれるのは、やはり、ペットたちからすれば苦痛なのでしょう。

 

加えて、顔や鼻(マズル)を押さえられるのが好きじゃない犬猫がほとんどです。

 

やればやるだけ、栄養は入ります。

 

しかし、愛犬、愛猫からすれば、「なんでそんなに嫌なことをするの?」って気持ちになるのか、頑張りたい飼い主様の気持ちに逆行するように、どんどん心の距離ができてきます。

 

立ち上がるだけで、逃げるようになることもありますし、人が起きてる時間をずっと隠れてしまっていることもあるかもしれません。

 

それでもやってあげたいし、栄養が入ればふらつきや、はたまた貧血などの状態も改善するかもしれない!って期待もあります。

 

もし皆さんでしたら、自分の子に強制給餌、やってあげたいですか?

 

今日は、強制給餌にはつきものになりやすい誤嚥性肺炎について、予防方法なども含めてお話していきます。

 

1581779229010.jpg

 

誤嚥性肺炎について

誤嚥性肺炎とは、冒頭にお話しさせて頂いた通り、食道に入るべきものが誤って気道に入ってしまった際に起こる肺炎です。

 

赤ちゃんや高齢者は、吐き出す力が弱かったり、免疫が落ちてしまっているため、誤嚥性肺炎が命に関わることも多々あります。

 

肺炎が命に関わるというのは、誤嚥性肺炎に関わらず、風邪の悪化やインフルエンザ、流行りの新型肺炎などでも共通しているので、皆様も肺炎にはお気をつけください。

 

話しを元に戻しますが、人と同様に、犬や猫でも、子犬や子猫、特に高齢犬や高齢猫では誤嚥性肺炎がとても多く見られます。

 

そして、そういった子たちは別の疾患で重症な中で誤嚥性肺炎を起こしてしまったり、老齢で体力的にすでに立つことができない場合が多く、治療が難しく、それが直接の原因となって命を落としてしまうことも少なくありません。

 

 

強制給餌での誤嚥性肺炎予防

 

1. 正しい姿勢であげましょう

 

姿勢は特に重要です。

 

寝転がった状態で上げようものならば、うまく飲み込めずにむせってしまって当然です。

 

私たちも、寝た状態で何かを飲み込むのって難しいと感じると思います。液状のものであれば、ストローが補助してくれますが、だとしても、それは口に含むまでであって、飲み込むのは結局難しいです。

 

姿勢を正さずに口にご飯を入れられてしまった場合には、基本的には自分で飲み込めない分はちゃんと吐き出してくれますが、何かの影響でむせてしまった瞬間に誤嚥の可能性があります。

 

注意しましょうね!

 

体勢の維持には左右から抑え込むクッション素材が最適です^^

 

2. 呼吸状態

 

苦しそうな時は、無理に責めないでください。

 

通常は気管への道が開いているのですが、飲んだり食べたりするときには、気管への道を遮断し、食道への道が開かれます。

 

この開閉作業は自動で行われていますが、老化現象というべきなのか、この作業をたまに失敗するようです。

 

ましてや、呼吸が苦しければ、常時気道への道を優先して確保し、頑張って呼吸して全身にぎりぎりの酸素を供給している状態だと思います。

 

そこにご飯(特に液状は要注意!)が入ってきたら、無理矢理気道を閉じて、食道への道を開かなければいけません。

 

もちろん、飲み込み終わるまでは気道が開きませんので、苦しさは増します。

 

そして、さらにもう一口と、ペットの顔を保持し上に向け口の中にご飯を流し込んだ時、低酸素状態に耐えられずに呼吸してしまった犬猫に誤嚥させてしまう、というような流れです。

 

呼吸状態が悪い犬猫への強制給餌は、酸素化してあげることが何より重要です。

 

在宅酸素を、動物病院から、または専用業者からレンタルできるかと思いますので、かかりつけの動物病院に尋ねてみましょう!

 

3. 1回量に注意

わんちゃんならまだしも、ここでは猫ちゃんのことをメインで話していきます。

 

猫ちゃんの場合、やってみて感じるのは、一回に0.5ml〜1ml程度までにしたほうが無難だと思います。

 

また、1回の食事で流し込める量は5ml程度から開始し、徐々に増やしていくのがお薦めです。

 

猫ちゃんの胃袋はそこまで大きくない(犬と比較してそこまでって感じです。)ということを知っておくのが大切です。

 

おおよそ、額の大きさだと言われています。

 

たくさん食べてほしい気持ちはわかりますが、一気に入れすぎて吐き出させてしまった結果、体力を奪うだけになってしまった、という悲しい結果にならないように、気をつけてあげてくださいね^^

 

というような感じで、今回は強制給餌における注意点を3つご紹介させていただきました。

 

まだまだポイントはありますが、その子の状態や性格、そして実施するご家族様を含めた生活環境などが要因として加わってくるために、これ!というパターン決めが難しいです。

 

そのため、実際に強制給餌をやりたいと、ご家族様が判断した場合には、かかりつけの動物病院でやり方を教わることが、まずは大切かと思われます。

 

また、もし動物病院への通院が難しい場合には、きてくれる往診の獣医師を片っ端から電話してみる、という方法もまた一つです。

 

東京都内、特に中央区を含めた23区および埼玉県、千葉県、神奈川県の東京近郊であれば、私たち、往診専門動物病院わんにゃん保健室がお伺いできますので、お困りの際にはご連絡ください。

 

X線検査や人工呼吸器などを必要としない検査、処置の一通りをご自宅で行います。

 

また、大型の酸素発生装置も保有しておりますので、当院の獣医師の判断のもと、最短即日でご準備させていただき、少しでも早く楽な状態を作れるように、みんなで工夫させていただきます。

 

このほかにも、高齢犬、高齢猫の場合は介護が必要になることもあり、そんな時にお家で出来るケアは沢山あります。

 

何かしてあげたいけれどどうして良いか分からない、そういった場合には往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。高齢犬や高齢猫の介護にも詳しい獣医師、看護師がしっかりとご相談させて頂きます!

 

ペットの緩和ケアと看取りのお話

ペットの緩和ケアやターミナルケアをお考えのご家族様向けに参考ページを作成しました。

今後、もし慢性疾患など、治療による根治ではなく、症状や病状のコントロールのみと診断された場合、通院で今後も診てもらうか、在宅に切り替えるべきかを考える参考にしていただければと思います。

 

ペットの緩和ケアと看取りのお話

 

是非ご一読ください。

 

◆-----------------------------------◆

東京台東区/中央区/千代田区エリアのペット往診 動物病院
わんにゃん保健室
 
ペット往診・緩和ケアならお気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診専門獣医師の江本です。

 

当院は、東京中央区・台東区にメインオフィスを構え、東京23区および近隣地区まで獣医師と動物看護師が一緒にお伺いさせていただいています。

 

診察の全てにおいて、往診獣医療チームで対応しますので、ご家族様にはその傍で愛犬・愛猫を応援していただければと思っています。

 

通院させるのが難しいな、負担だな、と感じた時は、諦める前にまずはお住まいのエリアまで来てもらえる往診専門動物病院へ電話しましょう!

 

最近出会った膵炎発症の高齢犬がいましたので、今回は膵炎のお話をわかりやすく、そして往診での考え方について解説していきます。

 

犬膵炎.jpg

 

みなさん、膵炎という病気をご存知ですか?

人の医療では、膵炎の原因はアルコールや暴飲暴食、脂質の多い食べ物を食べすぎたりといった、食生活の乱れが原因と言われています。

 

一方で、人の食べ物を食べていない犬や猫では、ある意味人よりも食生活の点でいうとバランスのとれた食生活を送っていると言えます。

 

しかし、そんな犬や猫でも膵炎が起こってしまうのはなぜでしょうか?

 

もちろん犬や猫でも、人の食べ物や脂質の多いおやつをたくさんあげている場合には、膵炎になってしまうリスクが上がってしまいます。

 

しかし、原因はそれだけではありません。

 

自分自身の細胞が、自分の細胞(臓器)を攻撃してしまう自己免疫性の膵炎であったり、ミニチュアシュナウザーでは遺伝的に高脂血症になりやすかリスクが高くなります。

 

 

あるいは感染性の膵炎であったり、術後に血栓ができてしまって膵炎になったり、と原因は様々ありますが、犬では90%以上が原因不明の膵炎と言われています。

 

膵炎とはどういったものなのでしょうか?

膵臓は、胃の裏側あたりに位置し、インスリンなどのホルモンを出したり、消化酵素を十二指腸に分泌したりする働きがあります。

 

通常、膵臓から出る酵素は強力ですが、膵臓自身を消化しないように、十二指腸に達してから酵素が活性化されて働くようになります。

 

しかし、何かしらの原因で消化酵素が膵臓の中で活性化してしまい、膵臓自身を消化してしまうことがあります。

 

これが膵炎です。

 

そうすると、膵臓の細胞は溶かされ、膵臓や周辺の臓器で強い炎症が生じます。

 

その炎症が膵臓周囲だけで治れば、死に至ることは少ないかと思われますが、その炎症が、膵臓周辺だけでなく、肝臓や胃腸、さらには全身に広がってしまうと、血栓の原因にもなります。

 

話はそれますが、COVID19による肺炎も、肺炎が死因ではなく、肺での炎症により全身に炎症が広がり、血栓ができやすくなってしまい、血栓症になってしまうことが死因になっていると言われていますね。

 

まだまだ不明なことが多いので、これからの研究に期待です。

 

話が大きくそれてしまいましたが、膵炎での死因も血栓症や、全身性の炎症反応、あるいは敗血症が二次的に引き起こされることが大きいと言われています。

 

膵炎になってしまうとどんな症状が出るのでしょう?

膵炎には2種類あり、急性膵炎慢性膵炎があります。

 

まずは急性膵炎のお話です。

 

急性膵炎とは、まさに名前の通り、急激に起こる膵炎です。

 

その進行はとても早く、治療をしなければ2,3日で亡くなってしまうこともあるほどです。

 

急性膵炎の場合、1番最初に見られるのは嘔吐や下痢、腹痛、食欲不振、発熱といった症状です。

 

特異的な症状はなく、他の病気にも当てはまる症状なので、診断が重要になってきます。

 

診断は血液検査や超音波検査によって、総合的に判断します。

 

また、膵臓の数値を測定することで、確定診断が得られます。

 

早期に診断ができれば、すぐに治療を始めなければなりません。

 

まずは点滴や吐き気どめや痛み止めの注射、そして血栓予防の注射を行います。

 

かなり痛みが強いため、鎮痛は積極的に行います。

 

そして人の医療では、急性膵炎の場合には絶食をすると言われていますが、獣医療では、吐かないのであれば出来るだけ早期に口からご飯を食べることが重要と言われています。

 

そうすることで、栄養分を膵臓に届けて、膵臓の回復に努めていきます。

 

ほとんどの場合、1週間ほどで血液検査の数値も落ち着き、お薬も減っていきます。

 

◎急性膵炎に対する往診の考え方

急性膵炎は集中的な入院管理が必要であると考えているため、往診のご依頼を頂いたとしても、電話の段階で判断し、入院治療を視野に入れて、できる限り急いで動物病院に行くように指示させていただいております。

特に、老犬ではなく、さっきまでは普通にご飯も食べれていたし、散歩も行けていたなどの場合で、急に嘔吐・下痢が止まらなくなったといった場合には、まずは急性膵炎を疑い通院を促します。

しかし、そうだとしても現実的に動物病院に連れて行くことが難しいと判断された場合には、往診でお伺いし、今の環境で提供できる獣医療内容を相談し、最良となる処置・処方プランや検査を含めた診療プランをご提案させていただきます。

みんながみんな、こういった時に通院させられる訳ではないので、ご家族様だけで悩まないで、まずは相談してくださいね!

 

 

一方慢性膵炎では、これといった急激な症状が現れないので、診断が難しいこともよくあります。

 

何となく元気がない日がある、何となく食欲がない日がある、といって症状なので、ご家族様も気付きにくく、動物病院に連れてくるきっかけとなりにくいことも一つの要因です。

 

診断は、急性膵炎と同様血液検査や超音波検査にて判断します。

 

血液検査では、膵臓の数値が軽度に上昇していたり、超音波検査では、膵臓が軽度に腫れていたりといった所見が認められます。

 

しかし、慢性膵炎は急激な悪化がなければ死に至ることは少ないので、まずは対症療法と食事療法を行います。あるいは慢性膵炎の内服薬を処方することもあります。

しかし、慢性膵炎も油断していると、急激な悪化をして急性膵炎になることがあるので、なんかいつもと違う、元気がない気がするなど、思い当たることがあれば、早めに獣医師にご相談ください。

 

◎慢性膵炎に対する往診の考え方

こんな感じで、あんまり特徴的な所見を認めないのが、慢性期の特徴でもあったります。

そのため、往診では、1回の検査でできる限り疑わしい検査を、わんちゃん・猫ちゃんの負担を考慮した上で実施するように心がけています。

通常の動物病院であれば、たとえば血液検査を考えると、費用を考慮した上で、検査項目を最小に絞り、広げたい場合には再度通院してもらい追加検査を行うかと思われますが、往診ではそうはいきません。

往診の場合には、そもそもが検査による負担が大きい場合を常に考えなければいけません。さらに、ここを検査したいので今日これから伺います!が、できないのがまた往診です。

往診だと、ここを検査したいので、次回1週間後、または1ヶ月後に追加で検査します、となってしまい、そんな悠長なことが言えないのが、おそらく初診かなと、経験的に感じています。

そのため、通院が難しく、在宅医療にお切替を検討される場合には、疑わしくは先に検査を検査することを大切にし、何度も採血するようなことはできるだけ避けてあげましょう。

 

最後に・・・

こうした膵炎ですが、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室でも膵炎を発症した犬猫と出会うことがあります。

 

急性期には毎日、時には1日2回お伺いすることもあります。

 

大型犬で動物病院に連れていくことが難しい場合、人が苦手で動物病院に連れていけない場合など、その子の性格によって動物病院に行けない理由は様々かと思います。

 

しかし、だからといって決して諦めずに、往診専門動物病院わんにゃん保健室にご相談ください。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ご家族様と動物に合った治療をご提案させていただきます。

 

 

過去に犬の膵炎関連の記事を書いていますので、気になる方は是非読んでみてください!

急な食欲廃絶と嘔吐が止まらない(犬/東京目黒区/緩和ケア)

高齢犬の膵炎(嘔吐/食欲なし/動けない/東京中央区)

 

◆-----------------------------------◆

東京台東区/中央区/港区エリアのペット往診 動物病院
わんにゃん保健室
 
ペット往診・緩和ケアならお気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

求人情報
ブログ
遠隔診療について
非常事態宣言について
ドクターズインタビューに当院のドクターが掲載されました

所在地

本拠点:
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4
マスヤビル5F

東京23区へ往診エリア拡大!
お気軽にご相談ください。

診療日・受付時間

診療時間 10:00~19:00
休診:不定休

>診療カレンダー

電話番号

03-4500-8701
診察をご希望の場合には、必ず留守番電話に
メッセージをお残しください
(お名前、ご住所、電話番号、動物種、年齢、体重、性別、症状)

お問い合わせ

お問い合わせはコチラ

リンク集

ご自宅での緩和ケアを
ご検討される方へ
TEL:03-4500-8701
電話受付時間:10:00~19:00
往診WEB予約 24時間受付中
お問い合わせ・ご相談もこちら