わんにゃん保健室 03-4500-8701

こんにちは。

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診専門獣医師の江本宏平です。

多くの方が本年は1月6日からの動き出しだったようで、1件目:東京中央区晴海→2件目:東京中央区勝どき→3件目:東京江東区東雲→4件目:東京中央区月島→5件目:東京中央区築地までは良かったのですが、そこから東京足立区に向かう道がとてつもなく混んでいて、通常30分程度の道で2時間かかるという出来事がありました。これは、2020年のオリンピック期間中とその前後は、訪問数を制限しなければいけないのかなと、ふと考えさせられる1日でした。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、東京中央区と東京台東区を中心に、東京23区とその近隣地区まで往診専門獣医療チームが、獣医師と動物看護師が訪問させていただきます。往診では、動物病院に通院できないペットへ獣医療提供を行うことができます。そして、残された時間をゆっくりストレスなく家で過ごさせてあげたいとお考えの場合に行う緩和ケア及びターミナルケアは、往診専門動物病院が特化している分野です。いわば、ペットに届ける「最後の獣医療」です。状態が下がってきた犬猫とくらいしている、または高齢犬・高齢猫と暮らしいるご家族様は、体調がグッと下がる前にご連絡ください。事前にカルテを作成し状態を確認することで、初動が早くなり、ペットに少しでも早い緩和処置を行うことができます。

 

本日は、東京足立区にお住いのミニチュアシュナウザーの女の子、ウメちゃんについてです。これから酸素室で戦うウメちゃんの姿をリアルでお伝えしていきます。

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犬の嘔吐(胸水/胸腔内腫瘍/酸素室)

 

ウメちゃんは、東京足立区にお住いの10歳6ヶ月、ミニチュアシュナウザーの女の子(避妊済み)です。2019年12月26日に嘔吐があり、東京足立区のお住まいからお近くにある動物病院を受診したところ、吐き気止めを打ってもらったとのことでした。そこで、もしこれで止まらなければ腫瘍の可能性があると言われたとのことでした。その時は、この注射処置で容態が安定し、元気食欲も戻ってきたとのことでした。年末ということもあり、ご実家へウメちゃんを連れて規制していた2020年1月3日、再度体調が悪くなり、ご実家から近い動物病院を受診し検査したところ胸水が溜まっていて、胸水を少し抜き細胞をみたところ、腫瘍性疾患を示唆されたとのことでした。また、ウメちゃんに残された時間は長くないことを同時に伝えられました。1月4日に往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡をいただき、在宅でのペット緩和ケアを実施するため、1月6日に予定を組みました。しかし、1月5日に再度嘔吐が始まってしまい、同日は往診予約で追い伺いすることが難しかったため、東京足立区のお住まい近くにある動物病院に行き注射処置をしてもらいました。この日からご飯は食べれなくなってしまいましたが、まだまだ自分で起き上がって水は飲めているとのことでした。診察に入ると、ちょうど酸素室を準備する業者の方が来てお理、酸素室の使い方について詳しくご説明をしていただけていました。

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酸素室の準備ができてから、診察を開始しました。お母さんとこれまでのウメちゃんとの経緯や状態についてゆっくりお話しをお伺いし、ウメちゃんにとって一番いい方法を一緒に考えていきました。お母さんは元々転勤が多い方だったようで、東京足立区の今の家が一番長いのですが、今までに何度か転居し、その都度一緒にウメちゃんと歩んできたとのお話でした。できる限りご自宅でケアをしてあげたいとのお母さんのご希望を尊重し、その上で最良と考えられる診療方針で進めていくことにしました。

ウメちゃん2.jpg

ウメちゃんは終始お利口さんで、採血時、超音波検査時、皮下点滴時もほとんど抵抗なく処置を受け入れてくれました。1月3日にご実家の近くの動物病院で実施した血液検査結果もあることから、その数値を参考に追加項目だけの検査を実施しました。超音波検査では、通常お腹を上にして万歳の姿勢で検査を行っていくのですが、胸水が溜まっているということもあり、伏せの状態でエコー(超音波)を当てていきました。すると、確かに胸水が貯留しており、胸腔内がボコボコしている状態でした。皮下点滴には、吐き気止めやステロイドなど計8種類の薬を混ぜて投与しました。検査から処置まで、終始お母さんにご協力いただき酸素を嗅がせてあげながら実施することができました。今回は、お母さんの方で内服薬を投与できることから、内服薬6種類を処方しました。次は、1月9日に再診でお伺いします。

ウメちゃん1.jpg

 

呼吸状態が悪い犬猫には酸素室準備が大切

呼吸状態が良くない犬猫に対して検査・処置などの負担をかける場合には、酸素を嗅がせてあげることがとても大切です。酸素を嗅がせることで、チアノーゼ(舌の色が紫になるのが特徴)を呈していた犬猫でも、比較的早く通常のピンク色に戻ってきます。また、心臓疾患の犬猫でも、病態が悪くなってきた時には呼吸状態が明らかに悪くなることから、早めに酸素室を手配してあげることをお勧めします。酸素室はレンタルすることができます。

 

以下が酸素レンタル業者です。東京都内以外では、もしかしたら別の会社があるかもしれませんので、お近くの動物病院などにお問い合わせください。

・日本医療

http://www.nihoniryo.co.jp/ni-vetpox.html

 

・テルコム

https://www.terucom.co.jp

 

・ユニコム

https://www.unicom-co.jp/shop/otherpages/view/8?gclid=Cj0KCQiA9dDwBRC9ARIsABbedBNz3vM_Kdut7YkvA4uNww8ahNlQfhqdt6zg15VUKZzVs0UIIGC_8ecaApO8EALw_wcB

 

酸素室は決して安くないですが、呼吸状態が悪いペットにとってはライフラインであったり、そこまでいかないとしても生活の質を向上させるためのツールになり得るものです。しかし、むやみに酸素室を使用することで、酸素中毒など逆に体調に害を及ぼしてしまうこともありますので、酸素室のレンタルについては、現在のかかりつけの動物病院の担当獣医師と相談してから手配するようにしましょう。

 

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、酸素室が必要な状態である犬猫に対しても、酸素室から長時間離脱させずに獣医療提供をすることができます。通常の動物病院では、通院できないペットの場合にはなかなか動物医療を提供することが難しいです。だとしても、酸素室から長時間出して連れていくには、ポータブルの酸素ボンベはあるとしても、できる限りペットに負担をかけたくないと考えたときに、動物病院に連れていくことを躊躇してしまうと思います。状態の悪いペットとの生活では、1分1秒でも長く一緒にいたいけど、苦しませて長く生きさせることは延命ではないのか、などの矛盾した感情で常に苦しめられる方がほとんどです。往診では、毎症例と言っていいほどに、同じ質問をいただきます。そして、この問いに関しては、答えはないと思っています。ただ、唯一言えることは、飼い主様の意思一つでペットの命に対して取捨選択を行うことができるということと、できる全てで向き合うことができたご家族様は、ペットが旅立った時、できることは全てやってあげられたという事実を胸に、明るい気持ちで最愛のペットを送り出せているということです。

愛犬・愛猫が病気であったり、もう動物病院に連れて行きたくないと考え、残された時間をご自宅心で一緒に過ごさせてあげたいとお考えのご家族様、まずは往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

東京中央区、東京台東区、東京江東区に拠点を構え、最近はなぜか東京中央区勝どき、東京中央区晴海、東京中央区築地、東京中央区月島あたりでの診察が急激に増えました。年末を年始は都市の変わり目でもありますが、もしかしたら、同時に命の入れ替わりの時期なのかなと、往診専門動物病院を運営しながら日々感じています。

 

動物病院に通院できないケースを大きく2つに分けると、1. ペットの事情、2.ご家族様の事情に分かれます。

ペットの事情では、ペットの性格や性質、または病状により、余生をなるべくストレスなくご自宅で過ごさせてあげたいということが含まれます。猫ちゃんが動物病院に通院できないくなる理由の多くが、このケースにカテゴリされます。猫はキャリーに入れて動物病院に通院させるだけで、そのストレスによって体調を崩してしまうことがしばし見受けられます。特に高齢猫になると動物病院への通院頻度が高くなってしまうため、受けたストレスを消化する前に、また次のストレスがのしかかってきてしまうというのを繰り返してしまい、最初の頃は無理なく動物病院に連れて行けたが、急に起こるようになったり暴れるようになったりし、キャリーに入れることすら難しくなってしまいます。

本来であれば、X線検査を含めた検査を行ってあげたいのですが、猫があまりにも嫌がってしまったり、それだけで体調を崩してしまったりがある場合には、無理に動物病院に通院させるのではなく、往診専門動物病院にご連絡ください。ご自宅に獣医師と動物看護師がペット往診車で訪問し、愛犬・愛猫の診察・検査・治療を行っていきます。往診専門動物病院わんにゃん保健室では、犬猫の血液検査(アンモニア検査も対応可能)、糞便検査、尿検査、腹部超音波検査などを含めた各種検査が行えます。動物病院に無理に連れて行くよりは、動物病院への通院が苦手なペット(特に猫)は、まずは往診専門動物病院で診察を行い、動物病院への通院が必須であるかどうかを確かめることをお勧めします。

 

今回ここでお話しする症例は、近医にて消化管腫瘍と診断された猫13歳、アメリカンショートヘアのミーちゃんです。

 

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消化器腫瘍の猫(高齢猫/嘔吐/後肢起立不能/東京足立区)

高齢猫のミーちゃんは、2019年12月4日に嘔吐し体調不良を訴えたため、近くの動物病院に通院させ検査をしたとのことでした。血液検査上で異常所見はなかったのですが、腹部超音波検査を行なった結果、十二指腸のところに腫瘍病変が見つかり、おそらくその腫瘍病変が十二指腸を飲み込んでいると伝えられたとのことでした。腫瘍部の細胞診を行なったところ、リンパ腫を疑う所見は認めなかったと言われたとのことでしたが、あくまで細胞診のため、診断をつけるには試験開腹による病変部の切除、および病理検査が必要であると伝えられたとのことでした。ご家族様は、試験開腹を望まずに、できる限りの緩和ケアをご希望されたとのことでした。12月4日から12月23日まではなんとか動物病院に通院させて皮下点滴を行うことができていたのですが、12月24日に大きく暴れてしまった姿を見て、動物病院に通院することを断念してしまったとのことでした。それからは、在宅で水を飲ませたり、液体の栄養価の高いご飯を上げていたりとしていたのですが、お水は飲めるもののご飯をあげると吐き戻してしまうというのを繰り返し、1月3日に発作が出てしまったため、当院までご連絡をいただき、往診を行いました。

 

ご自宅をご訪問すると、ミーちゃんはまだまだ力強い目をしていました。頭は好きだけど抱き上げようとすると怒るタイプの猫ちゃんです。

心臓に雑音が少しだけあり、背中を圧迫すると疼痛感を示しました。また、両後肢に冷感と、左後肢の深部痛覚の消失を認めました。急に立てなくなった原因は、栄養不足によるふらつきではなく、神経障害であることを伝えました。

 

ご家族様とゆっくりとミーちゃんを観察し、状況を整理し、今後の診療プランのご相談を行いました。診療プランの決定には、まずはミーちゃんに必要な投薬内容のご説明、ご家族様自身でできる処置内容の説明・指導、ご家族様のスケジュールの確認を行なった上で、次に重要なことが、どこまでの医療を提供して行くかの決定です。

 

獣医療の選択(ペット緩和ケアの意義)

獣医療は日々進歩し、2次医療施設などに通院すれば、最先端の医療技術を提供することができます。それは、人のものとさほど変わらないくらいまで進化を遂げています。しかし、人と違う点は、検査を行うだけでも中には麻酔が必須のものが存在します。ペットはいくら賢くても人の言葉をちゃんとは理解できず、知らない環境でこれから何をされるのだろうという不安と恐怖で胸を締め付けられていることでしょう。いざ手術を行って無事成功したとしても、その後ご飯が食べれなくなったり、血栓が飛んでしまい急な経過を遂げることだって否定できません。だからこそ、何もしないという選択肢もあります。しかし、何もしないという選択肢を選ぶのにも、とても勇気と覚悟がいります。何もしなければ、病状は明らかなまま徐々に進行して行くのを見ているしか方法がありません。この真ん中に位置するのが、緩和ケアです。

 

ペットに残された時間を、いかにその子らしく過ごさせてあげられるかを追求に、痛みや吐き気など、ペットの生活の質を下げてしまうような症状を可能な限り取り除いてあげます。

それには皮下点滴が必要であったり、鎮痛薬の投与が必要であったり、ご飯が必要だったりと、病状やその子の性格、生活環境に応じて複数あります。ペットと長年一緒に暮らしてきたご家族様だからこそ決断ができるのです。

 

現在の診療プラン

今回は、週1回の注射と、ご自宅での鎮痛薬の投与、排便時に力むことですごく痛そうにするということを軽減するために便を柔らかくするシロップを飲ませてもらうという診療プランです。

まずは週1回の往診で様子を見ていき、状態の変化に備えていきます。

 

往診専門動物病院は、都内におおよそ20ほど存在していますが、まだまだペット社会に浸透できていないのが現状です。そのため、最後の最後でネット上で調べ上げた結果、当院まで行き着いたというご家族様がほとんどです。

往診専門動物病院わんにゃん保健室の往診は、在宅での緩和ケアおよびターミナルケアに特化しています。

往診の費用は、通常の動物病院への通院と比較して高いです。しかし、動物病院では相談できなかった些細なことも、ゆっくりと診察を進めていきますので、そこでしっかりとご相談してください。どんな出会いでこの子を迎え、現在どんな状況で、治療に協力できる大人が何人いて、どこまでの診療を希望したいのか。そして費用面です。診療プランを決定する前に、緊急事態でなければ、最初に診療プランをご提案した上で診療見積もりをお伝えさせていただいています。高齢期での緩和ケアおよびターミナルケアで一番厳しいのは、診療を断念してしまうことです。最後の日まで続けられる診療プランを一緒に考え、状況に応じて再度ご相談を行なって診療プランを変更していき、今この瞬間のペットとご家族様に最適な診療プランをご提案させていただきます。

 

高齢猫・高齢犬、通院が苦手な猫ちゃん・わんちゃんと暮らしているご家族様は、まずは当院の電話番号(03-4500-8701)をメモしておいてください。また、すでに往診を検討されえいるのであれば、できる限り早めの診察日程を組むことをお勧めします。

 

 

動物病院に通院できない犬猫たちに安心できる獣医療を届けられる動物病院として、東京中央区のオフィスに医療機器を設備し、そこから往診車で東京23区と近隣地区までペット往診を行います。まずはお気軽にご相談ください。

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新年のご挨拶

往診専門動物病院わんにゃん保健室の往診獣医師の江本です。

 

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2017年に往診専門動物病院を東京台東区に開設してから、動物病院に通院できない500近い犬猫を診察してきました。

現在では、東京中央区に事務所を構え、東京台東区と東京中央区を中心に、往診専門獣医療をお届けしています。往診専門動物病院という特徴から、出会う犬猫たちの多くは命の瀬戸際のことが多く、通常の動物病院と比べてもペットの旅立ちに関わることは比にならないほどに多いです。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、まずはお電話(03-4500-8701/10:00 – 19:00/不定休)、または「ホームページのお問い合わせ」からご連絡をいただき、日程を調整して獣医師と動物看護師が一緒に、ペット往診車で訪問します。

 

初診では、ペットの状態以外にペットの生活環境、そして飼い主様の希望される診療プランや内容、治療計画に協力してくれるご家族様の有無など、多岐にわたる内容を一つずつ確認し整理していくため、1時間半程度はかかります。動物病院ではなかなか時間を取ることができないため、飼い主様のお話を聞ける時間に耳を傾けることは難しいです。動物病院では、最短ルートで情報を整理し、的確な鑑別診断と検査プランを立てなければいけないので、飼い主様が聞くべきかどうかと悩んでいるうちに診察が終わってしまうこともあるかと思います。往診専門動物病院では、完全予約制なので1件1件に十分な時間を取ることができ、プライベート空間でゆっくりと本当に聞きたいことをお話しいただけます。

 

飼い主様にとって聞きづらいことだったり、そういえば!というような出来事だったりに、ペットの病態の真相を掴む鍵が隠れていることもあります。そして、何より、飼い主様から質問をいただくことで、飼い主様が抱えている疑問や悩みを共有することができ、もしかしたら的確な解決策を獣医師や動物看護師などの動物病院スタッフ側から提案できるかもしれません。

ペットにとって最大の理解者は飼い主様であり、それと同時に、絶対的な存在は飼い主様です。飼い主様が目を瞑ることを選択した場合には、動物病院にいる獣医師や獣医療スタッフからはサポートすることができません。

 

獣医療は日々進歩し、今までは治らない病気や知り得なかった事などがどんどん解明されて、今や犬猫の平均寿命は15年以上(個体差あり)になるまでになり、まさにペット長寿社会がやってきたと言っても過言ではありません。

愛犬・愛猫と長く一緒にいれることは、飼い主様にとって何より幸せなことだと思っています。人間と同じように徐々に歳をとり、人間と同じように運動機能や消化機能は徐々に低下していき、トイレも今までできたのに、急に粗相をしてしまうようになってしまった、ということが起こり得ます。

もしかしたら、高齢犬・高齢猫に基礎疾患があり、それによってできなくなっているのかもしれませんが、ただ単に運動機能の低下によってトイレまで間に合わなかった、または認知症のような症状で間違ってしまったのかもしれません。

一概に、ペットが長生きできることでみんながみんな幸せではなく、高齢犬・高齢猫の介護生活で滅入ってしまっている飼い主様は少なくありません。

 

ペットへの獣医療の選択には大きく3つあり、1.動物病院への通院治療、2. 動物病院での入院治療、3. 往診専門動物病院での在宅獣医療です。

具合の悪いペットを高頻度で動物病院に通院させることはなかなか過酷な場合もあり、それならば動物病院で入院させようかと選択肢が2番にいきます。しかし、入院中に体調が急変し、ペットの最後の瞬間が、動物病院のケージの中である可能性も否定できません。

ほとんどの動物病院で犬猫用の入院ケージが完備されています。しかし、24時間交代制で動物病院スタッフの誰かしらが必ず常駐している動物病院は、かなり稀少です。そのため、重症な犬猫の場合には、動物病院では預からずに、ご自宅で余生をお過ごしくださいとお返しになる場合も少なくありません。

 

動物病院での入院治療の最大の目的は、ご自宅にお返しできる状態まで回復させ、ご家族様のもとにお返しすることです。動物病院で働く獣医師を含めた全スタッフが、みんなペットのことを想っています。

 

入院が一概に良いとは限りません。もしかしたら、飼い主様の元で過ごしている方が、ペット(特に猫の場合)にとってストレスフリーになり、長く効果が出る注射でサポートしてあげる程度の方が復活するかもしれませんし、もうすでに旅立つ準備に入っているならば、無理に入院させて知らないところで過ごさせるくらいならば、ご自宅で残された時間を過ごさせてあげた方が、ペットにとっても、そして飼い主様にとっても幸せなのかもしれません。

 

いままでは、動物病院への通院治療を断念した場合には、他に選択肢がなかったため、ただペットが弱っていくのを見守るしかできなかったのですが、今は往診専門動物病院があります。

往診専門動物病院は、ペットが余生をご自宅でゆっくり過ごせるようサポートすることに長けており、ペットの緩和ケア、そしてターミナルケアに特化しています。ご自宅での皮下点滴を始め各種検査・治療、ペット用のレンタル酸素室の手配など、現在は在宅ケアのコンテンツが豊富になっています。最後の時間を、その子らしく一緒に過ごさせてあげたいという思いをサポートできる方法の一つが、往診専門動物病院です。

 

往診専門動物病院の診療費は、通常の動物病院での診療と比べると診療費は高いです。そのため、費用面を考えてなかなか往診専門動物病院に連絡ができないという飼い主様が多くいることもまた事実です。往診専門動物病院での診療も、ペット保険でまかなえます。(往診料などの加算分は除かれる場合が多いです)

費用面を考えるならば、早めからペット保険に加入し、動物病院に通院できるうちは通院治療を選択し、攻めた治療ではなく余生をゆっくり過ごさせてあげたいと考えたのちに、往診専門動物病院を検討することをお勧めします。

 

ペットにとって、そして飼い主様にとっての最良の選択ができるよう、まずは心のうちや些細なことを、かかりつけの動物病院にいる獣医師に相談することから始めましょう!

 

在宅での緩和ケアおよびターミナルケア、通院できないで困っている猫ちゃんと暮らしているなど、往診をご検討されている場合には、お気軽にご連絡ください。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、犬猫だけではなく飼い主様や生活環境を考えた上で、最良となる診療プランをご提案させていただきます。

 

2020年の幕開けです。

本年が皆様にとって素敵なとしになるよう、心からお祈り申し上げます。

 

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年末年始はほとんどの動物病院が休診です。

東京中央区晴海、東京中央区日本橋付近でも休診になっている動物病院が多いので、かかりつけの診療状況をまずはチェックしましょう!もし休診であれば、近隣で年末年始も診療を行っている動物病院をピックアップしておきましょう。

 

年末年始の診療に関するお知らせ

年末年始は、通常診療はお休みであり、緊急のみに対応できる特別診療となっています。また、年末年始特別診療費として、別途で30,000円がかかります。ご了承くださいますよう、お願い申し上げます。

 

・年末年始特別診療          12月30日〜1月2日(特別診療費 30,000円加算)

・通常診療開始日              1月3日

 

ペットの体調に異変を感じた場合には、決して待たずに、緊急の動物病院に連れていくか、当院までご連絡ください。例年、年末年始は高齢犬・高齢猫の体調急変による緊急往診で混雑していることが予想されますが、時間調整の上、必ずご訪問させていただきます。

 

いつ緊急になってもおかしくない(心臓病の犬/高齢猫/腎不全/犬猫往診)

持病を抱えていて、以下に当てはまる場合には、次の事柄を常にまとめておくことをおすすめします。ペット往診でお伺いした際に、治療に入るまでの時間を短縮できます。

 

ペットの名前、品種、生年月日、性別(雄、雌、避妊去勢の有無)

検査結果

かかりつけの動物病院での診断名

飲んでいる薬

 

10歳をすぎた高齢犬・高齢猫と暮らしている飼い主様で、ご自宅での緩和ケアおよびターミナルケアをご希望予定の場合には、当院の電話番号をメモしておくことをお勧めします。(03-4500-8701)また、状態が下がりきる前に診察をしておくことをお勧めします。

ペットの緊急事態には、何よりも飼い主様の気づきが必要です。普段から愛犬・愛猫と一緒に暮らしているからこそ気づけることや、決断できることがあります。自信を持って、獣医師にペットの状況と飼い主様の意向を伝え、動物病院スタッフと一緒に診療プランを決めていきましょう。

 

年末年始のご挨拶

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

 

2019年も終わりを迎えています。

街は年末に向け、そして年始に向けて色々なところで門松を見かけるようになりました。

毎年12月は、命の入れ替わりの時期なのか、たくさんのわんちゃん・猫ちゃんを見送っています。往診で出会う犬猫は、病末期であったり、酸素室から出られない状態だったりと、通常の動物病院のように、元気になってまたね!、となれるペットは決して多くはありません。

 

旅立ちの日をそう遠くない未来に控えている犬猫たちが、ご家族様のもとでゆっくり余生を過ごせるように、スタッフ一同全力で取り組んでいます。

 

当院の診療理念である「ペットが最後の時間を家族と迎えられるよう 最大限寄り添った最良の往診獣医療を 最後まで提供していく」をそれぞれが胸に刻み、日々の診療と向き合っています。

 

往診でのペットの在宅医療は、現状まだまだメジャーではありません。しかし、攻めるだけが医療ではなく、静かに受け止め、愛犬・愛猫とゆっくりと過ごせる時間を作ることもまた医療であると考えています。

 

緩和ケアとターミナルケアの末、2018年は47頭、2019年は51頭のペットたちの最後に立ち会いました。ペットの最後の一呼吸を見てあげることができたご家族様もたくさんいます。旅立つ我が子を前に、自分たちができる最大限を尽くしてあげられたというご家族様の姿を、いつも凛々しく思っています。

 

2019年に出会った全ての命に敬意を表し、2020年も新たな気持ちで、往診専門動物病院わんにゃん保健室として邁進していきます。

 

2019年12月29日

往診専門動物病院わんにゃん保健室

江本 宏平

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こんにちわ!

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

今日は犬猫の洋服などを扱っているお店に往診がてらよったのですが、クリスマスを終え、ペットグッズ屋さんの繁忙期は終わったようでしたが、今度は年末に向けた大量購入を求める飼い主様たちでごった返していました。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、東京中央区などを中心に東京23区全域まで動物病院へ通院できない犬猫に獣医療を届けています。

今日は、東京中央区の慢性腎臓病の猫ちゃんが4件、東京台東区の皮膚病の猫ちゃん1件、東京港区の猫ちゃん1件と、猫ちゃんオンパレードでした。

そんな中ですが、今日はわんちゃんの病気について書いていきます。

今日の症例紹介は、犬の膵炎です。

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高齢犬の膵炎(ミニチュア・シュナウザー/東京中央区/高齢犬)

みなさん、膵炎という病気、聞いたことありますか??たまに、芸能人の方などでニュースになったりすることもありますよね。

膵炎とは、膵臓の炎症で、かなりの激痛を伴い、嘔吐や食欲不振、下痢といった症状が主な症状です。

そんな膵炎と頑張って戦った東京中央区在住のマロンちゃんのお話です。

高齢犬のマロンちゃん(15歳)は、3日ほど前から食欲が無くなってしまい、その次の日には立てなくなってしまったとのことで、お電話を頂きました。また、2日間おしっこも出ていないとのことでしたので、緊急性を感じ、当日にお伺いさせて頂きました。

お伺いしたときには、ミニチュア・シュナウザーのマロンちゃんは廊下の床でハアハアと少し呼吸がしんどそうで、ぐったりした様子でしたが、私たちが来たということで何かを感じ取って、上半身だけ起き上がっていました。

まずは、詳しくお話をお伺いすることとしました。

マロンちゃんは特に既往歴はなく、2年ほど前から散歩を嫌がるようになったそうで、今考えるとその時から後ろ足が痛かったのかな、ということでしたが、食欲に関しては全く問題がなく、5日ほど前から食欲が徐々に落ちていき、3日前から完全に食べなくなってしまったということでした。後ろ足は、以前から徐々に弱ってきており、1日前から急に完全に立てなくなってしまったとのことでした。

飼い主様のお話からすると、足についてはヘルニアや、進行速度と病態から脊髄軟化症など、複数の疾患が考えられましたが、食欲がなくなってしまったのはたくさんの原因が考えられましたので、まずは身体検査、その後全身状態を見るために血液検査を行うということで、ご家族様と相談したところ、触ると怒ってしまうため心配されていましたが、その点に関しては、スタッフで保定をするので大丈夫です、ということで、血液検査まで実施することとなりました。

身体検査では、後肢の麻痺(浅部痛覚の消失など)、腹部圧痛、腰部圧痛が認められました。その中でも特におなかの痛みが激しく、膵炎などの消化器系の疾患が疑われました。

血液検査は顕著な体調不良があったためか、すんなりとさせてくれました。その時に大量におしっこをしてくれたので、まずはおしっこが出ていることに一安心です。

この日は、その後水分摂取量も不足していたので点滴、痛み止め、吐き気止め、胃薬などの注射を行い、治療終了とし、血液検査結果が出揃い次第治療方針を決めていくということになりました。

ミニチュア・シュナウザーのマロンちゃんの血液検査結果では、身体の中でかなり強い炎症反応と、膵臓の酵素の上昇、腎臓の数値の上昇が見られました。

血液検査、身体検査所見のみから考えると、高齢犬のマロンちゃんは全身性炎症反応症候群という、全身で強い炎症が起こっているかなり危険な状態でした。

また、膵臓の酵素が上昇していることから、膵炎と判明しました。おそらく、今回の食欲不振や下痢は膵炎から来ていると考えられ、後肢については整形疾患を考えていく必要があるかと考えられましたが、緊急度から考えるとまずは膵炎の炎症を止めることが先決ということで、膵炎の治療をメインに行っていくこととなりました。

ここで、膵炎について少しご説明していきます。

 

そもそも膵炎とはどういった病気なのでしょう??

 

膵臓はリパーゼやトリプシン等という消化酵素を消化管内に分泌して、消化管内で活性化し、消化を助ける役割をしています。それが何らかの原因によって膵臓内で活性化してしまい、膵臓自体を溶かしていってしまう病気です。膵臓が酵素によって溶かされることで、強い炎症反応がそこで引き起こされます。この炎症反応が膵臓だけでなく、肝臓や腹膜にも波及してしまうこともあり、かなりの痛みを伴います。

しかし、膵炎にも2種類あり、慢性膵炎と急性膵炎があります。先ほどお話したのは急性膵炎のお話で、急性膵炎の場合、症状は急激に現れ、致命的になってしまうこともあります。一方、慢性膵炎は、長期間にわたって何となく調子が悪い感じがあったり、あるいは血液検査の数値だけが高い、という子もいます。慢性膵炎の場合は急激な悪化がなければ基本的には大きな問題になることは少なく、食事療法などの治療を行っていきます。

しかし、急性膵炎ではそんな悠長なことは言ってられません。

治療法としては、まず強い吐き気と強い痛みがあるため、それらを抑えるお薬を使用していきます。また、膵臓が虚血気味になっていたり、嘔吐下痢で脱水傾向になってしまうため、点滴も必要になってきます。最近であれば炎症を抑える、5日間連続で使うお薬も出ています。

人の方であれば、膵炎の場合は絶食が推奨されていますが、獣医療では吐かなくなったら低脂肪食を少しずつ食べさせて、膵臓に栄養を供給して回復を促す、という方法がとられています。ちなみに猫ちゃんでは低脂肪食でなくとも、通常の食事で問題がないです。

根気よく対症療法を行って、炎症は自分の力で治るのを待つしかない、というのが膵炎です。

 

では予防はどうなのか?

完全に予防することは出来ませんが、脂肪分の多い食事を避ける、暴食を避ける、高脂血症がないか定期健診を実施する、などが予防になってきます。

 

ここで一番大切なのが、膵炎はかなり危険な病気という点です。

膵炎の炎症が強ければ強いほど、体の中の様々な物質が働き、肺水腫や血栓症、敗血症などを引き起こし、致死的になってしまうことも少なくありません。こういったことを防ぐためにも、定期的な健康診断と食事には気を付けてあげましょう。

 

話は逸れましたが、ミニチュア・シュナウザーのマロンちゃんの場合、対症療法を続けていくと少し食べてくれるようになりました。そこで、すこし診察回数の間隔を空けるために、お家での皮下点滴を行っていただくこととなりました。2日ほどはお家にて皮下点滴を行っていただきましたが、次はおしっこが出なくなってしまったとのことでご連絡を頂きました。

超音波にて膀胱を確認すると、おしっこは溜まっていましたが、自分で出せていない様子でかなり苦しそうな様子がありましたので、導尿処置後、尿道カテーテルの設置を行いました。この原因としては、おそらくヘルニアの進行によるものが考えられましたが、飼い主様は病院に連れて行くよりはお家で苦しくないように、痛くないように過ごさせてあげたい、というご希望でしたので、ヘルニアが進行して生活の質が落ちてしまう可能性もお伝えしたうえで、安静、という手段を選びました。おしっこが出たあとは、すごく穏やかな顔をしていて、すやすや眠ってしまいました。

しかし、その次の日、ミニチュア・シュナウザーのマロンちゃんは眠るように息を引き取っていきました。

おそらく膵炎による敗血症や強い炎症によるものを考えていますが、最期まで鎮痛剤をしっかりと使用できたおかげで、マロンちゃんは苦しまずに最期を過ごすことが出来ました。

 

このように、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、お家でできる限り苦しみを取ってあげたい、積極的な治療は望んでいないが痛みは取ってほしい、という場合にもお家でできる処置をご相談させて頂きます。

動物病院に連れていけない、という場合にもお家にて処置ができるので、わんちゃん猫ちゃんを無理に移動させる必要がありません。そして処置が終われば、すぐにいつもの環境に変えることが出来ます。

こういったお悩みをお持ちの方は、いつでも往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡下さい。

 

 

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往診専門動物病院わんにゃん保健室、往診専門獣医師の江本宏平です。

クリスマスの夜、かなり冷え込みましたね。

本日は、東京中央区、東京千代田区で診察が立て込んでいました。

東京中央区にお住いの高齢猫の太郎くんは慢性腎臓病で、本日は毎月行っている血液検査と皮下点滴の調節、内服薬の調整でお伺いしました。猫ちゃんに多いこの病気ですが、最初は2日に1回、動物病院に通院して点滴をしてもらっていたとのことでした。動物病院に連れて行くたびに異常興奮しまい、失禁し、ヨダレを流してしまうとのことで困り切った挙句、当院のペット往診にたどり着けたとのことでした。今回、東京中央区にある動物病院からのご紹介でしたので、スムーズに治療に入ることができました。家での点滴は、猫の太郎くんにとってはほとんどストレスはなさそうで、逆に温かい点滴が背中に入ってくるのが気持ちいいのか、目を閉じてじっとしてくれているとのことでした。現在、お母さんとお姉さんで2日に1回の点滴を続けてもらっていて、慢性腎不全のコントロールをしてもらっています。

川の字の猫.jpg

(引用:https://withnews.jp/article/f0190621004qq000000000000000W00o10101qq000019370A)

 

往診専門動物病院で出会うペットは猫ちゃんが多く、その中でも高齢期に突入したペットが多いです。

高齢犬・高齢猫を多く診察していると、やはり出会う確率が多い病気の中には腫瘍が入ってきます。

 

今回は、東京中央区にお住いで、乳腺腫瘍を抱えている猫のコムちゃんのお話です。

皆様、乳腺腫瘍は聞いたことがある方が多いかと思います。イメージとしては乳がんではないでしょうか?

ただ、乳腺腫瘍にも良性の場合と悪性の場合があり、一概にすべてが悪性腫瘍、いわゆる乳がんとは言えません。

しかし、統計的には犬の場合には良性と悪性の割合は半々、猫ちゃんの場合には80~90%が悪性と言われていますので、猫ちゃんの乳腺にしこりを見つけた場合には注意が必要です。

今回ご紹介するのは、乳腺腫瘍になってしまった、東京中央区在住15歳のコムちゃんのお話です。

 

ペットのターミナルケア(往診/ターミナルケア/高齢猫/東京中央区)

コムちゃんは半年ほど前にかかりつけの動物病院の獣医師に乳腺のしこりを指摘されましたが、年齢的に手術はせずに経過を見ていたとのことでした。

しかし、ここ1週間ほどで急激に食べなくなってしまい、かかりつけの動物病院にて点滴をしてもらっていましたが、連れていくのもストレスがかかってかわいそうになってきたので、お家でやってあげられることがあるなら、とお電話を頂きました。

お家に入ると、コムちゃんは自分のベッドで丸まっていて、寝ている様子でした。かかりつけの動物病院での血液検査結果やレントゲン検査結果を見せて頂くと、腎数値の上昇や炎症所見、また、肺転移を疑う所見が認められました。

身体検査を行うと、激しい脱水と貧血が認められ、乳腺腫瘍の周りは熱感があり、周辺で炎症が起こっている様子でした。リンパ節の腫れは身体検査では腫瘍がある方のわきの下のリンパ節が腫れていました。また、ここ数日頭が下がっていると飼い主様がおっしゃっていましたが、たしかに頭部下垂があり、低カリウム血症を疑う所見でした。

カリウムというのは筋肉が動くときに必要になる物質なので、低カリウムになってしまうと、全身がだるくなったり、心臓の動きも悪くなってしまい、不整脈を起こしてしまうことがあります。

ということで、まずは全身状態を把握するために血液検査と、脱水がひどいので皮下点滴、腫瘍性の痛みをとるためのステロイド剤などのお薬を使用して治療を行っていきました。

猫のコムちゃんは、身体検査の間はもちろんのこと、採血、皮下点滴の間もすごくお利口で、全く動くことなく、処置をさせてくれました。採血は、老猫ならではですが、すごく血管が細くなっていて血流がゆっくりでしたが、しっかりと頑張ってくれました。

その後は、そそくさと自分のベッドへ。ゆっくりとくつろいでくれていました。これがペットにとっての往診メリットで、処置が始まる直前まで自分の安心できる場所にいて、処置が終わればまたすぐ自分の場所に戻ることができ、そうすることで、動物たちのストレスもすごく少なくて終わることが出来ます。

ここで、冒頭で少し触れた乳腺腫瘍のお話です。

まず、乳腺腫瘍は乳腺にできる腫瘍のことなのですが、早期に避妊手術を行ったかどうかで発生率が変わってきます。わんちゃんでは発情が来る前に行うのが最も発生率を減らすことが出来、1回目の発情が来てから行うとわずかに発生率は増えますが、初回発情前と大きな差はありません。ただし2回目の発情後以降の避妊手術では、グッと発生率が上がってしまうため、2回目の発情が来る前の避妊手術が望まれています。最近言われているのは、初回発情の前に避妊手術を行うと発生率は一番低いですが、一次性徴が始まる前なので、身体がしっかりと出来上がっていないため、避妊手術は初回発情と2回目の発情の間に行うのが良いと言われています。猫ちゃんの乳腺腫瘍でも同様で、初回発情の後に行うと一次性徴が終わった後になるので、最近では推奨され始めています。しかし、猫ちゃんの場合、発情中の鳴き声が問題行動になったりすることもあるため、初回発情が始まる前、生後半年ほどで行うことも多くあります。また、十分に成長した段階での手術が好まれる傾向にあるのは、成長途中で避妊去勢手術を行うことで、腺組織の発達が不十分になってしまい、将来的に内分泌疾患を引き起こす可能性があることも懸念されています。そのため、当院では、体重が安定してきた頃が避妊去勢手術のタイミングですとお伝えさせていただいています。

一概に早ければ早いほうがいいということはありませんので、避妊去勢のタイミングはかかりつけの獣医師にご相談してみてください。

 

ちなみに、わんちゃんの乳腺腫瘍では悪性と良性の割合はおよそ半々なのに対して、猫ちゃんでは8~9割が悪性と言われています。また、猫ちゃんの場合、腫瘍のサイズによって、中央生存率が変わりますが、基本的には広範囲での摘出を行わなければ再発率が高い腫瘍となっています。一方、わんちゃんの場合は、1個のみで小さければ、1つの乳腺のみ取っても片側乳腺切除を行っても基本的に再発率は変わらないと言われていますが、猫ちゃんの場合は片側乳腺切除、あるいは両側乳腺切除が一般的です。

乳腺腫瘍は転移もしやすい腫瘍で、リンパ節や肺に特に転移が起こりやすいです。なので、腫瘍を切除しても定期的に肺のレントゲンやリンパ節の触診など、定期検査が必要になってきます。定期的なモニタリングを行うことで、早期発見や早期治療にとりかかれます。

 

しかし、猫ちゃんの場合は乳腺のしこりに気づかないことも多く、発見が遅れてしまうことも珍しくありません。

そのため、発見したときにはだいぶ大きくなってしまっていて手遅れに、という場合もあります。あるいは、早期に発見したけれども手術はせずに余生を過ごさせてあげたいという場合もあります。

 

今回のコムちゃんがまさにそうでした。私たちもできるだけストレスなく、痛みなく余生を過ごしてほしいという思いで治療をさせて頂きました。

コムちゃんは血液検査の結果、激しい貧血と黄疸、カリウムの低下、強い炎症反応が認められました。貧血や炎症反応は腫瘍によるものと考えられました。また、低カリウムが認められたことから、やはり頭部下垂の原因は低カリウムであり、低カリウムを補正しなければ致命的になってしまうこともあるため、カリウムを多く含む食材をご飯に混ぜて少しずつ口に入れてもらいました。また、腫瘍性の痛みをとるためにステロイド剤を併用し、飼い主様にもコムちゃんにも負担が少なくなるように治療方針をご相談させて頂いた結果、お家で薬を混ぜた皮下点滴を行っていただくこととなりました。

治療して4日ほどはコムちゃんもすごく顔つきが良くなってきましたが、少しずつ尿量が減ってしまい、点滴の量を減らすことになりました。

その後立ち上がれなくなってしまい、2日後、ご家族様の横で永い眠りにつきました。

コムちゃんは最後まで、飼い主様の愛情を一心に受けて頑張ってくれていて、最期まで飼い主様と一緒にお家で過ごすことが出来て幸せだったと思います。また、飼い主様もお家でできるだけのことをしてあげられたということと、お別れの覚悟をする時間を作れた、ということで、しっかりとお別れをすることができました。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、お家で最期を過ごさせてあげたいがどうして良いか、何ができるのかわからない、といった場合や、とにかく痛みや吐き気だけを取ってあげたい、という場合に、どういったことができるのか等日常のケアの方法も含めてしっかりとご相談させて頂き、そのご家族様に合った方法をご提案させて頂きますので、お悩みの方は一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡下さい。

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クリスマスイブとなる本日、いかがお過ごしでしょうか?

東京都内をペット往診車でぐるぐる回っていると、あちこちでイルミネーションが飾られているのを目にします。

東京港区にあるミッドタウンや、東京千代田区の東京駅エリアはとても幻想的な世界でした。

 

クリスマスといえば、チキン!

動物病院で最も多い症例は、クリスマスに骨つきチキンを食べちゃった、そして、お正月にお餅を飲み込んでしまった、の2点です!絶対にやめてくださいね!

 

12月は高齢犬・猫にとって、最も体調を崩しやすい時期です。理由は定かではありませんが、シニア期を迎えたワンちゃん・猫ちゃんが一気に状態が下がる傾向にありますので、些細な変化でも見逃さないで、まずはかかりつけの動物病院に連絡しましょう。

 

 

さて、今回は猫エイズについてお話させて頂こうと思います。

皆様、「猫エイズ」という病気は聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、どのような病気かはぼんやりとしている方も多いかと思います。

ということで、今回は実際に猫エイズに感染してしまった子をご紹介させて頂きます。

 

東京中央区在住、猫、10歳のクロちゃんのお話です。

 

目やにと結膜浮腫(高齢猫/外猫出身/東京中央区)

東京中央区は、最近よくペット往診をご依頼いただく地域です。

クロちゃんは鼻水がと目やにがひどくて、目が開いていない日もあったということで、ご連絡を頂きました。

IMG_3460.jpg

(参考:https://1013.jp/結膜炎-結膜浮腫/)

クロちゃんはずっと地域猫としてお外でいろいろな方にお世話をしてもらっていたそうですが、鼻水がひどくてかわいそう、ということでお家に迎えられたそうですが、お家では遊んだりすることは可能ですが、目を触ったり、キャリーに入れるというのは難しく、かなり暴れまわってしまうということで往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡を頂きました。かなりの人見知りで繊細な性格であるということから、逃げてしまうことが予想されましたので、いつもトイレを入れている3段ケージに入ったところで扉を閉めてもらい、獣医師と動物看護師が到着するまで待機して頂くようにお伝えしました。

お家に訪問すると、クロちゃんは隣の部屋のケージの端で目を真ん丸にしていたので、まずはそっとしておき、飼い主様にお話をお伺いしました。

詳しくお話をお伺いすると、鼻水や目やにが出ていたらしく、毎年冬になると食欲低下やくしゃみをしていたそうですが、ずっと元気に過ごしていたようです。お家に来てからもずっと黄色の鼻水が止まらず、目も開けにくくなってきていて、どんどんひどくなってきている感じがするということでした。

元々外にいた猫ちゃん、ということでウイルス性疾患を中心に考えながら、身体検査、猫エイズと猫白血病の検査、10歳と言うことで全身状態をみるために血液検査を実施する、ということで飼い主様にご同意頂き、クロちゃんのお部屋にお邪魔しました。

クロちゃんは最初すごく怖がって端で威嚇していましたが、バスタオルをそっとかけると諦めてくれて、無事にケージから出すことが出来ました。

その後、動物看護師による保定しっかり頑張ってくれて、無事に採血をすることができました。目は結膜炎がひどくて、結膜がブヨブヨとしていて目が開けにくそうで、目の周りにはたくさんの黄色の目やにが付着していました。また、鼻は、緑色の鼻水が出ており、かなり感染が疑われる様子でした。

この日の診察は、抗生剤の点眼と、抗生剤の内服薬をお渡しし、血液検査結果が出次第治療を考えるという方向で終了しました。

血液検査では猫エイズ陽性以外に異常値はなく、おそらく猫エイズによって免疫力が落ちた結果、目や鼻に感染が起こりやすくなってしまい、感染症が起こっていると考えられました。

ここで、猫エイズに関して、少しお話ししようと思います。

エイズというと、免疫が落ちる病気、というざっくりとしたイメージがある方が多いのではないでしょうか?

もちろん、猫エイズも最終的には免疫力が落ちてしまい、感染症にかかってしまうことも少なくありません。

しかし急にそういったことが起こるわけではなく、段階を踏んで進行したり、その子によっては進行しなかったりします。

そもそも猫エイズはどのように感染するのでしょう?

多くは、外猫さんやペットショップ、ブリーダーのもとで集団生活している間に、感染している猫によって咬まれてしまい、唾液を介して感染してしまうことが多いです。口腔内に口内炎などの症状がある場合にはより感染する率が高いと言われています。また、外猫の場合には喧嘩をすることもよくあるため、外猫は室内外の猫よりも感染率は高いという統計が出ています。

この病気は症状と感染経路に基づいて5つの病期に分かれています。

①急性期:発熱やリンパ節の腫大、白血球の減少、貧血、下痢などの症状が現れます。この期間は感染後約数週間~4か月ほど持続し、身体の中でウイルスと戦うための抗体が産生されます。一般的に抗体は8週間で産生されます。

②無症候キャリアー期:この時期には特に何も症状はありません。この期間は数か月~数年続き、ずっとこのステージの子も少なくありません。

③持続性リンパ節腫大期:全身のリンパ節が腫大しますが、この時期は臨床的に明確でない場合も多いです。

④エイズ関連症候群期:歯肉炎や口内炎、上部気道炎や消化器症状、皮膚病変など免疫異常に伴う症状が現れてきます。

⑤後天性免疫不全症候群期:感染症の日和見感染や貧血、白血球減少、脳炎、腫瘍など免疫不全に関連した症状が出てきます。

ただし、すべての猫ちゃんが①~⑤の経過をたどるとは限りません。

例えば、②から進行しない子もいれば、④で対症療法を続けつつ、できるだけストレスを与えないようにすれば⑤に進行しない猫ちゃんもいます。発病して⑤に行っていなければ、小さな症状が出るたびに正しい対症療法を行っていけば、かなり長く生き延びられると言われています。

この病気の厄介なところは、検査がタイミングによっては偽陰性になってしまうことがあるということです。

よくお家に来た時に、あるいは保護団体で検査をしています、という方もいらっしゃますが、この病気は感染してすぐは陰性で出ても、2ヶ月後には陽性になってしまうことがあるのです。その見逃しを防ぐために、検査はお家に来てすぐ、と、お家に来てから2ヶ月後、の2回行うことを往診専門動物病院わんにゃん保健室ではお勧めしています。もちろん動物病院に連れていけない子の場合は、私たちがご自宅に訪問する往診獣医療にて検査することも可能なので、お気軽にご相談下さい。

では、この病気の予防はどうすれば良いのでしょう??

ワクチンもあるのですが、効果については100%とは言われていません。一番有効な予防は、お家から出さないことです。感染ネコと接触しなければ、感染することはありません。

また、お家に来た時点ですでに感染していた場合にも、お外だとケンカしてしまったり、けがをしてしまうリスクも高く、感染猫は傷の治りがとても悪くなってしまいます。そのため、家の中で出来る限りストレスをかけないような生活をさせてあげましょう。

 

今回、クロちゃんは、抗生物質の投与によって、無事に結膜炎や鼻炎の症状が治まってきましたので、今後は免疫力を上げるラクトフェリンなどを続けていき、症状が出ればまた対処をする、という方向になりました。

 

猫ちゃんの場合、保護団体さんからの譲渡、あるいは地域猫を保護、といった方法で、お外の猫ちゃんをお家に迎えることも多いかと思います。

その場合、必ず行って頂きたいことが、お外に出さない、ウイルス検査、ノミダニの予防です。したいけれど触れないからできていない、何となく連れていけなさそう、などお悩みがあるかと思います。その場合には私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフが訪問して処置させて頂きますので、お気軽にご相談下さい。

 

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こんにちは!

往診専門動物病院わんにゃん保健室の往診獣医師 江本宏平です。

先日、夕方の報道番組News every.で往診専門動物病院について密着取材を受けました。

撮影にご協力くださりましたご家族様、本当にありがとうございました。

往診は動物病院の付属サービスではなく、ペットと飼い主様のニーズに対応できる往診専門動物病院でなければいけません。今回放送された症例の子たちは、みんな高齢の子たちでしたが、動物病院に通院できない事情は、ご家族様ごとで異なり、その形は全て異なっています。

しかし、共通して言えることは、最愛のペットに対して『何かしてあげられることはないか』という、優しい想いです。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、東京中央区、東京江東区、東京台東区に拠点を構え、東京23区を中心にその近隣地区まで、往診専門獣医師と動物看護師で訪問します。

諦める前に、まずはご連絡ください。

サクラちゃんとウメちゃん.jpg

(写真:ウメちゃん&サクラちゃん)

 

 

 

 

さて、今回は黄疸になってしまった猫ちゃんのお話です。

検査はしないで緩和ケア(食欲不振/黄疸/猫/東京千代田区)

ご紹介するのは東京千代田区在住のライトちゃん、17歳の女の子の猫ちゃんです。

猫のライトちゃんとの出会いは1か月ほど前で、その時は血尿が出ているとのことでお電話を頂きました。

初めてライトちゃんに会ったときは、すごく大人しくて良い子だな、という印象で、ちゃんと寄ってきてご挨拶をしてくれました。お話をお伺いすると血尿だけではなく、2~3年前に食欲が落ちて以来、2日に1回程度吐くようになってしまい、痩せてきてしまっているとのことでした。また、2~3年前から多飲多尿があり、他院にて腎臓の数値が高いことから腎機能不全と言われていましたが、東京千代田区にはあまり動物病院がないことと、やはり連れ出されることが猫ちゃんであることから、特に治療は行っていないとのことでした。そのため、家でできる在宅医療、今後のペット緩和ケアについても相談をしたいということで往診をご依頼され、訪問させていただきました。

その日は、血液検査はご希望されなかったため、まずは膀胱炎と仮診断をして、抗生剤で対症療法を行いました。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、飼い主様とじっくりご相談させていただいた上で、選択肢をまずはご提案しています。検査が全てではありませんが、やはり検査をすることである程度病気を絞り込めることがあります。検査方法や内容について詳しく飼い主様とご相談した上で、診療方針を決めていきます。今回の場合は、検査なしでの対症療法で診察を進めさせていただきました。

次の日から血尿はなくなったとのことで、ライトちゃんの様子は落ち着いており、1週間ほどの内服で一旦治療は終了としました。その約1か月後、再び往診のお電話を頂きました。

急に食欲が無くなってしまい、1週間ぐらい何も食べていないとのことで、診察をご希望されました。ちなみに猫ちゃんでは、基本的には3日間の絶食は新たな病気を引き起こしてしまうため、緊急度は一気に上がります。

お家にお伺いすると、猫のライトちゃんは前回あった時よりもすごく元気がなくなっていて、苦しそうな顔をしていました。また、耳の内側や目、皮膚が黄色くなっており、黄疸が出ていることが確認されました。このことから、ご家族様に、検査を行ってからの治療をお話しましたが、検査をせずの緩和ケアをご希望されたため、皮下点滴と胃薬、抗生剤などの対症療法を行いました。その間に、ライトちゃんが排尿してくれたため、採尿し尿検査を行いました。その結果、やはり強い黄疸の反応が見られました。

では黄疸とはなぜ出るのでしょう???

黄疸には3種類あり、

①肝性黄疸

②溶血性黄疸

③肝後性黄疸

に分けられます。

①が一番思い浮かべられる黄疸かと思います。よく人でも肝臓が悪くなって黄疸が出た、というお話があるかと思いますが、まさにその黄疸です。

肝臓にダメージがあって、肝機能が落ちてしまうことで起こります。猫ちゃんで多いのは、体調が悪くて、食欲がなく食べられない日が数日間続いてしまった場合に、身体の代謝が変化してしまい、肝臓に脂肪をため込んでしまう、脂肪肝になってしまいます。その結果、肝機能が落ちてしまい、黄疸が出てしまうようになります。

②はいまいちピンとこない方も多いかと思いますが、赤血球の中にもビリルビンが含まれていますが、肝臓より手前で赤血球が壊されてしまったり、大量に壊れてしまったりすると、そこで大量のビリルビンが放出され、肝臓で処理しきれなくなってしまい、黄疸となってしまいます。

③は何となくもうお分かりかと思いますが、胆汁の通り道が何らかの原因でふさがってしまったりすることで黄疸が起こってしまいます。多いのは胆汁の通り道である胆管が炎症を起こしてしまう、胆管炎です。また、膵炎を併発していることもあります。

 

このように、黄疸には3種類の原因があるため、検査をしてみないとどの原因かは分かりませんが、猫のライトちゃんの場合は検査はご希望されず、往診による在宅医療で緩和ケアをご希望されましたので、続けて対症療法を行っていくこととしました。どの原因であっても、無治療であれば致命的になってしまうこともありますが、③であれば炎症が治まったり、胆汁が通るようになれば落ち着いてくれますので、その可能性を信じて治療を続けていきました。また、ご飯は全く食べたくない様子で、食べること自体がストレスになっている様子でしたので、強制給餌はせず過ごしたいように自由にしていてもらいました。

 

すると、ライトちゃんの生命力がとっても強かったおかげで、なんと!!治療を始めてから2週間ほどで自分でササミを食べてくれるようになりました。その間自分でお水は飲み、ウロウロはしているものの、ご飯には口を付けず、という生活で、お薬だけ飼い主様から投薬して頂く形でした。点滴はライトちゃんも慣れてきてくれていて、あまり嫌がることなく実施することができていました。通常は2~3分で終わるのですが、皮下点滴を行う時はある程度保定したり、逃げていってしまう子はがっちり保定することもあるのですが、ライトちゃんの場合はお家で行っている、という点もあるかと思いますが、すごく受け入れてくれていて、ふわっと持って、撫でているだけで終わることが出来ます。

ササミを食べ始めたのをきっかけにどんどん食欲も上がってきて黄疸もなくなり、現在はドライフードもおねだりするぐらい食べてくれています。

 

今回の猫ちゃんのように、黄疸が出ていて急に食べなくなってしまった場合も、様々な原因があり、必ずしもそのままずっと食べられないというわけではないです。また、病院に連れていけないからと治療を諦められているご家族様、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、その子の性格に合った治療をご提案させて頂き、処置が終わればすぐにいつもの場所に戻ってもらいます。

猫ちゃんの性格上、病院に連れていけず治療法を悩まれている方、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談下さい。

 

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往診専門動物病院の往診専門獣医師 江本宏平です。

最近話題の往診獣医療ですが、その認知度も普及率はまだまだ低いです。そのため、もう少し早くお電話いただいていれば、というケースが少なくないのが事実です。

動物病院への通院でお困りの飼い主様は、まずはかかりつけの動物病院にお問い合わせいただき、往診できないのであれば、諦める前に、まずは往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

さて、今回は歯周病の猫ちゃんについてのお話です。

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猫の歯周病というと、最近人でも注目されていて、歯ブラシのCMなどでもよく目にする方も多いのではないでしょうか?

犬猫でも、最近歯周病が注目されていて、歯石除去や歯ブラシをおすすめすることも多くなってきました。特にワンちゃんでは、高齢になって歯石がついて、歯周病が悪化していくことが多いのです。一方、猫ちゃんでももちろん高齢で歯石によって歯周病が起こることもあるのですが、今回お話するのは若齢の猫ちゃんで起こる、若年性歯周病です。

 

ご紹介するのは、千代田区在住、4歳の雄猫、ぎんちゃんのお話です。

下顎の腫れ(猫/東京千代田区)

1週間前から下顎が腫れているとのことで、他の動物病院にて様子を見るように言われたそうですが、良くならず、どんどん腫れがひどくなってきてしまったそうです。しかし、ぎんちゃんは動物病院から帰った後は2、3日落ち込んでしまうぐらい動物病院が苦手なため、往診による訪問獣医療をご希望されました。

お家に訪問すると、猫のぎんちゃんはトイレの奥に隠れてしまいましたが、同居猫ちゃんが人懐っこく挨拶をしてくれました。やはりぎんちゃんは繊細でシャイな猫ちゃんのようです。

 

詳しくお話をお伺いすると、その日の朝もかなり下顎が腫れていて、食べにくそうな感じがあり、食欲も落ちてきているとのことでした。また、千代田区にあるかかりつけの動物病院にて口内炎があると言われており、それが原因で食べにくそうな感じになってしまっているのではないかということで、実際ぎんちゃんの口の中を見てみることにしました。

ぎんちゃんはその間も猫ちゃん用のトイレに隠れており、お父さんに出してきてもらいました。出てきてもらった後も必死に段ボールに隠れようとしていたので、まずはバスタオルで隠れてもらい、お顔を出して口の中を見てみたところ、激しい歯周病が観察され、歯肉もかなり後退していました。また、下顎もかなり腫れていて、おそらく膿がたまっているのだろうと考えられました。

口の様子からおそらく歯周病の膿が下顎に溜まって腫れてしまっていると考えられましたが、4歳というまだ若い子での重度の歯周病は多くはありません。それではぎんちゃんはなぜこんなにひどくなってしまったのでしょうか・・・。

 

わんちゃんでは若齢での歯周病はほとんどありませんが、猫ちゃんでは若齢性歯周病というものがあります。

若齢性歯周病とは、過形成性歯肉炎と若齢性歯周炎に分けられます。過形成性歯肉炎は奥歯に起こりやすく、歯肉が過形成することで、過形成した歯肉と歯の間に歯垢が溜まりやすく歯周病を引き起こしてしまいます。一方、若齢性歯周病とは、全部の歯肉に起こりやすく、歯肉が真っ赤になってしまうもので、そのまま放っておくと若いうちから歯垢がつきやすく、歯石がつきやすくなってしまいます。その結果、若齢で重度の歯周病になってしまい、歯や顎の骨を溶かしてしまったり、歯周病の細菌が全身の臓器に影響を及ぼすこともあります。

それを防ぐためにも、若齢期に歯肉が赤いことや歯肉が腫れていることを指摘された場合には、早めにご相談下さい。ホームケアなどもご相談させて頂きます。

ただし、若齢性歯周炎の場合の多くは痛みを伴っているため、消炎鎮痛剤や抗生物質などを使用することもあります。また、歯肉過形成の場合であれば、過形成の部分を切り取ってしまうと、通常通り生活が出来るので、気になる場合は一度ご相談下さい。

また、ワンちゃんでもそうですが、猫ちゃんでも若いうちからの歯磨きはとくに重要となってきます。小さいころから少しずつ慣れさせることで、歯磨きへの抵抗感が減り、また、おいしい歯磨きペーストなどを使用することで「歯磨き=おいしいこと」という認識をしてもらうことができます。もちろん最初から歯磨きが出来る子はいないので、最初は歯茎を触る、歯茎に歯磨きペーストを塗る、といったことから始めましょう。そもそも口を触ること自体嫌いな子は、口を触る練習から。そして、一つ出来たら盛大にほめておいしいおやつをあげましょう!!!これが重要で、歯磨きしているのにおやつってどういうこと?と思われるかもしれませんが、まずは「歯磨き=おいしいものをもらえる」というインプットをさせることが重要です。

歯茎に歯ブラシがあてられるようになったら、次はいよいよ歯に歯ブラシを当てて少しこすります。それで嫌がらなければおやつです!!これを根気よく少しずつ続けることで、徐々に歯磨きが出来る子になってくれるでしょう。

ただ、嫌がっているところに無理やりやってしまうと、嫌な思い出になってしまうので、決して無理は禁物です。

わんちゃんはこのようなやり方でできるようになるかと思いますが、猫ちゃんは簡単にはいきません。猫ちゃんの場合は、上のやり方でもできない子もいて、その場合はガーゼでも歯に充てるだけでだいぶ変わってきます。

もう一つ重要なことは歯周ポケットを磨くことですが、これは上級者の方向けです。しかし、ここに菌が入り込んでしまい、歯周病の原因となってしまうため、歯周ポケットの歯磨きはとても重要です。

 

余談が長くなってしまいましたが、ぎんちゃんは若齢性歯周炎から重度の歯周病になってしまったと考えられましたので、歯科専門の動物病院をご紹介させて頂き、歯科処置をこれから行っていく予定です。

 

歯は、食べ物をかむためには必要ですが、それよりも痛みで食べられないことの方が問題です。歯のせいで痛みがある場合は抜歯をしてしまった方がその子のためにはなるでしょう。

しかし、歯の状態を診るというのはなかなかお家では難しいかと思いますので、最近口臭が気になる、一度歯も見てほしいというご相談がありましたら、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡下さい。

 

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こんにちは!往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本です!

東京千代田区では、皇居乾通りが一般開放され、紅葉を楽しめる時期がやってきましたね!

12月は何かと忙しない時期であり、人もペットもなぜか体調を崩しやすい時期です。

どうぞ体調には十分に気をつけてください。

 

最近寒くなってきて、人でも風邪が流行る季節になってきましたが、鼻がぐずぐずしている猫ちゃんも注意が必要です。

皆様聞かれたことがあるかもしれませんが、その鼻のぐずぐずやズビズビは、もしかすると猫風邪かもしれません。猫風邪であれば、鼻のぐずぐずだけでなく、くしゃみ、鼻水、結膜炎、目やになど他の症状を伴うこともよくあります。ただ、鼻がぐずぐずするのは、猫風邪だけではありません。お家の猫ちゃんをよく見てあげて、他の症状が併発しているかどうかみてあげましょう。

今回は、猫風邪ではなく、別の原因で鼻がぐずぐずしてしまった猫ちゃんのお話です。

大東先生と須之内さん.jpg

 

ご紹介するのは東京都千代田区在住のあいちゃん、15歳の雌、高齢猫ちゃんです。

 

高齢猫/東京千代田区/食欲がない/鼻がズビズビする

高齢猫のあいちゃんに初めて会ったのはちょうど1年ほど前でした。くしゃみと鼻水が出ているということでお電話で往診のご予約を頂き、ご自宅まで獣医師と動物看護師がご訪問させて頂きました。あいちゃんはすごく神経質なタイプの猫ちゃんで、私たちがお部屋に入るだけでも威嚇してシャーシャー鳴いていました。活動性も食欲もあり、くしゃみと鼻水が出るだけとのことでしたので、猫風邪と判断し、抗生剤と抗炎症剤を注射してその日の診察は終了となりました。あいちゃんはとても神経質な性格のため、動物看護師による保定でも、興奮によって開口呼吸になってしまうといったことがあったため、その日の処置は出来るだけ時間をかけないように行っていきました。

その後症状は治まって元気に過ごしてくれていましたが、2019年8月に、鼻が詰まっていて食欲が落ちているとのことで再びお電話を頂き、ご訪問させて頂きました。今回も猫のあいちゃんは私たちを見るなり戦闘態勢に入っており、できるだけストレスがかからないように、あいちゃんがいる部屋とは別のお部屋に移動し、詳しくお話をお伺いしました。今回は鼻詰りではありますが、鼻水が出たり、くしゃみはしていないとのことでした。

以前、猫風邪の疑いがあったということもあるので、猫風邪を疑い、今回も抗生物質を注射し、まずは様子をみることとなりました。食欲に関しては、おそらく鼻詰りによる嗅覚の低下から来ていると考えられましたので、風邪の症状が改善すれば良化すると考えられました。

しかし、数日たっても猫のあいちゃんの鼻は良くならず、ぐずついたままで、食欲不振も改善が見られず、もう一度訪問し、往診をさせて頂きました。

食欲はないものの、今回も高齢猫のあいちゃんは怒っていたことから、いつものあいちゃんだと感じ安心しました。

 

身体検査を行ったところ、やはり鼻から音がするものの、目やにや結膜炎などの症状はなく、もしかすると猫風邪ではなく、もしかしたら次に考えなければいけない病気である、鼻の奥の腫瘍の可能性が浮上しました。鼻の奥の腫瘍はレントゲンやCTなどの画像検査とともに、病理検査を必要とし、さらに初期の段階では、病理検査でも診断が困難なこともあります。しかし、猫風邪ではない場合、より症状を緩和できる治療をご提案させて頂くためにも、飼い主様にご説明し、二次診療施設での精査をお話したところ、ご同意頂けたため、二次診療施設へ行って頂くこととなりました。ただ、高齢猫のあいちゃんはとても繊細で神経質なため、ご家族様が無理に抱っこすると怒ってしまい双方にとって危険なため、おそらく飼い主様ではキャリーに入れることも困難と判断し、緩和ケアの一環とし往診専門動物病院わんにゃん保健室の動物看護師が診療の当日の朝にお家にお伺いし、あいちゃんをキャリーに入れるという流れをとりました。

 

このように、怒ってしまい、キャリーに入れることが出来ないけれど、二次診療施設での精査が必要と判断した場合は、往診獣医療スタッフにてキャリーに入れさせていただくことも可能です。

猫のあいちゃんは当日、往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフによってキャリーに入れ、二次診療施設で検査を頑張ってもらいました。その結果、鼻腔内リンパ腫という確定診断が出て、しっかりと診断が出たことは良かったものの、腫瘍という厳しい結果が現実となってしまい、飼い主様もすぐには受け入れがたいものでした。

ここで、猫のリンパ腫について少しご説明させて頂きます。

 

猫のリンパ腫

そもそもリンパ腫とは、身体の中のリンパ球という白血球の一種が腫瘍化してしまったもので、白血病と似ていますが異なります。白血病は、血液のガンで、骨髄が起源ですが、リンパ腫はリンパ球が分布しているところ、つまり身体の様々なところで発生します。例えば、消化管、縦郭(胸の中)、脾臓、腎臓、鼻腔内、皮膚などなど・・・。その中でも、猫ちゃんに多いのは消化管型が圧倒的ですが、次いで鼻腔内、縦郭型と続きます。

診断するには主に画像検査や細胞診、場合によっては組織生検が必要となってきます。

治療法は、積極的にいくのであれば、抗がん剤がとても効きやすいタイプの腫瘍なので、抗がん剤治療が第一選択となってきます。ただ、抗がん剤までは・・・、という方や、そもそも抗がん剤を行う体力がない子たちにはステロイドも効きやすい腫瘍なので、ステロイド投与を行います。しかし、ステロイド剤だけではやはり限界があり、リンパ腫の種類にもよりますが、早ければ1か月程度で耐性が出来てしまうため、その後は効きが徐々に落ちてきてしまいます。

抗がん剤というと、人間の抗がん剤をイメージされる方が多いかと思います。実際、ヒト用の抗がん剤を動物でも使用しますが、人間ほどの激しい副作用が出ることもありますが、激しい副作用は人に比べると少なくはあります。なぜなら、例えば白血病であれば、人医療では一度白血球をほとんどゼロにしてしまい、滅菌室に入って、骨髄移植等の治療を行っていきますが、動物では、骨髄移植を行うことはなく、また滅菌室での生活も現実的ではないため、白血球をゼロにするほど強く抗がん剤を使用することもないためです。もちろん、個体差があるので、嘔吐や下痢、その他の副作用がでることもありますが、程度の差もかなりあり、副作用の出方によっては、抗がん剤を休薬することもあります。

 

 

こういったことを踏まえて、今後の治療法を高齢猫であることを踏まえて、東京千代田区にお住いのあいちゃんのご家族様と相談した結果、治ることはないですが、ステロイド剤を投与して、緩和治療を行っていくということになりました。

あいちゃんはステロイドをご飯に混ぜてしまうとご飯を食べなくなってしまい、また、ご家族様ではお薬を口に入れようとするとかまれてしまうため、毎日ステロイドの注射をするために往診をさせて頂きました。

最初はステロイドが効いて食欲も出てきて鼻のぐずぐずもなくなってきましたが、2か月ほど経った頃には、効きが悪くなってきており、食欲も活動性も落ちてきました。

その後も食欲増進剤などで少し食べるようにはなってくれましたが、一時的なもので、その後1か月ほどでだんだん撫でさせてくれるほどに弱ってしまい、最期のご挨拶だったかのように、虹の橋を渡ってしまいました。

 

今回の高齢猫であるあいちゃんのように、ただの鼻づまりではなく、高齢であればそれが腫瘍によるものの可能性も十分にあります。

抗生剤を使用しても全く良くならない、という場合や鼻血が出る、といった場合には一度そのような腫瘍の可能性も考えなければなりません。

しかし、あいちゃんのように、精査に連れていきたいけれど連れていけない、治療を続けたいけど薬を飲めない、などお悩みの方は、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談下さい。一緒に続けていける方法を考えていきましょう。

 

 

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往診専門動物病院わんにゃん保健室 院長の江本宏平です。当院は、東京中央区、東京台東区、東京江東区に拠点を構え、東京の東側をメインに東京23区と近隣地区まで訪問し、往診獣医療をご自宅にて提供しています。

ペット(犬、猫)の性格上、または、酸素室管理や病末期でもう家の中から動かせないなど、動物病院に通院させることが難しい場合には、ペットへの医療提供を諦めるのではなく、往診専門動物病院までご連絡ください。

 

今回は、先日投稿したコラムのご紹介です。

読売新聞の夕刊にあるペットらいふ特集の「教えて!」のコーナーにて、11月11日、18日、25日と、連週でペットの終活についてのコラムを書かせていただきました。

 

近年、医療やペットフードの向上によりペットの平均寿命が延びてきました。

しかし、寿命を延ばした先の未来を我々はまだ見据えられていないのが現状です。

 

例えば、寿命を延ばした先に待つ介護、高齢期特有の病気などです。

これらについての社会認知度は低く、それによって高齢期を迎えたペットとの生活に苦しんでいる飼い主は多くいます。

若かった頃とは違い、歳を重ねるに連れ徐々にできないことが増えてきます。

元気に走り回っていたペットも介護が必要になってきます。

 

介護が必要となったペットとの生活は、決して楽ではありません。現在、ペットの介護サービスは少しずつ普及されてきています。そして、医療においてはどこまでの検査・治療を求めるのかという決断を迫られます。

もう負担を掛けさせたくないという気持ちはあっても、しっかりと自分の意見を主張できる飼い主は多くないです。そして、必ず訪れるのが最愛のペットとの別れです。

 

様々な場面で求められる「選択」を誤ってしまったことで、ペットと過ごしてきた楽しかった時間が、最終的に辛かった思い出になってしまったということも珍しくありません。

 

ペットを迎えることを決めたその時から、どこでどんな風に最後の時間を過ごさせてあげたいのか、どこまでの医療を提供してあげたいのかなど、このコラムを通じ、その子の生涯を通した話し合いをご家族様の中でしていただける一つのきっかけになれれば幸いです。

 

当院が往診専門動物病院であるという側面からの切り口ではございますが、ペットを飼われている方、これからペットを飼おうとされている方は、是非ご一読ください。

 

1. 「理想の最期」を考えよう(2019年11月11日夕刊)

読売新聞コラム①.jpg

 犬や猫も人と同じように年を取ります。ペットに病気が見つかり、治療しても回復の見込みが薄い、または、入院中麻酔をかけている際に旅立ってしまうかもしれないと告げられた時、飼い主は今後の診療プランに対する決断を迫られます。

 ペットの医療は日々進歩しています。すでに、人と大差ないと言っても過言ではないかもしれません。自身の細胞を使った再生医療や抗がん剤治療をすることもできます。

 しかし、高齢期のペットにとって、麻酔をかけた検査や手術などの治療は負担が少ないとは言えません。最先端の医療を目指すことだけが正しいとも限りません。集中的な治療はしないで、自宅で余生を過ごさせるという選択肢もあります。

 だからこそ、病気の宣告をされた時、飼い主にまずしてもらいたいことは「どこまでの医療を望むか」、そして「最期の時間をどう過ごさせてあげたいか」について話し合うことです。

 一番近くでペットのことを思い、一緒に過ごしてきた飼い主だからこそ、積極的な医療ではなく、ゆっくり余生を過ごさせることを選択できるのです。

 飼い主だけで決められなければ、かかりつけの動物病院スタッフを含めて相談し、ペットにとって最良の選択をしてあげましょう。

 

2. ストレス少ない治療を(2019年11月18日夕刊)

読売新聞コラム②.jpg

 高齢のペットは積極的に入院治療をしても、回復を見込めないことがあります。病気の進行を遅らせたり、症状を抑えたりすることはできるかもしれませんが、体調が安定するまでに時間がかかり、飼い主の心が折れてしまうことがあります。

 若くて元気だった頃の印象が強いことで、老化のために「できないこと」が増えていく姿から目を背けがちになってしまうのです。ここで重要なことは、「ペットの今」を受け入れることです。

 ペットの看病に動物病院への通院が重なると、ペットと飼い主の負担がどんどん増していきます。飼い主の負担を少しでも減らすためには、ペットの状態を把握し、現在の治療は通院しなくてもできることかどうかを知ることです。

 例えば、皮下注射は自宅でもできます。頻繁に行う必要があるのであれば、できるようにしておきましょう。針を刺す人と、ペットを動かさないようにする人がいれば、暴れてしまうペットでない限り、できるものです。1人でやることも珍しくありません。このように対処方法を学べば、通院回数を減らせるかもしれません。

 ペットの今の状態を受け入れ、飼い主にとってもペットにとっても、ストレスが少ない治療プランにしましょう。

 

3. 負担をかけず 最期は家で(2019年11月25日夕刊)

読売新聞コラム③.jpg

 ペットに対して頑張って治療を続けていても、病気によっては徐々に衰弱してしまいます。病気の症状が明らかになってきた段階から、緩和ケアが始まることもあります。

 緩和ケアは、痛みや吐き気などの苦痛を薬を飲ませることで軽減したり、食事を介助したりしてその子らしい余生を過ごさせてあげるための対症療法です。QOL(生活の質)の向上が目的です。負担をかけずに過ごさせたいなら、通院より在宅での往診。事前に対応できる病院を調べておきましょう。

 食事が出来ないほど呼吸が苦しそうなら、酸素室を使ってください。ビニールシートで覆ったケージに酸素を送り込んで酸素濃度を高めるものです。専門業者が貸し出しています。

 衰弱が進んで治療にほとんど反応しなくなり、生命維持が難しくなった段階でターミナルケア(終末医療)に入ります。この段階になると、痛みや吐き気を抑える薬を飲めないので、投薬は皮下点滴になります。在宅で行い、飼い主と一緒に最期を迎えることでペットのQOD(死の質)を高められます。飼い主も全力で支えることで一つの達成感が得られます。

 ペットも大切な家族です。悔いのない最期を迎えるために最良の選択を考えてください。

 

ご一読いただき、ありがとうございました!

 

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こんにちわ!

 東京中央区晴海と東京江東区牡丹に拠点を構えて以来、東京中央区、東京江東区、東京千代田区、東京墨田区からのご依頼が多くなってきました。通院できないで困っているペットがたくさんいることを反映しての結果なのかなと感じています。また、連絡が致命ラインギリギリなことが多いです。猫を飼っているご家族様、また通院できないで困っているご家族様が周囲にいましたら、往診専門動物病院があることを知らせてあげてください。

知らなかったため医療提供が遅れてしまい、致命的な結果になってしまったという悲しいことが少しでも減ることを心から願っています。

 

さて、今回は朝から突然食欲が無くなってしまい、呼んでもトイレから出てこなくなってしまった猫ちゃんのお話です。

サクラちゃんとウメちゃん.jpg

 

高齢猫の膀胱炎(東京千代田区/高齢猫/シニア猫/頻尿)

猫ちゃんは、東京千代田区在住のみーちゃん、13歳の男の子です。年齢的には、いわゆるシニア猫でした。

いつものように、往診専門動物病院わんにゃん保健室の往診車で東京都23区内を往診していると、朝から突然食欲が無くなってしまい、名前を呼んでもトイレから出てこない、とのことでお電話を頂きました。お話をお伺いすると、過去に同様にトイレで寝ていたことがあり、その際は結石による尿路閉塞で手術をしたとのことで、その日はまだ排尿が確認できていないとのことでしたので、今回もその可能性も考慮して、緊急でお伺いさせて頂きました。

このように、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、緊急のお電話で診察をご希望される場合もよくあり、獣医師が緊急性を判断して、緊急と判断した場合にはスケジュール調整後、当日予約にてご訪問させて頂きます。

ということで、今回、高齢猫のみーちゃんもご訪問させて頂き、詳しくお話をお伺いしました。

お家に入ると、みーちゃんはリビングの隅で寝ていて、しっぽであいさつしてくれました。

前日の夜まではいつも通り過ごしていたとのことでしたが、その日の朝から元気食欲がなくなってしまい、トイレに閉じこもってしまっているとのことでした。排尿は確認できていないとのことでしたが、私たちがお伺いした際にトイレに入って、出ていったあと確認するとおしっこをしていたので、ひとまず、尿路閉塞にはなっていないことが確認できて一安心しました。

 

ではそもそもなぜ尿路閉塞はそこまで緊急疾患なのでしょうか?

尿路閉塞というのは、膀胱から尿道口までの間の尿路で閉塞が起こってしまい、おしっこが膀胱から出せない状態のことを言います。こうなってしまうと、本来おしっことして体外に出ていくはずの老廃物が体内に残ってしまい、腎臓に負担をかけ、急性腎不全を引き起こします。急性腎不全は致命的になってしまったり、慢性腎不全に移行してしまうことも多々あるため、緊急の治療が必要になってきます。そのため、急性腎不全にならないように、早期に閉塞を解除しなければなりません。また、急性腎不全時にもう一つ必ず気を付けなければならないのが、高カリウム血症です。高カリウム血症になってしまうと、心筋の動きに影響が出て、不整脈を引き起こします。不整脈も高カリウム血症をコントロールできなければ致死的になってしまうことがあるので、必ず気を付けなければなりません。

このように、尿路閉塞によっておこる疾患が致命的になるため、尿路閉塞は緊急疾患となっています。ご家族の皆様、これから寒くなってくると、尿路閉塞になってしまったり、膀胱炎になってしまう猫ちゃんが増えてきますので、お家の猫ちゃん(犬も同様です)のおしっこが出ているかは必ずチェックしてあげて下さい。

 

猫のみーちゃんの場合は、排尿が確認できたので、ひとまず尿路閉塞が起こっていないことはわかりました。猫ちゃんがトイレから出てこない原因として考えられるのは、

・体調が悪い(じっとして隠れていたい)

・頻尿(尿意がずっとある)

というようなことが考えられます。

体調が悪い場合には、何が原因か突き止めて治療方針を立てる必要があります。そのためには、まず全身状態をチェックするために身体検査と血液検査を行い、疑わしい疾患を考えていきます。一方、頻尿の場合、原因として最も多いのは膀胱炎です。この場合は、腹部超音波検査にて膀胱の状態を確認し、膀胱炎の可能性があるかどうかを見ていきます。

東京千代田区在住のみーちゃんの場合、身体検査では明らかな異常が認められなかったので、血液検査と膀胱の超音波検査をご提案させて頂きました。

みーちゃんはすごく協力的な猫ちゃんでしたので、飼い主様にもご同意いただき、検査を行うこととなりました。

検査中は、みーちゃんもすごくお利口さんで、ほとんど動くことなく、検査を行うことが出来ました。その結果明らかな膀胱炎所見はありませんでした。

しかし、血液検査では、腎臓の数値がかなり上昇しており、おそらくそれによって体調が悪くなってしまっていると考えられました。

腎臓の数値が上昇すると、気分が悪くなったり、元気がなくなってしまったり、かなりの高値だとけいれんが認められることもあります。

そこで、みーちゃんには皮下点滴と胃薬や吐き気止めを注射し、その日は治療を終了としました。

その日は治療のみで、みーちゃんはすごく元気になってくれましたが、数値を考えると数日間の点滴は必要と考えられましたので、ご家族様とご相談し、数日間のみ皮下点滴を行いまいした。

 

今回のみーちゃんのように、何度も尿路閉塞を繰り返している場合、腎臓への負担は避けることが出来ず、そのため、定期的な血液検査を行い、腎臓に関してはモニタリングすることをおすすめしています。しかし、猫ちゃんの性格によって、検査がかなり負担になってしまう場合ももちろん多々あります。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、在宅で処置・採血をさせて頂きますので、猫ちゃんにはぎりぎりまで落ち着く場所で隠れていてもらい、処置が終わればすぐに落ち着く場所に帰ってもらうことが出来ます。そのため、ストレスも最小限に抑えることができ、負担も少ないかと思います。

腎臓も心配だけど、猫ちゃんのストレスも心配だ、という方は一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。できるだけペット(犬・猫)にもストレスが少なく済む方法をご相談させて頂きます!

 

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往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師 江本宏平です。

私たち往診専門獣医療チームは、動物病院に通院できないペット(犬、猫)へ獣医療を届ける往診獣医療に特化しています。ご自宅まで獣医師と動物看護師が一緒に訪問することで、家にいながら安心して獣医療を提供できます。動物病院への通院が難しい場合には、受診することを諦めず、まずはご相談ください。

訪問診療(往診)範囲は東京23区を中心に、近隣地区までお伺いしています。

現在は、東京台東区に本拠点を持ち、東京中央区と東京江東区に2拠点、そして東京中央区日本橋には往診オフィスを設け、往診獣医療を提供できる万全の環境を整えています。

往診をご希望の場合には、まずはご連絡をいただき、往診日程を決めていきます。当日での往診も時間調整が取れれば可能なこともありますので、ご連絡ください。

 

年末年始に向けて

もう2019年も終わりますね。来月は師走です。この時期は、なぜか高齢犬、高齢猫が体調を崩しやすいです。高齢期(シニア期)の犬猫や慢性疾患を抱えているペット(犬・猫)と暮らしているご家族様はなんとなく気づいていると思いますが、年の瀬である12月、そして年末年始はなぜか体調を壊しやすい時期です。

高齢ペット(犬・猫)と暮らしているご家族様からの、ご飯を食べなくなった、立ち上がれない、ふらつく、嘔吐が止まらない、下痢が止まらないなど、新規のお問い合わせが急増しています。当院で緩和ケア中の犬猫も同じく、この時期はなぜか体調が下がってきます。

高齢期(シニア期)では、若かった頃とは対照的に、病気に対して攻める姿勢を取るのではなく、受け入れる姿勢を希望されるご家族様がほとんどです。

家の中で余生を過ごさせ、家族の腕の中で看取ってあげたいと願うご家族様の力になれるよう、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室の獣医療スタッフは常に誠心誠意サポートさせていただきます。

 

ここからは、年末年始に関する動物病院の診療スケジュールに関する注意報です!

12月30日から多くの動物病院がお休みに入ります。もしかかりつけの動物病院がお休みで、担当の獣医師に電話が繋がらない場合に、どうしていいかわからなくなってしまうご家族様が多くいます。そうならないように、今日からでも遅くないので以下の情報を整理しておきましょう。

 

1. 近所にどんな動物病院があるか

まずは、緊急事態に備えてすぐに駆け込める動物病院を知っておきましょう。

今通っているかかりつけの動物病院に休診日はありますか?もしあるならば、もしその日にペットが体調不良になってしまった場合、どうしますか?

まずは、近所にどんな動物病院があり、何時までやっているのか、休診日はいつなのかをリストとして保持しておきましょう。かかりつけがお休みであった場合に、セカンドドクターの存在があるか無いかは、運命の分かれ道です。

 

2. 夜間緊急も対応できる動物病院は決まっているか

なぜか体調変化が多いのは夜間です。往診専門動物病院である当院ですら、特に21時以降の電話は多く、23時〜25時は電話がよく鳴っています。愛犬・愛猫が体調不良を訴えてきた時は、家からもっとも近い夜間緊急を対応できる動物病院はどこにあるのかを知っておかなければ、最悪朝までかかりつけの動物病院が開院するのを待ってしまい、致命的な結果になってしまったということは少なくありません。

また、夜間緊急では、初動の早さが本当に重要になります。まずは、どんな症状がいつから発症して、今どうなっているのか、初めての症状か繰り返している症状なのか、元気・食欲・排便・排尿の状態はどうなのか、などをまとめておき、時系列にして説明できると、獣医師からしても話を整理しやすいです。そして、今までの既往歴や検査結果、服用したことがある内服薬の種類、もし可能であれば打ったことがある注射薬の種類までをまとめておくと、診察がよりスムーズになりますので尚いいです。

愛犬・愛猫の命を守れるのは、誰でもなく飼い主様です。責任がある立場であることを、今一度肝に銘じて行きましょう!

 

3. 年末年始はどうするのか

ここは重要なポイントです。年末年始は多くの動物病院が休診であり、12月30日〜1月2日まで電話が繋がらない場合が多々あります。そのため、仕方がないから年始まで待ってしまうというのはやめましょう。年末年始の動物病院診療スケジュールは、すでにホームページ上で公開しているはずですので、近隣の動物病院の年末年始診療スケジュールを確認しておきましょう。

 

4. どうしても通院できない場合には

当院までご連絡ください。多くの方が上記の点を網羅していたとしても、やはり通院できなかったから諦めたという現状を打開するために、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、年末年始も特別診療としてフルオープンしております。

もし、かかりつけの動物病院が年末年始をお休みとしている場合には、事前に連絡するかもしれない旨を、万が一の時の初動を早めるためにも、問い合わせフォームからご連絡ください。

 

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こんにちは!

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の大東です。

東京千代田区からのペット往診の予約を、ここ数日ですが連日複数件お問い合わせをいただき、往診車で獣医師と動物看護師で、東京千代田区周辺をぐるぐる訪問している今日この頃です。

東京千代田区という土地柄、皇居周りをジョギングしている方やゆっくりとお散歩されている方、観光客の方などをたくさん見受けますが、犬の散歩をしている方はあまりいないような気がします。やはり、東京千代田区のペット飼育頭数が少ないことが区役所調べ(狂犬病予防に関連した犬の登録数)で出ているのですが、やっぱり犬の散歩を見かけないですね、

そんな中、東京千代田区在住の高齢犬、はなちゃんが1ヶ月ほど前から立てなくなってしまったということでご自宅まで訪問した時のお話をご紹介させていただきます。

高齢犬に多く、そしてご家族様にも気を付けて見て頂きたい、褥瘡(床ずれ)が出来てしまったわんちゃんのお話です。

老犬.jpg

はなちゃん(立てない/寝たきり/ペット介護/褥瘡/高齢犬/東京千代田区在住)

今回は、東京千代田区にお住いの高齢犬、はなちゃん、17歳です。

1か月ほど前から立てなくなってしまい、寝たきりで、布団の上で寝返りを打ちながら移動する、という日を繰り返していましたが、1週間ほど前から全く動けなくなってしまい、食欲も落ちてきて、寝返りも打てていないということで、1日前に体位を変えてみたところ、下側になっていた方に褥瘡(床ずれ)が出来てしまっていたということでした。しかし、はなちゃんは10キロ近くあり、動物病院に連れていくことが困難ということで、往診専門動物病院わんにゃん保健室までお電話を頂き、往診をご希望されました。

電話でお話をお伺いした際に、おそらくかなり深いところまで褥瘡が広がっていることが予測されましたので、お電話を頂いたその日の夜に獣医師と動物看護師でご自宅まで訪問し、往診させて頂きました。

 

お家にご訪問させて頂くと、はなちゃんは座布団の上で寝ており、ちらりとこちらを見てくれました。まずは、褥瘡のステージの確認と感染の確認に入りました。はなちゃんは長期的に立てていませんでしたので、筋肉が薄くなっており、もっとも褥瘡が起こりやすい部分、つまり肩や、太ももの付け根、肋骨の床にあたる部分、など骨が出っ張っている部分に褥瘡が複数見られました。

また、感染も起こしており、骨が見えてる箇所も認められましたので、褥瘡のステージ4、感染あり、という判断のもと、治療に入らせて頂きました。

 

そもそも褥瘡って何? 

褥瘡は平たく言うと床ずれです。長期的に同じ体勢で寝ていると、通常はしびれや痛みを感じて寝返りを打ったり、起き上がったりして体勢を変えます。しかし、高齢犬等、自分で動けない子たちは、痛みなどがあっても自分で体勢を変えることができないために、ずっと同じ部分に体重がかかってしまい、その部分の血流が不足してしまいます。その結果、皮膚が破れてしまい、ジュクジュクとしてきて進行していくと筋肉や骨に達してしまいます。

また、動物では毛が生えているため、その毛が、褥瘡から出てくる浸出液によって固まってしまい、褥瘡に毛がついてしまうことで、毛の菌が感染してしまいます。健康な成犬の通常の傷であれば、免疫力があるためにひどい感染になることは少ないですが、高齢犬のように免疫力が落ちている子の場合は、褥瘡から入った細菌が全身に回ってしまい、敗血症といって全身性の細菌感染症を引き起こすことがあります。敗血症はかなり致命的になってしまうことがあるので、積極的な治療が必要となってきます。

 

では、褥瘡の治療はどうしていけば良いの??

最近では傷の治し方で聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、湿潤療法といって、感染を抑えながら表面のうるおいを失わないように保護する方法が最も傷の治りも早いと言われています。人では傷パワーパッドを貼って、湿潤を保ちながら傷が治るのを待つというのがイメージしやすいかと思います。

傷から出てくる浸出液が上皮形成(皮膚の形成)や傷の治りに必要な物質を含んでいるので、それを使って傷を治していきます。

しかし、そのジュクジュクの部分に感染が起こってしまっては、先ほどお話したように、高齢犬だと敗血症になってしまう可能性がありますので、慎重に洗浄して滅菌状態を保つ必要があります。洗浄したうえで、肉芽形成を促し、皮膚の形成を促すようなお薬を塗って上から湿潤が保てて、クッション材になるようなもので保護します。

褥瘡も上手にケアが出来れば、少しずつ小さくなって、完全に治すことも可能です。

しかし、できれば褥瘡ができないようにしたいものかと思います。

 

では予防法は?

立ち上がれない犬猫の褥瘡に対する予防方法はペット介護を知るということがまずは最優先です。例えばですが、床にクッション性があり、体重を分散できるようなマットを敷いて、2~3時間ごとに体位変換することが理想とされています。しかし、ご家族の方も寝なければ体力が持たないかと思いますので、夜は出来る範囲で、ご家族の方が無理しないようにして頂くことが最も大切です。

 

今回のはなちゃんは、おしっこの量も少なくなってきているということで、かなり危険な状態と判断されました。しかし、飼い主様とご相談し、検査をして積極的な治療、というよりは、褥瘡の感染や痛みなどのコントロールを行いながら、ターミナルケアを行うことをご希望されましたので、その日は、はなちゃんが疲れすぎない程度に、褥瘡周辺の毛刈りと洗浄、軟膏の塗布、傷の保護、皮下点滴と抗生物質の注射を行いました。

また、口におやつを持っていくとくわえて飲み込もうとしてくれて、なんとか食べれるようになってほしいと願って、その日の治療は終了としました。

 

その後も数日間お伺いさせて頂き、洗浄と点滴など全力で治療をさせて頂きましたが、残念ながら、はなちゃんは治療開始1週間で、虹の橋を渡っていきました。

しかし、最期の日の前日、はなちゃんはご飯を食べてくれていたそうです。おそらく、最期のお別れの時間をはなちゃんが作ってくれていたのではないかと思います。

 

このように、褥瘡が進行した状態で気付き、ペット往診のご予約を頂くことも多く、その際にはしっかり処置の方法、また続けることが出来るような犬猫の介護方法を、生活環境を踏まえで一緒に相談して見つけていきますので、ペットの介護について諦める前に一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡下さい。

一緒に大切なわんちゃん、猫ちゃんが快適に過ごすことが出来る方法を探しましょう。

 

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こんにちは!!

往診専門動物病院わんにゃん保健室 獣医師の大東です。

東京千代田区は動物病院が少なく、通院に苦戦している飼い主様がたくさんいます。今回は、東京千代田区で頻発する発作で苦しんでいた高齢犬のアンズちゃんの症例紹介です。

柴犬.jpg

 

柴犬のアンズちゃん(東京千代田区在住、15歳の高齢犬)

1か月ほど前から発作が起きて、かかりつけの動物病院さんにて抗けれん薬を注射してもらって発作を抑えていましたが、最近発作の回数が増えてきて、座薬の抗けいれん薬を使用すると、お尻周りの皮膚が荒れてしまったので、お家で管理をしてあげたいとのことで、お電話を頂き、往診をご希望されました。

 

お家に訪問すると、高齢犬のアンズちゃんは寝ていて、その時はすごく落ち着いていました。

お話をお伺いすると、ご家族様の寝ている時間もかなり短く、ご家族様の体調も心配になってしまうほどで、何とか発作を落ちつけて、アンズちゃんもご家族の方々もしっかりと睡眠時間をとれるようにしてあげないと、という気持ちで往診に向かわせていただきました。

アンズちゃんはかかりつけの動物病院さんにて、すでに内服で抗けいれん薬を飲んでいましたが、それでも発作が出ているということで、抗けいれん薬の血中濃度、つまりお薬が十分かどうかを調べる検査をご提案したところ、同意が得られましたので、血液検査を実施することになりました。

身体検査では、心臓に雑音が認められ、また、触診を行った際に起きてしまい、すごく興奮しておりましたが、触診が終わると落ち着いてくれました。その後採血を行い、その際もかなり興奮状態で、敏感になっていました。

お尻も座薬の投与によって赤くなってしまっていましたので、抗けいれん薬の点鼻薬をお渡しし、けいれんが出た際に座薬の代わりに使用してもらうこととし、この日はそれで診察終了となりました。

 

では発作とはなぜおこるのでしょうか?

 

高齢犬の発作の原因

発作の原因はたくさんありますが大きく分けると

・脳自体の異常(脳腫瘍など)

・体内に有毒物質(アンモニアなど)が溜まって脳に影響を及ぼす

・原因不明

の3つに分けられます。

脳自体の異常はMRIなどの画像検査、脳脊髄液の検査など麻酔が必要となる検査を行う必要があります。

次に、体内の有毒物質ですが、肝臓や腎臓が悪くなってしまうと、身体の毒素がうまく分解・排出されずに体内に溜まってしまいます。これについては血液検査で判断することができます。往診専門動物病院わんにゃん保健室の往診では、ご自宅で獣医師と動物看護師が一緒に訪問し、採血および各種検査を行いますので、飼い主様が保定するということはないです。

ただ、往診専門動物病院は獣医師が1人で運営していることが多いため、何人で来てもらえるのかを、ペット往診を予約する場合には、事前にお伺いすることをお勧めします。

 

最後に原因不明ですが、検査をしても明らかな異常が出ないときにこの診断がでます。

これら以外にも、発作の原因はたくさんありますが、多いのは上に書いた原因です。

また、年齢によってもどの原因が多いかは変わってきます。例えば、若いわんちゃんであれば、原因不明のてんかんが多く、高齢犬であれば脳腫瘍や毒素が脳に影響して発作が起こっている可能性が高いです。

このように年齢、性別、犬種、検査結果などさまざまな要因を考えて診断していきます。

それでは発作が起きてしまったときはどうすればよいのでしょうか?

まず原因となる疾患がないかどうかを検査します。このときに可能であれば、MRIなどの画像検査までできると原因がはっきりとわかることもあります。

原因となる疾患がある場合にはそれを治療し、見つからなかった場合には、発作を止める抗てんかん薬を使用します。この抗てんかん薬には様々な種類があり、1種類の量を増やすよりも、少ない量で何種類か使用する方が副作用をあまり出さずに発作を抑えることが出来ます。

しかしそれでも発作が起こってしまうこともあり、そのようなときに座薬や点鼻薬などの抗てんかん薬を頓服として使用します。

通常お薬は口から飲んで、消化管の血管から吸収され、肝臓で代謝されて脳に送られます。そのため、飲み薬は飲んでから効果が出るまでに時間がかかってしまいます。これを初回通過効果と言います。一方、点鼻薬は、鼻の粘膜から吸収され、そのまま脳に効くため、初回通過効果を受けずに、より早く効果を得ることが出来ます。

そこで、今回、東京台東区にお住いのアンズちゃんには座薬ではなく、点鼻薬をお渡しし、効果をみてもらうこととなりました。

 

高齢犬のアンズちゃんの場合、血液検査以外の精密検査は行っていないため、はっきりとした原因はわかりませんが、ご家族様とご相談した結果、精密検査をするよりも、お家で発作がでないように緩和ケアを行っていきたいということでしたので、画像検査を行うよりは、発作をどのようにして止めていくかを考えながらの治療でした。

点鼻薬だけでは効果は15分程度でとても短いため、内服薬を一部少しだけ増やしました。老犬(シニア犬)のアンズちゃんは食欲があり、お薬を飲むことは難しくないため、内服薬での維持が可能となりました。

もし、食欲がない子であれば、点滴をお渡ししてそこにお薬を混ぜてもらったり、お薬が飲めなければ、その時に、ご家族様とわんちゃん、猫ちゃんに合った、続けていける方法をご提案させて頂きます。

 

その後、発作が止まらなかったアンズちゃんの発作回数が激減し、ほとんど点鼻薬を使うこともなく、現在は、発作が全くない状態で過ごすことが出来ています。

最近はご家族様とカートでお散歩に出かけたりできるようにまで回復してくれました。

 

発作は、本人は意識がない状態ではありますが、やはり見ている方としては驚いてしまうかと思います。

そして発作には、脳内ですごくエネルギーを使っているので、長時間の発作は命にかかわってしまうこともありますので、発作のコントロールで困っている場合、うまくお薬がのませられない、など、緩和ケアのご相談もいつでもご連絡下さい。

一緒に続けていける方法を、飼い主様とペット(犬、猫)に最良なオーダーメイドの診療プランをご提案させて頂きます。

 

 

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こんにちわ。

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の大東です。

先週は東京墨田区、東京葛飾区からのペット往診依頼が立て込み、高齢の猫ちゃんで元気がない、食欲がない、ふらつくという主訴のもと、検査結果から腎不全であったという症例と複数出会いました。心臓にも雑音があり、目も見えていないため、すでに腎不全からくる腎性高血圧によってダメージを受けていたという症例が2症例いました。動物病院へ通院できない猫ちゃんでも、往診専門動物病院わんにゃん保健室ならご自宅まで訪問できますので、在宅で獣医療を猫ちゃんに提供することができます。ペットの体調が悪そうだななど、異変に気がつきましたらすぐにご連絡ください。

 

さて、今回は症例のご紹介ではなく、前置きは猫であったにも関わらず、わんちゃんの心臓病のお話をしようと思います。

犬の心臓病といっても、犬の心臓病もとってもたくさんの種類があり、ここだけではお話しきれないので・・・

今回は、犬の心臓病の中でも最もよく見られる「僧帽弁閉鎖不全症」についてお話していきます。

ゴールデン、高齢犬.jpg

 

そもそも心臓の構造ってどうなってるの?

犬の心臓は、人と同じで、4つの部屋に分かれています。右上に右心房、右下が右心室、左上に左心房、左下に左心室の4つがあり、それぞれのお部屋に太い血管が繋がっています。

簡単に血液の流れをお話しますと

全身→右心房→右心室→肺→左心房→左心室→全身

という流れになっています。

そして、今回お話する「僧帽弁」というのは

全身→右心房→右心室→肺→左心房→僧帽弁→左心室→全身

のように、左心房と左心室のお部屋の仕切りとして存在し、肺で酸素交換をして綺麗になった血液を全身に送るために左心房から左心室に一方向に血液が流れるようにしてくれています。

心臓はポンプの役割があると言われており、実際、上の矢印の方向に血液を送るために心臓は日々収縮してくれています。

そして、収縮したときに、お部屋の間を血液が逆流しないようにするために、弁がついています。上には書いていませんが、もちろん右心房と右心室の間にも三尖弁という弁がありますよ。

 

ではいよいよ本題へ・・・

 

僧帽弁閉鎖不全症ってどんな病気?

僧帽弁閉鎖不全症とは、僧帽弁がもろくなったり、厚くなったり、僧帽弁を支える筋肉が切れてしまったりして、僧帽弁の閉まりが不完全になってしまい、左心室に行くはずの血液の一部が左心房に帰って行ってしまう病気です。

そうすると、せっかく肺で綺麗になった血液が、左心室に行かずに、左心房にうっ滞してしまい、左心房の圧が上がってしまいます。そして、本来全身に送られるはずの血液が、心臓の中に溜まってしまいますので、そのままでは身体は血液が不足してしまいます。そこで、心臓は送り出そうとして、頑張ってポンピングします。

そうして、心臓が頑張ることで、身体は今までと同じぐらいの量の血液が循環します。

身体は今までと同じぐらいの量の血液が来るので、問題なく動くことが出来ているため、ご家族様は症状にほとんど気づかないかと思います。

しかし、その裏側で心臓は頑張り続けているので、その負荷がどこかのタイミングで症状として現れてきます。

 

犬の僧帽弁閉鎖不全症の症状

初期の段階では、今までと変わりない生活が出来るでしょう。

しかし、進行してくると、例えば、運動をしたり、興奮したりするとそのたびに心拍数があがり、疲れやすくなってきます。

また、もっと進行すると、今までできていた、お家に入ったときのお迎えをしなくなったり、寝ている時間が増えたりしてきます。

そして、さらに進行すると、肺水腫といって、肺に水が溜まって、呼吸が苦しくなってしまったり、咳がでたりするようになります。肺水腫になってしまうと命にかかわりますが、僧帽弁閉鎖不全症があるからといって全員が肺水腫になるわけではありません。しかし、致命的な症状なので、もっとも注意しなければなりません。

他にも、失神が起こってしまったり、酸欠になってチアノーゼになってしまったりと、進行するとかなり注意が必要な疾患です。

 

犬の僧帽弁閉鎖不全症の治療方法

まずは、頑張ってくれている心臓に対して、1回の収縮力を上げるお薬を使用していったり、血圧を下げて心臓から血液が出ていくときの負荷を減らすお薬を使用します。

それではコントロールが難しい場合には利尿剤を併用します。しかし、利尿剤は全身の血液量を減らして、心臓の負荷を下げまずが、腎臓に無理やりおしっこを作らせるので、腎臓への負担は避けられません。

あるいは最近では外科手術によって治療することもありますが、完全に治る子と、完全には治らない子がいるので、その辺りをご相談しながら治療方針を決めていかなくてはなりません。また、術後の合併症はどの子にも同程度の確率で起こることがあり、かなり低い確率ですが、最悪の場合亡くなってしまうこともあります。しかし、肺水腫を繰り返す、など内服でのコントロールが難しい子では、外科治療を選択することもあります。

 

僧帽弁閉鎖不全症は現在根治的な治療法は、外科治療のみとなっています。しかし、他の基礎疾患があって手術が困難な場合、右側の心臓(三尖弁の逆流)については手術での治療は出来ない場合には内科的に治療していきます。また、僧帽弁閉鎖不全症においても、多くのわんちゃんは、内服薬でコントロールしています。進行性の病気ではありますが、しっかりとコントロール出来れば、肺水腫にならずに過ごせる子も、肺水腫になったとしても再び内服でコントロールできる子もいます。

 

そして最も大切なのが、早期に発見して、お薬を開始することです。

疲れやすくなった、などの様子の変化が出る前に、聴診でわかることがほとんどなので、お家から出せない、動物病院に通院したことがない、という方でも、まずは往診専門動物病院わんにゃん保健室にご相談下さい。ご自宅まで獣医師と動物看護師が一緒に訪問し、しっかりとペット(犬、猫)の診察をさせて頂きます。

また、心臓病と聞くと驚いてしまう方も多いかと思いますが、しっかりとお薬でコントロールできる子も多いので、いつでもご相談下さい。

 

 

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こんにちは!

 

朝晩が涼しくなってきて、過ごしやすくなってきましたね!

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、東京台東区、東京中央区、東京江東区に拠点を構え、東京23区全体までを主な診療圏としています。また、その近隣地区からのご依頼でも、日程を調整させていただきお伺いしています。ご家族様やペットの諸事情により動物病院に通院させられない場合には、諦めずにまずは往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

さて、今回は「口が痛い」猫ちゃんの症例のご紹介です。

猫ちゃんで口が痛いというと、口内炎かな?と思い浮かべる方も多いと思いますが、実は口が痛くなる原因はそれだけではなく、さらに口内炎になる原因もたくさんあるので、お話させて頂こうと思います。

 

今回は、東京台東区在住、3歳のクロちゃんのお話です。

黒猫.jpg

 

口が痛い猫(口内炎/猫/東京台東区)

東京台東区に在住している猫のクロちゃんは、口が痛そう、なんとなく口を気にしている、とのことでお電話を頂き、かなり神経質で繊細な対応なため動物病院に通院させられないということでペット往診をご希望されました。

お家にご訪問させていただくと、猫のクロちゃんはカーテンの裏に隠れており、かなりビクビクしていたのでまずはお話を詳しくお伺いすることにしました。

クロちゃんは保護猫で、兄弟猫がいましたが、4か月ぐらいで亡くなってしまったらしく、もしかすると先天性疾患などあるのかもしれないと譲渡するときに言われたとのことでした。また、1週間ほど前から口の周りの毛が濡れていることが多く、2日前ほど前からちゅーるの食べ方が変わったということで、口が痛いのかな?と思ったそうです。

たしかに、口が痛くなると食べ方が変わったり、よだれの量が増えたりと、よだれがよく出てくる症状が、クロちゃんにも現れていました。

 

では猫で口が痛くなる原因は何でしょう?

一つは歯周病による歯肉炎が考えられます。歯周病によって歯周ポケットに炎症が起き、歯肉炎を引き起こします。

もう一つは口内炎が考えられますが、こちらはたくさん原因が考えられます。高齢猫であれば、一番考えられるのは慢性腎不全による口内炎です。慢性腎不全により、身体に老廃物が溜まった結果口内炎や胃潰瘍を引き起こします。

また、かみ合わせが悪く歯が当たってしまっていたり、ウイルス性の口内炎の場合もあります。

ウイルス性の場合、代表的なところではヘルペスウイルスやカリシウイルス、猫白血病ウイルス、猫エイズウイルス、猫コロナウイルスなどたくさんのウイルスが口内炎、結膜炎などを引き起こします。

治療法は、歯周病の場合は主に麻酔下での歯石除去になります。一方、ウイルス性の場合は、抗生剤やヘルペス性の場合であれば抗ウイルス剤の投与が主な治療法であり対処法となりますが、難治性の場合は全抜歯を行うこともあります。全抜歯というと食べられないんじゃないの?と心配される飼い主様もたくさんいらっしゃいますが、実は猫ちゃんたちは歯がなくても丸のみで食べることが出来ます。さらに、歯がなくなって口内炎が治った方がすっきりと痛みなく過ごすことが出来て快適に生活している子がほとんどです。

 

ということで、様々な原因がある中で、原因疾患を追求するために血液検査を行うこととなりました。

また、歯周病があるかどうかを見るために、身体検査では口の中もしっかりとチェックを行っていきました。

 

まず、びくびくする猫のクロちゃんを保定するために、往診専門動物病院わんにゃん保健室の動物看護師がタオルで包もうとしましたが、カーテンを登ったり、キャットタワーに飛び乗ったりとすごくパワフルでした。このような猫ちゃんにも往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフは慣れておりますので、うまくバスタオルで包み、口の中を観察しました。

 

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(※参考写真でクロちゃんのではありません)

 

案の定たくさんの歯石がついており、歯周病も重度な状態でした。また、口を触っている途中で歯が1本抜けてしまい、その歯は歯根部がかなり溶けていて、すごく小さい歯になってしまっていました。

 

次はいよいよ採血です。採血の時も、しっかりと保定をするので、クロちゃんは全く動くことなく、すごくお利口さんに終わらせることができました。

 

ここで、少し猫ちゃんのウイルス疾患についてお話しようと思います。

 

猫ちゃんのウイルス疾患のあれこれ

最もご家族様が聞いたことがあるウイルスはヘルペスウイルスかと思います。しかし、ヘルペス以外にも、カリシウイルスやコロナウイルス、猫白血病ウイルス、猫免疫不全ウイルスなどたくさんのウイルスがいます。

このうち猫風邪を引き起こすことが多いのがヘルペスウイルスとカリシウイルスです。よく子猫時代に鼻水やくしゃみ、結膜炎といった症状があった子も多いのではないでしょうか?

猫風邪は、症状が治まっても、身体の中からウイルスがいなくなっているわけではないので、免疫力が落ちた時などに症状が再燃することがほとんどです。

子猫や老猫であれば、猫風邪が致命的になることもありますが、成猫であれば猫風邪が致命的になることはほとんどありません。

では、どういったウイルスが致命的になるのでしょう?

多いのは、猫白血病や猫エイズです。これらのウイルスにかかっている猫は発症すると致命的になることが多いので、お家に迎えたときに必ずチェックすることをおすすめします。

また、猫コロナウイルスも致命的になる場合があります。猫コロナウイルスは通常腸炎を引き起こすウイルスで、ほとんどの猫ちゃんがウイルスに感染し体に抗体を持っています。しかし、このコロナウイルスが稀に突然変異を起こし、血管炎を起こして腹水や胸水が溜まったり、肉芽腫を形成したりと、猫伝染性腹膜炎になってしまうことがあります。猫伝染性腹膜炎を発症すると致死的な結果となり、残念ながら、現在のところ確立された治療法はありません。

このように、猫ちゃんのウイルス疾患はとてもたくさんあり、その病状も重症度もとても様々です。

また、診断も難しい場合もありますので、難治性の口内炎や結膜炎、猫腹膜炎での緩和ケアなど往診専門動物病院わんにゃん保健室ではいつでも受け付けております。

 

 

 

 

話が逸れてしまいましたが、台東区在住のクロちゃんは採血後、口内炎を抑えるために、抗炎症剤と抗生物質を注射し、放してあげると、ふたたびキャットタワーに登って、まだ何かされるのかな?という目でこちらを見ていましたので、私たち往診獣医療チームは素早く終えて、その日の診察は終了しました。

 

今回のクロちゃんのように、ご家族様だけでは捕まえることが出来ず、猫ちゃんも神経質で繊細だという場合にも、往診専門動物病院わんにゃん保健室では出来るだけ負担をかけないように処置を行い、処置が終われば、すぐに、自分のいつもの居場所に戻ることが出来るので、猫ちゃんにとっても、ご家族様にとっても負担が少ない処置が可能となります。

猫ちゃんが怖がりで動物病院に通院させられない、難治性の疾患で家での緩和ケアを希望している、などの場合にも一度お気軽に往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡下さい。

ご家族様と猫ちゃんの環境に合わせた治療方針を一緒に考えましょう。

 

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こんにちは!

 

最近涼しくなってきましたね!ようやく秋の到来、という感じです。

みなさま、急な寒さで体調崩されていませんか?

私たち往診専門動物病院では、毎日ペットの往診車で、東京墨田区、東京台東区、東京中央区、東京足立区、など東京都内を回っているので、毎日東京都の天気予報をチェックしていますが、最近は最高気温も下がってきて過ごしやすくなってきましたね。

 

 

それでは本日の本題です!!

今日は「立てなくなってしまった犬」というテーマで、実際診察したわんちゃんをご紹介させていただこうと思います。みなさんは「立てなくなってしまった犬」というとどういったわんちゃんを想像されますか?立てなくなる理由は様々ですが、多くの方は高齢犬で足が弱くなってしまって立てなくなってしまったわんちゃんを想像されるのではないでしょうか?しかし、今回お話させて頂くわんちゃんの変化は、一見老化に思える症状ですが、違った病気が隠れている可能性が高いので、その変化がお家の子にもないかを見てもらえるようになれば、と思って書かせて頂きました。ご家族は動物たちの一番の看護師さんです。もっとも、動物たち、とくに猫ちゃんは症状を隠してしまうことが多いですが、何かおかしいな、いつもと様子が違うな、と感じたら、お気軽に往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

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起立不全から立てなくなってしまった高齢犬(東京足立区在住)

症例は、東京足立区在住で高齢犬のマメちゃん、15歳齢、突然立てなくなってしまい、立とうとすると痙攣が起こる、しかし車がなく動物病院に連れていけない、とのことでお電話を頂き、往診獣医師と動物看護師で訪問させて頂くこととなりました。

東京足立区という土地柄、車がなければ動物病院に行くには少し難しいとのことで、動物病院離れをしてしまっていたとのことでした。東京足立区では、

在宅で行う訪問獣医療では、動物病院に行くとストレスになる、という理由の他に、このように病院に連れていく手段がない、という場合もとても多いです。

お家に入ると、高齢犬のマメちゃん(東京足立区在住)は横になって寝ていました。しかし、私たちとお母さんがお部屋に入ると起き上がろうともがいていて、一緒にお話にいれてよ、と言っているようでした!

 

詳しくお話をお伺いすると、実際は急に立ち上がれなくなったわけではなく、1月頃から左に回るようになり、7月辺りから後肢の力が弱くなってきていて、立っていると後ろ脚だけ外側に開いていってしまっていたそうなのですが、9月に入ってから全く立てなくなってしまい、褥瘡もできてしまったということでした。そしてその辺りから、痙攣が起こるようになり、夜中に痙攣が多いとのことで、痙攣を止めてほしいとのご希望でした。

たしかに、高齢犬になると、後ろ足の筋力が弱くなり、立っていると足を開いていってペタンとなってしまう、というのはよくあります。この場合、特に基礎疾患がなければ、筋力低下と考え、できるだけ支えてあげたりして立つ時間を増やしてあげると、それ以上の筋力低下の防止にもなります。

一方で、今回のマメちゃん(東京足立区在住/高齢犬)で気になった症状が左旋回運動です。つまり、左にぐるぐるとまわってしまうということです。

高齢犬でこの症状を見た場合考えなければいけないのは、痴呆と神経症状です。

痴呆で多いのが、同じ方向にぐるぐる回る以外に、昼夜逆転している、ずっと抑揚のない声で鳴いている、狭い場所にはまってしまって抜け出せない、ごはんをいくらでも食べる、などがありますが、けいれんは、痴呆では起こりません。

今回マメちゃん(東京足立区在住/高齢犬)はけいれんを起こしているとのことでしたので、おそらく神経症状だろう、ということで診察を進めていきました。

神経症状といっても、原因はたくさんあり、大きく分けると

・心臓

・腎臓

・肝臓

・脳・中枢神経系(感染性/炎症性/腫瘍性)

・内分泌系

・特発性

に分けられます。

上記以外にもたくさんの原因があり、それぞれメカニズムがありますが、そのご説明はまた別のブログにて!

どれが原因になっているか、通常は血液検査や心電図検査をお勧めいたしますが、今回は検査はご希望されませんでしたので、稟告や身体検査から、おそらく脳からの神経症状だろうと推測されました。マメちゃんのように、検査をご希望ではない場合は、ある程度の推測で診察を進めることにはなりますが、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、必ずご相談させて頂きますので、お気軽におっしゃってください。

高齢犬のマメちゃんは、食欲はあり、多飲多尿はなく、不整脈も身体検査ではありませんでした。また、すべての足でナックリングといって、足の甲を地面につけても元に戻る反射が見られないことから、おそらく脳からの神経症状ではないかと推測しました。

マメちゃん(東京足立区在住/高齢犬)は身体検査中も立ちたい立ちたい、という感じで頑張っていて、スタッフで腰を支えてあげると立ち上がって、お母さんの方に行こうとしていました。本人も立ち上がりたい、という意思が強く、なんとかけいれんをなくして、立たせてあげられればなあと思いましたが、やはり筋力の低下がある以上、支えなしでは難しいですが、けいれんが起こらなければ満足に立たせてあげられると思い、けいれんを抑えられるように薬を考えていきました。

まずは、頓服で鼻に入れる点鼻薬を使用し、応急処置で発作時に使用してもらい、飲み薬で発作を抑えるお薬も飲んでもらうことになりました。

頓服のお薬は、作用時間が短く30分程度しかないので、通常時にも発作が起きないように、長時間作用する発作の飲み薬を併用しなければなりません。

何種類かのお薬を少ない量で使うことで、1種類を多い量で使うよりも副作用が少ないので、一見とてもたくさんお薬を飲んでいるように見えますが、何種類か使う方が体への負担は少ないのです。

マメちゃんの場合は、発作を抑えつつ、寿命を全うしてほしい、というご家族のご希望でしたので、まずは発作のお薬で様子をみることになりました。

今回のマメちゃんのように、高齢犬で検査をご希望されない方もたくさんいらっしゃいます。その場合は、身体の状態を身体検査で確かめて、ある程度の予測のもとで、お薬を使っていきます。

多くのご家族は、発作や、吐き気などしんどそうな状態を何とかしてほしいが、無理な検査などはご希望されないことが多く、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、それもひとつの愛情だと考えています。

診察時に、今後の方針に関するご希望などございましたら、お気軽にご相談ください。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、必ずご家族とご相談し、オーダーメイドな治療法をご提案させて頂いております。

 

 

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往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の大東です。

私たち獣医療チームは、東京中央区と東京江東区、東京台東区に拠点を構え、近隣地区である東京墨田区や東京葛飾区、東京千代田区などをメインに東京23区を日々往診しています。

基本は獣医師と動物看護師の2人で往診車に乗って、ペットのいるご自宅まで訪問し、ご自宅で診察を行います。ご自宅に持ち運べる医療機器(超音波検査機器や簡易血液検査機器など)や注射、内服薬など、小さな動物病院をそのまま持ち込めますので、ご自宅にいながら安心して獣医療をペット(犬・猫)に提供することができます。

動物病院に通院できないで困っている犬猫の飼い主様、お気軽にご相談ください。

 

さて、今回ご紹介させて頂こうと思っている子は、飼い主様が外出中に大量出血していた高齢犬のまるちゃんです。家のわんちゃんが外出中に出血していたらびっくりしますよね。

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まるちゃん(東京墨田区在住/高齢犬/シニア犬)

東京墨田区在住のまるちゃんは、ご家族様が外出中に、ビデオにてまるちゃんの様子を確認したところ、部屋の中が血だらけになっていて、急いで帰ってきたとのことで、お電話を頂きました。お家にお伺いすると、まるちゃんはベッドの上でお迎えしてくれました。知らない人たちが来た、という感じでソワソワ落ち着かず。

先に詳しくお話をお伺いしたところ、数日前に、やや元気がなかったため、別の往診専門動物病院の往診獣医師に来てもらい、関節痛疑いで痛み止めを処方されたとのことでしたが、食欲はあり、様子もいつもと変わらないが、出血量がかなり多かったため、転院にて当院の診察をご希望されたとのことでした。

出血痕がついたペットシーツを見させていただいたところ、かなりの出血で、ペットシーツ1枚分ほどあり、かなり血餅(血の塊)も入っていました。

このような場合通常どこからの出血か、身体検査で確認していきます。まず、一番疑ったのが口の中からの出血でした。歯石がつき、歯周病が進行していると、歯の根元が溶けて、歯が抜け、そこから出血することがよくあります。特に小型犬では歯周病の子が多く、奥の臼歯が抜けてしまいます。

しかし、シニア犬のまるちゃん(東京墨田区在住)の場合、歯周病はかなり重度でしたが、口腔内からの出血点は確認できず、歯周病による出血の可能性は低いと考えました。

また、肛門や手足、耳なども出血は見られないことから、消化管内からの出血、それによる吐血が最も可能性が高かったです。

しかし、消化管内からの出血を確認するためには、内視鏡で消化管内部を確認する必要があり、内視鏡にはもちろん麻酔が必要になってきます。

今回、まるちゃんは高齢で心臓に雑音があることも考慮すると、麻酔のリスクは高く、あまりお勧めは出来ない状況でした。しかし、出血量も多いことから貧血になっていないか、また、消化管出血によって上昇する項目もあるので、それらを確認するために、血液検査をお勧め致しました。ご家族様にそういったことをご相談したところ、血液検査は行い、内視鏡検査はとりあえず見送る、という形になり、まるちゃんには採血を頑張ってもらうこととなりました。

採血自体は、細い針で行うので痛みはほとんどないのですが、手足を持たれるのがみんな嫌いでバタバタもがきます。もちろんまるちゃんも例外ではなく、とても嫌がっていました。体はすごく細いのですが、逃げる力はかなりの力です。しかし、往診専門動物病院わんにゃん保健室の獣医師もそのような場合には慣れているので、保定すると大人しくしてくれました。そして、採血中は大人しく頑張ってくれ、無事に終了しました。

ここで、余談ですが少し歯の話を挟みます。

わんちゃんの歯周病は、軽度→中等度→重度の段階があります。

そもそも歯周病とはどういったものでしょうか?

ご飯を食べると歯垢が歯に付きます。それが数日で固く石になり、歯石となって歯に付着します。歯石の表面はザラザラしており、そこにはさらに歯垢が付着しやすくなり、歯垢がたまっていきます。そこに、唾液と混ざった、ねちゃねちゃしたものが付着するようになると匂いを発します。そのネチャネチャが細菌の塊で、においの元凶です。この細菌が、歯の根元を溶かしていき、歯が浅くなって抜けてしまいます。逆に、抜けずに、歯の奥に膿が溜まってしまい、頬に穴が開いてしまうこともあります。

このようになってしまった場合、根本的な治療法としては、麻酔が必要となってしまいますが抜歯を行う方法があります。しかし、麻酔がかけられない子では、抗生剤を使用することが多いです。

また、歯石除去を動物病院で行ってもらうこともあるかと思いますが、注意しなければならないのは、その後いかに歯垢がつかないように歯のケアをしていくか、というところになってきます。そして、まれに無麻酔での歯石除去を行っているところもありますが、わんちゃんの恐怖心がトラウマとして残ってしまったり、歯周ポケットまできれいにできなかったり、舌や口腔内を傷つけてしまうことがあり危険なので、お勧めは出来ません。

歯に関しては、また別のブログにて詳しく説明しますね!

 

ということで、まるちゃんの採血も無事に終わり、おそらく上部消化管内の出血であろうということで胃薬、抗生物質、吐き気止めを処方し、改善が見られるかみてみることになりました。

血液検査の結果は、消化管内の出血がある場合に上昇する項目が上がっており、また、偶発的に内分泌系の疾患も発見されました。

今回の治療で、まるちゃんの出血は止まり、元気に過ごしてくれています。

おそらく考えられる要因としては、痛み止めによって胃が荒れてしまい出血が起こった可能性が高いと考えられました。非ステロイド性の消炎鎮痛剤は空腹で服用したり、体質的にはまれに、胃での出血を引き起こします。

そして、今回まるちゃんはかなり高齢でしたが、一見元気そうに見えました。しかし、実は内分泌系の疾患(甲状腺機能低下症)が隠れていました。この病気は、なんとなく活動性が落ちたり、毛が粗になったり、といった症状が出ることが多く、高齢の犬に多い病気です。

症状だけを見ていると、年のせいかな?と思ってしまうかと思いますが、実は病気で、治療が必要になることもあるので、もし年齢とともに動きが鈍くなったな、など変化がありましたら、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

高齢になって一度健診を受けたいけど動物病院に連れていけない、などのお悩みがある方は、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

高齢の子に多い病気や症状を詳しくご説明し、検査が必要かどうかも含めてご相談させて頂きます。

 

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こんにちは!!

ようやく秋が来て、過ごしやすくなりそうですが、また台風が来ないことを願うばかりです。

さてさて、台風も多いですが、日本でもう一つ多い災害が地震で、そのような災害時に必ず問題になるのが避難時の対策ですね。

天候が荒れている時は、なぜか持病を抱えているペット(犬・猫)の体調も低下しやすいようで、荒れた天候の中、往診専門動物病院わんにゃん保健室では道路が封鎖されない限り、ご自宅まで獣医師と動物看護師が往診車で訪問させていただいています。

最近では動物も一緒に避難できるところも増えてきていますが、その際の準備が必要になってきます。例えば、ご飯やキャリーなどです。

いざという時のために、備えておくことをお勧めいたします。

 

それでは、最近猫ちゃんのお話が多かったかと思いますが、今回は、ワンちゃんのお話をしようと思います。

今回は、数日間嘔吐、元気食欲がなくなってしまった14歳の高齢犬、リッキーちゃん(東京墨田区在住)のお話です。

 

リッキーちゃん(東京墨田区在住、高齢犬)

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東京墨田区在住の高齢犬であるリッキーちゃんは、数日前から元気食欲がなくなり、嘔吐が続いているということで、昨夜に別の往診専門動物病院の獣医師に診てもらい、慢性腎不全の終末期と言われ、そのターミナルケアをご希望でご連絡をいただきました。

お家に獣医師と動物看護師が訪問すると、高齢犬のリッキーちゃんはご家族に囲まれて、酸素ハウスの中で横になっていました。かなり苦しそうな状態でしたので、緊急状態でないか、舌の色や口の粘膜色を確認し、とりあえず緊急状態ではなかったので、問診に移らせて頂きました。

高齢犬のリッキーちゃんは元はすごくよく食べる犬だったそうなのですが、最近食欲が減ってきていて、どんどん痩せていってしまっていたとのことでした。また、数日前から吐く回数が増えて、昨夜は歩様もフラフラだったため、夜間の往診専門動物病院に電話をしてきてもらい、血液検査を行ったところ腎臓の数値が重度に上昇していて、慢性腎不全の末期だと言われましたが、皮下点滴などの対症療法をしたところ少し顔つきが楽になっていたので、対症療法などを行ってほしいというご希望でした。

ここで、ターミナルケアについて少しご説明させて頂こうと思います。

ターミナルケアと緩和ケア、すごくよく似た言葉で同じ意味じゃないの?という方も多いかと思いますが、実は少し意味合いが違っています。

ターミナルケアとは、緩和ケアの一部に含まれ、末期の子がどれだけ心穏やかにすごせるか、少しでもストレスや苦痛なく過ごせるように治療することです。一方、緩和ケアとは、末期の子たちだけではなく、比較的早期の段階でも、病気による症状を軽減し、苦痛を減らすことと並行して、治療も行っていくケアのことを言います。なので、緩和ケアという言葉は、決して末期の子たちにだけ使う言葉ではなく、対症療法を行いながら、まだまだ病気と付き合っていく、または戦っていけるということを意味しています。

今回のリッキーちゃん(東京墨田区、高齢犬)ではどちらを選ぶかというと、ターミナルケアを選び、少しでも慢性腎不全による吐き気や倦怠感、ふらつき、それによる食欲不振、元気消失を軽減してあげることが目標となりました。

ターミナルケアを行う時は、まず病状を見ることが大切になってきます。人であれば「ここが痛い」「吐き気がする」「こういう症状があるから食べられない」など話してもらえるのですが、犬猫では話をすることが出来ないので、検査結果から症状を推察していきます。今回のリッキーちゃんの場合、前日の血液検査で一部の項目のみですが、血液検査を行っていたので、慢性腎不全からくる症状を推測することが出来ました。

しかし、一口に慢性腎不全といっても、わんちゃんと猫ちゃんでは進行の仕方に違いがあるので、簡単にご説明します。

まず、腎臓の仕組みはどうなっているのでしょうか?

腎臓は大きく分けると、糸球体と尿細管という部分に分けることができます。糸球体は血管がたくさん集まって球になっている部分で、ここはザルのような役割をしています。つまり、ここで水分や様々な老廃物、ミネラル成分などが濾されて出ていきます。しかし、たんぱく質は大きいので通常はザルを通らずに体内に残ります。ここで作られた尿を原尿と言います。一方、尿細管では、糸球体で通過してしまったもの(原尿)の中で、必要な物質を必要なだけ再吸収します。例えば、ミネラル成分や水分などです。そうして濃縮されたものがおしっことして出ていきます。

そしてわんちゃんとねこちゃんでは、腎不全が始まるときに機能が落ちてくる場所が異なっています。猫ちゃんでは、尿細管の機能が先に落ちてくることが多いです。つまり、再吸収する機能が先に落ちていくので、まず最初にでる症状は、おしっこがたくさん出るようになった、つまり、多飲多尿です。

一方、わんちゃんでは糸球体の機能が先に落ちていきます。糸球体はザルの役割をしているのですが、ザルの網目が荒くなってしまうというイメージです。すると、通常通らないたんぱく質も原尿の中に含まれてしまい、たんぱく質は尿細管では再吸収できないので、おしっこの中に流れて行ってしまいます。これが尿たんぱくがでる仕組みです。

するとせっかく食べて吸収したたんぱく質がおしっこの中に出て行ってしまうので、どんどん痩せていきます。そして、たんぱく質が糸球体を通ること自体が腎不全の悪化要因でもあります。わんちゃんでは、腎機能が落ちるよりも前に尿たんぱくが出るという異常が一番最初に出るので、定期的に尿たんぱくを測定することをおすすめします。

余談が過ぎてしまいましたが、リッキーちゃんは病院がすごく苦手な子で、今までもずっと元気に過ごしてきたので、検査などもしたことがないとのことでした。しかし、今回体調が悪くなって、原因が分かったのですが、腎臓は治療法がなく、体内の老廃物の排出を少しでも薄めて排出を促すために、皮下点滴、吐き気止め、胃薬、二次感染を予防するために抗生剤を注射、という対症療法になってきます。

リッキーちゃんも、昨晩その治療によって少し楽になったとのことでしたので、今日も、より楽になってほしい、という思いを込めて治療に入らせて頂きました。

治療中は少しもぞもぞしていたリッキーちゃんでしたが、終わると立ち上がって酸素ハウスから出たがっていました。慢性腎不全では貧血になって、呼吸状態が悪くなることが多いので、酸素ハウスのレンタルをご家族が早急に行っていただいていて、リッキーちゃんは点滴や注射などの治療だけでなく、酸素ハウスにいることでも楽になっていたのだと思います。

リッキーちゃんの体調が徐々に進行し、高齢犬のリッキーちゃんの周りにはたくさんのご家族が集まっていました。これはリッキーちゃんがとても愛されていた証でもあります。

きっと体調が悪い中で、リッキーちゃんはみんなに「ありがとう」と伝えていたんだと思います。

次の日には、高齢犬のリッキーちゃんは全く立ち上がれず、ご家族様も診察をご希望されませんでした。たしかに、しんどい中で少しでも楽にしてあげることがターミナルケアですが、その中でご家族様がお別れを覚悟する時間や、お互いに感謝を伝える時間を、わんちゃんたちが与えてくれているのだと思います。それ以上は治療をせず、お別れをする、というのもまた一つの考え方だと思います。

私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ご家族様と、どこまで最愛のペット(犬・猫)にターミナルケアを行うか、どこまで検査や治療を行うか、などしっかりとご相談させていただき、治療に入らせて頂いています。たとえ、途中で考えが変わってもご遠慮なくご相談頂ければ、その時々に合った治療法・ケア方法をご提案させて頂きます。

犬猫のターミナルケアでお悩みのご家族様、緩和ケアでお悩みのご家族様、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までお気軽にご相談ください。

 

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