わんにゃん保健室
03-4500-8701 往診WEB予約はこちら

腎不全(ここでは腎臓病の全てを“腎不全”と記載します)を抱えると、多飲多尿という飲水量の増加やおしっこの量が増えたというもの、食欲不振などの他にも、ふらつきのような、歩きづらいような、という運動器症状を示します。

 

なんとなく後肢がうまく支えていないというか、後ろ足が突っ張ったままで竹馬のような歩き方をしているとか、立っているだけで後ろ足が開いてしまうなど、その症状はバラバラです。

 

今回ご紹介するのは、後肢破行(後ろ足をひきづる)を主訴に診察した高齢猫ちゃんです。血液検査結果で腎不全(腎臓病)が発覚し、投薬生活を続け、今も元気食欲満載でソファーに飛び乗る元気を持ち合わせた、タロウくんのお話です。

 

吉田タロウくん①.jpg

 

往診依頼のきっかけ

往診を依頼するきっかけになった症状は、5年前くらいから続く口を気にする様子と、3年前からの左後肢破行とその進行です。

口に関しては、最初は壁に擦り付ける程度だったが、だんだんと手で口元をかいてしまい、激しい時には手に膿のような時もあるとのことでした。

左後肢破行は3年くらい前からでしたが、最近はフローリングだと踏ん張れなくて、足が開いてしまうとのことでした。

 

往診当日の様子

元気食欲は大きく下がっているわけではなく、年相応に寝ている時間は多いが、いまだにソファーに飛び乗っているとのことでした。

便はやや硬めで、頻度も2日に1回程度。尿に関しては、ベランダとお部屋の中にトイレのがあり、紙タイプのトイレを使用しているため色はわからないが、特段尿量が増えた印象はないとのことでした。

お水も飲んではいるが、こちらも特段多くなっている印象はないとのことでした。

嘔吐もなく、呼吸状態も安定しており、飲水時にむせることはあるが、基本的には咳はしないとのことでした。

 

既往歴

18年ほど前(2004年頃)にトイレに行くが出ないという症状があって通院させたところ、尿石症と診断されたとのこと。

 

これらの状況を踏まえ、血液検査と超音波検査を実施したました。

 

吉田タロウくん②.jpg

 

検査が始まると、太い大きな声で「ギャーッ!!」と物申し続け、これだけ声が出せる姿を見て、安心して検査を行えました。

高齢犬、高齢猫のほとんどが関節になんらかの疾患を持っていることが多いため、あまり関節を伸ばさないよう注意しながら保定しました。

 

「よく簡単に押さえられますね!私には無理でした…。」

とお声かけいただくのですが、保定技術は何年もかけて習得していくものですので、ご家族様ができなくても気になさらないでください。また、高齢の猫ちゃんでは心臓や血圧、肺の状態などにも異常がある可能性もあり、極力酸素化させながら、苦しくないように検査をするようにしています。

 

タロウちゃんの診察雰囲気は、当院公式instagramに動画投稿してありますので、是非見てみてください^^

 

血液検査結果では、BUN 59.5mg/dl、CRE 4.01mg/dl、SDM A 17pmol/L、SpecfPL 9.1μg/Lと検出され、慢性膵炎持ちであることと、腎不全があることが発覚しました。

 

超音波検査では、胃から十二指腸にかけての食滞、膀胱内の浮遊物、胆嚢の1/3程度を占める胆泥貯留、左右腎臓の血流低下と左腎の腎嚢胞を検出しました。

 

これらの検査結果から、複数の治療プランをご提案させていただき、いよいよ処方プランのスタートです。

 

ここで最大のポイントとなるのは、タロウくんが“何なら飲んでくれるのか”です。

 

往診では、飲めなかったらまたご連絡ください、などと悠長なことは言っていられず、これが飲めなければこっちを飲んでください。そしてこれがダメならこっちを…というように、たらればをいくつも想定して行かなければいけません。

 

そんなこんなを乗り越え、現在は腎臓の薬を2種類、便通を良くしてあげる薬を1種類、口の痛みに対する頓服薬を1種類とさせていただいています。

 

次回は6週間後に往診でお伺いし、経過観察と定期検査を実施していきます。

 

また頑張ろうね!

 

吉田タロウくん③.jpg

 

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆
 

腎臓病の猫ちゃん(東京中央区)

東京都台東区を中心に、ペットの往診を専門にて行っている動物病院、わんにゃん保健室です。
当動物病院では、犬や猫といったペットの往診で、飼い主様とわんちゃん・猫ちゃんの安心をサポートします。

動物病院を嫌うペットの飼い主様からのご相談を多数受け、台東区に限らず、東京23区にて往診エリアを拡大しております。
病院が苦手なわんちゃんやねこちゃんの飼い主様は、是非一度、わんにゃん保健室へご相談ください。

 

 

わんにゃん保健室では、腎臓病のご相談が増えています

猫ちゃんと暮らしているご家族様であれば、腎臓病という言葉は聞いたことがあると思います。

 

腎臓病になると、特徴的な所見として、よく水を飲む(多飲)、よくおしっこをする(多尿)、食欲がない(食欲不振)、吐く(嘔吐)、下痢または便秘などがあり、進行するとふらつきが見られることもあります。

 

多飲多尿嘔吐猫.png

 

高齢の猫ちゃんに多く見られる病気であり、経験上10歳以上の猫ちゃんで、上記の症状がある場合には、かなり高い確率で腎臓病が認められます。

 

往診で出会う猫ちゃんの多くが、多飲多尿ではまだ様子を見ていたが、吐く頻度が多くなり、ご飯を食べなくなったという症状を抱えています。

 

腎臓病は進行性の病気であるため、本来であればもっと早い段階で検査をして発見することができれば、早期に治療を入れることができ、少しでも長く腎臓をケアしてあげることが可能とされています。

 

それでも症状の経過を待ってしまうのは、動物病院に連れて行った時にとても嫌がっている姿を見て、あまりにもかわいそうだったというトラウマがあるためであり、その結果、動物病院と距離ができてしまったのだと考えられます。

 

「こんなに暴れるなら、もう連れて来ないでほしい」

 

診察室で言われた辛辣な言葉で、深く傷付けられてしまった飼い主様は、少なくありません。

 

とはいうものの、できれば1年に最低でも1回は健康診断をしてあげたほうが、その時の状態を知ることができるので、万が一異常値があっても、早期に対処できる可能性が高くなるため、お勧めです。

 

もし通院が苦手な場合には、通院以外の方法として往診があります。

 

通常の動物病院に付随する往診ですと、院内検査や手術を優先されてしまうことから、単発の往診依頼であればばまだしも、慢性疾患とされる腎臓病や緩和ケアなどの時には、定期的な時間の確約などができずに辛い思いをされるかもしれません。

 

慢性疾患や緩和ケアで往診を望まれているご家族様には、往診専門動物病院にお願いすることをお勧めしています。

 

ここ数年で往診専門動物病院が全国的に開設されつつありますので、もし通院が難しい場合には、どの往診専門動物病院がご自宅まで来てくれるのかを、早めに調べておくことが大切です。

 

今日は、尿石症疑いで検査したところ、たまたま腎臓病を発見でき、今もなお元気に過ごしているカツオくん(初診当時8歳、2019年)のお話です。

 

カツオちゃん1.jpg

 

カツオくん8歳、東京中央区(2019年当時8歳)

初診:2019年8月24日

初診時のカツオくんは、なんとなく調子が悪いことと、黄色い大量の嘔吐、尿があまり出ていなさそうとのことでした。また、食欲はあり、排便もしっかりできていたとのことでした。気になるのは、もともと尿石症持ちとのことで、もしかしたら結石ができて尿閉を起こしているかもしれないと心配されていました。

 

超音波検査にて膀胱に結晶を疑うキラキラ光る浮遊物はたくさんありましたが、明確な結石はありませんでした。なお、膀胱も収縮していたことから、尿閉は否定されました。

 

この日は、皮下点滴の処置をして、症状の緩和を図りました。

 

再診:2019年8月31日

血液検査結果上、腎臓病ステージ2であることが疑われました。

全身状態も良好であることから内服薬を開始するまでとしました。

この日から、カツオくんの投薬生活が始まります。

 

最初のうちは、1ヶ月に1回の血液検査と超音波検査(エコー検査)でしたが、調子もいいことから、今では3ヶ月に1回と頻度を下げることができています。

 

カツオくんは吐きやすいタイプの猫ちゃんでして、嘔吐を3日連続した、または1日のうちに2回以上激しい嘔吐をして食欲が下がってきた場合には、まずはご連絡をいただき、頓服薬として準備してある吐き止めを飲ませてもらうようなプランを組んでいます。

 

今後どんな事が起こりうるのかを事前にご説明させていただき、その時に対応できるような頓服薬をどこまで準備するかを決め、ご自宅に備えていきます。

 

図1.png

 

まとめ

慢性腎臓病の定期検査は、1〜3ヶ月に1回とする場合が多く、この時のデータ次第でその頻度が決まります。

本来であれば、あまり高頻度に針を刺して検査をすることは、猫にとってもストレスになることもあり、あまり実施したくないところではあります。

しかし、急性期と言って、徐々に数値が悪化してきたのではなく急に悪化した場合には、1日2回の採血やそれ以上の頻度で検査することだってあります。

 

検査頻度に関しては、猫ちゃん性格と、ご家族様の意向、そして猫ちゃんの状態を考慮しながら、都度判断していきましょう。

 

どんなきっかけだったとしても、もし最後の検査から半年以上空いてしまっている場合には、状況把握の意味合いも込めて、血液検査だけでもお願いすることをお勧めします^^

 

猫ちゃんの腎臓病特設ページ

猫ちゃんと暮らしている以上、腎臓病については知っておかなければいけません。

腎臓病とは?腎臓病になるとどうなるのか?猫ちゃんではどんな薬を使うのか、などなど。

そして、大切なことは通院ができるかどうか、という点です。

なかなか動物病院に通院が苦手な猫ちゃんの場合には、往診ではどんなことができるのか、ご参考にどうぞ!

 

猫の腎不全特設サイト:https://asakusa12.com/kidney-failure/index.html

 

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

東京台東区の動物病院 わんにゃん保健室です。

「腎臓病の猫ちゃんの看取りを知る」の5回目の記事です。
ターミナルケアの時期に入った場合、飼い主の皆様が愛するペットの最期をどのように看取るのかを考えなければなりません。

わんにゃん保健室では、ペットの安心や安全は勿論ですが、飼い主様の心に寄り添う診療を行いたいと考えています。
つらい病状で、見ていることが苦しくなる場面もあるかもしれません。
懸命に生きるわんちゃん・ねこちゃんに、飼い主様ができることを一緒に考えていきましょう。

 

 

病気が進行し、いよいよお別れが視野に入ってきた頃になると、今までのようにご飯をいっぱい食べたり、お散歩に行けなくなったりするどころか、家の中を自由に動き回ることすらままならなくなり、トイレだって間に合わずに粗相をしてしまうようになります。

 

・大好きだったご飯も食べられないのに、このまま長らえても、本当にこの子にとって幸せなのか。

・治療しても良くならないのであれば...もう何もしないで自然のまま旅立たせてあげたい。

・いっそ安楽死だって考えたい...

・でも、お別れはしたくない。もっと一緒にいたい。寂しい...

 

人間は矛盾した感情を持ち合わせた、一番複雑な動物なんだと思います。

 

だからこそ、悩んで苦しんで当たり前です。

 

お別れを視野に入れたプランを、私たちはターミナルケアと呼んでいます。

 

このステージになると、家族としてよりももっと小さい単位である、家族一人一人の「あなたはどうしたいのか」について、直球で考えてもらうこととなります。

そして、最終的には、家族としての方針を固めていきます。

ターミナルケア①.png

 

 

食卓を囲んで和気藹々とはいかないと思いますが、大切な家族の最後についての方針決めなので、必ず1度立ち止まって、みんなで向き合う機会をとってもらうことを強くお勧めします。

 

マインドセットをするということ

元気な時ではなく、もう病気は治らないとされ、残りの時間が後わずかである時、看取りを見据えたターミナルケアに入ります。

 

最後の日まで緩やかに下がっていき、ロウソクの火が消えるように、最後は苦しむことなくスッと旅立ってほしいと願うものです。

 

しかし、見取りはそんなに甘くなく、たった1時間の間ですら状態が急激に状態が下がることもあり、そのまま下がっていくのかと思いきや、また持ち直し、また下がる、を繰り返します。

 

もうこのまま眠っていいんだよって何度も声をかけても、まだ生きたい意志があるならば、きっとまた意識を戻してくるかもしれません。

 

ご家族様は肉体的にも精神的にも疲弊していき、もしかすると正常な判断ができなくなっているかもしれません。

 

それが、「看取りを視野に入れたターミナルケア」を実施するということです。

 

Q.急変しますか?

A.急激に状態が下がることはあると思います。

 

 

Q.急変したどうしたらいいでしょうか?

 

この質問を決めるのが、1つ目の課題です。

 

延命という言葉について、皆さんはどうお考えでしょうか?

 

言葉の定義などはさておき、この言葉について、あなた自身の答えを出さなければいけません。

 

現在の獣医療では、人間の救急車のようなものは存在しないため、状態がグッと下がった時には、この子を抱いて救急対応をしている動物病院へ駆け込まなければいけません。

 

そして、もしそれが夜間であれば、夜間救急を対応している動物病院になることでしょう。

 

この場合、夜間救急で命を繋ぎ、昼間の動物病院で状態を安定させ、退院できるのを待つ、という流れです。

 

これは、延命でしょうか?

 

事故とか、急性の病気・病状であれば、この道筋を描くことで、また一緒に暮らせるようになるかもしれませんので、できることなら連れていきましょう。

 

ただ、ターミナルケアでは、「そのまま家で看取る」という選択肢が並行してあります。

 

もし命がつながっても、また状態が急激に下がります。

 

そしてまた入院させるのでしょうか?

 

ターミナルケアの時期に入ったのであれば、私個人の経験上、ほとんどのご家族様が延命を希望されません。

 

「もう十分頑張ったし、十分幸せな時間をくれました。だから、このまま家で看取ってあげたいです。」

 

つい先日、ターミナルケアを実施しているご家族様からの言葉です。

 

 

Q.延命しない場合、何もしないで見ているしかできないのでしょうか?

 

これが2つ目です。

 

家で看取ることを選択されたとしても、今後起こると想定される症状に対して使える頓服薬をご自宅に準備していきます。

 

どんな症状があった時に、それをどのように解釈し、どの薬を、どの量で、どの方法で投与するのか、その間隔はどのくらいは最低でも開けなければいけないのか、などを細かく指導させていただきます。

 

 

その症状については、きっと参考になる写真や動画などをインターネット上から見つけることができると思いますが、この時の心境であったり、またそれが自分の子だったりすると、冷静さを失うほどの恐怖を感じると思います。

 

しかし、その場にはきっとあなたしかいません。

 

いかに冷静に対処できるかが求められるため、全てをシンプルに、そしてご理解いただけるまで説明させていただきます。

 

 

Q.ご飯を食べなくなったらどうしたらいいですか?

 

必ずぶつかる3つ目の課題です。

 

何は最後の最後までご飯を食べてくれる食欲旺盛な子もいますが、ほとんどの子で段々とご飯が食べられなくなります。その姿をみて、とても辛い気持ちになると思います。

 

この段階での食事の摂らせ方として、強制給餌や鼻カテーテル設置という方法もありますが、もう無理に食べさせない、という選択肢もあります。

 

強制給餌をすると、間違いなく嫌われます。長年築き上げてきた関係性が、一気に崩れるような気がして、少なくない数の飼い主様が、途中で断念しています。

 

ただ、食べなければ栄養価が下がってくることは事実なため、するべきなのか、食べないのであれば無理にあげる必要はないと判断するかは、ご家族様次第です。

 

ご家族様の意思決定に沿ったプランをご説明させていただきます。

 

 

Q.薬はいつまで飲ませるのでしょうか?

 

これが最後、4つ目です。

 

薬に関しては、可能な限り最後まで飲ませていただきたいと考えています。

 

最後とは、嚥下機能がなくなるとき、を表しています。

 

ただ、こちらもご家族様の意向を汲ませていただくため、まずは家族としての意見を伺わせていただきます。

 

 

・救急か看取りかの選択

・状態低下時の対応

・食欲廃絶時の対応

・投薬中止の判断

 

 

これら全部に対して、家族一人一人に考えていただき、そして家族として方針を決定していただきます。

 

これが、犬猫の在宅ターミナルケアにおけるマインドセットです。

 

もちろんこれで全てではないのですが、大きなポイントであるこの4点を、ターミナルケアだけでなく、緊急事態に備えて、是非日常生活においても話し合っておくことをお勧めします。

 

ターミナルケア②.png

 

 

今回、こちらのご家族様は、以下のような選択となりました。

・状態急変時は、動かしてさらに苦しい思いをさせたくないので、このまま家で看取る。

・強直性発作に対してのみ発作止めを使用する。

・嚥下ができるうちは内服薬のシロップを継続させる。

・ご飯を食べないのであれば、それは本人の選択として捉え、強制給餌はしない。

・皮下点滴による投薬は、最後まで行う。

 

 

以上、マインドセットでした。

 

次は、「看取りからお別れ、そしてご葬儀」です。

 

​猫の腎臓病についての解説ページ
猫の腎不全

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆
 

みなさんは、『貧血』について、ご存じでしょうか?

 

貧血とは、赤血球に含まれるヘモグロビンという物質が少なくなった状態です。

血液検査をしたときに、ヘマトクリット値などを用いて正常値より低いので貧血ですね、など言われたことがあるかもしれません。

 

貧血っていうと、鉄剤を飲ませるとか、ビタミンを摂ろうなどいろんな話が出てきますが、今回は再生不良性貧血っていう重度な病気で、白血球、赤血球、血小板など全てが減少してしまう疾患を抱えた、ゴールデンレトリバーの元気くんのお話です。

 

2022年8月6日現在、元気くんは内服薬を苦にせず飲んでくれるため、週1回の往診と1日2回の内服薬で頑張っています。

 

8月12日がお誕生日で12歳を迎えます。元気くんと、そしてご家族様が、この日を迎えられることを祈っています。

 

元気くん②.jpg

 

【往診依頼のきっかけ】

病気が発覚したのは、お散歩中、急に立ち上がれなくなってしまったことがきっかけでした。

 

それまでも、定期的に健康診断を受けていたのですが、この病気に関連したことは一切言われていなかったようです。

 

ただ、この病気に関しては、健康診断を定期的に行なっていたとしても見逃されやすく、気づいた頃には... ということも多い病気であり、また診断するにも骨髄検査を行うため、麻酔をかけなければいけません。

 

麻酔をかけることが悪いわけではないですが、診断したら、治療が始まり、その治療の全てを受け入れなければいけないという覚悟は、なかなか過酷です。

 

初めて迎えた子であれば、どこまでも追いかけなきゃという気持ちが高いかもしれませんが、先代を看取ったことのあるご家族様であれば、『攻める苦しさ』を知っています。

知っているからこそ、もう無理をさせたくないという気持ちで、攻めない選択を選ぶことも多いです。

 

元気くんは30kg弱のゴールデンレトリバーの男の子です。

元気なうちは難なく通院できますが、具合が悪くなり、自力で長時間歩けなくなったら、頻度の高い通院は、ペットだけでなくご家族様にとっても大きな負担になってきます。

 

本来は週1回通院されていたのですが、もう厳しいと判断されて、往診専門である当院までご連絡をいただきました。

 

【診察の様子】

お伺いすると、尻尾を振って私たちを迎えてくれる元気くんの姿があり、『あれ?元気そう?』って思うほどでした。

 

事前に病気のお話を電話でお伺いしていたので、興奮して呼吸レベルが下がらないかどうかを見ながら、元気くんへの挨拶を済ませ、お母さんから詳しいお話を伺いました。

 

この時、すでにヘマトクリット値も10%ギリギリだったこともあり、挨拶してくれた後は、テーブルの横で横になり、重度の貧血ながらもリラックスできているように見えました。

 

普段は屋内で歩いた後、バギーに乗せて散歩の場所まで行き、降ろしてあげると15分程度歩いているとのことでした。

この状態でもトイレは外でなければしないため、今も頑張って外に出ています。徐々に歩ける距離が短くなったものの、お外が好きなタイプの子たちは、最後の最後まで、できれば連れ出してあげてほしいと思っています。

 

奇跡的に食欲も普段通りにあり、ご飯の中に薬を入れてもしっかりと食べてくれるとのことでした。

薬は体重に準じて投与量が増えてしまうため、大型犬だとかなりの量になりますが、元気くんはそれをものともせずに、しっかりと食べてくれているようです。

 

採血も超音波検査(エコー検査)難なく受け入れてくれて、診察が終わると体力を振り絞って玄関まで見送りに来てくれました。

 

酸素環境も家の中に整えることができ、呼吸が苦しくなった時のみ使用していただきます。

酸素環境の構築には、①酸素発生装置の設置だけでなく、②酸素ボンベの設置、そして③酸素ハウスの設置の3つを考えなければいけません。またいつか、在宅における酸素環境については書かせていただきます。

 

そしてなんと、まだまだ歩けるんだよ!って姿を見せたいのか、お外まで出てきてくれて、トイレしている姿も見せてくれました。

 

本当に心の優しい、ゴールデンレトリバーの元気くんでした。

 

【今後の診療プラン】

診療プランは週1回程度の訪問で、血液検査とエコー検査を実施していきます。

内服薬を基本としますが、食欲が下がってしまい内服が難しい時期がきたら、皮下点滴による投薬に切り替えています。

 

緩和ケアの後半以降〜ターミナルケアでは、ほとんどのわんちゃん、猫ちゃんが内服薬を飲むことができません。

食欲もなく、ご飯も一切受け付けない時期がやってきたら、早々にプラン変更し、在宅でも実施可能な処置・処方プランをご提案させていただきます。

 

もし、今のかかりつけ動物病院にて、飲めないのに内服を出され続けている、ということがございましたら、ちゃんと話し合うことをお勧めします。

飲めない間にどんどん事態は悪化し、致命的な結果になってしまう前に、対策を相談し合うことが大切です。

ご家族様から言われないと気付けないため、むしろ早く相談してほしいと獣医師も思ってい流はずですので、心置きなく相談しましょう^^

 

また来週、お会いできることを楽しみにしています。

 

元気くん③.jpg

 

 

2022年08月13日(土) 追記

 

ゴールデンレトリバーの元気くん、昨日12歳を迎えることができました^^

 

本日往診でお伺いすると、インターフォンの音で玄関まで迎えにきてくれました。

 

今日もご飯をいっぱい食べてくれて、薬も全部そのまま食べてくれています。

 

本日は血液検査と増血剤の注射、超音波検査を行い、終始機嫌良く受け入れてくれました。

 

12歳のお誕生日にもらったおもちゃを持ってきて、音を鳴らして遊ぶ姿を見せてくれました。

 

次回は来週です。

 

写真は12歳のお誕生日の日の写真です^^

image_16850689.JPG

 

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

 

東京の往診専門、わんにゃん保健室です。
ペットの往診を専門としている動物病院となっており、病院嫌いのわんちゃん・ねこちゃんのご自宅へお伺いし医療を提供しています。

「腎臓病の猫ちゃんの看取りを知る」の4回目の記事となります。
当院では、腎臓病(腎不全)を抱えた猫ちゃんに対して、適切な治療を行います。

 

 

本日で連続お伺い3日目で、結果もある程度揃ってきたこともあり、今後の方針決定に入ります。

 

0201000537.png

 

初診日、昨日と処置を入れたこともあり、状態としては落ち着いているものの、やはり食欲は一口舐めた程度だったとのことでした。

シロップの薬は飲めたとのことでしたので、本日は皮下点滴指導を行い、明日からはお母さんたちだけで実施してもらいます。よく頑張りましたね^^

 

全部の結果が揃った段階で、病態を考慮すると痙攣発作を起こす可能性があることをお伝えしました。

 

腎臓病が進行すると、胃潰瘍腸潰瘍口内炎だったり高血圧に伴う網膜剥離だったりと考えることはたくさんあるのですが、その一つが尿毒症による痙攣発作です。

 

痙攣発作は、急に見られる症状なのですが、正直最初は気が動転するくらい焦ることと思われます。

猫ちゃんに腎臓病はつきものですので、痙攣発作の動画をYoutubeなどで事前に確認し、どのようなものなのかを知っておくことが重要です。

 

痙攣発作が起きた時の考え方、生活環境として取ることができる行動指針、実際の対処法などをお伝えさせていただます。

 

そして、少しでも、残された家時間を快適に過ごさせてあげるために、猫ちゃんの生活環境の改善策(床の工夫、トイレの高さ、ご飯皿など)など、アドバイスできることがあればできる限りさせていただきます。

 

今回のケースでは、内服薬を1種類のみシロップで1日1回投与、皮下点滴は状態に合わせた医薬品を混ぜ1日1回実施、1週間に1回の検査、発作止めは5回分お渡しし、使用したらご連絡をもらうこととしました。

 

最後に、とても重要なことです。

 

医療プランや生活環境の見直しなどの側面をお話ししてきましたが、実は同じくらい大切なことに、マインドセット(覚悟を決めること)があります。

次は、「延命と看取りを考える」「ターミナルケアを知る」の2つの視点から書かせていただきます。

 

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

前回は腎臓病の猫ちゃんの「問い合わせから在宅医療の初診内容」を書かせていただきました。

初診当日は、今までの経緯をお伺いするのにおおよそ30分〜2時間程度と、通常の診療と比べて長く十分な時間をとって、今までの経緯をゆっくりと教えてください。

 

翌日の診療となる今日は、昨日採取した検体から暫定的に得られたデータをもとに診療内容を組んでいきます。

 

もちろん、ここでも問診は必須です。

 

問診猫.png

 

Q. 昨日から今日にかけて、元気さ(運動性)に変化はありましたか?

A. ふらつきが強くなってきたことが気になっていたのですが、昨日の点滴を打ってから2時間くらいしてゆっくり眠ってくれて、起きた時の足取りが、なんとなく軽くなっていたように感じました。

 

Q. 食欲はどうでしたか?

A. 昨日の夜、少しですが食べてくれました。もう食べれないと思っていたので涙が出るほど嬉しかったです。

 

Q. 排便・排尿はどうでしたか?

A. おしっこは変わらずよくしています。うんちは出ていません。

 

Q. 嘔吐はありましたか?

A. 吐き気止めを入れてもらったおかげで、久しぶりに丸1日吐いていません。

 

Q. 咳はありましたか?

A. なかったです。

 

最初の見立てと検査結果が一致していたというのもありますが、処置を入れるのが遅すぎない限り、最初の方は結構な確率で状態が上がってきてくれています。

 

この猫ちゃんも同様で、見立てから腎臓病が第一優先でしたので、処置内容が合致してとても嬉しかったです。

ここで、昨日行った検査結果の暫定的なものをご説明させていただきました。

 

高齢猫ちゃんの腎臓病といえば、往診では以下の項目をよく用います。

 

血液検査

・BUN(尿素窒素)

・CRE(クレアチニン)

・IP(リン)

・SDMA

・Na-K-Cl(電解質)

・血球計算(貧血の評価など)

 

腹部超音波検査

・腎臓の左右差、大きさ、血流など

 

この猫ちゃんの検査結果はBUN、CRE、IPが重度に高値であり、貧血も軽度に起こしていました。

 

電解質には、そこまでの大きな乱れはありませんでした。

 

尿検査ではタンパク尿が認められましたので、これらのことから、皮下点滴+内服薬の処方プランを立てていきます。

 

皮下点滴は今後ご自宅でお母さんたちにお願いすることも視野に入れ、ご自宅で実施可能かどうか伺ったところ、「やるしかないのでやります!」、と力強いお言葉をいただけました^^

 

家族だけでは心配だという場合であれば、慣れるまでの間をスケジュールを組んでお伺いさせていただくこともあれば、私たちの方で皮下点滴を実施していくというプランにすることもあります。

 

内服薬もシロップ状にして飲ませてあげるやり方を同日指導させてもらい、明日の診察までに明日分の内服シロップ飲ませに挑戦してもらい、できたかできなかったか、できなかったとしたら何が難しかったのか、などをお伺いする予定であることをお伝えさせていただきました。

 

さて、ここまでで初診日、その翌日、その翌々日と3日間のスケジュールを組んでいきます。

 

今回のケースでは、初日は詳しい問診と詳しい身体検査を主体とした処置内容の決定と検査を行い、翌日は検査結果に沿った暫定的な治療プランを組んでいきました。

 

最終的に処方プランや検査プランを決めていくのは翌日の3日目が多いですが、おおよそのイメージをこの段階でお伝えしています。

 

当院では、腎臓病の猫ちゃんでコントロールが聞いていないうちは週1回程度の検査を実施しています。安定してしまえば、3ヶ月に1回程度の訪問で、検診を行なっていきます。

 

明日、処方プランを最終的に決めていきますが、ここで重要なのは、「内服を飲ませることはできるのか」です。ちなみに、内服薬の上げ方はたくさんあります。

 

・例えば錠剤の場合

  • 錠剤のまま飲ませる
  • 細かく砕いて投薬用のカプセルに入れて飲ませる
  • 細かく砕いてウェットや投薬用のおやつなどで包んで飲ませる
  • 粉にしてウェットや投薬用のおやつなどで包んで飲ませる
  • 粉にして水などの液体を少量(飲ませられる液体量は1ショット0.5ml以内にするのがおすすめ)

薬剤形.png

きっと上記以外にもあるかと思いますが、とりあえず5パターンのご紹介でした^^

 

ちなみに、フィルムや糖衣でコーティングされている薬は、粉にしてシロップにすると、全体がとてつもなく苦くなることがあるので、そういった薬は①〜③がおすすめです。

 

明日の診察で、シロップを飲ませられたかどうかで処方プランが変わっていきますので、明日の診察に期待です^^

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

 

今回ご紹介するのは、東京渋谷区にお住まいの16歳の日本猫の女の子、徐々に食べる量が減ってはきていたが、ここ1週間ほどご飯をほとんど食べられていない、という主訴でした。

 

②用.png

 

訪問してみると、脱水してそうな顔つきの猫ちゃんがカーペットの上で寝そべっており、いかにも気だるそうな雰囲気でした。

口をくちゃくちゃしており、気持ち悪んだろうな、または口が痛いのかな?という素振りを見せてくれました。

キャットタワーもありましたが、もう登れていないとのことでした。

ただ、高いところが好きなのか、よく下から眺めているとのことでした。

もともとは体重が6kgくらいあった大柄の猫ちゃんだったとのことでしたが、測定すると体重は3.2kgと、半分近くまで下がっていました。

 

初診では、こんなお話を伺いました。動物病院に行った時も、きっと同じようなことを質問されると思いますので、普段から答えられるようにトレーニングしておきましょう^^

 

Q. ご飯を食べる量が減ってきたのはいつくらいからでしょうか?

A. ここ半年くらい、徐々に下がってきていましたが、ドライフードからウェットフードに切り替えたら食べてくれていました。それが、今月に入って一気に食べる量が減ってきて、それでもチュールなら食べてくれていて、1日3本くらい食べてくれていました。しかし、ここ1週間くらいから全く食べてくれなくなってしまいました。

 

Q. 元気さ(運動性)はいかがでしょうか?キャットタワーにはいつくらいまで登っていましたか?

A. 年齢もあってか、ずっと寝っぱなしの猫なんです。朝から夜までカーペットの上で寝ていて、たまに起きてトイレに行き、また寝るといった感じです。ここ最近、寝ている時間が増えた気がします。キャットタワーは、もう1年ほど前ですね。上を眺めているので乗せたいが、落ちたら危ないと思って何もできていません。

 

Q. トイレ(排便状況/排尿状況)について教えてください。

A. 排便はだんだんと便秘傾向になったのか、もともと1日1回は出ていたものが、最近では3日に1回とかだったと思います。硬いコロッとしたものを1〜2個程度でした。食べなくなってからは、もう1週間ほど排便を見てないです。おしっこは回数としては変化はないですが、全体として量(尿量)が増えていました。

 

Q. お水は飲めていますか?

A. すごい飲みます。このお皿で(おそらく200ml程度入るもの)で、朝入れておくと夜にはほとんどなくなっていることが多いです。

 

Q. 吐き戻し(嘔吐)はいかがですか?

A. もともと吐き戻し(嘔吐)をしないタイプの猫だったんですが、言われてみると、やっぱり1年くらい前からたまに(1〜2日に1回程度)吐くようになって、1ヶ月前くらいからは1日1回くらいは吐いていたような気がします。今もそのくらいです。

 

Q 咳はありますか?

A. 咳はないですが、くしゃみはたまにしています。

 

上記のような質問を繰り返し、今までの経緯やどんな形を望んでいるのかなど、かなり幅広くお話を伺っていきます。

おおよそ30分〜2時間程度かけて、今まで溜まっていた心のうちを一つずつ、一緒に紐解いていきます。

 

今回は、上にある内容から推察するに、腎臓病をまずは第一優先で調べていくことを考えるべきと判断しました。

また、その治療の過程で皮下点滴が必要になる可能性があるため、心臓の評価も合わせて行うことしました。

また、1年ほど前までは食欲があったこと、キャットタワーも登れていたことが、もしかすると代謝の異常亢進があったことも考え、甲状腺機能検査も実施しました。

 

血液検査を含めた各種検査に関しての考え方は動物病院ごとで大きく差があります。

往診では、次回診察までの期間でどんなことが起こるかを推測し、それに対しても事前に対策を練らなければいけません。

そのため、在宅医療における緩和ケアやターミナルケアに入ったわんちゃん、猫ちゃんに対しては、何度も針刺をして細かく検査するよりも、初診で必要であろうと判断される項目を全て検査しています。負担を最小限に考えつつも、集められるデータというパーツ集め、それをもとに大きめのデータの地図を広げ、どんなことが起こりうるかをご説明させていただいた上で、その時の対策を一緒に練っていきます。

 

今回は、血液検査に合わせて、腹部超音波検査を実施することになりました。なお、実施中に尿を漏らしてくれたため、その尿を採取して尿検査も実施することができました。

 

まずは症状に合わせた注射薬を選定し、皮下点滴として投薬していきます。

 

今回は、当日、翌日、翌々日と診療プランを組み、結果が出たものから順次評価していき、その結果に沿った治療を実施していきます。

 

点滴は初めてだったようで、モゾモゾ動いていましたが、ここは獣医師と動物看護師がチームで伺っておりますので、安心して全量きちんと投与を完了し、本日は終了です。

 

次回は検査プランと処方プランのお話です^^

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

 

腎臓病の猫ちゃんの看取りを知る①

猫ちゃんの腎臓病って、本当に多いんです。

経験的には、10歳以上になればほとんどの猫ちゃんで腎臓が悪くなっていて、以下のような症状を認めています。

 

・お水をよく飲むようになった。(多飲)

・尿量が増えた。(多尿)

・痩せてきた。(削痩)

・後肢がふらついてきた。(筋力低下)

 

そのほかにもたくさんありますが、まずはこんなところです。

 

猫ちゃんって、どうしても動物病院へ通院するのが苦手な性格の子が多く、きっかけは最初の避妊去勢のあたりかなと思っています。

 

これを機に、キャリーに入れて外出すると、キャリーに入れて持ち上げただけで、またはキャリーを見るだけで、発狂してしまったり、失禁・脱糞、泡を吹くなど、全力で嫌がるようになってきます。

 

図1.png

 

 

ご家族様も、そんなに嫌がるなら、「健康診断程度で通院させなくていいのではないか?」という感じで、通院をしないことを選択されるようになります。

 

少しくらいの体調不良も、私たちと同様で、大体数日経てば治ったりします。

 

そんな経験もあってか、かなり多くの猫ちゃんが、動物病院離れをしているのが、この世の中の現状です。

 

そんな猫ちゃんも高齢になり、数日程度でいつもは改善していた体調が治らないだけでなく、徐々に進行してるような気がしてきた段階で、覚悟を決めて通院に踏み出すはずです。

 

ここで問題なのは、そもそも通院ストレスでおかしくなってしまいそうな猫ちゃんに対して、「体調が悪いのにさらにストレスをかけてもいいのか?」ということです。

 

ご家族様の中には、それでも通院させることを選択できる方もいれば、いっそのことこのまま家で看取りを視野に入れて、ゆっくりと過ごさせてあげたいと考える方もいます。

 

動物病院へ通院させることができるのであれば、待たないですぐにでも連れて行ってあげてください。

若齢の頃と比べ、高齢、特に10歳を過ぎての体調不良は、放っておくと致命的な結果になるかも知れません。

 

そして、通院を断念し、家で看取りを視野に入れようとお考えのご家族様、一度「往診/獣医/動物病院/犬/猫」などで、ご自宅まで来てくれる往診専門動物病院を検索してみましょう。

 

東京都内であれば複数の往診専門獣医師がいますので比較的見つけやすいかと思いますが、他の地域では、往診専門動物病院の数自体がかなり少ないことが予想されるため、万が一の時に備えて、先に調べておくことをお勧めします。

 

これは猫ちゃんだけでなく、いよいよペットを連れて動物病院へ通院させることが難しい時期がくることを想定し、わんちゃんの飼い主さんも検索しておくことをお勧めします。

 

検索ワードのおすすめは、「往診/犬/東京」、「往診/猫/東京」など、目的/対象動物/地域で調べるのがいいかと思われます^^

 

携帯画面+猫.png

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室の往診は、自宅での緩和ケアと呼ばれる苦痛をできる限り軽減して余生を過ごさせてあげることを目的とした治療、看取りが迫ったことを想定したターミナルケアに特化しています。

 

・病気に合わせた在宅医療プラン作成

・急変時の考え方と対処方法

・家で看取るということに対する心構え

 

生活環境とその子自身の性格などを考慮し、家族みんなの意思決定のもと、その方針に沿った、できる限り苦痛のない時間を過ごさせてあげるプランを作成していきます。

 

・ご飯のあげ方や種類

・トイレの位置や高さ

・床の簡易的な加工方法

 

状況に応じ、臨機応変にご提案させていただき、ご家族様と一丸となって、在宅ケアから家での看取りまで、一歩ずつゆっくりと一緒に歩んで行きます。

 

まだできることをあるはずです。諦める前に、必ずご相談ください^^

 

今回は、腎臓病の猫ちゃんの初診相談、緩和ケア〜看取り(ターミナルケア)までのお話です。

 

・問い合わせから在宅医療の初診内容

・検査プランと処方プランの立て方

・今後の方針決定

・延命と看取りを考える

・緩和ケアとターミナルケアのご飯の考え方

・看取りからお別れ、ご葬儀まで

 

猫ちゃんだけでなくわんちゃんであっても、最後を意識することで、今ある幸せにもっと気付けるようになれればなと思います^^

 

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

 

東京の往診専門 動物病院、わんにゃん保健室です。
台東区を中心に、東京23区内へ往診エリアを拡大しております。

通院が難しいわんちゃん・ねこちゃんの飼い主様、お困りのことがございましたら往診に駆け付けます!

本日は、以前掲載を行った「猫の腎不全」関連の記事をご紹介したいと思います。

慢性腎不全の猫の症例

慢性腎不全とは、病態としては腎臓の毛細血管が萎縮したり、尿細管という水分を再吸収する器官の機能が低下するということが起こります。

その結果、腎臓全体の機能が落ちてしまい、老廃物がうまく体外に出せなくなり、必要な水分は外に出してしまうという状態になってしまいます。

老廃物とは具体的には尿毒素と言われるもので、これらが身体に溜まって症状を伴う場合に、尿毒症と呼ばれる状態になります。

これが慢性腎不全の病態です。

「よく吐く」「お水をよく飲む」「食欲が下がった」「ご飯を食べない」「よだれを流している」といった主訴の往診が多くなっております。

慢性腎不全の診断には、尿検査や血液検査を用います。

>慢性腎不全の猫(よく吐く/口をくちゃくちゃする/お水をよく飲む/痩せた)

嘔吐!大丈夫?よく吐く猫

お家の猫ちゃんが吐いてしまっても、猫だから、と思って特に気にしないことはございませんか?

たしかに、毛玉や空腹で吐いてしまうこともありますが、あまりにも嘔吐回数が多かったり、痩せてきたりするようであればそれは病気かもしれません。

見逃しがちな猫ちゃんの嘔吐の原因になる多い病気。慢性腎臓病の可能性があります。

猫ちゃんの慢性腎臓病は数年単位で進行していき、ある一定のラインを超えると嘔吐や悪心などの症状が出てきます。

>嘔吐!大丈夫?よく吐く猫(腎不全/甲状腺機能亢進症/犬猫往診)

腎不全になるには4段階ある!

猫ちゃんの往診で最も多いのが、腎機能と腎不全に関する治療です。高齢猫ちゃんで非常に多い病気の1つです。

お電話でも、『ここ1週間くらい食欲がなくて、3日前くらいから全く食べなくなった。毎日複数回吐き戻していて、今日は立てない』というお問い合わせをよくいただいています。

腎不全罹患の年齢に幅はあるものの、おおよそ10歳以上の子が多い傾向がありますので、やはり高齢期(シニア期)に発症しやすい病気だと言えます。

体内の老廃物を血液から濾し、尿として排出する機能を持つ腎臓。

 たんぱく質が体内で代謝・分解されてできた窒素化合物(尿素やクレアチニン、尿酸)
 体内で行なわれる新陳代謝で生じた老廃物
 体内に入った不要な薬物や毒物

なども、全て尿に溶けて排出されるのです。

上記が腎臓に負担をかける懸念があるため、往診の際には可能な限りタンパク量の少ないご飯をおすすめしていますが、猫ちゃんの状況によっては対応が難しい場合もありますので、臨機応変に診療プランを組んでまいります。

>腎不全になるには4段階ある!/高齢猫/ 16歳(目黒区)女の子

◆-----------------------------------◆

東京台東区/中央区/千代田区エリアのペット往診 動物病院
わんにゃん保健室
 
ペット往診・緩和ケアならお気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆
 

こんにちは!

 

今回は糖尿病の猫ちゃんのお話です。

 

糖尿病はみなさんご存知かと思いますが、猫ちゃんも糖尿病になってしまうことがあります。

 

まずは糖尿病がどういったものなのか、少しお話しようと思います。

22543027_s.jpg

 

犬猫の糖尿病について

 

糖尿病にはⅠ型糖尿病Ⅱ型糖尿病の2つの型があり、日本人の約95%はⅠ型の糖尿病と言われています。

 

Ⅱ型糖尿病は 遺伝的に糖尿病になりやすい人が、肥満・運動不足・ストレスなどをきっかけに発病します。インスリンの効果が出にくくなったり、分泌のタイミングが悪くなったりします。

生活習慣の見直し行うと改善したり、インスリン注射が必須ではありません。

 

残りの5%のⅠ型糖尿病は膵臓のβ細胞が壊れてしまい、まったくインスリンが分泌されなくなってしまいます。

 

インスリンを体外から補給しないと生命に関わるため、インスリン注射を欠かしてはなりません。

 

Ⅰ型は子供や若い人に多く、Ⅱ型は中高年に発症することが多い病気です。

 

では、犬や猫はどうでしょうか。

 

猫ちゃんの8割はⅡ型糖尿病と言われています。

 

一方、わんちゃんではどうでしょうか?

 

実は犬はどちらの型だか不明・・・なことが多いようです。

 

ほとんどは猫と同じようにⅡ型から発症したものと推測されるようですが、実際わんちゃんが具合が悪くなって病院に来る頃には病状が進んでいるため、Ⅰ型と同じようにインスリン注射が治療には欠かせなくなります。

また、犬や猫では膵炎との関連もよく言われており、膵炎により膵臓の細胞が破壊されてしまった結果、インスリンが出なくなってしまい、Ⅰ型糖尿病になってしまうケースもよくあります。

 

では実際どういった治療を行うのでしょうか?

 

糖尿病の治療方法

基本的には3つの治療を並行して実施します。

 

①食事療法

炭水化物が少ない処方食を食べてもらうなど。

 

②インスリン注射

:インスリン注射によって適切な血糖値に調節。

 

③インスリンの効果を下げてしまう基礎疾患の治療

:炎症性疾患(歯肉炎など)などインスリン抵抗性を上げてしまう疾患を治療してインスリンを効きやすくするなど。

 

の3つです。

 

③はさておき、①は選り好みがない猫ちゃんであれば戦える手法かと思われます。

 

なお、②がよく用いられますが、こちらは「インスリン注射を接種できる」ことが大前提での条件です。

 

打てるか心配で・・・

 

とご相談されますが、大丈夫です。

そもそも、自分の猫ちゃんにインスリンを打ったことがある方が珍しいです。

 

家の中で普段から触れる猫ちゃんであれば、注射は打てると思われますので、一緒にインスリン療法のプランを立てていきましょう!

 

糖尿病からの回復劇の主演を務める猫ちゃん

症例は東京都渋谷区松濤にお住まいの猫ちゃん、8歳の女の子。

 

猫ちゃんが最近お水をたくさん飲んで、トイレの回数も多いのですが、すごく怖がりな性格で家族でも触るのが難しいけれども診察をしてもらえますか?とのお問い合わせでした。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室の往診は、獣医師と1〜3名ほどの看護スタッフが一緒にお伺いさせていただきますので、ほとんどの猫ちゃんで捕獲から検査、処置を実施することができます。なお、危険な保定などをご家族様にお願いすることはせず、ご家族様には近くでそっと見守っていていただきます。

 

こちらの猫ちゃんは小さい頃からすごく繊細で敏感なタイプで、子猫のワクチン以来、動物病院への通院はおろか、外に連れ出すこともできなかったとのことです。

 

しかし家の中ではとても甘えん坊で、抱っこが大好きで、よくお父さんのお腹の上で寝ているとのことでした。

 

キャリーを見せた時の豹変ぶりから、通院を諦めて今になったとのことでした。

 

ここ最近になって、お水が減るのが早くなり、おしっこの量もすごく増えたこともあって、猫ということもあり腎臓病が心配となったため、往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡をいただきました。

 

たしかに、年齢的に多飲多尿の症状があれば腎不全も疑われますが、多飲多尿の原因はそれだけではないので、ほかの原因も考えながら、まずは血液検査をご提案させて頂きました。

 

ご家族様としては、初めての検査なのでぜひ健診もして欲しいとのことで、血液検査と超音波検査、可能であれば尿検査を実施することとなりました。

 

猫ちゃんのいるお部屋に入ると、カーテンが静かに揺れているのを目視でき、この後ろに隠れているご様子でした^^

 

大きめのバスタオルを数枚ご用意いただき、そっと覆うようにして捕獲してあげることで、結構多くの猫ちゃんが静かに出てきてくれます。当院の看護スタッフは、いろんな性格の猫ちゃんと向き合ってきているため、かなりの手練れですのでうまくいきますが、ご家族様だけで捕獲する場合には、専用のグローブを装着することをお勧めしています。

 

さっと捕獲し、まずは身体検査です。

 

身体検査では、かなりぽっちゃりな体型で、少し脱水していました。

 

素早く採血を行い、最初に血糖値測定を実施すると、かなりの高値が認められました。

 

猫ちゃんでは興奮すると血糖値が高く出ることがありますが、今回は通常の上昇幅を超す値でした。

 

タオルで顔を隠したままひっくり返して超音波検査を実施し、蓄尿を確認できましたので尿の採取も行えました。

 

大変よく頑張りました!

 

採取した尿はその場で尿一般検査を実施したところ、尿糖陽性を検出しました。

 

この時点で、糖尿病確定です。

 

猫の糖尿病って、学術的な内容は割愛しますが、早期であればインスリンから離脱できることがあります。

今回、初診段階で把握できた内容をもとに状況整理し、今日明日の診療プランをご説明させていただき、明日再診としました。

 

院内検査の項目は、翌日までには揃いますので、明日はそれを持ってさらに診療プランを組み立てていきます。

 

結果が揃い、インスリン量も決定し、ご家族様に毎日頑張っていただいたおかげで、今回のケースでは見事にインスリンの量を4.5Uから1.0Uまで漸減成功中です。

 

具体的には、以下のようなプランを主軸としました。

 

・食事量のコントロール

・毎日のご家族様による尿検査

・1日2回のインスリン注射

・2週に1回の血液検査

 

糖尿病を発症した猫ちゃんだと、従来では通院させて日内入院し、複数回の採血を実施しながら血糖値の経時的変化を追って、血糖効果曲線を作成します。

 

何度も押さえて採血するというストレスもですが、それ以上通院や入院など、非日常に対するストレスの影響は猫ちゃんにとってとてつもなく大きく、血糖値が明らかに上昇して見えてしまうため、日常の中での正確な血糖値を測定していくことが難しいです。

本来であれば安心できる環境で血糖降下曲線を作ってあげることが理想なんですが・・・

ちなみに、往診専門動物病院わんにゃん保健室では装着型の血糖測定器を体の側面に装着させ、アプリなどを用いて管理する方法も取り入れています。

 

一度安定してしまえば、そこからは低血糖発作に気をつけながら、ご家族様と連絡をうまく取り合うことで、ゆっくりとその子その子にあったペースで治療プランを進めていくことができます。

 

昨年までは、ペットの往診ではインスリン量の調整はできない!と考えられていましたが、このケースのように、往診であったとしても、ご家族様のご協力があれば頑張ることができます。むしろ、急性期を乗り越えインスリン量が決まった猫ちゃんであれば、往診の方が合っているのでは?と感じています。

IMG_7831.jpg

 

ただし、これが需要なのですが、尿ケトン陽性となってしまった場合には、残念ですが入院させてあげて、適切かつ集中的な入院治療が必須となります。。。

 

何事も早期発見早期治療を心がけましょう!

 

猫ちゃんの糖尿病は、早期発見早期治療で、インスリンから離脱させてあげましょう^^

 

ではまた〜^^

 

#出会ってくれてありがとう #糖尿病の猫 #往診専門動物病院

 

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

 

年末のご挨拶

2021年もたくさんの命と出逢い、その命を囲んで奮闘を繰り広げるご家族様をわんにゃん保健室のスタッフ総出でサポートさせていただきました。

 

2020年、2021年はコロナ禍ということもあり、診療数に制限をかけていたこともあり、ご連絡いただいた全てのご家族様のもとへお伺いできたわけではないのが心苦しい年でした。

世の中の雰囲気を見て、2022年はきっと明るい光が差すことを信じ、スタッフ一同、各々の健康管理に徹底し、全力で診療に励みます。

 

診療報告

新たに出逢った緩和ケア総数:62

見送った命の数(ターミナルケア含む):42頭

スヤスヤ猫.jpg

 

 

情報発信

2022年は、在宅での緩和ケアやターミナルケアに関する情報を発信にも力を入れていきます。

instagramを中心に、具体的な事例紹介や高齢期に役立つ情報や、緩和ケア・ターミナルケアの時に考えなければいけないこと、マインドセットについてなど、できる限り多くのことをお伝えできればと考えています。

事例紹介:@wannyan_hokenshitsu公式アカウント

当院で診ている子たちの在宅緩和ケア、在宅ターミナルケア(看取り)の様子を発信していきます。

情報発信:@koheiemoto 院長のつぶやき

高齢期に考えなければいけないこと、もしも時の覚悟、あったらいいな、など高齢期に特化した情報を発信していきます。

 

年始の診療に関するお知らせ

2022年1月4日午後から、通常診療を開始します。

電話やメールは通じますので、年始の診療予約はお気軽にご連絡ください。

 

では、また来年^^

 

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

 

腎不全の猫(食欲がない)

猫ちゃんは気分屋な生き物で、昨日まで大好きだったご飯を、今日は全く見向きもしない、といったことが日常茶飯事かと思います。

 

猫ちゃんで有名なフレーズで、“3日間食べないと肝臓の病気になる”というものがあります。

 

これはどういうことかというと、ご飯を食べないことによって飢餓状態になると、糖分の不足が起き、どこからか生命維持をするためのエネルギー供給源を探す必要があります。

 

そこで、身体が探し出したエネルギー共有源は脂肪であり、それを分解することでエネルギーを作り出します。

 

その過程で、肝臓にダメージが蓄積してしまい、脂肪肝のような状態へと移行していきます。

 

肝臓のダメージは不可逆性のような印象でいた方がよく、発症してしまったら、いかにして維持し症状を出させないかに尽力していきます。

 

ほとんどの場合、翌日には食べてくれますし、またはご飯を変えることによって「そうそう、これこれ」というように、悩んでいるご家族様を嘲笑うかのうようにガツガツ食べてくれたりもするので、食べてくれないという現象に慣れてしまうようになります。

 

しかし、上記のように“3日間食べないと肝臓の病気になる”ということを常に考えていなければいけませんし、異常かもと思って毎回動物病院に連れ出すのは、猫ちゃんのストレスが気になることと思います。

 

そのため、もし猫ちゃんが通院好きなタイプであれば例外としますが、そうでなければご家族様側が「小さな変化」に気づき、冷静に判断する必要があります。

 

本当に食欲低下だけでしょうか?

普段と比べて、運動性が下がっていませんか?

以前は大丈夫だったその“以前”は、何年も前のことではないですか?

 

経験からの期待的観測は危険です。

 

その結果、致命的なものとならないように、私たち人間が過去から学んであげる必要があります。

 

今回は、経験的観測により長く「食欲低下」を見逃してしまった猫ちゃんのお話です。

 

変化に対しては、無理矢理でもある種の指標を立て、感情的ではなく客観的に評価する。

 

そんなきっかけになればと思います。

図1.jpg

 

違和感に気づくきっかけ

東京足立区にお住まいの、くるみちゃん12歳、食ムラの多い性格とのことでした。

 

普段はご飯の種類を3~4パターン変えるだけで大体食べてくれたのが、ここ最近は準備しても全く興味を示してくれなかったとのことでした。

 

しかし夜になると1~2口だけ食べてくれた後があるので、少しでも食べてるなら大丈夫と判断してしまったとのことでした。

 

その状態で1ヶ月ほど経ってしまい、丸3日ご飯を全く食べなかったため、これはおかしいと思ったとのことでした。

 

ポイント:柔軟な姿勢で向き合う

こういった猫ちゃんへの対策は、これを食べなきゃあげない!という強硬姿勢を取るより、柔軟にご飯を選んであげることが大切です。

そのため、ご飯の種類をたくさん準備しておく必要があるので、ここで注意しなければいけないのが、食物アレルギーの存在です。

ご飯を食べて、体調に異変があった場合には獣医師に相談しましょう。

 

往診を予約したきっかけ

家の中ではゴロゴロなくるみちゃんですが、キャリーの中に入れるとものすごい勢いで鳴き叫んでしまい、それがトラウマで動物病院離れしてしまったという背景もあり、通院ではなく往診でお願いしたとのことでした。

 

当初は近隣の動物病院でも往診をしているとのことだったので、電話して相談してみたところ、すでに継続診療をしている子に限って往診をしていると言われてしまったり、別の動物病院では往診では何もできないから連れてきてくださいと言われて切られてしまったなどあったとのことでした。

 

調べてみたところ、当院を発見し、ご連絡いただいとのことです。

 

ポイント:動物病院に付属する“往診”はオプションサービス

動物病院は午前・午後診療時間以外に入院患者のケアや検査、手術などを行っています。

例えば10:00診療開始であれば、もしかしたらスタッフの出勤は8:00とかで、そこから入院動物たちのケアを行い、中にはギリギリで生きている子たちもいるため、朝からアクセル全開で仕事に臨んでいます。

午前診療が終わると、昼オペと精密検査、午後の診療が終わると入院動物のケアと夜オペの準備、夜オペ、更には病院清掃業務など、多岐に渡り、かつそのどれもが重たい作業です。そんな中に往診をどう盛り込めるかが勝負ですが、多くの場合、まずは通院・入院している目の前の犬猫を助けることで精一杯のはずです。

それでも往診をしてくれるのは、先生方の優しさからであると思ってあげてください。

そのため、怪我などの1回で済む治療以外は、往診専門動物病院まで連絡するようにしましょう。

 

3-③ 食欲が下がった.JPG

 

問診内容

食欲不振というお話以外は、普段と変わりないですとのことで伺っていましたが、状況は違いました。

 

元気はなく(運動性低下)、食欲は廃絶、嘔吐も1日1回以上あり、便秘気味、排尿はできていますがその臭いはほとんどありませんでした。

 

爪を見てみると太くなっていて、長い間爪研ぎができていなかったこともあり、おそらく長く体調が悪かったのだと考えました。

 

毛並み、皮膚の状態もあまり良くなく、重度の脱水を起こしていると判断しました。

 

ポイント:先入観ほど怖いものはない

往診では、元気、食欲、排尿、排便、嘔吐の5点をまずは一般状態の確認でお伺いしています。

日常的に繰り返していたり、または長い年月をかけて起きた変化だったりすると、ご家族様側に耐性ができているため、“まぁ、今回も大丈夫でしょ”という先入観を持ってしまう傾向があります。

動物病院に連れて行けない犬猫と生活していると、ある程度先入観を持たざるを得ないと思いますが、できれば専門家に相談できる環境を作ってあげましょう。

 

検査

①全身の状態チェック(一般身体検査)

体重は3.5kgで、全盛期が6.8kgあったことを考えると半分近くまで下がっていました。

削痩状態であり、危険な状態だと判断しました。

目はうっすら黄色く、また耳の内側も若干黄色味を帯びていました。

 

②腹部超音波検査

肝臓は全体的にザラザラしており、胆嚢には泥が軽度に貯留していましたが、特記すべき所見は認めませんでした。

腎臓の大きさは、左が右に比べて少し小さめであり、また左の構造が崩れていて血流もかなり弱いことが確認されました。

右も構造が変化しており、血流は確認できたものの、やはり弱くなっていました。

 

③血液検査

BUN >140mg/dL

CRE 14.3 mg/dL

Ca 6.5mg/dL

IP >15.0mg/dL

Na 170mEq/L

K 2.5mEq/L

Cl 127mEq/L

SDMA 35μg/dL

Hct 25.6%

(※ここでは腎不全と相関性の高い数値のみ記載しています。)

 

④尿検査

比重 1.035

黄疸(+)

タンパク(+)

(※採血時に漏らしてくれたので、それを採取したものを使用しています。)

 

以上の検査結果から、腎不全ステージ4ということがわかりました。

 

今後の診療プラン

本来であれば入院管理をしてガンガン点滴を流したり、できることであれば腎臓の透析をおこなっている動物病院もあるので、そこで入院治療を行うことも選べるのですが、そうは言っていられないのが猫ちゃんです。

もともと動物病院への通院が苦手で、さらに知らない環境で数日間の入院、知らない人に囲まれ、知らない臭いがたくさんする中で、具合の悪いこの子を入院させられないと考えるご家族様がほとんどです。

それであれば、看取りを視野に入れてでも、家でできる範囲で全力でやってあげたいと希望されましたので、1日2回の皮下点滴を開始しました。

 

3日後の血液検査で、奇跡的に大幅な改善を認めました。

その後、点滴頻度を1日1回、そして2日に1回と漸減し、現在は1週間に2回+内服薬2種類でコントロールしています。

図2.jpg

 

 

まとめ

単なる食欲不振だと思っていたら、腎不全だった猫ちゃんは、往診という診療形態であることから、かなり多く出会います。

先入観からの判断はかなり危険ですが、それでも毎回動物病院に連れて行くには、そのストレスでおかしくなっちゃうんじゃないかと考えられるかと思います。

それであれば、選択肢は1択で、ご家族様が専門的な知識を得ることです。

専門的と言っても、飼い猫ちゃんに特化した専門知識です。

 

猫ちゃんを迎えたということは、通院できない前提で、ご家族様が家で何ができるのかを先に考えておくことが大切です。

 

できる限り心残りがないように、できることを事前にできる分だけやっていきましょう。

 

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:koheiemoto 院長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

 

腎不全の猫(元気がないような気がする)

“…元気がない”

 

これには指標がないため、判断するのが非常に難しい症状の一つになるかと思われます。

 

元気があるかないかの判断には、“日常の普通”を把握している必要があり、その判断ができるのはご家族様です。

 

例えばこんな変化が、「元気がなさそう」に入ります。

 

□好きだったキャットタワーに登らなくなった

□鳴いて甘えてきたのに甘えてこなくなった

□呼びかけに対して反応が遅くなった、ないし反応しなくなった

□ご飯の音で近づいてきたのに、来なくなった

□寝てる時間が多くなった

□一箇所から動かなくなった

□動かないのに、目をあけて寝ていないような気がする

□普段は抱っこが嫌いなのに、静かに抱っこさせてくれた

 

などなど、挙げればキリがないですが、さまざまな角度から見て「元気がなさそう」と判断していきます。

 

猫ちゃんの“元気がなさそう”は、ちゃんと具合が悪い証拠だと考えてもらった方がいいです。

 

今日は、元気がなさそうだという主訴から、検査結果、腎不全ステージ4だった猫ちゃんのお話です。

 

何気なく気づいてしまったその違和感、無視していませんか?

 

スライド2.jpeg

 

違和感に気づくきっかけ

東京千代田区にお住まいの、トラちゃん18歳、年齢の割に元気で、キャットタワーの上り下りと、お父さんの膝の上が大好きで、夕食の時間になると、いつも飛び乗って甘えていたとのことでした。

 

しかし、お母さんには強気で、「撫でろ」とお腹を見せてはくれるのですが、抱っこしようとすると怒って逃げてしまうという、気難しいキャラクターだったとのことです。

 

ある日お仕事から戻ると、なんとなく動きが悪い、というよりは冷たい床の上で寝そべったまま移動していなさそうだなという違和感を感じたとのことでした。

 

以前にも、少し動きが悪いなという日はあったのですが、その時は放っておいても大丈夫そうという感じがして、案の定3日程度で復活したという経験はあったとのことでしたが、今回の違和感は「何か変だな」っていう怖い感覚を覚えたらしく、急いで往診を予約したとのことでした。

 

 

往診を選んだきっかけ

動物病院へ通院させることもできそうなのですが、普段から抱っこが嫌いだったということもあり、あまり無理に抱きかかえてストレスを与えるくらいであれば、家でまず見てもらいたいと思ったとのことでした。

現に、採血時に低血圧を疑うほどに血管が見えにくかったので、この選択は英断でした。

 

 

問診内容

ぱっと見ふさふさで、ガリガリだったり顔が浮腫んでいたりなどの所見はなかったのですが、伺っている性格との違いは明らかで、わんにゃん保健室のスタッフが近づいても逃げることなく、じっとしていました。

食欲は普段の30%以下くらい、水は結構飲んでいるとのことでした。

トイレの回数は減ったとのことでした。

 

ポイント:“性格の変化には要注意”

年齢を重ねて丸くなったなど、加齢と共にある程度の変化は伴ってきます。

ここで重要なのは、「急激な変化」です。

急激な変化とは、昨日と今日で雰囲気が変わったなど、明らかな違和感として気づく変化です。例えば、昨日まではシャーシャーで触れなかった猫ちゃんが、今日は触っても、抱っこしても怒らない、などです。逆も然りで、普段は温厚な猫ちゃんが、急に怒りん坊になったというのも注意が必要です。

前者であれば、単純に具合が悪いか、持病が悪化して症状を伴ったのかなど。

後者であれば甲状腺機能亢進症や脳神経系疾患、どこかが痛いなどが考えられます。

 

スライド1.jpeg

 

検査

①全身の状態チェック(一般身体検査)

お母さんからの連絡が早期だったため、トラちゃんは削痩することなく、診察を受けることができました。

腰仙部と言われる腰椎と仙椎の関節部分(腰の辺り)に、圧痛があること以外、大きな所見は認めませんでした。

 

ポイント: “高齢猫ちゃんで、腰仙部の圧痛はよくあること”

猫ちゃんは、体の構造上、腰仙部に長い間負荷がかかってしまいやすい生き物です。

猫ちゃんが運動するときは、全身の筋肉と関節をうまく使用してしなやかに、かつ瞬発力のある動きを見せますが、ちゃんと体には負担がかかっているということですね。

対策や予防など、元気な時には基本的に考えないでいいです。高いところにのぼらせないなど、教科書的な判詞はあっても、現実問題キャットタワーとか高いところは猫ちゃんの大好物なわけなので、それを取り上げて逆にストレスを加えるのは、そっちの方が体に良くないと考えています。

元気がないなと感じた時に、その部分を圧迫すると皮筋がピクピクしたり、腰が下がったりなどの反応があれば圧痛ありと判断できます。

しかし、もし椎間板ヘルニアなどの病気があった場合に、むやみに刺激を加えたことが致命傷になりかねないので、違和感を感じたら、獣医師に相談しましょう。

 

 

②腹部超音波検査

肝臓はやや白くなっていて、軽度の脂肪肝はありそうではありましたが、特記すべき所見は認めませんでした。

腎臓の大きさも左右対象で、左右共に腎臓の血流が弱いことがわかりました。

 

 

③血液検査

続いて血液検査です。

血液検査では、BUN >140mg/dL、 CRE 7.5 mg/dL、 C a 10.5mg/dL、IP >15.0mg/dL、 Na 162mEq/L、 K 3.0mEq/L、 Cl 117mEq/L、 SDMA 32μg/dL、 Hct 38.1%でした。

(※ここでは腎不全と相関性の高い数値のみ記載しています。)

 

 

④尿検査

比重 1.013、タンパク(−)

(※尿は翌日の診察で、その日の朝に採取してもらったものを使用しています。)

 

 

以上の検査結果から、腎不全ステージ4ということがわかりました。

 

今後の診療プラン

腎不全ステージ4でタンパク尿陰性ということなので、当院では内服薬2種類に併せて皮下点滴プランを組みました。

食欲が下がっていることもありますが、血液検査で腎臓の数値が飛んでいることを考えると、すぐに手放しはできないと考え、最初の3日間は朝・夜の皮下点滴で訪問し、3日後の検査でデータが安定してきたことと、食欲が上がってきて元気になってきたこともあり、1日1回の皮下点滴とさせていただきました。

また、この段階でご家族様だけで皮下点滴をお渡しも可能だったのですが、お父さんの出張と重なってしまってしまったため、帰宅までの2週間は毎日お伺いして実施し、戻られてから皮下点滴トレーニングを行い、お渡しという流れになりました。

 

・最初は1日2回の皮下点滴

・3日後の血液検査と尿検査で改善傾向を認め、1日1回の皮下点滴に変更

・1週間後の血液検査と尿検査でさらに改善傾向を認め、2日に1回の皮下点滴に変更

・1週間後の血液検査と尿検査でさらに改善傾向を認め、週2回の皮下点滴に変更

・1ヶ月に1回の血液検査と尿検査で安定しているため、プランを維持

 

 

まとめ

今回は、何よりお母さんの初動の速さが功を奏したと思います。

もう少し放っておくと、嘔吐が止まらなくなり、重度の貧血を起こし、また腎不全末期まで進行してしまい、皮下点滴では対応できず入院するか家で看取りを視野に入れての集中的なケアをしてあげるかの選択を迫られていたと思われます。

 

腎不全って腎臓の病気なのですが、腎臓の病気って進行性の病気なため、早期発見・早期治療が何より重要とされています。

気づきに対する対策としては定期健診なのですが、猫ちゃんという生き物である手前、そう簡単に検査に連れ出すことが難しく、結果動物病院離れを起こしてしまっている状況が多く見られます。

動物病院へ通院できるうちは、また連れ出せる性格の猫ちゃんであれば、定期的な検査をしてもらうようにしましょう。頻度は、年2回が目安です。さらに、10歳を超えてきたら、すこなくとも年4回(3ヶ月おき)は検査を受けさせてあげ、異常値が見つかったら早期から何ができるのかを獣医師と相談しましょう。

 

通院が難しい場合には、お近くの往診専門動物病院に、まずは相談してみましょう。

東京23区とその近郊であれば、私たち、往診専門動物病院わんにゃん保健室が全力でサポートさせていただきます。

 

 

ペットの緩和ケアと看取りのお話

ペットの緩和ケアやターミナルケアをお考えのご家族様向けに参考ページを作成しました。

今後、もし慢性疾患など、治療による根治ではなく、症状や病状のコントロールのみと診断された場合、通院で今後も診てもらうか、在宅に切り替えるべきかを考える参考にしていただければと思います。

 

ペットの緩和ケアと看取りのお話

 

是非ご一読ください。

 

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
  
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:shitsucho12 室長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

 

腎不全の猫(最近ふらつくようになった)

“猫ちゃんは腎不全を患ってしまう”

 

という印象があります。

 

※毎回前置きになってしまうのですが、腎不全は診断名としては不適なのですが、一般的に使われている言葉ですので、web上ではなるべく腎不全に統一させて表記していますので、ご了承ください。※

 

しかし、猫ちゃんからすれば、一体何をきっかけに腎不全と気づいてもらえるのでしょうか?

 

定期健診の中で、たまたま測定して血液検査結果や尿検査結果などをみて気づくのでしょうか?

 

多くの猫ちゃんが動物病院に通院することを苦手としているという背景を考えると、定期的な健康診断の中で発覚するという、教科書的な理想の実現は難しいと思われます。

 

なら何から気づくのでしょうか?

 

答えは、「症状」からです。

 

症状?と言われると、少し抵抗を感じるかと思いますが、大切なのはなんとなく感じる“違和感”に素直に反応することです。

 

違和感を感じるためには、日常の普通を把握しておく必要がありますので、普段から食事内容や量、運動性やトイレ事情などを肌で感じておきましょう。

 

今回は、「最近ふらつくことが多くなった気がする」というお話から、腎不全が発覚した猫ちゃんのお話です。

 

ふらつく猫1.png

 

違和感に気づくきっかけ

東京中央区にお住まいの、三郎くん16歳、年齢からなのか動きも鈍く、たまにふらつくということを数ヶ月前から認めていたとのことでした。

特に寝起きに多いことから、年齢からくる変化であり、人間も高齢になればいきなり起き上がれないということは日常的によくあることですので、あまり気にしていなかったとのことでした。

ふらつきがある以外には、食事も摂るし、トイレだって粗相しないし、嘔吐も特別目立ってはないかなったとのことでした。

 

 

往診を予約したきっかけ

16歳の誕生日を迎え、ネットの記事で猫ちゃんが16歳になったら腎不全を発症するかもっていうのを見たらしく、安心のためにご連絡をいただいたとのことでした。

また、動物病院への通院も考えたのですが、お母さんたち自体がご高齢であることから、キャリーに入れて持ち歩ことが難しいと判断したため、往診を選ばれました。

 

問診内容

元気は普段と変わらず、食欲も旺盛で、排便や排尿にも問題はないとのことでした。

しかし、ふらつきはだんだん目立ってきたので「関節が痛いんだと思っていた」、とのことで伺いました。トイレの頻度に大きな変化はないとのことでした。

 

ポイント:“日常の緩徐的な変化は見逃されやすい”

ふらつきがいつ頃から始まったのかを伺うと、3ヶ月前くらいからとのことでしたが、もっと詳しく話を伺うと、本当にふらつきが始まったのは、おそらく2 週間程度前だということがわかりました。3ヶ月前は寝起きだけふらついていたのに対して、2週間ほど前から普通歩いていて転ぶことがあるとのことでしたので、おそらくこの時点で病気が変わったか、あるいは発症したのかと考えます。

 

 

一般身体検査・血液検査・腹部超音波検査・尿検査検査

①全身の状態チェック(一般身体検査)

削痩といって、高齢の猫ちゃんであったり、病気を抱えている猫ちゃんだったりすると、全盛期と比べて大きく痩せていることから、背骨のあたりが目立ってくる子が多くいます。しかし、三郎くんはそんな様子はなく、また手足に浮腫みもなければ足腰の関節に痛みを伴うこともありませんでした。

この年齢の猫ちゃんにしては、奇跡的に丈夫な骨格の持ち主だなと感心されます。

背中のお肉を少しつねって放し、皮膚の戻りをチェックする方法で脱水状態を確認するのですが、軽度に脱水がある程度で、そこまで明らかな脱水はなさそうでした。

 

②腹部超音波検査

肝臓はやや白くなっていて、軽度の脂肪肝はありそうではありましたが、猫ちゃんで高齢であれば、大体同じような所見ですので、あまり気にする必要はないと考えています。

腎臓の大きさも左右対象でしたが、左の腎臓の血流が弱かったことがわかり、ある日を境に、右の腎臓で頑張っていたんじゃないかと推測されました。

 

ポイント: “腎臓の機能は、左右2つ合わせた合計”

片方が機能0%であったとしても、もう片方が100%機能していれば、全体では50%です。ちなみに腎不全は腎臓の機能が残り25%未満にならないと数値として評価できないことを考えると、もしかすると見逃されてしまっているかもしれません。

 

③血液検査

続いて血液検査です。

血液検査では、BUN 104mg/dL、 CRE 4.8 mg/dL、 C a 9.2mg/dL、IP 7.5mg/dL、 Na 160mEq/L、 K 4.2mEq/L、 Cl 124mEq/L、 SDMA 20μg/dL、 Hct 20.1%でした。

(※ここでは腎不全と相関性の高い項目のみ記載しています。)

 

ポイント:“血液検査中は声をかけないでください”

三郎くんはずっしりした姿勢の持ち主であったということもあり、びっくりするくらい抵抗せずにすんなり採血に応じてくれました。押さえられることが非常に苦手なのが猫ちゃんという生き物ですので、この時ギャ〜ッて鳴くのですが、お母さんたちが必死に声をかけてくれることがあります。しかし、これはかえって感情を煽ってしまったり、またはお母さんたちも嫌なことをするグループの一人として認識されてしまう恐れがあります。

そのため、心を鬼にして離れて見守ってあげてください。

 

④尿検査

比重 1.014、タンパク(−)

(※尿は翌日の診察で、その日の朝に採取してもらったものを使用しています。)

 

ポイント:“尿検査はできる限り新鮮尿で”

尿検査には、尿の採取が必要なのですが、採取方法として自然排尿または医療的な採尿に分かれます。医療的な処置であれば、圧迫排尿、カテーテル採尿、穿刺尿がありますが、どうしても急ぎ検査しなければいけない場合を除き、往診では自然排尿で採取した尿で検査することをおすすめしています。猫ちゃんはストレスに弱い生き物です。できる限り、ストレスが少ない方を選んでいきましょう!ちなみに、細菌感染の判定は、自然排尿の尿では可となってしまいますので、どんな尿がいいのかを獣医師と相談しましょう。

 

以上の検査結果から、腎不全ステージ3ということがわかりました。

 

今後の診療プラン

腎不全ステージ3タンパク尿陰性ということなので、当院では内服薬2種類に併せて皮下点滴プランを組みました。ご飯も食べれているということと、ふらつき以外に大きな支障が生活に出ていないことを考慮して、皮下点滴は週2回程度として、1ヶ月後に再検査としました。

その結果、血液検査結果上、優位に改善を認め、三郎くんのふらつきがなくなったということでした。

 

 

まとめ

単なるふらつきであっても、ふらつくタイミングや頻度、その度合いなどから、高齢猫ちゃんの単なる関節炎などの老齢性変化だけでなく、そこには腎不全が隠れているかもしれません。

 

日常の中に潜む何気ない違和感、あなたは見逃していませんか?

 

ペットの緩和ケアと看取りのお話

ペットの緩和ケアやターミナルケアをお考えのご家族様向けに参考ページを作成しました。

今後、もし慢性疾患など、治療による根治ではなく、症状や病状のコントロールのみと診断された場合、通院で今後も診てもらうか、在宅に切り替えるべきかを考える参考にしていただければと思います。

 

ペットの緩和ケアと看取りのお話

 

是非ご一読ください。

 

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:shitsucho12 室長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

 

猫ちゃんと暮らしているご家族様なら、ほとんどの方が知っている病気に「腎不全」があがると思います。

 

なんでこんなに腎不全が有名なのかっていうと、ほとんどの猫ちゃんが腎臓を悪くするからです。

 

腎臓が悪くなるとどうなるのかってことですが、以下に大まかな症状を書きましたので、家にいる猫ちゃんが当てはまっていないか、セルフチェックしてみてください^^

 

◻︎お水をたくさん飲むようになった

◻︎おしっこの量が増えた

◻︎おしっこの色が薄くなった

◻︎おしっこの臭いが薄くなった

◻︎食欲が下がった

◻︎痩せてきた

◻︎吐き戻す頻度が上がった(週2回以上になった)

◻︎たまに痙攣発作を起こす

 

その他にもたくさんありますが、まずは気付きやすいところからです。

 

これらのどれか一つでも当てはまれば、即検査を受けてください。

 

今日は、猫ちゃんの腎不全3症例についてお話しさせていただきます。

 

お家でゆっくりマイペースに暮らす猫ちゃんの体調判断に、これらが参考にあれば幸いです^^

6bda627434ec1b03d00dc25a28542f17_s.jpg

 

症例1. 猫、13歳、1週間前から嘔吐の頻度が増えた(東京中央区勝どき/猫往診)

カンタくん、13歳、去勢雄、3.5kg(最盛期6.2kg)

 

もともとは動物病院に通院できたタイプの猫ちゃんでした。

 

そのため、年1回は健康診断を受けていたそうです。

少しずつ、血液検査での腎臓の数値が進んできているとは言われていましたが、特別大きな症状を示していなかったとのことでした。

 

血液検査では腎不全とそれに伴う肝数値上昇など、いろんなところに影響が出ているような所見でした。

 

カンタくんに認められた所見は以下のものです。

 

・多飲多尿(お水をよく飲み、おしっこをよくする)

・尿比重の低下(尿が薄くなった)

・食欲低下(ドライフードをほとんど食べない、おやつは食べる)

・削痩(徐々になのであまり気付けなかった)

・1日4~6回程度の嘔吐

 

本当は腎臓系療法食に切り替えてほしいとのことですが、食欲が下がっている猫ちゃんに対して、さらに今より美味しくないであろう療法食を食べてね!って酷すぎるため、内服薬2種類と、皮下点滴でコントロールしていきました。

 

現在は、1週間に1回程度の皮下点滴と毎日の内服薬、3ヶ月に1回の血液検査と超音波検査(エコー検査)で、症状なく過ごせています。

img_notdrink_kv.jpg

 

 

症例2. 猫、18歳、3ヶ月前からふらつく(東京中央区晴海/猫往診)

美春ちゃん、18歳、避妊雌、2.8kg(最盛期4.2kg)

もともとは東京足立区千住でずっと暮らしていて、1年前に東京中央区晴海に引っ越され、それ以来動物病院に連れて行っていなかったとのことでした。

美春ちゃん人懐っこくおとなしい性格なのですが、キャリーに入ると泣き叫んでしまい、失禁・脱糞で大変なことになってしまうことがトラウマなので、あまり外出はさせたくないとのことで、往診切り替えで在宅医療を選択されました。

 

美春ちゃんに認められた所見は以下のものです。

 

・多飲多尿(お水をよく飲み、おしっこをよくする)

・尿比重の低下(尿が薄くなった)

・食欲低下(おやつしか食べてくれない)

・削痩(徐々になのであまり気付けなかった)

・1日4~6回程度の嘔吐

・よく転ぶようになった

 

血液検査では腎臓の数値がOVERとなっており、かなりの重症でることが分かりましたので、安定するまでは1日2回の往診で集中的に点滴と血液検査をしていきました。

 

最初の3日は1日2回の往診、以降は1日1回として、10日ほどで安定したことから、現在は内服薬と週1回の点滴、1ヶ月に1回の血液検査となっています。

1980240_m.jpg

 

症例3. 猫、15歳、頻尿(東京中央区銀座/猫往診)

みぃちゃん、15歳、避妊雌、3.2kg(最盛期4.5kg)

銀座〜築地あたりで拾われた猫ちゃんということもあり、結構グルメだったとのことです。

いろんなものを食べていたんだろうと考え、動物病院に何度か連れて行って検査してもらったことはあったが、もう5年ほど連れて行けていなかったとのこと。

みぃちゃんも、やはり通院が苦手な性格でした。

お話を聞いていくと、頻尿というほどではなく、トイレの回数も1日4回くらいだったのが、1日6回くらいになったということでした。そして、1回量もちゃんとしているとのことでした。

最初は膀胱炎を疑っていたのですが、膀胱炎だと1日中ず〜っとトイレを行き来して、トイレを見るとそんなに出ていない、というのを繰り返します。

 

血液検査とエコー検査、尿検査にて、尿比重の低さと軽度の腎不全を確認しました。

 

みぃちゃんに認められた所見は以下のものです。

 

・多飲多尿(お水をよく飲み、おしっこをよくする)

・尿比重の低下(尿が薄くなった)

・削痩(徐々になのであまり気付けなかった)

 

内服薬だけでコントロールできており、今も頑張って2種類の内服薬を飲ませてもらっています。

 

というような感じで、猫ちゃんで腎不全を疑う所見って、結構日常生活の中に潜んでいたりします。

 

猫ちゃんと暮らしているご家族様は、なかなか簡単に動物病院に連れていけない場合が多いと思いますので、セルフチェックを心がけましょう!

 

今回の3症例や、腎不全かもチェックと似たような症状がある場合には、早めに検査をしてあげるのがおすすめです。

 

3123855_sのコピー.jpg

 

動物病院への通院が難しければ、ご自宅まで来てくれる往診専門動物病院までご連絡ください。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室は、東京中央区、東京江東区、東京台東区、東京江戸川区に拠点を構え、東京23区から近隣地区まで獣医師と動物看護師で訪問しています。

 

まずはご連絡いただき、どんなことができるのかを一緒に考えていきましょう。

 

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
instagram:shitsucho12 室長のつぶやき
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

 

「動物病院への通院から、往診専門動物病院に切り替えるタイミングはいつでしょうか。」

 

多くのご家族様からいただく質問です。

 

往診への切り替えタイミングはいつからなのでしょうか?

 

その参考になればと思います。

写真②(エコー+酸素).JPG

 

①無難に通院できるうちは通院

元気な時は、というと語弊があるかもしれませんが、動物病院に通院できる間は、多くの方が通院の選択肢を選ばれているように感じます。

 

嘔吐、下痢、食欲不振などに対して、症状だけをみて対症療法としての治療を選択するのであれば、往診専門動物病院も通常の動物病院もさほど差はありません。

 

しかし、症状に対して、鑑別診断と言われる、「もしかしたら〇〇という病気かもしれない」というものを複数個あげて、それらの可能性を探るべく検査に踏み切り、さらに必要であれば麻酔をかけた検査まで、というような、「診断」を求めるのであれば、間違いなく動物病院への通院が必要になってきます。

 

しかし、地域にある、俗にいう一次診療施設に該当する動物病院の多くは、確定診断を下し治療に踏み込むというようなステップを飛ばして、まずは治療先行で診療を進めていくことが多いと思われます。

 

検査を進めるには、それなりの費用と、わんちゃん・猫ちゃんへのストレスがかかってくることから、なかなか診断を求めて精査していくところまで、そう簡単に踏み込めないという現実があります。

 

多くの一過性の症状に対する対症療法であれば、往診専門動物病院で十分対応できることが多いです。

 

しかし、単純に費用が動物病院への通院と比較すると高くなってくることを考えると、やはり、通院できるうちは動物病院に通院させるという選択肢をとられることがおすすめです。

 

このような背景はあるものの、中にはどうしても動物病院が苦手だったり、通院すること自体が難しい性格だったり(特に猫ちゃんに多い)すると、症状が出ていても、そのうち治るだろうとたかを括ってしまいやすい傾向にあるかと思われます。

 

これは危険な判断になりかねないので、このような場合には、すぐに往診専門動物病院に連絡するようにしましょう。

 

②治療が見込めないのであれば往診

では、往診専門動物病院への切替のタイミングはいつになるのでしょうか?

 

それは、「治療が見込めないと判断されたとき」です。

 

この言葉を聞くと、心にドッと重みを感じるかと思いますが、そんなことはなく、もう積極的な検査や治療をするのではなく、必要最小限の検査でストレスを軽減してあげ、余生はこの子なりにのんびりと過ごさせてあげたい、と考えた時がこれに該当します。

 

病気であげるのであれば、腎臓病、心臓病、肝臓病、がん(腫瘍)、てんかん、認知症、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、糖尿病などなど・・・あげていけばキリがないのですが、意外にほとんどの病気が該当してきます。

 

週に何回か、月に何度かなど、ある程度定期的に動物病院へ通院し、検査と処置をしてもらっているような病気であれば、内容次第で往診に切替ができると考えています。

 

例えば、猫ちゃんの腎不全です。

 

ステージにもよりますが、最初はご飯、次に内服薬、最後に点滴となっているだろうなと思うのですが、検査は血液検査と尿検査、動物病院によっては血圧測定もされるかと思いますが、これらは往診で対応できることが多いです。(当院では血圧測定は積極的に行なっていませんので、もしされたい場合にはご相談ください)

 

ほとんどの猫ちゃんで、キャリーに入れられ、揺られながら動物病院へ向かうことは難しいことと思われます。中には、それで血圧が上がり過ぎてしまい、帰ってきたらぐったり、食欲もなく、嘔吐下痢が始まってしまった、ということも少なくありません。

 

・月1回〜3ヶ月に1回程度の往診による血液検査、尿検査など

・必要に応じた内服薬の処方

・必要に応じた皮下点滴処置

 

このプランであれば、月1回の往診で十分ですので、無理に負担をかけてまで、動物病院へ通院する必要はありません。

 

そして、今後皮下点滴の頻度が増えてくるようであれば、往診で獣医師が毎回来て処置するのではなく、ご希望があればご家族様だけで皮下点滴ができるように、しっかりと皮下点滴指導をさせていただきます。

なお、内服薬が苦手な猫ちゃんがほとんどですので、あの手この手を一緒に考えながら投薬方法を相談したり、またはシリンジなどスポイトのようなものを使用しての投薬指導など、ご家族様の希望される内容に基づいて多岐にわたる提案をさせていただきます。

 

③酸素室が必要になった時

呼吸状態が悪かったり、貧血がひどかったりなどすると、体内をめぐる酸素量(酸素供給量)が不十分となり、大気中の酸素濃度では苦しくて生活できない状態までになることがあります。

 

これに該当するのが、心臓病と末期の腎臓病やその他病気だと思われます。

 

例えば、トイプードルで肺水腫を伴う僧帽弁閉鎖不全症という症例です。

動物病院への通院は、むしろ優しい動物看護師さんたちにたくさん撫でてもらえるから大好きで、定期的に動物病院へ通院し検査していたのですが、肺水腫を発症(心臓の病気が進行)してしまってことをきっかけに、酸素室ありきでの生活を余儀なくされてしまいました。

 

本当であればもっとたくさん検査してあげたいし、治療だって受けさせてあげたいというお母さんの願いとは裏腹に、リビングではある程度の時間(15分程度)、運動を伴わなければ生活できていましたが、少しでも興奮すると、舌の色が紫色になってしまう(チアノーゼ)状態を繰り返してしまうため、往診に切り替えました。

 

往診では、検査や処置の前に酸素室内の酸素濃度を上げて十分にこの子を酸素化し、素早く検査・処置を終わらせて、すぐに酸素室に戻して呼吸状態の悪化を防いでいきます。

 

わんにゃん保健室では、さらに酸素ボンベを持ち込み、検査・処置中は純酸素を嗅がせながらの厳戒態勢で臨んでいます。

 

このように、呼吸状態が悪くなってしまい、大気中の酸素濃度では生活が難しくなってきた場合には、満を辞して往診に切り替えることをお勧めします。

 

④大型犬で抱っこが必要になった

大型犬だと、例えば腰が痛くてうまく歩けなくなってしまっただけでも、動物病院へ通院することが難しくなることがあります。

 

痛み止めさえ効いてしまえば、おそらくまた動物病院へ通院できることと思われますが、それまでは無理に動かさずに、往診の獣医師を呼んで治療してもらうことがおすすめです。

 

運動器疾患以外でも、嘔吐、下痢、食欲不振でぐったりなど、こういった場合にも、実は通院できないとされるケースは多くあります。

 

例えばラブラドールレトリバー(36kg)、脾臓腫瘍(がん)の症例では、急に立てなくなり、嘔吐と軟便、食欲不振があったので抱っこして動物病院に行こうとしたところ、抱っこを嫌がり鳴いてしまうため、2階がリビングだったのですが、1階へ下ろすことができずに往診に切り替えたということもありました。

 

病気になると、言葉で意思疎通ができる私たち人間ですら不安になるのに、言葉での意思疎通が私たちとできない犬猫からすれば、よりその不安は大きいものと思います。

 

それに、大型犬の場合には普段から抱っこされるのに慣れていないため、持ち上げられることに対して恐怖心を示すのは当たり前です。

 

こういう場合にも、無理をせずに往診に切り替えてあげるようにしましょう。もちろん、状態が安定したら、獣医師の判断のもと通院に切り替えるように相談していただけると思いますので、「今のこの子にとっての最良とはなんだろう。」ということを常に考えてあげてください。

 

 

今は当たり前のようにできている動物病院への通院が、当たり前ではなくなる瞬間がいつか訪れます。

 

その時に、「犬猫にも往診専門の動物病院がある」ということを、頭の片隅に置いておいていただければ、きっといつか大きな助けになることと思われます。

 

犬猫にとって、飼い主様が全てであり、その飼い主様が下した決断で、この子の運命が決まります。

 

困った時は、まずはかかりつけの動物病院の獣医師に相談してみましょう。

 

通院が難しいと感じた場合には、症状が治まるのを待つのではなく、往診専門動物病院に相談しましょう。

 

東京23区とその近隣地区(千葉、埼玉、神奈川含む)であれば、当院が対応できますので、お困りの際には、まずはご連絡ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

過去に犬の膵炎関連の記事を書いていますので、気になる方は是非読んでみてください!

急な食欲廃絶と嘔吐が止まらない(犬/東京目黒区/緩和ケア)

高齢犬の膵炎(嘔吐/食欲なし/動けない/東京中央区)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ペットの緩和ケアと看取りのお話

ペットの緩和ケアやターミナルケアをお考えのご家族様向けに参考ページを作成しました。

今後、もし慢性疾患など、治療による根治ではなく、症状や病状のコントロールのみと診断された場合、通院で今後も診てもらうか、在宅に切り替えるべきかを考える参考にしていただければと思います。

ペットの緩和ケアと看取りのお話

是非ご一読ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

過去に猫の腎不全関連の記事を書いていますので、気になる方は是非読んでみてください!

慢性腎不全を治療中の16歳の猫ちゃん(東京墨田区)

元気がなくなった高齢犬(東京墨田区)

慢性腎不全の猫(東京葛飾区)

ふらつく猫(東京板橋区)

 

◆-----------------------------------◆

東京台東区/中央区/港区エリアのペット往診 動物病院
わんにゃん保健室
 
ペット往診・緩和ケアならお気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

命を迎えるということは、見送るということです。

今回お話しさせていただくのは、わんにゃん保健室で在宅ターミナルケアを実施した、高齢犬で保護犬だったバウちゃんです。愛の溢れるご家族様に見守られながら、2021年10月23日、虹の向こうにお引越しされました。

高齢犬と暮らしているご家族様はもちろん、元気いっぱいのわんちゃん、猫ちゃんとくらいしている方、さらにはこれから命を迎え入れようとお考えのご家族様。

その子たちを全力で愛してあげてください。そして最後は、笑顔で送り出してあげましょう。

常に考えておいて欲しいこと:急変は常に起こりうる、ということ

1週間前までは普段と同じようにご飯を食べてくれて、一緒にお散歩にも行けていたのに、急に足腰に力が入らなくなったのか、お散歩はおろかご飯を食べることすら辛そうになってしまう。

高齢になったわんちゃん、猫ちゃんと暮らしているご家族様は、常にこの急な変化を予想していなければいけません。

この変化は、実は急に出たものではなく、徐々に進行していたものが、ある一定水準を超えたところでパツッと糸が切れかのように症状を出すのだと考えています。

おそらく1週間前もそれなりに痛く、気持ちが悪かったのかもしれないですし、それでも大好きなご飯やお散歩への精神が勝り、肉体を凌駕していたのかもしれません。

日々の変化をこまめにチェックし、些細な変化だとしても、実は些細な変化ではなく決定的な所見かもしれませんので、診察の際に担当獣医師に前回診察からの変化をお伝えしてください。

ポイントは、元気(運動性)、食欲(どのくらい食べたのか、普段の何割くらいなのか)、排便(便の状態、頻度など)、排尿(尿の色や臭い、頻度や量など)です。

大変だと思いますが、ご家族様しかできないことです。一緒に頑張っていきましょう!

ペット往診依頼までの経緯

もともと体が丈夫だったこともあり、健康診断程度でしか動物病院にかからないで13歳までこれたという中・大型犬のバウちゃん。

パピーの頃に保護されたバウちゃん、ご家族様の元に引き取られ、愛情をいっぱい注がれてすくすくと育ってきました。 お姉さんのお部屋が好きとのことで、リビングで生活し、寝るときはお姉さんのお部屋だったそうです。

かかりつけの動物病院にて、2019年頃に乳腺の病気を確認したのですが、このまま様子を見ていくこととなり、その後もずっと安定していたとのことでした。

それがここ数日で、乳腺の病気が急に大きくなってきてしまい、自壊して出血してしまったとのことでした。

昼夜鳴いて、お母さんたちを呼ぶとのことでした。

呼吸も苦しそうだったのですが、2日前までは食事ができていることから、このままゆっくり過ごさせてあげようと考えていたのですが、徐々に弱ってきたバウちゃんを前に、最後に何かしてあげられることはないかと思い、当院まで往診のご連絡をいただきました。

初診時の診療内容

初診では、今までの経緯を伺い、今考えられることと検査プラン、処置・処方プラン、そしてご家族様のご意向をしっかりとヒアリングさせていただき確認した上で、今後の診療プランを立てていきます。

わんにゃん保健室では、通常診療の初診は1時間~1時間半程度、緩和ケア・ターミナルケアの初診は1時間半~2時間程度の時間をかけて、今までの経緯、ペットの状態確認およびご家族様のご意向をしっかりとお伺いさせていただいた上で診療を行なっております。

通常の動物病院との大きな違いは、ゆっくりとお話しできるところです。バウちゃんの初診では、おおよそ2時間ほどお時間をいただきました。

1週間ほど前までは普通にご飯を食べ、散歩に出かけられていたが、急に歩けなくなり、ぐったりしてしまったとのことでした。

乳腺の病気(乳腺腫瘍疑い)のところから出血してしまい、お母さんのTシャツを着せて生活していたとのことでした。呼吸も苦しそうで、一番の問題は昼夜鳴いてしまうので、痛いのか苦しいのかってずっと考えてしまっていることです。

高齢犬の特徴で、「夜鳴き」がありますが、夜鳴き=認知症!と判断するのではなく、それは要求吠えである可能性も非常に高いと考えています。

実際に、処置を入れた後から夜鳴きが止まったことを考え、バウちゃんも何かを訴えていたのだと判断しました。

何を訴えていたのかは定かではありませんが、要求吠えが止まりぐっすり眠れていたことから、体が楽になったのは間違いないと考えています。

初診では、乳腺腫瘍の大きさと症状から乳腺腫瘍の全身転移を疑い、もうご自宅から移動させて精査するのは難しいことから、ご自宅でゆっくりと残りの時間を過ごさせてあげるためのターミナルケアの診療プランを組ませていただきました。

検査内容は、血液検査と超音波検査を酸素ボンベから純酸素を流しながら酸素化した状態を作り、呼吸に負荷の少ない環境を作って実施しました。

今ある異常所見を負担のない範囲で把握し、限定されたデータではありますが、そのデータの中から最良と考えられる処置・処方プランを構築していきます。

自壊した乳腺の保護の仕方を検討し、薬は注射薬を用いて皮下点滴と一緒に背中の中に流し込みました。

できるだけ快適に、かつご家族様に負担がかからないようなプランを構築していきます。

初診の翌日

翌日にお伺いすると、処置内容が功を奏したのか、昨日の診察後から鳴きがなくなり呼吸も落ち着いて、いびきかいて寝ていたとのことでした。ぐっすり眠れていたのはひさしぶりで、とても嬉しかったとのことでした。

それを聞いて、私たちも本当に嬉しかったです。

何気ない愛犬・愛猫の幸せそうな寝顔を見れることを、今は当たり前だと思っていますが、そうじゃない時期がやってくるということを、犬猫と生活されているご家族様方へ、この掛け合いからお伝えできればと思います。

食事に関しては、ドライもウェットフードも食べてくれなかったが、おやつはすごい食べてくれたとのことでした。

嘔吐や吐き気を示す所見をなかったとのことでした。

自力でお水を飲み、おしっこもしてくれたとのことでした。

ご家族様がいる間はいいのですが、やはり一人になると、乳腺のところをずっとなめてしまっていたとのことでした。

皮膚バリアが崩壊した状態にある部位は、犬猫からすれば気になってずっと舐めてしまうのは当たり前であり、おそらく野生の本能だと思います。

しかし、口腔内にはたくさんの雑菌がいるため、なめれば舐めるほど悪化してきます。

そのため、本来であれば物理的な障壁を作成し、舐められなくする必要があります。例えば、エリザベスカラーのようなものです。

回復期の犬猫であれば、間違いなくエリザベスカラーの設置や専用の洋服を着せるなどして、ある程度ペットグッズとして市場にある商品を使用することができるのですが、高齢犬・高齢猫において、自分の体を支えることすらままならない状態の子に対してどこまで耐えられるのかは、結構至難の技です。

経験上、ほぼ全てがご家族様によるDIYになっています。また、既製品で対応できそうなものがあれば都度ご紹介させていただきますが、結局DIYになっているというのが現状です。

今回は、自壊した乳腺に対して出血のコントロールとカバーをメインに考え、母乳パットと手ぬぐい、その上からお母さんの洋服を着せるというプランで進めていきました。

新しい洋服を着ると、なんとなく気分がよさそうなバウちゃんでした。

その後、呼吸の苦しさが少し増したことから、ご自宅に大型の酸素発生装置を設置しました。

呼吸状態が悪い子に対して、酸素供給ができることは、何より大切であると考えています。

少しでも楽に、残りの時間を過ごそうね!

その後の経過

その後は安定し、ご飯も少しではあるのですが食べてくれ、夜鳴きもなく初診の頃よりは快適に過ごせているとのことでした。ただ、10日間ほど便が出ていないことが気になっていました。

排便を促すことを目的に、シロップ剤を使用することになりました。

診察開始から一番いい顔を見せてくれていたバウちゃんでした。

この日も血液検査と超音波検査を実施し、ご自宅で使用してもらう皮下点滴内容をお渡しさせていただきました。

最初の頃と比べ、ご家族様がどんどん強くなっていくのを、診療を通じてひしひしと感じました。

急変と旅立ち

血液検査結果は一向に良化せずでしたが、全身状態として元気を取り戻しつつあったバウちゃんでしたが、10月22日の夜に急にぐったりしてしまい、23日早朝に往診にお伺いさせていただいたところ、右目が開きづらいような状態で、可視粘膜(唇の粘膜の色や舌色)が白さを大きく増していて、全身で出血が起きたことが疑われました。

診療時に排尿し、尿は黄色さを超え、おそらくオレンジ色であることから黄疸尿であると考えました。この日に実施した血液検査で黄疸が出ていたことから、もう体は限界だという合図だったのかもしれません。

久しぶりの排便を、診療時に少し認めたのですが、少し黒さを含んだ緩い便が出てきました。もしかすると黒色便かもしれないと疑いました。

黒い海苔の佃煮みたいな軟便~水っぽい下痢が出てきたら、それは旅立ちの合図になるかもしれません。治療中のわんちゃん・猫ちゃんであれば、緊急入院を視野に入れて動物病院へ駆け込む覚悟をしましょう。

実際のところ、貧血が大幅に進行していました。DICと言われる、体が限界の状態だったのかもしれません。

その日の診療を終え、安定することを祈っていた矢先、夕方にお電話をいただき、旅立ったことを教えていただきました。

最後は、お母さん、お兄さん、お姉さんに見守られながら、静かに眠りについたとのことでした。

予定よりも駆け足になった虹の向こうへのお引越しでした。

不思議なことに、わんちゃん、猫ちゃんってお別れの日を選べるんじゃないかなって思うことが多々あります。

また、あの日に見せた元気そうな姿は安定していたのでなく、エンジェルタイムだったのかなって思いました。そして、きっと最後は、安心して旅立てたのだと思っています。

バウちゃん、そして闘病を必死に支えてくれたご家族様、本当にありだとうございました。
一緒に頑張れたことを、スタッフ一同光栄に思います。
バウちゃんのご冥福を、心からお祈り申し上げます。

最後に

ペットを迎えるということは、命の責任を取るということであり、それは簡単なことではないです。
そして、迎えるということは、見送るということです。
お別れは必ずやってきます。その日まで、全力で幸せにしてあげてください。

なかなか通院させられないタイプのわんちゃん、猫ちゃんには、往診という選択肢があります。また、往診は動物病院に付随するものでなく、時間の融通がきくことを考えると、できれば往診専門の動物病院がおすすめです。

なお、緩和ケアやターミナルケアでは、通常の往診よりも密な診療プランを組む必要性が出ることから、その往診専門動物病院の診療体制で選ばれるのがいいかと思われます。

往診専門動物病院わんにゃん保健室は、犬猫の在宅緩和ケア及びターミナルケアに特化してチーム医療をおこなっています。 いつから往診にすればいいのか、どんな時に往診を呼ぶべきなのか、など、参考となるページを作成しましたので、今後往診に切り替えたい、家で看取ってあげたいなどをお考えのご家族様は、是非そちらを一読いただければと思います。

通院できないからと諦める前に、まずは往診専門動物病院までご連絡ください。

◆-----------------------------------◆

東京台東区/中央区/千代田区エリアのペット往診 動物病院
わんにゃん保健室
 
ペット往診・緩和ケアならお気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆
 

皆さんは、「誤嚥性肺炎」ってをご存じでしょうか?

 

人の医療では、よく赤ちゃんと高齢者が発症しやすい病気なのですが、実は犬猫でも同じです。

 

飲み込んだご飯やお水、嘔吐物などが誤って気道に入ってしまい、通常だと咳が出て、それらを吐き出そうとするのですが、それがうまくいかずに肺に流れてしまって引き起こされます。

 

高齢の犬猫に対して食欲がない場合に、無理矢理にでも栄養を取らせたいという目的から、「強制給餌」を行うことがあります。

 

強制給餌とは、その名の通り、半強制的に喉の奥にご飯を流し込む手法です。

 

回復期であれば止むを得ないと考え実施することが多いのですが、緩和ケアの後半やターミナルケアでは、あまり望まれないご家族様がいるが事実です。

 

少しでもお腹が減っているだろうから、少しでも栄養を摂らせてあげたいというご家族様の意志とは裏腹に、食欲がないのにご飯を流し込まれるのは、やはり、ペットたちからすれば苦痛なのでしょう。

 

加えて、顔や鼻(マズル)を押さえられるのが好きじゃない犬猫がほとんどです。

 

やればやるだけ、栄養は入ります。

 

しかし、愛犬、愛猫からすれば、「なんでそんなに嫌なことをするの?」って気持ちになるのか、頑張りたい飼い主様の気持ちに逆行するように、どんどん心の距離ができてきます。

 

立ち上がるだけで、逃げるようになることもありますし、人が起きてる時間をずっと隠れてしまっていることもあるかもしれません。

 

それでもやってあげたいし、栄養が入ればふらつきや、はたまた貧血などの状態も改善するかもしれない!って期待もあります。

 

もし皆さんでしたら、自分の子に強制給餌、やってあげたいですか?

 

今日は、強制給餌にはつきものになりやすい誤嚥性肺炎について、予防方法なども含めてお話していきます。

 

1581779229010.jpg

 

誤嚥性肺炎について

誤嚥性肺炎とは、冒頭にお話しさせて頂いた通り、食道に入るべきものが誤って気道に入ってしまった際に起こる肺炎です。

 

赤ちゃんや高齢者は、吐き出す力が弱かったり、免疫が落ちてしまっているため、誤嚥性肺炎が命に関わることも多々あります。

 

肺炎が命に関わるというのは、誤嚥性肺炎に関わらず、風邪の悪化やインフルエンザ、流行りの新型肺炎などでも共通しているので、皆様も肺炎にはお気をつけください。

 

話しを元に戻しますが、人と同様に、犬や猫でも、子犬や子猫、特に高齢犬や高齢猫では誤嚥性肺炎がとても多く見られます。

 

そして、そういった子たちは別の疾患で重症な中で誤嚥性肺炎を起こしてしまったり、老齢で体力的にすでに立つことができない場合が多く、治療が難しく、それが直接の原因となって命を落としてしまうことも少なくありません。

 

 

強制給餌での誤嚥性肺炎予防

 

1. 正しい姿勢であげましょう

 

姿勢は特に重要です。

 

寝転がった状態で上げようものならば、うまく飲み込めずにむせってしまって当然です。

 

私たちも、寝た状態で何かを飲み込むのって難しいと感じると思います。液状のものであれば、ストローが補助してくれますが、だとしても、それは口に含むまでであって、飲み込むのは結局難しいです。

 

姿勢を正さずに口にご飯を入れられてしまった場合には、基本的には自分で飲み込めない分はちゃんと吐き出してくれますが、何かの影響でむせてしまった瞬間に誤嚥の可能性があります。

 

注意しましょうね!

 

体勢の維持には左右から抑え込むクッション素材が最適です^^

 

2. 呼吸状態

 

苦しそうな時は、無理に責めないでください。

 

通常は気管への道が開いているのですが、飲んだり食べたりするときには、気管への道を遮断し、食道への道が開かれます。

 

この開閉作業は自動で行われていますが、老化現象というべきなのか、この作業をたまに失敗するようです。

 

ましてや、呼吸が苦しければ、常時気道への道を優先して確保し、頑張って呼吸して全身にぎりぎりの酸素を供給している状態だと思います。

 

そこにご飯(特に液状は要注意!)が入ってきたら、無理矢理気道を閉じて、食道への道を開かなければいけません。

 

もちろん、飲み込み終わるまでは気道が開きませんので、苦しさは増します。

 

そして、さらにもう一口と、ペットの顔を保持し上に向け口の中にご飯を流し込んだ時、低酸素状態に耐えられずに呼吸してしまった犬猫に誤嚥させてしまう、というような流れです。

 

呼吸状態が悪い犬猫への強制給餌は、酸素化してあげることが何より重要です。

 

在宅酸素を、動物病院から、または専用業者からレンタルできるかと思いますので、かかりつけの動物病院に尋ねてみましょう!

 

3. 1回量に注意

わんちゃんならまだしも、ここでは猫ちゃんのことをメインで話していきます。

 

猫ちゃんの場合、やってみて感じるのは、一回に0.5ml〜1ml程度までにしたほうが無難だと思います。

 

また、1回の食事で流し込める量は5ml程度から開始し、徐々に増やしていくのがお薦めです。

 

猫ちゃんの胃袋はそこまで大きくない(犬と比較してそこまでって感じです。)ということを知っておくのが大切です。

 

おおよそ、額の大きさだと言われています。

 

たくさん食べてほしい気持ちはわかりますが、一気に入れすぎて吐き出させてしまった結果、体力を奪うだけになってしまった、という悲しい結果にならないように、気をつけてあげてくださいね^^

 

というような感じで、今回は強制給餌における注意点を3つご紹介させていただきました。

 

まだまだポイントはありますが、その子の状態や性格、そして実施するご家族様を含めた生活環境などが要因として加わってくるために、これ!というパターン決めが難しいです。

 

そのため、実際に強制給餌をやりたいと、ご家族様が判断した場合には、かかりつけの動物病院でやり方を教わることが、まずは大切かと思われます。

 

また、もし動物病院への通院が難しい場合には、きてくれる往診の獣医師を片っ端から電話してみる、という方法もまた一つです。

 

東京都内、特に中央区を含めた23区および埼玉県、千葉県、神奈川県の東京近郊であれば、私たち、往診専門動物病院わんにゃん保健室がお伺いできますので、お困りの際にはご連絡ください。

 

X線検査や人工呼吸器などを必要としない検査、処置の一通りをご自宅で行います。

 

また、大型の酸素発生装置も保有しておりますので、当院の獣医師の判断のもと、最短即日でご準備させていただき、少しでも早く楽な状態を作れるように、みんなで工夫させていただきます。

 

このほかにも、高齢犬、高齢猫の場合は介護が必要になることもあり、そんな時にお家で出来るケアは沢山あります。

 

何かしてあげたいけれどどうして良いか分からない、そういった場合には往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。高齢犬や高齢猫の介護にも詳しい獣医師、看護師がしっかりとご相談させて頂きます!

 

ペットの緩和ケアと看取りのお話

ペットの緩和ケアやターミナルケアをお考えのご家族様向けに参考ページを作成しました。

今後、もし慢性疾患など、治療による根治ではなく、症状や病状のコントロールのみと診断された場合、通院で今後も診てもらうか、在宅に切り替えるべきかを考える参考にしていただければと思います。

 

ペットの緩和ケアと看取りのお話

 

是非ご一読ください。

 

◆-----------------------------------◆

東京台東区/中央区/千代田区エリアのペット往診 動物病院
わんにゃん保健室
 
ペット往診・緩和ケアならお気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

昨日までいつも通りご飯も食べられていたのに、今日になって急に食べられなくなってしまった、という経験はありますか?

 

老化現象に伴うこともあれば、病気が急に悪化した可能性も考えられます。

 

例えば、気持ちが悪くて食べられないのか、痛みを伴っていて食べられないのか、物理的に詰まっていて食べられないのか、または単純にご飯に飽きてしまったかなど、考えることは多岐にわたります。

 

今日はそんな中から、腎不全に伴う口内炎を発症した猫ちゃんのお話です。

 

口内炎があれば、人だって食欲がなくなります。

 

猫ちゃんでは特にそれが顕著で、口が痛くなってしまうと全く食べなくなってしまいます。

 

それと同時に、お水も飲まなくなってしまうので、結果脱水状態が進んでしまい、その状態が続くとぐったりして重篤な状態になってしまいます。

 

猫ちゃんにとって、口が痛くて食べられない、というのはすぐに命に関わる重大なことになるので、口が痛そうな場合には早めに動物病院にご相談することをお勧めします。

 

慢性腎臓病の猫.jpg

 

なぜ口内炎ができてしまうのでしょう?

 

原因は様々で、たとえば猫エイズやヘルペスなどのウイルス性の疾患や、慢性腎臓病、アレルギー性疾患など多岐に渡ります。

その原因をはっきりさせて適切な治療を行い、同時に口内炎の治療を行う必要があります。

今回はそんな口内炎に悩んでいた高齢猫ちゃんのお話です。

 

症例:東京中央区在住の高齢猫(ヒジキちゃん)

東京中央区区在住の17歳の高齢猫のヒジキちゃんです。

 

基本的には前日までのご予約での診療とさせていただいておりますが、猫ちゃんたちの状態や病気は待ってくれないため、大体が当日の診療予約となっています。

お問い合わせ内容は、口が痛そうで食べない日が続いているので往診をしてほしいとのことでした。

 

お家にお伺いすると、ひじきちゃんは部屋の隅に置いてあるベットの上で丸まっていて、こちらをチラッと見て尻尾で軽く挨拶をしてくれましたが、筋肉が落ちて痩せており、辛そうな様子が見て取れました。

 

まずはご家族様から詳しくお話しをお伺いすることにしました。

 

ご家族様によると、2週間ほど前からヨダレが増えて、ドライフードのかけらがお皿の周りに落ちることが多くなった気がしていたそうなのですが、その時点ではまだご飯も食べていたためあまり気にもとめていなかったそうです。

 

しかし1週間前から少しずつご飯を残すようになり、2,3日は全く口をつけようとせず、ヨダレで口の周りの毛が濡れていることが多くなったとのことで、口の痛みが疑われました。

 

お水もここ数日は数口程度しか飲んでおらず、スプーンで運んで行っても飲んでくれないとのことで、ご家族様としては脱水も気になるとのことでした。

 

おしっこもいつもは日中も何度かするのに、ご飯を食べなくなってからは朝晩の2回ほどに減ってしまっているらしく、かなり心配な状態でしたが、ひじきちゃんは元気な時はお外ではかなり鳴いてしまい、とても動物病院に連れて行ける状態ではないぐらい興奮してしまうとのことで、往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡を頂いたそうです。

 

おはなしをお伺いしたところ、何らかの原因で口が痛くなってしまって食べなくなってしまったことから、高齢猫に多い慢性腎臓病の可能性を考えて、血液検査を行うことをご相談したところご同意が得られたので、身体検査に加えて血液検査も実施することとしました。

 

検査開始

 

身体検査では激しい脱水が見られ、口の中を確認するとかなり痛そうな口内炎が見られました。

 

また、ヨダレもたくさん出ており、おそらくこれが原因で食べれなくなってしまっていることが想像されました。

 

そのほか、結膜炎や鼻水は見られず、ウイルス性の可能性は低いのかなという様子でした。

 

その後採血もお利口にやらせてくれて、最後に皮下点滴と抗炎症剤、抗生剤や吐き気止めなどを注射してその日の診察は終了としました。

 

脱水がひどいので、次の日にもう一度再診予定として、ひじきちゃんに挨拶をして、お家をあとにしました。

 

血液検査結果は、動物病院とは異なり、その場では結果が出ないため、一度オフィスに持ち帰ってから検査を開始します。人間の病院のようなイメージで考えていただければ大丈夫です。

 

血液検査では、予想していたように、腎臓のかなり数値が高く、やや貧血も進んでいました。

 

また、白血球も少し上昇しており、炎症があることが予測されました。

 

そのほかには特に大きな異常値はなく、まずは点滴をして脱水を改善し、腎臓の数値を下げること、それと共に抗炎症剤を入れて、口内炎を抑えてご飯を食べられるようになることを目標にして、治療プランを考えていきました。

 

次の日、再診にお伺いすると、スープを少し飲んでくれたとのことで、ご家族様のお顔も少し安心されていて、私たちも安心しました。

 

ひじきちゃん自身も少し痛みが和らいだのか、ヨダレも減っていて、今日も引き続き同じ処置を行うことにしました。

 

今後の治療プランとして、口内炎が治るまでは抗炎症剤も入れて注射を行い、治ってきても、慢性腎臓病の疑いがあるため、数値が高ければ皮下点滴が必要であることをお伝えし増田。

 

ご家族様からは、できればお家で皮下点滴をできるようになりたいと申し出がありましたので、皮下点滴をご家族様だけでご自宅で行なって頂けるようにしっかりとご指導し、点滴をお渡しすることを今後のプランに組みました。

 

しかし、ひじきちゃんはまだしっかりと食べられているわけではないので、3日間は私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフがお伺いして様子を見て、ある程度食べられるようになってから、点滴をお渡しすることになりました。

そして1週間後、ひじきちゃんはしっかりとご飯を食べられるようになり口内炎もおさまりましたが、腎臓の数値はまだ高いままなので、皮下点滴をお家で行なって頂くこととしました。

 

獣医療というのは、犬猫たち、ご家族様、そして獣医師看護師の3つがチームになって初めて最良の医療を提供することができると考えています。

 

もし動物病院に連れて行けないなどのお悩みがあれば、いつでも往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。

 

過去に猫の腎不全関連の記事を書いていますので、気になる方は是非読んでみてください!

 

慢性腎不全を治療中の16歳の猫ちゃん(東京墨田区)

元気がなくなった高齢犬(東京墨田区)

慢性腎不全の猫(東京葛飾区)

ふらつく猫(東京板橋区)

 

ペットの緩和ケアと看取りのお話

ペットの緩和ケアやターミナルケアをお考えのご家族様向けに参考ページを作成しました。

今後、もし慢性疾患など、治療による根治ではなく、症状や病状のコントロールのみと診断された場合、通院で今後も診てもらうか、在宅に切り替えるべきかを考える参考にしていただければと思います。

 

ペットの緩和ケアと看取りのお話

 

是非ご一読ください。

 

◆-----------------------------------◆

東京台東区/中央区/港区エリアのペット往診 動物病院
わんにゃん保健室
 
ペット往診・緩和ケアならお気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診専門獣医師の江本です。

 

当院は、東京中央区・台東区にメインオフィスを構え、東京23区および近隣地区まで獣医師と動物看護師が一緒にお伺いさせていただいています。

 

診察の全てにおいて、往診獣医療チームで対応しますので、ご家族様にはその傍で愛犬・愛猫を応援していただければと思っています。

 

通院させるのが難しいな、負担だな、と感じた時は、諦める前にまずはお住まいのエリアまで来てもらえる往診専門動物病院へ電話しましょう!

 

最近出会った膵炎発症の高齢犬がいましたので、今回は膵炎のお話をわかりやすく、そして往診での考え方について解説していきます。

 

犬膵炎.jpg

 

みなさん、膵炎という病気をご存知ですか?

人の医療では、膵炎の原因はアルコールや暴飲暴食、脂質の多い食べ物を食べすぎたりといった、食生活の乱れが原因と言われています。

 

一方で、人の食べ物を食べていない犬や猫では、ある意味人よりも食生活の点でいうとバランスのとれた食生活を送っていると言えます。

 

しかし、そんな犬や猫でも膵炎が起こってしまうのはなぜでしょうか?

 

もちろん犬や猫でも、人の食べ物や脂質の多いおやつをたくさんあげている場合には、膵炎になってしまうリスクが上がってしまいます。

 

しかし、原因はそれだけではありません。

 

自分自身の細胞が、自分の細胞(臓器)を攻撃してしまう自己免疫性の膵炎であったり、ミニチュアシュナウザーでは遺伝的に高脂血症になりやすかリスクが高くなります。

 

 

あるいは感染性の膵炎であったり、術後に血栓ができてしまって膵炎になったり、と原因は様々ありますが、犬では90%以上が原因不明の膵炎と言われています。

 

膵炎とはどういったものなのでしょうか?

膵臓は、胃の裏側あたりに位置し、インスリンなどのホルモンを出したり、消化酵素を十二指腸に分泌したりする働きがあります。

 

通常、膵臓から出る酵素は強力ですが、膵臓自身を消化しないように、十二指腸に達してから酵素が活性化されて働くようになります。

 

しかし、何かしらの原因で消化酵素が膵臓の中で活性化してしまい、膵臓自身を消化してしまうことがあります。

 

これが膵炎です。

 

そうすると、膵臓の細胞は溶かされ、膵臓や周辺の臓器で強い炎症が生じます。

 

その炎症が膵臓周囲だけで治れば、死に至ることは少ないかと思われますが、その炎症が、膵臓周辺だけでなく、肝臓や胃腸、さらには全身に広がってしまうと、血栓の原因にもなります。

 

話はそれますが、COVID19による肺炎も、肺炎が死因ではなく、肺での炎症により全身に炎症が広がり、血栓ができやすくなってしまい、血栓症になってしまうことが死因になっていると言われていますね。

 

まだまだ不明なことが多いので、これからの研究に期待です。

 

話が大きくそれてしまいましたが、膵炎での死因も血栓症や、全身性の炎症反応、あるいは敗血症が二次的に引き起こされることが大きいと言われています。

 

膵炎になってしまうとどんな症状が出るのでしょう?

膵炎には2種類あり、急性膵炎慢性膵炎があります。

 

まずは急性膵炎のお話です。

 

急性膵炎とは、まさに名前の通り、急激に起こる膵炎です。

 

その進行はとても早く、治療をしなければ2,3日で亡くなってしまうこともあるほどです。

 

急性膵炎の場合、1番最初に見られるのは嘔吐や下痢、腹痛、食欲不振、発熱といった症状です。

 

特異的な症状はなく、他の病気にも当てはまる症状なので、診断が重要になってきます。

 

診断は血液検査や超音波検査によって、総合的に判断します。

 

また、膵臓の数値を測定することで、確定診断が得られます。

 

早期に診断ができれば、すぐに治療を始めなければなりません。

 

まずは点滴や吐き気どめや痛み止めの注射、そして血栓予防の注射を行います。

 

かなり痛みが強いため、鎮痛は積極的に行います。

 

そして人の医療では、急性膵炎の場合には絶食をすると言われていますが、獣医療では、吐かないのであれば出来るだけ早期に口からご飯を食べることが重要と言われています。

 

そうすることで、栄養分を膵臓に届けて、膵臓の回復に努めていきます。

 

ほとんどの場合、1週間ほどで血液検査の数値も落ち着き、お薬も減っていきます。

 

◎急性膵炎に対する往診の考え方

急性膵炎は集中的な入院管理が必要であると考えているため、往診のご依頼を頂いたとしても、電話の段階で判断し、入院治療を視野に入れて、できる限り急いで動物病院に行くように指示させていただいております。

特に、老犬ではなく、さっきまでは普通にご飯も食べれていたし、散歩も行けていたなどの場合で、急に嘔吐・下痢が止まらなくなったといった場合には、まずは急性膵炎を疑い通院を促します。

しかし、そうだとしても現実的に動物病院に連れて行くことが難しいと判断された場合には、往診でお伺いし、今の環境で提供できる獣医療内容を相談し、最良となる処置・処方プランや検査を含めた診療プランをご提案させていただきます。

みんながみんな、こういった時に通院させられる訳ではないので、ご家族様だけで悩まないで、まずは相談してくださいね!

 

 

一方慢性膵炎では、これといった急激な症状が現れないので、診断が難しいこともよくあります。

 

何となく元気がない日がある、何となく食欲がない日がある、といって症状なので、ご家族様も気付きにくく、動物病院に連れてくるきっかけとなりにくいことも一つの要因です。

 

診断は、急性膵炎と同様血液検査や超音波検査にて判断します。

 

血液検査では、膵臓の数値が軽度に上昇していたり、超音波検査では、膵臓が軽度に腫れていたりといった所見が認められます。

 

しかし、慢性膵炎は急激な悪化がなければ死に至ることは少ないので、まずは対症療法と食事療法を行います。あるいは慢性膵炎の内服薬を処方することもあります。

しかし、慢性膵炎も油断していると、急激な悪化をして急性膵炎になることがあるので、なんかいつもと違う、元気がない気がするなど、思い当たることがあれば、早めに獣医師にご相談ください。

 

◎慢性膵炎に対する往診の考え方

こんな感じで、あんまり特徴的な所見を認めないのが、慢性期の特徴でもあったります。

そのため、往診では、1回の検査でできる限り疑わしい検査を、わんちゃん・猫ちゃんの負担を考慮した上で実施するように心がけています。

通常の動物病院であれば、たとえば血液検査を考えると、費用を考慮した上で、検査項目を最小に絞り、広げたい場合には再度通院してもらい追加検査を行うかと思われますが、往診ではそうはいきません。

往診の場合には、そもそもが検査による負担が大きい場合を常に考えなければいけません。さらに、ここを検査したいので今日これから伺います!が、できないのがまた往診です。

往診だと、ここを検査したいので、次回1週間後、または1ヶ月後に追加で検査します、となってしまい、そんな悠長なことが言えないのが、おそらく初診かなと、経験的に感じています。

そのため、通院が難しく、在宅医療にお切替を検討される場合には、疑わしくは先に検査を検査することを大切にし、何度も採血するようなことはできるだけ避けてあげましょう。

 

最後に・・・

こうした膵炎ですが、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室でも膵炎を発症した犬猫と出会うことがあります。

 

急性期には毎日、時には1日2回お伺いすることもあります。

 

大型犬で動物病院に連れていくことが難しい場合、人が苦手で動物病院に連れていけない場合など、その子の性格によって動物病院に行けない理由は様々かと思います。

 

しかし、だからといって決して諦めずに、往診専門動物病院わんにゃん保健室にご相談ください。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ご家族様と動物に合った治療をご提案させていただきます。

 

 

過去に犬の膵炎関連の記事を書いていますので、気になる方は是非読んでみてください!

急な食欲廃絶と嘔吐が止まらない(犬/東京目黒区/緩和ケア)

高齢犬の膵炎(嘔吐/食欲なし/動けない/東京中央区)

 

◆-----------------------------------◆

東京台東区/中央区/港区エリアのペット往診 動物病院
わんにゃん保健室
 
ペット往診・緩和ケアならお気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
 
【わんにゃん保健室 本部】
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室 中央区支部】
〒104-0053
東京都中央区晴海3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江東区支部】
〒135-0046
東京都江東区牡丹3丁目近郊
 
【わんにゃん保健室 江戸川区支部】
〒134-0087
東京都江戸川区西葛西1丁目近郊
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム・facebookがスタート!
 
instagram:wannyan_hokenshitsu公式アカウント
Facebook:往診専門わんにゃん保健室公式アカウント
 
◆-----------------------------------◆

 

求人情報
ブログ
遠隔診療について
非常事態宣言について
ドクターズインタビューに当院のドクターが掲載されました

所在地

本拠点:
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4
マスヤビル5F

東京23区へ往診エリア拡大!
お気軽にご相談ください。

診療日・受付時間

診療時間 10:00~19:00
休診:不定休

>診療カレンダー

電話番号

03-4500-8701
診察をご希望の場合には、必ず留守番電話に
メッセージをお残しください
(お名前、ご住所、電話番号、動物種、年齢、体重、性別、症状)

お問い合わせ

お問い合わせはコチラ

リンク集

ご自宅での緩和ケアを
ご検討される方へ
TEL:03-4500-8701
電話受付時間:10:00~19:00
往診WEB予約 24時間受付中
お問い合わせ・ご相談もこちら