わんにゃん保健室 03-4500-8701

皆さんは、往診専門動物病院があることをご存知でしょうか?

往診専門動物病院は、通常の動物病院とは違い、獣医師と動物看護師が、わんちゃん・猫ちゃんたちが暮らすお家まで訪問し、診察を行います。

ワクチンなどの軽度医療も行なっておりますが、メインとなっている診療が、腎不全などの慢性疾患や、ご自宅での看取りまでを一緒に歩んでいくターミナルケアです。

緩和ケア、ターミナルケアでは、飼い主様の意向を十分な時間をかけてゆっくりとお伺いし、一緒に最良となる診療プランを立てていきます。

ご近所にある動物病院に今まではかかっていたが、もう動かすことが可哀想で、できれば家の中で苦痛を軽減しながら余生を過ごさせてあげたいという思いを抱いている飼い主様、まずはご連絡ください。日程調整を行い、お家までご訪問させていただきます。

 

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今回は、連日お送りしているリンパ腫の話です。今回もまた、高齢猫ちゃんのお話です。

 

リンパ腫は抗がん剤がよく効く治療の1つではありますが、高齢で、腎不全がある猫ちゃんには抗がん剤は負担が大きいのであまり実施する事はありません。

そのため高齢のリンパ腫の猫ちゃんではターミナルケアを実施します。

今回は往診専門動物病院わんにゃん保健室にてターミナルケアを行ったリンパ腫の高齢猫の治療経過をお話しします。

 

症例は東京都江戸川区在住の15歳の高齢猫のサラちゃんのお話です。

 

私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室は、都内の東側にいくつかの拠点があります。

最近、東京江戸川区に江戸川区支部を設けました。

東京江戸川区には、江戸川区支部を設けてから頻繁に往診するようになりました。東京江戸川区は土地が広く、往診という診療形態ですので、駐車場がたくさんあるという利点をいつも嬉しく思っています。

往診車でサラちゃんが待つご自宅までお伺いすると、サラちゃんはリビングで待っていてくれました。

高齢猫のサラちゃんの鼻がズビズビしており、鼻血が出て、もう2ヶ月ほど鼻がつまっているとのことでした。

サラちゃんはかなりナーバスな猫ちゃんで、ご家族様も触るのが難しい猫ちゃんです。

そのため、動物病院には子猫のときにワクチンに行ったきり、行けておらず、健康診断なども行ったことがないということでした。

しかし、2ヶ月ほど前から鼻がつまり出してきて、最初は風邪かな?と思っていたそうですが、そのうちくしゃみとともに鼻血を出すようになって心配なってきたとのことでした。

とはいえ、サラちゃんをキャリーに入れて動物病院に連れて行くことは難しいため、様子を見ていたそうです。

すると、ここ最近は食欲も落ちてきてしまい、さすがに風邪だけではないと思い、往診での診察を探していたところ、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室を知ったとのことでした。

ここで、鼻血というのが気になるポイントでもありました。

鼻づまりがある場合、通常は鼻の感染症と腫瘍、骨格の問題、歯の感染などを考えます。

かし、鼻血が出るとなると、もちろん感染症でも鼻血が出ることはありますが、多くの場合腫瘍があると考えなければなりません。

高齢でもあるので、食欲不振が鼻の方から来ているのか、他の疾患から来ているのかも見ていく必要があるため、まずは身体検査と血液検査、腫瘍だった場合にお腹に転移などがないかどうかを見るために超音波検査をご提案させて頂きました。

ご家族様としては、今まで検査をしたことがないので、今日で出来る限りの検査をしてあげてほしいとのご希望でしたので、サラちゃんの様子を見つつ実施させて頂くこととしました。

 

サラちゃんのお部屋に入ると、とても威嚇していて、カーテンの裏側に隠れてしまっていました。

しかし、こういった場合にも往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフは慣れています。

うまくサラちゃんをタオルで包んで保定して、まずは身体検査です。

身体検査では、鼻血の跡が見られ、左右ともに詰まってしまっている様子でした。また、体は削痩しており、脱水も見られました。

口の粘膜の色は薄く貧血も見られます。

 

次に採血です。

 

採血では、サラちゃんとても興奮していましたが、素早く終わらせてすぐに楽な姿勢に戻ってもらいました。最後に超音波検査です。

超音波検査では、お腹の臓器を一通り全て見ていきますが、肝臓や腎臓に転移と思われるような所見が認められました。

その日はまずは対症療法として、皮下点滴と吐き気どめや胃薬などを注射し、サラちゃんは解放しました。

 

これらの結果をご家族様にご説明し、やはり鼻の方は腫瘍の可能性が高いということをお伝えしました。

鼻の方をしっかりと見ていくためには、鼻は骨に覆われているため、レントゲンやCT検査を行って、どういった腫瘍かは細胞を取って検査をしなければ分からないことをお伝えさせて頂き、もし検査までご希望であれば二次診療施設をご紹介することもできるけれど、ということをご相談にさせて頂いたところ、それはかなりサラちゃんにとってストレスになるだろうということで、腫瘍に対するターミナルケアを実施していくこととしました。

そのため、もう一度だけサラちゃんを保定し、ステロイド剤を注射してその日の診察は終了とし、次の日もう一度お伺いさせて頂くこととしました。

ステロイド剤は、腫瘍によってはかなり効果を示してくれます。今回のサラちゃんにもそれを期待して使用していくこととしました。

 

血液検査では、白血球数、特にリンパ球や肝臓、腎臓の数値全てが上昇していました。

この結果からほぼリンパ腫の転移で間違いなく、骨髄まで転移が起こっていることが予測されました。

リンパ腫であればステロイド剤は初期はかなり効いてくれますが、かなり腎臓の数値も上がっているため、食欲がどこまで回復してくれるか心配なところでもありました。

 

次の日お伺いすると、サラちゃんは相変わらず別のお部屋にいて、ご飯はウェットフードを少量食べてくれた程度だったとのことでした。

昨日の結果をご説明し、どれぐらいステロイドの効果が出てくれるかとお伝えさせて頂いたところ、注射前よりは顔つきが良いとのことでした。

そのため、その日も点滴と注射を行い、1週間は連続でお伺いさせて頂くこととしました。

 

あと3日で1週間目となりますが、サラちゃんは少しずつ食べてくれています。

 

ご家族様のご希望としてはなんとか苦しむことなく最期を迎えさせてあげたいとのことでしたので、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室でも少しでもサラちゃんがしんどくないように願っています。

 

今回のサラちゃんのように、動物病院に連れていくどころか、ご家族様が触るのも難しいという猫ちゃんもよく出会います。

そういった場合には一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

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往診専門動物病院 往診獣医の江本宏平です。

 

往診専門動物病院があることをご存知でしょうか?

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なんとなく元気がない、便が緩い(軟便・下痢)、よく吐く(嘔吐)、フラフラする(ふらつき)など、日常の中でよく遭遇する症状に気がついた場合には、きっと家の近くにある動物病院にペットを連れて通院し、獣医師の診察を受けるかと思います。

そのため、動物病院への通院や外出が大の苦手でない場合には、近くにある動物病院がかかりつけの動物病院になることと思います。

しかし、中には動物病院に連れて行けないケースも多くあります。

その代表例が猫です。

猫ちゃんは、家の中から連れ出されることが大嫌いであり、ほとんどの猫ちゃんがキャリーにすら入ってくれません。

また、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーなどの大型犬の歩行困難(歩けない、立ち上がれない)でも、動物病院への通院を断念してしまうケースに該当しています。柴犬やコーギーなどの中型犬クラスでも、飼い主様がペットを担いで動物病院に行けないというお問い合わせを受けることもあります。

こういった場合には、往診専門動物病院をご利用ください。

往診専門動物病院は、東京都内だけでも10を超える数があります。それぞれの動物病院で特色がありますので、予約する前に各動物病院のホームページをご確認ください。

 

獣医師が一人で運営している動物病院では動物看護師がいませんので、飼い主様に処置や採血、保定などをお願いする場合があります。

その場合には、どんなことを協力すればいいのか、事前に準備しておくものは何かなど、電話予約の段階で往診専門動物病院に伺っておくことをお勧めします。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、獣医師と動物看護師が一緒にご自宅までお伺いさせていただき、スムーズな処置、検査から飼い主様、わんちゃん・猫ちゃんにとって可能な限りストレス無く診察をさせていただいています。

また、完全予約制ですので、ペットも安心できる空間でゆっくりとお話をお伺いさせていただき、その子その子にとって最良の診療方針をご提案させていただきます。

特に、ペットが高齢であったり、家での緩和ケア、ターミナルケア及び看取りをご検討されている飼い主様は、急変する前にご連絡をいただき、事前に診察にてカルテを作成しておくことをお勧めします。残された時間をその子らしく過ごせるよう、全力でサポートさせていただきます。

 

さて、ここからが本日の記事です。

本日も連日お送りしている、慢性腎不全の猫ちゃんのお話です。

 

猫ちゃんを迎えることを決めたその日から、腎臓病について知っておかなければいけないと言っても過言ではないです。

 

ということで、今回も慢性腎臓病の高齢猫のお話です。

 

慢性腎臓病というと、よく耳にする病名かと思いますが、どのような症状が出るかご存知ですか?

猫ちゃんは症状を隠してしまい、なかなか気付くことができず、気付いた時にはかなり悪化してしまっているというケースも少なくありません。

しかし、動物病院に猫ちゃんを連れて行くというのは、猫ちゃんにとっても、ご家族様にとってもストレスが大きいかと思います。

初期症状を知っていれば、早い段階で気付くことが出来、また往診専門動物病院わんにゃん保健室であれば、動物病院に連れて行くというストレスもなく診察をさせて頂くことができます。

そこで、今回は初期症状のお話もはさみつつ、慢性腎臓病の高齢猫ちゃんのお話しをさせて頂こうと思います。

 

症例は東京江東区在住の16歳の高齢猫のニャン太ちゃんです。ニャン太ちゃんと初めて出会ったのは1年ほど前のことです。

お電話にて、最近尿量が増えた気がするとのことで往診をご希望され、お伺いさせて頂きました。

東京江東区にも往診をしてくれる動物病院は複数ありますが、動物病院業務が多忙であるために、動物病院業務が終わった夜中だったり、頑張ってたまに昼休憩中に行っているのが現状です。そのため、高頻度での往診を実施することが現実問題難しいです。

東京江東区は、最近では週1~2回程度往診で行っている方向ですので、もし東京江東区で動物病院への通院が困難な状況にある犬猫と暮らしている飼い主様はお気軽にお問い合わせください。

 

話を戻します。

 

ニャン太ちゃんはシニア猫のためなのか、お家の中ではとても温厚でした。お母さんのお話だと、一歩でもお外に出ると大興奮してしまうらしく、一度動物病院に連れて行って以来、動物病院に連れて行くハードルが上がってしまい、当院までご連絡を頂いたとのことでした。

ニャン太ちゃんは、お家での診察ではすごく大人しく、身体検査も血液検査も順調に終わり、すぐに解放しました。

高齢で、尿量が増えたとのことでしたので、慢性腎臓病を疑って診察を行い、脱水も見られたので、その日は点滴のみ実施し、次の日に血液検査の結果のご説明にお伺いすることとして、診察を終了としました。

血液検査では、腎臓の数値が上昇してきており、慢性腎臓病の治療を開始することをご提案させて頂き、皮下点滴とともに慢性腎臓病の内服薬もスタートすることになりました。

 

そんなニャン太ちゃん、月に1回の往診で調子が良かったのですが、先日食欲が落ちてきたとのことでご連絡があり、急遽お伺いさせて頂くこととなりました。

 

お家にお伺いすると、いつもキャットタワーの中にいるニャン太ちゃんですが、その日はベッドに横になって元気がない様子でした。

詳しくお話しをお伺いすると、数日前から食欲が落ちていて、今日は全然食べていないとのことでした。

お水もあまり飲んでいないとのことで、慢性腎臓病の悪化を疑い、血液検査をご提案させて頂き、実施することとしました。

ニャン太ちゃんをタオルでくるんで、身体検査からスタートです。

身体検査では軽度の脱水と歯肉口内炎、また、舌の色が薄くなってきており、貧血していると考えられました。

次に血液検査です。

いつも通り落ち着いて採血をさせてくれました。

その後、皮下点滴と吐き気止めや胃薬、消炎剤の注射を行いその日の処置は終わり、ニャン太ちゃんを解放しました。

おそらく、慢性腎臓病の悪化により、尿毒症が出てきており、貧血や歯肉口内炎も腎臓病によるものと考えられました。

次の日もう一度お伺いさせて頂くこととして、その日の診察は終了としました。

 

血液検査では、やはり腎臓の数値の上昇、貧血の数値の低下が認められました。

 

ではなぜこのような変化が見られるのでしょうか?

 

まず、猫の慢性腎臓病の初期症状は、今回のニャン太ちゃん同様、薄いおしっこがたくさん出る、いわゆる多飲多尿の状態です。

慢性腎臓病が始まると、通常水分を再吸収しておしっこを濃くするのですが、その機能が落ちてしまい、薄いおしっこがたくさん出てしまうようになります。

その後、腎臓によって老廃物を出す機能が落ちていき、体の中で尿毒素が蓄積していきます。

そしてある時点で吐き気や食欲不振、口内炎などの症状を出す、尿毒症を発症します。

また、腎臓は骨髄に向けて、造血ホルモンを放出しています。

しかし、慢性腎臓病になるとその造血ホルモンの放出量が減ってしまい、貧血となってしまうのです。

治療を行うことで、これらの症状になるまでの期間を延ばすことはできますが、いずれは発症してしまいます。

そういった場合には対症療法を行い、少しでも症状を和らげてあげる必要があります。

今回のニャン太ちゃんにも同様の処置を行っていきました。

 

次の日お伺いすると、ニャン太ちゃんは少しご飯を食べるようになり、少し顔つきも良くなったとのことでした。

そのため、まずは3日間集中的に往診にて注射治療をさせて頂き、ご飯を食べられるようになれば少し間隔を空けることにして、3日間集中治療を実施しました。

また、貧血に対しては、造血ホルモンの注射を行い、貧血の数値が改善するか1週間後検査を行うことにしました。

 

すると、3日後にはニャン太ちゃんはドライフードも食べてくれるまで回復してくれました。

ご家族様も私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフも一安心です。

ご飯も食べられるようになったので、少し治療を弱めてお家での点滴と内服薬に切り替えて1週間後再診としました。

 

次回のお伺いがその再診日となっているので、ニャン太ちゃんがどこまで回復してくれているか、気になるところです。

 

このように、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、緩和ケアだけではなく、慢性疾患の管理にも力を入れています。

動物病院に連れていけないけれど、腎臓病がある、心臓病がある、などがあれば、いつでも往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

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こんにちは!

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、慢性疾患の猫ちゃんを診察することがとても多いです。

主訴では、最近よく吐く、元気がない、ご飯を食べない、痩せた、ふらふらしているなど様々ですが、食べなくなってから1週間が経過しているという電話が感覚的に多いな感じています。

猫ちゃんは、ご飯を何も口にしなければ数日で危険な状態に陥ってしまうことが予想されます。

普段と違うペット(犬・猫)の様子に気づかれましたら、かかりつけの動物病院に連絡をして予約を取って通院させるか、それが難しいようであればわんにゃん保健室までご連絡ください。

基本は予約診療ですが、その日の診療スケジュールを確認し対応できる場合には、できる限り訪問し診察を行っています。

 

ペットの変化にいち早く気づいてあげられるのは飼い主様だけですので、しっかりと愛犬・愛猫の様子を普段か観察してあげましょう!

 

さて、今回は慢性腎臓病の高齢猫ちゃんのお話です。

皆さま、慢性腎臓病という病気は聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、原因はご存知でしょうか?

猫ちゃんが高齢になると慢性腎臓病が多くなる原因は、様々なことが言われていますが正確にはまだ分かっていません。

 

猫だから?

 

ワクチンの影響?

 

腎臓が弱いから?

 

...などなど都市伝説的なことも言われていますが、正確には不明なままです。

しかし、慢性腎臓病になりやすくなる、あるいはきっかけになる疾患はあります。

例えば、尿路結石症腎盂腎炎などの疾患です。

尿路結石症とは、尿路、つまりおしっこが通る道に石ができてしまうことです。

猫ちゃんは通常お水を飲む量が少なく、おしっこの回数も少ないため、膀胱内に濃いおしっこをたくさんためて一気にすることが多いのです。

そうすると膀胱内での尿の貯留時間が長く結石ができやすくなってしまうのです。

この結石が尿道に詰まってしまうと、急性腎不全になってしまい慢性腎臓病に移行してしまいやすいのです。

あるいは、膀胱炎の細菌が腎臓に感染してしまう腎盂腎炎も慢性腎臓病へ移行しやすいと言われています。

このように、慢性腎臓病になるきっかけがある場合もよく見られます。

今回はこの中でも尿路結石によって尿路閉塞になった経験がある猫ちゃんの慢性腎臓病の治療についてお話ししていきます。

 

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症例は東京葛飾区在住の12歳の高齢猫の男の子、白猫だけど、ひじきちゃんです。

ひじきちゃんとの出会いは3ヶ月ほど前のことです。

いつものように往診車で東京都内を回っていたところ、ひじきちゃんのご家族様からお電話を頂きました。

 

お家の高齢猫ちゃんが、昨日の夜からおしっこが出ていないとのことで、尿路結石の経験もあるらしいのですが、動物病院では連れて行っている道中でさえかなり興奮してしまうため、緊急かもしれないが往診で来てもらいたいとのことでした。

尿路結石なら緊急疾患なため、すぐにお伺いさせて頂くこととしました。

お家にお伺いすると、ひじきちゃんは別の部屋に行っていましたが、緊急処置が必要かもしれないので、まずは膀胱内におしっこが溜まっているか見るためひじきちゃんのいるお部屋に行って、超音波の検査をすることにしました。

ひじきちゃんは押し入れの1番奥にいて、往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフが素早くバスタオルをかけて出てきてもらいました。

ひじきちゃんは嫌がっていましたが、元気がないのか強い抵抗はありませんでした。

超音波検査にて膀胱を見てみると、かなりのおしっこが溜まっており、膀胱の中にはキラキラと浮遊物がありました。

そのため、まずは尿路閉塞の解除を試みました。

 

尿道の中にカテーテルを入れ閉塞物を膀胱に押し戻します。

ひじきちゃんは嫌がっていましたが、強く抵抗する元気は無いようでした。

何とか閉塞を解除し、膀胱内のおしっこ抜くことができ、一部は検査用に採取しました。

おしっこは血尿で、濁りがありました。

 

閉塞を解除すると、少し楽になったのか、ひじきちゃんの抵抗が強くなってきましたので、そのまま身体検査と血液検査も実施させていただきました。身体検査では、軽度の脱水が見られましたが、不整脈などはありませんでした。

また採血時はすごく抵抗していたので素早く終わらせ治療に移りました。

尿路閉塞があったため、点滴は生理食塩水で行い、吐き気止めや胃薬、抗生物質、また尿道の腫れを抑えるために1回のみ炎症を抑えるお薬を注射しました。

処置が終わった後、ひじきちゃんを解放してあげるとすぐに押し入れの奥に入っていきました。

いつもの診察とは順番が前後してしまいましたが、ご家族様に詳しくお話をお伺いすると、いつも朝から昼まで2,3回するそうなのですが、その日は朝の排尿がなく朝ごはんも食べなかったため、いつもと様子が違うと思って見ていると、以前尿路閉塞になった時と様子が似ていたため、往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡をいただいたとの事でした。

しかし前回尿路閉塞になった時も、その後点滴通院の指示を受けたとの事でしたが、ひじきちゃんがかなり興奮して疲弊してしまうため、通院もほとんどできなかったようです。また内服薬もすごく敏感で、すぐに気づいてしまい飲ませられないと言うことで前回は諦めてしまったとの事でした。

 

本来であれば、今回も抗生物質などは内服で続けていただきたいお薬ですが、投薬がとても難しいと言うことなので、ご家族様とご相談し、2週間効く抗生物質を次の日の再診時に注射することとしました。

 

尿路閉塞で1番怖いのが、急性腎不全による高カリウム血症です。高カリウム血症になると、不整脈が起こってしまい、最悪の場合死に至ります

そのためまず1番に尿路閉塞の解除が必要です。

今回ひじきちゃんの場合は早めにご連絡をいただけたため、急性腎不全になっていないことを願い次の日に血液検査の結果をご説明するためもう一度再診にお伺いすることとしてその日の診察は終了しました。

 

血液検査では軽度の高カリウム血症が見られ、腎臓の数値は高くなっていました。

おそらく尿路閉塞によるものと、カリウムの上がり方から考えるともしかすると以前から慢性腎臓病がすでにあった可能性も考えられました。

また、尿検査の結果は、ストルバイト結晶と言う石が出ていましたが、この石はご飯を変えることで溶けてくれるため、ご飯の変更もご提案させていただくことにしました。

 

次の日もう一度お伺いさせていただくと、ひじきちゃんはかなり元気になっていたようでご飯も完食してくれたようです。

また、おしっこも順調に出ているようで、ご家族様も安心されていました。

血液検査の結果をご説明すると、排尿の回数が少し増えてきていたため、もしかすると慢性腎臓病は、以前からあったかもしれないとの事でした。

また尿石の種類をご説明し、ご飯の変更もご提案させていただきました。

ご家族様としてはできるだけストレスのない生活をして、本人が苦しくなければ治療は最低限で行っていきたいとご希望だったので、まずは慢性腎不全に対する点滴治療、抗生物質の注射、またご飯の変更を行っていき、血液検査にて定期的に腎臓の状態をチェックしていくこととしました。

その日は2週間効く抗生物質の注射と点滴治療を行い、2,3日後にもう一度再診させていただくこととしました。動物病院に連れて行くとストレスが強いひじきちゃんですが、おうちでの治療では少しストレスは減っているようでした。

 

その後ひじきちゃんは元気にしてくれていて、お家での皮下点滴も実施できており、月に1回の診察となっています。

 

ひじきちゃんのように、緊急疾患であっても、動物病院はストレスがかかりすぎる猫ちゃんもたくさんいます。

そのような場合には、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。

 

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、往診を依頼されるペットの多くが高齢の猫ちゃんです。

猫ちゃんの多くが、将来的に腎臓機能が低下する恐れがあるため、猫ちゃんを迎え入れることを決めたその日から、将来訪れるであろう闘病生活をどこで誰とどんな風に迎えるのか、想定しておきましょう。

 

そんな今回は、慢性腎臓病の猫ちゃんのお話です。

 

慢性腎臓病とは皆さんご存知ですか?

 

猫ちゃんを飼ったことがある方、現在猫ちゃんを飼っている方は耳にしたことがあるかもしれませんね。

 

慢性腎臓病とは、簡単に言うと腎臓の血管が減っていき老廃物が身体に溜まっていってしまう病気です。

そして、老廃物が溜まることでさまざまな症状を引き起こします。

今回は、そんな慢性腎臓病を持った高齢猫ちゃんとご家族様のお話です。

 

症例は東京都渋谷区在住のりんちゃん、17歳の高齢猫ちゃんです。

りんちゃんとの出会いは1年ほど前のことです。食欲が落ちていてよだれが増えてきたけれど、動物病院に連れて行くとストレスが強くて帰るとぐったりしてしまうとのことで、往診をご希望されました。

食欲が落ちているとのことでしたので、お電話当日にお伺いさせて頂くことにしました。

 

お家にお伺いすると、りんちゃんはかなり人見知りなようで、別のお部屋に逃げているとのことでしたので、先に詳しくお話しをお伺いすることにしました。

りんちゃんは若い頃はワクチン接種に動物病院に行っていたとのことでしたが、動物病院での過度の興奮により家に帰ると、次の日まで元気がなくなってしまうほど疲れるらしく、以来元気でもあったので、健診などはせず、動物病院には行っていなかったそうです。

しかし、ここ1週間ほど元気食欲が落ちてきていて、特にこの2日ほどはほとんど食べずに寝ているとのことで、往診専門動物病院わんにゃん保健室へお電話をいただいたとのことでした。

 

ここで、高齢の猫ちゃんで元気食欲がないなくなってしまった時に必ず考えなければならないのが、慢性腎臓病です。

慢性腎臓病は数年単位で悪化し、猫ちゃん自身が症状を隠してしまうため、急に症状が出る頃には悪化してしまっていることがよくあります。

 

今回のりんちゃんもまずは慢性腎臓病を疑い、診察を始めることとしました。

 

まずは身体検査です。

 

りんちゃんは小さくなって身を潜めていましたが、バスタオルで包んで身体検査を始めました。

身体検査では、削痩と重度の脱水、そして口の粘膜の色が薄くなっていること、そして多量のよだれが認められました。

このことから、血液検査も必要と判断し、ご家族様にご同意を頂いて採血も実施することとしました。

りんちゃんは採血も頑張ってくれて、残るは治療のみです。

よだれが出ていることから、吐き気が予測されたので、吐き気止めと胃薬の注射、点滴を行い、その日は診察を終了としました。

りんちゃんは最後まで我慢強く耐えてくれて、解放するのすぐに隠れてしまいました。

ご家族様には、貧血があるかもしれないこと、重度の脱水があること、慢性腎臓病が疑われることをご説明し、次の日にもう一度再診にお伺いすることをご説明し、好きなご飯をいくつか置いておいてもらい、食欲に変化があるか見て頂くことにしました。

 

血液検査では、軽度の貧血が認められました。また、腎臓の数値がかなり上昇しており、3〜7日程度の集中的な皮下点滴治療が必要と判断しました。

 

次の日りんちゃんのお家にお伺いすると、りんちゃんは相変わらず別のお部屋に行ってしまっていましたが、ご家族様によると少しウェットフードを口にしてくれていたとのことでした。

顔つきも治療前より良いとのことで、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフも安心しました。

その後ご家族様に血液検査の結果をご説明させていただきました。

血液検査では重度の慢性腎臓病が疑われ、かなり脱水も進んでいることから数日間の点滴治療が必要であること、貧血があることから貧血に対する注射も必要である事をご説明したところ、ご同意が得られましたので、その日も引き続き点滴治療を行うこととしました。

また貧血に対しては、血液を作るホルモンの注射を実施することになりました。

りんちゃんには、この日も治療を頑張ってもらい、まずは3日間集中的に治療を行い、食欲や活動性があがるかどうかを見て頂くことにしました。

 

ここで、慢性腎臓病で起こる初期症状や治療について少しご説明をさせていただきます。

慢性腎臓病では、猫ちゃんでは最初に水の再吸収能力が落ちてしまいます。

そのため、尿量が増え(おしっこの量が多い)、脱水が進みます。これがいわゆる多飲多尿と言われる状態です。

その後慢性腎臓病が進行すると、体の中に尿毒素が溜まってしまい尿毒症となって、吐き気や嘔吐による食欲不振、あるいはひどいときには痙攣を起こします。

また猫ちゃんでは、必要カロリー量が不足してしまうと代謝経路が変わってしまい、肝臓に脂肪が溜まって脂肪肝となってしまいます。そうすると黄疸などの肝不全の症状が現れます。

 

そうなる前に、尿毒素がたまらないように治療が必要です。

 

また腎臓では、骨髄に向けて造血ホルモンを放出しています。

慢性腎臓病ではその造血ホルモンが不足し貧血になると言われています。

貧血が進行すると、歯茎の色が白っぽくなったり、舌の色が薄くなってきます。

それでは具体的にどのような治療するのでしょうか?まず尿毒素がたまらないように、点滴にて水分補給し、体から尿毒素の排出を促します。

また吐き気がある場合には胃薬や吐き気止めを使って、症状を緩和してあげることが重要です。

貧血に関しては、造血ホルモンの注射をして骨髄にて造血を促します。

 

りんちゃんの場合は、これらの治療を集中的に行うことで、3日ほどでドライフードも食べてくれるようになりました。

その後は1週間は毎日点滴を行い、腎臓の数値が下がったことを確認して、点滴の間隔を開けていきました。

今では、りんちゃんは3日に1回の点滴で、数値を維持できています。

 

このように、高齢猫では突然体調が悪くなることがよくあります。

しかし実は以前から少しずつ体の中で変化が起きていることが珍しくありません。

少しでもその変化に早く気づくために、尿量や飲水量、体重等を日々チェックすることが大切です。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、高齢猫の緩和ケアにも力を入れています。

気になることがあればいつでもご相談ください。

 

 

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こんにちは!

 

最近暑くなってきましたね。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、高齢の犬猫(老犬・老猫)で持病を抱えている子たちと出会うことが多いため、病気の話だけではなく、ペットの生活環境を含めたアドバイスをすることが多々あります。

 

例えば、夏の時期です。

 

この季節になると気をつけていても、わんちゃんでは熱中症になることがあります。わんちゃんは私たち人間よりも体高が低いため、地面からの熱も受けやすく、また全身が家に覆われており汗を出す汗腺もほとんど持っていないため、熱が体にこもって熱中症になりやすいのです。

 

今回は、そんな熱中症になってしまった高齢犬のお話です。

 

チワワ①.jpg

 

症例は、東京都江東区在住の10歳のチワワのコロちゃんです。

 

コロちゃんは、お散歩が大好きなわんちゃんです。

お昼過ぎにほんの少しだけお外をお散歩したところ、そこからハアハアと息苦しそうな様子が止まらず、身体も熱いとのことでお電話を頂きました。

その日はとても暑く、外気温も30度近くあったことから、熱中症が疑われたので、まずはお部屋を涼しくしていただき、すぐに往診させて頂くこととしました。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、獣医師が緊急度が高くないと判断した場合には後日の予約になってしまうこともありますが、緊急性が高いと判断した場合はお電話当日、そして出来るだけお電話を頂いてすぐに向かわせて頂くようにしています。

 

コロちゃんも同様で、緊急性がかなり高いと判断されましたので、すぐに向かわせて頂きました。

 

お家に到着すると、コロちゃんはハアハアと息苦しそうな様子で、横になっていました。

熱中症であれば、すぐに身体を冷やす処置を行わなければならないので、まずは身体検査を行いました。

体温は40度、呼吸音や心音に異常はなく、腹痛や他の部位の痛みもない様子で、稟告からお散歩後からの症状ということで、熱中症と判断し、すぐに身体を冷やしていきました。

脇の下、首や股の間にタオルで巻いた保冷剤をいれて、サーキュレーターにて冷風を送り、体温を下げると同時に点滴も開始しました。

そうしていると、コロちゃんはおしっこをしましたが、おしっこの色が茶色〜黒っぽい血尿で、熱中症による溶血が考えられました。

その後、少しして体温を測ると39.5度まで下がっており、コロちゃんも少しだけ楽になったような顔つきでしたので、その時点で採血を行いました。

コロちゃんの様子を見つつ、ご家族様に詳しくお話しをお伺いすることにしました。

ご家族様は普段から熱中症には気をつけて下さっていたようなのですが、その日は少しだけお外に用事があり、コロちゃんが一緒に行きたいと鳴いていたため、少しだけだしということで一緒に連れて行ったそうです。

お外は暑く、早く帰らなければと思い、15分ほどで帰って来られたそうですが、帰宅後もコロちゃんはハアハアと暑そうな様子で、お外が暑かったからかと様子を見ていたそうですが、次第に元気が無くなってしまい、心配になって往診専門動物病院わんにゃん保健室へご連絡を頂いたとのことでした。

 

ここで熱中症について少しご説明します。

熱中症とは、身体に熱がこもってしまい、体温が異常に高くなってしまうことで起こる症状です。冒頭でもお話ししたように、わんちゃん、特にチワワやフレンチブルドッグ、シーズーやペキニーズなどの短頭種や大型犬では身体に熱がこもりやすく熱中症を起こしやすいです。

 

熱中症になってしまうと、普段の体温よりもかなり高いため、高熱によって身体の様々な細胞が障害を受けて死んでしまいます。

その結果、高熱が続いてしまうと、全身の臓器の細胞に障害が起き、多臓器不全によって死に至る怖い症状です。

そのため、少しでも細胞に起きる障害を減らすために、出来るだけ早く体温を元に戻してあげる必要があります。

また、その間に、身体は脱水しているため点滴を行うことも必須です。

そして、どこまで臓器に影響が出ているかを見るために血液検査も実施します。

 

今回のコロちゃんも同様に出来るだけ早く体温を下げるために冷却処置を行いながら点滴も実施して、細胞への障害を減らすことにつとめました。

 

その結果、しばらくしてコロちゃんはだいぶハアハアすることもおさまり、落ち着いてきたので、お家にて少し様子を見て頂くこととして、夜にもう一度お伺いするとし、その時点での診察は一旦終了としました。点滴は夜までは引き続き実施して頂き、コロちゃんが外してしまわないように気をつけて頂きました。

 

夜にお伺いするまでの間に血液検査を実施すると、肝臓の数値が少し上がり、黄疸が出ていました。

これはおそらく熱により赤血球が壊れる、溶血によるものだと考えられました。

しかし、その時点での赤血球の数値は正常値だったので、何とか貧血が進まないことを祈るばかりです。

 

夜になり、もう一度コロちゃんのお家にお伺いさせていただきました。

コロちゃんは日中よりも呼吸はだいぶ落ち着き、顔も穏やかでした。

体温を測ると、38.5度と平熱まで下がっており、舌な色も悪くはありませんでした。

夕方に一度おしっこが出たそうですが、色は少しましになってはいたそうですが、まだ茶色っぽい色だったようです。

しかし、それ以外には出血傾向も貧血の様子もなかったため、明日の朝まで経過観察としました。

コロちゃん自身は体調が戻ってきたのか立ち上がろうとしており、ご飯を少しあげるとよく食べていました。そのため、ふやかしたご飯をあげてもらうようにお伝えし、点滴を皮下点滴に変えて、夜はお部屋にエアコンをつけて自由に歩きまわれるようにしてもらいました。

血液検査の結果をご家族様にご説明すると、少し安心されており、本当に良かったとのことで私たちもコロちゃんの様子を見て安心しました。

次の日にはかなり回復していて、貧血の数値や内臓の数値の再検査と点滴のみで大丈夫な様子でした。

 

このように、ちょっとしたお散歩で致命的な症状を引き起こしてしまうのが熱中症です。

これからの時期、特に気をつけていかなければなりません。

もし怪しいな、息遣いが荒いなと感じた場合、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。

 

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こんにちは!

 

私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室の獣医師看護師は、朝から夜まで、都内を往診車でまわり、診察を行なっています。

救急車ではないことをご了承いただいた上で、できる限り診察を受けさせていただいています。基本は予約制ですが、ペットが体調を壊す日なんて予測がつかないものですので、慢性疾患を含む多くの病気が当日でのご予約をいただいています。

 

今回は、これからの時期、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室でよく出会う「熱中症」の大型犬の症例をお話しします。

 

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症例は、東京都大田区在住の7歳の高齢犬、ゴールデンレトリバーのルイくんです。

 

昨年7月の猛暑が続く時期に出会った大型犬のルイ君は、とても印象的であり、ご家族様と3日間に渡って一緒に戦い、そしてお別れを迎えました。熱中症は、状態によってはお別れまでを考えなければいけない病気です。

ペットの生活環境、お散歩の時間帯など、これを機に見直していきましょう!

 

大型犬/暑い日の朝の散歩/熱中症に要注意

ルイ君が、お外から帰ってきてから、ぐったりとしていて、息遣いが荒く、嘔吐を2回したとのことを電話問診で伺いました。息遣いが荒いとのことでしたので、緊急性が高いと感じ、すぐにお伺いさせて頂くこととしました。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、緊急性が高いと判断した場合には、できる限りスケジュールを調整し、対応させて頂くようにしております。そのため、今回もうまく調整ができたため、早急に向かわせて頂きました。

 

お家にお伺いすると、ルイくんはフローリングでぐったりとしており、ご家族様によると、身体が熱くて、先程血便が出たとのことでした。

 

すぐに身体検査を実施し、詳しいお話しは後ほどお伺いさせて頂くこととしました。

 

体温は42度、呼吸は浅く速い呼吸で、舌の色もやや薄いピンク色、脈も速く、血便は鮮血の水下痢のようなものでした。暑い中で、お散歩とボール遊びをしていたとの稟告、体温の上昇から、熱中症と判断し、すぐに体温を下げるように処置を始めました。

まずクーラーで室温をさらに下げて、クーラーからの冷風をサーキュレーターにて身体に当て、脇の下、首、股の間に保冷剤を入れて、点滴も行いました。

身体を冷やし始めて30分ほどでルイくんの顔つきは少し楽になったように感じられました。

 

ここで、熱中症について少しご説明させて頂きます。

 

熱中症は、人間同様、犬、特に今回のような大型犬や短頭種(フレンチブルドッグやパグ、シーズーやマルチーズ、ペキニーズなど)、また体温調節が苦手な高齢犬では起こりやすいと言われています。

熱中症になった場合、悪化してしまうと、あまりの高い体温に、身体の細胞が壊れていってしまいます。

そのため様々な臓器が障害を受けて重篤な症状を引き起こし、致死的になってしまうこともあります。

軽度の場合であれば、ハアハアと息遣いが荒くなったり、ぐったりしてしまうといった症状がみられますが、重症度が上がると、それに加えて嘔吐や血便、血圧低下や頻脈、呼吸不全や、痙攣などの神経症状など多岐に渡る症状を引き起こします。

身体の中では通常何もなければ出血は起こりません。

しかし、強い炎症が起こったり、感染が起こったり、細胞が壊れたりすると、血液が固まりにくくなってしまう、いわゆるDIC(播種性血管内凝固症候群)という状態になってしまいます。

DICになってしまうと、身体の至る所で血栓ができやすくなり、それを溶かそうと、身体は血液をサラサラにします。

その結果血液が固まりにくくなり、様々なところで出血が起こる結果、血便や血尿、血圧の低下が見られることとなります。

これらが見られると、熱中症に限らず、かなり厳しい状態と言われています。

 

今回のルイくんは、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室スタッフが到着するまでの間に血便をしてしまったこと、脈が速くなっていることから、DICが疑われました。

しかし、DICになっていても、ルイくんは頑張ってくれていて、私たちもそれに応えられるように、血栓予防のお薬や、点滴を行い、体温が下がるのを待ちました。

 

その間にも、ルイくんは血尿をしてしまい、ご家族様に、ルイくんの現状を詳しくお話しさせて頂きました。

 

ご家族様としては、つい数時間前までいつもと変わらず元気なルイくんだっただけにかなり厳しいお話しとなってしまいましたが、頑張っているルイくんを見て、せめて少しでも楽になってほしいとのご希望でした。

また、呼吸不全がいつ起こるか分からない状態のため、酸素室をレンタルして頂きました。

 

現状でできる治療をできるだけ行いつつ、体温測定を行っていると、ようやく39.8度まで下がってきました。犬の平熱が38〜39度なので、39.8度でもまだ高いのですが、熱中症の体温からはようやく抜け出せました。引き続き冷却をしてもらい、39.5度まで下がったところで、顔つきも楽になったようだったので、採血を行い、次の日の朝一で、もう一度診察をさせて頂くこととしました。しかし、状態が状態なだけに、急変のリスクがあることもご家族様にお伝えさせて頂き、何かあればすぐにご連絡を頂くこととしました。

 

血液検査では、腎臓の数値や肝臓の数値、電解質の数値などに異常値が見られました。このことから、ルイくんは熱中症による多臓器不全が考えられました。

 

次の日の朝一で、ルイくんのお家にお伺いすると、昨日よりハアハアは収まっていましたが、舌の色が少し紫色になり始めていて、かなり厳しい状態と判断されました。

血液検査と現状をご家族様にご説明し、その日も血栓に関する治療を実施しました。

 

しかし、ルイくんはその日の夕方に虹の橋を渡ってしまいました。

 

ご家族様にとって、突然のお別れになってしまいましたが、最期まで頑張っているルイくんの姿を見て、励まされたこと、お家で過ごすことが出来たので24時間離れずにルイくんと一緒にいられたことを伝えて下さり、ルイくんにとってもしっかりとお別れができたように思われました。

 

今回のルイくんのように、熱中症は死に至ることも少なくありませんが、同時にお散歩時間をずらしたり、日中はお部屋で涼しく過ごすなどを気をつけるだけで防ぐことができる病気です。

 

しかし、それでも熱中症になってしまう子も中にはいます。ルイくんのように大型犬の場合は普段は動物病院に連れて行けても、立てなくなってしまうと連れていくことが大変かと思われます。

そんな時は、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。

 

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こんにちは!

 

一気に暑くなってきましたね。梅雨の時期を迎え、早くも夏の訪れを感じます。

特に湿度が高いと、人間も余計暑く感じるかと思いますが、犬や猫たちも同様に、湿度が高ければ気温が高すぎなくても暑さを感じます。

そのため、これからの季節注意しなければならないのが熱中症です!

 

そこで今回は、熱中症になってしまったわんちゃんたちを3症例、順番にご紹介していきます。この記事を見て、今一度、ペットの生活環境を見直すきっかけになればと思います!

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症例は、東京都荒川区在住10歳のペキニーズのはなちゃんです。

はなちゃんの飼い主様が帰宅されると、はなちゃんはハアハアと息が荒く、身体が熱くなってしまって、ぐったりしてしまっているとのことで、かなり緊急性が高かったため、すぐにお伺いさせて頂くことにしました。

その時点では舌の色はピンク色とのことでしたが、その日は雨の後で、湿度が高く、気温もそれなりに高かったため、熱中症も考えて、お電話にてある程度の問診もさせて頂きました。

普段は日中一人でお留守番をすることが多く、大概は窓を開けて行くと熱がこもりにくいため、その日も窓を開けて外出をされていたとのことでしたが、帰ってみると湿度が高くて蒸し暑い部屋になってしまっていたそうで、はなちゃんは出来るだけ冷たい場所に移動しようとしたのか、自分のベッドではなくフローリングでぐったりしていたそうです。

飼い主様のお話から、熱中症を疑い、到着までにまずは出来るだけお部屋を涼しくし、身体を冷やしてもらうこととしました。

具体的には、クーラーももちろんですが、人の熱中症の際も同様ですが、脇の下と股の間にタオルで包んだ保冷剤を挟み、サーキュレーターなどで涼しい風を送るという方法です。

到着までにそれらの出来る限りのことをしていただき、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室スタッフは到着を急ぐこととしました。

お家に到着し、中に入ると、部屋は涼しくして下さっており、はなちゃんも幾分最初よりは呼吸が落ち着いたような気がするとのことでした。

お話はお電話にてお伺いしているので、まずは身体検査、そして血液検査も実施させて頂くこととしました。

身体検査では、体温は41.5度、呼吸も早くハアハアしている状態でしたが舌の色はピンクで、呼吸音も問題はありませんでした。

しかしかなり脱水しており、点滴が必要と判断されました。また、お腹の痛みなどはない様子で、かなり身体が熱いため、引き続き冷やしながら採血を実施することとしました。

発熱や呼吸が速い、という症状は熱中症以外にもよく見られる症状ですが、今回、お部屋が暑かったという点と、熱がかなり高いということから、熱中症と判断し、治療にあたらせて頂きました。

 

ではそもそも、犬の熱中症はどういうものなのでしょうか?何に気を付けなければならないのでしょうか?

 

犬の熱中症も、人と同じで身体に熱がこもってしまうことで発症します。しかし、人と犬とで大きく異なる点が一つあります。

それは、人は全身に汗腺があり、発汗して体温を下げるということができますが、犬では汗腺は肉球のみでほとんど汗はかきません。

そのため、息をハアハアして、口から体温を逃しています。

しかし、それだけでは体温調節が難しいため、犬では人よりも熱中症に気をつけてあげなければなりません。

特に、ペキニーズやフレンチブルドッグ、チワワやパグ、トイプードルなどのいわゆる短頭種では、生まれ持った骨格から、他の犬よりも呼吸で熱を逃がすことが苦手なため、熱中症にはより注意が必要です。コーギーで熱中症が発覚し、血便と嘔吐が止まらないと言う症例も以前出会ったことがあります。

熱中症の症状は、発熱、呼吸が速くなる、といったことが初期症状で、悪化していくと、嘔吐や下痢、血便や虚脱、最悪の場合死に至ります。

熱中症は身体に熱がこもってしまい、その熱によって身体の様々な細胞が壊されることによって重症化していってしまいます。

そのため、なるべく早く身体を冷やす処置が必要となるのです。

 

今回のはなちゃんも、現状で身体の細胞が壊れたりしていないかどうか、ほかの疾患は無いか、というのを判断するために血液検査を実施しました。

この日の処置としては、まず最優先は身体を冷やしながら、血圧や脈に変化がないかを見つつ、点滴や吐き気どめを注射しました。

身体を冷やし始めて1時間ほどで、体温は39.5度まで下がりました。

その間、往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフで脈や血圧を見ていましたが、呼吸も落ち着いてきたため、その日の診察は終了とし、急な変化が起こる可能性もあるため、ご家族様には注意してもらい、次の日の朝一で再診にお伺いさせて頂くこととしました。

 

血液検査では、大きな異常値は見られなかったため、何とか早めに処置ができていることに安心しました。

 

次の日、再診にてお伺いすると、はなちゃんは、昨日より顔つきが良くなっており、体温も38.5度まで下がってくれていました。

血便や血尿、嘔吐をすることもないそうですが、まだ少し怠さが残っているのか、食欲はあまりないそうなので、その日も点滴や吐き気どめ、胃薬などを注射し、次の日にもう一度お伺いすることとしました。

 

次の日には、はなちゃん自身でお出迎えしてくれるまでに回復しており、ご家族様の顔にも笑顔が戻っていました。

 

今回のはなちゃんは、熱中症の中では軽度でしたが、それでも少し遅ければどんどん悪化していたと予測されます。

熱中症は予防できる病気です。これからの季節、お散歩の時間や、お出かけの際の室温や湿度には十分注意しましょう。

しかし、どれだけ気を付けていても熱中症になってしまうことはあります。特に高齢犬では体温調節が難しいため、起こりやすいです。

もし熱中症かもしれない、ハアハアしている、身体が熱い、血便や、嘔吐をしているなどの症状があれば、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。

動物病院に連れて行くことが難しい場合でも、往診専門動物病院わんにゃん保健室ではお家を診察室として使わせ頂くので、ご安心ください。

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室の往診獣医師の江本です。

 

往診のイメージとして、動物病院(獣医師)が家に来てくれる、家で診察、家まで訪問、訪問してくれる動物病院、などニュアンスによってやや表現の仕方が変わりますが、まぁそんなところです!

ご自宅に獣医師と動物看護師がご訪問させていただき、家の中で診察を行います。まずは詳しいお話を飼い主様からゆっくりとお伺いし、ペット(犬、猫)の状況を確認し、検査プランと処置・治療プランをご提案させていただきます。

プラン内容にご同意をいただいてから、いよいよ検査・処置のスタートです。

往診専門動物病院では、自宅に来てくれる動物病院であると言う特性から、動けなくなってしまった大型犬の介護から緩和処置、緩和ケアからターミナルケアなど、動かせないからこそのご依頼を多く受けています。

 

そんな今回は、大型犬の立てなくなってしまったわんちゃんのお話です。

大型犬といえば、20キロほどの子から40,50キロほどの子まで体格も様々ですが、たとえ15キロでも立てなくなってしまうと、ご家族様は介護にかなり悩まれる方も多くいらっしゃいます。今回はそんな40キロほどの大型犬のわんちゃんのお話です。

 

東京文京区在住の10歳の大型犬、ゴールデンレトリバーのルディちゃんです。

 

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ルディちゃんは大型犬のなかでも体格が大きく、元気な頃はお庭でもよく走っていたそうです。

そんなルディちゃんのご家族様から、ある日、お家の高齢犬が食欲がなくあまり立てなくなってきている、とのお電話を頂き、往診をさせていただきました。

お家に入るとルディちゃんは玄関で寝ていて、お出迎えをしてくれましたが、立ち上がれないのか、立ち上がらずにしっぽでご挨拶をしてくれました。

緊急で処置をしなければいけない状態ではないと判断したので、先にご家族様から詳しくお話をお伺いすると、1週間ほど前に元気食欲がなくなってしまったそうなのですが、その時はまだ立ち上がって歩くことが出来たので、近くの動物病院さんに行かれたそうです。

検査をしたところ、血液検査では内臓で高い数値はありませんでしたが、超音波検査にて、心臓の周りに液体がたまっていて、心臓がうまく広がることができていないことが分かったそうです。

心臓の周りには1枚の膜があるのですが、心臓と膜の間にたまった液体のことを心嚢水といい、血液がたまることが多いです。

これによって、心臓がうまく拡張できず、全身に血液が行き渡らないため、急激に元気が無くなってしまったりしてしまいます。逆に、それを抜いてあげると抜いた直後は楽になって動きが良くなり、一見元気になったように見えるのですが、これは心嚢水が溜まった原因にもよります。

たとえば心臓腫瘍であれば腫瘍の状態によってはまたすぐに血液が溜まってしまったり、転移がどうが、ということになりますし、心破裂であれば救急疾患ですし、原因不明であればこのままたまらないこともあり得ます。

この心嚢水が溜まった原因を調べるために、ルディちゃんはすぐに心臓専門の病院に行き検査を行いました。

心臓の超音波検査を行ってもらったところ、心臓の腫瘍がある可能性が高いが確定診断ではないとのことで、その日もかなりの量の心臓嚢水が抜けたようです。

心臓に最もできやすい腫瘍が血管肉腫というかなり悪性度の高い腫瘍で、血管肉腫の可能性が高いとのことでした。

そうしているうちに、ルディちゃんはついに立てなくなってしまい、身体が大きいため、病院に連れていけず、今回、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡を頂いた、とのことでした。

ご家族様としては、大型犬にしてはもう高齢なので、ターミナルケアをご希望されていて、辛さをとってあげたり、脱水しないようにしてあげたい、とのことでした。

 

ここで、大型犬が立てなくなってしまった時に気をつけないといけないことについて少しお話をしていきます。

大型犬は小型犬と違って体重があるので、寝たままになってしまうと下側になっている皮膚にかなりの負担がかかります。

特に骨がある部分は負担が大きく、重力で床に着いている皮膚が虚血してしまい、壊死していってしまいます。

それが褥瘡です。

褥瘡になってしまうと、その部分を復活させるためにはかなり大変になってきます。そのため、立てなくなってしまった場合には、体位変換が最も大切で、理想的には2,3時間おきの体位変換が望ましいです。

しかし、夜間などに体位変換をするためご家族様が体調を崩してしまうと元も子もないので、夜間は無理のない程度にしていくことをお勧めします。

また、体位変換をいくらしていても床が固ければ効果が半減してしまいます。最近はわんちゃんの介護用マットも出てきましたが、できるだけクッション性のあるものを敷いてあげることが大切です。

ただ、それでもなる時はなってしまう褥瘡。

褥瘡も早期発見が大切で、褥瘡になりかけている部分の皮膚が最初は赤くなってきます。

それが少しずつ壊死していってしまうのですが、その赤くなった時点で対処をすれば褥瘡になることは防げるので、こまめに皮膚をチェックしてあげてください。

 

話が逸れてしまいましたが、まずは今の身体の状態を把握するために、身体検査と血液検査を実施していきました。

治療としては、ご飯は自分でなんとか食べれているようなのですが、お水も自分でそんなに飲まないとのことなので、皮下点滴とステロイドの注射を行うこととしました。

身体検査では今のところ褥瘡らしきところはなく、ご家族様の献身的な介護の賜物だと思われました。

また、聴診では心音がやや遠く、また心嚢水が溜まってきていることが予測されました。

しかし、抜去してもあまり改善がないことから、ご家族様としてはもうこれ以上胸に針は刺したくないとのことでしたので、抜去はせず、治療にうつらせて頂きました。

腫瘍からくる苦しさを少しでもステロイドがとってくれることを願って注射をしていき、この日はそれで診察終了とさせて頂きました。

 

その日から3日間、ターミナルケアとして、同様の治療をさせて頂きましたが、徐々に状態は下がっていき、食べなくなってしまい、3日目の夜にルディちゃんは大好きなお家で、大好きなご家族様に見守られながら虹の橋を渡っていきました。

 

ルディちゃんは最後まで原因は分かりませんでしたが、原因追求をするだけが全てではなく、ルディちゃん、動物たちがつらくないように過ごせることを1番に考えて私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室は治療に当たらせて頂いています。

もちろん血液検査などですぐに原因がわかるものに関してはそれに対する治療を行いますが、腫瘍などは何の腫瘍なのか分からないことも多々あります。

ただ、最期まで苦しむことなく、大好きなご家族様と一緒に過ごせることが1番幸せだと思うので、お家でのターミナルケア、緩和ケアを考えてらっしゃる方は一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

大型犬や老犬・老猫の介護でお困りのご家族様も、まずはご連絡ください。往診にて、改善策を一緒に練りましょう。

 

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

 

わんにゃん保健室では、東京の東側を中心に訪問依頼を受けることが多く、東京江戸川区や東京葛飾区などに頻繁に往診しています。

往診と言うと、やはり人間の医者による高齢者や病院に通院できない方のご自宅に往診に行っているイメージが強いですが、犬猫の場合も同じです。

ただ、おそらく違う点を挙げるとするならば、犬猫の往診はペットの性格や状態によっては、結構激しい現場になることです。

と言うのも、動物病院に連れていけないくらい状態が低い犬猫だけではなく、全く手がつけられないくらい怒って暴れる犬猫のケースもあるからです。

わんにゃん保健室では、状況に応じて動物看護師が1人〜3人同行し、わんちゃん・猫ちゃんの確保に尽力します。

確保できれば、あとは通常通り採血、採尿、腹部超音波検査などの各種検査を行い、内服薬が苦手な犬猫出会った場合には、複数の注射薬を皮下点滴に混ぜて1度に投与することをできますので、ペットにとっても飼い主様にとっても最小限の負担で治療を行うことができます。

動物病院に連れて行けないで困っている飼い主様、お気軽にお問い合わせください。

 

 

さて今回は、血栓症という、血栓ができて血管に詰まってしまう病気になってしまった猫ちゃんのお話をさせて頂きます。

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血栓症というのは、人でいうと脳梗塞や心筋梗塞が最もイメージしやすいかと思います。

これらの梗塞、というのは血栓が血管に詰まってしまいそこから先に血液が行かなくなってしまうことを意味します。

血液が行かないと、その先の組織は壊死してしまったり、例えば脳梗塞であれば、血液がいかない時間が長くなってしまうと脳の組織が虚血してしまい、神経麻痺が後遺症として残ってしまうことがあります。

わんちゃんや猫ちゃんでももちろん脳梗塞や心筋梗塞になる場合もありますがなかなかそこまでの診断ができることは多くはありません。

しかし、わんちゃん猫ちゃんでも血栓症が起こりやすくなってしまう疾患は沢山ありますそして、その詰まってしまった場所によって、症状にかなり差がありますが、今回は猫ちゃんで多い、足に血栓が詰まってしまった高齢猫についてお話していこうと思います。

 

症例は、東京江戸川区在住の18歳、高齢猫のシロちゃんです。

シロちゃんは1年ほど前に初めて往診に行かせていただき、そこから甲状腺機能亢進症、という高齢猫さんではよく見られる内分泌疾患の治療を続けており、内服薬で経過は良好でした。

しかし、ある日の朝、往診車で出発しようとしていると、シロちゃんからお電話がなりました。

お電話にて、シロちゃんが先ほどから急に悲鳴をあげて暴れまわっていて足がすごく痛そうですぐに往診をしてほしいとのご希望でした。その日は朝のご予約に余裕があり、甲状腺機能亢進症を治療中ということもあって、血栓の合併症が考えられたため、緊急と判断し、そのまますぐにシロちゃんのお家に向かわせて頂きました。

緊急処置が必要と感じられたので、お電話で詳しくお話をお伺いさせていただいたところ、今朝の直前までかなり元気に過ごしてくれていたそうなのですが、その後から急に暴れまわる状態になってしまい、ご家族様もかなり動揺されている様子でした。

お家に入るとシロちゃんはかなり興奮状態で、興奮することでかなり心拍数も上がってしまっていました。

足が突っ張ってしまいかなり痛そうでしたので、まず応急処置として鎮静剤、鎮痛剤を注射し、落ち着かせて痛みをまずは鎮めました。

しかし1回だけでは効果が弱く感じられましたので、追加で投与したところ、ようやく落ち着きを取り戻し少し眠そうな様子になってくれました。

そのまま薬が効いているうちに採血を行い、点滴を行なっていきました。

シロちゃんにはそのまま少し寝ていてもらい、心拍数など身体の状態を見つつ、飼い主様と再びお話させて頂きました。

急な変化ということと、興奮する様子を見たところ、血栓症の可能性がかなり高く思われ、鎮痛、鎮静剤を積極的に2日ほどは使っていき、様子次第で減らしていくことが良いかと思われました。

脳梗塞でも頭が急に痛くなるように、猫ちゃんも足に血栓が詰まってしまうとかなりの激痛が走ります。

そのため興奮してしまい、興奮しすぎてケガをしてしまったり、心拍数が上がりすぎてしまい、心臓に負担をかけてしまったり、と危険な状態になってしまいます。

そのため、まずは痛みを取ってあげて、同時に鎮静効果もあるため落ち着いてくれて、身体としては少し麻酔が入っているような状態になりますが、負担は減ってくれます。

しかし、痛みをとっても、血栓があるままであればその足はいずれ壊死していってしまう可能性があり、それに関しては注射で血栓溶解剤を入れたり、という治療がありますが、どこまで治療をしていくか、というところになってきます。

病状についてご家族様にお話させて頂いたところ、痛みを取ってあげたいが、年齢的にも無理はして欲しくないので、それ以上の治療は望まれていないということでしたので、いわゆる緩和ケアを行なっていくこととしました。

しかし、そのまま何もせず壊死していくことはかわいそうなので、血栓を溶かすように働いてくれるお薬も使っていくこととしました。

鎮痛剤や血栓のお薬は1日3回必要になってるので、お家でご家族様に入れて頂く必要があります。

それに関しては、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室の獣医師が丁寧にできるまでご指導させていただきました。

ここで、血栓症について少しお話です。わんちゃんではクッシング症候群という病気で血栓ができやすくなりますが、猫ちゃんでは冒頭でもお話させていただきました通り、甲状腺機能亢進症や心筋症などでも血栓ができやすくなってしまいます。

わんちゃんのクッシング症候群についてはまたべつの記事でお話させて頂きますので、今回は甲状腺機能亢進症で血栓ができやすくなる仕組みをお話させて頂きます。

甲状腺機能亢進症では身体の代謝がかなり上がってしまった状態になりますが、その中でもちろん心臓も心拍数が上がり血圧も上がります。

そうすると、心拍数が高すぎて、1回の拍動で出て行く血液量が減ってしまい、心臓の中に血液が残ってしまいます。そうするとそれが少しずつ固まって血栓を形成してしまうことがあるのです。

その血栓が心臓から出ていき、身体のどこかの血管で塞栓すると、その部分で症状が起きてしまいます。

今回のシロちゃんの場合はそれが足で、かなりの痛みを伴ったということです。

血液検査では、大きな異常はありませんでしたが、赤血球がかなり多くなっていて、興奮の度合いが予測されました。

次の日もう一度お伺いさせて頂いたところ、シロちゃんは昨日より落ち着いていて、お薬が効いているようでした。

引き続き同じお薬を使用し、明日も大丈夫そうであればお薬を少しずつ減らして行く方向でご家族様とお話させて頂きました。

 

今回のシロちゃんのように、基礎疾患があり、急に併発疾患が出てきてしまうこともありますが、動物病院にすぐに連れていけない、興奮しすぎるので外に連れ出せない、などの理由で動物病院に行けないご家族様はとってもたくさんいらっしゃいます。

自分の家の子だけかも、と心配なさらず、往診専門動物病院わんにゃん保健室までお気軽にご連絡ください。その子その子にあった、そのご家族様に合った治療をオーダーメイドでご提案させて頂きます。

 

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予防の季節(犬/猫/フィラリア/往診)

こんにちは!

 

いよいよ東京も梅雨に入りましたね!

動物たち、特にわんちゃんと一緒に暮らしている方は春といえば、という方も多いのではないでしょうか?

 

そうです、予防の季節ですね!

 

私たち往診専門動物病院わんちゃん保健室を含めて、多くの動物病院では年間通してのフィラリアやノミダニなどの寄生虫に対する予防をおすすめしています。それはもちろんわんちゃん猫ちゃん共にです。

 

また、法律では3ヶ月齢以上のわんちゃんには年一回の狂犬病の予防接種が定められており、春になるとおハガキが届くかと思います。

 

しかし、初めてわんちゃん猫ちゃんを飼われる場合、予防って何を予防すれば良いの?ということも少なくありません。

 

そこで今回はそんな方々に、主に寄生虫の予防のことをお話しさせて頂こうと思います。

 

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寄生虫というとどういったものを想像されますか?

 

多くの方は、お腹にいる虫を想像されると思いますが、フィラリアも寄生虫で、こちらは主に心臓や、心臓から伸びる大きな血管に寄生します。また、ノミやマダニも寄生虫の一つです。

このように、寄生虫はたくさんいますが、まずはお腹の虫からお話していきます。

 

お腹に住む寄生虫は、回虫や条虫などが多く、人にも感染することがあるので注意が必要です。

回虫の感染経路は、便の中や肛門付近にたまごが付着するため、便を食べてしまったり、なめたりすることでたまごが身体に入ってしまったり、回虫に感染したゴキブリやノミなどを食べてしまうことで感染してしまうこともあります。

感染経路は様々ですが、動物たちとの過度なスキンシップで感染することもあるので、もし外で動物と触れ合った場合に、家に帰ってペットと触れ合う前に必ず手洗いを行いましょう。

 

条虫の感染経路は、条虫卵を摂取したネズミなどのげっ歯類が六鉤幼虫という幼虫を排出します。

この六鉤幼虫を摂取した動物たちの中で成虫となり、条虫に感染してしまいます。

このように、寄生虫は様々な経路で動物たち、私たち人の体内に入って感染してしまいます。特にお外にいた猫ちゃんや、お散歩にいくわんちゃん、またペットショップなど集団で生活している場合にも感染していることがあります。

 

では感染するとどういった症状が出るのでしょう?

多くは下痢や軟便など消化器症状が見られます。また、こういった症状を示さず、便の中に虫が見られることもあるので、お家に迎えたての頃はできれば便の中もチェックしましょう。

また、嘔吐で、吐物の中に虫が出てきてしまうこともあります。

いずれにしても、しっかりと駆虫しなければなりません。また、人でも同様の症状が出ますので、もし思い当たることがあればお医者さんにご相談ください。

診断方法は便検査での虫卵の検出です。わんちゃんや猫ちゃんをお家に迎えたらまずは動物病院で検便をしてもらい、寄生虫がいないかどうかをみてもらいましょう。

 

次にフィラリアのお話です。

フィラリアは、みなさんご存知の通り犬糸状虫という寄生虫で、名前の通り多くは犬に感染します。しかし、稀に猫ちゃんにも感染することがあり、猫ちゃんに感染した場合の方が症状は重篤です。

犬に感染した場合、心臓や血管の中に虫がたくさん詰まってしまい、血流が悪くなってしまいます。

そのため、末期になると心不全や呼吸困難、失神などの重篤な症状が出てしまうので、早期予防が必須となってきます。

また、万が一感染していても、わんちゃんの場合には早期から咳などの症状が出てくるため、その時点で治療を行うと重篤化することは少ないと言われています。

一方で、猫ちゃんに感染すると、早期に発見することは難しく、多くは末期にならないと症状が出ず、気付いた時にはかなり進行した状態、ということも珍しくありません。

また、猫ちゃんの場合、フィラリアとの相性も良くないため、フィラリアに感染してしまい、そのフィラリアが体内で死んでしまっても、アレルギー反応が起きて猫ちゃんが突然死してしまうことも稀にあります。

さらに、猫ちゃんでフィラリアが怖いところは、診断がとても難しいという点です。

わんちゃんでは、簡易の検査キットで診断をすることができ、また、感染していれば超音波検査などで成虫が見えることが多いのですが、猫ちゃんの場合、検査キットでの診断率は決して高くはなく、超音波検査での検出も難しいため、症状が出ていても原因が分からない、となってしまうこともあるのです。

 

このように、フィラリア症は命に関わる寄生虫疾患ですが、確実に予防出来る病気です。

 

最後に外部寄生虫である、ノミやマダニです。お腹の寄生虫のところでも書きましたが、ノミやマダニは、それ自身がさまざまな病気を持っている可能性が高く、身体についてしまうとすぐに寄生してしまいます。

また特にノミは一度動物たちにくっついてお家に入ってくると、すごいスピードでお家の中で繁殖してしまうので、出来るだけお家に持ち込まないようにしなければなりません。

一方マダニは、以前ブログにも書かせて頂きましたが、SFTSという、動物だけでなく人にもうつる病気を媒介しています。

これらの寄生虫が身体についてしまってもすぐに落ちるように、お外に出る場合だけでなく、お家にいる場合でも必ず予防してあげましょう。

 

寄生虫は決して今回お話ししたものだけではありませんが、現在私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室で処方させて頂いているお薬も含め、動物病院で処方されるお薬は注意しなければならない寄生虫の多くに効くように作られています。

 

コロナで外出自粛やテレワークをされている方もたくさんいらっしゃるかと思います。

しかしお外に出来るだけ出ないようにしてはいても、大切な動物たちの予防は欠かさずしてあげたい、そういった方は、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡下さい。

獣医師・動物看護師が一緒にお家へご訪問させていただきますので、ご家族様もわんちゃん猫ちゃんもお外に出る必要がなく、コロナの感染リスクは減らせるかと思います。

お気軽にご相談ください。

 

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こんにちは!

 

今回はウェルシュコーギーで多いと言われている、変性性脊髄症という病気について、お話していこうと思います。

 

変性性脊髄症という病気、聞かれたことはありますか?ほとんどの方は何それ?と思われるかと思います。

もちろん、ウェルシュコーギーを飼われている方もご存知でない方がほとんどだと思います。

しかし、こういう病気があると知っているだけで、その子の変化に気付きやすいと思うので、今回はこの病気を取り上げ、実際にこの病気と戦っていたわんちゃんのお話をすることにしました。

 

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変性性脊髄症とは、ざっくりというと、お尻の方の脊髄から段々と頭の方に向かって脊髄が変性してきて、麻痺が後ろ足から前足に進んできて、最終的に中枢に麻痺が進むと呼吸ができなくなってしまい亡くなってしまう、という病気です。

ただ、進行はとてもゆっくりで、だいたい数年単位で進行してきます。そのため、最初は車いすで元気に動き回っているわんちゃんもたくさんいます。同じ麻痺が起こる病気に、椎間板ヘルニアがありますが、椎間板ヘルニアは痛みを伴うのに対して、変性性脊髄症に痛みはありません。

 

そもそも脊髄はどういうものなのでしょうか?脊髄とは、神経であり、傷害をうけるとすぐに麻痺につながってしまいます。

ただ、変性性脊髄症は傷害を受けている、というよりは脊髄自体が変性して神経の伝達ができなくなってしまう病気です。

はっきりとした原因は現在のところ分かっていません。

ただ、ウェルシュコーギーに多いことから、遺伝子疾患の可能性も言われています。

残念ながら診断方法はなく、症状や犬種から、臨床診断といって、その場で獣医師が、臨床症状から診断を出すことが多い疾患です。

 

最初の症状としては、痛みはないので本人は元気なのですが、後ろ足を引きずるようになります。

その変化も少しずつ起こっていきます。

後ろ足の甲が地面について、引きずるように歩いてしまう子が多いので、甲の部分の皮膚に傷がついて出血してしまいますので、靴や何かでカバーしてあげましょう。

本人は麻痺があるので、キズがついても痛みはありません。

そのため、ご家族様が定期的に足をチェックしてあげる必要があります。

しかし、後ろ足を引きずりながら歩くとそういった負担がかかるので、可能であれば車いすをご用意することをお勧めします。

歩かなければ前足の筋肉もすぐに衰えてしまいますので、車いすでも歩いてくれるととっても元気に歩き回ってくれることがほとんどなので、もしそういったことでご相談があれば、往診専門動物病院わんにゃん保健室までお気軽にご相談ください。

 

進行は個体差がありますが、1年ほどはそのまま過ごすことができることもあります。

しかし症状が進んでくると、前足の麻痺も進んできて、うまく歩くことができなくなってきます。

その後は、食欲が落ちてしまったりしてきて、呼吸がうまくできなくなってしまいます。そういったときには酸素ハウスのレンタルをお勧めします。

酸素ハウスをレンタルすると、お家で酸素を吸うことができるので、お家で呼吸を楽にしてあげることができます。

 

それでは実際に変性性脊髄症になってしまったわんちゃんのお話です。

 

東京渋谷区在住の13歳のウェルシュコーギー

 

高齢犬のメイちゃんです。

 

メイちゃんは、すごく人懐っこく、ご飯もすごくよく食べるわんちゃんでした。

 

しかし、2年前に足を少し引きずるようになり、近くの動物病院さんにて、変性性脊髄症の可能性が高いと言われ、症状の進行に合わせて車いすを作成したりと、ご家族様はメイちゃんが過ごしやすいように工夫されてきました。家の内装も中型犬サイズのメイちゃんが、車椅子を装着しても生活しやすい環境になっていたのが、何より幸いでした。

 

車椅子での生活を少しの間過ごせていたのですが、ここ1ヶ月ほど食欲が落ちてきていて、自分では全く歩けないため、動物病院に連れて行くことが難しくなってきて、かなり病状も進行してきていることから、お家で酸素を吸いながら、お家で最期を過ごしてほしい、との思いから私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室にお電話をいただきました。

 

お家に訪問するとメイちゃんは寝ていて、私達に気付いて顔だけをあげてくれました。しかし、食欲がないことからご飯を食べていないため、痩せていて、脱水している様子もありました。

 

メイちゃんの治療経過をお伺いし、お家に酸素ハウスもレンタルして頂いていたので、早速診察にうつらせて頂きました。身体検査では、かなりの脱水が見られ、尿やけもあることから、その日は皮下点滴と洗浄、尿やけの対処法をお伝えさせて頂きました。

 

そして、メイちゃん自身かなり弱ってしまっていることから、一緒に過ごせる時間も長くはないかもしれないこともお伝えさせていただきました。残された時間は入院ではなく、ご家族様と一緒に過ごさせてあげたいという思いから、ご自宅での緩和ケアに入りました。

 

皮下点滴もお家で出来るようにご家族様にご指導させて頂き、メイちゃんもお利口さんなので、ご家族様だけでもできそう、ということで数日分お渡しさせて頂くこととしました。また尿やけに関してはしっかりと洗浄を行い、炎症が酷い場合には軟膏の外用薬を、そうでない場合は予防としてワセリンを塗って頂くと良いとお伝えして、その日は診察終了としました。

本当はご飯も少し食べてほしいところですが、ご飯を口元に持っていってもかなり嫌がるため、その日は口に入れることはしませんでした。

 

2日後、もう一度お伺いすると、少し呼吸が早くなってきていて、かなり危険な状態でした。しかし、それでも延命というよりは酸素ハウスで過ごすことをご家族様もご希望され、点滴はせずに、少しでもメイちゃんと一緒にいてあげてください、とお伝えさせて頂きました。

 

そして、メイちゃんはその日の夜に、ご家族様に見守られて、虹の橋を渡って行きました。

 

メイちゃんは、本当によく頑張ってくれていました。呼吸が辛くなっても、私たちが行くと顔を上げてくれて、本当に人が好きなことが伝わってきました。

 

このように、普段は動物病院に行けたけれど、歩けなくなってしまうと動物病院に連れて行くのが難しい場合も多くあります。

また、そういった場合、入院での集中治療を選択するか、それとも自宅での緩和ケアを選択するのか、両極端のように感じますが、どちらを選ばれても間違っていないと考えています。飼い主様が勇気を持って決断された選択を尊重し、往診の度に診療方針を決めさせていただきます。

残りの時間をご自宅で過ごさせてあげたい、お家で最期を迎えさせてあげたい、とお考えの飼い主様、往診専門動物病院わんにゃん保健室までいつでもお気軽にご相談ください。

 

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今日はわんちゃん猫ちゃんで意外と多い、膵炎のお話です。

膵炎とき聞くと、皆さんはどのようなイメージがありますか?

もちろん、聞いたことはあるけどあんまりよく分からない、という方から、なったことある!という方までいらっしゃるかと思います。

よく耳にするのは急性膵炎だと思いますが、膵炎には急性膵炎と慢性膵炎があり、急性膵炎は死に至ることもあるほど危険な病気で、救急疾患に分類されます。一方慢性膵炎は、何となく調子が悪い日と良い日が交互に来たり、何となく食いつきが悪くなった気がする、というような微妙な変化が起こります。しかし、慢性膵炎も急に悪化することがあり、その場合に急性膵炎同様、命に関わります。

今回はそんな危険な膵炎になってしまったわんちゃんのお話です。

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東京目黒区在住/15歳/ミニチュアダックスフンド/マロンちゃん

マロンちゃんとの出会いは、寒い日の中かかってきた1本のお電話でした。

東京目黒区は土地柄中規模な動物病院が立ち並んでいますが、歳を重ねてシニア期になった犬猫にとっても、なかなか通院だけでも大変になってきます。

マロンちゃんの場合も、かかりつけの動物病院はあるのですが、あまりに動かない状況と若干の震えを見て、ご家族様の心境としては、もう自宅で看取ってあげようと考えてのご連絡とのことでした。

往診における在宅緩和ケアでは、膵炎の場合に脱水補正と疼痛緩和をメインに行なっていきます。

検査結果上、もしまだ頑張れそうであれば、ご家族様とご相談の上、少量頻回での給餌を行なっていきます。

 

マロンちゃんの症状は、昨日から急に動かなくなり、嘔吐を繰り返していて全く食べなったことが目立ちました。消化器症状と元気食欲の急激な低下から、急性膵炎を視野に入れて、その日の夜にすぐに往診させて頂きました。

 

お家に入ると、お部屋のホットカーペットの上でマロンちゃんは横になってハアハアしていましたが、舌の色は悪くないようで少し安心しました。

お話を詳しくお伺いすると、マロンちゃんは数年前までは元気に歩いていてお散歩にも行っていたそうなのですが、ここ2年ほどあまり歩きたがらなくなり、最初は何とか予防薬などをもらいに動物病院に連れて行っていたそうなのですが、最近は全く歩いてくれず、体重的にも抱っこで外に連れ出すことは困難だったとのことでした。

 

昨日から急に変化が起こってしまったため、ご家族様も気持ちが追いつかず、動物病院にも連れて行けないし、何度ももうダメかもしれない、と思われたそうなのですが、ホームページから往診専門動物病院わんにゃん保健室を調べて頂き、お電話して下さり、私たちもマロンちゃんの元に来れて良かったです。

 

お話をお伺いしている間も、終始口をペロペロして、気持ち悪そうな様子のマロンちゃん。

かなり状態が悪そうなので、通常の胃腸炎ではなく、他の疾患を疑い、血液検査、お腹の超音波検査をお勧めしたところ、マロンちゃんの負担にならない範囲で、ということで身体検査、血液検査、超音波検査を行なっていくこととなりました。

 

まずは身体検査です。体温計で熱を測ると、39.8度と発熱が見られ、お腹を触ると力が入ることから、腹痛があることが分かりました。

粘膜の色は悪くはありませんが、昨日から何度も吐いてしまっていることから、少し脱水が見られました。

 

次は血液検査です。お腹を出来るだけ触らないように保定して、素早く採血を行い、横になったまま、お腹の超音波検査を実施しました。超音波検査では、胃腸炎の所見もありましたが、それよりも膵臓の周りで炎症が起こっている所見があり、膵炎が強く疑われました。

 

マロンちゃんは急性膵炎の可能性がかなり高いと判断されたので、急いで処置を行いました。

まずは急激な炎症を抑えるために、本来使用しすぎると膵炎発症のリスク因子になるとも言われていますが、全身で炎症が強く起こってしまい取り返しのつかない事態になることを防ぐために、ステロイド剤を使用し、点滴、吐き気止め、痛み止め、抗生剤を使用しました。

痛み止めは注射にて1日3回使用した方がよく効くため、注射薬を飼い主様にお渡しして、打てるようになるまで注射のご指導を行い、お家で注射をして頂くことになりました。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室ではこのように、お家で皮下点滴や注射を行なって頂くことがあり、出来るようになるまで私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室の獣医療スタッフがやり方をお伝えさせて頂いています。

例えば腎不全の猫ちゃんで、お家で皮下点滴が必要な場合もいつでもご相談ください。

 

話が逸れてしまいましたが、マロンちゃんの処置は今日のところは以上として、次の日に悪化がないか確認するためにもう一度お伺いすることとなりました。

 

血液検査では白血球、炎症の数値がかなり高くなっており、膵臓の数値はまだ結果が出ていない状態でしたが、膵炎を強く疑う所見から、膵炎の治療を行なっていく方向です。

次の日お伺いすると、マロンちゃんの息遣いは少し良くなっていて、嘔吐もしていないとのことでした。

茹でたササミを少し食べたとのことでしたので、少し良くなっているようで安心しました。良化傾向なので、本日も同じ治療を行い鎮痛剤も引き続き使って頂くこととしました。

膵炎というのは、膵臓で強い炎症が起こってしまう病気ですが、根本的な治療法はありません。

点滴や吐き気どめ、鎮痛剤といった対症療法を行いながら、出来るだけ早期から低脂肪食を与えてもらうことが治療法になります。そのため、その子の体力面がとても大切になってきます。

しかし、膵炎の怖いところは一見元気になったように見えても身体の炎症物質が残っていると急変してしまうことがある、ということです。

 

マロンちゃんはその次の日には、低脂肪食の缶詰フードも食べてくれるようになったので、お家でも引き続き同じ治療を行なって頂くことにしていますが、経過観察にはかなり要注意しています。

現在もまだ治療を頑張ってくれていますが、ご飯はドライフードも食べてくれるようになってきて、そろそろもう一度血液検査を検討しているところです。

 

今回のように、急性膵炎で一気に状態が落ちてしまうというのは、わんちゃんではよく見られます。

特に人のご飯を欲しがる子や高脂血症の高齢犬、膵炎を併発しやすい疾患の子は注意が必要です。

高齢だけれど健診を行なっていない、病院に行けないから検診していない、という高齢犬、高齢猫がお家にいる場合は、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください、お家で健康診断をさせて頂きます。

 

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東京の東側である東京中央区、東京江東区などを初め、東京足立区などの北側にもお伺いします。

 

診察のたびに消毒すること、マスク装着、診察後に洗面所での手洗いのお願いなど、コロナウイルス感染症の蔓延を可能な限り防止できるようスタッフ一同尽力しています。

 

暑い日が続きますが、お家のわんちゃん猫ちゃんのご様子はいかがですか?

今日は膀胱炎の猫ちゃんのお話です。

 

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膀胱炎のイメージというと、頻尿、血尿、排尿痛が一般的なイメージかと思いますが、猫ちゃんによってはその不快さから、元気が無くなってしまったり、ご飯を食べなくなってしまう、ということがよく起こります。

今回ご紹介する猫ちゃんも、当初は元気食欲の低下、とのことでご連絡をいただきました。

 

今回は、東京葛飾区在住の若齢猫のみーちゃんのお話です。

 

みーちゃんは普段すごく元気で、ご飯も出した途端によく食べる子でした。

しかし、今朝はトイレから出てこず、トイレに篭ったまましょんぼりしている、とのことでお電話を頂きました。

おしっこが出ているか分からないとのことで、おしっこが出ていない場合は緊急処置が必要になるため、すぐにお伺いさせて頂きました。

 

みーちゃんは赤い首輪がよく似合う黒猫さんで、私たちがお家に入るとトイレから出てきてソファの裏側に隠れてしまいました。

すごく怖がりさんのようだったので、先にトイレの中を確認しておしっこが出ているかどうかを見てみたところ、少量赤く濡れている箇所があったので、おそらくおしっこは出ているようでした。ひとまず安心です。

その後、ご家族様にお話をお伺いしたところ、みーちゃんはよくお水を飲んでいたとのことでした。お水を飲む量も、冬よりも夏の方が多いとのことでした。

前日までは元気も食欲も変わりなくあったので、急に変化が起こってしまい、もちろん心配な状況です。

 

まずは身体検査、その後膀胱におしっこが溜まっているかどうかを超音波検査にて確認し、腎臓など他の内臓に影響が出ていないかをチェックするために血液検査、膀胱炎の原因を知るために尿検査を行うことをご提案させて頂き、ご同意頂けましたので、みーちゃんには出てきてもらわないといけません。

 

みーちゃんはソファの裏側に隠れてしまいましたが、お母さんに抱っこで出してもらい、バスタオルに巻いて身体検査を行なっていきました。

 

猫ちゃんは基本的に隠れて、見えていない方が安心するので、基本的にはバスタオルに巻いて見えないようにして処置をさせて頂いています。

 

体を触る限りでは膀胱は大きくなっていないようでしたが、念のために超音波検査にて確認すると、身体検査通り、膀胱はすごく小さくなっていて、おしっこはほとんど溜まっていませんでした。そのため、尿検査は延期になりました。

 

タオルにくるまったまま、採血にうつります。

 

採血をするためには足を伸ばさないといけませんが、なかなか力強く抵抗していましたが、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフもこういう猫ちゃんには慣れているので、極力早く採血を行い、その後、食べれていないので、点滴と消炎鎮痛剤、膀胱炎の原因は分からないままですが念のために抗生剤を注射して、この日は終了となりました。

 

ここで、少し膀胱炎についてお話していきたいと思います。

 

猫ちゃんの膀胱炎には、大きく3つの種類があり、

 

・細菌性膀胱炎

 

・結石による膀胱炎

 

・特発性膀胱炎

 

に分かれます。

 

細菌性膀胱炎とは、名前の通り、細菌感染による膀胱炎です。

多くは尿道からの逆行性の感染で、抗生物質を使って治療していきます。ステロイドや免疫抑制剤を長期使用している子たちはかかりやすいので要注意です。

ただし短期的な使用であればあまり気にする必要はありません。

細菌性膀胱炎で最も注意しなければならないのが、そのまま腎臓に感染がいってしまう、腎盂腎炎です。

腎盂腎炎になると身体で激しい炎症が起こるだけでなく、腎機能が低下し、しっかりと治療しなければそのまま慢性腎不全に移行してしまうこともありますので、なってしまったらしっかりと治療しましょう。

 

次に結石による膀胱炎です。

こちらは膀胱内に結晶や結石ができることで、膀胱粘膜に炎症が起こってしまうことが原因です。

治療法としては、摂取する水分量を増やしてたくさんおしっこを出して膀胱の中を洗い流すイメージの治療や、おしっこの性状によって溶ける石もあるので、フードを変更して溶かす治療を行っていきます。

基本的にはドライフードとウェットフード両方を食べることになります。

 

最後に特発性膀胱炎ですが、特発性=原因不明、という意味で、原因が分からない膀胱炎の場合にこの診断を使います。猫ちゃんの場合多くはストレスが原因ではないかと言われているので、例えば静かな部屋に変えたり、トイレの数を増やしたり、同居猫と仲が悪いなどがあれば引き離したり、と少し環境を変えていくのが治療法になってきます。

症状はすべての膀胱炎で同じような、頻尿、血尿、排尿痛(おしっこする時に鳴く)といった症状を示すため、検査をしてみないと原因は分からないです。

 

話が逸れましたが、みーちゃんは後日尿検査を行ったところ、結晶が見られたので、現在フードを切り替えて頑張って治療中です。

1ヶ月ほどでもう一度尿検査を行い、結晶がなくなっているのを祈るばかりです。

 

このように、猫ちゃんの膀胱炎は症状が様々でありますが、早期に対応することが何より大切な場合がほとんどです。

お家の猫ちゃんのおしっこは健康のバロメーターでもあるので、しっかり色や匂いをチェックする習慣をつけましょう。

 

もし何かいつもと違う匂いがする、色が濃い日が続いている、などトイレに関するお悩みがあれば、いつでも往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

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口が痛そう(猫/口内炎/猫往診/東京中央区)

こんにちは!

 

今日から、ブログの書き方を変えていきます。

ブログ上段は往診専門動物病院わんにゃん保健室について、お知らせだったり、活用方法だったり、こんな愛猫家・愛犬家の方からのご依頼が多い、こんな犬猫の病気が多いなどを書いていきます。

ブログ下段では、症例報告だったり、犬猫の病気の話などなど、ペットのご家族様にとって知っておきたい知識を書いていきます。

 

まずは、往診専門動物病院わんにゃん保健室の紹介です。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室(予約/できること/緩和ケア/ターミナルケア)

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室は完全予約制で、ご自宅まで獣医師と動物看護師が一緒にご訪問させていただきます。事前予約が必要ではありますが、大体の初診のお電話は、緊急性のある当日予約です。当日予約では、当日予約料5,000円が加算されますので、ご了承ください。また、ご予約確定後のキャンセルの場合には、止むを得ないご事情である場合を除き、キャンセル料5,000円が発生し、次回以降の診察のご予約をお断りさせていただく場合もございますので、くれぐれもご注意ください。

診療エリアは東京23区とその近隣地区まで、動物病院に通院ができない犬猫のもとへ往診車でご訪問させていただきます。

往診では、血液検査、糞便検査、尿検査、超音波検査など、X線検査や麻酔機などの大型医療機器を用いないほとんど全てを行うことができます。また、予防医療である、狂犬病予防ワクチン接種、犬猫の混合ワクチン接種、ノミダニ予防、フィラリア予防など、待ち時間を気にしないで予防医療を愛犬、愛猫に提供してあげられます。

そして、往診専門動物病院わんにゃん保健室が最も尽力している分野が在宅での緩和ケア及びターミナルケアです。

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皮下点滴のために動物病院に通院させている猫ちゃんなど、慢性疾患で困っている犬猫は多くいます。できる限り通院ストレスを軽減し、ご自宅で飼い主様自信での処置ができるよう環境を整え、トレーニングさせていただきます。

最後にターミナルケアについてです。当院の診療理念でもある、【最後の時間をご家族様のもとでその子らしく過ごせるよう、最良の往診獣医療を最後まで提供していく】ことを診療の中心軸として、日々症例と向き合っています。犬猫の体調面だけでなく、飼い主様の心が疲弊し切ってしまったら、そこで診療はおしまいです。そうなる前に、必ずご連絡ください。

動物病院への通院、在宅での緩和ケア、ターミナルケアをお考えの飼い主様、まずは往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

 

次に、症例紹介です。

 

ご飯が食べづらい猫(口を気にする/食欲ない/流涎/猫往診/東京中央区)

 

今回は猫ちゃんの口腔内腫瘍の中でも最も多いと言われている扁平上皮がんが口の中に出来てしまった高齢猫ちゃんのお話です。

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猫ちゃんは口の中に何かできてしまうとそれを気にして食べてくれなくなってしまいます。

また、猫ちゃんの扁平上皮がんは舌の裏側にできることが多く、ご家族様に発見していただくことは難しいことが多いです。

 

そのため、食欲がなくなった、ということで診察をしてみると口腔内に腫瘍が、ということも珍しくありません。

 

今回ご紹介する猫ちゃんも、食欲がないとのことで診察を受けて腫瘍が発覚しました。

 

今回の症例は、東京中央区在住の19歳の高齢猫ちゃんのすずちゃんです。

すずちゃんは最近食欲が落ちてきた、ということで近くの動物病院さんに行かれたそうなのですが、すずちゃんの性格上かなりナーバスですごく暴れてしまったそうです。

しかし、何とか身体検査は実施することができ、口の中を見てもらったところ、舌の裏側に腫瘍があるとのことで、見た目から、おそらく扁平上皮がんであろうとのことでした。

しかし、何の腫瘍かは針を刺したり、実際に組織を採取したりしてみないと分からないのですが、年齢的なこともあり、麻酔をかけた処置はご家族様も望まれず、緩和ケアを行なっていくことになりました。

その日は点滴とステロイド剤の注射という治療でしたが、その時もすずちゃんはすごく興奮してしまい、帰宅後かなり疲弊してぐったりしてしまったそうです。

またそれを見ていたご家族様も疲れてしまい、注射だけなら動物病院に連れていくのではなく、お家で過ごしながら緩和ケアをしてあげたい、とのことで往診専門動物病院わんにゃん保健室にお電話を頂きました。

 

すぐにご予約を取り、次の日お家にお伺いさせて頂きました。

 

お家にお伺いすると、すずちゃんは自分のベッドから立ち上がり、別の部屋に移動していきましたが、今のところ、ふらつく様子はないようでした。

 

ご家族様にお話をお伺いしたところ、現在は、お水や液体状のご飯なら多少飲んでくれているようですが、やはりドライフードやゴロゴロしたタイプのウェットフードは口をつけず、しかし食べたそうに匂いは嗅ぎに行く、ということで、お腹は空いているが食べられない状態でした。ご家族様としては、何とか少しでもストレスなく、また、少しでもご飯を食べてくれれば、とのご希望でした。

まずは現状を把握するために、身体検査と血液検査が必須かと思われましたので、ご家族様にご相談したところ、興奮しなければ実施することとなりました。

まずはすずちゃんに出てきてもらうところからです。

すずちゃんは隣のお部屋に行ってしまったので、お母さんに連れてきてもらいました。

お家の中での移動なので、あまり興奮はなく、大人しく移動して来てくれましたが、私たちが身体検査をしていると、シャーっと威嚇していました。

しかし、過剰な興奮などはなかったので、採血を行うこととしました。

採血は、前と後ろで保定をして、頭をお母さんに撫で撫でしてもらいながら行うと何とか行うことができました。

そして、この日は何とかして少しでも食べてくれれば、と思い、ほんの少しだけお口に液体のご飯を入れると飲み込んでくれたので、可能であればお家でも何回かに分けて行って頂くこととしました。

ただ、本人が疲れてしまうと逆効果なので、無理しない程度に嫌がるようなら辞めてもらうことにしました。

ご飯を食べることは喜びでもありますが、人でもしんどい時は食べたくないように、猫ちゃんたちもしんどい時は食べたくありません。

なので、嫌がるようであれば、ご飯を食べさせることが逆に本人の負担になってしまうこともあるので、その辺りは本人の様子を見つつ、になってきます。

 

その日はその後点滴と注射を行い、治療は終了とし、次の日にもう一度お伺いしました。

 

身体検査では、たしかに扁平上皮癌のような見た目の腫瘍があり、粘膜もやや白っぽくなっていて貧血していることが考えられました。

血液検査では、やはり貧血があり、軽度の腎不全も出てきていました。

しかし、腎不全は年齢的に考えるととても軽度で、今ご飯を食べないのはおそらく腫瘍の方が原因かと思われました。

また、おそらく貧血も、腫瘍によるものであると考えられ、今後をどうしていくか、ご家族様とご相談となりました。

 

扁平上皮がんというのは、転移しやすい腫瘍でもあり、特に肺への転移が多く見られます。

しかし、肺への転移を確認するには、レントゲン検査が必要となってきます。

また、肺への転移があると呼吸が苦しくなったり、咳をしたりしますが、そうなった場合にも出来ることというのは、積極的に行くなら放射線療法という方法もありますが年齢から現実的ではないので、お家で出来る緩和ケアではお家に酸素ハウスをレンタルしてもらい、その中で生活をしてもらうことです。

加えて、貧血もあるので、早いうちに酸素ハウスをレンタルして使ってあげた方が本人のためになるかと考えました。

ご家族様にこのことをご相談すると、緩和ケアとしてお家で出来ることはしてあげたいとのことでしたので、酸素ハウスのレンタルと細い針でのステロイド剤の注射を行なって頂くことにしました。

現在は初めてすずちゃんに出会ってから5日ほど経ちましたが、やはり自分で食べるとことは難しく、少しずつ足取りも弱くなってきて脱水も進んでいるので、ご家族様と点滴をご相談して、お家で皮下点滴を行なって頂こうと思っております。

 

猫ちゃんはお口の中に、口内炎や歯肉炎、腫瘍など様々なものができやすく、そういったもので全くといっていいほど食べなくなってしまいます。また、食べない原因はお口の中だけではない可能性もあります。

ご自宅の猫ちゃんが食べなくなってしまった、食欲が落ちている、などございましたら、お気軽に往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

緩和ケアやターミナルケア、介護のご相談もいつでもお受けしております。

 

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往診専門動物病院では、ご自宅に獣医師と動物看護師が一緒に訪問して診察を行いますので、診察が終わるまでの間、ご家族様は安心してペットを見守ることができます。

猫ちゃんのほとんどが、キャリーに入れられて動物病院に通院させられることをよしとしないことが多く、ご家族様と猫ちゃんの通院をめぐる戦いは日々熱を増すものとなっています。

これは動物病院に通院させるのは無理だな、と感じた場合には、諦める前に往診専門動物病院までご連絡ください。

 

隠れる猫.jpg

 

往診に特化した動物看護師による捕獲から、ご自宅での採血、エコー検査、尿検査、糞便検査など、大型医療機器を用いたレントゲン検査や手術以外のほとおどが、ご自宅にいながらペットに受けさせてあげられます。

動物病院への通院でお困りの飼い主様、諦める前に往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

さて、ここ数日で一気に夏が近づいてきたなという感じがしてきましたね。

暖かくなってきた時に必ず考えなくてはいけないのが犬のフィラリア症ですが、今回は全く違くて、猫の血尿のお話です。

 

猫ちゃんで血尿が出ている場合に、考えなければいけないの膀胱結石があるのかな、細菌感染はどうだろうか、尿道からの出血ではないか、尿管から、または腎臓からの出血か、もしくは血尿ではなく血色素が出ているだけではないか…など、幅広く疑っていきます。

ちなみに、膀胱結石が増えるのは冬の時期です。

そして、猫ちゃんで多いのは原因不明の特発性膀胱炎で、あえていうならばストレスではないかなと考えられています。

ここ最近、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止に伴う緊急事態宣言が出たあたりから、猫の膀胱炎症例が増えてきました。ご家族様が抱えているストレスが、そのまま猫ちゃんにも影響しているのかもれませんね。

 

今日は、腫瘍によって血尿や血便が出てしまっても頑張って戦い抜いた猫ちゃんのお話です。

 

みなさん、腫瘍によって血尿や血便が出るの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。

むしろほとんどの方がどういうこと?と思われていると思います。

 

病気の末期で血尿や黒色便が出るのは腫瘍だけではありません。

腎不全や膵炎、心臓病など様々な疾患で起こり得ます。

その原因はいろいろな要因が重なって起こるのですが、炎症によって血栓ができてしまったり、その逆で炎症によって血液が固まりにくくなってしまうこともあり、血液が固まりにくくなった結果血尿や血便として症状が出てしまうのです。

こうなってしまうとなかなか厳しい状態なのですが、少しでもその後を楽にしてあげるような治療はできます。

 

私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室では病末期で苦しんでいる犬猫に対して、少しでも苦痛を緩和させつつ、その子らしく最後の時間をご家族様のもとでゆっくりと過ごしていただけるよう、在宅でのターミナルケアに特化しています。犬猫だけでなく、そばで精神的・身体的にもギリギリで支えているご家族様に寄り添うことで、より心あるターミナルケアの実現を目指しています。

 

今回はそんな、血尿と血便が出てしまった猫ちゃんのターミナルケアの記録をお話しさせて頂こうと思います。

 

東京中央区在住の18歳の高齢猫のミイちゃんです。ミイちゃんとの出会いは半年ほど前のお電話でした。

猫ちゃんの乳腺にしこりのようなものがあるそうなのですが、ご家族様は触ることが出来ず、動物病院に連れていくことができない、とのことでお電話を頂きました。

お家にお伺いすると、お部屋にミイちゃんは見えず、先にご家族様にお話をお伺いすることにしました。

数日前ミイちゃんがしきりにお腹を舐めていたため、覗き見たところしこりができていたそうです。

ミイちゃん自身もすごく気にしてはいるようですが、元気や食欲は変わらずでした。

しかし、猫ちゃんの乳腺腫瘍についてご家族様が調べたところ、悪性度が高いということを知り、心配になって私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡を頂いたそうです。

たしかに、猫ちゃんの乳腺腫瘍は悪性と良性の比は9対1で、ほとんどが悪性と言われています。

また、悪性でも発見された時点でのサイズやリンパ節への転移があるかどうかも重要になってきます。

そのあたりを調べるためにも、まずは身体検査を行うこととしました。

また、年齢的にも腎臓など他の臓器に異常がないかどうかを見ておくために血液検査をご提案させて頂いたところ、ご同意頂けましたので、採血も行うことにしました。

 

ミイちゃんは押入れの奥に隠れていましたが、バスタオルに包んで出てきてもらいました。

バスタオルの中では威嚇をしているようでしたが、やはりお家だからか興奮はしていましたが、身体検査をするには問題ない程度の興奮でした。

 

まずは身体検査です。

 

たしかに乳腺にしこりがあり、おそらく乳腺腫瘍の可能性が高いと考えられました。

大きさは5センチほどで、おそらくリンパ節への転移もしているであろうサイズで、そのほかにも小さいしこりが2つ認められました。

また、舐めてしまっていることから少し出血しており、できるだけ舐めないようにしてもらうこととしました。

 

次は採血です。

 

採血は足を伸ばす必要がありますが、足を伸ばしても諦めたのかミイちゃんは受け入れてくれました。採血も無事に終わり、これからの治療についてご家族様とお話しさせて頂くこととしました。

乳腺腫瘍のサイズがかなり大きいため、おそらく手術だけでは根本的な治療にはならない可能性が高いことをご説明させて頂くと、ご家族様としては年齢的にも無理はさせたくないとのことで、できれば緩和ケアをしていきたいとのことでした。

腫瘍のサイズから、おそらく腫瘍性の痛みがあるかもしれないこと、そして肺への転移も考えられることから、痛みに関しては抗炎症剤を使用し、もし呼吸が速くなるようであれば酸素ハウスのレンタルもお勧めしました。

現状では、呼吸状態は問題がないので、まずは抗炎症剤の内服のみで様子を見てみることとし、その日の診察は終了としました。

血液検査の結果は18歳とは思えない数値で、腎臓の数値や肝臓の数値も問題なく、腫瘍以外には血液検査で分かる範囲では治療は必要ないと判断できました。

2週間後、ミイちゃんはお薬もしっかり飲めているそうで、舐める回数も減ったということで、安心しました。

その後5ヶ月ほどお薬を続けていましたが、1ヶ月ほど前にお伺いした時にはかなり痩せていて、食欲も落ちてきて、呼吸も早い時があるとのことで、お薬を少し増量し、点滴もお家で行なって頂くことにしました。

点滴は皮下点滴で、ご家族様にご指導させて頂き、お家で出来るようにしていただきました。

また、お薬は食欲が落ちてしまったため飲むことが難しくなってきており、飲み薬をやめて点滴に混ぜて頂くことにしました。

しかし、1ヶ月後、血尿と黒色便が出ているとのことでご連絡を頂き、往診をさせて頂いたところ、ぐったりしており、おしっこは茶色で、黒色便が出ており、おそらく身体の中で腫瘍によって凝固不全が起こっていることが予測されました。

ご家族様にご説明したところ、すでによく頑張ってくれているので、無理はさせたくないとのことで、点滴と抗炎症剤を点滴して、酸素ハウスに入ってもらいました。

その時にはすでにかなり呼吸も早くなっており、舌の色も貧血によって薄くなってきておりました。

 

おそらくミイちゃんはすでにかなり頑張っていて、この日ミイちゃんの最期になるかもしれないということで離れて住んでいるご家族様もお家に来ることになっていて、ミイちゃんが皆様に会えるのを願うばかりでした。

 

そしてその日の夜、ミイちゃんはご家族皆様に見守られて虹の橋を渡っていきました。

 

ミイちゃんは最後、家族みんなに会えました。本当によく頑張ってくれました。

 

わんちゃんも猫ちゃんもみんなが来てくれる、というのを感じ取って頑張ってくれます。

その間、少しでも辛くないように過ごさせてあげることに私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室が少しでもお手伝いできればと思います。

 

今回のミイちゃんのように、腫瘍があって、徐々に悪くなっていくことは珍しいことではありません。

また、猫ちゃんは痛みや吐き気などの苦痛を隠してしまうので、ご家族様が体調の変化に気付かなくても無理はありません。

それからの時間を辛くないように過ごすために、緩和ケアやターミナルケアに往診専門動物病院わんにゃん保健室では尽力しています。

 

動物病院には連れて行けないけれど何とかしてあげたい、という場合には往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡下さい。いつでもご相談させていただきます。

 

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こんにちは! 

 

緊急事態宣言により、生活リズム、食生活などなど大きく変わってしまったご家族様は多いことと思います。

生活環境の変化に、私たち人間の健康も簡単に脅かされてしまうのですが、ペットも一緒です。特に、ストレスに弱い動物として猫が挙げられます。

往診では、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言あたりから、猫ちゃんで、おしっこが出ない、トイレによく行く、トイレで鳴く、おしっこが赤いなど、おしっこ関係の問い合わせを複数いただいております。

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通常、膀胱炎や尿石症というと寒くなってきた時期である10月〜2月くらいに多い印象ですが、やはりストレス性なのか、季節を超えておしっこ関係でのトラブルが出てきています。

 

そんな今回は、おしっこが出なくなってしまった猫ちゃんのお話です。

おしっこが出なくなる原因は大きく2つあります。

 

 

・おしっこが作られているのに出ない

・おしっこがそもそも作られていない

 

 

この2つに分けられます。

そしてどちらもかなり深刻な病態で、緊急性の高い状態です。

 

まず、おしっこが作られているのに出ない場合です。

これは神経麻痺によるものであったり、尿道や膀胱の筋肉の問題であったりすることもありますが、猫ちゃんの場合ですと尿石が詰まってしまっていることがとても多く、私たち獣医師もまずこれを最初に考えます。

 

しかし猫ちゃんの場合おしっこをするタイミングもそれぞれで、猫ちゃんの性格や環境によっては1日1回あるいは2回しかしないという子もいます。

 

どれぐらいの時間様子を見れば良いのでしょう?

 

例えばいつもの回数も重要ですが、24時間以上出ていなければ、動物病院に相談した方が良いかと思います。

そして48時間以上出ていなければ、命に関わること状態になっていることもありますので、素早い判断が必要です。

 

次に、おしっこがそもそも作られていない場合です。

こちらは今回ご紹介する猫ちゃんの原因とは異なるのですが、高齢猫ちゃんの腎不全の末期の症状として見られます。

 

おしっこは腎臓で作られますが、腎不全が起こると、ある程度の段階までは、腎臓での水分の再吸収の能力が落ちてしまい、多尿になります。

つまり薄くて大量のおしっこをします。

しかし、末期になり、脱水も進むと血圧も落ちてしまい、腎臓でそもそもおしっこを作れなくなってしまい、いわゆる乏尿になってしまい、その後無尿になってしまいます。

すると身体の中に毒素がたまってしまい、痙攣などが起こってしまうことがあるので、おしっこを作らせるために点滴を行なったり利尿剤を入れたり、血圧を上げるお薬を使ったりします。

こちらに関しては、乏尿になってきた時点で早急な治療が必要になりますが、お家ではなかなか気付かないこともよくあります。しかし、気付いた時点で動物病院に相談しましょう。

 

冒頭が長くなってしまいましたが、今回は尿石によっておしっこが出なくなってしまった猫ちゃんのお話です。

 

症例は東京都足立区在住の8歳の猫ちゃん、トラちゃんです。おしっこが昨日から出ていないとのことで、よくよく聞いてみるとおそらく24時間以上は出ていないと思うとのことでしたので、すぐにお伺いさせていただくこととしました。

本来であれば素早い処置が必要となるので、動物病院に行って頂くのですが、トラちゃんをつれてお外に行くことが出来ないためにお家での処置をご希望されたので、急ぎで向かわせて頂きました。

 

お家にお伺いするとトラちゃんは別のお部屋にいるらしく、本来であれば先に詳しくお話をさせて頂くのですが、おしっこが出ていないということで緊急性が高いため、先にトラちゃんを見させていただくことをご了承頂き、診察に入りました。

 

トラちゃんは知らない人が苦手なようでしたが、元気がないのか尻尾で抵抗する程度ですぐに保定することができました。

 

まず身体検査では、膀胱がパンパンになっていて、尿路閉塞をすぐに解除しなければならない状態でした。心拍数や血圧は正常で不整脈もその時点では出ていませんでした。

超音波で確認すると膀胱内も浮遊物がたくさんあり、尿道内にもこの浮遊物が栓のようになってしまっておしっこが出なくなってしまっていることが予測されました。

 

すぐに尿道内にカテーテルを入れて、閉塞を解除する処置を行いました。

尿道内の栓はなかなか硬く、カテーテルもなかなか進みませんでしたが、うまく挿入することができ、大量の血尿が出てきました。

もちろん、そこから採尿して尿検査も行います。

 

では尿路閉塞はなぜ命に関わるのでしょうか?

 

通常腎臓で作られたおしっこは膀胱に送られて、ある程度たまると排尿されます。

しかし、膀胱から排尿されなければ、どんどん膀胱内の圧が高まり、その影響で腎臓にも負担がかかり急性腎不全を引き起こします。

急性腎不全というのは急激に悪くなっていき、本来出される老廃物が身体の中に溜まってしまいます。

その中でもカリウムという電解質が体に溜まってしまうことで不整脈を引き起こし、心停止してしまうこともあるので、尿路閉塞しているときは不整脈が出ているかどうかもとても重要です。

 

今回のトラちゃんも尿路閉塞からの急性腎不全になっている可能性や高カリウム血症になっている可能性があることをお話しさせて頂き、血液検査の必要性をお話ししたところご同意頂けましたので、採血を行い、皮下点滴、抗生物質の注射をしっかりと行い、尿道カテーテルを残して、次の日再診でお伺いさせて頂くこととし、その日の往診は終了としました。おしっこが出ているかどうかをしっかりとチェックしていただき、数時間で全く出ていないようであれば必ずご連絡をいただくこととしました。

 

血液検査では、カリウムの数値はわずかに高いだけで、腎臓の数値も問題なく、今回は急性腎不全になっていないということが分かり一安心しました。

 

また尿検査ではストルバイト結晶という溶けるタイプの結晶がたくさんでており、おそらくこれらの結晶と血の塊が栓になってしまっていたことが予想されました。

 

次の日もう一度再診にお伺いしたところ、トラちゃんの顔つきは昨日より良くなっており、朝ごはんも食べてくれたとのことで、一安心しました。また、おしっこも血尿が続いてはいるとのことでしたが、ちゃんと出ているようで安心しました。

 

カテーテルは感染の原因にもなるのであまり長く入れておくことは推奨されていないので、一度抜いて、引き続き皮下点滴と抗生物質は続けることとしました。皮下点滴はお家でできそうとのことでしたので、その日しっかりと獣医師からご指導させて頂きました。

 

また結晶に関して、溶けるタイプの結晶だったので、ご飯を尿石用フードへ切り替えた頂くこととしました。

 

トラちゃんはその後尿路閉塞を再発することなく、結晶も無くなりました。

 

このように、普段何気なく猫ちゃんのトイレの掃除をされていらっしゃる方が多いかと思いますが、しっかりとおしっこは出ているか、量は少なくないか、色は正常か、など毎日見ていると分からなくなってしまいがちですが、毎日チェックして頂くことが、猫ちゃんの一番の健康チェックとなります。

そして異変を感じたら、なるべく早めに動物病院にご相談ください。また猫ちゃんを連れての待ち時間や猫ちゃんが家から連れ出せないなど通院ストレスが大きいという方は、往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡下さい。

 

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

往診で出会うペットの中には、今までは動物病院に通院できていたが、呼吸が苦しくなってしまったために、家の中に酸素室を用意し、その中で生活させているご家族様がいます。

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心不全、腎不全(腎不全の進行に伴う貧血によって呼吸が苦しそう)、肺の病気など、病気は様々ですが、最近では、動物病院の酸素室で入院させて最後まで過ごさせるのではなく、ご自宅に酸素室を準備して、苦しい時はその中で過ごさせ、元気があるときには外で遊ばせてあげているというご家族様が増えてきています。

しかし、長時間の酸素室からの外出はあまりお勧めできず、舌の色が紫色(チアノーゼ)になってきた場合や、呼吸が荒い、呼吸が早いなど、呼吸状態が悪くなってきた時にすぐに酸素が身近にある環境を常に維持しなければいけません。

そのため、なかなか動物病院まで愛犬・愛猫を連れて通院することができず、そのためかかりつけの動物病院から内服薬をもらうのですが、そんな状況で内服を飲める子なんてほとんどいません。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ご自宅で酸素ハウスに入って呼吸を安定させている犬猫への投薬を皮下点滴などを用いて苦しがっているペットにも、お薬を投与することができます。

基本は獣医師と動物看護師がチームとなってお伺いするため、ご家族様は安心して離れて見守っていただけます。

皮下点滴の中に混ぜられるお薬は内服薬から注射薬に変更し、出来る限り内服薬の数を少なくすることで、愛犬・愛猫への負担を軽減していきます。

酸素室から出られなくなってしまったワンちゃん、猫ちゃんと暮らしているご家族様、諦める前に当院までご連絡ください。

 

そんな今日は、今回は呼吸が苦しくなってしまったわんちゃんのお話です。

 

わんちゃんが呼吸困難になる原因は様々で、例えば気管虚脱や、肺炎、気管支炎、肺がん、アナフィラキシーショック、などなどたくさんあります。

その中から今回は気管虚脱が原因で呼吸が苦しくなってしまったわんちゃんをご紹介します。

 

呼吸が苦しい、酸素室内で処置(東京中央区/愛犬の訪問獣医)

症例は、東京中央区在住の12歳の高齢犬、ポメラニアンのポンちゃんです。

ポンちゃんはお外ではいつも大興奮して、お家では警戒心が強く、番犬としてもご家族様から愛されています。

私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室は、往診車で東京都内を往診していますが、その道中でポンちゃんのご家族からお電話がありました。

多くの場合、診療中ですぐに電話を取ることができません。そのため、往診をご希望される場合には、必ず留守番電話にメッセージを残してください。

 

・住所

・名前

・連絡先

・動物種(犬/猫)

・年齢

・性別(避妊去勢の有無)

・症状

 

 

戻ります。

昨夜、呼吸困難で救急病院へ行ったが、外に連れて行くと興奮してまた呼吸困難になってしまいそうなので、往診をして欲しいとのご依頼でした。

現在は酸素を吸っているとのことでしたので、緊急性を感じ、すぐにお伺いさせて頂くこととなりました。

お家に往診すると、ポンちゃんは別のお部屋で酸素室にいて、私たちに会うと興奮してしまうかもしれないのでまずはおはなしをお伺いすることとなりました。

ポンちゃんは小さい頃から気管虚脱があり、興奮するとよく咳をしたりしていたそうなのですが、昨日久しぶりにご家族様がみんなお揃いになると、嬉しくて大興奮し、咳が止まらなくなってしまい、そのまま舌の色がどんどん悪くなっていってしまったため、救急病院へ急いで連れて行ったとのことでした。

救急病院では検査を行い、気管虚脱と、喉が、咳の炎症によって腫れてしまって呼吸が苦しくなってしまっていること、また、ポンちゃんはやや肥満だったために脂肪によっても気管が慢性的に圧迫されていたとのことで、喉の炎症を抑えるために抗炎症剤の投与とネブライザーの処置をして酸素ハウスをお家に設置することを勧められ、お家にレンタルしたそうです。

そして朝方になると少し舌の色が戻ってきたためお家に帰ったそうです。

しかし、酸素吸入をやめると、また舌の色が悪くなってしまうらしく、酸素ハウスから離脱して自由にさせてあげたいけれども、動物病院に連れて行くのはまた興奮してしまって呼吸困難になるのが怖いということで、今回往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡を頂きました、

まずは、ポンちゃんの現状を見るために、酸素ハウスから出して、酸素を吸入しながら身体検査を行うこととしましたが、まず酸素ハウスから抱っこで出そうとするとすごく興奮してしまい、舌の色が悪くなりそうでしたので、急いで酸素ハウスに戻ってもらいました。

少しすると私たちに慣れたのか、落ち着きを取り戻し、ご家族様に酸素ハウスから出してもらいました。

酸素吸入をしつつ、身体検査をしたところまだ呼吸音は完全に良化はしておらず、治療が必要と判断しました。

また、血液検査は昨日の救急病院で実施していたため、数日後呼吸が少し落ち着いたころに行うこととしました。

やはり抗炎症剤や抗生剤、気管支拡張剤は必須と思われ、注射にて入れていきました。

お家であれば、興奮してもすぐ落ち着いてくれるので、あまり舌の色が悪くなることなく、処置をすることができて一安心しました。

このような場合、あまりにも興奮しているようであれば、興奮することが致命的になってしまうため、鎮静剤を投与することもありますが、今回は往診でお家の中で処置を出来たからか、鎮静剤を使わずに済み良かったです。

その日は1日2回で使って頂きたい注射薬をお渡しして、診察は終了とし、次の日にもう一度往診することとなりました。

本来病院であれば、救急病院にてレントゲン検査で気管支炎、あるいは肺炎のような像も見られたため、連日でレントゲン検査を行うところですが、飼い主様が動物病院への通院をご希望でないことと、車に乗せることでの興奮による呼吸困難の方が心配ではあるので、状態が落ち着くまでは一旦レントゲン検査は保留としました。

次の日お伺いすると、ポンちゃんは慣れたのか、昨日と比べてほとんど興奮することなく、呼吸も少し落ち着いているように感じました。

呼吸音はやはりまだ完全に、とはいきませんが、少しずつ良くはなってきていたので、少し酸素流量を落として、少しずつ酸素ハウスからの離脱を試みました。

治療は同じように続けて、5日後!ポンちゃんはついに酸素吸入から離脱することができました!

しかし、興奮や暑さにはやはり要注意で、ハアハアしてしまうといつまた呼吸困難になるか分からないような状況でしたが、ご家族様は気管虚脱の積極的な治療は望んでいらっしゃらず、内科的治療で今後続けていく予定です。

また、肥満も呼吸を苦しくさせている一因なので、ダイエットも頑張ってもらうこととなりました。

 

今回のポンちゃんのように、興奮することが呼吸困難を引き起こしてしまうことも十分にあり得ます。

また、呼吸困難の状態では車での移動がかなり負担になってしまうため、入院することがほとんどですが、酸素ハウスで管理ができる場合はお家にいた方がストレスが少ない場合が多いので、もし呼吸状態のことでご相談がございましたら、いつでも往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡下さい。

 

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

 

今回はある慢性疾患を治療中に急に食欲が落ちてしまった、東京足立区にお住まいの猫ちゃんのお話です。東京足立区からの往診依頼は結構増えてきています。

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動物たちも高齢になると、身体のいろいろな部分で病気が見つかることが少なくありません。

その中でも、猫ちゃんは心臓や腎臓、甲状腺の疾患や腫瘍などが見つかることが多く、場合によってはそれぞれの臓器で治療をすると別の臓器に負担がかかることもあるので、そのバランス取りが難しいこともよくあります。

 

たとえば、腎臓を治療するために点滴をすると、腎臓はおしっこをたくさん作ることができるため助かりますが、心臓では血液量が増えて負担が大きくなってしまいます。

あるいは、甲状腺の疾患があり、甲状腺を治療すると、血圧が下がって心拍数も落ち着き心臓の負担は減りますが、腎臓としては腎臓への血液量が減ってしまい負担が増えてしまいます。

このように身体の中ではそれぞれがバランスを取って、身体の恒常性を保っています。

 

今回お話するのは、心臓病を治療中に急に食欲が落ちてしまった高齢猫ちゃんのお話です。

 

症例は東京足立区在住の16歳の高齢猫のはなちゃんです。はなちゃんとは、半年ほど前に出会いました。

その時は、動物病院が苦手なはなちゃんは、今までほとんど動物病院に連れて行けていなかったため、健康診断をして欲しいとのことで往診専門動物病院わんにゃん保健室にお電話をいただきました。

 

当時のはなちゃんは、元気食欲も特に問題はなく、一般状態は良好でした。

しかし、検査を行ったところ、腎臓の数値は問題ありませんでしたが、おしっこが薄くなってきていて腎不全が始まってきていること、心筋症が疑われました。そのため、腎臓と心臓の内服薬を開始し、定期的に往診でお伺いして検査を行い、進行がないかをチェックして、経過は良好な様子でした。

 

ところが、1週間ほど前に、はなちゃんのご家族様からお電話を頂きました。

ここ最近少しずつ食欲が落ちていっていて、大好きなウェットフードさえほとんど口にしなくなってしまったとのことで、すぐに往診させて頂くこととしました。

 

・・・〜 往診専門動物病院の初診の多くが当日予約 〜・・・

往診専門動物病院わんにゃん保健室の診察は、完全予約制です。前日20:00までのご予約確定で、翌日10:00以降の往診予約が可能です。

前日20:00以降は、翌日の往診予約であったとしても当日予約扱いとなりますので、ご注意ください。

そうは言っても、病気はいつ発症するかがわからないことから、初診の多くは当日での緊急予約が多いです。その場合には、往診スケジュールを確認し、できる限り時間を調整し獣医師と動物看護師で往診に向かいます。日によっては夜間診療、または深夜診療でしか予約枠を取れない場合もございますが、それでも当日中に往診した方がいいと判断される症状を呈していた場合には、想定される費用面をご了承いただいた上で往診させていただきます。

1日中で3回以上吐く吐きが止まらないぐったりしているご飯を食べないトイレに頻繁に行くトイレで鳴く猫で口を開けてハァハァしているなど、症状は様々ですが、少しでも異変を感じましたら、それは緊急のサインです。

ご家族様だけで判断せず、必ず獣医師の指示を仰いでください。

もう少し早ければ...ということをできる限り減らすためにも、かかりつけ動物病院への問い合わせを心がけましょう。もし動物病院に通院していなくてかかりつけ動物病院がない、またはかかりつけ動物病院に電話がつながらない場合などは、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

 

 

お家にお伺いすると、はなちゃんとはすでに何度も会っているので、はなちゃんもあまりびっくりした様子はなく、またかというような様子でこちらを見てくれました。

まずは心臓が悪化して呼吸状態が悪くなっていたのか心配していましたが、はなちゃんの様子と呼吸数を見る限りでは呼吸状態の悪化ではないようでした。

詳しくお話をお伺いすると、最近少しずつドライフードを残すようになったと感じられていたそうなのですが、ここ2,3日はウェットフードも残すようになり、心配になって往診のお電話を頂いたとのことでした。

また、最近少し吐く回数が増えたとのことでしたが、下痢はなく、ただ、嘔吐回数が増えて食欲が落ちていったということでした。

嘔吐回数が増えたことから、慢性腎不全の悪化、甲状腺機能亢進症、あるいはお腹の中の腫瘍、胃腸炎などが考えられました。

 

まずは身体検査です。

身体検査では、軽度の脱水と、お腹に2センチほどのしこりが認められました。

また、心臓や肺の音には大きな問題はありませんでした。

そのため、検査としては血液検査とお腹の超音波検査をご提案させて頂いたところご同意頂けましたので実施することとしました。

 

次に採血です。

はなちゃんは元気がないからなのか、ほとんど抵抗することなく採血は終了しました。

 

次にお腹の超音波検査です。

超音波検査では、肝臓から脾臓、腎臓、膀胱、副腎、消化管という順番で見ていきます。

今回もその順番に準じて見ていきましたが、最後の消化管を見ていると、おそらく身体検査で触知できたしこりが見られました。

サイズは約3センチ。

おそらくリンパ節の可能性が高く、このリンパ節により消化管が押されて、一部通りが悪くなっていて食欲が落ちていることが予測されました。

ご家族様に、このしこりの細胞を取って、腫瘍かどうかを検査するかどうかをご相談させて頂いたところ、高齢なので検査はせずに対症療法で進めて欲しいとのご希望でしたので、しこりに対する対症療法も実施することにしました。

 

高齢の猫ちゃんで消化管にできる腫瘍で多いのが消化器型リンパ腫です。

今回、確定診断は出来ていませんが、ご家族様と相談し、リンパ腫の可能性を考えてステロイドを使用して試験的治療を行なっていくこととしました。しかし、現状では、腎不全の悪化や甲状腺機能亢進症の可能性も否定できていないため、本日のみ点滴治療と吐き気どめや胃薬のみで、ステロイドは使用せずに治療しました。

次の日もう一度再診を行うとして、その日の診察は終了としました。

 

血液検査では、腎臓の数値はとても高いわけでなく、また甲状腺の数値に関しては正常値であったので、食欲低下の原因はおそらくお腹のリンパ節が原因と考えられました。

そのため、再診時からもう一度ご家族様とご相談し、検査をせずにステロイドを使用していくこととなりましたので、ステロイドを使用していくこととしました。

ステロイドを使用したところ、お腹のリンパ節は正常のサイズまで小さくなり、食欲もいつも通りまで回復しました。しかし、リンパ腫に対するステロイドの効果は長くて1ヶ月ほどで、それ以降は徐々に効き目がなくなってきてしまいます。

ご家族様としては、そのことも考えて、しかし最期まではなちゃんらしくご飯を食べて欲しいとの思いでステロイドを使用していくという選択をされました。

はなちゃんは現在、ステロイドは注射ではなく飲み薬で飲めていて、調子も良好です。

 

今回のように、検査をせずに試験的治療を行うというのも一つの選択だと私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室では考えております。

その子、そのご家族様に合った最良の診療プランを往診専門動物病院わんにゃん保健室ではご相談させて頂きます。動物病院に連れて行けず、お悩みの方一度お気軽に往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡下さい。

 

 

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診専門獣医師の江本宏平です。

往診専門ということもあり、診察はもっぱら猫ちゃんが多く、わんちゃんでは大型犬で起立不能(立てない)や後肢ふらつきなどでご予約いただくことが多いです。

診療エリアは東京中央区、東京港区を始め東京23区全土であり、たまに近隣地区まで訪問することもあります。最近は、東京板橋区からのご依頼が増えてきました。動物病院に通院できない場合には、諦めず、まずは当院までご連絡ください。また、慢性腎不全の猫ちゃんで、皮下点滴の為だけに動物病院に通院させている場合には、ご自宅での皮下点滴に切り替えることができますので、猫ちゃんの皮下点滴でお悩みの飼い主様もお気軽にお問い合わせください。

 

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今日は、最近痩せてしまい歩く時にふらつきが出てきてしまったという、東京板橋区在住の高齢猫ちゃんのお話です。

 

ふらつきが出てきた猫ちゃん、皆さんは何を想像しますか?

 

筋肉が少ないから支えられない?麻痺が起こっている?貧血?など考えられることは様々です。

 

今回ご紹介するのは、そんなたくさん原因が考えられる、ふらつきという症状が出てきた高齢猫ちゃんです。

 

症例は東京板橋区在住の17歳の高齢猫のマルちゃんです。

 

ふらつき、嘔吐、食欲低下(猫/東京板橋区)

マルちゃんとは、1ヶ月ほど前にかかってきた1本のお電話が最初の出会いでした。

マルちゃんのお母さんからの電話が来たのは、これまた偶然で、東京板橋区を往診していた時でした。

 

お家の猫ちゃんが最近痩せてきていて、そのせいかふらつくようになったとのことで、往診をご希望されました。食欲も落ちてきているとのことでしたので、その日のご予約の空いているお時間で、お電話当日に往診させて頂くこととしました。

ちなみに、猫ちゃんで食欲の低下を認めた場合には、あまり放って置かないほうがいい場合が多いです。

 

マルちゃんのお家にお伺いすると、マルちゃんは別のお部屋にて横になっているとのことでしたので、先にご家族様から詳しくお話しをお伺いすることとしました。

 

マルちゃんは3年ほど前におしっこが増えてきた気がするということで、一度動物病院に行った際に、血液検査を行なったところ腎臓の数値はまだ高くはなかったということなのですが、尿検査で腎不全の初期の可能性があると言われたとのことで、その後も気にはなっていたそうなのですが、元気も食欲もあったので、様子を見ていたそうです。

というのは、動物病院に行った際に、かなり大興奮で診察室の中でも鎮静が必要かもしれないと言われるほどの興奮で、お家に帰った後も疲れでぐったりしてしまっていたそうで、それを考えるとどうしても動物病院に連れて行くのが躊躇われたとのことで、今回往診をご希望され往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡を頂いたとのことでした。

 

マルちゃんはここ1ヶ月ほどで少しずつ食欲が落ちてきて、みるみる痩せてしまい、それとともにふらつきも出てきてしまったということでした。

以前からおしっこが薄かったということから、慢性腎不全の進行がもっとも可能性として考えられました。しかし、他の原因でふらつきが出てしまうこともあるので、まずは身体検査、血液検査を実施して、原因を特定することをご提案させて頂いたところ、ご同意頂き、マルちゃんのお部屋に入らせもらいました。

マルちゃんのお部屋に入ると、マルちゃんはベッドの上で丸くなっており、いつもなら知らない人が来るとすぐどこかに行ってしまうそうなので、元気がない様子でした。

 

まずは身体検査です。

 

身体を触るとたしかにすごく筋肉が落ちてしまっていて、痩せていました。また、すごく脱水しており、舌の色も薄くなっていて貧血していることが予測されました。加えて、よだれも出ており、悪心がある様子でした。心臓や肺の音には問題はありませんでした。その後素早く採血を行い、その日は脱水を補正するために皮下点滴、吐き気どめ、胃薬などを注射し、マルちゃんを解放しました。

 

ご家族様に現在の身体検査での所見をご説明したところ、驚かれていましたが、猫ちゃんは本能的に自分の体調不良を隠して元気なように振舞ってしまうので、もちろん気付かないこともよくあります。

この時点で私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡を頂けて良かったかと思います。

次の日にもう一度再診させて頂くこととして、その日の診察は終了としました。

 

血液検査では、やはり腎臓の数値がかなり高くなっており、貧血の数値は低くなっていました。このことから、慢性腎不全の悪化による尿毒症と貧血が今回の食欲不振とふらつきの原因と考えられました。

 

では慢性腎不全でなぜ貧血になってしまうのでしょうか?

本来、腎臓から骨髄に向けて赤血球を作るように指令するホルモンを出します。そのホルモンをエリスロポエチンと言います。エリスロポエチンの量によって骨髄で作られる赤血球の数は上下し、コントロールされています。ところが、慢性腎不全になるとエリスロポエチンの産生量が下がってしまい、骨髄に向けて指令が送れなくなってしまい、身体の中の赤血球が減ってしまいます。そうして貧血になってしまうのです。

 

ではそうなってしまった時はどうすれば良いのでしょう?

 

そういう時は、外から注射でエリスロポエチンを入れてあげます。根本的な治療ではありませんが、こうすることで骨髄が反応して赤血球を作ってくれます。

赤血球は酸素を全身に運ぶ大切な役割をしているので、赤血球が減ってしまうと全身が酸欠状態になってしまいます。そのため、あまりにも貧血が進んでしまっている場合には酸素室のレンタルをオススメします。

今回のマルちゃんは酸素室が必要なほどではありませんでしたが、貧血を起こしているため、エリスロポエチンの注射は必要と考えられました。

 

次の日、再診にお伺いすると、昨日より少し顔つきは良いけれどまだご飯は食べていないとのことでした。貧血や腎臓の数値に関してご家族様にご説明し、注射の必要性をお話しさせて頂いたところ、エリスロポエチンの注射を行い、集中的な点滴治療をまずは3日間させて頂くこととなりました。

 

3日目には、マルちゃんは少しウェットフードを食べてくれるまでになっていたので、引き続きもう少し同じ治療を続けたところ、1週間後にはご飯をいつも通り食べてくれるまでになり、ご家族様も一安心されていました。また、貧血の数値も改善し、ふらつきもなくなりました。

 

しかし、脱水が完全になくなっているわけではないので、緩和ケアとして、お家での1日1回の皮下点滴を行なって頂いて、次回の診察は2週間後となっています。

その後は月に1回の診察ペースに出来ればと思っていますが、マルちゃんの調子次第でご家族様とのご相談となります。

 

マルちゃんのように、気付かないうちに慢性腎不全が悪化しているケースは珍しくありません。しかし、もう一度体調を持ち直してくれる猫ちゃんもたくさん出会ってきました。

動物病院が苦手で連れて行けていないご家族様も、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室ではお家での診察になるので、動物たちのストレスも最小限です。お気軽にご相談ください。

 

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往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診専門獣医師の江本宏平です。

 

ここ数日、大型犬と暮らしているご家族様からの往診依頼が増えています。

大型犬と暮らしている方からの往診予約を受ける場合に多い主訴は以下です。

 

1週間前くらいから後ろ足が立たない

吐いてからご飯食べない

トイレに頻繁に行く

呼吸が荒い

食欲がない

よく寝ている

 

などです。バーニーズやゴールデンレトリバーなど、おそらく30kg以上になると、愛犬自らが歩いてくれないと、家から連れ出すことすら難しくなるであろうと考えています。

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もし愛犬が暮らす環境が1階でバリアフリーであったとしても、リビングから駐車場まで、そしてそこから車に載せ、動物病院について、車から下ろしてあげて、などの工程を考えると、かなり大変になってきます。

大きな犬種を飼おうとお考えの方は、ライフプランをしっかりと考えた上でご検討ください。

 

今日は、大型犬で多い疾患の1つである、甲状腺機能低下症を発症した高齢犬のお話です。

 

ここでも何度か甲状腺のお話しをさせて頂きましたが、今回もう一度簡単に甲状腺とは何をやっている臓器なのかをお話しさせていただきます。

 

甲状腺について簡単にお伝えします

甲状腺とは、ホルモンを出して身体の代謝を調節している臓器です。

厳密には、脳から放出されたホルモンが甲状腺に作用して、甲状腺が血中にホルモンを出して、血液に乗ってホルモンは全身の臓器に影響します。

たとえば、心臓に作用すると心拍数が上がったり、消化管に作用すると消化管の動きを活発にしたり、血管に作用すると血管が収縮し血圧が上がったり、皮膚に作用すると皮膚の生まれ変わりが早くなったり、などといった作用が起こります。

その結果、私たち人間も、動物たちも活発に生活することができるのです。

甲状腺ホルモンがたくさん出すぎると、身体の代謝はすごく上がり、食べても食べても太らない、などといった症状が出てきます。

逆に甲状腺ホルモンの放出量が減ると身体の代謝が下がって、何となく元気がない、太ってしまう、目に見えないところでは、骨髄の代謝機能が落ちてしまい貧血が起こってしまう、などといった症状が出てきます。

 

今回はそんな甲状腺ホルモンの放出量が減ってしまっている、甲状腺機能低下症のわんちゃんのお話です。

 

元気がない、脱毛、痒くない、後肢ふらつき(大型犬/東京足立区/ペット往診)

症例は、東京足立区在住の13歳の高齢犬、ゴールデンレトリバーのぽんちゃんです。ぽんちゃんとの出会いは1年ほど前になります。皮膚症状が最近悪化してきた、とのことでお電話をいただき、往診させて頂くことになりました。

 

ぽんちゃんは人に興味はあり、フンフンと寄ってきてくれますが、撫でようとすると、触られるのは苦手なのか口をムキっとするシャイなわんちゃんで、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフがお家に入るとフンフンと寄ってきてくれました。

往診のご予約時にお伺いしていた通り、後肢にふらつきがあり外側に開いてしまい、前肢で頑張って支えているという感じでした。

ぽんちゃんに挨拶をして、ご家族様に詳しくお話しをお伺いすることにしました。

ぽんちゃんは小さい頃から皮膚症状があり、アトピー性皮膚炎と言われ、シャンプーや保湿もしっかりと行い、痒みが出た時にはかゆみ止めを飲んでなんとか痒みをコントロールしていたそうです。

しかし、最近になって、今までは痒くて掻いてしまい脱毛することはあっても、何もなく脱毛することはなく、また、皮膚の症状もお薬を飲んでもコントロールし難くなってきたが、動物病院に連れて行くには抱き抱えなければいけないと言うことで、なかなか難しいということで往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡を頂いたとのことでした。

ここで、気になった点が、痒みもないのに脱毛するという点です。通常アトピー性皮膚炎であれば、アレルギーなので必ず痒みを伴います。

ところが、今回ぽんちゃんは痒みを伴わない脱毛ということで、内分泌系の疾患の可能性を考えて、ホルモン検査を含む血液検査をご提案させていただきました。ご家族様にご同意を頂き、ぽんちゃんの診察が始まりました。

まずは身体検査です。身体検査では、お腹の両側の毛が薄くなっていて、お腹の皮膚も肥厚して痒そうな様子でした。また、足の指の間も痒そうで赤くなっており、ここに関してはアトピー性皮膚炎が考えられました。

 

次に血液検査です。

足を触るとぽんちゃんはとっても嫌がっていましたが、往診専門動物病院わんにゃん保健室はこういう子にも慣れていますので、素早く採血し、ぽんちゃんを解放しました。

触られなければ良いのか、ぽんちゃんはまた寄ってきてクンクンしてくれました。

お薬はまだ残っていたので、3日後を再診とし、その日の診察は終了としました。

血液検査では、脱毛する内分泌系の疾患を考えるために、甲状腺ホルモンと、副腎のホルモンを調べました。

副腎とは、身体の中でステロイドを出している臓器で、副腎からのホルモンが増えすぎる病気、つまり副腎皮質機能亢進症という病気でも脱毛が起こるので、念のために甲状腺と副腎両方について調べました。

その結果、甲状腺ホルモンの低値が認められ、脳からの甲状腺を刺激するホルモンはたくさん出ていたことから、甲状腺機能低下症を診断しました。

ぽんちゃんはおそらく、元からアトピー性皮膚炎がありましたが、高齢になり、甲状腺機能低下症を併発したことで皮膚の代謝が落ちてしまい、アトピー性皮膚炎のコントロールがうまくいかなくなってしまったことが予測されました。

再診にお伺いさせて頂いた際に、血液検査結果をご説明させていただき、その日から甲状腺ホルモンのお薬を飲んでもらうことになりました。治療としては、このお薬を飲みつつ、身体のホルモン濃度がしっかりと上がっているか、どれぐらいの血中濃度になっているか、ということをモニタリングしていく必要があります。また、ぽんちゃんの場合、皮膚への影響もあったので、皮膚が良くなるかどうかもモニタリングしていくこととしました。

その後、ぽんちゃんのホルモンの濃度もしっかりと安定し、それとももに皮膚の症状も少し落ち着いてきていますので、アトピー性皮膚炎の治療にしっかりと専念できるかと思います。

今ではぽんちゃんの検査は2ヶ月に1回まで伸ばすことができるほど安定し、後肢のふらつきもだいぶ改善されています。

 

今までの治療を続けていても最近悪化が見られる、といった場合、ぽんちゃんのように、別の疾患が隠れている可能性があります。

 

今の治療だけでは足りないのかな?でも動物病院に連れて行くのが難しいと悩まれている大型犬と暮らしている飼い主様、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談下さい。別の疾患の可能性も考慮し、本人にできる限り負担がないような検査、治療、今後のプランなどをご提案させていただきます。

 

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