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東京中央区 犬猫往診の最近のブログ記事

腎臓病の猫ちゃん(東京中央区)

東京都台東区を中心に、ペットの往診を専門にて行っている動物病院、わんにゃん保健室です。
当動物病院では、犬や猫といったペットの往診で、飼い主様とわんちゃん・猫ちゃんの安心をサポートします。

動物病院を嫌うペットの飼い主様からのご相談を多数受け、台東区に限らず、東京23区にて往診エリアを拡大しております。
病院が苦手なわんちゃんやねこちゃんの飼い主様は、是非一度、わんにゃん保健室へご相談ください。

 

 

わんにゃん保健室では、腎臓病のご相談が増えています

猫ちゃんと暮らしているご家族様であれば、腎臓病という言葉は聞いたことがあると思います。

 

腎臓病になると、特徴的な所見として、よく水を飲む(多飲)、よくおしっこをする(多尿)、食欲がない(食欲不振)、吐く(嘔吐)、下痢または便秘などがあり、進行するとふらつきが見られることもあります。

 

多飲多尿嘔吐猫.png

 

高齢の猫ちゃんに多く見られる病気であり、経験上10歳以上の猫ちゃんで、上記の症状がある場合には、かなり高い確率で腎臓病が認められます。

 

往診で出会う猫ちゃんの多くが、多飲多尿ではまだ様子を見ていたが、吐く頻度が多くなり、ご飯を食べなくなったという症状を抱えています。

 

腎臓病は進行性の病気であるため、本来であればもっと早い段階で検査をして発見することができれば、早期に治療を入れることができ、少しでも長く腎臓をケアしてあげることが可能とされています。

 

それでも症状の経過を待ってしまうのは、動物病院に連れて行った時にとても嫌がっている姿を見て、あまりにもかわいそうだったというトラウマがあるためであり、その結果、動物病院と距離ができてしまったのだと考えられます。

 

「こんなに暴れるなら、もう連れて来ないでほしい」

 

診察室で言われた辛辣な言葉で、深く傷付けられてしまった飼い主様は、少なくありません。

 

とはいうものの、できれば1年に最低でも1回は健康診断をしてあげたほうが、その時の状態を知ることができるので、万が一異常値があっても、早期に対処できる可能性が高くなるため、お勧めです。

 

もし通院が苦手な場合には、通院以外の方法として往診があります。

 

通常の動物病院に付随する往診ですと、院内検査や手術を優先されてしまうことから、単発の往診依頼であればばまだしも、慢性疾患とされる腎臓病や緩和ケアなどの時には、定期的な時間の確約などができずに辛い思いをされるかもしれません。

 

慢性疾患や緩和ケアで往診を望まれているご家族様には、往診専門動物病院にお願いすることをお勧めしています。

 

ここ数年で往診専門動物病院が全国的に開設されつつありますので、もし通院が難しい場合には、どの往診専門動物病院がご自宅まで来てくれるのかを、早めに調べておくことが大切です。

 

今日は、尿石症疑いで検査したところ、たまたま腎臓病を発見でき、今もなお元気に過ごしているカツオくん(初診当時8歳、2019年)のお話です。

 

カツオちゃん1.jpg

 

カツオくん8歳、東京中央区(2019年当時8歳)

初診:2019年8月24日

初診時のカツオくんは、なんとなく調子が悪いことと、黄色い大量の嘔吐、尿があまり出ていなさそうとのことでした。また、食欲はあり、排便もしっかりできていたとのことでした。気になるのは、もともと尿石症持ちとのことで、もしかしたら結石ができて尿閉を起こしているかもしれないと心配されていました。

 

超音波検査にて膀胱に結晶を疑うキラキラ光る浮遊物はたくさんありましたが、明確な結石はありませんでした。なお、膀胱も収縮していたことから、尿閉は否定されました。

 

この日は、皮下点滴の処置をして、症状の緩和を図りました。

 

再診:2019年8月31日

血液検査結果上、腎臓病ステージ2であることが疑われました。

全身状態も良好であることから内服薬を開始するまでとしました。

この日から、カツオくんの投薬生活が始まります。

 

最初のうちは、1ヶ月に1回の血液検査と超音波検査(エコー検査)でしたが、調子もいいことから、今では3ヶ月に1回と頻度を下げることができています。

 

カツオくんは吐きやすいタイプの猫ちゃんでして、嘔吐を3日連続した、または1日のうちに2回以上激しい嘔吐をして食欲が下がってきた場合には、まずはご連絡をいただき、頓服薬として準備してある吐き止めを飲ませてもらうようなプランを組んでいます。

 

今後どんな事が起こりうるのかを事前にご説明させていただき、その時に対応できるような頓服薬をどこまで準備するかを決め、ご自宅に備えていきます。

 

図1.png

 

まとめ

慢性腎臓病の定期検査は、1〜3ヶ月に1回とする場合が多く、この時のデータ次第でその頻度が決まります。

本来であれば、あまり高頻度に針を刺して検査をすることは、猫にとってもストレスになることもあり、あまり実施したくないところではあります。

しかし、急性期と言って、徐々に数値が悪化してきたのではなく急に悪化した場合には、1日2回の採血やそれ以上の頻度で検査することだってあります。

 

検査頻度に関しては、猫ちゃん性格と、ご家族様の意向、そして猫ちゃんの状態を考慮しながら、都度判断していきましょう。

 

どんなきっかけだったとしても、もし最後の検査から半年以上空いてしまっている場合には、状況把握の意味合いも込めて、血液検査だけでもお願いすることをお勧めします^^

 

猫ちゃんの腎臓病特設ページ

猫ちゃんと暮らしている以上、腎臓病については知っておかなければいけません。

腎臓病とは?腎臓病になるとどうなるのか?猫ちゃんではどんな薬を使うのか、などなど。

そして、大切なことは通院ができるかどうか、という点です。

なかなか動物病院に通院が苦手な猫ちゃんの場合には、往診ではどんなことができるのか、ご参考にどうぞ!

 

猫の腎不全特設サイト:https://asakusa12.com/kidney-failure/index.html

 

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猫ちゃんと暮らしているご家族様なら、ほとんどの方が知っている病気に「腎不全」があがると思います。

 

なんでこんなに腎不全が有名なのかっていうと、ほとんどの猫ちゃんが腎臓を悪くするからです。

 

腎臓が悪くなるとどうなるのかってことですが、以下に大まかな症状を書きましたので、家にいる猫ちゃんが当てはまっていないか、セルフチェックしてみてください^^

 

◻︎お水をたくさん飲むようになった

◻︎おしっこの量が増えた

◻︎おしっこの色が薄くなった

◻︎おしっこの臭いが薄くなった

◻︎食欲が下がった

◻︎痩せてきた

◻︎吐き戻す頻度が上がった(週2回以上になった)

◻︎たまに痙攣発作を起こす

 

その他にもたくさんありますが、まずは気付きやすいところからです。

 

これらのどれか一つでも当てはまれば、即検査を受けてください。

 

今日は、猫ちゃんの腎不全3症例についてお話しさせていただきます。

 

お家でゆっくりマイペースに暮らす猫ちゃんの体調判断に、これらが参考にあれば幸いです^^

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症例1. 猫、13歳、1週間前から嘔吐の頻度が増えた(東京中央区勝どき/猫往診)

カンタくん、13歳、去勢雄、3.5kg(最盛期6.2kg)

 

もともとは動物病院に通院できたタイプの猫ちゃんでした。

 

そのため、年1回は健康診断を受けていたそうです。

少しずつ、血液検査での腎臓の数値が進んできているとは言われていましたが、特別大きな症状を示していなかったとのことでした。

 

血液検査では腎不全とそれに伴う肝数値上昇など、いろんなところに影響が出ているような所見でした。

 

カンタくんに認められた所見は以下のものです。

 

・多飲多尿(お水をよく飲み、おしっこをよくする)

・尿比重の低下(尿が薄くなった)

・食欲低下(ドライフードをほとんど食べない、おやつは食べる)

・削痩(徐々になのであまり気付けなかった)

・1日4~6回程度の嘔吐

 

本当は腎臓系療法食に切り替えてほしいとのことですが、食欲が下がっている猫ちゃんに対して、さらに今より美味しくないであろう療法食を食べてね!って酷すぎるため、内服薬2種類と、皮下点滴でコントロールしていきました。

 

現在は、1週間に1回程度の皮下点滴と毎日の内服薬、3ヶ月に1回の血液検査と超音波検査(エコー検査)で、症状なく過ごせています。

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症例2. 猫、18歳、3ヶ月前からふらつく(東京中央区晴海/猫往診)

美春ちゃん、18歳、避妊雌、2.8kg(最盛期4.2kg)

もともとは東京足立区千住でずっと暮らしていて、1年前に東京中央区晴海に引っ越され、それ以来動物病院に連れて行っていなかったとのことでした。

美春ちゃん人懐っこくおとなしい性格なのですが、キャリーに入ると泣き叫んでしまい、失禁・脱糞で大変なことになってしまうことがトラウマなので、あまり外出はさせたくないとのことで、往診切り替えで在宅医療を選択されました。

 

美春ちゃんに認められた所見は以下のものです。

 

・多飲多尿(お水をよく飲み、おしっこをよくする)

・尿比重の低下(尿が薄くなった)

・食欲低下(おやつしか食べてくれない)

・削痩(徐々になのであまり気付けなかった)

・1日4~6回程度の嘔吐

・よく転ぶようになった

 

血液検査では腎臓の数値がOVERとなっており、かなりの重症でることが分かりましたので、安定するまでは1日2回の往診で集中的に点滴と血液検査をしていきました。

 

最初の3日は1日2回の往診、以降は1日1回として、10日ほどで安定したことから、現在は内服薬と週1回の点滴、1ヶ月に1回の血液検査となっています。

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症例3. 猫、15歳、頻尿(東京中央区銀座/猫往診)

みぃちゃん、15歳、避妊雌、3.2kg(最盛期4.5kg)

銀座〜築地あたりで拾われた猫ちゃんということもあり、結構グルメだったとのことです。

いろんなものを食べていたんだろうと考え、動物病院に何度か連れて行って検査してもらったことはあったが、もう5年ほど連れて行けていなかったとのこと。

みぃちゃんも、やはり通院が苦手な性格でした。

お話を聞いていくと、頻尿というほどではなく、トイレの回数も1日4回くらいだったのが、1日6回くらいになったということでした。そして、1回量もちゃんとしているとのことでした。

最初は膀胱炎を疑っていたのですが、膀胱炎だと1日中ず〜っとトイレを行き来して、トイレを見るとそんなに出ていない、というのを繰り返します。

 

血液検査とエコー検査、尿検査にて、尿比重の低さと軽度の腎不全を確認しました。

 

みぃちゃんに認められた所見は以下のものです。

 

・多飲多尿(お水をよく飲み、おしっこをよくする)

・尿比重の低下(尿が薄くなった)

・削痩(徐々になのであまり気付けなかった)

 

内服薬だけでコントロールできており、今も頑張って2種類の内服薬を飲ませてもらっています。

 

というような感じで、猫ちゃんで腎不全を疑う所見って、結構日常生活の中に潜んでいたりします。

 

猫ちゃんと暮らしているご家族様は、なかなか簡単に動物病院に連れていけない場合が多いと思いますので、セルフチェックを心がけましょう!

 

今回の3症例や、腎不全かもチェックと似たような症状がある場合には、早めに検査をしてあげるのがおすすめです。

 

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動物病院への通院が難しければ、ご自宅まで来てくれる往診専門動物病院までご連絡ください。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室は、東京中央区、東京江東区、東京台東区、東京江戸川区に拠点を構え、東京23区から近隣地区まで獣医師と動物看護師で訪問しています。

 

まずはご連絡いただき、どんなことができるのかを一緒に考えていきましょう。

 

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昨日までいつも通りご飯も食べられていたのに、今日になって急に食べられなくなってしまった、という経験はありますか?

 

老化現象に伴うこともあれば、病気が急に悪化した可能性も考えられます。

 

例えば、気持ちが悪くて食べられないのか、痛みを伴っていて食べられないのか、物理的に詰まっていて食べられないのか、または単純にご飯に飽きてしまったかなど、考えることは多岐にわたります。

 

今日はそんな中から、腎不全に伴う口内炎を発症した猫ちゃんのお話です。

 

口内炎があれば、人だって食欲がなくなります。

 

猫ちゃんでは特にそれが顕著で、口が痛くなってしまうと全く食べなくなってしまいます。

 

それと同時に、お水も飲まなくなってしまうので、結果脱水状態が進んでしまい、その状態が続くとぐったりして重篤な状態になってしまいます。

 

猫ちゃんにとって、口が痛くて食べられない、というのはすぐに命に関わる重大なことになるので、口が痛そうな場合には早めに動物病院にご相談することをお勧めします。

 

慢性腎臓病の猫.jpg

 

なぜ口内炎ができてしまうのでしょう?

 

原因は様々で、たとえば猫エイズやヘルペスなどのウイルス性の疾患や、慢性腎臓病、アレルギー性疾患など多岐に渡ります。

その原因をはっきりさせて適切な治療を行い、同時に口内炎の治療を行う必要があります。

今回はそんな口内炎に悩んでいた高齢猫ちゃんのお話です。

 

症例:東京中央区在住の高齢猫(ヒジキちゃん)

東京中央区区在住の17歳の高齢猫のヒジキちゃんです。

 

基本的には前日までのご予約での診療とさせていただいておりますが、猫ちゃんたちの状態や病気は待ってくれないため、大体が当日の診療予約となっています。

お問い合わせ内容は、口が痛そうで食べない日が続いているので往診をしてほしいとのことでした。

 

お家にお伺いすると、ひじきちゃんは部屋の隅に置いてあるベットの上で丸まっていて、こちらをチラッと見て尻尾で軽く挨拶をしてくれましたが、筋肉が落ちて痩せており、辛そうな様子が見て取れました。

 

まずはご家族様から詳しくお話しをお伺いすることにしました。

 

ご家族様によると、2週間ほど前からヨダレが増えて、ドライフードのかけらがお皿の周りに落ちることが多くなった気がしていたそうなのですが、その時点ではまだご飯も食べていたためあまり気にもとめていなかったそうです。

 

しかし1週間前から少しずつご飯を残すようになり、2,3日は全く口をつけようとせず、ヨダレで口の周りの毛が濡れていることが多くなったとのことで、口の痛みが疑われました。

 

お水もここ数日は数口程度しか飲んでおらず、スプーンで運んで行っても飲んでくれないとのことで、ご家族様としては脱水も気になるとのことでした。

 

おしっこもいつもは日中も何度かするのに、ご飯を食べなくなってからは朝晩の2回ほどに減ってしまっているらしく、かなり心配な状態でしたが、ひじきちゃんは元気な時はお外ではかなり鳴いてしまい、とても動物病院に連れて行ける状態ではないぐらい興奮してしまうとのことで、往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡を頂いたそうです。

 

おはなしをお伺いしたところ、何らかの原因で口が痛くなってしまって食べなくなってしまったことから、高齢猫に多い慢性腎臓病の可能性を考えて、血液検査を行うことをご相談したところご同意が得られたので、身体検査に加えて血液検査も実施することとしました。

 

検査開始

 

身体検査では激しい脱水が見られ、口の中を確認するとかなり痛そうな口内炎が見られました。

 

また、ヨダレもたくさん出ており、おそらくこれが原因で食べれなくなってしまっていることが想像されました。

 

そのほか、結膜炎や鼻水は見られず、ウイルス性の可能性は低いのかなという様子でした。

 

その後採血もお利口にやらせてくれて、最後に皮下点滴と抗炎症剤、抗生剤や吐き気止めなどを注射してその日の診察は終了としました。

 

脱水がひどいので、次の日にもう一度再診予定として、ひじきちゃんに挨拶をして、お家をあとにしました。

 

血液検査結果は、動物病院とは異なり、その場では結果が出ないため、一度オフィスに持ち帰ってから検査を開始します。人間の病院のようなイメージで考えていただければ大丈夫です。

 

血液検査では、予想していたように、腎臓のかなり数値が高く、やや貧血も進んでいました。

 

また、白血球も少し上昇しており、炎症があることが予測されました。

 

そのほかには特に大きな異常値はなく、まずは点滴をして脱水を改善し、腎臓の数値を下げること、それと共に抗炎症剤を入れて、口内炎を抑えてご飯を食べられるようになることを目標にして、治療プランを考えていきました。

 

次の日、再診にお伺いすると、スープを少し飲んでくれたとのことで、ご家族様のお顔も少し安心されていて、私たちも安心しました。

 

ひじきちゃん自身も少し痛みが和らいだのか、ヨダレも減っていて、今日も引き続き同じ処置を行うことにしました。

 

今後の治療プランとして、口内炎が治るまでは抗炎症剤も入れて注射を行い、治ってきても、慢性腎臓病の疑いがあるため、数値が高ければ皮下点滴が必要であることをお伝えし増田。

 

ご家族様からは、できればお家で皮下点滴をできるようになりたいと申し出がありましたので、皮下点滴をご家族様だけでご自宅で行なって頂けるようにしっかりとご指導し、点滴をお渡しすることを今後のプランに組みました。

 

しかし、ひじきちゃんはまだしっかりと食べられているわけではないので、3日間は私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフがお伺いして様子を見て、ある程度食べられるようになってから、点滴をお渡しすることになりました。

そして1週間後、ひじきちゃんはしっかりとご飯を食べられるようになり口内炎もおさまりましたが、腎臓の数値はまだ高いままなので、皮下点滴をお家で行なって頂くこととしました。

 

獣医療というのは、犬猫たち、ご家族様、そして獣医師看護師の3つがチームになって初めて最良の医療を提供することができると考えています。

 

もし動物病院に連れて行けないなどのお悩みがあれば、いつでも往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。

 

過去に猫の腎不全関連の記事を書いていますので、気になる方は是非読んでみてください!

 

慢性腎不全を治療中の16歳の猫ちゃん(東京墨田区)

元気がなくなった高齢犬(東京墨田区)

慢性腎不全の猫(東京葛飾区)

ふらつく猫(東京板橋区)

 

ペットの緩和ケアと看取りのお話

ペットの緩和ケアやターミナルケアをお考えのご家族様向けに参考ページを作成しました。

今後、もし慢性疾患など、治療による根治ではなく、症状や病状のコントロールのみと診断された場合、通院で今後も診てもらうか、在宅に切り替えるべきかを考える参考にしていただければと思います。

 

ペットの緩和ケアと看取りのお話

 

是非ご一読ください。

 

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こんにちは!

 

今回は重度の膵炎になった大型犬のお話です。

膵臓は、胃の下のあたりにある臓器で、インスリンを出したり、消化酵素を出したりする重要な臓器です。膵炎というのは、その消化酵素で膵臓自身を溶かしてしまう疾患で、慢性膵炎と急性膵炎に分けられます。急性膵炎の場合、重症度によっては合併症により致命的になってしまうとても怖い病気です。

今回ご紹介するのは、かなり重度の膵炎で合併症の一つである血栓もできている可能性のある大型犬の治療経過です。

 

大型犬は、本当に体調が悪いと通院できません(ゴールデンレトリバー/東京中央区/急な嘔吐)

今回の症例は、東京中央区在住の9歳のゴールデンレトリバーのマロンちゃんです。

マロンちゃんのお母さんからお電話をいただき、早朝から何度も吐いていて、身体が熱くなって熱がありそう、そして、ぐったりしていて歩けないため、往診をお願いしたいとのことでした。

状況をもう少しお伺いすると、昨日の夜までは普段通り生活していて、1週間前にもかかりつけの動物病院にいき、血液検査を実施していました。その結果、肝数値がやや高いことと、年齢からか、中性脂肪も少し高めという数値だったが、担当の獣医師からは元気なので様子見と言われたばかりの出来事でした。

昨日までしっかりご飯を食べていたし、急なことで動物病院に以降にも抱き上げられないし、どうしていいのかという緊急のお電話でした。

往診は救急車ではないため、基本的には緊急との相性は悪いです。この場合、どうにか頑張って動物病院に駆け込むことを推奨しているのですが、この日はたまたま近くにおり、30分以内に到着することが可能だと見込めたため、すぐにお伺いさせていただくことにしました。

お家にお伺いすると、マロンちゃんは横になってハアハアしていて、かなり辛そうな状態でぐったりしていました。
 
流石のゴールデンレトリバー。体重も42kgと、ぐったりしてお腹を痛そうにしている大型犬を抱っこで連れて行けるのは、限られた環境で生活できているご家族様だよなって思える光景でした。
 

お電話である程度問診させて頂いていたので、先に身体検査と超音波検査で緊急度を見てみることとしました。

身体検査では、体温40.5度、不整脈、激しい脱水が見られましたが、チアノーゼは見られなかったので、ひとまず身体の酸素濃度は明らかな低下はしていないと判断しました。

しかし、呼吸状態は明らかに悪いので、持ち込んだ酸素ボンベを開放し、顔の前で流し続けながら、診察を進めていきました。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、診療時に呼吸状態の悪化を常に想定し、酸素ボンベを常備しています。呼吸状態が悪い犬猫の診察では、高濃度かつ高い流量の酸素を嗅がせながら検査・処置を行うことで、少しでもペットにとって負担にならないように心がけています。

 

超音波検査(エコー検査)では、胸水を確認しませんでしたが、少量の腹水、そしてお腹の中で強い炎症を示唆する所見が見られました。

また、お腹を抑えると強い痛みが認められ、特に膵臓周辺の脂肪で強い炎症像が見られたことから、膵炎の可能性を考えて詳しい問診に入らせていただくこととしました。

マロンちゃんはもともととても元気で、大きな病気もなく、よく食べる子でした。

昨日の夜まではいつも通り過ごしてくれていたそうですが、明け方に嘔吐が始まり、そこからぐったりし始めて、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡を頂いたとのことでした。

それまではなにも症状がなかったため、いつもの動物病院で実施した血液検査結果もあり、いつも通りの生活を送っていたのにと、お母さんはとても悔やんでいました。

検査結果を見てみると、検査項目をかなり絞っていました。

見たい項目が除外されていたので、残念ですが、膵炎の可能性が高い!と言い切れる自信を持てないまま、診療を進めていきました。

おそらく、動物病院では費用面を下げたいという思いから、項目数を最低限に絞り、血液検査をより多くの飼い主様に受けてもらいたいという院長の思いを、多くの動物病院の検査結果を拝見するときに感じています。

費用面からすればもちろん最小限であることは正しいと思いますが、シニア期(高齢期)や持病を抱えたあとは、もしかしたら必要かもしれないって項目を全て網羅して一緒に検査項目として1回の採血で見てあげた方がペットのためなのかなって、個人的には思っています。

 

お母さんにご同意の上、再度血液を採取し、幅広く検査を行うこととしました。

 

もし急性膵炎だとしてら、最も怖いのが、広い範囲で炎症が起こることで、全身での炎症反応になり、血液が固まり易くなり血栓が出来てしまったり、肺に水が溜まってしまうような合併症です。これらの合併症はすぐに致命的になってしまうことも少なくありません。

 

マロンちゃんの場合、超音波検査でかなり強い炎症所見が見られましたので、動物病院での入院治療もお話しさせて頂き、ご相談しましたが、連れて行くことができないという物理的な要因もありますが、致命的な状態ならお家で看取りたいというご家族のご希望もあり、お家での出来る限りの治療をさせて頂くこととしました。

具体的には、痛み止めや吐き気止め、点滴や血栓を溶かすお薬、そして炎症を抑えるお薬を注射し、皮下点滴を行いました。

同日の夜もお伺いする予定を組み、午前の治療は終了としました。

 

夜の診察では状態改善

夜の診察では、午前中より少し顔つきが良くなって、お水を飲めるようになりました。

また、体温も38度まで下がっており、本人も楽になった様子でした。

 

血液検査では、白血球の上昇、炎症の数値の上昇、そして膵臓の数値の上昇が認められたため、急性膵炎と判断し、まずは1週間集中治療を行っていくこととしました。

 

血液検査の結果、膵炎は併発疾患であり、原発は甲状腺機能低下症であることが疑われました。

甲状腺機能が低下したため、中性脂肪の値が上昇し、その結果膵炎を発症したというストーリーです。

大型犬、特にぽっちゃりした体型の子で、このストーリーは起こりやすいものですので、大型犬と暮らしているご家族様は日頃から検査してあげましょう。

 

その後、集中的な治療を続けた結果、1週間後には自力でご飯を食べてくれるまでになり、甲状腺のお薬だけでなく他のお薬も、この時から少しずつ内服薬への切り替えを行なっていきました。

食欲がいつもほど出ていない中でしたが、マロンちゃんは頑張ってお薬を飲んでくれ、白血球や炎症の数値、また膵臓の数値もほぼ正常値まで下がってきてくれていました。

 

犬の膵炎の原因としては、およそ90%が原因不明と言われていますが、高脂血症や肥満、脂肪分の多い食事や人の食べ物を与えることが原因にもなります。

そこで、膵炎で食欲が落ちている時には脂肪分の少ないササミを与えることも多いです。

今回のマロンちゃんの膵炎は、おそらく甲状腺機能低下症が原因かと思いますが、もしかすると肥満も要因の一つだったかもしれません。

 

また、マロンちゃんの場合は急性膵炎で、急激な悪化が認められましたが、急性膵炎を何度か起こしていたり、膵臓に負担がかかるような高脂肪のご飯を食べていると、慢性化してしまい慢性膵炎となって、膵臓の機能が落ちてしまいます。

慢性膵炎のサインとしては、何となく食欲がなかったり、元気がない日があったり、といった軽微な症状なので見逃しがちですが、そういったサインが出た場合、一度動物病院に相談してみてください。

 

マロンちゃんは再燃に注意しながら少しずつ治療強度を弱めていき、今も治療を頑張ってくれています。

 

犬の急性膵炎は名前の通り、急に発症し、治療しなければ多くは急激に悪化していってしまいます。

それを防ぐためにも、血液検査の頻度を増やし(3ヶ月に1回程度の幅広い血液検査など)、肝臓への負担を考えて低脂肪食にしたり、人のご飯を与えないようにしたりチェックしましょう。

今回のマロンちゃんのように、わんちゃんが大きくて動物病院に連れていけない、健康診断をしたいけれどわんちゃん猫ちゃんが待ち時間が苦手、など動物病院に連れて行くことができない理由は様々だと思います。

往診専門動物病院わんにゃん保健室ではお家を診察室として使わせて頂きますので、待ち時間はありません。

健康診断なども実施していますので、往診専門動物病院わんにゃん保健室にいつでもお気軽にご相談ください。

 

過去に犬の膵炎関連の記事を書いていますので、気になる方は是非読んでみてください!

急な食欲廃絶と嘔吐が止まらない(犬/東京目黒区/緩和ケア)

高齢犬の膵炎(嘔吐/食欲なし/動けない/東京中央区)

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2021年12月01日 リライト

猫ちゃんの腎不全は永遠のテーマであり、まだまだ改善の余地があるとさる分野だと思います。

現在は、食事療法(療法食など)、内服薬、点滴、の3パターンであり、これらの内容であれば往診で十分網羅できることから、猫ちゃんの腎不全の多くは往診に切り替わっています。

いつから往診に切り替えるべきなのかについては、専用ページがありますので、そちらをご参照ください^^

また、在宅切り替えに関するブログは以下ですので、こちらも合わせてどうぞ!

 

在宅切替を検討中のご家族様へ

 

近年、AIMという新薬が話題となっていますが、まだ詳細が上がってきていないためなんとも言えませんが、もしかしたら、猫ちゃんの腎不全に対する突破口となりうるかもしれませんね!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、東京中央区を中心に東京23区全体まで、獣医師と動物看護師が1チームとなって、ご自宅で待っている犬猫たちの元まで訪問し、検査・治療を行い、また生活環境などを考慮した診療プランをご提案させていただきます。

 

動物病院に通院するのが苦手で、キャリー入れるとヨダレを垂らしてしまう、おしっこしてしまうなど、繊細な猫ちゃんと暮らしているご家族様、往診専門動物病院までお問い合わせください。

 

本日は嘔吐している高齢猫のお話です。

 

猫の嘔吐.jpg

 

お家の猫ちゃんの嘔吐回数が増えたり、それに伴い食欲が落ちているということはありませんか?

 

シニア期に入った猫ちゃんが嘔吐をしているときには様々な原因が考えられます。

 

慢性腎臓病(腎不全などまでに悪化してしまった)や甲状腺機能亢進症、消化器型リンパ腫や膵炎、または時期的なことを踏まえると熱中症なども考えられます。

 

今回は嘔吐回数が増えて食欲が落ちてしまった高齢猫ちゃんのお話です。

 

高齢猫の嘔吐(東京中央区/慢性腎臓病/腎不全)

 

症例は東京都中央区在住の17歳の高齢猫のプリンちゃんです。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ホームページからのお問合せメールでの受付と、お電話での受付どちらでもご予約お受けしております。

 

最近嘔吐回数が増えて、それに伴い少しずつ食欲も落ちてしまっているとのことで、早めの診察が必要と判断したためご連絡を頂いた当日のご予約を取らせていただきました。

 

プリンちゃんのお家にお伺いすると、プリンちゃんはお部屋の端のベッドに横になっていて少しぐったりしている様子でした。

 

ぐったりして動けない状態までに進行してしまった猫ちゃんに対し、ストレスをかけて動物病院に通院させるのは、結構リスクが高いことです。

 

まずはぐったりしてしまったということをかかりつけの動物病院があれば担当の獣医師に相談し、指示を仰ぐことをお勧めします。

 

 

私たちはこの日、まずは詳しくお話をお伺いさせていただくこととしました。

 

往診で出会う高齢期(シニア期)の猫ちゃんの多くは、今まで動物病院で診てもらえていなかったケースが半分以上であり、ここからも猫ちゃんいう生き物がストレスに弱いということを物語っているなと感じています。

 

ほぼ初めての受診ですので、今までの出来事やどんな性格の子で、食欲は普段からあるタイプなのか、知らない人は苦手なのか、症状はいつからなのかなど、ゆっくりと時間をかけてお母さんのペースでお伺いさせていただいています。

 

話しづらい環境にならないことを心がけ、できる限り寄り添えるような問診をさせていただきますので、伝えづらい事などでもご遠慮なく、診療時にご相談ください。

 

プリンちゃんに関しては、普段から食欲にむらがあるとのことで、ウェットのご飯はいつも完食していたそうです。

 

よく毛玉を吐くことはあったそうですが、ここ2週間ほど前から胃液も吐いたり、未消化のご飯を吐くようになり、1週間ほど前から嘔吐の回数も増えて、ウェットフードも少しずつ残す量が増えてきたとのことでした。

 

しかし、プリンちゃんは若いころに動物病院に行ったときにかなりの興奮状態になってしまい検査や治療には鎮静剤が必要と言われて以来動物病院には行っておらず、今回もそのような興奮状態になってしまうと、と思うと動物病院に連れて行けずに悩んでいたとのことでした。

 

そこで、「猫/吐く/頻度が増えた」など検索をしていたところ、往診専門動物病院があることを知り、わんにゃん保健室にご連絡を頂いたとのことでした。

 

高齢猫ちゃんで嘔吐回数が増えたり、食欲が落ちてきた時に考えなければならないのは、冒頭に少しお話した通り、慢性腎不全や膵炎、甲状腺機能亢進症や消化器型リンパ腫など様々な疾患を考えなければなりません。

 

まずは嘔吐・食欲不振の原因を特定するために、血液検査と超音波検査をご提案させていただき、ご同意頂けましたので実施させていただきました。

 

プリンちゃんをバスタオルで包んで、最初は身体検査です。

 

身体検査では重度の脱水と削痩、軽度の貧血が認められました。その後、血液検査は難なく終わることができ、超音波検査を実施しました。

 

プリンちゃんはお家で安心できる環境だからかすべての検査をお利口にさせてくれました。

 

超音波検査では大きな異常はなく、明らかな腫瘍や膵臓の炎症は認められませんでしたので、リンパ腫や膵炎は否定的となりました。

 

その後脱水していたことから、皮下点滴と吐き気止め、胃薬などのお薬を皮下注射してその日の処置は終了とし、次の日再診にて血液検査の結果をご説明することとしました。

 

次の日、プリンちゃんは相変わらずあまり食べていないそうでしたが、吐き気止めのおかげか吐くことはなく、ウェットフードのにおいも嗅ぎに行っていて、食べたそうな様子はあるとのことでした。

 

血液検査では腎臓の数値がかなり上昇しており、貧血の進行も認められました。

 

おそらく尿毒症による嘔吐と食欲不振が考えられました。

 

腎臓の数値を下げるために、まずは3日間の皮下点滴をご提案させていただいたところ、それでプリンちゃんが少しでも楽になるなら、とご同意していただけましたので初診日から3日間は皮下点滴を行い、様子があがってくるかを見させてもらい、場合によっては1週間の皮下点滴もするかもしれないとお話させてもらいました。

 

その日も同様に皮下点滴と吐き気止めなどのお薬、また、貧血が認められたので、造血ホルモンの注射も実施しました。

 

ここで、腎不全になると貧血してしまう仕組みについて少しお話させていただきます。

 

腎臓からは本来エリスロポエチンと呼ばれる造血ホルモンが出されます。

 

その造血ホルモンが骨髄に作用して、骨髄にて新しい赤血球が作られます。

 

そして古い赤血球は肝臓で壊され、バランスが保たれます。

 

しかし、慢性腎不全が進んでしまうと、造血ホルモンが不足してしまうため、貧血が進んでしまいます。

 

そのため、今回のプリンちゃんのように慢性腎不全が進行してしまっているときには貧血している猫ちゃんも珍しくありません。

 

こういった時には、往診では造血ホルモンの注射を週に1回注射します。

 

初診日から3日目、少し食欲も上がってきたことから、ご家族様での皮下点滴に切り替えさせていただき、7日目に血液検査を実施したところ腎臓の数値はかなり下がっていました。

 

その時にはかなり食欲も元に戻っており、プリンちゃんのご家族様もすごく安心されていました。

 

今回のように慢性腎不全の場合には最初の集中的な治療時は密な往診プランを組ませていただき、以降はお家での皮下点滴に切り替えさせていただくこともよくあります。

 

それは、私たちがお伺いするよりも、動物たちのストレスが軽減されるためです。

 

今回のプリンちゃんのように徐々に具合が悪くなる場合もあれば、それまでは症状を我慢して急激に症状が出てくる猫ちゃんもいます。

 

何か異変を感じた場合は早めに往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、それぞれのご家族様、猫ちゃんの生活に合った治療法をご相談させていただきます。

 

以下のブログや特設ページも参考にしてみてください^^

慢性腎不全の猫(東京葛飾区)

ふらつく猫(東京板橋区)

腎不全の猫(東京中央区/猫往診/往診専門動物病院)

在宅切替を検討中のご家族様へ(東京犬猫往診/往診専門動物病院)

急に食べなくなってしまった(猫/腎不全/口内炎/東京中央区)

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こんにちは!

 

今日は「肥大型心筋症」という、猫ちゃんで多い心臓の病気になってしまった高齢猫のお話です。

苦しそうな猫.jpg

 

往診では、慢性疾患と言われる「心臓病」や「腎臓病」、そして認知症の犬などを多く見ることがあり、また「腫瘍」の疼痛緩和やターミナルケアに多く出会います。

 

今回は、心臓病の中に分類される肥大型心筋症についてです。この病気を、みなさん聞かれたことありますか?おそらく、あまり馴染みのない言葉だと思います。

 

どんな病気かというのをまずお話させて頂こうと思います。

心臓は、血液を全身に送り出すポンプとしての役割を担っていて、心臓から大動脈という大きな血管に向かって血液を送り出すことで、大動脈に血液が行き、大動脈から血管がたくさん分岐してさまざまな臓器に新鮮な血液が送られます。

そして、全身にいった血液は二酸化炭素を持って心臓に帰ってきます。その血液を心臓は肺に送り、綺麗な血液を肺から心臓に返して、初めて綺麗な血液が大動脈にいくのです。

この血液の移動のために、心臓は頑張って収縮しています。そのため、心臓は筋肉で出来ており、耐久性があります。

そんな心臓ですが、肥大型心筋症になると、心臓の筋肉が心臓の内側に向かって徐々に肥大していきます。

そうすると、本来の心臓のお部屋の大きさより小さくなってしまうため、1回の収縮で送れる血液量が減ってしまいます。

しかし、それでは全身への血液量が不足してしまうため、1回の拍出量が減った代償に、心臓は心拍数を上げてそれをカバーします。心筋をかなり使うため、心筋はさらに肥大していき、また心臓のお部屋が小さくなるという悪循環に入ってしまいます。そのため、早期の治療が必要になってくるのです。

今回はそんな肥大型心筋症を治療している高齢猫ちゃんのお話です。

 

症例は東京中央区在住の16歳の高齢猫のべべちゃんです。

動物病院でかなり興奮しやすく、心臓病があるため興奮するのが心配とのことで往診をご希望されました。

べべちゃんは、数日前に呼吸が荒くなっていたため、近くの動物病院にて検査を受けたところ肥大型心筋症と診断され、投薬するように言われたそうで、その日は注射をしてもらい、内服薬をもらったとのことでした。

しかし、病院でかなり興奮してしまい、途中興奮のあまり検査ができないほど呼吸が荒くなってしまい、中断したほどとのことでした。

そのため、ご家族様としては、できればお家でコントロールできればとのご希望で往診をご希望頂きました。現在は治療で少し楽になっているようでした。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、レントゲンは遮蔽室などの設備が必要なため撮ることができませんが、血液検査やエコー検査を実施して、総合的に判断させて頂きます。

 

今回ははじめての診察でしたが、数日前に近くの動物病院にて血液検査は行なっていましたので、次回実施することとし、今回は超音波検査のみ行うこととしました。べべちゃんが興奮しないことを祈るばかりです。

 

身体検査

ご家族様にべべちゃんのいるお部屋まで案内してもらい、まずは身体検査を実施しました。べべちゃんは緊張して隅に逃げていましたが、バスタオルをかけて、そっと包み、まずは聴診を行いました。

 

聴診では、大きな異常な音は認められませんでしたが、猫ちゃんでは心臓病があっても聴診で異常がないこともあります。

 

超音波検査

そのため、次はエコーで胸水が溜まっていないか、心臓の動きと共に見させてもらいました。その間、べべちゃんはおとなしくお母さんに頭を撫でてもらっていて、安心していました。

動物病院では少量の胸水が見られたと言われたそうなので、お薬のおかげで良くなったと判断されました。

検査がおわり、べべちゃんは開放して自由に隠れたいところに隠れていてもらいました。

 

ここで肥大型心筋症の時の治療をお話しします。

 

猫の心臓病(肥大型心筋症)の治療

肥大型心筋症では先ほどお話しさせて頂いたように、心臓に負担がかかって悪化していく疾患です。そのため、心臓への負荷を下げてあげるお薬を使用していきます。

一つは強心剤で、心臓の収縮力を上げてあげ、1回の拍出量を増やします。

次に血圧を下げるお薬です。血圧を下げることで、心臓からの圧が少なくても血液を送り出しやすくなります。そして、それでも心筋肥大が起こってしまう場合には、利尿剤を使って血液量自体を減らして、心臓が送り出す血液の量を減らすことで負担を減らします。しかし、利尿剤は腎臓に無理におしっこを作り出させるため、腎臓へは負担がかかってしまいます。そのため、腎不全がある場合には腎不全が悪化してしまうので、使用する場合には定期的な検査をする必要があります。

 

べべちゃんは、近くの動物病院さんにて、利尿剤と強心剤を処方されていましたので、おそらくそれで胸水もなくなり楽になったと考えられました。そのため、今回も強心剤は引き続き使用し、利尿剤は少し減らして、血圧を下げるお薬を追加して様子を見てみることにしました。

次回は利尿剤での腎臓の負担を見るために血液検査を予定しておりますが、べべちゃんの体調をみてからご家族様とご相談させていただく予定です。

 

このように、一度は動物病院に行っても、ストレスが強くて次は行くことが難しいといった場合も多くお聞きします。

特に猫ちゃんにとって、お外という、いつもとは異なる環境というだけでかかるストレスは大きいかと思います。そういった場合、お気軽に往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

 

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最近暑くなってきましたね。マスクで熱中症になりやすくなると言われているので、皆さまお気をつけください。

人も熱中症に気をつけなければならない季節ですが、人よりも地面に近いわんちゃん猫ちゃんたちはさらに気をつけなければなりません。

なぜなら、地面により近いため、地面からの放射熱を受けやすく、また、体温も高く熱を発散し難い身体のため熱中症になりやすいためです。

もちろん、3密を避けるために車でお出かけするときに、ちょっとだけならと愛犬を車内に残したまま出かけてしまうなどというのは無謀な挑戦です。絶対にやめましょう!

 

今回はそんな熱中症になってしまった高齢の大型犬のお話です。

 

ラブラドール熱中症.jpg

 

症例は東京中央区在住、10歳のラブラドールレトリーバーのチョコちゃんです。

普段は動物病院に連れて行けるけど、立ち上がれなくなってしまったため、抱き抱えては連れ出せないので訪問してほしいとのことでした。

 

その日の診療スケジュールによりますが、できる限り獣医師と動物看護師で訪問させていただきますので、まずはご連絡ください。

 

この日は、仕事から帰るとお家のわんちゃんがハアハアしていて、ぐったりしているとのことで、獣医師が緊急性が高いと判断し、すぐにお伺いさせて頂くこととしました。

 

お家にお伺いすると、チョコちゃんは部屋の端でハアハアと苦しそうに横になっていました。

私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室の獣医師看護師が到着するまでの間、飼い主様がチョコちゃんの横でずっと見守ってくれていたそうなのですが、途中でチョコレート色のようなおしっこをしたとのことで、見せて頂くと血尿をしてしまったようでした。

通常、初診の場合は先にお話をお伺いするのですが、今回はかなり緊急度が高かったため、すぐに身体検査を始めさせて頂きました。

身体検査では、体温40.0度、痛みなし、口腔粘膜やや白い、脱水が見られました。

体温が高いことから、飼い主様に外出中のクーラーの温度をお伺いしたところ、高齢犬なので低いと寒がってしまうため27度にしていたとのことでした。

このことから、熱中症が疑われたので、すぐに部屋の温度を下げて頂き、首や股、脇の下に保冷剤を挟んで、サーキュレーター(扇風機などで大丈夫です!)にて空気を当て、体温を下げることにつとめました。

その間に、他の臓器や血液に異常が出ていないか調べるために採血を行い、点滴も開始しました。

処置を始めてすぐに嘔吐をしてしまったため、吐き気止めも注射しました。

少しして、体温を測定したところ39.8度と少し下がってきていましたので、継続して保冷剤の交換などの処置を行いながら、詳しくお話をお伺いすることとしました。

飼い主様はいつも外出するときはクーラーをつけて行かれるそうですが、以前クーラーを24度にして外出をした際にお家に帰ると寒そうにしていたことがあったそうで、そのためその日は少し温度を上げていたとのことでした。

しかし、その日に限って、チョコちゃんは日向で寝ていたこともあり、熱中症になってしまったと考えられました。

 

熱中症になってしまうとなぜ怖いのでしょうか?

 

熱中症では、体温を外に逃がすことができず、体温が著しく上昇してしまいます。

そうすると、まずは嘔吐や下痢などの症状が出ます。

この時点で体温低下を出来れば良いのですが、さらに進行すると、嘔吐や下痢によって脱水とミネラルの欠乏が進行します。

また、体温の上昇により、全身臓器の細胞の破壊が進行し、多臓器不全に陥ってしまうこともあります。

そういった場合、すぐに処置をしなければさらに悪化、あるいはすぐに処置を行っても命を落としてしまうこともあります。

今回のチョコちゃんの場合は、血尿をしてしまっており、かなり熱中症が進行してしまっていることが予想されました。

いわゆるDIC(血管内播種凝固)と呼ばれる状態です。

体温を下げることができても、その日を乗り越えられるか、厳しいかもしれないことをお話しし、ご家族様には、できるだけチョコちゃんのそばに寄り添っていただくこととしました。

血栓予防のお薬も注射し、2時間ほどで体温は39.5度まで下がってきて、呼吸も少し落ち着いてきたため、一度診察は終了として、次の日朝一番でもう一度お伺いさせていただくことしました。

血液検査では、肝臓の数値、腎臓の数値ともに上昇が認められ、炎症の数値も上昇していました。このことから、すでに多臓器不全に陥っており、血栓ができてしまっていることが予想されました。

このことを、夜にお電話にてお伝えさせていただき、かなり厳しい状態であることをご説明させていただきました。

次の日お伺いさせていただくと、チョコちゃんは頑張ってくれていましたが、かなりぐったりしている様子でした。

体温は、ご家族様の懸命な看護のおかげで38.5度まで低下していましたが、夜中にもタール便と血尿をしてしまったそうです。

 

その後、血栓溶解薬などのお薬も使用して、お家でできる限りの治療をさせていただきましたが、残念ながらチョコちゃんはその日の夕方に虹の橋を渡ってしまいました。

最期の時間を一緒に過ごすことができて、チョコちゃんもよく頑張ってくれて、チョコちゃんも大好きな飼い主様に看取ってもらえて、きっと幸せだったと思います。

普段は何事もなく過ごせているので、全く気にしていなかったクーラーの温度設定が、この時はたまたまが重なってしまい熱中症を引き起こしてしまいました。

備えあれば憂いなしとまでは言いませんが、できることであれば、生活環境もかかりつけの動物病院でご相談いただいたほうがいいです。

診察時間が短いため、そこまでしっかりとお話しできないことも想定されますので、診察にいく前に箇条書きで獣医師への質問事項をまとめていくことをお勧めします。

 

このように、熱中症は突然のお別れになってしまう原因の1つです。そしてできる限り防ぐことができることなので、これからの季節、できるだけお部屋は涼しくしてあげましょう。

 

過去の熱中症のブログも、ご参考にしてください。

 

東京江東区 チワワ10歳 コロちゃん

犬の熱中症について

熱中症予防

東京大田区 ゴールデンレトリバー 大型犬7歳 ルイくん

東京港区 トイプードル8歳 トイくん

東京江東区 高齢猫18y すずちゃん

東京荒川区 ペキニーズ10y はなちゃん

 

他にも多数症例紹介を行っていますので、【犬 往診 熱中症】や【猫 往診 熱中症】など検索し、愛犬・愛猫にそのような症状がないかを調べてみてあげてください。

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口が痛そう(猫/口内炎/猫往診/東京中央区)

こんにちは!

 

今日から、ブログの書き方を変えていきます。

ブログ上段は往診専門動物病院わんにゃん保健室について、お知らせだったり、活用方法だったり、こんな愛猫家・愛犬家の方からのご依頼が多い、こんな犬猫の病気が多いなどを書いていきます。

ブログ下段では、症例報告だったり、犬猫の病気の話などなど、ペットのご家族様にとって知っておきたい知識を書いていきます。

 

まずは、往診専門動物病院わんにゃん保健室の紹介です。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室(予約/できること/緩和ケア/ターミナルケア)

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室は完全予約制で、ご自宅まで獣医師と動物看護師が一緒にご訪問させていただきます。事前予約が必要ではありますが、大体の初診のお電話は、緊急性のある当日予約です。当日予約では、当日予約料5,000円が加算されますので、ご了承ください。また、ご予約確定後のキャンセルの場合には、止むを得ないご事情である場合を除き、キャンセル料5,000円が発生し、次回以降の診察のご予約をお断りさせていただく場合もございますので、くれぐれもご注意ください。

診療エリアは東京23区とその近隣地区まで、動物病院に通院ができない犬猫のもとへ往診車でご訪問させていただきます。

往診では、血液検査、糞便検査、尿検査、超音波検査など、X線検査や麻酔機などの大型医療機器を用いないほとんど全てを行うことができます。また、予防医療である、狂犬病予防ワクチン接種、犬猫の混合ワクチン接種、ノミダニ予防、フィラリア予防など、待ち時間を気にしないで予防医療を愛犬、愛猫に提供してあげられます。

そして、往診専門動物病院わんにゃん保健室が最も尽力している分野が在宅での緩和ケア及びターミナルケアです。

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皮下点滴のために動物病院に通院させている猫ちゃんなど、慢性疾患で困っている犬猫は多くいます。できる限り通院ストレスを軽減し、ご自宅で飼い主様自信での処置ができるよう環境を整え、トレーニングさせていただきます。

最後にターミナルケアについてです。当院の診療理念でもある、【最後の時間をご家族様のもとでその子らしく過ごせるよう、最良の往診獣医療を最後まで提供していく】ことを診療の中心軸として、日々症例と向き合っています。犬猫の体調面だけでなく、飼い主様の心が疲弊し切ってしまったら、そこで診療はおしまいです。そうなる前に、必ずご連絡ください。

動物病院への通院、在宅での緩和ケア、ターミナルケアをお考えの飼い主様、まずは往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

 

次に、症例紹介です。

 

ご飯が食べづらい猫(口を気にする/食欲ない/流涎/猫往診/東京中央区)

 

今回は猫ちゃんの口腔内腫瘍の中でも最も多いと言われている扁平上皮がんが口の中に出来てしまった高齢猫ちゃんのお話です。

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猫ちゃんは口の中に何かできてしまうとそれを気にして食べてくれなくなってしまいます。

また、猫ちゃんの扁平上皮がんは舌の裏側にできることが多く、ご家族様に発見していただくことは難しいことが多いです。

 

そのため、食欲がなくなった、ということで診察をしてみると口腔内に腫瘍が、ということも珍しくありません。

 

今回ご紹介する猫ちゃんも、食欲がないとのことで診察を受けて腫瘍が発覚しました。

 

今回の症例は、東京中央区在住の19歳の高齢猫ちゃんのすずちゃんです。

すずちゃんは最近食欲が落ちてきた、ということで近くの動物病院さんに行かれたそうなのですが、すずちゃんの性格上かなりナーバスですごく暴れてしまったそうです。

しかし、何とか身体検査は実施することができ、口の中を見てもらったところ、舌の裏側に腫瘍があるとのことで、見た目から、おそらく扁平上皮がんであろうとのことでした。

しかし、何の腫瘍かは針を刺したり、実際に組織を採取したりしてみないと分からないのですが、年齢的なこともあり、麻酔をかけた処置はご家族様も望まれず、緩和ケアを行なっていくことになりました。

その日は点滴とステロイド剤の注射という治療でしたが、その時もすずちゃんはすごく興奮してしまい、帰宅後かなり疲弊してぐったりしてしまったそうです。

またそれを見ていたご家族様も疲れてしまい、注射だけなら動物病院に連れていくのではなく、お家で過ごしながら緩和ケアをしてあげたい、とのことで往診専門動物病院わんにゃん保健室にお電話を頂きました。

 

すぐにご予約を取り、次の日お家にお伺いさせて頂きました。

 

お家にお伺いすると、すずちゃんは自分のベッドから立ち上がり、別の部屋に移動していきましたが、今のところ、ふらつく様子はないようでした。

 

ご家族様にお話をお伺いしたところ、現在は、お水や液体状のご飯なら多少飲んでくれているようですが、やはりドライフードやゴロゴロしたタイプのウェットフードは口をつけず、しかし食べたそうに匂いは嗅ぎに行く、ということで、お腹は空いているが食べられない状態でした。ご家族様としては、何とか少しでもストレスなく、また、少しでもご飯を食べてくれれば、とのご希望でした。

まずは現状を把握するために、身体検査と血液検査が必須かと思われましたので、ご家族様にご相談したところ、興奮しなければ実施することとなりました。

まずはすずちゃんに出てきてもらうところからです。

すずちゃんは隣のお部屋に行ってしまったので、お母さんに連れてきてもらいました。

お家の中での移動なので、あまり興奮はなく、大人しく移動して来てくれましたが、私たちが身体検査をしていると、シャーっと威嚇していました。

しかし、過剰な興奮などはなかったので、採血を行うこととしました。

採血は、前と後ろで保定をして、頭をお母さんに撫で撫でしてもらいながら行うと何とか行うことができました。

そして、この日は何とかして少しでも食べてくれれば、と思い、ほんの少しだけお口に液体のご飯を入れると飲み込んでくれたので、可能であればお家でも何回かに分けて行って頂くこととしました。

ただ、本人が疲れてしまうと逆効果なので、無理しない程度に嫌がるようなら辞めてもらうことにしました。

ご飯を食べることは喜びでもありますが、人でもしんどい時は食べたくないように、猫ちゃんたちもしんどい時は食べたくありません。

なので、嫌がるようであれば、ご飯を食べさせることが逆に本人の負担になってしまうこともあるので、その辺りは本人の様子を見つつ、になってきます。

 

その日はその後点滴と注射を行い、治療は終了とし、次の日にもう一度お伺いしました。

 

身体検査では、たしかに扁平上皮癌のような見た目の腫瘍があり、粘膜もやや白っぽくなっていて貧血していることが考えられました。

血液検査では、やはり貧血があり、軽度の腎不全も出てきていました。

しかし、腎不全は年齢的に考えるととても軽度で、今ご飯を食べないのはおそらく腫瘍の方が原因かと思われました。

また、おそらく貧血も、腫瘍によるものであると考えられ、今後をどうしていくか、ご家族様とご相談となりました。

 

扁平上皮がんというのは、転移しやすい腫瘍でもあり、特に肺への転移が多く見られます。

しかし、肺への転移を確認するには、レントゲン検査が必要となってきます。

また、肺への転移があると呼吸が苦しくなったり、咳をしたりしますが、そうなった場合にも出来ることというのは、積極的に行くなら放射線療法という方法もありますが年齢から現実的ではないので、お家で出来る緩和ケアではお家に酸素ハウスをレンタルしてもらい、その中で生活をしてもらうことです。

加えて、貧血もあるので、早いうちに酸素ハウスをレンタルして使ってあげた方が本人のためになるかと考えました。

ご家族様にこのことをご相談すると、緩和ケアとしてお家で出来ることはしてあげたいとのことでしたので、酸素ハウスのレンタルと細い針でのステロイド剤の注射を行なって頂くことにしました。

現在は初めてすずちゃんに出会ってから5日ほど経ちましたが、やはり自分で食べるとことは難しく、少しずつ足取りも弱くなってきて脱水も進んでいるので、ご家族様と点滴をご相談して、お家で皮下点滴を行なって頂こうと思っております。

 

猫ちゃんはお口の中に、口内炎や歯肉炎、腫瘍など様々なものができやすく、そういったもので全くといっていいほど食べなくなってしまいます。また、食べない原因はお口の中だけではない可能性もあります。

ご自宅の猫ちゃんが食べなくなってしまった、食欲が落ちている、などございましたら、お気軽に往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

緩和ケアやターミナルケア、介護のご相談もいつでもお受けしております。

 

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往診専門動物病院では、ご自宅に獣医師と動物看護師が一緒に訪問して診察を行いますので、診察が終わるまでの間、ご家族様は安心してペットを見守ることができます。

猫ちゃんのほとんどが、キャリーに入れられて動物病院に通院させられることをよしとしないことが多く、ご家族様と猫ちゃんの通院をめぐる戦いは日々熱を増すものとなっています。

これは動物病院に通院させるのは無理だな、と感じた場合には、諦める前に往診専門動物病院までご連絡ください。

 

隠れる猫.jpg

 

往診に特化した動物看護師による捕獲から、ご自宅での採血、エコー検査、尿検査、糞便検査など、大型医療機器を用いたレントゲン検査や手術以外のほとおどが、ご自宅にいながらペットに受けさせてあげられます。

動物病院への通院でお困りの飼い主様、諦める前に往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

さて、ここ数日で一気に夏が近づいてきたなという感じがしてきましたね。

暖かくなってきた時に必ず考えなくてはいけないのが犬のフィラリア症ですが、今回は全く違くて、猫の血尿のお話です。

 

猫ちゃんで血尿が出ている場合に、考えなければいけないの膀胱結石があるのかな、細菌感染はどうだろうか、尿道からの出血ではないか、尿管から、または腎臓からの出血か、もしくは血尿ではなく血色素が出ているだけではないか…など、幅広く疑っていきます。

ちなみに、膀胱結石が増えるのは冬の時期です。

そして、猫ちゃんで多いのは原因不明の特発性膀胱炎で、あえていうならばストレスではないかなと考えられています。

ここ最近、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止に伴う緊急事態宣言が出たあたりから、猫の膀胱炎症例が増えてきました。ご家族様が抱えているストレスが、そのまま猫ちゃんにも影響しているのかもれませんね。

 

今日は、腫瘍によって血尿や血便が出てしまっても頑張って戦い抜いた猫ちゃんのお話です。

 

みなさん、腫瘍によって血尿や血便が出るの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。

むしろほとんどの方がどういうこと?と思われていると思います。

 

病気の末期で血尿や黒色便が出るのは腫瘍だけではありません。

腎不全や膵炎、心臓病など様々な疾患で起こり得ます。

その原因はいろいろな要因が重なって起こるのですが、炎症によって血栓ができてしまったり、その逆で炎症によって血液が固まりにくくなってしまうこともあり、血液が固まりにくくなった結果血尿や血便として症状が出てしまうのです。

こうなってしまうとなかなか厳しい状態なのですが、少しでもその後を楽にしてあげるような治療はできます。

 

私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室では病末期で苦しんでいる犬猫に対して、少しでも苦痛を緩和させつつ、その子らしく最後の時間をご家族様のもとでゆっくりと過ごしていただけるよう、在宅でのターミナルケアに特化しています。犬猫だけでなく、そばで精神的・身体的にもギリギリで支えているご家族様に寄り添うことで、より心あるターミナルケアの実現を目指しています。

 

今回はそんな、血尿と血便が出てしまった猫ちゃんのターミナルケアの記録をお話しさせて頂こうと思います。

 

東京中央区在住の18歳の高齢猫のミイちゃんです。ミイちゃんとの出会いは半年ほど前のお電話でした。

猫ちゃんの乳腺にしこりのようなものがあるそうなのですが、ご家族様は触ることが出来ず、動物病院に連れていくことができない、とのことでお電話を頂きました。

お家にお伺いすると、お部屋にミイちゃんは見えず、先にご家族様にお話をお伺いすることにしました。

数日前ミイちゃんがしきりにお腹を舐めていたため、覗き見たところしこりができていたそうです。

ミイちゃん自身もすごく気にしてはいるようですが、元気や食欲は変わらずでした。

しかし、猫ちゃんの乳腺腫瘍についてご家族様が調べたところ、悪性度が高いということを知り、心配になって私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡を頂いたそうです。

たしかに、猫ちゃんの乳腺腫瘍は悪性と良性の比は9対1で、ほとんどが悪性と言われています。

また、悪性でも発見された時点でのサイズやリンパ節への転移があるかどうかも重要になってきます。

そのあたりを調べるためにも、まずは身体検査を行うこととしました。

また、年齢的にも腎臓など他の臓器に異常がないかどうかを見ておくために血液検査をご提案させて頂いたところ、ご同意頂けましたので、採血も行うことにしました。

 

ミイちゃんは押入れの奥に隠れていましたが、バスタオルに包んで出てきてもらいました。

バスタオルの中では威嚇をしているようでしたが、やはりお家だからか興奮はしていましたが、身体検査をするには問題ない程度の興奮でした。

 

まずは身体検査です。

 

たしかに乳腺にしこりがあり、おそらく乳腺腫瘍の可能性が高いと考えられました。

大きさは5センチほどで、おそらくリンパ節への転移もしているであろうサイズで、そのほかにも小さいしこりが2つ認められました。

また、舐めてしまっていることから少し出血しており、できるだけ舐めないようにしてもらうこととしました。

 

次は採血です。

 

採血は足を伸ばす必要がありますが、足を伸ばしても諦めたのかミイちゃんは受け入れてくれました。採血も無事に終わり、これからの治療についてご家族様とお話しさせて頂くこととしました。

乳腺腫瘍のサイズがかなり大きいため、おそらく手術だけでは根本的な治療にはならない可能性が高いことをご説明させて頂くと、ご家族様としては年齢的にも無理はさせたくないとのことで、できれば緩和ケアをしていきたいとのことでした。

腫瘍のサイズから、おそらく腫瘍性の痛みがあるかもしれないこと、そして肺への転移も考えられることから、痛みに関しては抗炎症剤を使用し、もし呼吸が速くなるようであれば酸素ハウスのレンタルもお勧めしました。

現状では、呼吸状態は問題がないので、まずは抗炎症剤の内服のみで様子を見てみることとし、その日の診察は終了としました。

血液検査の結果は18歳とは思えない数値で、腎臓の数値や肝臓の数値も問題なく、腫瘍以外には血液検査で分かる範囲では治療は必要ないと判断できました。

2週間後、ミイちゃんはお薬もしっかり飲めているそうで、舐める回数も減ったということで、安心しました。

その後5ヶ月ほどお薬を続けていましたが、1ヶ月ほど前にお伺いした時にはかなり痩せていて、食欲も落ちてきて、呼吸も早い時があるとのことで、お薬を少し増量し、点滴もお家で行なって頂くことにしました。

点滴は皮下点滴で、ご家族様にご指導させて頂き、お家で出来るようにしていただきました。

また、お薬は食欲が落ちてしまったため飲むことが難しくなってきており、飲み薬をやめて点滴に混ぜて頂くことにしました。

しかし、1ヶ月後、血尿と黒色便が出ているとのことでご連絡を頂き、往診をさせて頂いたところ、ぐったりしており、おしっこは茶色で、黒色便が出ており、おそらく身体の中で腫瘍によって凝固不全が起こっていることが予測されました。

ご家族様にご説明したところ、すでによく頑張ってくれているので、無理はさせたくないとのことで、点滴と抗炎症剤を点滴して、酸素ハウスに入ってもらいました。

その時にはすでにかなり呼吸も早くなっており、舌の色も貧血によって薄くなってきておりました。

 

おそらくミイちゃんはすでにかなり頑張っていて、この日ミイちゃんの最期になるかもしれないということで離れて住んでいるご家族様もお家に来ることになっていて、ミイちゃんが皆様に会えるのを願うばかりでした。

 

そしてその日の夜、ミイちゃんはご家族皆様に見守られて虹の橋を渡っていきました。

 

ミイちゃんは最後、家族みんなに会えました。本当によく頑張ってくれました。

 

わんちゃんも猫ちゃんもみんなが来てくれる、というのを感じ取って頑張ってくれます。

その間、少しでも辛くないように過ごさせてあげることに私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室が少しでもお手伝いできればと思います。

 

今回のミイちゃんのように、腫瘍があって、徐々に悪くなっていくことは珍しいことではありません。

また、猫ちゃんは痛みや吐き気などの苦痛を隠してしまうので、ご家族様が体調の変化に気付かなくても無理はありません。

それからの時間を辛くないように過ごすために、緩和ケアやターミナルケアに往診専門動物病院わんにゃん保健室では尽力しています。

 

動物病院には連れて行けないけれど何とかしてあげたい、という場合には往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡下さい。いつでもご相談させていただきます。

 

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

往診で出会うペットの中には、今までは動物病院に通院できていたが、呼吸が苦しくなってしまったために、家の中に酸素室を用意し、その中で生活させているご家族様がいます。

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心不全、腎不全(腎不全の進行に伴う貧血によって呼吸が苦しそう)、肺の病気など、病気は様々ですが、最近では、動物病院の酸素室で入院させて最後まで過ごさせるのではなく、ご自宅に酸素室を準備して、苦しい時はその中で過ごさせ、元気があるときには外で遊ばせてあげているというご家族様が増えてきています。

しかし、長時間の酸素室からの外出はあまりお勧めできず、舌の色が紫色(チアノーゼ)になってきた場合や、呼吸が荒い、呼吸が早いなど、呼吸状態が悪くなってきた時にすぐに酸素が身近にある環境を常に維持しなければいけません。

そのため、なかなか動物病院まで愛犬・愛猫を連れて通院することができず、そのためかかりつけの動物病院から内服薬をもらうのですが、そんな状況で内服を飲める子なんてほとんどいません。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ご自宅で酸素ハウスに入って呼吸を安定させている犬猫への投薬を皮下点滴などを用いて苦しがっているペットにも、お薬を投与することができます。

基本は獣医師と動物看護師がチームとなってお伺いするため、ご家族様は安心して離れて見守っていただけます。

皮下点滴の中に混ぜられるお薬は内服薬から注射薬に変更し、出来る限り内服薬の数を少なくすることで、愛犬・愛猫への負担を軽減していきます。

酸素室から出られなくなってしまったワンちゃん、猫ちゃんと暮らしているご家族様、諦める前に当院までご連絡ください。

 

そんな今日は、今回は呼吸が苦しくなってしまったわんちゃんのお話です。

 

わんちゃんが呼吸困難になる原因は様々で、例えば気管虚脱や、肺炎、気管支炎、肺がん、アナフィラキシーショック、などなどたくさんあります。

その中から今回は気管虚脱が原因で呼吸が苦しくなってしまったわんちゃんをご紹介します。

 

呼吸が苦しい、酸素室内で処置(東京中央区/愛犬の訪問獣医)

症例は、東京中央区在住の12歳の高齢犬、ポメラニアンのポンちゃんです。

ポンちゃんはお外ではいつも大興奮して、お家では警戒心が強く、番犬としてもご家族様から愛されています。

私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室は、往診車で東京都内を往診していますが、その道中でポンちゃんのご家族からお電話がありました。

多くの場合、診療中ですぐに電話を取ることができません。そのため、往診をご希望される場合には、必ず留守番電話にメッセージを残してください。

 

・住所

・名前

・連絡先

・動物種(犬/猫)

・年齢

・性別(避妊去勢の有無)

・症状

 

 

戻ります。

昨夜、呼吸困難で救急病院へ行ったが、外に連れて行くと興奮してまた呼吸困難になってしまいそうなので、往診をして欲しいとのご依頼でした。

現在は酸素を吸っているとのことでしたので、緊急性を感じ、すぐにお伺いさせて頂くこととなりました。

お家に往診すると、ポンちゃんは別のお部屋で酸素室にいて、私たちに会うと興奮してしまうかもしれないのでまずはおはなしをお伺いすることとなりました。

ポンちゃんは小さい頃から気管虚脱があり、興奮するとよく咳をしたりしていたそうなのですが、昨日久しぶりにご家族様がみんなお揃いになると、嬉しくて大興奮し、咳が止まらなくなってしまい、そのまま舌の色がどんどん悪くなっていってしまったため、救急病院へ急いで連れて行ったとのことでした。

救急病院では検査を行い、気管虚脱と、喉が、咳の炎症によって腫れてしまって呼吸が苦しくなってしまっていること、また、ポンちゃんはやや肥満だったために脂肪によっても気管が慢性的に圧迫されていたとのことで、喉の炎症を抑えるために抗炎症剤の投与とネブライザーの処置をして酸素ハウスをお家に設置することを勧められ、お家にレンタルしたそうです。

そして朝方になると少し舌の色が戻ってきたためお家に帰ったそうです。

しかし、酸素吸入をやめると、また舌の色が悪くなってしまうらしく、酸素ハウスから離脱して自由にさせてあげたいけれども、動物病院に連れて行くのはまた興奮してしまって呼吸困難になるのが怖いということで、今回往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡を頂きました、

まずは、ポンちゃんの現状を見るために、酸素ハウスから出して、酸素を吸入しながら身体検査を行うこととしましたが、まず酸素ハウスから抱っこで出そうとするとすごく興奮してしまい、舌の色が悪くなりそうでしたので、急いで酸素ハウスに戻ってもらいました。

少しすると私たちに慣れたのか、落ち着きを取り戻し、ご家族様に酸素ハウスから出してもらいました。

酸素吸入をしつつ、身体検査をしたところまだ呼吸音は完全に良化はしておらず、治療が必要と判断しました。

また、血液検査は昨日の救急病院で実施していたため、数日後呼吸が少し落ち着いたころに行うこととしました。

やはり抗炎症剤や抗生剤、気管支拡張剤は必須と思われ、注射にて入れていきました。

お家であれば、興奮してもすぐ落ち着いてくれるので、あまり舌の色が悪くなることなく、処置をすることができて一安心しました。

このような場合、あまりにも興奮しているようであれば、興奮することが致命的になってしまうため、鎮静剤を投与することもありますが、今回は往診でお家の中で処置を出来たからか、鎮静剤を使わずに済み良かったです。

その日は1日2回で使って頂きたい注射薬をお渡しして、診察は終了とし、次の日にもう一度往診することとなりました。

本来病院であれば、救急病院にてレントゲン検査で気管支炎、あるいは肺炎のような像も見られたため、連日でレントゲン検査を行うところですが、飼い主様が動物病院への通院をご希望でないことと、車に乗せることでの興奮による呼吸困難の方が心配ではあるので、状態が落ち着くまでは一旦レントゲン検査は保留としました。

次の日お伺いすると、ポンちゃんは慣れたのか、昨日と比べてほとんど興奮することなく、呼吸も少し落ち着いているように感じました。

呼吸音はやはりまだ完全に、とはいきませんが、少しずつ良くはなってきていたので、少し酸素流量を落として、少しずつ酸素ハウスからの離脱を試みました。

治療は同じように続けて、5日後!ポンちゃんはついに酸素吸入から離脱することができました!

しかし、興奮や暑さにはやはり要注意で、ハアハアしてしまうといつまた呼吸困難になるか分からないような状況でしたが、ご家族様は気管虚脱の積極的な治療は望んでいらっしゃらず、内科的治療で今後続けていく予定です。

また、肥満も呼吸を苦しくさせている一因なので、ダイエットも頑張ってもらうこととなりました。

 

今回のポンちゃんのように、興奮することが呼吸困難を引き起こしてしまうことも十分にあり得ます。

また、呼吸困難の状態では車での移動がかなり負担になってしまうため、入院することがほとんどですが、酸素ハウスで管理ができる場合はお家にいた方がストレスが少ない場合が多いので、もし呼吸状態のことでご相談がございましたら、いつでも往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡下さい。

 

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こんにちは!

すごい雨風が吹き荒れた本日ですが、こういう天候が崩れた日はペットの体調も崩れることが多いように感じています。往診専門動物病院わんにゃん保健室では、基本的に道路が封鎖されてしまったりなどの物理的な障害がない限り、吐いていたり、痛がっていたり、ぐったりしていたり、食欲がなくなってしまったりした犬猫のもとに、往診車で訪問し、ご自宅で診察させていただきます。

 

雨風が強くても、例えば港区台場や江東区東雲といった川や海に囲まれている地域にも往診可能です。

 

ペットの体調が悪そうだなと感じましたら、待たずに往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

さて、今回は鼻がつまってしまい、食欲が落ちてしまった猫ちゃんのお話です。

 

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猫の鼻づまりと食欲不振

どなたでも、一度は鼻づまりになったことがあるかと思います。また、鼻炎持ちの方だと年中鼻づまりで苦しんでいる!という方もいることかと思います。

私たちも鼻がつまると匂いや味がしにくくなって、いつも美味しく食べているものの味が足りないように感じることはありませんか?

猫ちゃんも同様で、鼻がつまると匂いを感じないので、食欲がなくなってしまい、食べなくなってしまいます。特に猫ちゃんは本当に匂いで食欲が左右されるため、全く食べない子も中にはいます。

 

では鼻がつまってしまう原因は何でしょうか?

 

アレルギー性鼻炎の場合もあれば、猫風邪、重度の歯周病、あるいは腫瘍といったことも考えられます。

原因は様々ですが、いずれにしても、鼻詰まりを放置してしまうと食べれず、内臓にも負担がかかってしまうので、しっかりと治療を行う必要があります。

 

今回は、そんな鼻詰まりになってご飯が食べられなくなってしまった猫ちゃんに出会ったお話です。

 

症例は東京中央区晴海在住の高齢猫のトラちゃんです。トラちゃんとの出会いは1ヶ月ほど前のことです。

東京中央区はよく往診でぐるぐる回っているのですが、この時はちょうど東京中央区勝どきで行われた血尿でよくトイレに行く猫ちゃんの診察後にかかってきたお電話だったので、電話から30分以内にご自宅を訪問することができました。

お電話での内容は、お家の猫ちゃんが最近食欲が落ちてきているとのことで、猫ちゃんが高齢とのことでしたので、早めにお伺いさせて頂くこととしたという流れです。

お家に入ると、トラちゃんはドアの隙間からチラリと私たちを見て去って行ってしまいましたので、先にトラちゃんの最近の様子をご家族様に詳しくお伺いさせて頂くことにしました。

トラちゃんは、2週間ほど前から少しずつくしゃみや鼻水の症状が出てきたそうで、そこから少しずつ食欲が落ちてきて、鼻もズビズビといわせているそうです。

それでもウェットフードをあげてみたり、いつも大好きなおやつをあげてみたりとご家族様も工夫して頂いていたのですが、トラちゃんは食べてくれず、ここ2,3日はほとんど何も口にしていないとのことでした。

猫ちゃんはご飯を食べていないと、身体の中で栄養の代謝が変化してしまい、肝臓に脂肪を溜め込んでしまい、脂肪肝になってしまいます。

また、お水を飲んでいなければ脱水してしまい、脱水するとそれだけで体が重だるくなって、ご飯を食べてくれなくなってしまう、という悪循環に陥ってしまいます。

また、脱水すると、腎臓にいく水分が減ってしまいますので、腎不全を悪化させてしまうこともあります。

 

そういった点から、また、食べない原因が何かを調べるために、血液検査をご提案させて頂いたところ、ご同意が得られましたので、血液検査も実施することとしました。

まずはトラちゃんのいるお部屋にお邪魔し、往診専門動物病院の動物看護師がタオルで包んで、狭い所に隠れていたトラちゃんに出てきてもらいました。

身体検査では脱水が見られましたが、黄疸は認められませんでした。

また、かなり鼻がつまっているようで、身体検査中も鼻水が出ていて、目やにも見られました。

しかし、鼻水の原因としてよく考えられる歯周病は、見える限りではひどくはない様子でしたので、歯からの鼻水の可能性は低いと考えられました。しかし、鼻水と目やにの症状から、上部気道での何かしらの感染症が疑われました。

 

次は血液検査です。

採血をするために、足を伸ばしてもたなければなりませんが、それに関しては特に問題はないようでした。

 

その後、トラちゃんは脱水していたので点滴や抗生剤、消化管を動かすお薬の注射を行い、鼻には点鼻薬を入れて、点鼻薬に関してはお家でも続けて頂くことにしました。

トラちゃんは子猫の頃からよく鼻水やくしゃみをしていたそうなのですが、成猫になりしばらく鼻水も出ておらず、最近になってまた出てきてしまったとのことで、ウイルスの潜伏感染が疑われました。

 

血液検査では、腎臓の数値が軽度に上昇し、また、白血球数も軽度に上昇していたことから、慢性腎不全と加齢による免疫力の低下に伴って、潜伏感染していたウイルスが出てきて、鼻がつまってしまい、食欲がなくなってしまったと考えられました。

しかし、肝臓の数値などには問題がなかったので、ひとまず安心しました。

 

次の日も往診すると、少し鼻水は改善していて、缶詰の匂いを嗅ぎに行っているとのことでした。

ご家族様に感染症のお話をさせていただき、点滴と抗生物質の注射、そして点鼻薬は続けて頂くこととしました。

また、食欲増進剤として、内服薬をその日は私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフで飲ませて、その日の診察は終了としました。

そして、次の日再び往診でお伺いさせて頂いたところ、なんと!トラちゃんがご飯を少し食べてくれるようになっていました。

 

これにはご家族様も私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフも安心しました。ご飯が食べられるようになったので、次の日からは内服薬を飲んで頂くこととし、次の診察は3日後としました。

 

その後、トラちゃんは無事に鼻づまりも治って、今は慢性腎不全の治療のみ続けています。

 

このように、高齢猫では小さい頃にかかっていた猫風邪のウイルスを持ち続けていて、高齢になって免疫力が下がった頃に症状が再燃してしまうこともあります。

 

高齢になって様子が変わったな、健康診断も出来ていないし少し気になるな、など何かあれば、いつでも往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

 

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室、往診専門獣医師の江本宏平です。

本日は、東京中央区、東京墨田区、東京江東区にて往診診療を行ってきました。

緊急事態宣言の間は、日常ケアや健康診断という延期可能な診療は極力延期させていただき、また遠隔診療(オンライン診療)をご希望の飼い主様とは往診診療による対面診療ではなく、遠隔診療での診察を行っています。

こういうご時世ですが、ペットは普段通り体調を壊しますし、その病状は待ってはくれません。ペットの犬猫に異変を感じた場合、必ず獣医師に電話相談しましょう。かかりつけの動物病院で完全予約診療を行っていただけない場合には、別の動物病院に電話するか、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

飼い主様と私たち獣医療チームが力を合わせて、愛犬・愛猫の命を守っていきましょう。

 

さて、今回は突然食べなくなってしまった猫ちゃんのお話です。

ふらつき、嘔吐、排尿量が多い、尿が薄くなった、水を飲む量が多いなどの症状はないでしょうか?

猫の腎不全では、上記のような症状に、よだれが増えた、下痢をする、毛並みが悪くなった、痩せてきたなどを見せることがあります。

 

猫ちゃんは本能からか、ご家族様にさえ弱みを見せることはほとんどなく、体調が悪くても我慢して元気に振る舞ってしまいます。

そして症状が出た時にはかなり状態が悪くなっている、ということも珍しくありません。そうなった時に、ご家族様は気付いてあげられなかった、というようにご自身を責めてしまうことがあるのですが、責めてはいけません。

むしろ猫ちゃん自身が弱みを見せたくなく、弱みを隠して過ごしていたので、気付けないのは仕方がありません。犬であれば、よく痛みなどを隠さずすぐに鳴いたりして分かりやすく表してくれることが多いのですが、性格の違いですね。

今回は、そんな、弱みを見せない性格の猫ちゃんのご紹介です。

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よだれ、食欲不振、ふらつき(猫/腎不全/東京中央区)

症例は東京中央区在住の19歳の高齢猫のはなちゃんです。はなちゃんは、以前に一度だけ診察をしたことがある猫ちゃんでしたが、ペット往診車で夜間診療に出発する時にお電話がかかってきました。

様子をお伺いすると、2,3日の間全く食べていないとのことで、お水も全く飲んでいないため早めの往診をご希望されました。

 

水分も取れていないとのことなので、今夜中に診察が必要と判断し、お電話で往診予約時間を調整し、深夜往診で訪問することとなりました。

お家に往診すると、はなちゃんはご家族様に抱っこしてもらっていて、前回の診察時のはなちゃんであればすごく嫌がるはずなのですが、今日は全く嫌がることがなく、嫌がる元気もない、という様子でした。とっても心配です。

詳しくご家族様にお話をお伺いすると、先週までのはなちゃんはいつもと変わらない様子で、ウェットフードもドライフードも食べていたそうなのですが、今週になって、突然全くご飯を食べなくなってしまったそうです。ご飯を食べなくなってしまってからは、お水も飲まず、何となく呼吸も荒く、また呼吸数も多い(呼吸が早い)感じがする、とのことでした。

 

猫ちゃんがこのような症状になる病気はたくさん考えられます。呼吸が荒い、という症状でも胸の中の問題だけではなく、お腹の中の臓器の疾患、たとえば腎不全でも悪化すれば呼吸が荒くなることがあります。

身体検査だけでは判断できないことも多々あり、原因が分からない限りしっかりと治療が出来なかったり、方向性が違った治療を続けてしまうことになったりするため、まずは身体検査に加えて、血液検査を実施することをご提案させて頂きました。本来のはなちゃんはとても元気で、処置をすると口が出てきたりするほどだったのですが、今回の様子は見たことがないほど元気が無くなってしまっていたため、飼い主様もとても心配されていて検査をすることにご同意頂きました。

身体検査をするために、バスタオルで巻いて身体検査を行なっていきました。身体検査では激しい脱水と貧血が認められました。診療中に少し興奮したのかよだれが出たり、歩く姿にふらつきを認めたりと、普段とは違う症状を見せてくれました。

採血をするためには、足を伸ばさなければならないのですが、これが猫ちゃんはみんな嫌がってしまうのですが、今回のはなちゃんはしょんぼりしてしまっていて、全く嫌がることがありませんでした。

気持ちが悪く元気がない中、頑張って検査を受けてもらい、最後は皮下点滴治療です。しばらくお水も飲めていないとのことでしたので皮下点滴、吐き気止め、胃腸を動かすお薬などを注射し、この日は終了としました。処置が終わった後はお母さんに抱っこしてもらって、いつものベッドのところへ行き丸まっていました。

少しでも明日は良くなっていることを願いつつ、その日は往診終了とし、次の日にもう一度往診することとしました。

 

血液検査では、腎臓の数値がかなり上がっており、末期の腎不全が考えられました。

 

数値からするとかなり気持ちが悪いだろうと思われる状態で、とても自分からご飯を食べられる状態ではないと判断されましたが、猫ちゃんは食べれていない日が続くと、体の中での代謝が変わってしまい、肝臓に脂肪を蓄積していきます。いわゆる脂肪肝ですね。

そうなると、肝臓の機能は著しく落ちてしまい、黄疸が出たり、毒素を分解できなかったり、さまざまな症状が出てきます。そうならないように、できるだけ早くご飯を食べられるようになってもらいたい、という思いではなちゃんの腎不全症状に対する治療に臨ませてもらいました。

次の日もやはり食べてはいなくて、少しドライフードに興味を持つ程度で口にはしなかったとのことでした。吐き気止めを使っているので吐くことは無いようです。食欲増進剤を飲んでもらい、昨日と同様皮下点滴と注射を行いました。また、ご家族様にも末期の腎不全であろうというお話をさせて頂いたところ、先住の猫ちゃんも末期の腎不全だったらしく、その子は動物病院に連れて行って、入院もして最後の時間をあまりいっしょに過ごすことができなかったので、はなちゃんとは最後の時間をお家で一緒にゆっくり過ごしたい、とのご希望でしたので、お家でできる精一杯のターミナルケアをご提案させて頂きました。

そこから、毎日皮下点滴と注射をさせて頂き約1週間、はなちゃんはご家族様に見守られながら虹の橋を渡って行きました。最期は苦しむこともなく、お母さんに抱っこされながら旅立てたとのことでした。

ご家族様は、最後まで愛猫の病気と向き合え、命を受け入れて、家族みんなで見守ることができたことを、往診専門動物病院わんにゃん保健室スタッフ一同、大変光栄に思います。

 

私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室では、在宅でのターミナルケア・緩和ケアに特化しています。愛犬・愛猫への緩和ケア、ターミナルケアの形は決して1つではなく、ご家族様と愛犬・愛猫の生きてきた生活環境及びその子その子の性格など全てを考慮してご提案察せていただいております。その中には、もちろん費用面を加味されます。治療を続けられないような診療プランは避けなければいけませんので、ペットの緩和ケア・ターミナルケア往診専門動物病院で希望される場合には、包み隠さずご相談ください。

 

最期の時間をご家族様の元で、痛みや吐き気などを軽減させ、その子らしく最後まで過ごさせてあげたいという思いで、日々往診診療に当たらせて頂いています。

 

飼い主様みんなの願いは共通しており、出来る限り辛くないように過ごさせてあげ、ご家族様の見守る中で最後の日を迎えさせてあげたいという切実な思いです。

 

病気の末期、と診断された方、セカンドオピニオンの方も一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までお気軽にご連絡ください。

 

悔いのない最後に向け、一緒に歩みましょう。

 

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血尿と頻尿(高齢猫/尿石症/東京中央区)

こんにちは!

急な気温の低下だけではなく、今日はなんと雪が降りましたね。しかも結構な量で、往診車が雪で埋もれてしまうかと思うほどでした。

世界的に猛威を振るうコロナウイルス感染症の蔓延により、この週末に日本政府から発令された外出自粛のお達しにより、少しでも感染症の進行スピードが緩やかになればと祈っています。

 

そんな中でも、やはり待ってくれないのがペットの体調不良です。ペットの体調不良に何となく気付いたとしても、私たち人間を取り巻く環境だったり、様々な予定だったりで、自己判断によって一旦様子見しようと考えてしまう飼い主様は決して少なくありません。

 

今回、頻尿なのかよくトイレに行くがあまりおしっこが出ていないトイレ以外にもポタポタ尿が垂れていて血が混じっている、などの主訴でお問い合わせをいただきやすく、猫ちゃんで多い、尿石症のお話です。

猫ちゃんは基本的に寝ていることが多い動物ですが、寒くなると喉もかわかないのか、お水を飲んだりトイレに行くことも減ってしまうため、膀胱内に濃いおしっこがたまりやすく、尿石症を起こしやすくなります。

今回はそんな尿石症の管理をしている猫ちゃんをご紹介します。

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尿石症のプーちゃん(頻尿/血尿/高齢猫/東京中央区在住)

東京中央区在住のプーちゃん、10歳の高齢猫です。

プーちゃんとの出会いは、約1年前の、往診専門動物病院わんにゃん保健室の往診車で東京都内を移動中にかかってきた1本の電話でした。お家の猫ちゃんが、家に帰ったら血尿をしていて、トイレで鳴いている、とのことで、すぐに膀胱炎が疑われ、その日の予約の空いている時間にご訪問することにしました。

東京中央区勝どきにあるプーちゃんのお家に到着すると、プーちゃんはすぐに押入れのなかに隠れてしまいました。ご家族様に聞くと、かなりの怖がりさんで、誰かが来ると決まって押入れの奥に隠れてしまう性格なのだそうです。

トイレを見てみるとたしかに、赤い丸がいくつかあって、おそらく頻尿になっていて、少量ずつのおしっこを何度も絞り出している感じが想像できました。

詳しくお話をお伺いすると、プーちゃんは寒くなると基本的にはコタツの中にいて、ほとんど出てこないとのことでした。昨日までは元気も食欲もいつもと変わらず、気になるようなことはなかったそうなのですが、今朝少し食欲が少なく、まあ置いておくと食べるかな、と思い少しだけ外出をされたところ、帰ったら血尿をしていたということでした。プーちゃんはウェットフードが好きではなく、ドライフードのみを食べていて、最近はお水を飲んでいる姿もあまり見かけなくなったそうで、やはりまずは膀胱炎を強く疑う稟告でした。

そのため、まずは身体検査を行い、その後膀胱内がどういった状態になっているのかを超音波検査にて確認し、可能であれば、腎臓にまで影響がいっていないか、また、動物病院には子猫の時以来行ったことがないとのことでしたので、健康診断も兼ねて血液検査を行うことになりました。

まず第一関門として、プーちゃんに出てきてもらうことからです。押入れの奥に行ってしまっていましたが、往診専門動物病院わんにゃん保健室の動物看護師はそういうことにも慣れています。素早くタオルで包み込み、保定を行い、身体検査、超音波検査、その後採血までスムーズに行うことができました。プーちゃんは終始唸っていましたが、手や口は出てこず、お利口さんに処置を行うことができました。

そのまま、膀胱炎の治療をすることとしました。血尿が出ていたので抗生物質と痛み止め、点滴を注射し、続きを内服薬で頑張って飲んでもらうことにしました。

治療が終わり、プーちゃんはすぐに解放です。急いでまた押入れの奥に隠れて行きましたが、すぐに安心できる隠れ家に行けることが往診の良いところですね。最もストレスを減らすことができます。

 

超音波検査では、ほとんど膀胱におしっこがたまっておらず、採尿もできず膀胱内もしっかりも見ることができませんでしたが、わずかに浮遊物があることは確認できました。

 

本来は尿検査を行なって、尿石が出ているのか、細菌はいないか、など見なければいけませんが、今回は採尿が出来なかったため尿検査は次回となりました。

 

余談ですが、尿検査のための採尿方法はいくつかあります。1番簡単なのは、トイレにペットシーツの撥水面(裏返し)を置いてそこにおしっこをしてもらいスポイトで採取する方法ですが、そのほかにも排尿ポーズを取った時におたまや専用の採尿キットをお尻の下に持ってくる、といった方法があります。

 

この日はそれにて終了とし、3日後に再診にお伺いすることとし、その時に採尿ができていれば尿検査を実施することにしました。

血液検査では特に異常もなく、ご家族様も安心されていらっしゃいましたし、私たちも安心しました。

 

後日の再診では、見た目上の血尿は出ておらず頻尿も鳴くこともなくなったそうで、いつもの元気なプーちゃんに戻っていました。おしっこが取れたとのことでしたので、尿検査を実施したところ、シュウ酸カルシウム結晶というものが検出されました。

 

尿石症で出てくる石の種類は何種類かありますが、猫ちゃんで多いのはストルバイト結晶とシュウ酸カルシウム結晶です。ストルバイト結晶であればご飯を変えることで溶かすことが出来ますが、シュウ酸カルシウム結晶は排出を促すしかありません。排出を促すためには、できればウエットフードを食べて口からの水分摂取を増やすことが1番良いのですが、高齢猫のプーちゃんの場合はウエットフードが好きでないため、皮下点滴が必要になりました。

 

ご自宅が東京中央区勝どきでしたので、近くに動物病院はあるのですが、やはり猫ちゃんということでキャリーに入れられないし連れ出せないと言うことで、お母さんたちが覚悟して、在宅でご家族様による皮下点滴を週に3回点滴を行なって頂くこととしました。

点滴はもちろんお家で行なって頂けるように、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室の獣医師がやり方をお伝えさせて頂き、ご家族様もできそう!となりましたので、2週間分お渡しして次回尿検査を実施することとなりました。

猫のプーちゃんの場合は、点滴回数を減らすとシュウ酸カルシウムが出てきてしまうため、微妙に点滴量や回数を減らしつつ現在は様子を見ています。もちろん、ウェットフードも現在トライ中ではありますが、点滴回数を減らすことを目標に定期的に尿検査を実施しています。

 

このように、動物病院に連れて行けない、という猫ちゃんのご相談をお受けすることはとても多いですし、そういう猫ちゃんはたくさんいます。うちの子だけかもしれない、とご不安にならずに、往診専門動物病院わんにゃん保健室までいつでもご相談ください。

体調の変化に気がついた時、放っておけば良くなるだろうではなく、しっかりと愛犬・愛猫のことを考え、かかりつけの動物病院にお問い合わせください。

もし、いつも通院させている動物病院がなければ、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

コロナウイルス感染症が猛威を世界的に猛威を奮っており、日本、そして東京都内では行動規制や外出自粛などの措置がとられています。動物病院の待合室での待ち時間を懸念される場合には、まずはかかりつけの動物病院に通院する前にご連絡し、予約が取れるのかどうかを確認してください。

 

この時期は、動物病院の繁忙期であり、動物病院の中はフィラリア予防と狂犬病予防ワクチン接種を待つ飼い主様とペット(特に、犬)で溢れかえっています。

 

ペットの体調に変化を感じましたら、まずは動物病院に電話で予約を確認し、なるべく密集した環境での滞在を避ける対策を取れるように心がけましょう。

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診専門獣医師の江本宏平です。

 

犬猫の往診で出会う子たちの中には、腫瘍(癌)で苦しんでいるという場合が多くあります。

 

腫瘍性疾患の犬猫に対して、現在では外科手術、化学療法(抗癌剤など)、放射線療法などの選択肢がありますが、どれも動物通院への通院が必要なものがほとんどです。

 

抗癌剤療法を用いた場合には、犬猫の排泄物にも抗癌剤が少しだけ含まれていることから、自宅での排泄物処理に手袋をつけなければいけないなどの留意点がある中で、自宅には小さなお子さんがいるため管理できないという生活環境要因によっても、治療を断念し、家で最後の日まで何もできずに見守らなければならないと考えてしまっている飼い主様もいます。

 

しかし、自宅にいながら、環境要因の影響もできる限り少なくできるような治療プランとして、往診による緩和ケア及びターミナルケアがあります。

ご自宅にいながらでの診察・投薬を行うことができますので、ペットへの移動ストレス・輸送ストレスを最小限にすることができます。

腫瘍(癌)で動物病院への通院を断念し、ご自宅での緩和ケア及び看取りまでのターミナルケアを検討したいご家族様は、まずはお電話にて病状を教えてください。

一緒に何をしてあげられるのかを考えていき、最良の診療プランを考えていきましょう!

 

腫瘍性疾患のお話をした流れで、今日は乳腺腫瘍のわんちゃんのお話です。

乳腺腫瘍というのは、悪性腫瘍、いわゆる乳がんと良性腫瘍に分けられます。そしてその悪性腫瘍の中でも手術不適応と言われている、炎症性乳がんになってしまったわんちゃんのお話です。

 

今回ご紹介するのは、東京中央区在住のヒメちゃん、15歳の高齢犬です。

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乳腺のしこりと出血(高齢犬/乳腺腫瘍/東京中央区)

ヒメちゃんは人が苦手でお外に行くと鳴いてしまうため、ほとんどお散歩せずに予防の時だけ頑張って動物病院に通院していました。

そんなヒメちゃんですが、1ヶ月ほど前から乳腺にしこりができて、それがみるみる大きくなって来て、出血して来たので診察をご希望され、お電話にて往診予約をいただきました。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、完全予約制でご自宅にて獣医師と動物看護師による診察を行っています。そのため、1診療に十分な時間をとることができ、ゆっくりとペットの状況をご相談していただけます。

 

往診獣医療チームがお家にご訪問すると、ヒメちゃんは怖がりなわんちゃんなため2階で待機していただき、まずはご家族様にお話をお伺いすることにしました。

ヒメちゃんはすごく元気で特に病気という病気はなかったそうなのですが、1ヶ月ほど前に乳腺にしこりのようなものを見つけたそうなのですが、ヒメちゃんの性格上、動物病院には連れて行けないため、そのままお家で様子を見ていたそうです。東京中央区在住の高齢犬ということで、近所には動物病院もあり、犬ということで連れ出せそうな感じはありますが、やはり動物病院に連れていくと、その後ぐったりしてご飯も何も食べれずに震えてしまうということでした。

最近になって、ヒメちゃんがやたらとお腹の方を気にしていたため見てみると、しこりがかなり大きくなっていて、出血していたため、たとえ悪いものであっても、もう高齢なので手術や積極的な治療はしたくない、ということで、お家でできる範囲の治療をご希望され、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡して下さった、とのことでした。

 

今のところ、元気さは少し落ちて来たような気がする、とのことでしたが、食欲は変わらずで、まずはどういった腫瘍なのかを見てみることにしました。

 

ヒメちゃんを2階から連れてきてもらうと、お家だからなのか鳴いてしまうことはありませんでしたが、すごくビクビクしていました。

お腹の様子を見るために横になってもらうと、1つの乳腺でしこりが起こっている、というよりは、何個かの乳腺に渡って板状にしこりになっており、その中の一つがボコッと腫れてそこから出血しているようでした。

また、周囲は熱感があり、赤くもなっていて、これは普通の乳腺腫瘍ではなく、おそらく炎症性乳がんの可能性が高いかと思われ、また、腫瘍がある方の股のリンパ節も腫れていて、転移が疑われました。

一通り身体検査を行なった後、かなり炎症が起こっていることが予想され、また転移の可能性も高いので、血液検査を実施しました。

 

採血自体は細い針なので痛みはほとんどありませんが、おそらく足を伸ばすのが嫌で逃げようとしていましたが、往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフもこういう子には慣れているので、素早く採血を終わらせて解放してあげました。するとそそくさと私たちから見えないお部屋に逃げて行き、安心できる場所に行けたようです。

 

おそらくかなりの痛みがあると考えられたため、抗炎症剤と出血部位からの感染を予防するために抗生剤をお渡しし、この日は終了としました。

 

血液検査では、白血球の上昇と炎症反応が見られ、やはり身体の中でかなり強い炎症が起こっていることが分かり、ご家族様に今後の方針をご相談することになりました。

 

ここで、炎症性乳がんという少し聞きなれない病気についてご説明いたします。

 

炎症性乳がんとは臨床診断で、強い炎症を伴っているように見える、かなり悪いタイプの乳腺腫瘍です。

そもそもわんちゃんの乳腺腫瘍は悪性と良性の確率は1:1と言われていますが、炎症性乳がんはその悪性腫瘍のうちの4%程度と言われています。

 

炎症性乳がんは、リンパ管や血管への浸潤スピードがかなり早く、発見した時には肺へ転移していることもしばしばで、身体の中でも強い炎症が起こっているので、血栓症になってしまう恐れもあります。

また、リンパ節が大きくなって、リンパ液の流れを阻害すると後ろ足が浮腫んでしまったり、乳腺自体もかなりの痛みを伴うので元気もなくなってしまいます。

 

通常の乳がんであれば、転移がなければ外科切除で完治することが多いのですが、炎症性乳がんの場合は手術不適応で、効果的な治療法はないと言われています。

炎症を和らげ、痛みを少しでも緩和する治療を行なっていくしかありません。

また、進行も早いため、ヒメちゃんもいつ肺に転移が起こったり、急激に悪化してしまうか分からないという状況でした。

 

このことを飼い主様とご相談した上で、今後どうしていくかをご相談した結果、痛みを取りつつ呼吸が止まったりしてしまった場合も救急処置は望まないとのことでしたので、最大限の疼痛緩和を目的としたターミナルケアを行なっていく方向となりました。

 

炎症性乳がんは急な変化となるので、心が追いつかない飼い主様もたくさんいらっしゃいます。

できるだけ楽に、その子らしく飼い主様といつも通り過ごしてもらうために、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフは少しでもご協力できるように日々精進していますので、いつでもご相談して頂ければと思います。

 

ヒメちゃんは今もステロイド剤を飲みつつ様子を見ていますが、少し食欲が落ちてきているようなので、注射での投与が必要になるかもしれません。

そうなった場合も、お家でできるように、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室の獣医師がしっかりとご指導させて頂きます。

 

緩和ケアやターミナルケア、介護にも力を入れて、最期の時間をお家でその子らしく、ご家族の皆様と過ごせるように尽力していますので、動物病院に連れて行けず悩んでいる、どんどん腫瘍が大きくなって諦めてしまった、という方もいつでもご連絡ください。

 

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診専門獣医師の江本宏平です。

 

ペットの往診専門ということもあり、ペット往診のご予約をいただくのは、もっぱら猫ちゃんです。中でも、長期間というより家に迎えた時以来、動物病院に通院させたことがないような猫ちゃんたちが大多数です。

猫ちゃんの性格上一度動物病院で嫌な思いをしてしまうと、キャリーに入れられることと動物病院での嫌な思い出が直結してしまい、キャリーに入れられることすら逃げ出して震えてしまうくらい嫌がってしまいます。そうなると、できれば動物病院に連れていきたいけど、こんなにも愛猫にストレスがかかってしまうのであれば、元気そうだしまだ動物病院に連れて行かなくてもいいか、となってしまう傾向にあります。結果、高齢期を迎えて食欲減退、多飲多尿、嘔吐などを愛猫が示したときまでは、動物病院で獣医師に見てもらうという選択肢が頭をよぎっても削除してしまっているという状況は少なくありません。

 

猫ちゃんと暮らしている飼い主様は、動物病院に連れて行くことが難しいようであれば往診専門動物病院までご連絡ください。健康診断から血液検査、爪切りから様々な日常の悩みなども、診察の時に是非ご相談ください。

 

さて、今回は嘔吐してしまい食欲がなくなってしまった猫ちゃんのお話です。この猫ちゃんもまた、避妊去勢手術以降、動物病院へ連れて行けなくなってしまった猫ちゃんです。

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触れない愛猫の嘔吐(東京中央区/保護猫)

猫は生理的に毛玉を吐くということから、猫は吐くもの、というイメージがある方も多いかもしれませんが、実は通常であれば、勢いよく食べ過ぎて食後すぐに吐いたり、毛玉を吐く以外はほとんど吐くことはありません。

そのため、食後から時間が経っているにも関わらず未消化フードを吐く、日中に何度も吐く、吐いてから呼吸が変、苦しそうなどの症状があれば、何かのサインかもしれません。

今回は、そんな猫ちゃんのご紹介です。

 

症例は、東京中央区在住の10歳の高齢猫のゆずちゃんです。2,3日前から嘔吐して食欲がなくなったとのことでお電話を頂き、獣医師と動物看護師の2人でご自宅まで訪問させて頂きました。

 

お家にご訪問すると、ゆずちゃんは2階にいて、同居猫の子猫ちゃんが元気に出迎えてくれました。ゆずちゃんは、大人になってからお家に来た保護猫さんらしく、警戒心が強く、ご家族様も触れないほどだそうで、トイレやご飯のお世話のみしているという状態のようです。

 

詳しくお話をお伺いすると、ゆずちゃんは元々触れない子なのですが、皮膚炎があり、近くの動物病院さんに相談したところ、抗炎症剤のみ処方してもらっていて良くなったり、量を減らすと悪化したりを繰り返して1年ほどになるそうです。

お薬はウェットフードに混ぜると難なく飲むことができるようで、最近は薬の量も減って皮膚も良い感じだったところで、今度は嘔吐が出てきて、食欲がなくなってしまったとのことでした。そのため、お薬も飲めず皮膚が悪化して、かなり舐めてしまい脱毛が進んでいるようで、そちらも合わせて診察しました。

 

冒頭で述べたように、毛玉を吐いたり食後に勢いよく食べ過ぎたせいで吐いてしまう、というのはありますが、日中に何度か嘔吐する上、元気もなくなってきているということから、身体検査だけでなく、血液検査も行うことをご提案させて頂きました。

 

また、食べても吐いてしまうので、脱水を考えて皮下点滴、吐き気止め、また皮膚のことも考慮してステロイド剤を使用することとしました。

本来はステロイドを使ってしまうと、さまざまな病気が隠れてしまうのでやめておくところですが、ゆずちゃんはすでに1年ほど内服でステロイド剤を使用しているため、今回はそのままステロイド剤を注射で使用することとしました。

 

いよいよ警戒心が強いゆずちゃんとのご対面です。

 

同居の子猫ちゃんとご家族様には1階にいて頂き、往診専門動物病院わんにゃん保健室の獣医師と動物看護師のみ2階に行かせていただき、ゆずちゃんのお部屋に入りました。

ゆずちゃんはカーテンの奥にいて、全く動く気配がありません。

バスタオルとクッションを使ってゆずちゃんの動けるスペースを封じ、バスタオルで巻き巻きにして、身体検査を行なっていきました。体調が悪いせいか、ほとんど動くことなく、固まってしまっていましたので、そのまま採血に移り、採血もすごくスムーズに終えることが出来ました。ご家族の方々は捕まるかなあ、と心配されていらっしゃいましたが、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室の獣医療スタッフは、こういった猫ちゃんにも慣れています。暴れるために動物病院に行けない、という猫ちゃんを飼っていらっしゃる方は、いつでも往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。

 

話しがそれましたが、ゆずちゃんはその後点滴も注射もすごくお利口に受け入れてくれ、処置が全て終わって解放すると、キャットタワーのお部屋に走っていきました。

 

ご家族様にも、ゆずちゃんは大人しく診察をさせてくれたことをご説明すると、すごく安心されていました。とにかく処置ができて一安心です。

 

吐き気があるとおそらく内服も難しいので、次の日もお伺いして、食べれていれば内服薬に切り替えていく、という方向で治療を進めることになり、この日は治療終了となりました。

 

血液検査では、わずかに白血球が増加しており、膵炎の数値がほんのわずかに高い数値でしたので、後日再検査を行うこととしました。結果からは、目立った原因が突き止められなかったため、1番疑われるのは何かしらが原因の胃腸炎の可能性が高いとご説明させていただきました。

往診専門動物病院では、できる限りの検査を行い、その中から得られた所見をもとに診察を進めていきます。血液検査や尿検査、糞便検査、腹部超音波検査や神経学的検査など、大型医療機器や全身麻酔を伴い検査や処置であれば、多くの場合ご自宅で行うことができます。

また、ご家族様のご希望に合わせて動物病院のご紹介や大学病院などへのセカンドオピニオンの紹介や精査・治療依頼なども行っております。

 

続きです。

 

次の日にご自宅までご訪問すると、ゆずちゃんは見違えるようによく食べるようになってくれたようで、これなら内服薬も飲ませられそう!とのことで、この日は内服薬をお渡ししました。

そして、昨日ステロイドを注射で使ったおかげか、ゆずちゃんの皮膚も少し良くなってきていて、舐めた形跡はありませんでした。

このまま治ることを祈り、血液検査の再検査は1週間後とし、この日も終了となりました。

1週間後、ご家族様にご連絡させて頂くと、ゆずちゃんはもういつも通りとのことで、安心できました。そして、1週間後検診としての再検査でも特に異常値は認められませんでした。

 

今回のゆずちゃんのように、大人になってからおうちに来た保護猫さんは、なかなか警戒心が強いことが多く、ご家族様に慣れるのにも時間がかかってしまうことが珍しくありません。そのため、動物病院に連れていけないことも多いかと思います。

しかし、猫ちゃんもシニアになってくると、腎不全や心臓病などさまざまな疾患が出てきますので、年に1回は健康診断をすることをお勧め致します。

その際、動物病院に行けないから、と諦めるのではなく、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。どうすれば検査ができるか、治療ができるかを一緒に考えてご提案させて頂きます。

 

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

 

ここ最近は東京中央区、東京台東区を中心にペット往診車で獣医師と動物看護師の2人で診察でクルクル回っていましたが、東京足立区、東京江戸川区からのご依頼が増えてきて、毎日の移動距離が急速に伸びていることを目の当たりにして、日々の診療の軌跡を感じています。東京都内では往診専門動物病院が日々増えているようで、家で待っている犬猫たちからのペット往診ニーズに十分な獣医療で応えられる時代もそう遠くはないかもしれませんね!

 

さて、今回は訪問させていただいた往診症例で、メラノーマという癌が転移してしまった高齢犬のお話です。

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メラノーマの肺転移(高齢犬/ターミナルケア/ペット緩和ケア/東京中央区)

メラノーマとは、メラニン色素をもつ細胞が何らかの原因で癌化してしまう病気で、犬で多く、悪性度はかなり高い腫瘍です。多くは犬の口の中に出来ますが、その他にも目など、メラニン色素がある場所ではどこでも起こりうる腫瘍です。また悪性度が高いだけではく転移もよく起こります。

今回はそんなメラノーマがさまざまな場所に転移してしまったわんちゃんのお話です。

 

東京中央区在住の高齢犬、ベラちゃんは、慢性的な外耳炎で定期的に耳洗浄のためにかかりつけの動物病院さんにかかられてきました。

しかし半年ほど前にメラノーマが見つかり、手術をしたそうですが、次は足に転移してしまい、後ろ足を断脚したそうです。しかし、次は反対の足の骨に転移が見つかり、そちらの骨はもう折れてしまっていて、肺にも転移があるため、手術適応ではなく、見ているのもかわいそうなので積極的な治療はせず、お家でターミナルケアを中心に行なっていきたい、とのことでご連絡を頂きました。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、飼い主様のご意向をまずは伺うことで、最善の診療プランを一緒に考えていきます。方針は決して一つではなく、言うなれば全てオーダーメイドの診療計画を立てていきます。飼い主様にも犬猫にも負担ができる限り少なくできるよう、複数案をご提案させていただきます。

 

お家に入ると、ベラちゃんは痛いはずの足を使って器用にお出迎えに来てくれました!

人が大好きでいつもお客さんにおやつをもらうということで、私たちも早速飼い主様におやつをもらい、ベラちゃんに差し出したところ、ペロッと全部食べてくれました。食欲は旺盛のようでした。

 

詳しくお話をお伺いすると、後ろ足は骨折していますが、まだ使えてはいそう、とのことで、そのほか元気食欲は問題ないようでした。しかし肺にも転移しているとのことですので、今のベラちゃんからは全くそんな風に見えませんが、状況的にはかなり進んでしまっていました。

現在は、かかりつけの動物病院へ最後に行った時にもらったお薬を続けて飲んでいるとのことで、おそらくそれのおかげで安定しているのだと考えられました。

ご家族様としては、痛みや息苦しさなどを取ってあげて、それ以上の治療はせず、最期までご家族と一緒に過ごすことを望まれていましたので、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室としても、最大限ベラちゃんが痛くないように、苦しくないように過ごせるよう、治療にあたらせて頂きました。

 

まず身体検査を行うと、足を触ると痛そうで、また、耳の洗浄も必要なほど外耳炎も起こっていました。また口の中は、手術で取った箇所の再発は認められませんでした。

その後は全身状態を見るために血液検査を行い、その日は終了としました。

肺にも転移があるとのことでしたので、おそらく近いうちに酸素室が必要になると判断し、飼い主様に酸素ハウスのレンタルをお勧めし、また、足の痛みに関しては注射薬の鎮痛剤をお渡ししてお家で実施して頂くこととなりました。これも、ご家族様のご協力があって、ベラちゃんがお利口なため、出来ることですね。

また飲み薬は引き続き、かかりつけの動物病院と同じものを処方し、1週間後の再診としました。

血液検査の結果、貧血が認められ、また肝臓の数値がやや高めでしたが、その他には異常所見を認めませんでした。

ここで、貧血について、何が原因か、というところですが、貧血の原因はたくさんあります。

その中で今回考えられるのが、腫瘍随伴症候群というものです。これは腫瘍を持っていることで、その腫瘍の影響で身体の中でも起こる合併症で、例えば食欲がなくなり痩せてしまう、ガン性悪液質や、貧血、また突然死の原因にもなる血栓症がよく認められます。

おそらく今回のベラちゃんもこの腫瘍随伴症候群と考えられ、これからどんどん進んでいくことが予想されました。また、肺にも転移があることからも、やはり早急に酸素の準備をして頂いた方が良いかと思い、飼い主様にご相談したところ、その方が楽になるなら、と、すぐに手配して頂けました。

 

1週間後、再診時にも、ベラちゃんは相変わらずおやつを求めて玄関までお迎えに来てくれました。見た目はとっても元気ですが、やはり口の粘膜色はやや薄く、貧血があることを表していました。今日もおやつをあげるとパクパクとご機嫌に食べてくれていました。

お部屋には酸素室があり、必要な時に使って頂くようにしてありましたが、高齢犬のベラちゃんはまだまだ酸素室が嫌のようで、すぐに出たがるとのことでした。元気がある証です。

ベラちゃんは今後も鎮痛剤と内服薬を続けていく予定で、ご飯が食べれないようであればお家での皮下点滴も考えていく予定です。

 

ベラちゃんはまだまだ見た目には元気ですが、検査結果からは、血栓症などでいつお別れになってしまうか、という状態ですが、ベラちゃんのおかげでご家族様も明るく過ごすことが出来ています。また状態が悪化してしまった際にも、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ご自宅で処置をさせて頂けるので、完全にお家でのターミナルケアが可能となっております。

ベラちゃんのように、断脚して歩くのが大変だったり、大型犬で連れて行くのが大変、猫ちゃんでそもそもお外に連れていけない、などお悩みのご家族様は、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡下さい。

一般診療から、介護、緩和ケア、ターミナルケアまで幅広く対応させて頂いております。

 

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診専門獣医師の江本宏平です。

 

東京中央区を中心に東京23区まで、往診獣医師と動物看護師の2人でペット往診車でご自宅までご訪問しております。

 

今回は、胸の中に癌が出来てしまった高齢猫ちゃんのお話しです。

胸の中に出来る癌の種類は様々ですが、そのほとんどで、胸水貯留という状態が見られます。胸水が溜まると、胸の中で肺が膨らめる空間が狭くなってしまうことから、徐々に息が苦しくなっていき、胸水は抜いてもすぐ溜まってしまう、という状態になってしまいます。今回は癌によって胸水が溜まってしまいましたが、すごく頑張ってくれた高齢猫ちゃんのご紹介です。

 

東京中央区在住の高齢猫のランちゃん、20歳です。

 

がん性胸水の高齢猫(酸素室管理/高齢猫のターミナルケア/東京中央区)

ランちゃんは、病気知らずで、ここ3ヶ月前までほとんど動物病院にかかることはなかったそうなのですが、3ヶ月ほど前に、急にいつも乗っているテーブルへのジャンプに失敗して、足を引きずるようになり病院に行ったところ、特に異常はないとのことで、痛み止めをもらいましたが、大きくは改善せず、セカンドオピニオンとして別の動物病院に行きましたが、変形性脊椎症、という老化による背骨の変化での痛み、とのことで、様子を見ることになりました。しかし、その後呼吸が荒くなってきて、ここ1週間ほどご飯を食べない、とのことでお電話を頂き、緊急性があると判断しましたので、当日にお伺いさせて頂きました。

お家に入るとランちゃんはソファの奥のランちゃん用のベッドに丸まっていて、そのときは特に呼吸の荒さは感じませんでした。

お話をお伺いすると、ランちゃんは動物病院に行くとかなり興奮して、ストレスが大きいため動物病院に通院させられない、とのことでした。普段はよく食べる猫ちゃんで、運動量も年の割には多い方だとのことでしたが、急に呼吸が荒いように感じ始め、元気食欲がなくなってしまったとのことで、その日からは全く食べていないとのことで、お水も飲めていないようでした。

 

ストレスがかかってしまうので、1度で終わらせるために、まずは今日させて頂こうと思っている検査内容についてお話しさせて頂き、ご同意を得られたので身体検査と採血をランちゃんには頑張ってもらうことになりました。しかし呼吸状態が良くないので、それには必ず注意しなければなりません。

 

まずはお母さんにランちゃんを抱っこで連れてきてもらい、身体検査からです。聴診では大きな異常はありませんでしたが、かなり呼吸の仕方が大きく、息が苦しそうな様子でした。その後、採血もおとなしく頑張ってくれて、お水が飲めていないようなので皮下点滴と抗炎症剤、抗生剤、胃薬などを投与し、その日は終了としました。

また、息がかなり苦しい様子でしたので、ご家族様には酸素ハウスのご提案をさせて頂きました。酸素ハウスがあると、処置など興奮した後にも、すぐに酸素を吸って楽になることができるので、息が苦しい場合にはお家にレンタルすることをお勧めしています。

血液検査では目立った異常所見はなく、次の日お伺いした際にもあまり改善が見られず、2,3日の間大きな改善がなかったことから、二次診療施設での精査をご提案させて頂きました。興奮することで、より呼吸状態が悪くなってしまうかもしれない、という葛藤はありましたが、飼い主様に決断していただき、精査をした結果、胸水が溜まっており、その中にはがん細胞が出ているとのことでした。

しかし、年齢的にもご家族様は抗がん剤などの治療はご希望されず、ご自宅で出来る限りの苦痛を軽減しながらゆっくりと看取ってあげるために行うターミナルケアをご希望され、再び往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡を頂きました。

緩和ケアというのは、癌などの病気に対して治療をしつつ、治療による副作用への対症療法や、病気の症状に対する対症療法を行うことであるのに対して、ターミナルケアとは、治療はせず、対症療法のみを行い、病気で起こる吐き気や痛みなどのみを取り除くことです。

今回のランちゃんでは、どういったガンか特定できていない以上治療法としては、ステロイド剤の投与と、癌による胸水なので効果が的面というわけではありませんが、利尿剤を使用、また癌による吐き気などを取り除くための吐き気止めや胃薬を注射で入れる、という治療方法が最善と考えられ、飼い主様とご相談した結果、これらを使用して少しでも楽に過ごさせてあげる、という方向になりました。

ステロイド剤というのは、量によって使い方が様々で、例えば軽い皮膚炎などの場合は1番下の投与量、末期の腎不全などの場合にはその少し上の量、そして癌の場合には最も高い量で使用します。ステロイド剤を使うのに抵抗があるご家族様もいらっしゃるかと思いますが、ガンの場合には、しっかりと使えば癌による苦しさをかなり軽減させてくれることが期待できます。

また、ガン性の胸水の場合、すぐに溜まってしまうということもあり、精査で胸水が見つかった際は抜去して頂きましたが、その後お家では抜去せず酸素ハウスで過ごしてもらっていました。

しかし、その後2週間ほどで、急激に呼吸状態が悪くなっていき、ご家族様の腕の中で虹の橋を渡って行きました。

 

ランちゃんのように、猫ちゃんの場合は我慢をして症状を出さずに過ごしてしまうので、見つかった時には進行してしまっている、ということも少なくありません。

ただその時も諦めず、その子がどうやって最期を迎えるのが1番良いか、出来るだけ楽に過ごすためにはどうすれば良いかなど、往診専門動物病院わんにゃん保健室ではご家族様と一緒に考えて、最善の方法をご提案させて頂きます。

ターミナルケアや緩和ケアを考えられているご家族様、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡下さい。

 

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往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

2020年を迎え、愛犬・愛猫の調子はいかがでしょうか?

年末年始の間は、かかりつけの動物病院がお休みであったり、ご家族様が多忙であったりと、なかなかペットに目を向けてあげられなかったご家族様も多くいるかと思います。

年明けから、ペット往診のご予約が東京中央区、特に東京中央区勝どき、東京中央区晴海、東京中央区月島、東京中央区築地からの問い合わせがなぜか殺到しています。高齢犬・高齢猫は急に体調が下がることが多く、その瞬間風速はかなりなもので、昨日までは普通だったのにということも少なくありません。心臓や腎臓などの持病を抱えている犬猫と暮らしているご家族様は、定期的にかかりつけの動物病院に通院し、担当獣医師からペットの日常ケアや気をつけなければいけない症状についてなどの説明とその時にどうすればいいのかなどの指示を仰ぐようにしましょう。

猫のあくび.jpg

さて今回は、東京中央区勝どきにお住いの甲状腺機能亢進症の猫ちゃん(ウニちゃん)についてです。3日前までは普通に食べていたのに、突然元気食欲が無くなってしまいました。

 

突然の食欲無し(18歳猫/シニア猫/東京中央区在住)

ウニちゃんは18年間ほとんど体調を崩したことがなく、5年前に一度だけ食べているのに痩せてきたということで、動物病院に連れて行ったそうなのですが、その際にすごく暴れてしまい麻酔をかけて入院検査を行ったとのことで、もう連れていくのは大変なのでお家で何とかしてほしい、とのことでご連絡を頂きました。

お家にお伺いさせて頂くと、ウニちゃんはかまくらの中で丸くなっていたので、まずは挨拶だけしてお話をお伺いさせて頂きました。3日前ぐらいから急に元気食欲が無くなったとのことで、それまではすごく元気に過ごしていたそうです。5年前に動物病院に行ったときは、甲状腺の疾患が疑われたそうなのですが、特に検査で異常がなく治療せずに過ごしていたところ気付けば体型も安定してきたので、動物病院に連れて行くのが大変な性格であったこともあり、一旦様子見としたとのことでした。その後は特に何もなく元気に過ごしていたそうなのですが、3日前ぐらいから急にご飯を食べなくなってかまくらから出てこなくなってしまったそうです。

身体検査では激しい脱水が認められ、体型も削痩していました。また、わずかに皮膚が黄色くなっていて、黄疸の所見も認められました。食べても太らない、という経歴があったので甲状腺の疾患も疑われましたが、まずは血液検査で全身状態を見て、治療方針を決めていく必要があるので、血液検査をご提案させて頂きました。ペット往診では、ご自宅で動物看護師がタオルなどで愛猫・愛犬を覆うようにして確保し、安心して採血を行うことが出来ます。状況に応じて、チュールやおやつなどをあげながら行うこともありますので、その場合には飼い主様にあやしてもらっています。

 

通常のちょっとした下痢や嘔吐、若齢の犬猫での体調不良であれば内服薬でまず様子を見てみる、ということもありますが、今回のウニちゃんのように高齢で激しい脱水が認められる場合には内服薬で、というわけにはいかず、まず何が原因で体調が落ちてしまっているのかを見る必要があります。

ウニちゃんには少し頑張ってもらい、採血を行って、この日は脱水があって食欲も落ちてしまっていたことから、吐き気止めや胃薬が入っている皮下点滴も行いました。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、獣医師と動物看護師が一緒にご自宅まで訪問し、動物看護師による保定のもと、往診獣医師が検査・治療を行います。そのため、飼い主様の負担は特別なく、検査・処置が終了するまでの間は近く、または別の部屋で待機してもらえます。

 

治療後ウニちゃんをかまくらに戻してあげると、再び丸まっていましたが、しっぽがかなり膨らんでいたのでおそらく少し不機嫌なようでしたが、すぐに隠れることができたので落ち着いていました。

この日はそれで診察終了としましたが、全く食べられておらず脱水も進んでいたのでまずは皮下点滴が数日間必要になるだろうということで、予定を組ませて頂きました。

血液検査の結果は心臓、肝臓、腎臓、甲状腺、炎症反応、すべての数値が上昇しており、甲状腺機能亢進症、慢性腎臓病の急性悪化が疑われました。炎症反応の数値は、甲状腺機能亢進症や慢性腎臓病でも数値の上昇が認められることがあるため、肝臓などで炎症が起こっているのか、あるいは慢性疾患によって上昇しているのかはこの時点で判断はつきませんでしたが、まずは脱水を補正して食欲の回復を期待し、甲状腺の疾患も内服が可能になれば行っていくこととなりました。

ここで、甲状腺機能亢進症について少し触れていこうと思います。

そもそも甲状腺って何をしている臓器なの?という方も多いかと思います。

甲状腺とは、身体の代謝をつかさどっている臓器で、脳からの刺激を受けて、甲状腺からホルモンが出されます。それが甲状腺ホルモンです。甲状腺ホルモンは血液にのって体のいろいろなところに作用して、活動を行わせる役割をしています。

甲状腺ホルモンが十分に出ると、今度は、もう甲状腺ホルモンは出さなくて良い、という指令が脳に行って、脳からの刺激がストップします。このようにして、体内の甲状腺ホルモンの濃度は調節されているのですが、甲状腺機能亢進症では甲状腺が過形成などで大きくなってしまい、脳からの刺激が無くとも、甲状腺ホルモンが出続けてしまう疾患です。そして甲状腺ホルモンは代謝を調節しているので、甲状腺ホルモンが増えると代謝がすごく上がってしまいます。

一見、代謝が上がるのだから良いのでは?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、身体にとってはとても負担がかかります。

心臓では、心拍数が上がり、血圧も上がるので、かなりの負荷がかかります。また、消化管の動きも活発になるので、嘔吐や下痢が出ることもあります。そして嘔吐が出てくると気持ち悪くて食べなくなってしまう場合があったり、逆に嘔吐がない猫ちゃんでは、代謝が上がって食欲がすごく出てくる猫ちゃんもいます。もちろん活動性も上がるので、本当に一見元気に見えてしまうのですが、実は体の中では、すべての臓器が頑張りすぎている、という状態です。

また、血流が上がるので、腎臓にとっては有益で、どんどん血液がくるので、おしっこをどんどん作って老廃物を排出していきます。そのため、多尿になっていきます。

 

ではどうやって治療するのでしょうか?

 

治療法は、甲状腺ホルモンを減らす内服薬を飲ませることで治療していきます。

そうすると、代謝が元の状態に戻るので、全身の負担を減らすことができますが、腎臓にとっては血流が減ってしまうので、今まで隠されていた腎臓病が出てきてしまうことがあります。なので、甲状腺を治療する際は腎臓の数値にも必ず気を付けなければなりません。

 

このように甲状腺疾患は、ご家族からすると良い兆候に見えてしまうのですが、高齢でいつも寝ていた猫ちゃんが、よく動くようになったり、よく食べるようになったときは注意が必要です。

 

ウニちゃんも例外ではなく、甲状腺によって、おそらくそれまで元気に見えていたのだと考えられました。しかし、腎臓病によって脱水が進み、体調が悪くなって食べなくなり、それによってさらに脱水が進んで、腎臓病がより悪化してしまった可能性が高いです。

ウニちゃんは点滴を1週間続けてようやく少し食べれるようにはなってきたので、これから甲状腺の内服をご家族様に頑張ってもらう予定をしています。

ウニちゃんのように急に体調が悪くなったように見えても、実は慢性疾患を抱えていて、症状が急に現れるということも珍しくありません。

特に猫ちゃんの場合、本能的に体調不良を隠してしまうことも多いので、少しでも様子の変化があれば、早めに往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡下さい。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、動物病院が苦手な猫ちゃんでもお家で診察させて頂きますので、処置が終わればすぐにお家の隠れる場所に戻ることが出来ます。

動物病院にずっと行けていない、という方でもお気軽にお電話ください。

 

 

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

ここ2週間で、東京中央区勝どき8症例(24回往診)、東京中央区築地4症例(8回往診)、東京中央区晴海4症例(24回往診)と、ほとんどが東京中央区に集中していました。

東京都内における往診専門動物病院の数は日々増えています。しかし、まだまだ犬猫の飼っているご家族様への往診専門動物病院の存在は周知されていません。

 

ペットを飼っている方同士のコミュニティやご友人同士での会話の中で、往診専門動物病院があることを教えてあげてください!

そして、病末期や酸素室管理状態のペット、そして動物病院に通院できないことで諦めていたと言うご家族様が少しでも減り、最後にできることのご提案が少しでも早くお届けできるような社会が来ることを期待しています。

 

さて今回は、食欲が安定しない猫ちゃんのお話です。

猫ちゃんの飼い主様であれば、多くの方が猫ちゃんは腎不全になりやすい、というのを聞いたことがある方が多いかと思います。

そんな慢性腎不全の猫ちゃんの頑張りとご家族様の頑張りをお話しさせて頂こうと思います。

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食欲不振でぐったり(慢性腎不全/心筋症/高齢猫/東京中央区)

東京中央区在住の18歳の高齢猫さんのさくらちゃんです。

さくらちゃんとの出会いは、3ヶ月ほど前の夜にかかってきた電話でした。最近調子が良くないとのことでしたが、夜になってやはり全く食べずにぐったりしているとのお電話で訪問することとなりました。

ご自宅に訪問すると、普段はご家族様も抱っこが出来ないほど敏感なさくらちゃんですが、この日は飼い主様が撫でても全く怒らず、かなり苦しそうな様子でした。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、完全予約制でのペットも飼い主様も安心ができるご自宅というプライベート空間で診察を行えるため、十分な時間を取り、詳しくお話をお伺いすることができます。

お伺いすると、調子が悪くなってきたのは数日前からとのことでしたが、それ以前から何となくいつもと様子が違うかな?という様子で、ここ数年は何となく運動量が減っていたり、おしっこが多飼ったりと感じられていたそうです。

 

このお話から、まず心臓病と腎臓病が疑われましたが、他の疾患でもこのような様子になることもあるので、本日は血液検査が必要になると思われ、ご家族様とご相談したところ、実施することとなりました。

往診では獣医師と動物看護師が一緒に訪問しますので、ご家族様もペットのワンちゃん・猫ちゃんも安心して診察を受けることができます。

いつもは全く触れないさくらちゃんですが、その日はタオルで包んであげると、身体検査は怒ることなく実施させてくれました。しかし、採血となると話は別のようで、採血をするために保定した途端すごく怒っていて、少しだけ、いつものさくらちゃんが垣間見えてご家族様もほんの少し安心されていました。

身体検査では顕著な脱水が見られ、口の粘膜の色がやや薄くなっていたことから貧血の所見もありました。

そのため、この日は皮下点滴を行い、そこに胃薬や吐き気止めといった対症療法のためのお薬を入れてました。皮下点滴は、タオルに包んで実施してあげるとすんなりと受け入れてくれて、ほとんど嫌がることなくさせてくれました。

在宅での皮下点滴は、家にあるものや設備、ドアだったりの建具を含めた環境を考慮して実施場所と実施方法を変えていきます。最初のうちは往診による獣医師と動物看護師で皮下点滴を行い、タイミングを見てご家族様に皮下点滴のやり方を指導させていただきます。ご家族様だけで皮下点滴をできるところまでご指導させていただきますので、皮下点滴に協力してくれる方が2人いれば、まずご自宅でできないことはありません。皮下点滴で一番重要なことは、ペット(犬・猫)をどうやって保定(押さえる)するかです。保定の方法は、保定のスペシャリストである動物看護師からご説明させていただきますので、ご安心ください。

 

この日は皮下点滴で治療終了とし、脱水がひどいので皮下点滴を数日間続けることとしました。

血液検査の結果は、腎臓の数値が高く、また、心臓の数値も高値を示しており、慢性腎臓病と心臓病が疑われました。

ここで、猫ちゃんに多い、心臓病と慢性腎臓病、ふたつの関係について少しお話していきます。

猫ちゃんに多い心臓病は肥大型心筋症といって、心臓の内側に向かって筋肉が大きくなり、心臓のお部屋が小さくなってしまう病気です。

心臓のお部屋が小さくなってしまうと、心臓に入る血液量が減ってしまい、1回の拍動で出て行く血液量が少なくなってしまうので、送り出す血液量を増やすために心臓は心拍数を増やして、部屋が小さくなってしまった分をカバーします。しかし、心臓にとっては負担がかかっているため、いつしか限界が来てしまうだけでなく、心拍数は上がりますが、一気に血液を送るための力が不足してしまうために心臓に残ってしまう血液も出てきて、それが固まってしまい血栓になってしまうこともあります。これが肥大型心筋症の合併症です。

 

ではどうやって治療すれば良いのでしょう?

 

根本的な治療法はありませんが、心臓への負荷を下げるために、強心薬や血管拡張剤、利尿剤を併用することで、1回の心拍で出せる血液量を増やし、利尿剤で体の体液量を減らすことで心臓への負担が減って、楽になります。また、血栓予防のお薬を使うこともあります。

しかし、この疾患は慢性腎臓病とも深く関係しています。

猫ちゃんの慢性腎臓病は、多くの場合は数年かけて少しずつ進行していき、症状が出てくるタイミングはその子によりますが、血液検査で腎臓の数値が上がってくると悪心や食欲不振が出てくることが多いです。慢性腎臓病は、少しずつ腎臓の毛細血管が減っていき、腎機能が落ちていく疾患で、脱水しやすくなってきます。そのため、腎臓にとっては、少ない血管でたくさんの血液をろ過して尿を作ろうとするので、身体の体液量は多い方が良いのです。

ここで、さくらちゃんのお話に戻りますと、さくらちゃんはかなり脱水しているので、できれば点滴をたくさん入れてあげたいところなのですが、心臓の数値が高い以上、点滴をし過ぎると心臓への負担が心配、という状況でした。

こういう時は点滴を少なくして、出来るだけ口からの水分摂取を増やしてもらいますが、さくらちゃんは数日間点滴を続けることで優位に回復してくれました。その後は点滴回数と注射を減らしていくために、お薬を飲んでもらうことにしましたが、飼い主様がこれなら食べてくれると思う、とチーズを出してきて下さり、チーズに包んでお薬をあげたところ難なくクリア出来ました!!!さすがペットの1番の看護師さんは飼い主さんですね。

そうして、3ヶ月ほど定期検診とお薬を続けて、安定していたのですが、最近数日で再び状態が落ちてしまい、ご飯を食べなくなってしまいました。

点滴にお伺いすると、やはりぐったりしていて前回同様点滴をスッとさせてくれるほどにしんどい状態でした。

しかし、点滴を3日間続けて行いましたが今回は状態が上がって来ず、腎臓、心臓の数値も前回よりかなり上がってしまっていることから、かなり厳しい状況というお話をさせて頂きました。

しかし、何かあっても救急病院に行くより、最期までお家の好きな場所で、さくらちゃんらしく過ごさせてあげたい、という飼い主様のご希望もあり、お家でゆっくり過ごしてもらうことにしました。その次の日にさくらちゃんは残念ながら息を引き取りました。いつものお家の、いつもの大好きだった場所で、家族に見守られながら迎えることができました。

 

ご家族様の涙には、最後まで最愛のさくらちゃんと向き合うことを決めた覚悟と、走り抜けたことに対する達成感を兼ね揃えていたように思いました。

 

さくらちゃんのご冥福、心からお祈り申し上げます。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ペットが最後の時間を家族と迎えられるよう 最大限寄り添った最良の往診獣医療を最後まで提供していくことを診療理念とし、日々診療と向き合っています。

緩和ケア、ターミナルケアをご自宅で、とお考えの方は一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。

 

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犬の咳(咳/心臓病/東京中央区)

こんにちは!

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診専門獣医師の江本宏平です。

寒さ増す中、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、スタッフ一同雨にも風邪にも負けず、日々動物病院に通院できない犬猫の元へ、獣医師と動物看護師でご訪問して獣医療を提供しています。

現在は、メインとして東京中央区のオフィスから犬猫のご自宅へご訪問していますが、診察時間のスケジューリングには、前後の診察場所や診察内容が重要ですので、往診専門動物病院をご利用予定の場合には、候補となる往診予約希望日および時間帯を複数枠ご準備しておくと、おそらくその中や付近で調整可能かと思われます。

留守番電話にメッセージを残される場合には、ご住所を一緒にお伝えいただくと、大まかな往診可能枠を想定しながら折り返しでご連絡ができます。

高齢ペット、通院が難しい犬猫など、状態が悪化および急変する前に、まずは往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。ご自宅に安心の獣医療をお届けします。

 

今回は、心臓病のわんちゃんのお話です。

わんちゃんの心臓病というと、有名なのが僧帽弁閉鎖不全症という病気が有名ですが、他にも三尖弁閉鎖不全症、拡張型心筋症などなどたくさんあります。

その中でも今回はもっとも有名な僧帽弁閉鎖不全症のわんちゃんのお話をさせて頂きます!

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耳の臭いと咳(犬/心臓病/僧帽弁閉鎖不全症/東京中央区)

紹介するのは、東京中央区在住のポメラニアン×マルチーズの9歳のメンちゃんです。メンちゃんは普段はすごく元気でトリミングのために、病院に併設しているトリミングに行って少し検診をしてもらう程度で病気という病気はしたことありませんでした。ところが、最近外に出ると興奮し過ぎで咳が出てしまい、外に連れ出すのがかわいそうになってきたが、耳が痒そうで見ていられない、とのことで、往診専門動物病院わんにゃん保健室までペット往診のご依頼をされました。

お家に訪問すると、メンちゃんは部屋の隅で寝ていたので、まずはお話を聞かせて頂きました。耳はここ1週間ぐらいですごく痒みが増し、黄色の耳垢が出てきているそうなのですが、触ると痛いのか嫌がって綺麗にしようとしても、触れない、とのことでした。また、元気食欲は問題がないとのことでしたので、一般状態は良好なようでした。

それではいよいよ、メンちゃんに起きてもらい、身体検査を始めていきます。メンちゃんは起きた途端すごくテンションが上がってガアガアと咳き込んでしまいました。咳の仕方からするとおそらく気管虚脱が考えられました。次に全身の身体検査です。聴診では、呼吸の音は問題ありませんでしたが、心臓では6段階中4番目の雑音が聞こえました。また、もっとも嫌がる耳は、かろうじて触ることは出来ましたが、真っ赤に腫れてしまっていて、黄色のドロっとした耳垢が出ていましたので、それを採取し、検査用としました。

身体検査で、メンちゃんは心臓病があること、気管虚脱の疑い、外耳炎あるいは中耳炎が疑われました。

そこで、心臓病がどの程度進行しているのかを見るために、また、心臓は全身に血液を送る大切な臓器なのでほかの臓器とも密接に関わっています。そのため、他の臓器にも問題がないかどうかチェックするために、全身の血液検査を行うかどうかをご提案したところ、しばらく血液検査はやっていないので、とのことでご同意が得られたので、血液検査を行いました。

余談になりますが、わんちゃんの高齢期またはシニア期はいつからかご存知でしょうか?

参考とする教科書やデータによって変わってきますが、小型犬で言うならば6歳を超えるとシニアと言われているので、できれば元気そうに見えても6歳を超えると年に1回の健康診断をお勧めします。ちなみに、当院では、体調に異変が生じた場合に、それは高齢期のサインであると、ペットの飼い主様には伝えています。

 

健康診断上、異常所見が見つからなければ安心ですし、問題があればそれを早期から追いかけることで、疾患悪化の予防にもなるので、もしお外に出られない場合でも往診専門動物病院わんにゃん保健室ではお家にご訪問して動物看護師による保定のもと、採血や超音波検査をさせて頂くことができるので、一度ご相談下さい。

 

メンちゃんのお話に戻りますが、耳に関しては、今の腫れている状態では洗浄をするにも痛くておそらく出来ないと考えられましたので、まずは耳の炎症を抑えることを目的にステロイド剤と抗生物質の内服をお渡しして、1週間後の再診としました。

外耳炎は本来、洗浄して綺麗に洗い流すことが1番の治療ですが、今回のように痛みが強すぎる場合は洗うことの負担が大きすぎるため、まずは内服で炎症を抑えてから洗浄+点耳薬を行なっていきます。

ということで、メンちゃんは今回の往診では採血のみを頑張ってもらいました。抱っこして保定するとすごく大人しくなってくれて、採血もすごくスムーズに終わることが出来ました。

メンちゃんは何でも食べてくれるので、その場で内服薬をご飯に混ぜてあげてもらいましたが、ぺろっと完食してくれました。

また、心臓の雑音がかなり大きく聞こえていたので、心臓のお薬をお渡ししました。本来であれば、レントゲン検査や超音波検査を行い、心臓の大きさを評価してお薬を増やしたり、といったことをしていきますが、メンちゃんはお外に出ると興奮で咳が止まらないほどになってしまうことから、動物病院に連れて行くことは難しいと飼い主様とご相談の上で、お薬を使って行くことになりました。

耳のお話はまた別のブログにてお話させて頂こうと思いますので、今回はメンちゃんで偶然見つかった心臓病のお話を少しさせて頂こうと思います。

心臓は4つの部屋に分かれていて、左心房、左心室、右心房、右心室とあります。そのうち左心房と左心室の間にある「僧帽弁」という弁の病気が、わんちゃん、とくに小型犬で最もよく見られます。最も多いのが、冒頭でも少し挟みましたが、僧帽弁閉鎖不全症という疾患で、この僧帽弁に何らかの原因で異常が生じてしまい、完全に閉まらなくなってしまって、心臓の中で血液の逆流が起こってしまう病気です。ひどくなると、肺に水がたまってしまう肺水腫、という状態になってしまったり、右の心臓にも負担がかかってしまい腹水が溜まってしまったり、という状態になってしまうこともあります。

 

腹水が溜まってもすぐには致命的にはなりませんが、肺に水が溜まってしまうと、呼吸が出来ないので、すぐに致命的な結果になってしまいます。そうならないように、心臓病は早期発見早期治療が大切となってきます。もちろん、適切な治療をしていれば、みんながみんな肺水腫になるとは限りませんが、やはり肺水腫になってしまう犬猫も少なくありません。

では早期発見するためにどういった症状に注意すれば良いのでしょう?

例えば、今まで玄関までお出迎えしてくれていたのにしてくれなくなった、散歩中に疲れてしまい散歩の距離が短くなった、咳をするようになった、など最初は疲れやすさや咳が出るようになった、などという変化を見て頂くのが大切だと思います。

では早期発見したら、どういった治療ができるのでしょう?

まずはメンちゃんにも飲んでもらっていた心臓の薬を始めていきます。例えば、そのお薬を始めるだけで疲れにくくなる、というペットも多くいます。それだけではなかなか症状の改善が見られない場合には別の心臓の薬の併用や、腎臓に負担がかかってしまいますが利尿薬を使用していきます。また肺水腫になってしまった場合も積極的に利尿薬を使って、体の水分をおしっことして出していきます。

あるいは、もっと積極的にいくのであれば外科手術をすることもできます。ただ、手術をするには麻酔のリスクもあり、簡単な手術ではないので、この場合はその子の状態との相談になってきます。

 

このように心臓病は早期発見することで、うまくコントロールできることも多いので、定期的な健診をお勧めします。

 

今回のメンちゃんは、心臓の数値に高値を認めましたが、それ以外は特に大きな異常はなく、心臓と耳の治療を現在も行なっています。

メンちゃんの場合は強心薬を始めて1週間ほどで、明らかに疲れにくくなって元気なったとのことでしたので、メンちゃんのようにお外に出られない場合でも、お家で出来ることはたくさんあります。

健診もできない、と諦めずに、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談下さい。

 

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