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2022年10月アーカイブ

犬猫にも糖尿病があるのをご存知でしょうか?

 

わんちゃん、猫ちゃんたちにも私たち人間と同様、糖尿病が存在します。

 

糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があり、犬は1型、猫と人は2型が多いとされています。

(※詳しい病態や座学的な箇所は、web上でたくさん情報が落ちているため割愛します。)

 

本ブログでは、糖尿病を発症した猫ちゃんが、早期発見早期治療によってインスリン投与生活から離脱できたため、症例報告として書かせていただこうと思います。

 

猫ちゃんが糖尿病を発症すると、以下のような症状が現れます。

 

☑️飲水量が増える(多飲)

☑️尿量が増える(多尿)

☑️食欲不振

☑️元気消失

☑️嘔吐

☑️毛艶が悪くなる

☑️削痩(痩せてきた)

☑️尿の臭いがなんか変

 

ご自宅にいる猫ちゃんで、あれ?なんか変だな?と思う箇所が上記に当てはまるのであれば、かかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。

もし通院が難しく、かかりつけの動物病院がない場合には、往診専門動物病院まで相談し、指示を仰ぐようにしましょう。

 

 

糖尿病を発症した経緯

今回の猫ちゃんは、特発性膀胱炎を持病としていました。

 

猫ちゃんの膀胱炎というと、結石性膀胱炎細菌性膀胱炎、そして原因不明の特発性膀胱炎に分類されます。

 

特発性というのは調べたけど原因不明である、という意味です。

 

この場合は、ストレス性を疑うものの、原因は特定されませんので、対症療法のみを行って症状のコントロールを行っていきます。

 

この猫ちゃんは特発性膀胱炎を繰り返しており、処置すると症状が治るため、毎回同じ処置を繰り返していました。

 

本来は1日1回〜2回の内服薬でコントロールするのが一番いいのですが、とはいえ内服が苦手な猫ちゃんに対して毎日投薬することはとても難しく、ストレスがどんどん蓄積されてしまい、もしこの特発性膀胱炎の原因がストレスであればもっと悪化していく可能性も疑われました。

 

そのため、膀胱炎の症状が認められる度に、2週間の効果を期待できる注射薬を使用して、毎日処置するストレスをなくすことで調子を保てていました。

 

そんな中で、2022年1月末に異変が起き、糖尿病を発症していることが発覚しました。

 

糖尿病に気づくきっかけ

2022年1月末の定期検診の時に、「そういえば最近尿がベタつく」という主訴を受け、まさかと思い検査をしたところ、糖尿病を発症していることが発覚しました。

 

尿検査でケトンが検出されなかった(陰性)ことが救いです。

 

〜余談〜

糖尿病であれば、そのコントロールをどうするかについて経時的な変化を見つつ相談していく猶予がありますが、もしケトンが検出された場合には糖尿病性ケトアシドーシスを発症していることを疑い、致命的な結末も想定した入院管理が必須となり、24時間の集中治療を行います。

その場合には、できれば24時間管理ができるだけの規模の動物病院に入院させるのがおすすめですが、もし難しい場合に、夜間はケージで一人になることを受け入れなければいけません。

なお、在宅で管理できますか?、と質問を受けることがありますが、入院治療と比べて細かく1日に何度も検査ができないことから、コントロールが十分にできず、致命率は大幅に上がってしまうことを懸念し、もし回復を望むのであれば入院を推奨します。

なお、もうぐったりしていて、動物病院の中で1人旅立つのは絶対に嫌だとされる場合には、そのまま在宅で看取りを見据えた緩和ケアおよびターミナルケアに移行することもありました。

 

データが揃うのを待ち、2022年2月3日から、インスリン治療を開始しました。

 

血糖値の変化を知る方法

ここで、血糖値の変化について在宅医療ではどのように把握していくのかについて書かせていただきます。

 

皆さんは「Free Style Libre」をご存知でしょうか?皮膚に装着させることで、長期にわたって血糖値の変化をアプリで見ることができる優れものです。

 

人の医療では多用されているもので、ここ数年で動物医療にも使用されてきています。

 

img-index-01.jpg

 

装着させながら血糖値の変化を把握しつつ、尿検査も実施していただき、尿糖の状態、ケトン検出の有無を評価していただきました。

 

糖尿病のコントロールを把握するための表を作成し、ご家族様に測定していただいたものを毎日共有していただき、データの変化によってインスリン投与量を変化させてコントロールしていきました。

 

〜余談〜

Free Style Libreは、体表に装着させるため、設置面がそこまでルーズではなく、かつ設置面の広さを担保できる個体には有用かもしれませんが、結果としては参考値程度で3回の装着の後に、使用しなくなりました。

1回目は6日間程度データを取ることができ、2回目、3回目は4日程度で、商品に記載のある14日間有効というのは、「人の場合であり、ペットでは個体差あり」と認識させられました。

とはいえ、通常の動物病院で行うインスリン投与量決定前の日内入院による血糖効果曲線作成のための複数回の採血よりも、ストレスのない在宅中での正常時血糖を測定する方が有用であると考えているため、今後も初期検査方法の一つとして使用していこうと考えています。

 

基本プラン設定から離脱まで

 

基本的なプランは以下です。

 

☑️毎日の給餌時間と食事量(%)を主観で記載してもらう

☑️毎日のインスリン投与時間と投与量を記載してもらう

☑️トイレに溜まった尿で朝と夜に尿検査を実施してもらう

☑️毎日データを共有してもらう

☑️2週間に1回の往診で血液検査スクリーニング+長期血糖測定を実施する

 

基本的なプランと書きましたが、このプランもご家族様と相談し、何ができて何ができないかを明確にすることから、プラン決定に入ります。無理のない範囲で、かつちょっとだけ頑張ってもらうくらいがちょうどいいかと、個人的には考えています。

 

この方法で、インスリン投与量を徐々に増加させて4Uまで増加し、0.5Uずつ1週間〜2週間程度かけて下げていきました。

2022年2月3日から開始したインスリン療法は、ご家族様と猫ちゃんの協力により、2022年7月12日に完全離脱を成功し、今では食事療法のみでコントロールできています。

 

まとめ

猫ちゃんの糖尿病は、早期発見、早期治療でインスリン生活から離脱できるかもしれません。

もしすでに糖尿病が進行していて、ケトン尿が出てしまっている場合には、どうしても入院させたくない場合を除いて、治療を望むのであれば、可能な限り入院での集中管理を選ぶべきです。

とはいえ、もし糖尿病のサイン(多飲、多尿、尿の臭いの変化など)を感じた場合に、通院が苦手なわんちゃん・猫ちゃんであれば、早めに往診専門動物病院まで相談するようにしましょう。

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猫ちゃんの乳腺腫瘍は、わんちゃんの乳腺腫瘍と比べて悪性率が高いです。

 

猫ちゃんの乳腺腫瘍が発見されたら、通院ができる猫ちゃんであればすぐに動物病院へ通院し、可能であれば2次医療施設へかかりつけ獣医師から紹介していただき、CT検査+手術、そして抗がん剤治療へシフトすることが多いように感じます。

 

ただ、通院できない猫ちゃんや、すでに末期の状態の猫ちゃんであれば、治療プランというよりは、看取りを見据えたターミナルケアを検討していきます。

 

ターミナルケアとは、緩和ケアの最終段階であり、どこまで何をしてあげたいのか、実際問題として何がしてあげられるのかなどを明確にして、最後の日まで一緒に歩んでいきます。

 

今回ご紹介するのは、乳腺腫瘍を抱えた12歳の猫ちゃんです。

 

乳腺腫瘍は、避妊手術をしていても発症することがある疾患です。

 

毎日のスキンシップで乳腺領域(脇から足の付け根まで)にしこりがあるのを感じた場合には、迅速に獣医師に相談するようにしましょう。

 

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症例:乳腺腫瘍末期で肺転移を発症した猫ちゃん(東京荒川区)

往診依頼のきっかけ

5年ほど前に、お胸のあたりにしこりがあるのを感じて、近所にある動物病院に通院させたところ、乳腺腫瘍の可能性があるとされて所属リンパ節までの切除を行ったとのことでした。

しかし、6ヶ月ほど前にまたしこりがあるのを感じ、通院させたところ、すでに肺転移していることがわかり、かかりつけの動物病院ではこれ以上治療方法はないとされ、また、家での看取りを見据えた在宅医療を勧められ、当院を紹介されたとのことでした。

 

 

往診当日の様子

紹介元の動物病院からいただいた血液検査結果では特別異常な値は認めませんでした。

X線検査データもCD-ROMでいただくことができ、肺転移も確認できました。

呼吸状態はやや促迫気味であり、元気食欲も通常時の半分くらいとのことでしたが、まだご家族様の中でどうしていくべきなのかを判断しかねている様子でした。

猫ちゃん自身はとても怖がりだと伺っていたのですが、不思議と私たちのことは受け入れてくれたのか、状況を把握している間、終始出てきてスリスリして鼻を鳴らしてくれていました。

 

愛犬、愛猫ともうすぐお別れが来るということを受け入れるには、時間が短すぎるのが常です。

治る病気であればまだしも、もしがん(腫瘍)と考えられた場合には、その事実を理解し、どうすればいいのかを決めていくには、時間もなければ、精神的な余裕もないかと思われます。

一人で悩まずに、必ず専門家に相談しましょう。

通院+入院で最後まで頑張っていくか、もっと体調が下がってから在宅医療に切り替えるか、もう早い段階で在宅医療に切り替えてあげるか、などの選択から、ご家族様の意思にもっとも近いものをご選択していただくのがいいと思われます。

 

猫ちゃんの性格

内服薬は苦手で、子猫のときからちゅ〜るやピルポケットみたいなのを使用しても絶対飲んでくれなかったとのこと。

選り好みがある性格で、ウェットフードを食べないで、ドライフードのみとのこと。

 

ドライフード派の投薬イヤイヤ猫ちゃんです。

よくあるパターンですが、もしどうしても投薬が難しい場合には、ターミナルケアでは毎日のことになるため、内服ではなく、全て注射薬として準備し、皮下点滴で投薬していきます。

皮下点滴のやり方は一緒にトレーニングさせていただきますので、この性格の猫ちゃんでは内服という選択肢はあってないようなものです。

泡を吹いて抵抗している猫ちゃんに対して毎日押さえて投薬するのは、猫ちゃんにとってだけでなく、ご家族様にとっても、あまりいい環境とは言えません。

このような場合には、最初から皮下点滴の練習を希望されるご家族様が多い印象です。

今回も、投薬が苦手であることから、皮下点滴という投薬方法を用いて、どこまでしてあげられるのかについて、お話を進めていきました。

 

 

各種検査

肺転移があるためどの部位の肺が拡張し辛い状況なのかを、右左の肺を合わせて24箇所ほど聴診することで把握していきます。

この段階においては、右肺と比較して左肺の方が拡張しづらいと判断できました。

血液検査は紹介元のデータが3日前のものだったため、そのまま参考資料とさせていただき、同日での採血はなしとしました。

超音波検査では腹水、胸水の貯留の有無を確認しましたが、両方とも貯留なしでしたので、呼吸を阻害する要因は肺腫瘍のみと考えられました。

 

870827.jpg

 

 

診療プラン

ここで最大のポイントとなるのは、ご家族様の考える最後の描き方についてです。

延命を望むのであれば救急飛び込める動物病院を調べておく必要がありますが、経験上、このステージのご家族様で救急に飛び込む方は現状ではいないようです。

元気だったペットが急におかしくなってしまった場合には、ほぼ全ご家族様が救急に飛び込み命が救われることを祈られると思いますが、ターミナルケアでは、命が繋がったとしてもまた苦しい日々が続くのであれば、もうこのまま旅立たせてあげたいと考えられる方が多いです。

とはいうものの、旅立つその日まではできる限り苦しくなく過ごさせてあげるために何ができるのかを一緒に考え、内服が難しいのであれば、全て注射薬で処方し、皮下点滴で投薬してあげれば、針刺も1度で済みます。

今回は、全て皮下点滴での投薬とし、医薬品の種類は6種類、頓服として発作止めを1種類処方していきました。

 

そして、頓服薬の準備です。

頓服薬には、目的や手段によって様々なものがありますが、今回は疼痛に対する頓服と、発作に対する頓服です。

今回の疼痛に対する頓服薬は、皮下点滴で使用している医薬品と同じものを準備しました。状態に応じて、追加投与するためです。

しかし、この痛み止めにも上限値があり、一定の量を超えると効果がそれ以上は見込めないものとなっています。

まずは中間くらいの処置用量で使用していただき、それでも痛みが強い場合には、用量の増加を目的として追加していただくようになっています。

 

次が発作止めです。

乳腺腫瘍の病態では、発作は起きづらいと考えています。

しかし、乳腺腫瘍が起因して、別の病気を発症してしまった際に、その病気がトリガーとなって発作がでる可能性もあります。

もし通院ができる猫ちゃんであれば、救急で通院させて発作止めしの処置をしてもらえますが、すでに在宅での見取りを視野に入れた場合には、無理に連れて行くのではなく、できる限り家の中で、かつご家族様だけで完結させることが望まれています。

そのため、使用するかどうかは未確定であったとしても、今後起こりうる可能性と対処できる方法があるのであれば、事前に準備しておくことが先決です。

 

最後に酸素環境の準備です。

酸素室の手配もご自宅でおこなっていきます。

酸素室と言っても、そんなに大掛かりなことではなく、家の中に簡易の酸素発生装置+酸素ボンベ、簡易酸素室(ビニール製)を準備するだけです。

費用はかかってしまうのですが、医薬品の準備と同じかそれ以上に求められるのが、この病気では酸素環境です。

実際のところ、悲しいのですが、最初のうち、もしくは重篤な呼吸悪化までは酸素室に基本的に入りません。

この猫ちゃんもまた、入ってくれませんでした。。。

とはいうものの、酸素室から酸素を垂れ流しにしておき、自由に出入りできるようにしてあげておくことが大切ですので、チャックは全部閉めないで置いておいてあげましょう。

ちなみに、準備から1ヶ月ほどで徐々に入るようになり、2ヶ月が経つと、苦しいその中に寝ていることが多くなりました。

酸素室だと呼吸が楽なので、熟睡できるようです。

 

現在も1日1回の皮下点滴注射薬、頓服薬の準備、酸素室設置の3つで、食欲は通常時の半分以下になってはいますが、マイペースに過ごせています。

 

現在は、2週間に1回の往診で、超音波検査にて胸水と腹水貯留のみをモニタリングしています。

 

もし貯留した場合には、難しいながらも医薬品を使用して胸水を散らしていくか、沈静をかけながら針を刺して胸水抜去していくかを検討中です。

 

このように、ターミナルケアにはその子の病気と病態、状態だけでなく、ご家族様が何をどこまでしてあげたいかなど、細かなことにおいても明確な方針を決めていかなければいけません。

 

時間はかかりますが、ゆっくりと時間をとることで、本当に実現したい最後の形を伺い、できる限りその意思に沿えるようなプランをご提案させていただきます。

 

もしご自宅での看取りを視野に入れた緩和ケアやターミナルケアをご希望されるご家族様は、愛犬、愛猫の状態が悪化する前に、お早めにご連絡ください。

 

通常であれば、ご連絡をいただいてから2〜3日で診療予約を組めるかと思われますので、できる限りお早めにご連絡ください。

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腎不全(ここでは腎臓病の全てを“腎不全”と記載します)を抱えると、多飲多尿という飲水量の増加やおしっこの量が増えたというもの、食欲不振などの他にも、ふらつきのような、歩きづらいような、という運動器症状を示します。

 

なんとなく後肢がうまく支えていないというか、後ろ足が突っ張ったままで竹馬のような歩き方をしているとか、立っているだけで後ろ足が開いてしまうなど、その症状はバラバラです。

 

今回ご紹介するのは、後肢破行(後ろ足をひきづる)を主訴に診察した高齢猫ちゃんです。血液検査結果で腎不全(腎臓病)が発覚し、投薬生活を続け、今も元気食欲満載でソファーに飛び乗る元気を持ち合わせた、タロウくんのお話です。

 

吉田タロウくん①.jpg

 

往診依頼のきっかけ

往診を依頼するきっかけになった症状は、5年前くらいから続く口を気にする様子と、3年前からの左後肢破行とその進行です。

口に関しては、最初は壁に擦り付ける程度だったが、だんだんと手で口元をかいてしまい、激しい時には手に膿のような時もあるとのことでした。

左後肢破行は3年くらい前からでしたが、最近はフローリングだと踏ん張れなくて、足が開いてしまうとのことでした。

 

往診当日の様子

元気食欲は大きく下がっているわけではなく、年相応に寝ている時間は多いが、いまだにソファーに飛び乗っているとのことでした。

便はやや硬めで、頻度も2日に1回程度。尿に関しては、ベランダとお部屋の中にトイレのがあり、紙タイプのトイレを使用しているため色はわからないが、特段尿量が増えた印象はないとのことでした。

お水も飲んではいるが、こちらも特段多くなっている印象はないとのことでした。

嘔吐もなく、呼吸状態も安定しており、飲水時にむせることはあるが、基本的には咳はしないとのことでした。

 

既往歴

18年ほど前(2004年頃)にトイレに行くが出ないという症状があって通院させたところ、尿石症と診断されたとのこと。

 

これらの状況を踏まえ、血液検査と超音波検査を実施したました。

 

吉田タロウくん②.jpg

 

検査が始まると、太い大きな声で「ギャーッ!!」と物申し続け、これだけ声が出せる姿を見て、安心して検査を行えました。

高齢犬、高齢猫のほとんどが関節になんらかの疾患を持っていることが多いため、あまり関節を伸ばさないよう注意しながら保定しました。

 

「よく簡単に押さえられますね!私には無理でした…。」

とお声かけいただくのですが、保定技術は何年もかけて習得していくものですので、ご家族様ができなくても気になさらないでください。また、高齢の猫ちゃんでは心臓や血圧、肺の状態などにも異常がある可能性もあり、極力酸素化させながら、苦しくないように検査をするようにしています。

 

タロウちゃんの診察雰囲気は、当院公式instagramに動画投稿してありますので、是非見てみてください^^

 

血液検査結果では、BUN 59.5mg/dl、CRE 4.01mg/dl、SDM A 17pmol/L、SpecfPL 9.1μg/Lと検出され、慢性膵炎持ちであることと、腎不全があることが発覚しました。

 

超音波検査では、胃から十二指腸にかけての食滞、膀胱内の浮遊物、胆嚢の1/3程度を占める胆泥貯留、左右腎臓の血流低下と左腎の腎嚢胞を検出しました。

 

これらの検査結果から、複数の治療プランをご提案させていただき、いよいよ処方プランのスタートです。

 

ここで最大のポイントとなるのは、タロウくんが“何なら飲んでくれるのか”です。

 

往診では、飲めなかったらまたご連絡ください、などと悠長なことは言っていられず、これが飲めなければこっちを飲んでください。そしてこれがダメならこっちを…というように、たらればをいくつも想定して行かなければいけません。

 

そんなこんなを乗り越え、現在は腎臓の薬を2種類、便通を良くしてあげる薬を1種類、口の痛みに対する頓服薬を1種類とさせていただいています。

 

次回は6週間後に往診でお伺いし、経過観察と定期検査を実施していきます。

 

また頑張ろうね!

 

吉田タロウくん③.jpg

 

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