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2023年8月アーカイブ

犬猫の終末期ケアは、通院で行うのか、往診(在宅医療、訪問医療)で行うかの2つがあります。

 

終末期ケアは、動物病院ごと、もっと言えば、担当する獣医師ごとで違ってくることが予想されるほど、まだまだ確立されておりません。

 

私たち、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、犬猫の在宅における終末期ケアを確立させるため、ペットの在宅終末期ケアに特化した訪問診療を行っています。

 

この子たちが、一番安心できる環境で、大好きなご家族様と一緒に最後の時間を過ごし、その腕の中で眠りにつくその日まで、私たちが全力でサポートしていきます。

 

今回は前回に引き続き、急に立てなくなってしまった大型犬の蛍ちゃんです。

2023年5月28日の初診でエコー検査にて肝臓がんを認め、2023年6月25日にご家族様のもとで、鳴き声をあげることなく、静かな眠りにつきました。

 

【再診2日目(2023年5月29日)】

状態は上がってきて、昨日はできなかったヘッドアップを見せてくれ、ご飯も食べられ、お水も十分に飲めているとのことでした。

 

この調子であれば、内服薬への切り替えを視野に入れられると考えられるくらい、状態改善を見せてくれたことがとても嬉しかったです。

 

この日も昨日に引き続き、皮下点滴による処置を実施しました。

 

 

【再診3日目(2023年5月30日)】

調子も上がってきたこともあり、この日に毛刈りを実施しました。

 

ペットの緩和ケア及び終末期ケアでは、日常の介護がどうしても切り離せません。

今後予想される介護トラブルは、事前に対策を練っておくことで、いざその時を迎えた時にスムーズに対処できる準備をしておくことが肝心です。

 

なお、調子も上がってきていることと、食欲もだいぶ戻ってきてくれたこともあり、内服薬処方に挑戦することとしました。

 

また、便が3日間出ていないということがあったので、排便を促すシロップを処方しました。

 

本日も皮下点滴での処置を行い、明日の診察前に内服に挑戦していただき、飲めたかどうかによって注射薬プランで行くか、内服薬プランで行くかを決めることとしました。

 

 

【再診4日目(2023年5月31日)】

立ち上がりました!

 

初めて蛍ちゃんが立ち上がっている姿を見ることができました。

 

わんにゃん保健室スタッフ一同、飛び上がるように嬉しかったです。

 

この日から内服薬プランに切り替え、まずは3日後に再診を組んでいき、そこで再度検査を実施してモニタリングしていくこととしました。

蛍ちゃん③.png

 

 

【再診8日目(2023年6月4日)】

立ち上がれたのは前回の診察の時だけであり、以降立ち上がれないとの事でした。

 

ただ食欲はあり、たくさんのお薬でしたが、蛍ちゃんは魚肉ソーセージが大好きなため、その中に隠すことで飲ませられているとの事でした^^

 

 

【再診14日目(2023年6月10日)】

もともとお尻のあたりや後肢を触られるのを嫌がる性格ではありましたが、その嫌がり具合が上がってきてしまい、お尻のあたりを触ると怒るようになってしまったとの事でした。

 

介護が必要なステージになると、排泄物による汚れの付着をいかにして取り除いてあげるか、いかにして付着し辛くするか、そして、いかにしてシンプルかつ簡略化するか、がとても重要になってきます。

 

小型犬や猫ちゃんなど、比較的触ったり持ち上げたりすることが容易なサイズの子たちならまだしも、怒りやすい子や、体重が大きい大型犬となると、その対策はとても重要となってきます。

 

蛍ちゃんは大型犬のため、移動させるにはお腹の下にタオルを入れるなどして持ち上げる取っ掛かりを作ってあげなければいけないため、その取っ掛かりをつけるためにお尻や後肢を持ち上げます。

 

この行為が蛍ちゃんは苦手なため、その対策を練っていましたが、もしかしたら関節や神経に痛みがあるのかもしれないと考え、痛み止めでどこまで抑え込めるかを評価することとなりました。

 

 

【再診21日目(2023年6月17日)】

痛み止めが功を奏したようで、ハンドリングの時もそこまで嫌がらなくなったとの事でした。

 

介護が必要なステージでは、痛みに関して常に評価してあげることをお勧めします。

 

「どこを触ると嫌がるのか」

 

「どれくらい嫌がるのか」 など

 

痛みは生活の質を低下させる要因の一つです。

 

医薬品で緩和できるのであれば、体調に合わせた医薬品を使ってあげましょう。

 

また、疼痛緩和には投薬以外にも、もしかすると物理的な圧迫などによって生じる痛みであれば、介護によって緩和できるはずです。

 

大型犬の蛍ちゃんの介護はかなり難易度が高く、考えなければいけないことが多々ありましたが、ご家族様がみんなで力を合わせていただけたからこそ、さまざまな緩和プランを組むことができました。

 

 

【再診28日目(2023年6月24日)】

朝方に鳴いて呼ばれたので、痛いのかなと思って痛み止めを飲ませてあげたところ、1時間くらいで未消化物の嘔吐があったとの事でした。

 

急にガクッと下がったとの事から、もう内服薬を飲ませていくことが困難であると判断し、可能な限りを注射薬に切り替えました。

 

ペットの在宅終末期ケアでは、できる限りペットの負担を減らしてあげるため、どうしても内服薬でしか投与できないもの以外は、すべて注射薬切り替えを行ってあげたいと考えています。

 

また、終末期ケアのステージでは、嘔吐によって大きく状態が下がってしまうこと、またその時に救急で通院することがすでにできないこともあり、早めから毎日服用していただいています。

 

そんな中、すでに吐き止めを飲んでいるにもかかわらず嘔吐を認めることがあります。

 

物理的な要因も考えられますが、多くの場合、旅立ちを示唆しているケースが多いです。

 

この日は朝と夜に訪問し、皮下点滴にて投薬処置をしました。

 

 

【再診29日目(2023年6月25日)】

昨日よりもさらに弱々しくなった蛍が玄関で迎えてくれました。

 

もう何も食べられていないとの事でした。

 

朝の処置をして、また夜に訪問することとしました。

 

そして夜に訪問したところ、もうほとんど意識のない蛍ちゃんがそこにいました。

 

静かに眠っているようで、ご家族様と相談した上で、夜の処置はせず、このまま静かに旅立たせてあげることで合意しました。

 

この日の夜中、家族みんなが寝静まった頃に、鳴き声も上げず静かに旅立っていきました。

 

きっとあの姿のまま、穏やかに静かに眠りについたのだと思っています。

 

 

【蛍ちゃんの在宅終末期ケアのまとめ】

急に立てなくなったことを主訴に始まった往診でしたが、その症状は一過性のものではなく、隠れていた大きな持病から来るものでした。

 

初診時に実施した血液検査、超音波検査で膵炎と肝臓腫瘍、脾臓腫瘍が確認され、この日から始まった在宅終末期ケア。

 

昨日まではいつも通り、ご飯も食べられていたし、トイレもできたし、何ならお散歩だっていけていました。

 

最初の3日間は注射薬を用いた皮下点滴プランとし、その後安定してきたので内服薬のプランに変更。

 

立ち上がれなくなり、介護が必要になることを見越して、毛刈りなどのお手入れを早期から実施。

 

便秘があればシロップ剤で対処し、逆に軟便気味になれば下痢止めで対処。

 

痛みが強くなってくれば、多方面からの疼痛緩和。

 

内服薬が難しくなった時が来たら、注射薬を用いた皮下点滴プランに戻す。

 

蛍ちゃんは40kgクラスの大型犬でしたので、介護は本当に大変だっただろうと思っていますが、ご家族様の愛情あるケアのもと、終末期を走り抜くことができました。

 

2010年2月に、まだ3ヶ月齢の頃に保護された蛍ちゃんは、2023年6月25日、大好きなご家族様がクラスご自宅で、静かに眠りにつきました。

 

蛍ちゃんのご冥福を、心からお祈り申し上げます。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室

江本宏平、スタッフ一同

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大型犬で多く見られる病気は、なんといっても腫瘍(がん)です。

 

慢性疾患で旅立つ大型犬もいますが、小型犬と比べて大型犬では、腫瘍(がん)で旅立っていく子が、肌感的に高い気がしています。

 

そして、大型犬の終末期特有の最も問題になることに、運動機能の衰えである「歩けない(歩行不全)」「立ち上がれない(起立不能)」が挙がります。

 

小型犬であれば抱き上げて動物病院に連れていくことが叶いますが、大型犬の場合、抱っこして動物病院まで行くことは、体重的にほぼほぼ不可能です。

 

もし持ち上がるのであれば、、、

 

車に乗せて上げられ、少し遠くの動物病院まで通院させることはできると思います。

 

そこまでの持ち上げは難しい場合に、台車などに乗せて通院するという方法もあります。

 

健康なわんちゃんと比べて熱中症を起こしやすいことが予想されますので、暑さ対策はしっかりしておきましょう。

 

ただ、それすらも難しいというケースがあります。

 

もし「痛み」を伴っている場合には、患部を触れられることを嫌がります。

 

例えば腰や膝、骨盤のあたりに痛みがある時には、下半身を触れられることが嫌であり、尚且つ、お尻のあたりや手足の先を触られるのが嫌いな犬猫の場合には、腰を立たせることすら至難の技になる場合もあります。

 

犬猫にとって、足先は生命維持にとって欠かせないものですので、結構触れられること自体に敏感で、意図せず歯を剥き出しにしてしまうことも多々あります。

 

大型犬の場合には、普段から抱っこに慣れていないことが多いので、この時期に下半身に触れられて持ち上げられたりすることを嫌がる傾向があるため、普段からトレーニングしておくことをお勧めします。

 

ペットが終末期を迎えるにあたり行われる終末期ケア、特に在宅終末期ケアでは、ペットだけでなくご家族様の負担もできる限り緩和していくことが必要であると考えています。

 

そのため、ペットの在宅終末期ケアでは、「犬猫が抱える症状の緩和」だけでなく、「寄り添うご家族様のケア」も同じくらい大切だと考えています。

 

もし愛犬の大型犬が立ち上がれなくなったり、歩けなくなってしまった場合には、通院という選択肢以外にも、往診という選択肢があることを、頭の片隅に置いておいていただければ幸いです。

 

今回お話する症例は、急に立てなくなってしまった大型犬の蛍ちゃんです。

 

2023年5月28日の初診でエコー検査にて肝臓がんを認め、2023年6月25日にご家族様のもとで眠りにつきました。

 

蛍ちゃん①.jpg

 

【初診(2023年5月28日)】

蛍ちゃんは2010年2月に、まだ3ヶ月齢の頃に保護され、家族として迎えられました。

異食癖のあるやんちゃな女の子で、靴下やビニールを食べてしまったこともありましたが、いつもちゃんと便で出てきたらしいです^^

 

5月26日からはあまり立ちたくない様子でしたが、5月27日になると明らかに状態が悪そうで食欲は無くなり(食欲廃絶)、5回ほど吐き出し(頻回嘔吐)、終始うつ伏せになろうとしていたとのことでした。

 

ただ、お散歩にはいくことはでき、いつも通り40分くらいお散歩したので、少し様子を見てあげたとの事でした。

 

しかし夜になると急激に立てなくなってしまったため(起立困難)、翌朝の5月28日に近医へ通院させようと思っていたのですが、大型犬ということもあり動かすことができないため、往診にて訪問診療をご希望されました。

 

お伺いすると、自力での飲水はできているものの、いつもよりも飲む水の量が少ないとのことでした。

 

ただ、飲水後に排便があり、排便すると、少し元気が出てきたようだとのこ事でした。

 

排尿量は、以前からとても多かったとのことでした。

 

血液検査と超音波検査を実施し、肝臓と脾臓に腫瘍があることを認めました。

 

当院の在宅医療における緩和ケア及び終末期ケアでは、初診時に血液検査と超音波検査のスクリーニングを実施しています。

 

また、何度も検査を重ねることでペットの体調を悪化させることを回避するため、1回の検査で幅広く十分な範囲を検査で見させていただいています。

 

今後立ち上がれなくなることを想定し、その場合には介護が必須になると考えられるため、今のうちから汚れを落としやすくしてあげることを考えて、少し安定してきたら予防的に毛刈りすることを検討していくこととなりました。

 

この日から3日間連続での処置をして、安定してきたら内服薬が苦手ではないという条件のもと、大型犬であれば内服薬に切り替えられる可能性は十分高いと考えるとお伝えさせていただきました。

 

次回は再診2日から最後の日までを書かせていただきます。

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往診専門獣医師として診療を開始してから、たくさんの症例と、その横で献身的に看病にあたっているご家族様に出会い、見送ってきました。

 

その中には、壮絶な最後を遂げた犬猫もいれば、本当に静かに、ろうそくの火が消えるように旅立っていった犬猫もいました。

 

傾向としては、若齢の犬猫よりも高齢の犬猫の方が、終末期に見られる症状が大きくない印象を受けています。

 

年齢がわかっているのであれば、高齢だからと、ある程度年齢的なところで終末期を受け入れるご家族様が多いですが、出会ったときにすでに成猫であるというご家族様が多くいます。

 

「一体この子は何歳なんだろう。」

 

かかる獣医師ごとで言っていることが違うということは本当によくあることで、結局ところ、1歳未満だろうな、いやかなりの高齢だ、以外はよくわかりません。

 

今回お話の続きを書かせていただく猫のタマちゃんも、実は年齢がわかりません。

 

ただ、最後を過ごす場所をここと決めてご家族様に出会い、生涯を全うされました。

 

猫の鼻腔内リンパ腫の在宅終末期ケアの後半です。

 

2022年10月27日に出逢い、出会って間もない2023年4月22日に左鼻腔内リンパ腫と診断され、抗がん剤を実施。

しかし、体力的にも精神的にも負担が大きかったため断念し、往診での在宅終末期ケアに変更。

毎日の看病の末、2023年7月15日、お母さんの腕の中で眠るように、静かに旅立ちました。

 

タマちゃん③.png

 

【在宅終末期ケア4日目(6月9日)】

初診後の初めての診察で、嬉しいことに、ご飯を食べてくれたとのご報告を受けました。

 

おそらく苦かくて飲ませられなかったステロイドが、皮下点滴の中に混ぜる形で投与できたため、苦さを耐え抜く必要なく効果を発揮してくれたのだと考えられました。

 

ステロイドというと、とても怖い印象が先行しがちですが、使い方や使うタイミングなど、獣医師の指導のもと的確に使用することで、ペットの終末期ケアにおいては強い味方になってくれることが多いです。

 

ステロイド以外の医薬品においても、もし不安がある場合には、必ず処方してくれた獣医師に相談するようにしましょう。

 

なお、鼻腔内リンパ腫のため匂いがわかりづらいことを考慮し、お母さんが「くさや」をトッピングしたとのこと、ガツガツ食べ出したということもあり、医薬品が全てではないかもしれませんが。^^

 

また、状態が下がった日以来の排便も認めたとのことでした。

 

食べてくれたことで腸が刺激されたのだと思われます。

 

なお、その後少し下痢気味になってしまったので、頓服で準備しておいた下痢止めを点滴に混ぜて使用できたとのことでした。

 

 

【在宅終末期ケア16日目(6月21日)】

6月19日から少し食欲が下がり、鼻水も出てきたとのことでした。

右の腋窩リンパ節の腫脹に伴い、右前肢の浮腫みと破行も始まりました。

浮腫みに対しては、マッサージで流すことで対策を打ち、おそらく腫瘍からくる病状の進行であると判断し、この日から薬を少し強くしました。

 

 

【在宅終末期ケア20日目(6月25日)】

前回の薬用量調整によって、食欲が回復したとのことでした。

 

ただ、ご飯とトイレ以外の時間は、ベッドルームに引きこもってしまうとのことでした。

 

皮下点滴が吸収できていないような雰囲気がありましたが、問診と触診によってちゃんと吸収されていることがわかり、1回の輸液量は変更せずに様子見としました。

 

輸液もちゃんと吸収、代謝でき、ご飯も食べ、トイレもできる。

 

タマちゃんらしく、余生をゆっくり過ごせているようでとても嬉しかったです。

 

 

【在宅終末期ケア26日目(7月1日)】

ふらつきが強くなり、食欲も低下してきました。

むくみが強くなり、この日から輸液量の減量、そして利尿剤の使用を開始しました。

 

いろんな種類の利尿剤がありますが、今回使用した利尿剤はカリウムの排泄を促してしまいます。

 

そのため、ご飯が食べられていない今、使用するべきか悩みましたが、前肢の浮腫みが重度であり、後肢の浮腫みも認めたことから使用しました。

 

少しでも浮腫みが改善され、無駄に貯留してしまった水分を体外排泄させられれば、また体が楽になって元気さを少しでも取り戻してくれるかもしれないと、みんなで祈っていました。

 

 

【在宅終末期ケア29日目(7月4日)】

朝くしゃみしたら口から大量に出血があり、訪問させていただきました。

 

取り乱していそうなお母さんを想像しながらご自宅に到着すると、ケロッとしたタマちゃんがそこにいて、連絡の後に出血は止まったとのことでした。

 

念の為、糖尿病が発症していないかを確認し、問題がなかったため、処方内容の変更なしで様子見としました。

 

また、呼吸状態が少し下がっていることもあり、酸素発生装置の手配を進めました。

 

ペットの在宅終末期ケアでは、酸素発生装置や酸素ボンベは、必ずと言っていいほどに登場してくる、とても頼りになる存在です^^

 

酸素発生装置が設置されることで、もし今後呼吸状態が悪化した時には、酸素を嗅がせていただくか、酸素空間を作ってそこに止まらせて呼吸安定を図るかなどの選択肢が生まれます。

 

呼吸状態に不安を感じる疾患を抱えている犬猫と暮らしているご家族様は、早めに酸素発生装置について、かかりつけ動物病院に相談しておくことをお勧めします。

 

 

【在宅終末期ケア34日目(7月9日)】

もうお水しか飲めておらず、ただ先代の猫ちゃんが最後に飲んでくれた「昆布水」を準備したところ、ガツガツと飲んでくれたとのことでした。

 

先代猫ちゃんがお母さんに残してくれた経験からの発想でしたが、こんなにも気に入ってくれるのなら、今後の終末期ケアの現場で、病状に応じて推奨しようと思います^^

 

お水を飲めなくなってきた、または飲水量が明らかに減ったことを確認した場合に、利尿剤を半量にしていただくこと、排尿を認めなくなった段階で利尿剤を中止する予定であることをお伝えし、この日の診察を終了としました。

 

 

【在宅終末期ケア40日目(7月15日)】

徐々に立てられなくなり、トイレまでも行けなくなってしまいましたが、それでも自力でなんとか立ち上がり、トイレまで行こうとするのが猫ちゃんです。

 

タマちゃんも同じで、頑張って頑張って一歩二歩、間に合わずにその場で、という日を迎えていました。

 

最後の排尿を認めたのが7月14日であり、かなりぐったりしている様子もあったことから、ご連絡をいただきました。

 

状況をお伺いし、利尿剤は中止としました。

 

おそらく本日が山であることをお伝えし、もし夜になってもまだ意識があるようであれば、皮下点滴を少量で投与するようお伝えさせていただきました。

 

お電話の後少しして、タマちゃんは眠りにつきました。

 

その瞬間は、お母さんの腕の中であり、おろしてあげた時におしっこが流れ出てきたことに違和感を感じて呼吸状態を確認したところ、呼吸が止まっていたとのことでした。

 

お母さんのお仕事の都合もちゃんと把握していたのか、忙しくなる前にちゃんとお別れの時間を取ってもらえるように、この日を選んだようでした。

 

本当によく頑張りました。

 

タマちゃんのご冥福を心からお祈り申し上げます。

 

わんにゃん保健室

スタッフ一同

 

【まとめ】

ペットの終末期における在宅医療切り替えは、ペットだけでなく、ご家族様にとっても、通院のストレスを軽減できること以上に、最後に残された時間を家族だけでゆっくり過ごしていくための、とても有意義な選択になると考えています。

 

このステージの犬猫にとって、高頻度での通院や待合室での他ペットとの遭遇など、健康で元気な頃であれば何気なかったことが、かなりのストレスとなってしまうことがあります。

 

そして、在宅医療に変更する大きなメリットは他にもあり、その一つが生活環境に対するアドバイスを的確に行えることがあります。

 

ペットの終末期における生活環境の整備は、医療面や栄養面と同じくらい大切になってきます。

 

トイレの位置、高さや広さ、寝床からトイレまでの動線について。

 

床はどんな素材にすべきで、どのくらいの長さ、幅で対策を打つべきなのか。

 

好きだったソファーの上は、本当にもう登らせられないのか。

 

キャットタワーはどうしたらいいのか。

 

ご飯皿の高さやご飯あげ方、種類など、栄養に対してどう向き合えばいいのか。

 

何をとっても、全てがその子その子の性格や体格、抱えている症状によって異なってきます。

 

終末期を迎えるペットと暮らしているご家族様へ

犬猫がいつ通院できないくらいまで体調を崩してしまうのかは、誰にもわかりません。

 

ただ、健康状態を把握しているかかりつけの獣医師であれば、ある程度の目安を立ててくれると思います。

 

もしそうなった場合に、往診で診てもらえるのか、または紹介できる往診専門動物病院はあるのかを、早い段階で聞いておきましょう。

 

何事においても、転ばぬ先の杖です。

 

準備と対策を講じておけば、突然くるペットの終末期にも、心乱れる中、ちゃんと歩みを止めずに、初動に移れると信じています。

 

東京、埼玉、千葉、神奈川であれば、往診専門動物病院わんにゃん保健室がご家族様のお力になれます。終末期の前段階、10歳を過ぎてきたら、そもそも通院が苦手な犬猫であれば、突然訪れる終末期の前に、一度往診について検討しておきましょう。

 

※タマちゃんの初診までの経緯はこちら

 

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猫の癌(がん)と言えば「リンパ腫」が最も知られているかと思います。

 

リンパ腫と言っても、発生部位や悪性度など、同じようでも全く違うもののように、犬猫の余生に対し影響してきます。

 

今回ご紹介するのは、東京葛飾区にお住まいのタマちゃんです。

 

2022年10月27日に出逢い、ご自宅のペット許可申請を完了し、正式に迎えたのは12月2日でした。

2023年4月22日にCT検査にて左鼻腔内リンパ腫と診断され、抗がん剤を実施しましたが、体力的にも精神的にも負担が大きかったため断念し、往診での在宅終末期ケアに変更しました。

毎日の看病の末、2023年7月15日、お母さんの腕の中で眠るように、静かに旅立ちました。

 

タマちゃん③.png

 

【初診(2023年6月9日)】

最初に違和感に気づいたのは、2023年4月初旬のことでした。

 

鼻血(鼻出血)が出ていたので、家の近くにある動物病院に通院してみたところ、口内炎があるので、おそらくは口内炎が原因で鼻血が出たのだろうとされたとのことでした。

 

症状が改善しないこともあり、4月下旬にCT検査を実施したところ、左鼻腔内リンパ腫と診断されました。

 

ただ、食欲は旺盛だったため、ステロイドの量もどんどん漸減できていたのですが、5月31日から一気に食欲がなくなり、この頃は高頻度で通院させていたですが、もう体力的にも厳しいと判断し、在宅医療での終末期ケア(ターミナルケア)に切り替えました。

 

ご飯の匂いを嗅ぐけど食べないというような感じで、強制給餌をするべきなのかの相談も含めて、往診でご相談させていただきました。

 

また、同日に終末期ケアに入るための検査を実施しました。

 

酸素化しながらの血液検査と超音波検査を実施し、全身状態を把握していきます。

 

かなり嫌がることを想定していたのですが、タマちゃんは理解しているようで、かなり強力的に検査に臨んでくれました。

 

動物病院に連れて行くと、診察台の上では借りてきた猫のように固まってしまうタイプの猫ちゃんでも、実際に家の中では全く異なった性質を見せます。

 

診察室では怖くて取り乱してしまう猫ちゃんでも、在宅環境なら比較的落ち着いて受け入れてくれたり、その逆も然りです。

 

当院では、異常興奮に伴う呼吸悪化を防ぐ意味からも、酸素ボンベを常に持ち込み、緊急時の備えはもちろんのこと、検査時などにも呼吸に注意しながら、看護師人数を揃えてお伺いさせていただいております。

 

タマちゃんのケースでは、すでに自宅にてお母さんによる皮下点滴を実施できていることもあり、投薬経路は確保されているため、注射薬内容を調整することで点滴準備は整いました。

 

投薬のための点滴なのか、少しでも水分補正を狙ったものなのか、この量の輸液を一回に入れても代謝できる状態なのか、今まで合わなかった医薬品は、どれがしみるのか、などを説明した上で、プラン決定をしていきます。

 

強制給餌に関しては、やってあげたい気持ちもありますが、ただ頑張れば頑張るほど、きっとタマちゃんは怖がり、心の距離ができてしまうかもしれないことをお伝えさせていただきました。

 

ただ、その上で実施をご希望される場合や、やり方だけを知っておきたいといった場合には、強制給餌トレーニングを一緒にさせてただき、使用するフードの種類や1回量、ご飯の濃度や流し込む位置、速さ、そしてペットの押さえ方や顔のキープの仕方など、細かくお伝えさせていただきます。

 

この日は、まず治療経過を追ってみて、医薬品では改善できないとした場合に、また考えましょうということとしました。

 

検査、処置、暫定的なプランを決定し、終了としました。

 

タマちゃん①.png

 

【初診までのまとめ】

本日は、猫のタマちゃんとの出会いから、初診での深いヒアリング、暫定的な方針決定までのお話を書かせていただきました。

 

通院できる犬猫だとしても、終末期を迎えると移動することがとても辛くなってきます。

 

無理に通院させるのではなく、もう余生を見据えた在宅医療に切り替えたいと感じましたら、お早めにかかりつけの動物病院にご相談してください。

 

動物病院によっては、定期的に時間を設けて、しっかりと往診にて訪問診療を組み立ててくれる獣医師もいるかと思います。

 

往診はその場その場での診察であるのに対し、訪問診療は組まれたプランに沿って行う在宅医療です。

 

完全に訪問診療とはいきませんが、多少の臨機応変さを兼ね揃えた訪問診療を提供してくれる獣医師と、1家族でも多くの方が出会えることを祈っています。

 

東京、埼玉、千葉、神奈川であれば、往診専門動物病院わんにゃん保健室がご家族様のお力になれます。

 

当院の往診をご希望のご家族様は、まずは在宅医療切り替えが可能かどうか、当院までお問い合わせください。

 

次回は、タマちゃんの経過から旅立ちまでの在宅終末期ケアです。

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