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2022年12月アーカイブ

今回は、前回に引き続き、左鼻腔内腫瘍を発症した猫ちゃんのお話です。

前のブログは以下からどうぞ!

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)1-4

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)2-4

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)3-4①

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)3-4②

 

過去4回の投稿のテーマはこんな感じです。

1-4:予約までの経緯とご家族様の葛藤

2-4:ターミナルケアの往診現場の臨場感ある初診雰囲気

3-4:急変時のマインドセットとアクションプラン

 

鼻腔内腫瘍を発症した猫ちゃん。

多くの猫ちゃんが動物病院への通院ができない中で、本当によく頑張りました。

急に状態が下がってきて、もう家にある酸素室から出られなくなったことをきっかけに、往診でのターミナルケアを希望されました。

2022年8月19日から往診に切り替え、家族の見守る中、2022年9月8日に旅立ちました。

 

最終回となる今回は、方針が決まってから最後の日までをご紹介します。

 

ここからいよいよ、実技的な指導に入ります。

 

まずは、皮下点滴をご家族様だけで実施できるようになる必要があります。

 

このお家の場合には、先代の猫ちゃんで家の中での皮下点滴を実施していたということもあり、初めてのご家族様と比べて比較的スムーズに指導を終えることができました。

 

しかし、先代の猫ちゃんと比べてこの猫ちゃんは拘束されることを非常に嫌がり、嫌がった挙句に呼吸状態が悪化し(鼻腔内腺癌なので仕方ないのですが…)、開口呼吸をしてしまうということもあったので、長い時間拘束することは難しいと判断しました。

 

力強い性格なのか、お水もご飯も自分から行ってくれていました。

 

通常だと、皮下点滴はその脱水の状況に合わせて輸液量を増やしてあげたいところではありますが、このような犬猫の場合には、いかにして短時間で終わらせるかがポイントとなります。

 

自力で飲食ができる=脱水補正はある程度自力で可能、と考え、それであれば輸液量をギリギリまで減らし、投薬する時間をものの数秒とすることで、猫ちゃんにも、ご家族様にも負担にならないような治療プランを実現できます。

 

今回の皮下点滴は、複数の医薬品を1回の針刺でまとめて投薬してあげるための手段であり、脱水補正は経口補水で頑張ってもらうこととしました。

 

実際は、皮下点滴を10mlシリンジと23G翼状針を用いて、1回の注射薬の薬液量と希釈するための輸液を合算して8mlで実施することができました。

 

そして、通常であれば、注射後に針穴を塞ぐために刺入部近くの毛の根本を30秒程度は持ち上げるのですが、8ml程度なので、最悪逃げてしまっても抑える必要がないくらいです。

 

そして、この量であれば、針が入ってしまえば5秒もかからないで終わりますので、嫌がり出した頃には終わっているという状況を作ることができました。

 

もしこの性格の猫ちゃんで、この呼吸状態で、腎臓病の皮下点滴による補正を試みることになっていたと考えると、酸素環境をしっかりと設置しなければ難しかっただろうなと思いました。

 

この日から、朝と夜の皮下点滴プランを組ませていただきました。

 

心臓も少し悪かったことから、できるうちは心臓のお薬を使っていきますが、内服しかないこともあり、できる範囲でやっていただくこととなりました。

 

ご飯はいつもの場所で、自分でお皿から食べたいって感じならお皿から、徐々に甘えてきて手から食べたいとされたら手から、もう食べたくないって言っていたら、何度か口にご飯をつけてあげ、それでも嫌がるようであれば、もう食事はストップとしました。

 

トイレに関しては、猫ちゃんって、最後の最後まで、自分の力で頑張って、いつものトイレの場所に行くんですよね。

 

ご家族様がその姿を見て大変だろうからとトイレを近づけてあげても、やっぱりいつもの場所まで、休み休み行くんです。

 

途中で力付きで漏らしちゃうことはありますが、環境として、そのルートではどこでもトイレをしていい環境を作ってあげ、また、近くに新たなトイレを新設する(猫砂は同じもので、ステップの高さは極力低めで)のはありです。

 

今後のプランとしては、1週間おきの往診で、貧血などのデータが大きく変わっていないかだけの、血液スクリーニング検査と、負担のない範囲での胸部・腹部エコーのチェック、また発作が始まったら、前倒しでの往診予定とさせていただきました。

 

今のままの容体で、少しでも安定している時間を長く取れたらなと祈りつつ、3日目の往診を終了としました。

 

初診から2週間後

状態が急変したのは、初診からちょうど2週間後の、2022年9月2日です。

前日の夜に発作が出て、発作止めを使用したら1本で止まったとのことだったのですが、またすぐに出てしまい、昨晩から今朝にかけて5回ほど認めたとのことでした。

ご飯を食べなくなってしまい、ふらつきが強く、立ち上がってもすぐに倒れてしまうような状態だとことでした。

 

もし往診に切り替えていなければ、すぐに夜間救急に今までと同じく連れて行っていたが、今は発作が出ても発作止めがあるので怖いけど怖くないとのことで、発作に対して向き合う覚悟ができたようでした。

 

しかし、日中に家を空けなければいけないことが多いこともあり、頓服としての発作コントロールだけでなく、朝夜の皮下点滴に発作を抑え込む薬を使用することとなりました。

 

今よりももっとふらつきが強くなるかもしれないし、効き過ぎてしまうとそのまま眠ってしまうかもしれないリスクをとり、少しでも発作で苦しむ頻度を減らしてあげたいという希望に沿ったプランです。

 

実際に使用していくと、そこまでふらつきも出ないで、普通に生活しているとのことでした。

 

ただ、もうご飯は食べてくれないとのことでした。

 

食欲を出させる軟膏があるのですが、この医薬品の使用で興奮してしまう猫ちゃんも多々いることから、興奮させてしまうくらいなら使用しないというご家族様もおり、今回はもう食欲は見ないこととし、軟膏の食欲増進剤は使用しませんでした。

 

この日の診察を終え、次回は2022年9月9日の午前中を予定していました。

 

9月10日からお姉さんが出張で1日家を空けてしまうので、お母さんだけでは心配とのことでしたので、その日の訪問プランはまた次回の診療の時に決めることとしました。

 

しかし、ターミナル期と言われる終末期は、そう安定した日々は長く続きません。

 

旅立ち

9月8日にお姉さんが帰宅すると、いつも通り視線をくれて尻尾でお迎えの挨拶をしてくれたとのことでした。

 

夕食を済ませ、食器を洗っていたところ、急に開口呼吸が始まったとのことでした。

 

発作かと思ったが、発作とは何か違う様子で、不思議と、もうお別れなんだと感じたとのことでした。

 

近くまで駆け寄ると、苦しそうにしながらも何度か視線をくれて、抱きしめながら最後の時間を過ごさせてあげられたとのことでした。

 

翌々日からの出張の前の休暇中だったこともあり、旅立った後の丸1日を一緒に過ごすことができ、葬儀を無事終わらせることができました。

 

先代の猫ちゃんの壮絶な最後が脳裏にあったため、緩和ケアに対して消極的かつ牽制的

だった最初の頃とは違い、全部を受け入れた上で最後の時間に臨めたことで、恐怖もあったが、それ以上に使命感が高買ったとのことでした。

 

2022年9月9日 ご家族様の腕の中で、長い眠りにつきました。

 

 

全体を通じて

今回は、ターミナルケアの症例に対する往診専門動物病院わんにゃん保健室の診療の雰囲気について、伝わりやすく、伝わりやすく、を意識しながら書かせていただきました。

 

ご紹介させていただいた猫ちゃんでは、今回のような診療プランとなりましたが、猫ちゃんの個性に合わせ、かつご家族様の生活環境や意向を加味してプランニングを行います。

 

できる限り事細かにご説明させていただき、愛犬・愛猫がこれから旅立とうとしているという現実を少しでも受け入れながら、できること、できないこと、やってあげたいこと、やるべきこと、などを決めていきます。

 

もう通院させることができないからと諦めてしまう前に、まずは往診のご相談をください。

 

東京23区を中心に、近隣地区まで獣医師と動物看護師が一緒にお伺いし、呼吸状態など全ての状態に合わせた往診を行います。

 

看取るということは、決して簡単なことではありません。

 

まずはご相談いただき、何ができるのか、一緒に考えていきましょう。

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今回は、前回に引き続き、左鼻腔内腫瘍を発症した猫ちゃんのお話です。

前のブログは以下からどうぞ!

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)1-4

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)2-4

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)3-4①

 

『もしも…』が起こってしまうのが、ターミナルと呼ばれる終末期です。

 

前回は発作について書かせていただきました。

 

今回は、吐血・喀血、下血、嘔吐、ぐったり、開口呼吸です。

 

吐血・喀血

あまり起こりづらいとは思いつつも、もし起きた場合には、もしかすると消化管粘膜に腫瘍細胞が浸潤した結果かもしれないとお伝えしました。

 

こちらに関しては、もし吐血を認めたら写真をとって共有していただき、お電話をいただくこととしました。

 

なお、吐血後の食事については、少量頻回としたいため、電話が繋がるまでは、吐血後の食事方法を少量頻回給餌とさせていただきました。

 

喀血は全く違ったもので、咳に血が混じったようなものを認めることがあります。

 

こちらは、きっとその咳から出てくる液体は赤というよりはピンク色のことが多く、この場合ですと腫瘍の肺転移に伴う肺水腫や肺の損傷を疑います。これを認めた場合には、早急に酸素室に入れてあげ、写真、動画の共有をお願いしました。

 

下血

猫ちゃんの腫瘍性疾患で、最も多いのが、リンパ腫という、今回の病気とはずれてしまいますが、そういうものがあります。

 

このリンパ腫には何個かのパターンがあり、その一つが消化器型リンパ腫というもので、猫ちゃんに多く起こります。

 

下血は大きく2つに別れ、鮮血なのか、黒色便なのか、です。

 

鮮血であれば、血が固まりづらくなっていることを意識していきますが、今回はすでに止血剤関連の医薬品が皮下点滴に含まれているため、特別対処はないことから、もし発症したらご連絡をいただき、状況を詳しく伺うことから始めましょうとしました。

 

そして、もし黒色便(タール便)であれば話は変わり、もう長くない可能性を示唆しているとお伝えしました。

 

日常生活の中で変えるべきことはなく、ただこれから一気に運動性が下がってきてしまうことと、貧血が一気に進行することで呼吸状態が悪化することも想定できるので、その時の対応についてご説明させていただきました。

 

経験上、このステージのメレナと呼ばれるタール便を認めると、なんとなく貧血が5%ずつ進んでいくような気がしています。これはあくまで個人的な見解ですので、参考程度に覚えておいてください。

 

嘔吐

基本、嘔吐は起きないような処方となっております。

犬猫たちのターミナルケアの現場では、嘔吐することで一気に状態が悪くなることが多いです。

例えば、ご飯を少しでも食べられていて、全然吐かない犬猫の場合でも、血液検査や超音波検査(エコー検査)所見などから、嘔吐が起こる可能性が高くなっている場合には、先制的に制吐剤(吐き気止め)を使用しています。

 

もちろん、こちらも選択制ですので、メリット・デメリットをお伝えした上で、常用として使用するのではなく、頓服として使用したいなどのご希望も承っています。

 

ここで覚えておくべきことは、吐き気止めには大きく2つあり、1つ目が吐き気を緩和する薬、2つ目が吐くことをほぼほぼ抑制する薬です。

 

1つ目の方が理にかなっていると思われますが、実際の獣医療の現場では、嘔吐がひどい場合や絶対に吐かせたくないと考えた時、2つ目を使用することが多いです。

 

ターミナルの現場では両方とも使用してあげることで、少しでも多く口にしてもらって、それが原因で吐いてしまわないように、医薬品の力を使って、ゆっくりと時間をかけて吸収できるように促してあげています。

 

ぐったり、そして開口呼吸

『急にぐったりした』『猫ちゃんの開口呼吸』は明らかな急変のサインです。

 

ここで重要な選択を迫らせていただきます。

 

延命は希望されますか?

 

延命と通院

元気だった犬猫が、急に具合が悪そうになった場合には、できる限り救急で動物病院へ通院させてあげてください。

 

もしかしたら誤飲や誤食などで、中毒のようなものや腸閉塞を起こしているのか、膵炎かもしれないし、持病が急激に悪化したのかもしれません。

 

日中であったり、まだかかりつけの動物病院が診療中であれば、飛び込んでください。

 

夜間であれば、夜間受付をしている動物病院へ飛び込んでください。

 

あなたには、待てる猶予など、1分もないはずです。

 

緊急で犬猫を通院させ、検査し、入院治療を受けさせてあげ、安定したら、また家に帰って来れて、今まで通りの生活が戻ってくる。

 

きっとこんな想像ができるからこその決断と行動だと思います。

 

では、今のこの猫ちゃんではどうでしょうか?

 

左鼻腔内腺癌を発症し、肺に転移を起こしている可能性が高い状態で、もし急変した場合に、苦手な通院をさせて、入院治療を受けさせれば、また元の生活が戻ってくると思えますか?

 

そして、また急変を繰り返します。

 

その度に、動物病院への通院と入院を繰り返しますか?

 

移動中に、病院での検査中に、入院中に、亡くなることが十分に考えられる状態であることを、忘れないでください。

 

夜間救急の責務は、命を繋ぎ安定させ、日中のかかりつけの動物病院へ犬猫たちを返すことであり、かかりつけの動物病院の責務は、その犬猫たちが安心して家に戻れるようにアシストすることです。

 

今という終末期ステージでは、これって延命なるのでしょうか?

 

多くの飼い主様が、もう急変しても連れて行かないとされます。

 

もっと長く生きていてほしいという本心はあるものの、苦しみながら長らえるのは可哀想だと判断されることが多いです。

 

しかし、延命という強い言葉は、家族であっても暗黙の了解のように口にできないキーワードですので、あえて私たちが言葉にすることで、話し合えるきっかけを作らせていただいています。

 

万が一の時、その場に立ち会っている人が全てを判断しなくてはいけません。

 

それがお母さんなのか、お姉さんなのか。

 

その判断は、後からそれでよかったと背中を撫でられたところで、その判断をした人が責任を感じてしまうものです。

 

だからこそ、事前にどうなったらどうするのかという家族としての指針を立てるべきなのです。

 

話し合う.png

 

愛犬、愛猫とずっと一緒に暮らしてきた家族だからこそ、目の前が苦しんでいるこの子たちに何をしてあげるべきなのかを話し合えるものだと思っています。

 

今回は、お姉さんも、お母さんも、急変時に通院させることはせず、家でのそのまま看取ることを決意されたようでした。

 

ただ、これはあくまで現時点での意志であり、数分後には変わっていても全く問題ないです。

 

一緒に最良となる方針を立てていきましょう。

 

今回のまとめ

前回の『発作』に続き、『吐血・喀血、下血、嘔吐、ぐったり、開口呼吸』について書かせていただきました。

 

愛犬、愛猫がどんな形で最後の時間を過ごしていくのか、旅立つときは苦しいのか、どんな症状を見せるのか、など、飼い主様ごとで相談される内容は様々ですが、これらの質問は必ずされています。

 

いざその場になってみなければ、実際のところわかりかねてしまうのが正直なところではありますが、経験上であったり、血液検査や超音波検査などの検査結果、診断された病気などを参考に、ある程度想定される最後の形についてご説明させていただいています。

 

万が一の時をただ怖がって待っているより、もしその時が来たらどうすればいいのか、というアクションプランを明確にすることで、ただ怖がっていたはずの未来が、知識と医薬品という武器を持って、戦えるようになれます。

 

完璧な飼い主になる必要はないです。

 

一緒に最後まで頑張っていきましょう!

 

次回は、ターミナルケア、そしてお別れです。

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今回は、前回に引き続き、左鼻腔内腫瘍を発症した猫ちゃんのお話です。

前のブログは以下からどうぞ!

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)1-4

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)2-4

 

愛犬、愛猫が病気であることを知り、まずは治療に向けてどう歩んでいけばいいのかを探すことと思います。

 

模索している間、きっと飼い主様の精神状態はズタボロで、何をしてあげるのが正解なのかわからずに、ただひたすらかかりつけの動物病院に足を運び検査をお願いしたり、インターネットで同じような症状の犬猫がいないかを探すことかと思います。

 

中には通院すら難しく、ぐったりした段階ですでに看取りを覚悟されるご家族様もいます。

 

最初から、すでに手遅れな状態だとわかったり、老化現象の一環での生命維持活動が弱まっているだけとわかればいいのですが、そこは検査をしてみなければわかりません。

 

そして検査はどんどんステップアップし、途中で必ず考えさせられることがきっと出てくることと思われます。

 

「どこまでやるべきなのか」

 

「この検査って誰のため?この子のためなのか、それとも理解したいというあなた自身のためなの。」

 

立ち止まるのもまた勇気がいることです。

 

検査が嫌な猫.png

 

もう攻めた検査はせずに、余生をゆっくりと過ごさせてあげるための最小限にとどめ、できる限り苦痛なく過ごさせてあげたいと考えた時点から、緩和ケア、そしてターミナルケアが始まります。

 

前回に引き続き、左鼻腔内腺癌の猫ちゃんのお話です。

 

初診で血液検査を行えましたので、翌日の再診となる今回は、そのデータを用いたお話です。

 

そして、今回の最大のテーマは、「急変時」です。

 

急変時はどうするべきなのか、については、その時になって考えるのでは遅いです。

 

どんなことが起こりうるのかを想定し、それに対して事前にある程度決めておくこと。

 

しかし、登場人物が多ければ多いほど、その意見は分かれてきてしまい、それらが交わらなければ、何もできないまま、ないも決められないまま、その時を迎えるのを待っているようなものです。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、できれば意思決定ができるご家族様全員が揃うように診察日程を調整しています。

 

私たちが想像できる事象に対し、どんなアクションを取ると、どんなメリット・デメリットが生じるのかを説明させていただき、それらを飲み込んだ状態で、ご家族様で話し合ってもらいます。

 

今回は、お母さんとお姉さんの2人です。

 

院内血液検査結果から、重度の貧血と黄疸、腎数値の大幅な上昇を認めました。

 

早速参ります。

 

再診(初診の翌日)

お伺いすると、猫ちゃんは昨日と変わらずゆっくり、ズビズビ音を立てながら挨拶に来てくれました。

 

追加の酸素発生装置とボンベも到着しており、酸素の運用方法について詰めてご説明させていただきました。

 

さて、本日は血液検査結果から想定される「急変リスク」についてです。

 

血液検査結果から急変のリスクが高いことをお伝えし、どんな症状を出す可能性があるかをご説明させていただきました。

 

ここで、先代の猫ちゃんが、最後に重度の痙攣発作を伴って亡くなったということがトラウマであることをお伺いできました。

 

痙攣発作は、意識を伴ったままのものと、意識すら飛ばしてしまう大きなものに別れ、放っておいても止まりますが、もしかするとそのまま旅立ってしまうかもしれないし、もし止まるのであれば、早期に止めてあげた方が、発作後の生活に支障が少ないように感じています。

 

発作止めがあることを説明しましたが、先代猫の時にそんな話をしてもらえなかったと辛い胸の内を聴かせていただきました。

 

なぜ説明がなかったのかは存じませんが、動物病院で獣医師として立っている以上、しっかりと説明して、飼い主様の理解をもらえるよう努力すべきだと、強く感じました。

 

きっと、その獣医師は忙しさを理由に、説明を省いたのだと解釈しています。

 

獣医師側の気持ちもお察ししますが、ちゃんと責務を全うしてほしいと思いました。

 

今回は、発作止めがあり、それがどんな風に作用するのか、投与経路も3つあって、お母さんとお姉さんに選択しただけることをお伝えしました。

 

発作が起きた時、本当であれば発作中に投与することが一番いいのですが、なかなかハードルが高いことと、その場に誰が立ち会えるのかで話が変わってきます。

 

何より、急変時の対応に対して「やらなきゃいけない」という切迫観念を持って過ごしてしまうと、人間側が簡単にガス欠を起こして精神衰弱となり壊れてしまいます。

 

できる範囲でできることをやればいいんですよ、ということを心がけ、それが正しいと肯定することが、私たち往診専門獣医師の大きな仕事の一つです。

 

お母さんは針刺が怖いため、点鼻タイプと坐薬タイプを選択され、お姉さんは針刺が一番楽という意味合いから注射タイプを希望されました。

 

発作って、3タイプに大きく分類できると考えています。

 

すぐに止まる発作と、なかなか止まらない発作、止まらない発作。

 

学術的な話を出すととても複雑になりますが、結局現場ではこの3つです。

 

そして、ご家族様を深く傷つけ、トラウマにするのが、「止まらない発作」です。

 

うちの子は苦しんで死んでいった。

 

もし今そう思っているのであれば、ここで訂正させてください。

 

止まらない発作であれば、きっとすでに早期段階から意識がないはずです。

 

苦しかったかどうかは本人でなければわかりません。

 

ただ、その姿を見て苦しがって死んでいったと断言する必要はないです。

 

その姿は、その子が最後まで頑張って生きていった証です。

 

そして、その姿をちゃんと最後まで見守り続けられたという、飼い主としての最後のお勤めを終えられたという、むしろ勲章に値することです。

 

あなたに見守られながら旅立つことができた子は、何より幸せだったと思います。

 

だから、もう自身を責めないでください。

 

発作に対しては発作止めがあり、また日常的にボ〜ッとさせてあげることで、発作の頻度を減らすことにつながるかもしれない方法もあります。

 

今回は、お母さんもお姉さんも先代の発作がトラウマだったため、もし発作が出たら頓服で止めていただき、次の点滴から安定剤を常時投与してあげる方針としました。

 

発作止め.png

 

もしもの話を1回でまとめようと思ったのですが、全然書ききれなかったので、この回だけボリュームが多くなると思います(>_<)

 

犬猫と暮らしているご家族様にとって有益となるブログになれるよう頑張りますので、是非お付き合いください^^

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往診専門動物病院わんにゃん保健室の年末年始に関するお知らせです。

年末年始用.png

 

 

年内最終 2022年12月27日

休診期間 2022年12月28日〜2023年1月3日

診療再開 2023年1月4日

 

休診期間も、電話応対はしております。

もし電話が繋がらずに留守番電話になった婆には、必ず留守番電話に以下のメッセージを残してください。

 

・お名前

・ご住所

・犬/猫と品種

・ペットの年齢

・性別/避妊去勢の有無

・症状

 

諸事情により、動物病院に通院させることが困難な場合には、諦める前にまずは往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

 

診療範囲:東京23区と近隣地区

診療時間:10時〜19時(不定休)

電話番号:03-4500-8701

メール:house.call@asakusa12.com

 

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今回は、前回に引き続き、左鼻腔内腫瘍を発症した猫ちゃんのお話です。

前回のブログはこちらからどうぞ!

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)1-4

 

 

がん治療といっても多種多様であり、さらにはターミナルケアに関しては、ご家族様や犬猫の状況を考慮しなければいけないため、それはもう無数の形があるといっても過言ではないです。

 

だからこそ、全てがオリジナルであり、その子その子の性格や体調、取り巻く生活環境と登場人物と協力体制などを細かく把握する必要があります。

 

それでは、実際の往診当日から初診までの流れを書かせていただきます。

 

診察前準備(初診前)

初診時は、獣医師1人と動物看護師2人でお伺いしました。

初診の時は、できる限り人数を多くし、1人でも多く状況把握と飼い主様のマインドを共有しておくことが必要です。話している飼い主様の仕草や言葉の詰まり、早さやトーンなど、今の精神状態を知るキーポイントは診療現場にたくさん溢れています。

 

ちなみに、お伺いする前に必要そうなものを事前に準備しなければいけません。

 

そのため、電話問診は最初の超重要箇所ですので、当院としても気を引き締めて応対させていただいております。

 

今回は、前回予約までの流れとして書かせていただいた内容から察するに、左鼻腔内腺癌の末期+肺転移と判断し、準備を行なっています。

 

持ち込むべきボンベは小型ではなく中型サイズであり、もしかすると呼吸が途中で安定しなくなる可能性も大いに考えられるため、診察中に酸素流量最大の10L/分で使用することも想定できました。

 

初診時

お伺いすると、意外と人馴れしている猫ちゃんで、擦り寄ってきてはくれなかったんですが、挨拶に来てくれました。

 

左鼻からは鼻血を伴う鼻水が出ており、ズピーズピーといった音をずっと鳴らしていました。

 

まずは問診です。

 

往診の問診、特にターミナルケアでは、この問診という聞き取りの時間を最大限取っていきます。

 

なぜご家族様が往診を選択したのか。

 

そこには、いろんな出来事や過去のトラウマ、もっとやってあげたいけど猫ちゃん自体が望まないということを受け入れなければいけないという葛藤、そして、今まで通院で診てもらっていた動物病院の獣医師からの突き放しなど、いろんな思いがあります。

 

できることに限りがあるのが、ターミナルケアです。

 

しかし、それは医療側面の問題であり、逆に日常生活や猫ちゃんとの関わり方などについては、かなり大きく広がっていきますので、実際には限りがあると感じている余裕はないと思います。

 

ご飯ひとつにしても、食べてくれないのであればそこで諦めるのか、はたまた食べてくれそうなものを血眼になって探し出すのか。

 

粗相が始まったら、おむつにするのか環境自体を変えてあげるのか。

 

排尿排便がうまくできなくなった場合に、圧迫排尿や摘便などはどうするべきかなど、たくさんの日常問題を一挙に解決していきます。

 

それが、往診です。

 

状況から考えて、最後の血液検査から1週間以上経過してしまっていることもあり、まずは血液検査、できそうであれば超音波検査で胸部・腹部を一通り見てあげたいと考えました。

 

ただ、鼻が詰まっていることで容易に呼吸が乱れることが懸念されている中で、さらに肺転移までも疑われている状況で、どこまで検査してあげるべきなのかという論点があるため、メリットとデメリットを説明した上で、ご家族様に決めていただき、結果実施となりました。

 

点滴量それで大丈夫?.png

 

今後の方針を組む上で、都度状態に合わせて変化させていくことは前提としても、やはり現状を把握することは重要であると考えています。

 

貧血が一気に進行していたことを見逃し、皮下点滴の輸液量を前回のデータを参考に算出した結果、皮下点滴後に呼吸が悪化しまった、となっては元も子もありません。

 

胸水や腹水の貯留状況、消化管(胃腸など)につまりはなさそうか、蠕動運動はできているのかなども、食事量や食事間隔などの参考になります。

 

呼吸状態が安定できるように、酸素化を万全に行い、検査中も最大量の酸素が終始確保できる環境で臨みました。

 

通常だと、小型酸素ボンベの持ち込みなのですが、電話での事前問診で呼吸状態が悪いことが強く懸念できたため、持ち込むことができました。

 

いよいよ検査です。

 

まずは持ち込んだ体重計で、今の猫ちゃんの体重を測定します。

 

1週間前で4.3kgあった体重が、本日は4.3kgと、まさかのキープ!すごいぞ、、、!^^

 

酸素キャップを設置し、まずは酸素流量5L/分で設定し、いざ保定です。

 

保定されるのは嫌いのようで、早速呼吸が早くなり、鼻詰まりもあるせいで少し開口を始めました。

 

この開口呼吸は、緊急時のものとは違い、ただ鼻詰まりに対して代償的に口呼吸をしたまでと考えました。

 

とはいえ、酸素流量を一気に10L/分に変更です。

 

すると、呼吸が安定したのか、それにより不安が少し取れたのか、全体的に安定していきました。

 

血管が細くなっていたため少し時間がかかりましたが、無事に採血、超音波検査を完了させることができました。

 

採血した感覚として、血液がサラサラしており、1週間ほど前の血液検査データではなかった貧血が起きていると判断できましたので、本日の処置として、皮下点滴の輸液量を当初20ml/kgで設定していたのですが、10ml/kgまで落とし、43mlとさせていただきました。

その中に、今の猫ちゃんの状況に適した8種類の注射薬(抗炎症剤や抗生剤、胃薬や吐き気止めなど)を混ぜて皮下点滴し、終了です。

 

処置が終わると、「終わったよ〜!ご飯出して〜!」と言わんばかりにお母さんたちに催促を始め、私たちの目の前でガツガツ食べている姿を見せてくれました。

 

検査結果は即日〜1週間程度で出揃いますので、都度そのデータとその時の体調に合わせた処置プランを組んでいきます。

 

次回の診察は翌日であり、予定としては翌日に皮下点滴指導を入れて、翌々日に再度指導と確認を行い、医薬品のお渡し、さらに2日後にフィードバックと状況確認のための往診としました。

 

3日間は集中的に往診することとなったため、お母さんもお姉さんも、最初のご挨拶の時の緊張した面持ちから変わり、優しい安堵の表情となりました。

 

そして最後に、すでに設置されていた家にある酸素発生装置の運用方法についてです。

 

初診時の酸素運用説明

機械の裏側をチェックすると、酸素流量を3L/分に設定すると酸素濃度80%の風が出てくると記載がありました。

 

酸素ハウスは横90cm×奥行60cm×高さ60cmと、俗にいうMサイズくらいでした。

 

当院では、酸素ハウス形状として、その中に犬猫を生活させながらトイレの処理や処置などを行うことを視野に入れて、より運用しやすいものを推奨しております。

 

ちなみによくあるアクリル板でできたかっこいいものは、確かにかっこいいことと、全面が透明なので閉塞感が少ないこと、そして酸素ハウスの上に物が置けるというのがメリットであると考えています。

 

酸素ハウスの比較.png

 

今回の運用では、3L/分の酸素流量でこのサイズの酸素ハウスを運用することは難しく、また猫ちゃんも酸素ハウスを自由に出入りさせてあげられるよう半分開きっぱなしにしていることもあり、せめて5L/分は必要であり、かつ5L/分で80%以上の酸素濃度が出るものでなければ、ほとんど意味がないです。

 

ハウスサイズは終の住処になることも視野に入れ、酸素ハウスの中にご飯やトイレ、寝床を設置することも考えれば、このサイズの猫ちゃんであれば最適であると考えます。

 

変更および追加点は以下です。

・酸素発生装置を1台追加(5L/分の酸素流量で80%以上を確保できるもの)

・ボンベ設置(10L/分でほぼ100%を確保できるもの)

 

酸素関連機器が届くまでの間は今ある酸素発生装置の8L/分(45%以上)で酸素ハウス内に噴射し、呼吸が苦しそうになったら、3L/分(80%以上)に切り替えて鼻先で嗅がせてあげるというプランにしました。

 

状態も安定しているため、翌日に届く酸素関連機器を待っていられると判断したため、上記のようなプランとしましたが、もし厳しいと判断した場合には、わんにゃん保健室の方で酸素発生装置(10L/分、80%以上)を準備しています。

 

すぐに準備しない理由は、音の問題です。(結構うるさいんです。。。)

猫ちゃんにとって、あまりうるさい音はストレスになってしまいますので、耳がかなり遠くなっている場合を除き、基本は別会社の酸素発生装置を依頼設置していただいております。

(・・・東京都内は設置可能で、おそらく近郊までは、、、という予想です。予想だけですみません。)

 

以上で初診が終了です。

 

入室から退室までで、この日はおおよそ2時間でした。1時間は初回問診、30分が処置時間、30分が今日から明日にかけてのお話と今後想定されるタラレバと対策でした。

 

今回のまとめ

今回は、犬猫の往診でのターミナルケアにおける初診の雰囲気を伝えられるよう、実際の症例を使ってご説明させていただきました。

 

命の現場には、緊張感はつきものであり、時としてその場で見送ることもあります。

 

だからこそ、ご家族様の言葉に誠意を持って耳を傾けることと、先入観を一旦外す努力が重要です。

 

そうすることで、ご家族様の求めている最後の形を想像でき、医療面及び生活面でアドバイスを交えて方針決定が行えます。

 

次回は、急変時はどうすべきなのかの意思決定について書かせていただきます。

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犬猫にも同様に癌(がん)はあります。

 

人と同じように、癌と言っても一つではなく、良性腫瘍悪性腫瘍があります。

 

もっと早く検査していれば、早期治療ができたのにと思ってしまい、自身を傷つけがちですが、犬猫の場合は人間とは違い、そもそも治療を受けることが嫌いですので、愛犬・愛猫がどんな性格なのか、どこまでなら耐えてくれるのかなど、精神面も考えてあげなければいけません。

 

ただ理解しなければいけないことは、もしその腫瘍が悪性であれば、近い未来にお別れの日が訪れます。

 

その日がいつなのかは誰もわかりませんが、教科書や文献などのデータを参考にした余命(中央生存期間)をお伝えすることは可能です。

 

腫瘍に対する攻めた治療方法に、化学療法(抗がん剤)、腫瘍外科、放射線があり、最近では分子標的薬を用いた治療も適応であれば選択することができます。

 

腫瘍と診断された段階で、今後のことを事前に話し合っておく必要があります。

 

かかりつけの獣医師とご家族様で、何をどこまでやって、どんな副反応が出るまでは攻めた治療を続けるということ。

 

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そして、もし抗がん剤治療などをやめて緩和ケアを実施したいとした場合に、どこに相談すべきなのか、または、かかりつけの動物病院が最後まで、在宅での治療も含めて支えてくれるのかなど、事細かに相談しておきましょう。

 

いざその時になると、気が動転してしまい、不安によって感情が先行してしまうことが予想されますので、冷静でいられるうちにある程度相談しておきのがおすすめです。

 

抗がん剤などの治療の一切を止める判断をするタイミングは、多くの例で投薬後にぐったりしてしまい、もう通院させることすら厳しいと判断した場合です。

 

昨日までは調子も良く頑張っていられたが、今朝になり急にぐったりとしてしまった、ということは容易に起こります。これが、【攻めた治療(抗がん剤治療など)を選ぶ】ということです。

 

ぐったりしてしまったことをきっかけに、もし往診を呼べる地域であれば、在宅緩和ケアに移行していきます。

 

緩和ケアにはいろんな形があり、ご家族様がどうしたいのか、それはそもそも実施可能なのか、犬猫の具合はどの程度まで下がっているのか、などはもちろんのこと、ご飯についてや温度や湿度、床の性状や物の高さや位置などの生活環境を、事細かに考えていきます。

 

緩和ケアを見据えた時には、これらに関しても担当の獣医師に相談しておくべきです。

 

もしかかりつけの動物病院だと緩和ケアはできないとされ、「内服薬だけを渡すので家で飲ませてあげ、ゆっくりと看取ってください」とされた場合には、すぐに往診専門動物病院に連絡するようにしましょう。

 

 

おそらくこの段階まで状態が下がった犬猫に対して、内服薬を飲ませることは叶わないと思っていた方がいいです。

 

ここの段階で突き放されてしまうというケースが多くあり、もしそうなってしまった場合には、諦める前に必ずお近くの往診専門動物病院まで連絡するようにしてください。

 

今回は、鼻腔内腫瘍を発症し、最初は通院できていたが急に状態が下がってしまい、家にある酸素室から出られなくなってしまったため、2022年8月19日から往診に急遽切り替え、在宅にて家族の見守る中、2022年9月8日に旅立った猫ちゃん(14歳7ヶ月)のお話です。

 

できることはもうないと諦めてしまう前に、まずは往診専門動物病院にご相談ください。

 

東京近郊であれば、私たち、往診専門動物病院わんにゃん保健室が、みんなの力になります。

 

疲れた猫.jpg

 

予約までの経緯

2022年2月頃に咳とくしゃみがはじまったとのことでした。

 

かかりつけの動物病院では怒ってしまうためX線検査ができず、とりあえず抗生剤を2週間ほど処方され一旦症状が治ったとのことでした。

 

その後もちょくちょく咳とくしゃみ継続していたのですが、そこまで症状がひどくならなかったので様子見としていたとのことでした。

 

徐々に粘り気のある鼻水や鼻血が出るようになり、7月3日に咳、くしゃみ、鼻血、吐血(少量)を認め、かかりつけが休診だったことから別の動物病院に通院したところ、そのまま入院となり、X線検査で左鼻の異常を認めたとのことでした。

 

麻酔をかけての精査を勧められたのですが、もっと元気になってからにしてほしいと伝え、4日間の入院を経て、無事退院することができました。

 

帰宅後には元気食欲があり、これで安心だと思っていたとのことでした。

 

退院から2週間後の7月21日に頻回嘔吐を認め、再度通院で点滴処置をしてもらい、また状態は安定したのですが、8月1日に鼻出血と呼吸促迫から入院となってしまいました。

 

入院中の8月4日にCT検査を行い、左鼻腔内腺癌が発見されました。

 

8月6日の退院と同時に酸素室をレンタルし、呼吸状態が悪い時だけ酸素室に入れてあげていたとのことでした。

 

その後も通院を予定していたのですが、8月15日の段階で重度の呼吸促迫と咳が出てしまい、もう通院できないと考え、往診を希望されました。

 

この経緯の中にも、本当であればかかりつけの動物病院で、担当の獣医師の指示のもと、最後まで一緒に歩いていけたら一番いいと考えていますが、通常の動物病院の運営上、多くの場合に、それは叶いません。

 

緩和ケアを希望された時点から、もしかしたら転院するかもしれないことを頭の片隅に置いておきましょう。

 

次回は、この猫ちゃんの往診で起きた実際のストーリーについて書いていきます。

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