わんにゃん保健室

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2025年7月アーカイブ

東京都内を中心に往診専門で獣医療を提供しているわんにゃん保健室です。当院では往診専門の動物病院ですので、ご自宅にお伺いして診療を行っています。

わんちゃんやねこちゃんは、病気の容態によっては病院への通院が難しい場合があります。また通院すること自体がストレスとなり、病状の悪化を招く危険性もあります。

そういったストレスを極力回避し、ご自宅でリラックスした状態で診療が受けられるのが、往診動物病院の魅力です。

ペットにとってもストレスがなく、飼い主様も、わんちゃんやねこちゃんを連れての通院の必要がなくなるため、
お忙しい飼い主様にとっても、待ち時間がなくご好評いただいております。

本日は、わんにゃん保健室の一日についてご紹介したいと思います。

わんにゃん保健室の一日

わんにゃん保健室では、「往診業務」「症例報告」そして「電話対応」を行っています。
往診の依頼があったペットの容態を確認し、適切な処置ができるよう準備を行い往診に向かいます。

10:00 往診準備

まずは、メールチェックやカルテのチェックを行います。
今日一日の往診予定を確認し、往診のルートもチェックします。

10:30 往診に出発!

診療予定に合わせて往診に出発します。
車で往診先へ向かうため、事前に駐車場の有無や近隣のコインパーキング、渋滞の状況に関して調べておきます。

11:00 診察開始

往診先に到着したら、診察を開始します。
ご予約時に聞いていた事前の状況と変わりないかを確認し、飼い主さんへのヒヤリングを行いながら診察を進めます。

13:30 ミーティング

次の往診診療時間までの間、ミーティングを行います。
往診のため移動時間があるのですが、その移動時間も無駄にせず、次の診療についての最良の獣医療を検討します。

15:30 診察開始

午後の診察も、午前同様飼い主さんへのヒヤリングを行いつつ進めていきます。
定期的に往診を行っている子の場合、次の往診日の予約を行います。

18:00 事務所へ戻り検査を行う

往診診察を終えたら、事務所へ戻り検査を実施。
また、翌日の往診の準備もこの時に行います。
器具などを使用する診察の場合、稼働や消耗品に問題がないかを確認します。

往診専門の動物病院は、ご自宅が診療室になります

往診専門の場合、来院してもらうタイプの動物病院での勤務とはややイメージが異なるかと思います。往診病院には往診病院の良さ、動物病院には動物病院の良さがあると思いますが、わんにゃん保健室の一番の魅力は、なによりも「ペットや飼い主さんに寄り添える」点にあります。

通院型の動物病院の場合、診察室には限りがあります。
当然、1匹のわんちゃんを診ている間はほかのわんちゃん・ねこちゃんを診てあげることができないので、必然的に診察へスピードが求められます。

すべての動物病院がそうではないですが、中には効率を重要視し、飼い主さんの話をほとんど聞かないままに診察を終える動物病院もあります。

わんにゃん保健室ではそういった診療体制は取りません。
もちろん時間が無限にあるわけではありませんが、できる限り寄り添い、飼い主さんの心のケアもできればと思い診察にあたっています。

ペットの往診にご興味のある方、寄り添った診療をお求めの方、
まずはなにかしらをご相談したいとお考えの方、
是非お気軽にご相談ください。

猫の心筋症(特に肥大型心筋症など)は、高齢猫に比較的多い病気であり、診断されたときには「いつ何が起こるかわからない」という不安に包まれてしまうこともあります。

 

「通院での検査や処置が難しくなってきたけれど、このままで大丈夫?」

「呼吸が苦しそうに見えるけれど、どうすればいいの?」

「最期まで家で穏やかに過ごさせてあげたいけど、それって現実的なの?」

 

そんな不安を抱えるご家族に向けて、この記事では心筋症におけるターミナルケアの考え方、在宅でできる具体的なサポート、そして治療から緩和への切り替えのヒントを、獣医師の立場からわかりやすくお伝えしていきます。

 

猫の心筋症とは?──はじめに理解しておきたいこと

猫の心筋症は、心臓の筋肉(心筋)に異常が生じることで、心臓の機能が低下する病気です。中でも「肥大型心筋症(HCM)」は猫にもっとも多く、心筋が厚く硬くなることで血液の循環が悪くなります。

初期には無症状のことも多いため、「気づいたときにはすでに進行していた」というケースも少なくありません。心筋症と診断されたときに、病気の性質を正しく知ることは、今後のケアの選択にもつながります。

心筋症の種類と特徴(特に肥大型)

猫の心筋症にはいくつかのタイプがありますが、なかでも肥大型心筋症(HCM)は特に多く見られます。

☑︎ 心筋が肥厚して心室内が狭くなる
☑︎ 血液がうまく送り出せず、全身に十分な酸素が行き渡らない
☑︎ 最終的には肺に水がたまる「肺水腫」や「胸水」が起こることもある

このように、呼吸や循環に大きく影響を与える病気です。

よくある症状と見逃しやすいサイン

心筋症の症状は、必ずしも急激に出るとは限りません。次のような変化があった場合は注意が必要です。

☑︎ 呼吸が早くなる、浅くなる(休息時も口呼吸など)
☑︎ 階段を登れない・ジャンプしないなどの活動性の低下
☑︎ 急に後ろ足を動かせなくなる(血栓塞栓症)

「少し疲れてるのかな?」という程度に見えることもあるため、慎重な観察が必要です。

診断されたとき、まず大切にしたいこと

心筋症と告げられたとき、最初は動揺するかもしれません。でも、以下のことをまず確認しておくと、その後のケアの選択がスムーズになります。

☑︎ 呼吸状態は安定しているか?(今すぐ酸素が必要かどうか)
☑︎ 内服薬の開始が必要か?飲ませられるか?
☑︎ 今後の急変に備えてどんな選択肢があるか

病名を知ることは、ゴールを定めるための第一歩です。次は「心筋症=すぐに亡くなる」という誤解について、正しい理解をお伝えします。

 

「すぐに亡くなる病気」ではありません

心筋症と診断された直後、多くの飼い主さんが「この子はもうすぐ亡くなるの?」と不安になります。

もちろん、急変や突然死のリスクがある病気ではありますが、それが“すぐ”という意味ではありません。症状を観察し、適切なケアを行えば、しばらく落ち着いて過ごせるケースも多くあります。

急変=すぐ死に至るとは限らない

たしかに心筋症は急激な症状悪化(肺水腫や血栓など)を引き起こすことがありますが、「急変 = 即死」ではないことも多いのです。

☑︎ 呼吸が速くなる、苦しそうになる前に前兆がある
☑︎ 一度落ち着けば、数日~数週間安定することもある
☑︎ 「あのときこうしていれば」という後悔を減らすためにも観察が大切

治療によって維持できる期間もある

投薬や酸素ケアによって、呼吸や循環を安定させることが可能な場合もあります。無理に延命をするのではなく、「その子らしく過ごす」ことを目指した治療が、QOLを高めてくれます。

☑︎ 利尿剤や強心薬の使用で症状をコントロール
☑︎ 食欲や活動性を保ちながら過ごす子も多い
☑︎ 完全には治せないが「うまく付き合う」ことはできる

在宅での見守りでできるサポート

通院が難しい猫でも、在宅での観察とサポートを工夫することで、穏やかな日常を取り戻すことができます。

☑︎ 呼吸のチェックや、安静にできる環境づくり
☑︎ 必要に応じた往診や在宅酸素の導入
☑︎ ご家族の「気づき」が命を支える大きな力になる

焦らず、ひとつひとつのサインに気づくことが、これからの時間をより良いものにしてくれます。

次は、内服薬が難しいときに選択できる「注射薬+皮下点滴」というケアについてお話しします。

 

内服が難しいときの代替手段

心筋症の治療では、内服薬が重要な役割を果たしますが、「薬を飲ませるのが難しい」「毎日の投薬が猫にも家族にも負担になっている」というご相談をよくいただきます。

そんなときに検討したいのが、注射薬への切り替えや皮下点滴による投与です。薬を「飲ませる」のではなく「体に入れる」方法を工夫することで、治療の継続と猫の穏やかな生活を両立できることがあります。

シリンジ投薬がストレスになる場合

元気がない、口を開けさせるのが難しい、嫌がって暴れる…。そんな状態で毎日お薬を飲ませることは、ご家族にも猫にも大きなストレスになります。

☑︎ 投薬のたびに関係性が悪くなってしまう
☑︎ 無理に口をこじ開けると、呼吸を乱す原因にも
☑︎ 飼い主さんが「怖くてできない」と感じることもある

注射薬+皮下点滴での投与という選択肢

猫の状態やご家族の生活に合わせて、薬剤を皮下点滴の中に混ぜて投与する方法があります(例:利尿剤、制吐剤、鎮痛薬など)。これにより、口からの投薬を減らすことができます。

☑︎ 注射によって安定的な投与が期待できる
☑︎ 家でのケアがシンプルになり、精神的な余裕が生まれる
☑︎ 通院が難しい場合の代替手段として有効

なお、投与量や組み合わせには注意が必要なので、必ず獣医師の指導のもとで行いましょう。

ご家族が無理をしないケア設計の重要性

「投薬を続けなければ」とがんばる気持ちは尊いものですが、無理を重ねてしまうとご家族の心も疲れてしまいます。

☑︎ ケアは「正しさ」より「続けられるかどうか」が大切
☑︎ 家族が笑顔でいられることが、猫にとっても安心につながる
☑︎ 無理せず続けられる方法を、一緒に見つけていきましょう

次は、心筋症に多くみられる「胸水」の問題と、その対応についてお伝えします。

 

胸水抜去の正しい理解と注意点

心筋症が進行すると、心臓のポンプ機能が低下し、胸の中に水がたまる「胸水」が起こることがあります。胸水が増えると肺が圧迫され、呼吸が浅く速くなり、猫は苦しそうに見えるようになります。

このような状態に対して行うのが「胸水抜去」という処置ですが、すべてのケースにおいて行うべきとは限りません。ここでは、胸水抜去について正しく理解し、必要性と負担を見極めるヒントをお伝えします。

胸水がたまるとどうなる?

胸水は、心臓や血管からしみ出した体液が胸腔内にたまったものです。肺が圧迫されてうまく膨らまなくなることで、呼吸がしにくくなります。

☑︎ 安静時にも呼吸が浅く速くなる
☑︎ 寝ているときに「横向き」になれず座ったままになる
☑︎ 酸素室を使っても改善しない場合は注意が必要

このような症状があれば、胸水の可能性も視野に入れる必要があります。

抜去処置のメリットと身体的負担

胸水を抜くことで肺が広がり、呼吸が一気に楽になることがあります。ただし、処置には注射針を刺す必要があり、猫にとっては少なからず痛みや緊張を伴います。

☑︎ 呼吸状態が急速に改善するケースもある
☑︎ 一方で、針を刺す処置には苦痛や不快感がある
☑︎ 抜いてもすぐに再貯留する場合もある

何度も繰り返すことが猫の負担になっている場合は、あえて抜去を控える判断も考えられます。

苦痛を伴う場合の判断と緩和的ケアへの切り替え

処置によって一時的な改善が見込めても、それが猫にとって「つらい体験」となっているなら、無理に続けることが最善とは限りません。

☑︎ 何度も胸水を抜くより、酸素や薬剤での緩和を優先する
☑︎ ご家族の意思と猫の様子をふまえて治療方針を柔軟に見直す
☑︎ 穏やかに過ごすことが、何よりのケアになることもある

次は、呼吸を助けるために必要な「在宅酸素ケア」について、導入のポイントや注意点をご紹介します。

 

在宅酸素はどう整える?

呼吸がつらそうな猫にとって、「酸素を吸える環境を整えること」は命をつなぐだけでなく、日々の安心にもつながります。在宅でも酸素環境を整えることは可能です。

ここでは、在宅酸素の導入方法や使用上の注意点についてご紹介します。

在宅酸素の準備に必要なもの

猫に酸素を届ける方法はいくつかありますが、多くの場合は「酸素濃縮器+酸素ハウス」を使用します。

☑︎ 酸素濃縮器(電源が必要)
☑︎ 密閉性のあるケージやテント(酸素ハウス)
☑︎ 万一の停電に備えたバックアップ手段(酸素ボンベやポータブル電源)

酸素濃縮器はレンタルが可能で、動物病院や専門業者を通じて自宅に設置できます。

設置時の注意点とトラブル回避

酸素ハウスを快適な空間にするためには、温度や湿度、音、ストレス対策も大切です。

☑︎ 濃縮器の作動音が猫のストレスにならないように設置場所を工夫
☑︎ 温度管理(夏場の酸素ハウス内は熱がこもりやすい)
☑︎ 密閉しすぎると酸素がこもってしまうため、適度な換気も必要

猫が安心して入ってくれるよう、日頃から「落ち着ける場所」として慣れさせることも大切です。

導入の判断は獣医師と相談を

酸素の導入は、すべての心筋症の猫に必要というわけではありません。症状や呼吸状態、今後の方針に応じて判断することが大切です。

☑︎ 呼吸が苦しそう、動かなくなってきた場合はすぐ相談を
☑︎ 酸素が必要なレベルかどうか、診察での確認が重要
☑︎ 導入後も酸素濃度や状態を定期的にチェックしましょう

次は、呼吸だけでなく「ごはんが食べられないとき」のケアについてお伝えします。

 

ごはんが食べられないときの対応

心筋症が進行してくると、息が苦しくて「食べたいのに食べられない」状態になることがあります。これは「食欲がない」のではなく、体がつらくて食事がとれないケースも多いのです。

ここでは、そんなときにできる工夫やサポートをご紹介します。

呼吸が安定すると食欲も戻ることがある

食欲の低下が、単に病気の末期だからというわけではなく、呼吸の苦しさが原因であることも多いです。呼吸が落ち着くことで、自然と食べ始めることもあります。

☑︎ 酸素室や利尿剤で呼吸が落ち着いたら少しずつ食べ始める
☑︎ 横になる姿勢が取れるようになると、食事への意欲も回復しやすい
☑︎ 吐き気止めなどを併用することで、食べやすくなることもある

強制給餌は慎重に

「食べてほしい」という思いから強制的に口へ運んでしまうと、猫にとっては大きなストレスとなることがあります。

☑︎ 呼吸が苦しい状態では、無理な給餌は逆効果になる
☑︎ 無理に与えることで食事そのものを嫌がってしまう可能性も
☑︎ 「今日はこれくらいで大丈夫」と一歩引く勇気も必要

食べやすい工夫とケアのバランス

無理に「食べさせる」のではなく、「食べやすくしてあげる」工夫を心がけましょう。

☑︎ ウェットフードやスープ状のごはんに変える
☑︎ 手のひらに乗せてみる/横に寝たまま食べられる工夫を
☑︎ 少量ずつ何度も、を意識する(1回の完食にこだわらない)

「今この子が何をつらいと思っているのか」を見つめながら、食事のサポートも無理なく続けていきましょう。

次は、猫にとっての「穏やかな最期とは何か」について考えていきます。

 

穏やかな最期とは?

病気の進行とともに、「延命」から「看取り」へとケアの視点が変わっていく時期があります。 その中で、ご家族にとって最も大切なのは「この子にとって何が幸せなのか」を見つめ直すことです。

ここでは、穏やかな最期を迎えるための考え方や、家族ができるサポートについてお伝えします。

治すことよりも「苦しくない」が大切になる

最期の時間においては、治療よりも「痛みや苦しさを取り除く」ことが最優先になります。

☑︎ 無理な検査や処置は控え、安心できる環境を整える
☑︎ 苦しみのサイン(呼吸、体勢、鳴き方)を見逃さない
☑︎ 「この子らしさ」を大切にした関わり方を意識する

そばにいることが、何よりの薬になる

体に触れる、声をかける、一緒に過ごす…。特別なことをしなくても、ご家族の存在は猫にとって大きな安心になります。

☑︎ 「そばにいてくれる」ことが猫の心を落ち着かせる
☑︎ 抱っこよりも、隣にそっと座るだけで十分なこともある
☑︎ 眠るように旅立てる子の多くは、家族の声を聞きながら過ごしている

「良いお別れだった」と思えるように

後悔をゼロにするのは難しいかもしれません。でも、「最期をどう迎えたか」は、ご家族の心を大きく支えてくれるものになります。

☑︎ 「あのときこうしてよかった」と思える場面を増やす
☑︎ できなかったことより、できたことを大切に
☑︎ 悲しみの中にも、あたたかな記憶を残せるお別れを目指しましょう

次はいよいよ最終章、「治療から看取りへ、気持ちの切り替え方」についてお話しします。

 

治療から看取りへ、気持ちの切り替え方

「もう治せないのかもしれない」と感じたとき、胸がしめつけられるような不安や迷いが生まれます。 でもその気持ちは、愛情があるからこそ。ここでは、治療から緩和ケア・看取りへと気持ちを切り替えるヒントをお届けします。

「やめる」のではなく「切り替える」だけ

治療を終える=あきらめる、ではありません。ケアの目的が「治すこと」から「楽にすること」へ変わるだけです。

☑︎ 投薬や処置を減らすことで、穏やかな時間を増やせる
☑︎ 「最後までケアしてあげたい」という思いが支えになる
☑︎ ケアの主役は「命を守ること」から「痛みを減らすこと」へ

正解はひとつじゃない

どんな選択をしても、それはご家族がその子のために悩み、考えた結果です。 「これでよかったんだ」と思える選択肢は人それぞれ違っていて当然です。

☑︎ 他の人と比べる必要はない
☑︎ ご家族が納得できる道を選ぶことが一番大切
☑︎ 自分を責めすぎないで、「いまのこの子の気持ち」に耳を傾けて

看取りを通して気づく“あたたかさ”

最期の時間は、決して悲しいだけのものではありません。 そこには、言葉にできないあたたかさや、絆の深さがあるはずです。

☑︎ 小さな変化を見つけて声をかけるたび、通じ合う感覚が生まれる
☑︎ そばにいることが、自分自身の癒しにもなる
☑︎ 最期まで一緒にいられた時間が、これからの人生の支えにもなる

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。 次は、このテーマのまとめに入ります。

 

まとめ|心筋症と診断された猫と、穏やかに向き合うために

猫の心筋症は、初期の段階ではあまり症状が目立たないことも多く、 「急に苦しそうになった」「病院に行ったら末期だった」と驚かれる飼い主さんも少なくありません。

ですが、心筋症=すぐに亡くなるわけではありません。

✔︎ 内服が難しいときには、注射や皮下点滴での投薬に切り替える選択肢もあります。
✔︎ 胸水抜去がつらい処置である場合は、あえて控える判断もあります。
✔︎ 在宅での酸素ケアを整えることで、病院ではなく「おうちで過ごす時間」を叶えることも可能です。

いまこの瞬間から「何をしてあげられるか」を見つめ直すこと、
そして、治療から穏やかな看取りへと視点を変えることは、 決して“諦め”ではなく、愛情にあふれた選択です。

「最期まで寄り添えた」と思える時間を、一緒につくっていきましょう。

 

猫の心臓病や呼吸の変化が不安なときは、ご相談ください

呼吸が浅くなってきた/ごはんを食べられない/通院が難しくなってきた――

そんなときは、一人で抱え込まずにご相談ください。 往診専門動物病院わんにゃん保健室では、 猫の心筋症や終末期のケアに寄り添った在宅サポートを行っています。

東京都内、23区を中心に往診獣医療を提供しているわんにゃん保健室です。
当院では、ペットにも飼い主様にも安心いただける往診を心がけております。
最良の獣医療をご提供できるよう、今後も務めてまいります。

本日のブログでは、わんにゃん保健室の「行動指針」についてご紹介したいと思います。
獣医療を提供する者として技術や知識も重要ですが、
わんにゃん保健室では「人としての能力」を重視しています。

柔軟な考えで、臨機応変に対応

わんにゃん保健室では「臨機応変」や「柔軟な思考」を大切にしています。

わんちゃんやねこちゃんの診療を行う上で、すべてが想定通りに治療が進むわけではありません。
獣医師として、最善の治療を行うためにご提案する内容があります。
ですが、ペットや飼い主様それぞれの考えがあり、わんにゃん保健室の意向のみで物事を考え進めることはできません。

相手の意向はどうか? 現状はどうか?
想定する行動をとった際に、どのような結果が導かれるか?

そういったことを考慮し、柔軟な思考によって対応していくことが必要となります。

自分自身の信念や考え方を持つことは大切です。
わんにゃん保健室のスタッフも、一人ひとり信念を持って診療にあたっています。
ですが、相手の意見に耳を傾け、全員にとって最善となる方法を検討することがもっと重要です。

そういった「柔軟な思考」や「臨機応変に対応できる力」を大切にしています。

治療への誠実さ、ペット・飼い主様への誠実さ

誠実さは、どういった面でも必要となってきます。
「柔軟さ」「臨機応変な対応」も、相手に対する誠実さの表れのひとつだと考えます。

わんにゃん保健室では、本来の目的を見失わないよう診療にあたっています。
それは、「ペットや飼い主様にとって最善とはなにか?」という点を常に考えることにあります。

獣医療を提供する際に、飼い主様やわんちゃん・ねこちゃんへ誠実に対応することは、より良い獣医療を提供することにつながってまいります。
自分がすべきことを考え、行動する。
その信念のもと、獣医療を提供しております。

素直な心でペット、飼い主様へ接する

何事においても「素直さ」は重要です。
診療に対して、何が必要なのか? を素直な心で考え、飼い主様へ提案することが重要です。

時には飼い主様からご指摘をいただくこともあり、そういった内容に対しても素直に受け取り、今後の診療時の課題としています。

言い訳をせずに真摯に受け止める、と言うのも素直な心が関連していると思います。
前述した「誠実さ」ともつながる話ではありますが、他責思考ではいつまでも当事者意識が生まれず、良い獣医療を提供することは難しいです。

ご指摘がなくとも、飼い主様とのコミュニケーションや対応方法、診療内容で、誤った部分はなかったか?
失礼にあたるようなことはなかったか? そういったことを常に考え、皆様に接しています。

当院では、往診専門の動物病院として
「ペットが最後の時間を家族と迎えられるよう 最大限寄り添った最良の往診獣医療を 最後まで提供していく」
を理念に往診を行っています。

最後まで寄り添い、より良い時間を過ごしていただく。
獣医療のプロフェッショナルとして、共に最良の獣医療を追求していくことが、我々の使命なのです。

ChatGPT Image 2025年7月12日 18_01_19.png

猫の慢性腎不全は、高齢の猫によく見られる進行性の病気です。病気と診断されたばかりの飼い主さんの多くは、「これから何をしてあげればいいの?」「点滴ってどれくらい続けるの?」と、不安や迷いの中にいることでしょう。

皮下点滴は、腎不全においてとても大切なサポート手段です。しかし、それが“いつまで必要なのか”や、“やめるときにどう判断すればいいのか”については、あまり知られていません。

この記事では、腎不全の猫と向き合うご家族に向けて、皮下点滴の役割ややめどき、そして自宅でできる穏やかなケアの選択肢について、獣医師の視点からやさしく、そして誠実にお伝えします。

 

猫の腎不全とは?──初期に知っておきたい基本知識

猫の慢性腎不全(CKD)は、高齢猫に多く見られる進行性の病気です。年齢とともに腎機能が少しずつ低下していくため、はじめのうちは目立った症状が出ないことも少なくありません。

しかし、気づかないうちにゆっくりと病気が進行し、ある日突然、食欲不振や元気消失などの症状が現れることがあります。「年だから仕方ない」と思って見過ごしてしまうケースも多く、発見されたときにはすでにステージが進んでいるということも。

CKD(慢性腎臓病)の主な症状

☑︎食欲の低下、体重減少

☑︎水をよく飲む、尿の量が増える(多飲多尿)

☑︎口臭や吐き気、元気の低下

これらの症状は一見、腎臓とは関係なさそうに思えるかもしれません。しかし腎機能の低下は、老廃物の排出や体内の水分バランスに大きく関わっているため、さまざまな不調として表れるのです。

進行とともに起こる変化

初期のうちは症状が軽くても、病気が進行するにつれて脱水、電解質異常、貧血などの合併症が現れます。また、腎臓がうまく働かなくなることで、食欲や元気の低下だけでなく、吐き気や口内炎、神経症状が出ることもあります。

特にステージ3〜4と進むにつれて、症状は日常生活に影響を及ぼすレベルになってきます。猫の体調を細かく観察し、早期に対応することがとても重要です。

命を脅かす合併症とは

☑︎重度の脱水によるショック

☑︎尿毒症による意識障害やけいれん

☑︎高カリウム血症による不整脈や心停止

これらの合併症は命に関わることもあるため、見逃さず早めのケアを行うことが大切です。猫の腎不全は進行性ではありますが、早い段階で見つけ、適切な対応をすれば穏やかに過ごすことも可能です。

次は、そんな腎不全において重要なサポートとなる「皮下点滴」について詳しくご説明します。

 

皮下点滴の役割と目的

猫の慢性腎不全において、皮下点滴(皮下補液)はとても重要なケアの一つです。とくに自宅でできる医療サポートとして、多くの飼い主さんに実践されている方法です。

腎臓の機能が低下すると、老廃物をうまく排出できなくなり、脱水や電解質の乱れが生じやすくなります。皮下点滴は、これらの問題を和らげるためのサポート手段です。

水分バランスの補正と脱水の予防

腎臓がうまく働かないと、尿として水分を排出する一方で、必要な水分を体内に保持できなくなります。これにより慢性的な脱水状態になりやすく、体調が不安定になります。

皮下点滴を行うことで、水分をゆっくりと体内に吸収させ、脱水の予防と体調の安定を図ることができます。

老廃物の排出サポート

腎不全では、血液中に老廃物(尿素窒素やクレアチニンなど)が蓄積していきます。皮下点滴により水分量が増えると、残っている腎機能によって老廃物の排出が促進されます。

その結果、吐き気やだるさといった尿毒症の症状が軽減されることもあります。

薬剤投与の手段としての点滴

腎不全の進行により、内服が難しくなることもあります。そんなとき、皮下点滴のルートを使って鎮痛薬や制吐剤、ビタミン製剤などを注射で投与することができます。

「水分補給」だけでなく、「薬剤投与の手段」としての役割もあるため、特に終末期では大切なサポートとなることがあります。

このように、皮下点滴は腎不全の猫の体調を支える大切な手段です。しかし、続けていく中では「本当に今の量や頻度で大丈夫なのか?」と疑問を感じることもあるかもしれません。

次は、皮下点滴を始めるタイミングや、その判断基準について解説していきます。

 

皮下点滴を始めるタイミング

猫が腎不全と診断されたとき、「今すぐ皮下点滴を始めたほうがいいのか?」と悩む飼い主さんは多いと思います。点滴にはメリットもありますが、必要なタイミングで適切に始めることがとても重要です。

ここでは、皮下点滴を始める目安や判断基準についてご紹介します。

血液検査で見るべき数値

皮下点滴を始めるかどうかは、血液検査の結果が重要な判断材料になります。以下のような数値が一定の基準を超えると、皮下点滴の導入が検討されます。

☑︎ BUN(尿素窒素)が30~40mg/dL以上
☑︎ Cre(クレアチニン)が2.0mg/dL以上
☑︎ リン値の上昇や脱水所見がある

これらは一例であり、数値だけでなく全体の体調や症状とあわせて判断する必要があります。

食欲・飲水・排尿のチェックポイント

血液検査に加えて、日々の様子も重要なサインになります。以下のような変化が見られる場合、皮下点滴が有効なケースがあります。

☑︎ 水をよく飲むのに、脱水症状が見られる
☑︎ 食欲が落ちてきた、嘔吐がある
☑︎ 排尿回数や量が増えている(多尿傾向)

これらは、体内の水分と老廃物のバランスが乱れているサインかもしれません。

獣医師の指示で始める重要性

皮下点滴は、自己判断で始めたり、市販の情報だけで独自に量を決めて行うと、かえって危険なこともあります。

例えば、心疾患を抱えている猫の場合、過剰な点滴が呼吸困難や胸水の原因になることがあります。腎臓だけでなく、全身の状態を診たうえで獣医師が判断することが大切です。

特に在宅での点滴を検討している場合には、一度は対面診察を受け、適切な方法や量について指導を受けるようにしましょう。

次は、皮下点滴を続けていく中で気をつけたいポイントについてご紹介します。

 

皮下点滴を続ける際に気をつけたいこと

皮下点滴は猫の体調を安定させるために役立ちますが、「一度始めたらずっと続ける」というものではありません。猫の状態に合わせて、適切な量や頻度を見直していくことがとても大切です。

このセクションでは、点滴を続ける際に注意すべきポイントについて解説します。

投与量と頻度の目安

一般的な目安としては、30ml/kgが基本量とされます。たとえば体重4kgの猫であれば、1回120ml前後が標準的です。ただし、腎不全の進行度や他の持病によって調整が必要になることもあります。

☑︎ 初期は週2〜3回からスタート
☑︎ ステージの進行に応じて1日おきや毎日へ
☑︎ 循環器系疾患がある場合は少量ずつ慎重に

自己判断で量を増やすことは危険なので、必ず獣医師と相談して調整していきましょう。

飼い主さんが見落としやすいリスク

皮下点滴はメリットの多いケアですが、続ける中で以下のようなリスクにも注意が必要です。

☑︎ 皮膚の腫れや硬化(繰り返し同じ場所に刺すことによる)
☑︎ 呼吸が浅くなる、苦しそうにする
☑︎ 点滴後にぐったりしている

これらは、点滴の量や頻度がその子の体に合っていない可能性があります。違和感を覚えたら、早めに動物病院へ相談しましょう。

在宅ケアにおける観察ポイント

ご自宅で皮下点滴を続ける場合には、次のような点に注意して日々の様子を見てあげてください。

☑︎ 点滴後の呼吸の変化や落ち着き具合
☑︎ 食欲・排尿の量と回数
☑︎ 点滴部位のしこりや痛がる様子

日常的に猫の“いつもと違う”を見逃さないことが、過剰投与や体調悪化の早期発見につながります。

次は、皮下点滴の「やめどき」をどう見極めるかについて、具体的に解説していきます。

 

皮下点滴のやめどきはいつ?

皮下点滴は腎不全のケアとして有効ですが、猫の状態によっては「やめる/緩める判断」が必要になることもあります。

多くの飼い主さんが「やめたら命に関わるのでは」と不安になりますが、やめることが=諦めること、ではありません。むしろ、その子の体にとって無理のないケアを選ぶために、「やめるタイミング」を見極めることが大切です。

やめる=諦めるではないという考え方

皮下点滴をやめるという判断は、ケアを放棄することではありません。その子のQOL(生活の質)を守るために、必要以上の処置を控えるという立派な選択です。

☑︎ 点滴による体への負担が大きくなってきた
☑︎ 点滴のたびに強いストレスや痛みを感じている
このような変化がある場合、やめることも「その子らしく過ごす」ためのひとつの手段になります。

呼吸状態・浮腫・尿量の変化

皮下点滴が合わなくなってきているサインは、身体にも現れてきます。以下のような症状があるときは、点滴の見直しや中止を検討する時期かもしれません。

☑︎ 呼吸が浅く苦しそう、腹式呼吸が強くなっている
☑︎ 四肢やお腹がむくんでいる(浮腫)
☑︎ 尿量が極端に減ってきている

これらは体内に水分がうまく排出できなくなってきているサインです。

ご家族と獣医師で見極めるサイン

「やめた方がいいのかも」と感じたら、決して一人で抱え込まず、かかりつけの獣医師と相談してください。可能であれば対面診察を受け、猫の全身状態を診てもらいましょう。

☑︎ 点滴が本人にとって“つらい時間”になっていないか
☑︎ ご家族に強い不安や負担がないか
☑︎ 別の方法で穏やかに過ごせるサポートがないか

やめることは「何もしない」ではなく、「今の状態に合ったケアを再選択すること」です。

次は、実際に皮下点滴をやめる際に注意すべき点や、安全に進めるためのステップについて解説します。

 

皮下点滴をやり続けるリスクと過剰点滴の落とし穴

皮下点滴は有効なサポートである一方、「やりすぎ」によるリスクも無視できません。特に、漫然と続けてしまった場合、かえって猫の体を苦しめてしまう可能性もあるのです。

このセクションでは、皮下点滴を過剰に行うことで起こりうる問題や、注意すべき症状について詳しく解説します。

過剰な皮下点滴で起こること

点滴の量や頻度が猫の体に合っていない場合、次のようなトラブルを引き起こすことがあります。

☑︎ 胸水や肺水腫による呼吸困難
☑︎ 四肢やお腹のむくみ(浮腫)
☑︎ 点滴後に苦しそうにする、動かなくなる

「なんとなく続けていた」点滴が、実は猫の呼吸を圧迫していたというケースも珍しくありません。

こんなケースは要注意

以下のような状態に心当たりがある場合、過剰輸液(点滴のやりすぎ)になっている可能性があります。

☑︎ 点滴後に呼吸数が増えている
☑︎ 排尿量が極端に減っているのに、点滴を続けている
☑︎ 点滴量や頻度を長期間見直していない

獣医師に相談し、身体に合わせた量へと調整する必要があります。

対面診察のもとでの調整が大切な理由

在宅で点滴を続けていると、「このままでいいのかな?」と感じることもあるでしょう。ですが、見た目では分からない異変が起きていることもあります。

☑︎ 本当に今の量・頻度で体に合っているのか
☑︎ 呼吸や循環器に問題が出ていないか
☑︎ 点滴以外にできるサポートがあるか

対面で診察を受けることで、より正確な判断が可能になります。必要に応じて血液検査や聴診、触診などを行い、その子に合ったケア方法を見直していきましょう。

次は、皮下点滴をやめた後にどのようなケアができるのかについてお話します。

 

皮下点滴をやめた後のケアと過ごし方

皮下点滴をやめると決めたあとも、「本当にやめてよかったのかな」「これからどうケアすればいいんだろう」と不安になる方も多いでしょう。

ここでは、点滴をやめたあとにできるサポートや、日々気をつけたいポイントについてご紹介します。

食事・水分補給の工夫

点滴の代わりに、水分や栄養を少しでも摂れるような環境づくりが大切です。

☑︎ ウェットフードやスープタイプのフードを活用する
☑︎ 自動給水器やぬるま湯など、飲みやすい環境を整える
☑︎ 少量でも食べられるフードを複数用意する

食欲や飲水量が落ちている場合も、「食べやすさ・飲みやすさ」の工夫で改善することがあります。

体調の変化をどう観察するか

点滴をやめたあとは、脱水や尿量の変化、食欲低下などに注意を向けておきましょう。

☑︎ 皮膚のハリ(テントテスト)で脱水のサインを見る
☑︎ 歯茎の色や湿り具合を確認する
☑︎ 排尿の回数・量に変化がないかを記録する

これらのサインを日常的にチェックしておくと、異変に早く気づくことができます。

穏やかに見守るケアの心がまえ

皮下点滴をやめたあとは、“何かをしなくては”というプレッシャーを感じがちです。でも大切なのは、猫ができるだけ快適に、そして穏やかに過ごせることです。

☑︎ 静かな場所で休める環境を整える
☑︎ 声をかけたり撫でたり、安心感を与える
☑︎ 点滴がなくても「そばにいること」がいちばんのケア

飼い主さんの不安や葛藤も自然な感情です。ひとりで抱えずに、信頼できる獣医師や在宅ケアの専門家に相談しながら、その子らしい時間を支えていきましょう。

次は、通院が難しくなったときに選択肢となる「在宅緩和ケア」についてご紹介します。

 

在宅緩和ケアという選択──最期までその子らしく

病気が進み、通院が難しくなったとき、選択肢のひとつとして「在宅緩和ケア(ターミナルケア)」があります。これは、積極的な治療ではなく、痛みや不快感をやわらげながら、その子らしく最期の時間を過ごせるようサポートするケアです。

通院が難しくなったときの選択肢

腎不全が進行すると、移動や診察自体が大きな負担になることがあります。そんなときに在宅でのケアが選択できると、猫もご家族も穏やかに過ごせます。

☑︎ 車の移動や待合室でのストレスがなくなる
☑︎ 猫が安心できる「いつもの場所」で診療を受けられる
☑︎ 病院に行けないからといって、ケアを諦めなくていい

家族とともに過ごす最期の時間

最期まで一緒にいたい──これは多くのご家族の願いです。在宅緩和ケアでは、治療よりも「一緒にいる時間」や「過ごし方」に重きを置きます。

☑︎ 点滴や投薬を必要最低限にして、苦痛を減らす
☑︎ 食べられるものを一緒に探してあげる
☑︎ 不安や痛みをやわらげるケアを一緒に選んであげる

穏やかな時間の中で「ありがとう」と伝える準備ができることも、在宅ケアの大きな意味です。

往診専門動物病院に相談するメリット

在宅緩和ケアは、獣医師との連携がとても大切です。往診を専門とする動物病院では、その子の状態に合わせたサポートが受けられます。

☑︎ 必要に応じて点滴や投薬の調整を受けられる
☑︎ ご家族の不安や悩みに寄り添ったアドバイスがもらえる
☑︎ 看取りの時期も含めて「最後まで一緒に考えてくれる」

「もう病院には行けないけど、まだやってあげられることはある」──そう思えることは、ご家族にとっても大きな支えになるはずです。

次は、この記事のまとめとして、皮下点滴のやめどきと穏やかなケアについて整理します。

 

まとめ|皮下点滴のやめどきと穏やかなケアを考える

猫の腎不全における皮下点滴は、進行する病気と上手に向き合うための大切なケアです。

しかし、点滴を「いつまで続けるか」「そろそろやめるべきか」と迷ったときは、治療のゴールを見直す大切なサインでもあります。

☑︎ 点滴は延命のためだけではなく、生活の質を守る手段
☑︎ やめる判断は「諦めること」ではなく、「その子らしさ」を大切にする選択
☑︎ 獣医師と一緒に、猫と家族にとってベストなケアを考えることが何より大切

ご家族が「本当にこれでよかったのか」と迷わないように──。 猫ちゃんが「ありがとう」と安心して旅立てるように──。

点滴をやめるかどうかは、“手放す”のではなく“寄り添い方を変える”ということ。 その一歩を、どうか一緒に考えていきましょう。

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