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終末期のペットがご飯を食べなくなったら(選択の向き合い方と在宅緩和ケア)

ペットが終末期に入り、ご飯を食べなくなる場面に直面したとき、ご家族の心には「何かできることはないのか」と不安が募るかもしれません。特に犬や猫のご飯を食べる姿は、「元気の象徴」ともいえる日常の一コマ。食べない姿を見てしまうと、戸惑いや悲しみを感じるのは自然なことです。

 

しかし、終末期において「食べない」という行動は、その子にとって自然な体の変化の一部かもしれません。このブログでは、ペットの終末期にご飯を食べなくなる理由と、それに対してどのような選択肢があるのかを解説します。また、在宅緩和ケアやターミナルケアという視点から、犬や猫の苦痛を減らし、穏やかな最期を迎えるためにご家族ができることをお伝えします。

 

もし、ご家族が「何がその子にとって最善なのか」を悩んだときに、今回の記事が少しでも道しるべになることを願っています。最後には、在宅医療や往診対応についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

 

1. 終末期のペットに訪れる変化とは?

 
ご飯を食べなくなる理由:自然な体の変化
終末期に近づくと、犬や猫などのペットがご飯を食べなくなる場面が見られることがあります。この変化は、ご家族にとって大きな不安や戸惑いをもたらしますが、決して珍しいことではありません。  
 
体の中では、次のような自然な変化が起きています:  

1. 代謝機能の低下

   - 終末期にはエネルギーの必要量が減少します。これに伴い、体が栄養を求めなくなるのです。  
 

2. 消化機能の衰え

   - 食べ物を消化する力が弱くなり、食べる行為そのものが体に負担になることがあります。  

3. 病気の進行

   - がんや慢性疾患など、体力や臓器の機能が著しく低下することで、食べ物を受け付けなくなることがあります。  
 
これらは病気の進行や体の自然な終末期プロセスの一部であり、「何かを間違えたのではないか」というご家族の不安とは無関係であることを理解しておきましょう。  
 
 
無理に食べさせることが与えるストレス
「ご飯を食べないと弱ってしまう」という考えから、無理に食べさせようとすることがペットにストレスを与えることがあります。例えば:  
 

1. 経鼻チューブによる強制給餌

   チューブを鼻から通すことで、栄養を直接胃に送り込む方法です。しかし、装着時の不快感が強く、ペットにとって大きなストレスとなる場合があります。  
 

2. 無理やりの給餌(=強制給餌)

   口を無理に開けて流動食を与えることは、ペットに恐怖心や拒否反応を与え、関係性にも影響を及ぼすことがあります。  
 
ペットの体が必要としない状況でこれらの対応を行うことは、結果的にペットの生活の質(QOL)を低下させる可能性があるため、慎重な判断が必要です。  
 
 
「食べない」ということを受け入れる視点
終末期において、ご飯を食べないことは、体が「次のステージ」へ移行するサインともいえます。この時期に重要なのは、ペットの体の声に耳を傾け、ご家族がその変化を受け入れる準備を整えることです。  
 
ご飯を無理に食べさせるのではなく、ペットが安心できる環境や寄り添う時間を増やすことが大切です。  
次のセクションでは、どのような選択肢を考えるべきか、そしてその選択に向き合う方法について詳しくお伝えします。
 
 
 

2. 選択肢と向き合う:何がその子にとって最善か?

 
経鼻チューブや強制給餌のメリットとデメリット
ご家族が「何とかして食べさせたい」と考えるのは自然なことです。特に、経鼻チューブや強制給餌といった方法は、栄養を補給する手段として考えられることがあります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、慎重な判断が必要です。  
 
1. 経鼻チューブ  
   - メリット:栄養を直接胃に送ることができ、消化吸収が比較的スムーズに行われる。  
   - デメリット:装着時の不快感や違和感が大きく、ペットがストレスを感じることが多い。  
 
2. 強制給餌  
   - メリット:少量でも栄養を摂取させることができる。  
   - デメリット:口を無理やり開ける行為がペットにとって恐怖となり、拒否反応を強める可能性がある。  
 
これらの方法は、一時的に栄養を補給する手段として役立つ場合もありますが、終末期のペットにとって「苦痛を伴わないか」を軸に選択を検討することが大切です。  
 
 
 
ご家族の覚悟と選択の重要性
終末期のケアでは、ペットの体の状態だけでなく、ご家族の気持ちや覚悟も重要な要素です。「最善の選択」とは、ご家族がペットの声に耳を傾け、どんな時間を共有したいかを真剣に考えることで導かれます。  
 
1. 命を優先するか、苦痛を減らすか
   - チューブや強制給餌で栄養を補給することがその子にとって苦痛となる場合、あえて「何もしない」という選択肢も考えられます。  
 
2. できる限り穏やかな時間をつくる
   - 栄養の補給よりも、ペットがリラックスできる環境を整えることで、安心して最期の時間を過ごせるようにします。  
 
 
「何もしない」という選択肢も尊重する
時には、「無理をしない」という選択が、ペットとご家族にとって最善となる場合があります。例えば:  
- 無理に食べさせるのではなく、ペットが望むように過ごさせる。  
- 食べられる間はお気に入りの食事を少量でも楽しませる。  
 
これらの選択肢は、「諦める」わけではなく、ペットの自然な体の変化を受け入れ、ご家族が寄り添うという意味があります。  
 
次のセクションでは、ペットが食べられなくなったとき、どのように最期の時間を過ごすか、その具体的な方法をご紹介します。
 
 

3. 最後の時間をどう過ごしたいかを考える

 
食事が取れない時期にできること
ペットがご飯を食べられなくなった終末期では、食事以外で「その子にできること」を考えることが重要です。この時期に注目すべき点は、栄養の補給ではなく、生活の質(QOL)をいかにして守るかです。  
 
1. 水分の補給を優先する
   - 喉が渇いているような仕草が見られた場合、小さなスプーンやシリンジで水や薄めたスープを与えることができます。  
   - 皮下点滴を活用し、脱水を防ぐことも選択肢の一つです。  
 
2. リラックスできる環境を整える
   - 静かで落ち着いた場所に寝床を用意し、ペットが自分のペースで休めるようにします。  
   - 温度や湿度を調整し、快適な環境を提供します。  
 
3. 好きなものに触れさせる
   - おもちゃやタオルなど、ペットが愛用していたものをそばに置くことで安心感を与えます。  
   - ご家族の声や匂いを感じられる時間を増やします。  
 
 
ペットが安心して過ごせる環境作り
終末期のペットにとって、最も大切なのは「心が落ち着ける場所」です。以下のような方法で、安心できる環境を提供しましょう:  
 
1. 視覚と聴覚に配慮する
   - 照明を柔らかくし、静かな音楽やご家族の優しい声で安心感を与えます。  
   - 過剰な刺激を避け、穏やかな雰囲気を保ちます。  
 
2. 触れることで伝える愛情
   - 優しく撫でたり、背中を包み込むように触れることで、言葉では伝えられない安心感を与えられます。  
   - 体調が許せば、一緒に横になるのも良い方法です。  
 
3. ペットのペースを尊重する
   - 食べる、休む、撫でられるなど、すべてペットが望むペースで進めることが重要です。  
   - 無理に起こしたり、触れることは避けましょう。  
 
 
家族全員で見守ることの大切さ
ペットにとって、ご家族がそばにいることは何よりも大きな安心感を与えます。以下のような行動が、ペットとご家族の絆を深める時間構築に役立つと考えています。 
 
1. 一緒に過ごす時間を増やす
   - 忙しい時間を少しだけペットに割いて、そばに寄り添うようにします。  
   - 特別なことをしなくても、ただ一緒にいるだけでペットの心が落ち着きます。  
 
2. 最後の時間を全員で共有する
   - 家族全員が順番に話しかけたり触れたりすることで、ペットが愛されていると感じられる時間を作ります。  
 
3. 静かで温かい空間を保つ
   - 笑顔と優しい声を絶やさず、ペットが最期まで安心していられるよう心がけます。  
 
次のセクションでは、「一度選んだ道を変えることもできる」という視点から、選択に迷ったときの再検討やケアの見直し方法についてお伝えします。
 
 

4. 一度選んだ道を変えることもできる

 
選択に迷ったときに振り返るポイント
終末期のケアでは、「これが正しい選択なのか」と迷う瞬間が必ず訪れます。最初に選んだ道が、その子にとってベストだと思ったとしても、病状の変化や状況によって選択を変えることは決して間違いではありません。  
 
以下のポイントを振り返りながら、選択を見直すことも大切です。
 
1. ペットの体の声を聞く
   - 痛みや苦しみが強い場合は、ケアの方針を緩和ケアやターミナルケアに切り替えるタイミングかもしれません。  
   - 呼吸が荒い、無理をしている様子があれば、より負担の少ない方法を検討します。  
 
2. ご家族自身の気持ちを確認する
   - 「もっとこうしてあげた方が良いのでは」という不安がある場合は、その思いをご相談ください。  
   - ケアを見直すことで、心の負担が軽減される場合もあります。  
 
3. 専門家に相談する
   - 獣医師や往診の専門家に相談し、今後のケアプランを再構築するのも一つの方法です。  
 
獣医師との相談でケアの方針を再調整
ケアの方向性に迷ったときは、一人で悩まず、専門家と話し合うことが重要です。以下のような内容を獣医師に相談することで、状況を再確認できます。
 
1. 現在の状況についての評価
   - ペットの病状や苦痛の程度を共有し、医療的な対応が必要かを確認します。  
 
2. 現実的なケアの選択肢
   - 現在のケアがその子にとって最善か、別の方法があるのかを具体的に話し合います。  
 
3. 在宅でできるケアの幅を広げる
   - 往診や在宅緩和ケアの導入を検討し、ご家族が無理なく続けられるケアプランを提案してもらいます。  
 
 
「やり直せる」から安心して選択を
一度選んだケアの方針を変えることは、決して「間違いを認めること」ではありません。それはむしろ、その子に寄り添い続ける愛情の証です。  
 
1. 柔軟に対応する気持ちが大切
   - ペットの状況は日々変化します。選択肢を柔軟に変えることが、ペットの生活の質を高めることに繋がります。  
 
2. どの選択肢も愛情からのもの
   - チューブや給餌を選んでも、あえてしない選択をしても、すべてはペットを思ってのことです。その気持ちを大切にしましょう。  
 
3. 不安をため込まない
   - ケアを変更する際に生じる迷いや不安は、獣医師やご家族と共有し、解消する努力を続けることで、安心して進むことができます。  
 
 
次のセクションでは、在宅緩和ケアやターミナルケアの具体的な内容について詳しく解説し、ご家族がペットと穏やかに過ごせる環境づくりを提案します。
 
 

5. 在宅緩和ケアとターミナルケアのすすめ

 
在宅緩和ケアでできること
在宅緩和ケアでは、ペットが慣れ親しんだ自宅という安心できる環境で、終末期を穏やかに過ごせるようサポートします。ご家族がペットの苦痛を和らげ、心穏やかに過ごすためには次のようなケアが可能です。
 
1. 痛みや不快感の緩和
   - 鎮痛剤や安定剤を使用し、苦痛を最小限に抑えます。  
   - 呼吸が苦しい場合は酸素発生装置を導入し、呼吸をサポートします。  
 
2. 食べられないときの栄養管理
   - 内服薬が難しくなった場合には、皮下点滴で水分や薬剤を補給します。  
   - 無理に食事を与えるのではなく、ペットの状態に合わせた柔軟な対応を行います。  
 
3. 生活の質(QOL)を守るための工夫
   - 静かで落ち着いたスペースを用意し、ペットが安心して過ごせる環境を整えます。  
   - ご家族がそばにいる時間を増やし、声をかけたり撫でたりすることで、愛情を伝えます。  
 
 
ターミナルケアの意義
ターミナルケアは、ペットの最期を迎える時間を、できるだけ穏やかで温かなものにするためのケアです。
 
1. 体調の変化に対応する準備
   - 呼吸が苦しくなる可能性がある場合、酸素供給の準備を整えます。  
   - 急な体調変化に備え、内服薬が使えない場合に対応できる注射薬を用意します。  
 
2. 最期の時間を大切にする
   - 飼い主様がペットのそばに寄り添い、ペットが安心して旅立てる環境を提供します。  
   - 穏やかな時間を保つために、獣医師からの具体的なアドバイスを受けることができます。  
 
3. 心の準備を支えるサポート
   - ペットの最期に向き合うための心構えや、見守り方についてアドバイスを提供します。  
   - 最期を迎えた後の心のケアもサポートします。  
 
 
ご家族とペットが穏やかに過ごすために
在宅緩和ケアやターミナルケアを選ぶことで、ペットとご家族が過ごす最後の時間を穏やかなものにすることができます。このケアは、以下の点でご家族の負担を軽減しつつ、ペットの生活の質を守ります。
 
1. 往診による負担軽減
   - 通院のストレスをなくし、自宅で必要なケアを受けることができます。  
 
2. 柔軟な対応
   - ペットの状態やご家族の希望に合わせたオーダーメイドのケアを提供します。  
 
3. 飼い主様の不安を軽減
   - ケアの方法や緊急時の対応を詳しく説明し、安心して見守ることができるようサポートします。  
 
次のセクションでは、東京23区での往診対応について、当院が提供する具体的なサービスをご紹介します。
 
 

6. 東京23区での在宅ケアなら当院へ

 
往診専門の在宅緩和ケアでペットの安心をサポート
当院では、東京中央区をはじめとした東京23区全域で、犬や猫の在宅緩和ケアやターミナルケアを行っています。通院が難しいペットや終末期のケアが必要なご家族に寄り添い、自宅でできる最善の医療を提供することを目指しています。  
 
1. 通院が困難なペットに対応
   - 高齢のペットや、体調が悪化しているペットにとって、通院は大きな負担となります。当院の往診サービスなら、ペットが慣れた環境で診察や治療を受けられます。  
 
2. 柔軟なケアプランを提案
   - 飼い主様のご希望やペットの状態に合わせて、ケアプランを柔軟に設計します。酸素環境の整備や皮下点滴の導入など、在宅でできることを最大限活用します。  
 
3. 急変時のアクションプランをサポート
   - 心嚢水や胸水の貯留が予測される場合、適切な処置と家族が取るべき行動を事前にお伝えします。  
 
 
往診が選ばれる理由
往診を選ぶことで、ご家族とペットに次のようなメリットがあります:  
 
1. ペットのストレスを最小限に
   - 自宅での診療は、ペットにとって最もリラックスできる環境です。特に終末期では、穏やかな時間を保つために大きな役割を果たします。  
 
2. 移動の負担を軽減
   - 大型犬や高齢猫にとって、通院の移動は体力を消耗するだけでなく、病状を悪化させる可能性があります。往診なら、その負担を完全に取り除くことができます。  
 
3. 診療内容の充実
   - 当院では、在宅でも超音波検査や心嚢水抜去、皮下点滴などの専門的な処置が可能です。  
 
 
当院の診療区域と対応可能なケア
東京中央区を中心に、東京23区全域で往診を行っています。対応可能なケア内容は以下の通りです。
 
1. 在宅緩和ケア
   - 内服薬や注射薬、酸素環境の整備を通じて、ペットの苦痛を軽減します。  
 
2. ターミナルケア
   - 最期の時間を安心して迎えられるよう、緩和的なケアを提供します。  
 
3. 診療後のサポート
   - ケアの方法や不安な点について、診療後もご相談を受け付けています。  
 
 
穏やかな時間を大切にするために
終末期を迎えたペットにとって、安心できる環境で家族と過ごすことが何よりも大切です。通院が難しい、在宅ケアを検討しているというご家族の方は、ぜひ一度ご相談ください。  
 
東京中央区をはじめ、23区全域で往診対応可能です。
まずはお電話またはお問い合わせフォームから、ペットの状況についてお聞かせください。一緒に最善のケアを考えていきましょう。  
 
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