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がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)3-4①

今回は、前回に引き続き、左鼻腔内腫瘍を発症した猫ちゃんのお話です。

前のブログは以下からどうぞ!

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)1-4

・がんになった猫の在宅緩和ケアと看取り(腫瘍/癌(がん)/ペット往診)2-4

 

愛犬、愛猫が病気であることを知り、まずは治療に向けてどう歩んでいけばいいのかを探すことと思います。

 

模索している間、きっと飼い主様の精神状態はズタボロで、何をしてあげるのが正解なのかわからずに、ただひたすらかかりつけの動物病院に足を運び検査をお願いしたり、インターネットで同じような症状の犬猫がいないかを探すことかと思います。

 

中には通院すら難しく、ぐったりした段階ですでに看取りを覚悟されるご家族様もいます。

 

最初から、すでに手遅れな状態だとわかったり、老化現象の一環での生命維持活動が弱まっているだけとわかればいいのですが、そこは検査をしてみなければわかりません。

 

そして検査はどんどんステップアップし、途中で必ず考えさせられることがきっと出てくることと思われます。

 

「どこまでやるべきなのか」

 

「この検査って誰のため?この子のためなのか、それとも理解したいというあなた自身のためなの。」

 

立ち止まるのもまた勇気がいることです。

 

検査が嫌な猫.png

 

もう攻めた検査はせずに、余生をゆっくりと過ごさせてあげるための最小限にとどめ、できる限り苦痛なく過ごさせてあげたいと考えた時点から、緩和ケア、そしてターミナルケアが始まります。

 

前回に引き続き、左鼻腔内腺癌の猫ちゃんのお話です。

 

初診で血液検査を行えましたので、翌日の再診となる今回は、そのデータを用いたお話です。

 

そして、今回の最大のテーマは、「急変時」です。

 

急変時はどうするべきなのか、については、その時になって考えるのでは遅いです。

 

どんなことが起こりうるのかを想定し、それに対して事前にある程度決めておくこと。

 

しかし、登場人物が多ければ多いほど、その意見は分かれてきてしまい、それらが交わらなければ、何もできないまま、ないも決められないまま、その時を迎えるのを待っているようなものです。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、できれば意思決定ができるご家族様全員が揃うように診察日程を調整しています。

 

私たちが想像できる事象に対し、どんなアクションを取ると、どんなメリット・デメリットが生じるのかを説明させていただき、それらを飲み込んだ状態で、ご家族様で話し合ってもらいます。

 

今回は、お母さんとお姉さんの2人です。

 

院内血液検査結果から、重度の貧血と黄疸、腎数値の大幅な上昇を認めました。

 

早速参ります。

 

再診(初診の翌日)

お伺いすると、猫ちゃんは昨日と変わらずゆっくり、ズビズビ音を立てながら挨拶に来てくれました。

 

追加の酸素発生装置とボンベも到着しており、酸素の運用方法について詰めてご説明させていただきました。

 

さて、本日は血液検査結果から想定される「急変リスク」についてです。

 

血液検査結果から急変のリスクが高いことをお伝えし、どんな症状を出す可能性があるかをご説明させていただきました。

 

ここで、先代の猫ちゃんが、最後に重度の痙攣発作を伴って亡くなったということがトラウマであることをお伺いできました。

 

痙攣発作は、意識を伴ったままのものと、意識すら飛ばしてしまう大きなものに別れ、放っておいても止まりますが、もしかするとそのまま旅立ってしまうかもしれないし、もし止まるのであれば、早期に止めてあげた方が、発作後の生活に支障が少ないように感じています。

 

発作止めがあることを説明しましたが、先代猫の時にそんな話をしてもらえなかったと辛い胸の内を聴かせていただきました。

 

なぜ説明がなかったのかは存じませんが、動物病院で獣医師として立っている以上、しっかりと説明して、飼い主様の理解をもらえるよう努力すべきだと、強く感じました。

 

きっと、その獣医師は忙しさを理由に、説明を省いたのだと解釈しています。

 

獣医師側の気持ちもお察ししますが、ちゃんと責務を全うしてほしいと思いました。

 

今回は、発作止めがあり、それがどんな風に作用するのか、投与経路も3つあって、お母さんとお姉さんに選択しただけることをお伝えしました。

 

発作が起きた時、本当であれば発作中に投与することが一番いいのですが、なかなかハードルが高いことと、その場に誰が立ち会えるのかで話が変わってきます。

 

何より、急変時の対応に対して「やらなきゃいけない」という切迫観念を持って過ごしてしまうと、人間側が簡単にガス欠を起こして精神衰弱となり壊れてしまいます。

 

できる範囲でできることをやればいいんですよ、ということを心がけ、それが正しいと肯定することが、私たち往診専門獣医師の大きな仕事の一つです。

 

お母さんは針刺が怖いため、点鼻タイプと坐薬タイプを選択され、お姉さんは針刺が一番楽という意味合いから注射タイプを希望されました。

 

発作って、3タイプに大きく分類できると考えています。

 

すぐに止まる発作と、なかなか止まらない発作、止まらない発作。

 

学術的な話を出すととても複雑になりますが、結局現場ではこの3つです。

 

そして、ご家族様を深く傷つけ、トラウマにするのが、「止まらない発作」です。

 

うちの子は苦しんで死んでいった。

 

もし今そう思っているのであれば、ここで訂正させてください。

 

止まらない発作であれば、きっとすでに早期段階から意識がないはずです。

 

苦しかったかどうかは本人でなければわかりません。

 

ただ、その姿を見て苦しがって死んでいったと断言する必要はないです。

 

その姿は、その子が最後まで頑張って生きていった証です。

 

そして、その姿をちゃんと最後まで見守り続けられたという、飼い主としての最後のお勤めを終えられたという、むしろ勲章に値することです。

 

あなたに見守られながら旅立つことができた子は、何より幸せだったと思います。

 

だから、もう自身を責めないでください。

 

発作に対しては発作止めがあり、また日常的にボ〜ッとさせてあげることで、発作の頻度を減らすことにつながるかもしれない方法もあります。

 

今回は、お母さんもお姉さんも先代の発作がトラウマだったため、もし発作が出たら頓服で止めていただき、次の点滴から安定剤を常時投与してあげる方針としました。

 

発作止め.png

 

もしもの話を1回でまとめようと思ったのですが、全然書ききれなかったので、この回だけボリュームが多くなると思います(>_<)

 

犬猫と暮らしているご家族様にとって有益となるブログになれるよう頑張りますので、是非お付き合いください^^

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