こんにちは!
今日は発作が続いている猫ちゃんのお話です。
往診専門動物病院では、発作を主訴に多くに猫ちゃんの飼い主様からご依頼をいただきます。
往診で発作の猫ちゃんにあった時には、初診での問診が最重要課題となってきます。
・発作を認めたのはいつが最初か
・頻度
・発作の継続時間
・発作中の猫ちゃんの様子
・発作前後の猫ちゃんの様子
その他、細部に渡った問診を行っていきます。
お勧めのまとめ方は、こんな感じです。
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◯月◯日
◯◯:◯◯ 何となく変な行動あり(←後付けでも大丈夫です。獣医師としてはストーリーが見たいだけです。)
◯◯:◯◯〜◯◯:◯◯ 激しく痙攣、失禁、脱糞、呼びかけにも反応なし(←発作中は大きな声で呼びかけるのはNGですので、ご注意ください。動画が撮れたら◎)
◯◯:◯◯ 歩き出した
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そして、発作を止めるために使う薬の多くが内服薬であるため、その猫ちゃんが内服薬を受け入れてくれるかどうかも重要なポイントです。
問診で発作に関する様子をお聞きする上で、もし可能であれば、発作前から発作中、発作後の様子を動画で残していただけると診療の参考になります。
問診が終わると、次は血液検査です。
往診専門動物病院の多くが、飼い主様に保定をしてもらうことが多いのですが、保定には本来技術が必要とされるため、うまく抑えられたとしても犬猫にとってはストレスであったり身体的な負担になったりします。
往診専門動物病院わんにゃん保健室では、往診獣医師だけでなく訪問に特化した動物看護師が一緒にご訪問させていただくため、飼い主様はもちろん、ペットに対する負担も最小限になるように診療を実施することを目標に、日々診療しております。
血液検査を始め、超音波検査なども、今後も繰り返して実施していくことを考えると、あまり無理な保定で実施することはお勧めできません。
複数にわたって採血を行うことがペットにとって身体的・精神的負担となってしまうため、わんにゃん保健室では、1回の採血でなるべく広めに検査項目をみていきます。
項目に関しては、都度担当している往診獣医師にご相談ください。
血液検査が終われば、症状に合わせた対症療法を行い、結果が出るまでの間は数日間対症療法で凌ぐこともありますが、大体の場合はこのタイミングで発作に対するお薬を処方していきます。
お薬が苦手なわんちゃん、猫ちゃんへの投薬方法に関しては、必ずご相談ください。
特に、猫ちゃんはお薬を飲むのが苦手な生き物です。
投薬方法は錠剤のまま喉の奥に入れるか、錠剤のままor粉にしてウェットに混ぜる、粉にして水で溶きシロップ状にして喉の奥に入れてあげるか、など方法は多岐に渡ります。
投薬方法についてはご説明だけでなく、飼い主様ができるまでトレーニングさせていただけますので、心が折れる前に、まずはご相談をしていただき、一緒に頑張っていきましょう!
それでは、発作を起こした猫ちゃんの症例紹介です。
もしも猫ちゃんと暮らしていて、急に変な行動や挙動を見せたのであれば、もしかしたら発作かもしれません。
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皆さま、発作の原因というとどういったものを想像されますか?
脳の病気を1番に思い浮かべられるのではないでしょうか?
もちろん脳の疾患でてんかんのような発作が出ることもありますし、チックと言って、ピクピクとした発作が出ることもあります。
しかし、これらの発作が起こる原因は脳だけでなく、他の臓器が原因になっていることもあります。
例えば、高齢猫で多いのは腎不全です。
腎不全によって、本来おしっこから出て行くはずの毒素が身体に溜まってしまい、それが発作の原因になることもあります。
また、先天的な血管の異常によって発作が起こることもあれば、肝臓が悪くなって発作が出てしまうこともあり、脳以外にも何が原因なのかしっかりと考えていく必要があります。
今回はそんな発作が続いている猫ちゃんのお話です。
症例は東京千代田区在住のはなちゃん、18歳の高齢猫さんです。
お家の猫ちゃんが今朝痙攣していて、数十秒で収まったが、最近食欲も落ちてきているので、とのことで往診をご希望されました。
その日は午後の往診の診察予定に空きがあり、獣医師が緊急性があると判断しましたので、当日にお伺いさせて頂くことにしました。
お家にお伺いすると、部屋の端にあるベッドめはなちゃんはぐったりと横になっていて、痩せていました。
舌の色などを確認し、呼吸状態は安定していたことから、詳しくお話をお伺いしました。
はなちゃんは5歳の時に保護団体さんのところからお家にやってきました。
しかし、当時はすごく警戒心が強くて、なかなか触ることができず、ご飯を交換したり、トイレを綺麗にしたりするだけで、はなちゃんとの触れ合いはなかなか出来なかったそうです。
しかし、数年でようやく慣れてきてくれたのか、撫でることは許してくれてきたようで、機嫌の良い時や寝ている時には撫でて、と寄ってくることもあるようです。
しかし、抱っこやキャリーに入れることが出来ず、高齢であることを考えると健康診断もしてあげたかったそうなのですが、動物病院には連れて行くことが出来ず、諦めてしまっていたそうです。
しかし、最近になって食欲が落ちてきて、その途端にみるみる痩せていってしまったそうで、ここ数日はお水もあまり飲めておらず、おしっこの量も減ってきてしまっていると思っていると、今朝数十秒ほどピクピクと痙攣をしていてびっくりして、往診を検索されたとのことでした。
たしかに、はなちゃんはすごく痩せてしまっていて、最初に触った時も脱水しているのが分かりました。
ただ、なかなか他人に気を許さないはなちゃんを、こんな状態の中動物病院に連れて行って、治療をさせるのはかわいそうということで、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室にお電話をいただきました。
様子が分かったところで、次は身体にどういうことが起こっているのかを知るために、血液検査をご提案させて頂きました。
すごく体力的に弱ってしまっているので、無理のない範囲で、ということでご同意を頂き、採血と治療をさせて頂くこととしました。
まずは身体検査です。
身体検査では、激しい脱水と黄疸が見られました。
また、身体は痩せていて、筋肉も落ちてしまっておりました。心臓の音は正常で、呼吸音も特に問題はありませんでした。
次に採血です。
採血では、嫌がるそぶりはありましたが、往診専門動物病院わんにゃん保健室の獣医師も看護師もそういった猫ちゃんには慣れているので、素早く採血を終わらせて、点滴を行うことしました。
点滴には胃薬や消化管を動かすお薬などを入れて、少しでも楽になることを願いながら点滴を行いました。
また、アンモニアという血液検査項目は、採血後すぐに分かるのですが、アンモニアの高値が認められました。
もしかすると、この影響で朝の痙攣が起こった可能性があるため、アンモニアを下げるお薬もシロップタイプなので、お口に入れて飲んでもらいました。
次の日に再診をさせて頂くこととして、その日の診察はそれで終了となりました。
血液検査では、腎臓の数値がものすごく高く、貧血も少し進んでいました。
ただ、脱水していての数値なので、脱水を補正するとおそらく貧血はもっと進むことが予測されました。
その他にも腎臓に起因する数値と肝臓の数値が異常値を示しており、発作の原因は腎臓かアンモニアの高値という可能性が高いと考えられました。
では、なぜアンモニアが高くなってしまったのでしょう?
そもそもアンモニアは、タンパク質を食べると消化管で消化、吸収され、アンモニアという有害物質が出されます。
これが、血液に乗って肝臓に運ばれて解毒されるのです。
しかし、猫ちゃんはご飯を食べれない状態が、短いと数日、長いと1,2週間ほどで代謝の関係で肝臓に脂肪を溜め込んで脂肪肝になってしまいます。
そのため、肝臓での解毒ができなくなってしまい、身体に毒素であるアンモニアが蓄積してしまい、アンモニアが血液に乗って脳に行ってしまった時に、発作を起こしてしまうことがあるのです。
しかし、今回は、腎臓の数値も高く、アンモニアで発作が起きたのか、尿毒素が溜まってしまい発作が起きたのかは判断しかねるところではありますが、どちらにしても点滴をして脱水を補正しつつ、おしっこの量を元に戻すことを目標に治療をしていくことになりました。
次の日に、再診を行い、やはりぐったりした様子のはなちゃんでしたが、少し尿量が増えたとのことで安心しました。
また、発作も出なかったとのことで、ご家族様も安心されていらっしゃいました。
尿量が増えたということは、しっかりと点滴が吸収されているということなので、その日も同量で点滴と注射を行い、次の日にもう一度お伺いさせて頂き、様子次第でご家族様での皮下点滴に切り替えるかどうかをご相談させて頂くことにしました。
はなちゃんは今も頑張ってくれていて、ご家族様に癒しを与えてくれています。
動物病院に連れて行けなくて、諦めてしまっているご家族様はたくさんいらっしゃると思いますが、決して諦めず、まずは往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡ください。ご家族様としっかりと病状や今後のプランなどについてご相談させて頂きます。
わんちゃん・猫ちゃんの発作に関する過去のブログ記事を抜粋しました!参考にどうぞ^^
・猫の痙攣/発作(嘔吐/下痢/ふらつき/東京犬猫往診)
・発作が続く高齢犬(発作/高齢犬/東京千代田区)
・犬の発作(犬往診/東京千代田区/往診専門動物病院)
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