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酸素室から出られた犬(僧帽弁閉鎖不全症/心臓病/犬往診)

2020年9月4日公開

こんにちは!

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

往診専門動物病院では、お家まで獣医師と動物看護師がペアとなって訪問させていただくため、ご家族様は安心して診察を見ていただけます。

診療圏は東京台東区と東京中央区にメインオフィスを構えていますが、東京23区とその近隣地区までと広く往診獣医療の依頼に応えられるようにしています。

酸素室の中でないと呼吸が苦しそうな状態にある愛犬、愛猫に対して、投薬をしてあげたいがどうしたらいいのかなどのお問い合わせをお受けすることがあります。

往診専門動物病院では、ペットの状態だけでなく、愛犬・愛猫が暮らす環境を考慮して診療プランを組んでいきます。

ですので、酸素室の中に入りっぱなしでも、皮下点滴などの処置を行うことができます。

酸素室が必要なわんちゃんのケースですと、心不全や腎不全、肺の病気などが多いと思います。

猫ちゃんでは、末期の腎不全による腎性貧血を起こしている場合が多いかなという印象です。

 

今回は、そんな中にある僧帽弁閉鎖不全症という、心臓の病気の高齢犬のお話です。

 

僧帽弁って何??という方も多いと思いますので、簡単にお話しさせて頂こうと思います。

心臓は4つのお部屋でできていて、左心房、左心室、右心房、右心室というお部屋があります。

このうち、左心房と左心室の間に、血液が逆流しないようにあるものが僧帽弁という弁です。

この弁があるおかげで、心臓が収縮して血液を流す時に、左心房に逆流せずしっかりと左心室から全身に血液を送る大動脈に血液を送ることができます。

しかし、この弁が変形してしまったり、何らかの原因で完全に閉まらなくなってしまう病気が僧帽弁閉鎖不全症です。

僧帽弁閉鎖不全症にはステージがあり、大きくはステージA〜Dの4段階に分かれており、ステージB以上は投薬が必要になります。

しかし投薬のおかげで進行を抑えることはできますが、完全に治すことはできません。

完治をさせるためには手術という方法もありますが、手術には様々なリスクもあります。

もちろん再発というリスクや、麻酔のリスク、様々なリスクを伴うため、手術という選択をする時には主治医の獣医さんとよくご相談しましょう。

 

では僧帽弁閉鎖不全症が悪化するとどうなるのでしょう??

 

肺で二酸化炭素と酸素を交換した綺麗な血液が左心房に帰ってきます。

その血液は左心室に送られて、左心室から大動脈に送られ、大動脈から全身に血液に乗って酸素が運ばれていきます。

しかし、僧帽弁閉鎖不全症があると、左心室から本来大動脈に行くはずの血液の一部が左心房に逆流してしまい、左心房に血液がたまってしまい、その影響で肺にも血液がたまってしまい、肺の血管から水分が漏れ出てしまいます。

その結果、肺に水が溜まってしまい、空気を取り込めなくなってしまうこの状態を肺水腫と言い、緊急の治療が必要となります。

 

こんな僧帽弁閉鎖不全症と頑張って闘った高齢犬を今回はお話をしようと思います。

 

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症例は東京千代田区在住の16歳の小型犬のクーちゃんです。

 

お電話では、かかりつけの動物病院にて肺炎と言われ内服治療をしているが良くならないとのことで、呼吸に関することなので、緊急性があると判断し、当日にご訪問させて頂きました。

お伺いすると、クーちゃんは部屋の端でハアハアと辛そうな呼吸をしており、すぐに身体検査をさせて頂きました。

身体検査では心臓の音がかなり大きく、僧帽弁でのかなりの逆流が判断されました。

また、肺の音からもおそらく肺水腫が想定されました。

ただ、舌の色や粘膜色は真っ青ではありませんでしたので、まずは詳しくお話しをお伺いすることとしました。

2,3日前に呼吸が早くなったのことで近くの動物病院さんにいったところ、レントゲン検査から肺炎だろうということで、今までにも飲んでいる心臓のお薬、利尿薬に加えて、抗生物質を処方され、食欲はなかったそうなのですが頑張って飲ませてもらっていたそうです。

しかし、呼吸は良くならず、立つのもしんどそうな状態になってしまったため、往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡をいただきました。

往診専門動物病院わんにゃん保健室ではお家を診察室として使わせて頂きますので、レントゲン検査は出来ませんが、身体検査所見から、おそらく肺水腫が疑われましたので、利尿剤の量を上げて、注射で入れていくことをご提案させて頂きました。

また、数日前にかかりつけの動物病院さんにて行なった血液検査の結果を見せて頂くと、腎臓の数値が上がっており、おそらく継続的な利尿薬の投薬によるものと考えられました。

ただし、現状で利尿薬を無くしてしまうと致命的になってしまうので、利尿薬をどの程度使えるかを見るためにも血液検査をご提案させて頂きました。

 

利尿薬は腎臓におしっこを作らせるので、腎臓には負担がかかります。

 

ではなぜ腎臓の数値が高いのに利尿薬を使うのでしょう??

それは、肺に溜まった水をおしっことして出して、呼吸が楽になるようにするためです。

またおしっことして水分を出すことで心臓の負担も減らすことが出来るので、今のクーちゃんの状態を考えると利尿薬は積極的に使用しなければなりません。

 

このことをご家族様にご相談させて頂いたところ、とにかくまずは呼吸を楽にしてあげたいとのことでしたので、初日は利尿薬を1日2回注射で入れていくこととしました。

 

注射の前にまず採血です。

クーちゃんは普段は嫌なことをするとすぐ動き回ってしまうそうなのですが、今日は足を延ばすのも嫌がらずにさせてくれました。

すぐにいつもは大好きなおやつをあげましたが、少し舐める程度で、あまり食欲がない様子です。

その後注射を行い、呼吸状態やおしっこの出が心配でしたので、その日のうちにもう一度注射にお伺いすることとしました。

また、酸素ハウスはすでにお家にご用意されていましたので、できるだけその中で過ごしてもらうこととしました。

 

もう一度お伺いすると、少し顔つきが良くなっており、おしっこもたくさん出たとのことでした。

酸素ハウスの中で、呼吸も少し落ち着いておりましたが、食欲はまだ戻らないとのことでした。

血液検査の結果ではやはり腎臓の数値が高く、出来るだけ早めに利尿薬を減らしていきたいところではあり、次の日の呼吸状態次第で減らすかどうかをご相談させて頂くこととしました。

もう一度利尿薬を注射し、次の日にもう一度お伺いさせて頂くので、その日の診察は終了となりました。

 

クーちゃんは、その状態で徐々に呼吸状態も良くなり、利尿薬も減らしていくことができ、今度は腎臓の治療に並行して、腎臓の治療を始めることになりました。

今では、クーちゃんは酸素ハウスから出ても元気に歩けるようになるまで回復しています!

 

心臓に疾患を持っている子は、ストレスがかかったりして興奮することで、呼吸状態が悪くなってしまうこともあります。

そのため、お家の落ち着いたところでの治療も一つの選択肢になるかと思います。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、心臓病のような慢性疾患や、肺水腫のような急性疾患、また、ターミナルケアや緩和ケアも治療に当たらせて頂いております。

 

できるだけ一緒に過ごしてあげたい、最期の時間をお家で過ごさせてあげたい、など、往診専門動物病院わんにゃん保健室ではいつでもご相談をお受けしております。

一度ご連絡下さい。

 

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