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2018年11月アーカイブ

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、新卒・第二新卒の獣医師の募集を開始しました!

往診では、飼い主様とのコミュニケーション能力が強く求められます。困っているご家族様に安心を与え信頼を築き、真摯に命と向き合える方のみご応募ください。

 

勤務形態

正社員(フレックス勤務可)

 

勤務地

東京都中央区晴海3-13-1

往診のため、通勤場所は診察によって変動します。(東京23区内)

基本的には、中央区勝どき分院です。(最寄り駅:勝どき駅)

 

給与

250,000円〜

※詳しくは面接時にお伝えさせていただきます。

 

仕事内容

往診獣医療の診察と付随する業務全般

現在、東京23区の東側を中心に往診を行っています。

仕事内容は、往診獣医療全般(一般内科臨床がメイン)です。

 

待遇

社会保険完備、交通費全額支給

 

休日・休暇

週休2日

 

勤務時間

業務内容によります。基本的には10:00 - 19:00の中で業務に入っていただきます。

 

応募をお考えの先生へのメッセージ

臨床現場は動物病院の中だけとは限りません。

ペットやご家族様の事情により、通院できないケースは多々あります。

当院は高齢期の緩和ケア・ターミナルケアに特化した診療を行っています。往診は通常の動物病院での診察とは違い、診察時間を長く取ることができ、ペットの状態や飼い主様が抱えている悩みなどをより深く把握することができます。また、ペットの生活環境を見ることができるので、具体的な診療プランを考えられます。

通院できなくなった犬猫の最後の日まで、飼い主様の近くで寄り添い、医療・介護面からサポートできるのも、往診の魅力です。全員が一丸となり、最良な診療プランを考えていきましょう!

 

応募資格

■獣医師免許(2019年4月取得予定者可)

■普通免許(AT限定可)

■PC基本スキル(紙カルテは使用せず、基本PCで診療管理を行っています)

 

応募方法詳細

メールにてご応募ください(info@b-sky.co.jp)

ご連絡を確認後、選考に必要な書類等をご案内させていただきます。

 

選考の流れ

1. 書類審査

2. 面接

 

ご質問等ある方はお気軽に、ご連絡ください。(070-3866-0412)

多数のご応募、お待ちしております!

 

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どうも!往診専門動物病院わんにゃん保健室の動物看護師です!

往診専門動物病院では、ご自宅まで往診車で往診専門獣医師がご訪問させて頂き、ペット(犬・猫)の診察を完全プライベートで行っていきます。また、完全予約制ですので、十分な時間でゆっくりとお話を聞くことができます。

最近は、渋谷区、目黒区、中央区、そして千代田区の方からのペット往診依頼が続々と増えてきました。

 

先日のYahoo!ニュースに掲載されたこともあり

少しずつですが周知されてきて、ご自宅のペットに通院以外の方法を提案したりとご家族様のお力になれる機会が増えてきました!

 

以前は、腎臓病についてお話しました。

完全に腎不全を予防するというのは難しいですが、食事内容によりある程度、現在の腎臓の機能を維持することが大事です。

 

今回は腎臓病に配慮した食事についてお話していきます。

 

まずは基本的なことからです!犬・猫にも私たちと同じように、「必要な栄養素」があります。まずはペットや人間にとって、必要な栄養素を列記していきます。

 

●必要な栄養素

・たんぱく質(必須栄養素は★アミノ酸、★タウリン、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプロファン、バリン)

・脂肪(必須栄養素は★アラキドン酸、リノール酸、αーリノレン酸)

・多量ミネラル(必須栄養素はカルシウム、リン、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、塩素)

・微量ミネラル(必須栄養素は鉄、銅、亜鉛、マンガン、セレン、ヨウ素)

・脂溶性ビタミン(必須栄養素は★ビタミンK、D、E、A)

・水溶性ビタミン(必須栄養素はチアミン[B1]、リボフラビン[B2]、ピリドキシン[B6]、ナイアシン[B3]、パントテン酸[B5]、コバラミン[B12]、要酸[B9]、ビオチン[B7]、コリン)

 

★は猫のみです。

 

次に、犬・猫が腎不全のときに考えなければいけない栄養素についてです。

 

●腎臓病で配慮すべき栄養素とは

たんぱく質

 腎臓では、たんぱく質を使って代謝・分解されてできた窒素化合物(尿素やクレアチニン、尿酸)、体内で行なわれる新陳代謝で生じた老廃物、体内に入った不要な薬物や毒物もみんな尿の中に溶けて排出させており、言わば処理工場です。また、体内の水分やナトリウム、カルシウム、リン、カリウム、重炭酸イオンといった電解質(決まった割合で体内に含まれている)を体内の環境を常に一定に保つように、腎臓からの排泄量を調整する役も担っています。

 けれど、腎臓機能が低下することにより体外へ排出する機能が低下し、体内の電解質環境も乱れてしまいます。

 たんぱく質があるだけ、腎臓(処理工場)は代謝・分解しようと処理をしすぎてオーバーロードしてしまうのです。もちろん、調整役もできません。

 その結果、有害物質である窒素化合物や老廃物などが体の中に蓄積されてしまい、尿毒症へと発展してしまうのです。

 弱っている腎臓機能を助けるためには、代謝・分解のエネルギー源であるたんぱく質とリン、ナトリウムを抑える必要があるのです。

 

そんな状態に陥ってしまった犬猫たちに、おすすめしたい栄養素はこちらです。

 

●おすすめの栄養部門

オメガ3脂肪酸が摂取できる食事

腎不全は猫の老化で起こる病気でもあります。

リンやナトリウム、たんぱく質を抑え、オメガ3脂肪酸(EPA、DHA、αーリノレン酸)を強化したものです。

特にEPAやDHAは、猫の腎臓の負担を軽くしてくれる働きが期待されます。愛猫が年を取って腎不全の症状が現れてからではなく、なるべく若いうちから、腎臓に負担をかけないようにすることが大切です。

 

具体的な食材で例えるならば

【動物性食材】

 ・鶏肉、豚肉、卵 など

【ビタミンA】

 ・鶏レバー、豚レバー、銀ダラ など

【オメガ3脂肪酸】

 ・イワシ、サバ、アジ など

 

ちゅーるや猫ちゃん向けのおやつにでてくる定番の味(ささみやイワシ)以外にもバリエーションがあることがわかりますね。

 

上記の栄養素を踏まえて、猫ちゃんやわんちゃんにとっての必要な栄養素だけでなく、腎臓に対する配慮もしなければならないとなると、食事の準備だけでもとても大変です。

また、急に手作り食に切り替えようとしても、食べ慣れていないものを突然あげても猫ちゃんやわんちゃん達は食べてくれません。

 

そんな時に便利なのが、動物病院専用の療法食です。

腎臓病に配慮すべき栄養素と、必須栄養素が兼ね添えています。

病院食といえば、味がそっけなかったりしますが、近年発売されている療法食は嗜好性が高く、療法食を作成しているメーカーさんも増えたので、バリエーションが多くなりました。

 

ということで、ここからは動物病院で腎機能低下の犬猫におすすめされる療法食を一部ご紹介させていただきます。

 

腎臓病向けの療法食を一部ご紹介!

●ロイヤルカナン

多くの病院で扱っている療法食!

https://www.royalcanin.co.jp/new/vets/product_cats/kidney_support/

・腎臓サポート

・腎臓サポートスペシャル

・腎臓サポートセレクション

ドライフードとウェットフード、リキッド(スープ状)タイプがあります

 

●ヒルズ

多くの病院で扱っている療法食!

お米やお肉が入ったシチュー缶は香りも良く食欲をそそられます

ドライフードも勿論あります

https://www.hills.co.jp/cat-food/pd-kd-feline-chicken-and-vegetable-stew-canned#buy-online

・k/d™ ケイディー チキン&野菜入りシチュー 缶詰

・k/d™ ケーディー ツナ入り 缶詰

・k/d™ ケイディー ツナ&野菜入りシチュー 缶詰

 

ドライフードだけでなく、ウェットフードではご飯入りのシチュータイプやツナとチキン味のごはんがあります。

 

●日清ペットフード

国産の療法食!

小分けにされたドライフードなので、

ごはんのフレッシュな状態であげることができます。

http://jp-dietics.jp/product/cat02.php

・ダイエティクス

キドニーキープ、キドニーキープ [リッチテイスト]

 

●アニモンダ

ウェットフードのバリエーションが多い療法食

ドライフードもあります

香りは強めかな?と感じました

https://animonda.co.jp/cat-food/integra-protect/nieren/

・インテグラプロテクト(療法食) 腎臓ケア

INTEGRA® PROTECT Nieren(腎臓ケア)は、慢性腎不全のネコ(慢性腎臓病=CKD)に対処するために特別に開発された療法食です。タンパク質とリンの含有量を減らすことにより腎機能が支えられます。この食事はグレインフリーですので、穀物不耐性のネコにも適しています。

 

 

慢性腎不全になってしまうと、元気なのにごはんを食べない、お水を取らないといった、飲食についてのトラブルが多くなります。

 

腎臓からくる気持ち悪さや懈怠感を減らすため薬を飲ませたいのに、そもそも食べ物を口に運んでくれないと本当に困ってしまいます。

 

無理やり食べさせようとしても、わんちゃんならまだしも猫ちゃんにとっては上手に吐き出したり、意地でも口を開けない、何かを察したように隠れて逃げ切ってしまうといった、物理的な障害もでてきます。

そのため、治療そのものを断念してしまう飼い主様が多いのですが、

それだと目の前でどんどん状態が悪化していくのを見ているしかできません。

 

往診では、日頃の悩みやトラブル、食事の方法、対策まで、ご自宅の中でできることで、その子その子ににあったご相談をお受けします。

できる限りペットが、最後の日までその子らしく過ごせるようサポートさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

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2021年11月30日 リライト(情報更新です^^)

 

こんにちは!

どうも!往診専門動物病院わんにゃん保健室 獣医師の江本宏平です!

街ではすっかりクリスマスムードですね❄️

犬猫のみんなにとっては、特別な日ほどトラブルに巻き込まれる可能性が高いので、十分に注意してくださいね!

よくあるトラブルは、クリスマスにチキンの骨を飲み込んだ、お正月にお餅が喉に詰まってしまったなど。。。

 

では、猫ちゃんの腎不全について、アップデートしていきます^^

 

往診専門動物病院では、ご自宅まで往診車で往診専門獣医師がご自宅まで往診させて頂き、猫ちゃんの診察を完全プライベートで行っていきます。また、完全予約制ですので、十分な時間でゆっくりとお話を聞くことができます。

2021年現在、東京全土から通院ができない猫ちゃんの往診依頼を受けています。

往診が特化している分野は、通院が苦手なわんちゃん、猫ちゃんであったり、病状的・体調的に動物病院への通院はもう難しいと判断された場合のご家族様への、ご自宅での緩和ケア及び各種検査(血液検査や尿検査、超音波検査など)です。

本日は、猫ちゃんの往診で最も多い、腎機能と腎不全について書いていきます!

 

腎不全とは

腎臓機能が低下し、その機能が低下し続け、機能不全を起こすことを「腎不全」と呼びます。

腎不全は、高齢猫ちゃんで非常に多い病気の1つで、往診依頼の最初の電話で最も多いのが、『ここ1週間くらい食欲がなくて、3日前くらいから全く食べなくなった。毎日複数回吐き戻していて、今日は立てない』という感じです。

当院では、腎不全として診断する猫ちゃんの年齢はある程度幅はありますが、猫ちゃんだとおおよそ10歳以上の子が多い傾向がありますので、やはり高齢期(シニア期)に発症しやすい病気であると考えています。

では、そもそも腎臓って何をしているところなのでしょうか。

 

腎臓の仕組みと働き

・ソラマメの形をした(大体、縦12cm×横5~6cm、重さ150gほどの)臓器

・お腹の中の背側で腰の上部に左右1個ずつ

・24時間365日、絶え間なく大量の血液が送り込まれている処理工場

 

腎臓の主要な機能

①  体内の老廃物の排泄

腎臓は体内の老廃物を血液から濾し出して、尿として排出します。

たんぱく質が体内で代謝・分解されてできた窒素化合物(尿素やクレアチニン、尿酸)、体内で行なわれる新陳代謝で生じた老廃物、体内に入った不要な薬物や毒物もみんな尿の中に溶けて排出されます。

これらが腎臓に負担をかけてしまうことが懸念されるので、往診のときにはできる限りタンパク量の少ないご飯をおすすめしています。もちろん、状態によってはそんなことを言ってられない場合がありますので、臨機応変に状態に合わせた診療プランを組んでいきます。

 

②  体液の恒常性の維持

体内には水分やナトリウム、カルシウム、リン、カリウム、重炭酸イオンといった電解質が決まった割合で含まれていますが、この体の中の環境(内部環境)を常に一定に保つよう、腎臓からの排泄量を調整しています。腎機能低下を伴う場合には、脱水などに陥っている場合がほとんどです。

猫ちゃんの往診では、ご自宅で皮下点滴をすることができます。

また、点滴パックの中に薬剤を混ぜ、一回の注射で必要な薬剤を投与することができ、内服が苦手な場合や、そもそも内服できない状態の犬猫の往診では、皮下点滴が絶対的に必要になってきます。

 

③  ホルモンの産生

血圧の調節や赤血球の成熟、骨の代謝に関連した骨粗しょう症を予防するビタミンDの代謝などに関与するさまざまなホルモンを産生しています。

腎不全の猫ちゃんでは、腎臓でのエリスロポエチンが十分量産生できないことから、腎性貧血を起こしていることがあります。この場合には、1〜2週に1回の増血作用を目的とした注射を行なっていきます。

 

わんにゃん保健室では、腎不全の猫ちゃんに対して、ヘマトクリット値(血液全体に占める赤血球の割合)と言われる貧血の指標が、おおよそ25%を切り、20%までかかる時には、エリスロポエチン注射をご提案させてただいています。

最初の週1回の注射を10週間程度行い、貧血が改善してきた頃には2週に1回に減らしていくなど、状態に合わせて判断させていただいています。

そのほかにも、血液を作るのに必要なサプリメントなども合わせてご提案させていただくのですが、腎不全末期などだと食欲もなくぐったりしていることもあるため、なかなかサプリメントまで手が出せない猫ちゃんたちが多いです。

 

エリスロポエチンはホルモン製剤ですので、接種したあとの体への負担を考えると、あまりに状態が悪い場合には、対応できません。いくつかの動物病院では輸血環境が整っているところもありますので、輸血が必要な場合にはご紹介させて頂きます。

 

腎不全ってどんな病気なの?

「腎不全」は腎臓の病気ですが、具体的にどういう状態を言うのでしょうか。

腎不全と一口にいっても、原因や症状が違い、さまざまな病状があります。

 


クリック・タップすると別ウィンドウで大きく表示します。

 

腎不全は大体ステージ3〜4辺りを示します。

症状としては、食欲がない、ふらつきがある、嘔吐、下痢など、さらには昏睡状態になることもあるので、状態は決して軽度とは言えません。

とっても辛そうにしている状態なので、辛さをいかにして緩和してあげられるかを考える必要があります。

方法は、大きく2つです。

1つ目は薬や注射による投薬治療と2つ目は腎臓への負担を配慮した食事を与える食事療法です。失った腎臓機能を治すことはできないため、腎不全の治療は進行を抑え、遅らせることが大切になってきます。残った腎臓機能を助けるために、腎臓が働きやすくするために腎臓の負担を減らすことなどを目的として治療を行い、できるかぎり辛い症状を緩和させてあげることを目指します。

また、食べなくなったことで体を動かすためのエネルギーがありません。けれど、なんでも良いわけではなく腎臓に負担が少ないごはんを選択していきます。

 

腎不全は、何らかの原因で腎臓の機能が長期間にわたって低下していく病気です。高齢犬・猫に多く見られますが、若い子でも発症することがあります。また、一部の純血種のワンちゃん(ラサ・アプソ、シー・ズー、バーニーズ・マウンテンドッグなど)やネコちゃん(アビシニアン、ロシアンブルー、ペルシャ、チンチラ、シャム猫、ヒマラヤンなど)、その血統をひく雑種の犬猫で遺伝的な腎疾患が認められることがあります。

 

先にあげた一覧表を見る限り、腎不全は徐々に進行していき、腎臓の機能の75%が障害されるまでは 目立った臨床症状を引き起こさないことがほとんどです。そのため、腎不全がわかったときには、すでにかなり進行した状態になっていることが多いです。

腎不全を患うと、どうしても長期的な治療と経過観察が必要となります。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、猫ちゃんと飼い主様の日常生活と、現在の猫ちゃんの状態を考慮した上で、今後どう向き合うべきか一緒に考え、ご提案しています。

 

慢性腎不全になってしまうと、どうしても週3回以上の動物病院への通院治療が必要となることが多くなります。わんちゃんならまだしも、猫ちゃんにとっては通院することがストレスとなります。そのため、通院治療を断念してしまう飼い主様が多いのですが、それだと目の前でどんどん状態が悪化していくのを見ているしかできません。

往診では、通院を断念したけど、何かできることはないかというご相談をいただくことが多いです。できる限りストレスを減らし、わんちゃん、猫ちゃんが最後の日までその子らしく過ごせるようサポートさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

 

大丈夫です。(^^)一人じゃありません。ぜひ一緒に考えていきましょう。

 

以下のブログや特設ページも参考にしてみてください^^

慢性腎不全の猫(東京葛飾区)

ふらつく猫(東京板橋区)

腎不全の猫(東京中央区/猫往診/往診専門動物病院)

在宅切替を検討中のご家族様へ(東京犬猫往診/往診専門動物病院)

急に食べなくなってしまった(猫/腎不全/口内炎/東京中央区)

ペットの緩和ケアを知る

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往診専門動物病院 わんにゃん保健室

獣医師の江本宏平です。

 

中央区・港区を中心に、東京23区、そしてその近隣地区まで往診車で訪問させていただき、犬・猫の往診診療を行っています。動物病院への通院でお困りの飼い主様は、まずはご相談で構いませんので、お気軽にお問い合わせください。ペット(犬・猫)の体調が悪そうだなと感じてから、明日になれば治るだろうと決めずに、まずは獣医師に相談するようにしましょう!

 

 十一月に入り、これからの季節はクリスマスなど楽しいイベントが続きますね。最近は犬用の仮装グッズもいろいろありますし、楽しまれるご家庭も多いのではないでしょうか。

 

 今回は、犬が食べてはいけないものの中でも比較的有名な「チョコレート」についてお話ししようと思います。子犬でも、成犬でも、高齢犬でも、どんなわんちゃんの身にも起こる可能性のある中毒ですし、これからの季節手にする機会も増えるお菓子でもあると思いますので是非ご一読ください。

 

dog_vs_chocoloate-e1474897359384.jpg

http://lovewanko.net/chocolate/

 

 「チョコレート中毒」は有名ですので、「犬にチョコレートは食べさせてはいけない」という認識を持っている方は多いのではないでしょうか。ただ、チョコレートを食べるとどういった症状がでるのか、どういった治療がおこなわれるのか、まではご存知ではないのではないでしょうか。今回は、チョコレート中毒の症状、治療法について簡単にまとめてみました。

 

チョコレート中毒の原因

 チョコレートに含まれている中毒成分は、テオブロミンとカフェインが挙げられますが、大半のチョコレートではカフェインの濃度はかなり低く、テオブロミンが主要な毒性成分です。猫ちゃんでもチョコレートを摂取すれば中毒症状はあらわれますが、雑食性のわんちゃんと比べて口にする機会が少ないため、犬の病気として有名になっています。

 

チョコレート中毒の症状

 症状は一般的にチョコレートを食べた後、6~12時間以内にあらわれます。ただし、紙やビニールで包装されたものをそのまま食べてしまった場合はもっと遅れる場合があります。初期症状としては多飲(お水をたくさん飲む)、嘔吐、下痢、落ち着きがなくなる、が挙げられます。その後活動過剰(特に理由もなくうろうろする、興奮した様子になる)、多尿、運動失調、震え、痙攣、昏睡へと進行します。その他に、外見からはわかりづらいですが頻脈、不整脈、頻呼吸、チアノーゼ、高血圧、高体温が認められます。また、多くのチョコレート製品は脂肪の含有量が多いため、続発症として膵炎が摂取後42~72時間後に発生する可能性があります。

 

チョコレート中毒の治療

 残念なことに、犬のチョコレート中毒に対する有効な解毒薬はないため、その時々の状況に合わせた治療が行われます。胃洗浄や嘔吐を促す処置、痙攣発作を抑える治療、その他それぞれの症状に合わせた治療が行われます。状態によってはしばらく入院が必要な場合もあります。

 

チョコレートを食べてしまった時のおうちでの対処法

 まずは食べてしまったチョコレートにどれくらいカカオが含まれているのかをパッケージなどを見て確認します。食べたのがホワイトチョコレートなのか、ダークチョコレートなのかで、含有されるテオブロミンの量にかなりの差があります。また、どのくらいの量を食べたのかも把握しておきましょう。それらを確認したら(もしくはパッケージを持って)、かかりつけの病院などにすぐ向かうか、電話で相談しましょう。「少ししか食べていないから大丈夫だろう。」などと安易に決めつけないで、病院に確認する方が安心です。犬は、というより、その子その子によって中毒を起こすチョコレートの量には個体差があり、同じ体格・同じ犬種でも、同じ量のチョコレートを摂取して中毒症状を起こす子もいればけろりとしている子もいます。何時にどれくらいの量のチョコレートを食べ、今どういった状況なのか、をしっかり把握しましょう。食べた量やチョコレートの種類、食べてからの時間によってその後の治療方針(すぐに処置が必要か、しばらく様子をみても大丈夫そうか、使う薬剤など)が変わってきます。

 

チョコレートを食べたかもしれない時の対処法

 まずお口を開けて、臭いを嗅いでみてください。チョコレートを食べていると、高確率でお口から甘い香りが漂ってきます。香りがしない場合でも、食べた可能性がある場合は、食べた可能性のあるチョコレートのカカオ含有量と食べた可能性のある料を把握しておき、半日は変わった様子がないかよく観察すると安心です。この時も、必ずかかりつけの獣医師に電話し、どうすべきかを確認してから、様子見でいいのか緊急で通院するべきかのご相談ください。夜間で繋がらないから仕方ないは、仕方なくありません。緊急の場合に備えて、近隣で受け入れ態勢のある動物病院を知っておきましょう。いつも行っている動物病院が夜間対応してくれない、または休診日がある場合には、必ずそこをカバーできる動物病院をセカンドとして確保しておきましょう。

 

チョコレートを食べてしまうタイミング

 よく聞くのは、

 ・上着のポケットにいれたまま脱いでおいておいたら、見つけ出して食べてしまった。

 ・鞄の中にいれたままおいておいたら、見つけ出して食べてしまった。

 ・こどもが自分のおやつを分けて与えてしまった。

 ・机の上に置いていて、少し目を離した隙に食べてしまった。

 ・届かないと思っていた棚の上に置いていたら、イスなどを使ったのか届いてしまった。

 などです。いずれも「ついうっかり」が多いですね。後は、普段チョコを食べないご家庭で、「頂きもののチョコレートをうっかりわんちゃんのお口の届くところに置いてその場を離れてしまった。」というのもハロウィン、クリスマス、バレンタインなどイベントの時期によく耳にします。

 

 チョコレート中毒は、場合によっては命に係わることもあります。

 こんなに怖い中毒を起こすチョコレートですが、脂肪分も糖分も豊富に含まれており、あまーい香りがしてわんちゃんにとってはとっても魅力的です。かつ、食べてもまた甘くておいしいので大好物です。チョコレートの誤食は、気を付けないと何度も繰り返してしまうことも多いので、飼い主様が十分に気を付けてチョコレートを管理する必要がありますね。

 

往診では、中毒性があると電話で判断した場合に、緊急で入院管理できる動物病院をご紹介させていただいています。また、どうしても緊急で通院することができない場合には、往診獣医師がご自宅まで緊急往診を行い、訪問先で催吐処置を行い、適宜必要な処置を行います。この他にも、〇〇を食べちゃったんだけど大丈夫ですか?という質問をよく受けます。犬・猫にとって、人の食べ物が中毒性物質となってしまうことがありますので、事前に『ペット』『犬』『猫』『中毒』『あげちゃダメなご飯』『誤食』『誤飲』などで検索し、知識をつけておきましょう!

 

 

では、また!

 

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