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肛門嚢アポクリン腺癌の犬(ターミナルケア/ペット往診/東京足立区)

こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

 

今日は、腫瘍性疾患で戦い抜いた子のお話です。

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往診専門動物病院の特徴の一つに、腫瘍性疾患の末期だったり、抗がん剤治療や外科治療、放射線治療や分子標的薬による治療などをもうペットにしたくないが、痛みだけは、吐き気だけは取り除いてあげたいというご依頼を受けることが多いことが挙げられます。

 

往診専門動物病院、特にわんにゃん保健室の特徴として、決して診療方針を飼い主様に押しつけず、一緒に診療方針を考え、組み立てて行き、ペットと飼い主様にとってよりより診療プランをご提案していきます。

 

今日は、そんな腫瘍性疾患でご連絡をいただきました、お尻にできものが出来てしまったわんちゃんのお話です。

 

トリミングに行かれる方はご存知かもしれませんが、わんちゃん、猫ちゃんには肛門の4時と8時の位置に肛門嚢という分泌腺がある袋があります。

興奮した時などに急にくさくなった、などあればおそらくそれは肛門嚢の分泌物を出した時だと思います。

通常は排便時に一緒に分泌物も出てくるので溜まることは稀なのですが、中で感染が起こったり、あるいは排便時に一緒に出すことができない場合に溜まってしまうと、肛門嚢が炎症を起こしてしまいます。

これが肛門嚢炎です。

しかし肛門嚢が腫れてしまう原因はこれだけではありません。

1番怖いのが肛門嚢腺のガンである、肛門嚢腺癌です。

今回はそんな肛門嚢腺癌になりながらも、必死に頑張ってくれたわんちゃんのお話しです。

 

東京足立区区在住、10歳のミニチュアダックスフントのダイちゃんのお話です。

 

お家にご訪問すると、ダイちゃんは尻尾を振って大歓迎してくれました。

ダイちゃんとのご挨拶もほどほどに、飼い主様から、ダイちゃんの詳しい既往歴をお伺いしました。

 

当初お尻から匂いがするとのことで東京足立区にあるかかりつけの動物病院さんに行かれました。

その時は、肛門嚢がかなり溜まっており、わずな出血がある程度でしたので、肛門嚢炎だろうということで抗生物質を処方されました。

1週間後再診時にあまり良くなっている感じがなく、出血が増えていたことから、腫瘍を疑われ、東京足立区にある二次診療施設にて手術を行い、ガンとの診断を受けました。

その後は定期検診をかかりつけの獣医さんにて行ってもらっていたところ、半年ほどでリンパ節への転移が発覚。

抗がん剤治療をしましたが副作用が強く続けることが出来ず、緩和ケアをご希望され、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡をいただきました。

ダイちゃんは一見とても元気そうに見えますが、かかりつけの動物病院さんにて定期的な超音波検査を実施していた時は、リンパ節はどんどん大きくなってきていたそうで、手術という選択はもう痛そうだししたくないとのことでした。

 

まずはご機嫌なダイちゃんに少し慣れてもらってから、身体検査を実施しました。

肛門嚢腺癌があった部分は、局所的に再発はなく、おそらく現在はお腹の中のリンパ節への転移のみと考えられました。

超音波検査にてリンパ節のサイズを確認したところ、飼い主様によると前回より大きくなってきているとのこと。

また、この日はこの腫瘍による全身への影響を見るために採血も頑張ってもらいました。

もちろん、食欲旺盛の高齢犬のダイちゃんには終わった後にご褒美のおやつ付きです!

 

症状は全くないとのことで、かかりつけの獣医さんからも特にお薬は出ていませんでしたので、飼い主様としては緩和ケアをしたいけれど今は元気だしお薬はあまりしたくない、とのことでしたので、まずは抗腫瘍効果があると言われているサプリメントを始めることとしました。

この日はこれにて終了とし、血液検査でも大きな異常は無かったため、ダイちゃんの次回の診察は1ヶ月後としました。

ところが1ヶ月後お伺いした際には、少し食欲が落ちてきていて、歩行困難、という症状が出てきていました。

呼吸の苦しさはないようでしたが、以前のように走って私たちの元に来てくれる、という元気さはなく、何とか苦しさを和らげてあげないと、と治療に当たらせて頂きました。

ここで、少しこの肛門嚢腺癌についてご説明させて頂こうと思います。

 

冒頭で肛門嚢の場所については少し触れましたので、治療法ですね。

治療法は基本的には手術が一般的です。しかし、転移していたり、手術不適応な子に関しては内科的治療、つまり抗がん剤治療となってきます。

最も転移しやすいのは、今回ダイちゃんも転移していた、腰にあるリンパ節です。その後肺に転移していく、という進行が一般的ですが、腰のリンパ節が大きくなってくると腸を圧迫し排便困難となってしまいます。

そのため、肛門嚢の手術の際にはリンパ節も一緒に取ってしまうことも少なくありませんが、取ってみないと転移しているか分からないうえに、深く切っていかないと取れないので、取るかどうかは飼い主様とのご相談となることが多いです。

今回、ダイちゃんは、食欲が落ちてしまったとのことで、おそらく腫瘍によるものだと思われますが、歩行困難に関しては腫瘍の影響なのか、別のヘルニアのような異常があるのかは判断ができませんでした。

しかしいずれにしても、食べることが大好きなダイちゃんにとって、食欲がない状態では生活の質がかなり落ちてしまっています。そこで、少しでも食欲が出るように、また、腫瘍による苦しさを軽減させるためにステロイド剤を使用、その他胃薬や吐き気止めなどを点滴に混ぜて注射し、数日間連続で同じ処置を行いました。

その間に少し食べるようにはなってくれたものの、少しずつ呼吸も荒くなり始めました。

食欲は浮き沈みがありましたが、確実に呼吸状態が悪くなってきたので酸素ハウスのレンタルを行って頂き、呼吸が荒いと感じたら入れてもらう、という方法に切り替えました。

しかしその1ヶ月後、ダイちゃんはご家族様の腕の中で眠るように虹の橋を渡って行きました。

 

呼吸が苦しくなってから、普段は離れているご家族の方もダイちゃんに会うために集まり、久しぶりにみんなに会えて、人懐っこいダイちゃんはとっても幸せだったと思います。

 

腫瘍の転移が見つかり、治療に心が折れてしまっても、決して諦めないでください。飼い主様が諦めてしまい、獣医療から離れてしまうことで、その先にいる犬猫たちは何もしてもらえなくなってしまいます。飼い主様は、どんな時でもその子の命を背負っていることを忘れないでください。

 

最期までその子らしく生きられる方法を、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフと一緒に考えましょう。

 

往診での緩和ケアやターミナルケアは、ご自宅でゆっくりと過ごさせてあげられることから、最後の時間は往診を選ばれる飼い主様が増えています。

ペットにとって、できる限りストレスなく過ごさせてあげる診療方法としてご自宅で行う往診という診療形態は、とても有効です。

どうやってケアしていくか、また、どこまでケアしていくか、こんな時どうしよう、悩みが絶えない、そんな時は往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

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