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おしっこが出ない(猫/尿結石/ストラバイト/猫往診)

こんにちは! 

 

緊急事態宣言により、生活リズム、食生活などなど大きく変わってしまったご家族様は多いことと思います。

生活環境の変化に、私たち人間の健康も簡単に脅かされてしまうのですが、ペットも一緒です。特に、ストレスに弱い動物として猫が挙げられます。

往診では、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言あたりから、猫ちゃんで、おしっこが出ない、トイレによく行く、トイレで鳴く、おしっこが赤いなど、おしっこ関係の問い合わせを複数いただいております。

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通常、膀胱炎や尿石症というと寒くなってきた時期である10月〜2月くらいに多い印象ですが、やはりストレス性なのか、季節を超えておしっこ関係でのトラブルが出てきています。

 

そんな今回は、おしっこが出なくなってしまった猫ちゃんのお話です。

おしっこが出なくなる原因は大きく2つあります。

 

 

・おしっこが作られているのに出ない

・おしっこがそもそも作られていない

 

 

この2つに分けられます。

そしてどちらもかなり深刻な病態で、緊急性の高い状態です。

 

まず、おしっこが作られているのに出ない場合です。

これは神経麻痺によるものであったり、尿道や膀胱の筋肉の問題であったりすることもありますが、猫ちゃんの場合ですと尿石が詰まってしまっていることがとても多く、私たち獣医師もまずこれを最初に考えます。

 

しかし猫ちゃんの場合おしっこをするタイミングもそれぞれで、猫ちゃんの性格や環境によっては1日1回あるいは2回しかしないという子もいます。

 

どれぐらいの時間様子を見れば良いのでしょう?

 

例えばいつもの回数も重要ですが、24時間以上出ていなければ、動物病院に相談した方が良いかと思います。

そして48時間以上出ていなければ、命に関わること状態になっていることもありますので、素早い判断が必要です。

 

次に、おしっこがそもそも作られていない場合です。

こちらは今回ご紹介する猫ちゃんの原因とは異なるのですが、高齢猫ちゃんの腎不全の末期の症状として見られます。

 

おしっこは腎臓で作られますが、腎不全が起こると、ある程度の段階までは、腎臓での水分の再吸収の能力が落ちてしまい、多尿になります。

つまり薄くて大量のおしっこをします。

しかし、末期になり、脱水も進むと血圧も落ちてしまい、腎臓でそもそもおしっこを作れなくなってしまい、いわゆる乏尿になってしまい、その後無尿になってしまいます。

すると身体の中に毒素がたまってしまい、痙攣などが起こってしまうことがあるので、おしっこを作らせるために点滴を行なったり利尿剤を入れたり、血圧を上げるお薬を使ったりします。

こちらに関しては、乏尿になってきた時点で早急な治療が必要になりますが、お家ではなかなか気付かないこともよくあります。しかし、気付いた時点で動物病院に相談しましょう。

 

冒頭が長くなってしまいましたが、今回は尿石によっておしっこが出なくなってしまった猫ちゃんのお話です。

 

症例は東京都足立区在住の8歳の猫ちゃん、トラちゃんです。おしっこが昨日から出ていないとのことで、よくよく聞いてみるとおそらく24時間以上は出ていないと思うとのことでしたので、すぐにお伺いさせていただくこととしました。

本来であれば素早い処置が必要となるので、動物病院に行って頂くのですが、トラちゃんをつれてお外に行くことが出来ないためにお家での処置をご希望されたので、急ぎで向かわせて頂きました。

 

お家にお伺いするとトラちゃんは別のお部屋にいるらしく、本来であれば先に詳しくお話をさせて頂くのですが、おしっこが出ていないということで緊急性が高いため、先にトラちゃんを見させていただくことをご了承頂き、診察に入りました。

 

トラちゃんは知らない人が苦手なようでしたが、元気がないのか尻尾で抵抗する程度ですぐに保定することができました。

 

まず身体検査では、膀胱がパンパンになっていて、尿路閉塞をすぐに解除しなければならない状態でした。心拍数や血圧は正常で不整脈もその時点では出ていませんでした。

超音波で確認すると膀胱内も浮遊物がたくさんあり、尿道内にもこの浮遊物が栓のようになってしまっておしっこが出なくなってしまっていることが予測されました。

 

すぐに尿道内にカテーテルを入れて、閉塞を解除する処置を行いました。

尿道内の栓はなかなか硬く、カテーテルもなかなか進みませんでしたが、うまく挿入することができ、大量の血尿が出てきました。

もちろん、そこから採尿して尿検査も行います。

 

では尿路閉塞はなぜ命に関わるのでしょうか?

 

通常腎臓で作られたおしっこは膀胱に送られて、ある程度たまると排尿されます。

しかし、膀胱から排尿されなければ、どんどん膀胱内の圧が高まり、その影響で腎臓にも負担がかかり急性腎不全を引き起こします。

急性腎不全というのは急激に悪くなっていき、本来出される老廃物が身体の中に溜まってしまいます。

その中でもカリウムという電解質が体に溜まってしまうことで不整脈を引き起こし、心停止してしまうこともあるので、尿路閉塞しているときは不整脈が出ているかどうかもとても重要です。

 

今回のトラちゃんも尿路閉塞からの急性腎不全になっている可能性や高カリウム血症になっている可能性があることをお話しさせて頂き、血液検査の必要性をお話ししたところご同意頂けましたので、採血を行い、皮下点滴、抗生物質の注射をしっかりと行い、尿道カテーテルを残して、次の日再診でお伺いさせて頂くこととし、その日の往診は終了としました。おしっこが出ているかどうかをしっかりとチェックしていただき、数時間で全く出ていないようであれば必ずご連絡をいただくこととしました。

 

血液検査では、カリウムの数値はわずかに高いだけで、腎臓の数値も問題なく、今回は急性腎不全になっていないということが分かり一安心しました。

 

また尿検査ではストルバイト結晶という溶けるタイプの結晶がたくさんでており、おそらくこれらの結晶と血の塊が栓になってしまっていたことが予想されました。

 

次の日もう一度再診にお伺いしたところ、トラちゃんの顔つきは昨日より良くなっており、朝ごはんも食べてくれたとのことで、一安心しました。また、おしっこも血尿が続いてはいるとのことでしたが、ちゃんと出ているようで安心しました。

 

カテーテルは感染の原因にもなるのであまり長く入れておくことは推奨されていないので、一度抜いて、引き続き皮下点滴と抗生物質は続けることとしました。皮下点滴はお家でできそうとのことでしたので、その日しっかりと獣医師からご指導させて頂きました。

 

また結晶に関して、溶けるタイプの結晶だったので、ご飯を尿石用フードへ切り替えた頂くこととしました。

 

トラちゃんはその後尿路閉塞を再発することなく、結晶も無くなりました。

 

このように、普段何気なく猫ちゃんのトイレの掃除をされていらっしゃる方が多いかと思いますが、しっかりとおしっこは出ているか、量は少なくないか、色は正常か、など毎日見ていると分からなくなってしまいがちですが、毎日チェックして頂くことが、猫ちゃんの一番の健康チェックとなります。

そして異変を感じたら、なるべく早めに動物病院にご相談ください。また猫ちゃんを連れての待ち時間や猫ちゃんが家から連れ出せないなど通院ストレスが大きいという方は、往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡下さい。

 

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