こんにちは!
いよいよ東京も梅雨に入りましたね!
動物たち、特にわんちゃんと一緒に暮らしている方は春といえば、という方も多いのではないでしょうか?
そうです、予防の季節ですね!
私たち往診専門動物病院わんちゃん保健室を含めて、多くの動物病院では年間通してのフィラリアやノミダニなどの寄生虫に対する予防をおすすめしています。それはもちろんわんちゃん猫ちゃん共にです。
また、法律では3ヶ月齢以上のわんちゃんには年一回の狂犬病の予防接種が定められており、春になるとおハガキが届くかと思います。
しかし、初めてわんちゃん猫ちゃんを飼われる場合、予防って何を予防すれば良いの?ということも少なくありません。
そこで今回はそんな方々に、主に寄生虫の予防のことをお話しさせて頂こうと思います。
寄生虫というとどういったものを想像されますか?
多くの方は、お腹にいる虫を想像されると思いますが、フィラリアも寄生虫で、こちらは主に心臓や、心臓から伸びる大きな血管に寄生します。また、ノミやマダニも寄生虫の一つです。
このように、寄生虫はたくさんいますが、まずはお腹の虫からお話していきます。
お腹に住む寄生虫は、回虫や条虫などが多く、人にも感染することがあるので注意が必要です。
回虫の感染経路は、便の中や肛門付近にたまごが付着するため、便を食べてしまったり、なめたりすることでたまごが身体に入ってしまったり、回虫に感染したゴキブリやノミなどを食べてしまうことで感染してしまうこともあります。
感染経路は様々ですが、動物たちとの過度なスキンシップで感染することもあるので、もし外で動物と触れ合った場合に、家に帰ってペットと触れ合う前に必ず手洗いを行いましょう。
条虫の感染経路は、条虫卵を摂取したネズミなどのげっ歯類が六鉤幼虫という幼虫を排出します。
この六鉤幼虫を摂取した動物たちの中で成虫となり、条虫に感染してしまいます。
このように、寄生虫は様々な経路で動物たち、私たち人の体内に入って感染してしまいます。特にお外にいた猫ちゃんや、お散歩にいくわんちゃん、またペットショップなど集団で生活している場合にも感染していることがあります。
では感染するとどういった症状が出るのでしょう?
多くは下痢や軟便など消化器症状が見られます。また、こういった症状を示さず、便の中に虫が見られることもあるので、お家に迎えたての頃はできれば便の中もチェックしましょう。
また、嘔吐で、吐物の中に虫が出てきてしまうこともあります。
いずれにしても、しっかりと駆虫しなければなりません。また、人でも同様の症状が出ますので、もし思い当たることがあればお医者さんにご相談ください。
診断方法は便検査での虫卵の検出です。わんちゃんや猫ちゃんをお家に迎えたらまずは動物病院で検便をしてもらい、寄生虫がいないかどうかをみてもらいましょう。
次にフィラリアのお話です。
フィラリアは、みなさんご存知の通り犬糸状虫という寄生虫で、名前の通り多くは犬に感染します。しかし、稀に猫ちゃんにも感染することがあり、猫ちゃんに感染した場合の方が症状は重篤です。
犬に感染した場合、心臓や血管の中に虫がたくさん詰まってしまい、血流が悪くなってしまいます。
そのため、末期になると心不全や呼吸困難、失神などの重篤な症状が出てしまうので、早期予防が必須となってきます。
また、万が一感染していても、わんちゃんの場合には早期から咳などの症状が出てくるため、その時点で治療を行うと重篤化することは少ないと言われています。
一方で、猫ちゃんに感染すると、早期に発見することは難しく、多くは末期にならないと症状が出ず、気付いた時にはかなり進行した状態、ということも珍しくありません。
また、猫ちゃんの場合、フィラリアとの相性も良くないため、フィラリアに感染してしまい、そのフィラリアが体内で死んでしまっても、アレルギー反応が起きて猫ちゃんが突然死してしまうことも稀にあります。
さらに、猫ちゃんでフィラリアが怖いところは、診断がとても難しいという点です。
わんちゃんでは、簡易の検査キットで診断をすることができ、また、感染していれば超音波検査などで成虫が見えることが多いのですが、猫ちゃんの場合、検査キットでの診断率は決して高くはなく、超音波検査での検出も難しいため、症状が出ていても原因が分からない、となってしまうこともあるのです。
このように、フィラリア症は命に関わる寄生虫疾患ですが、確実に予防出来る病気です。
最後に外部寄生虫である、ノミやマダニです。お腹の寄生虫のところでも書きましたが、ノミやマダニは、それ自身がさまざまな病気を持っている可能性が高く、身体についてしまうとすぐに寄生してしまいます。
また特にノミは一度動物たちにくっついてお家に入ってくると、すごいスピードでお家の中で繁殖してしまうので、出来るだけお家に持ち込まないようにしなければなりません。
一方マダニは、以前ブログにも書かせて頂きましたが、SFTSという、動物だけでなく人にもうつる病気を媒介しています。
これらの寄生虫が身体についてしまってもすぐに落ちるように、お外に出る場合だけでなく、お家にいる場合でも必ず予防してあげましょう。
寄生虫は決して今回お話ししたものだけではありませんが、現在私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室で処方させて頂いているお薬も含め、動物病院で処方されるお薬は注意しなければならない寄生虫の多くに効くように作られています。
コロナで外出自粛やテレワークをされている方もたくさんいらっしゃるかと思います。
しかしお外に出来るだけ出ないようにしてはいても、大切な動物たちの予防は欠かさずしてあげたい、そういった方は、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡下さい。
獣医師・動物看護師が一緒にお家へご訪問させていただきますので、ご家族様もわんちゃん猫ちゃんもお外に出る必要がなく、コロナの感染リスクは減らせるかと思います。
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【執筆・監修】
江本宏平(在宅緩和ケア専門獣医師)
【病院名】
往診専門動物病院 わんにゃん保健室
【診療受付】
10:00~19:00(不定休)
【住所】
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル
【連絡先】
03-4500-8701(留守電対応)
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※診療中につき電話をとることができないことが多いです。
往診をご希望の際には、問合せフォームからご連絡をいただくか、留守番電話にメッセージをお残しください。
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【ご挨拶】
末期がん、腎不全、心疾患など、 高齢の犬や猫に対する在宅緩和ケア・ターミナルケアを専門としています。
ご自宅でのケアに限界を感じたとき、 病院への通院が難しくなってきたとき、
「最後まで苦しませたくない」という気持ちに寄り添った診療を行っています。
【診療対応地域(往診対応エリア)】
東京都:
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神奈川県:
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