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削痩とぐったり(猫、リンパ腫、東京往診)

こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

 

往診専門動物病院では、診療施設を持たず、医療機器や資材、医薬品を飼い主様のご自宅まで持ち込み、家の中で検査から治療までの一通りを行います。

 

往診では、血液検査から糞便検査、尿検査など、大型医療機器を必要としない検査であれば、動物病院と変わらない診察を受けることができます。

 

おしりの悪性腫瘍の猫.jpg

 

また、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、獣医師と動物看護師が一緒にお伺いしますので、全く触れない猫ちゃんであったり、大型犬で立ち上がれないなどの症状であったりしても、安心して家の中で診察を行うことができます。

 

往診で出会うペットの多くが高齢であったり、ぐったりしていて残りの時間を家の中でストレスなく過ごさせてあげたいというケースであったりします。

そんなわんちゃん、猫ちゃんに対して腹部超音波検査(エコー検査)を行うと、しばしば腫瘍病変と出会います。

 

そんな時、往診で出会う多くの飼い主様が、最愛のペットに対する外科手術や放射線治療はもちろんのこと、抗がん剤治療ですら選択されません。

動物病院に通院できる犬猫であれば、きっと抗がん剤治療までは挑戦される方が多いのかなと思いますが、往診で出会うご家族様のほぼ全員が、抗癌剤ではなく緩和治療を希望されています。

 

動物病院で腫瘍が見つかり、余命宣告を受け、余生をゆっくり過ごさせてあげたいとお考えの飼い主様、状態が急変する前にご連絡ください。事前に状態を把握させていただき、診療プランを一緒に考えていきましょう。

 

今回は腫瘍性疾患の中でも遭遇することが多いものの中で、リンパ腫というガンがあります。

 

リンパ腫とはどういう病気か、皆さんご存知ですか?

 

最近では、テレビなどで見ることもあるかもしれませんが、ピンと来ない方も多いかと思います。

そこで今回は、猫ちゃんのリンパ腫についてお話しようと思います。

 

まず、リンパ腫とは何でしょうか?

リンパ腫とは、血液中のリンパ球という細胞のガンで、血液のガンなので、どの臓器でも起こる可能性があります。その中でも、動物では大きく3つに分けられています。

 

①多中心性リンパ腫

 

②縦隔型リンパ腫

 

③消化器型リンパ腫

 

の3タイプです。

 

①の多中心型リンパ腫とは、全身のリンパ腫がガン化してしまい、全身のリンパ節の腫脹が見られます。

犬でよく見られるリンパ腫のタイプで、発症すると、元気消失、食欲減退、発熱などが見られます。

 

②の縦隔型リンパ腫とは、胸の中にある縦隔という部位にできるリンパ腫です。

縦隔にあるリンパ腫が腫れたり、悪化すると胸水が溜まって呼吸が苦しくなることもあります。

こちらは主に猫のよく見られます。

 

最後に③の消化器型リンパ腫です。

消化器型リンパ腫とは、お腹の消化管にできるリンパ腫のことで、消化管の粘膜が肥厚し、嘔吐や下痢を引き起こしたり、お腹のリンパ節が腫れて外からでも触ることができることもあります。

消化器型リンパ腫は主に高齢の猫でよく見られるリンパ腫です。

 

症状は3タイプそれぞれですが、共通して元気がなくなったり、食欲が落ちたり、痩せるといったどんな病気にも当てはまる症状が見られるので、診断が大切になってきます。

診断は、腫れているリンパ節から細胞を取って調べるという方法です。

そこでガン化したリンパ球が見られれば診断がつきますが、たとえば縦隔型リンパ腫の場合、胸の中に針を刺すことは極めて難易度が高く、また、動いてしまう子の場合には鎮静剤などを使用しなければ難しいこともよくあります。

逆に多中心型リンパ腫が疑われる場合には、触診で触ることが出来るので、検査は容易に行うことが出来ます。

そのため、診断をつけるためには検査が必要ですが、どこまで検査を行うかは、基本的にはご相談ということが多いかと思います。

 

では、リンパ腫と診断された場合どういった治療をすることになるのでしょうか?

 

もっとも分かれ目になるのは、積極的に治療をするのか、緩和治療を行うのか、というところかと思います。

 

積極的な治療を行うのであれば、抗がん剤を使用します。

リンパ腫は比較的抗がん剤が効きやすいタイプの腫瘍なので、効果があれば寛解といって、治っているわけではありませんがガン細胞が体の中からほとんど消えている状態まで持っていくことができます。

ここまで来れれば2年ほど頑張ることができることもあります。

しかし、抗がん剤の効果や副作用の出方にはかなりの個体差があり、同じ治療をしていても全く副作用が出ない子もいれば、副作用が強すぎて抗がん剤を続けることが出来なくなってしまうこともあります。また、副作用も出なければ効果も出ない、という子もいます。

これはやはりやってみなければ分からないというところではあります。

 

一方、緩和治療という方法もあります。

積極的な治療ではかなり体力が必要になります。

高齢であったり、基礎疾患があったり、治療を行う前からかなり体力が落ちている場合には、抗がん剤が適応にならないこともあります。

そういった場合には、ステロイドを使用します。

リンパ腫はステロイドがかなり効果があり、一時的にすごく良くなってくれることが多いです。

ステロイドは食欲増進や元気を出すという効果もあるので、劇的な変化が見られます。

しかし、ステロイドは抗がん剤ではないので、次第に耐性が出来ていき、実際効果があるのが1ヶ月ほど、平均寿命としては2ヶ月程度と言われています。

 

治療として2種類をあげましたが、どちらを選んでも正解です。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、リンパ腫と診断された場合には、これらの治療をご説明した上で、今後どちらの治療を行っていくかご相談させて頂きます。

抗ガン剤は病院での注射になりますが、緩和治療は基本的にお家での投薬になります。

そのため、動物病院に行くことが難しい場合、動物病院のストレスが強い場合にもその選択をされる方もたくさんいらっしゃいます。

また、緩和治療では、副作用はほとんどなく、最期までその子らしくお家で過ごすことが出来るかと思います。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、今までにもリンパ腫の緩和ケアを行った例がたくさんあります。

動物病院でリンパ腫と診断されたが、抗ガン剤は...という場合や、ガンの緩和ケアをして欲しい、などというご相談もよく受け付けます。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ご家族様と環境、その動物に合った治療法をよくご相談し、ご提案させて頂きます。

 

ガン以外にも、高齢猫の緩和ケアを考えていらっしゃる方もいると思います。

緩和ケア、ターミナルケアもいつでも往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。

 

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