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第一章 腎臓病の猫〜今までの生活の終わりと始まり〜②

飼い主「食欲が下がってきてしまい、最近よく吐くんです。」

獣医師「12歳という年齢的にも一度検査してみましょう。」

 

獣医師「尿素窒素(BUN)高値クレアチン(CRE)高値ですね。腎臓病です。」

飼い主「えっ・・・。」

 

獣医師「内服を出しますので、これとこれを1日1回、これは2回飲ませてください。ご飯は腎臓病用のご飯に切り替えてください。また、皮下点滴に通院でまずは週2回きてください。間隔をあけたいので、水・土や日・木のように通院してください。お大事にどうぞ。」

 

猫ちゃんとの暮らしは、とても心温まるものであると思います。

 

気まぐれな愛猫に振り回されたり、昨日まで食べていたご飯を急にいらないとプイッとされてしまって凹んだり、夜中の運動会で顔の上を駆け抜けられて怪我してみたりなど、いろんなストーリーがご家族様ごとにあるかと思います。

 

ずっとそんな時間が続けばいいと誰もが願います。

 

ずっと子供のように接してきているため、歳を重ねても子供のように感じており、まだ5歳、まだ6歳、まだ9歳、まだ12歳…と、時間的な間隔を優先して考えてしまいがちです。

 

「猫ちゃんにとって12歳は間違いなく高齢期」

 

辛い現実ですが、この話に登場する12歳という年齢は、猫ちゃんからすればすでに高齢期であると考えています。

 

また、高齢期には、病気が付きものです。

 

検査をすれば、きっと何かしらの異常が検知されると思います。

 

そのときに、「うちの子に限ってそんなことは・・・」と感じてしまうかと思いますが、その心の反応はごく普通のことです。

 

自分よりも小さく、また若い猫ちゃんに対して、人間の高齢者の像を照らし合わせてみられている方のほうが希少であると考えています。

 

私ですら、現在8歳の自分の愛犬に対して、まだまだ赤ん坊のように感じてしまっています。

 

高齢期まで頑張って生き続けてくれたペットの今に対して、飼い主の考えとして大切なことは、「病気を持った我が子を、病気ごと受け入れてあげること」だと思います。

 

受け入れることで、今までの日常に終止符を打ち、その瞬間から新しい日常が始まります。

それは、単なる変化であり延長のようでもあり、また、もしかしたら全く違うもののようにも感じるかもしれません。

 

しかし、わんちゃん、猫ちゃんからしたら、間違いなく延長であり、飼い主様を思う気持ちに変化はないと思います。

 

むしろ、体調が悪くなってしまった時の不安な気持ちから、もっと飼い主様と一緒に居たいと訴えてくることでしょう。

 

その心の変化に気づいたのであれば、飼い主様側が変わらなければいけません。

 

時間は有限であり、その有限な時間をどれだけ、今目の前にいる我が子のために使えるかを、飼い主様自身で調整できるのであれば、最大限悔いのないように、時間を調整してあげてください。

 

その子達からすれば、飼い主様が全てなのです。

 

往診をしていて出会う猫ちゃんたちのほとんどが高齢であるということもありますが、大体10歳過ぎたら何かしらの体調不良を飼い主様に訴えかけているように感じます。

 

一緒に暮らしていると日常の中での少しずつの変化だと、「いつものことだから」「3日もすればいつも通り元気になる」などの経験からの推測が実証されてきたという自負もあり、結構気づけないことが多いようです。

 

もしかすると、「気づけない」のではなく、「気づかないようにしている」という方が正しいのかもしれません。

 

飼い主様による期待的観測は一概に「間違っている!」と否定はしませんが、確かな知見を持ってでない限り、肯定はできません。

 

それにより、もし状態が良化しなかった場合、おそらくその待機させてしまった期間で、その猫ちゃん、わんちゃんの状態は進行してしまったことと思われます。

 

治療すれば治るものであれば治療を進めてあげましょう!

 

ただ、その治療にもしも大きな負担を伴うのであれば、家族でしっかりと話し合いましょう

 

腎臓が悪い子の検査には、血液検査、尿検査をはじめまだまだたくさんあります。

 

全部やってあげたいという飼い主様の気持ちとは裏腹に、猫ちゃんにとって検査されること自体、中には大丈夫な猫ちゃんもいますが、ほとんどの場合は大きなストレスになります。

 

 

動物病院に通院させ

 

待合室でまち

 

診察室で診察を受け

 

検査室に運ばれて検査をされ

 

帰り道の間もじっとキャリーの中で堪えてもらう。

 

 

もしかしたら、麻酔や鎮静を必要とする検査もあるかもしれません。

 

治療だけでなく、実は検査にもさまざまなリスクがあります。

 

そのリスクを獣医師に確認した上で、どこまで攻めた検査・治療を行うか、または、もう攻めずに対症療法のみで苦痛を軽減してあげる(緩和ケア)ことを選択するかを決めていきます。

 

どの選択肢を選んでも、決して誰も飼い主様を責めません。

 

飼い主様が選んだ選択肢が、その子にとって最良となれるように、獣医師含めた動物病院の医療スタッフみんなでサポートしてくれるはずです。

 

もしも治せる病気であれば治してあげたいし、だとすれば、検査で原因となる病変部を発見してあげたいです。

 

しかし、その検査自体に負担があり、もしかしたらそれをきっかけにぐったりしてしまい、もう会うことができなくなってしまうかもしれないと考えたら、一概に検査をさせることだけが正しいとは言い難いと思っています。

 

高齢期の猫ちゃん、わんちゃんと暮らしている飼い主様にとって、病気を治してあげることに専念することもそうですが、それ以上に、病気になった我が子をまるっと受け入れてあげることも大切だと思っています。

 

「今までは元気で健康だった愛猫が、急に病気を発症してしまった。これからどうしよう・・・」

 

今までの日常はそこで終わり、ここからは新たな日常が始まります。

 

猫ちゃんをお家に迎え入れるのであれば、この子たちは高齢期になると腎臓病になりやすい、ということを知っておいてください。

 

腎臓病は、元に戻ることは考えづらい病気です。

 

そのため、如何にして早期発見し、早い段階から進行を抑制できるような診療プランを考えていくことがおすすめです。

 

そして、腎臓病を発症したのであれば、獣医師との連携投薬内容の管理ご飯の管理運動性の管理などが必要不可欠になります。

 

また、猫ちゃんはご飯の好みにとてもうるさい生き物です!

 

そのため、好きなご飯ではなく腎臓病用ご飯など、結構の確率で食べてくれません

 

食欲が今までよりもなく、ご飯の味も今までよりも悪いのであれば、そりゃ食べてくれないでしょ、ってなりますよね。

 

それでもどうにかこうにか腎臓に負担のないご飯を探していきます。

 

コンビニやショップ、ドンキやamazonなどのネット通販を駆使して、さまざまな種類のご飯を最小単位で購入し、試してみます。

 

一部屋がほぼ猫ちゃん用ご飯部屋になっているというご家庭も珍しくありません。

 

そのくらい、食べてくれるご飯を探すのは大変です。

 

そんなふうにして四苦八苦して、なんとか食べてくれる腎臓に優しいご飯と巡り会うということを、ほとんどの猫の飼い主様はやっています。

 

投薬でもそうです。

 

猫ちゃんは薬が飲めない生き物です。

 

でも飲ませてあげたいのが人間側の意見であり、頑張って飲ませるのですが一筋縄にはいきません。

 

そんな時は、まずはかかりつけの獣医師および動物病院スタッフに相談してみましょう。

 

こういった内容は、獣医師よりも動物看護師の方が得意だったりしますし、案外思ってもいなかった方法を教えてくれるかもしれません。

 

毎日投薬し、ご飯選びに四苦八苦し、日々の体調の変化にこんなにも注視する日常がやってくるのかと思っている飼い主様もいると思います。

 

そんな日は訪れます。

 

そして、そんな日が訪れたということは、ちゃんと一緒に、あなたの横で生きてきてくれたという証です。

 

さぁ、チャンスです。

 

今まで一方的に与えられ続けた愛情を返せる、恩返しのチャンスが到来しました。

 

毎日たくさんの愛情を返してあげましょう。

 

そう考えるだけで、辛い闘病生活が一転し、優しく心温まる看病生活に変わるはずです。

 

一緒に頑張っていきましょう!

 

次は、第二章①「向き合い方と家族の役割」をお送りします。

 

ここまでの話に共感されましたら、ぜひ続きも読んでください^^

 

ベンガル子猫.jpg

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