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猫ちゃんの嘔吐、それ大丈夫?①(東京犬猫往診/猫の嘔吐)

こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室です^^

当院は、東京中央区と台東区、江東区に拠点を構えて、獣医師と動物看護師がチームとなって、ご訪問させていただいています。

 

今日は【猫ちゃんの嘔吐、それ大丈夫?】というお話ですので、今猫ちゃんと暮らしている方、そしてこれから猫ちゃんを迎え入れようとお考えの飼い主様は、是非最後までご一読ください^^

 

お家の猫ちゃんは、普段どのくらいの頻度で嘔吐をしますか?

 

・嘔吐の頻度は、週1回未満なんで問題ないと思っています!吐いた後もケロッとしています。

 

週2〜3回くらいで、吐いた後は食欲がないのですが、1日くらい経つと普段通り元気に戻る、というのをずっと繰り返しています。

 

・頻度は週1回くらいですが、結構大量に吐いて、1回とカウントしていいのかわかりませんが、ゲポッゲポッって4,5回立て続けに吐きます。その後は至って元気なんですが…。

 

・ここ最近、急に吐くようになってきて、今ではほぼ毎日吐いています。元気は元気ですし食欲もちゃんとあります。

 

いろんなキーワードが隠れていますね。

 

嘔吐頻度は猫ちゃんによって様々だと思います。

 

そして、「普段から」よく吐くなどの光景を見ていると、それが異常なのかどうかの判断も鈍ってきます。

 

ちなみに当院では、

 

往診先で出会う猫ちゃんのご家族様には、週1回程度の嘔吐であれば生理的嘔吐として受け止め、その後に元気・食欲・排便状況・排尿状況などの一般状態に特に変化がなければ、様子を見ていきましょう!

 

と伝えています。

 

猫ちゃんの飼い主様の多くは、猫は吐く生き物だと認識されています。

 

がしかし、そこには思わぬ疾患が隠れているかもしれません。

 

あまりにも嘔吐が続く場合(例えば週2回以上が目安です)には、一度獣医師に、早めにご相談してください。

 

今回は、そんな猫ちゃんの嘔吐の原因をいくつかご紹介します。

 

誤食

 

まずは「誤食」です。

 

元気な子猫.jpg

 

誤食とは食べてはいけないものを食べてしまうことで、子猫に多いです。

カーペットの端や、おもちゃ、ひも状のものなど、食べてしまうものはその子の好みによって様々です。

誤食をすると、食道に詰まってしまうこともゼロではありませんが、多くは胃の中まで流れていきます。

胃の中に異物があることで嘔吐を引き起こすこともありますが、異物がそのまま胃の中に数ヶ月間留まり、数ヶ月後に胃〜十二指腸の間で詰まってしまい症状を引き起こすこともあります。

また、胃の中からスムーズに流れていったとしても、消化管のどこかで閉塞を引き起こして嘔吐という症状が出ることで誤食が判明することも少なくありません。

 

誤食物が胃の中にあったり、食べてすぐの場合であれば催吐処置を行い、誤食物を吐き出させますが、鋭利なものであったり、すでに腸管に進んでいる場合、閉塞を起こしている場合な内視鏡での摘出や手術を行うことになります。

 

そのため、往診では対応できません。

ですので、普段は動物病院へ通院することが苦手な猫ちゃんであっても、満を辞して、頑張ってキャリーに押し込んで緊急で連れていくしかありません。

 

催吐処置によって、もしかしたら誤嚥をさせてしまい、誤嚥性肺炎を発症し、致命的なこととなってしまうことだって考えられます。

動物病院であれば、病院にもよりますが酸素室での集中管理からもしかしたら気管支戦場まですることができるかもしれません。

誤食をさせてしまった場合には、待たずに動物病院に飛び込みましょう。

 

また、誤食する子は異食癖がある子と認識してあげましょう。必ずと言っていいほど繰り返します。

 

誤食は、教科書的に考えればご家族様に気をつけて頂くだけで防げるものなのですが、環境全体に常に気をつけているわけにもいかないと思います。

 

できる限りものを家の中に置かない、棚やゴミ箱にも簡易的な施錠をする(猫ちゃんは鍵のついていない扉は開けられると思っていてください)と徹底しているご自宅もありました。

 

お家の猫ちゃんに誤食癖がある場合には、家の中のオペレーション自体を考え直す必要があるかもしれません。

 

気をつけましょう。

 

次に「慢性膵炎」です。こちらも猫ちゃんの嘔吐の原因でよく見られます。

 

慢性膵炎

 

膵炎とは、膵臓の炎症のことです。

 

わんちゃんでは急性膵炎が救急疾患としてポイントになりますが、猫ちゃんでは急性膵炎はあまり見られず慢性膵炎がよく見られます。

 

膵臓で炎症が起こることで、周囲の消化管にも炎症が波及し、胃腸炎のような症状を引き起こします。

 

また、嘔吐とは別のお話になりますが、膵臓は消化酵素を出す細胞もあれば、インスリンを出す細胞もあります。

 

そのため、慢性膵炎によって、膵臓の細胞が減ってしまうとインスリンが減って糖尿病になってしまうことがあります。

 

糖尿病になると多飲多尿という症状も出てくるので、慢性膵炎がある猫ちゃんは注意しましょう。

 

慢性膵炎の原因は自己免疫疾患が多いと言われていますが、実際にはっきりとした原因があるわけではなく、様々な要因が組み合わさって起こっていると考えられます。

 

往診では、嘔吐を高頻度で認める猫ちゃんには、血液検査を実施しています。

もし膵臓の検査項目に異常値を認めれば、1週間程度〜の集中的な皮下点滴治療を毎日実施してあげ、状態の安定を図ることを行なっています。

 

ちなみに、犬で急性嘔吐(いきなりゲボゲボ吐き出して、嘔吐が止まらずにぐったりしている様子)の場合は、往診適応外です。

 

もし高齢犬で通院がどうしても苦手な場合には、できる限りお伺いさせていただいていますが、往診は救急車でないため緊急で伺うことができませんので、その点だけご了承いただいております。

 

嘔吐って、奥が深いですね。

 

猫の嘔吐.jpg

 

まだ続きます。あと2個です。しかし、文量も多くなってしまったので、今回はここまでとします!

 

今回は、猫ちゃんに見られる嘔吐について2つの病気を挙げて説明させていただきました。

 

猫ちゃんの嘔吐って、放っておいてもいいかなって思っていた飼い主様に、こういった考え方が届けばいいなと思い書かせていただきました。

 

次回は、【猫ちゃんの嘔吐、それ大丈夫?】②ということで、甲状腺機能亢進症で嘔吐する猫ちゃんについて、そして高齢猫ちゃん必見の慢性腎臓病(慢性腎不全)で吐いてしまう猫ちゃんについてお送りします^^

 

それでは、また次回お会いしましょう!

 

 

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