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猫ちゃんの嘔吐、それ大丈夫?②(東京犬猫往診/猫の嘔吐)

こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室です。

 

本日は、診療が立て込んでおり、以下のような症例のご自宅に獣医師と動物看護師で訪問させていただきました。

 

1件目:慢性腎臓病の猫、16歳、日本猫、去勢雄、東京江東区

診療内容は月一回の血液検査での腎臓の進行具合の評価です。

状態は安定しており、猫ちゃんも頑張ってお薬を飲んでくれていました!

 

2件目:腎不全の猫、18歳、アメリカンショートヘア、避妊雌、東京千代田区

診療内容は、ターミナルケアです。ここ毎日往診させていただき、皮下点滴処置をメインに注射薬をブレンドして行っています。検査は1週間に1回です。

 

3件目:巻き爪の猫、10歳、日本猫、去勢雄、東京中央区

結構繊細で怒りん坊な猫ちゃんでしたが、どうにか捕獲して巻き爪を解除したら、結構出血がひどかったので、止血に時間がかかりました。お薬が飲めないのと普段はさわれないということから、注射で抗生物質を投与して、最後にお母さんに抱っこしてもらって温もりを感じていただき終了です。

 

4件目:甲状腺機能亢進症の猫、8歳、日本猫、去勢雄、東京中央区

甲状腺ホルモンの定期検診です。今は安定しているため、3ヶ月に1回の検査でもう1年になります。このまま安定していくことを願っています。

 

5件目:心臓病の犬、16歳、キャバリア、避妊雌、東京中央区

酸素室の中で寝ており、昼間はお母さんが見ている時という条件で部屋の中をうろうろしたえり、外出も許可できています。今は月1回の血液検査と腹部エコー評価を実施しています。

 

今日であった症例が物語っているように、やはり猫ちゃんの慢性腎臓病と甲状腺機能亢進症は多いように感じています。

 

となる今回は、甲状腺機能更新症の猫ちゃんと慢性腎臓病(腎不全)の猫ちゃんの嘔吐についてです。

 

猫ちゃんと暮らしている方、ぜひご一読ください^^

 

まずは「甲状腺機能亢進症」からです。

 

甲状腺機能亢進症

 

こちらは中〜高齢猫に多い疾患です。

 

特に高齢猫で、よく食べるようになった、元気になった、よく鳴くようになった、吐く回数が増えた、食べるのに太らないといった症状がある場合には、この甲状腺機能亢進症が疑われます。

 

甲状腺機能亢進症の猫.jpg

 

甲状腺機能亢進症では、甲状腺ホルモンの分泌量が増えることで、体の様々な臓器において機能が亢進する疾患です。

 

もちろん心臓においても機能が亢進するので、心拍数や血圧が上昇し、元気に見えるようになります。

 

そして心拍数が上がることで、心臓の負荷が増えてしまい、心臓病を併発してしまったり、血栓を作って血栓症を引き起こしてしまったり、ということもあります。

 

また、消化管の機能も亢進するため、蠕動運動が活発になり、未消化物でも先に流してしまったり、食べ過ぎたりしてしまうことで、嘔吐や下痢といった症状が出てきます。

 

甲状腺機能亢進症は血液検査で診断し、内服薬でホルモン濃度を調節することで治療を行います。

 

しかし、甲状腺機能亢進症を治療することで、後述する慢性腎不全が悪化してしまうこともあるので、慢性腎不全がある場合にはそちらに関しても注意しなければなりません。

 

往診で甲状腺機能亢進症を疑っている猫ちゃんの診察をする場合には、甲状腺ホルモンについて、甲状腺機能亢進症と心臓病との関係性甲状腺機能亢進症と腎臓病との関係性、その他、高血圧に伴う失明(網膜剥離など)や肺水腫など、広い知識をわかりやすく噛み砕いてご説明させていただいています。

 

先住猫がいた、または老猫と暮らしていて動物病院に通院できている飼い主様からは、何となく病名だけは聞いたことがあった、と伺うことが多いですが、

 

ほとんどの方で、

 

「説明してもらったが、早くて覚えていない」

 

「そういう関連性があるんですね〜」

 

と、初めて表情を浮かべられています。

 

治療プランを組む上で、飼い主様の病気に対する理解は必須になってきますので、当院ではしっかりとご説明させていただくことを大切に、日々往診専門獣医療をご提供させていただいております。

 

定期的な血液検査や皮下点滴、投薬のコントロールなどのために、毎回動物病院に通院させているが、その度に猫ちゃんがぐったりしてしまうということはありませんか?

 

通院のストレスが大きすぎると感じていらっしゃるのであれば、どうしても通院させなければいけない状況でない限り、ご自宅で検査・処置・治療プランの見直しをしてあげることを検討していきましょう。

 

おそらく、その内容であれば往診で十分対応できるはずです。

 

猫ちゃんにとって最良となる診療プランを組んでいきましょう!

 

さぁ、いよいよ一番気になる「慢性腎臓病(腎不全)」です。

 

慢性腎臓病

 

従来は腎臓の病気をまとめて腎不全と呼ぶことが多かったので、飼い主様に届きやすいキーワードとして「腎不全」と話してしまうことは、今でもあります。

 

しかし、腎不全は腎臓病の中でも後半の方であり、ここではもっと大きな括りとして慢性腎臓病という病名を使用していきます。

 

往診で出会う猫ちゃんの多くが腎臓病であり、その治療方法はいくつかあるのですが、全て猫ちゃんの性格と飼い主様がどこまでしてあげたいかによって、その環境で生活している猫ちゃん専用の診療プランをご提案させていただいています。

 

慢性腎臓病の猫.jpg

 

慢性腎不全では、本来おしっこから出て行く老廃物が体の中に溜まっていき、一定のラインを超えると尿毒症の症状を引き起こします。

 

尿毒素がたまると、気分が悪くなったり、食欲不振、嘔吐や下痢、ひどい場合にはけいれん発作を起こすこともあります。

 

そうならないために、尿毒素を体から出来るだけ出すために点滴を行なったり、慢性腎不全の進行を抑える治療薬を使用したりします。

 

進行速度を緩める治療をしても、言葉の意味通り、進行を止めることはできません。

 

そのため、定期的に血液検査を実施し、数値の上昇が見られる場合には点滴の量を増やしたり、吐き気がひどい場合には吐き気止めを注射したりといった治療をして、出来るだけ症状の緩和を目的に治療を進めます。

 

基本的に、検査の頻度は月1回であり、その時のデータによって今後の診療プランや治療内容を検討していきます。

 

往診の場合も同じで、状態が安定してしまえば、月1回程度の診察と検査、検査自体は5分程度ですので、猫ちゃんにとっても負担の少ない診療として考えています。

 

嫌なことをされた後は、すぐに好きな場所に隠れられるのもまた、往診ならでは強みです。

 

慢性腎臓病の治療と検査には、やはり獣医師が必要です。

 

また、その頻度は減ることはなく、今後増えていきます。

 

もし動物病院に通院することが苦手な場合には、これからその苦手意識は徐々に高まり、この先であまりの興奮で痙攣を起こしたり、ぐったりしてしまったり、ということも起こり得ます。

 

もし通院が難しくなった、ないしすでに難しいと判断された場合には、往診専門動物病院までご連絡ください。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、東京中央区を中心に、東京千代田区や目黒区、江東区など、東京23区とその近隣地区まで、獣医師と動物看護師がチームとなってお伺いさせていただきます。

 

諦める前に、まずはご連絡ください。

 

前回と今回で、猫ちゃんでよく見られる嘔吐の原因をご紹介させて頂きました。

しかし、これが全てではなく、高齢猫であればもちろん腫瘍性疾患も考えなければなりません。

 

そのため、もしお家の猫ちゃん、とくに高齢猫の嘔吐の回数が増えたという場合には、獣医師にご相談ください。

 

猫ちゃんでは、動物病院に行くのが苦手な子も多いかと思います。

 

そういった場合に、待ち時間もなく、処置が終わるとすぐに自分の場所に戻ることができる、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

次回もお楽しみ^^

 

 

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