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トイレで泣き叫ぶ高齢猫②(膀胱炎/血尿/実は腎不全/東京都渋谷区/来てくれる獣医さん)

今回は、前回に引き続き、

 

膀胱炎だと思っていたが 腎不全が隠れていた猫ちゃん!

 

のお話です。

 

トイレの中の猫.jpg

 

トイレの中で泣き叫ぶ猫ちゃん(東京渋谷区/高齢猫)

症例は、東京都渋谷区在住の10歳の猫ちゃん、タロちゃんです。

 

タロちゃんは昨日の夜から何度もトイレに行き、その度に泣き叫び、ポタポタと血尿をしているとのことで、往診をご希望のお電話をいただきました。

 

何度もトイレに行って鳴きながらしゃがんでいるとのことで、症状が辛そうとのことで、この日は予約枠に空きが出たため、当日にてお伺いさせて頂くことができました。

 

お家にお伺いすると、タロちゃんはトイレでしゃがみこんでいて、やはり辛そうな様子でした。

 

ご家族様に詳しくお話をお伺いすると、昨日までは元気そうだったとのことですが、最近少し食欲が落ちたかな?と感じることもあり、少し心配されていたところ、今朝から血尿が始まったとのことでした。

 

たしかにトイレの砂には赤い点々とした尿が付いていました。

 

タロちゃんはお家からでると、ずっと鳴いていて、とてもストレスを感じやすいため、動物病院に連れて行くよりストレスは少ないだろうと往診をご希望されました。

 

ここで、気になった点が、最近食欲が落ちてきた気がするということです。

 

膀胱炎では通常、排尿に関する症状とほぼ同時ぐらいで食欲不振が出ることはありますが、それよりかなり前から症状が出るということはほとんどありません。

 

そこで考えられるのは、慢性腎臓病(腎不全など)です。

 

特におしっこのトラブルを若い頃から繰り返す猫ちゃんでは、早期から慢性腎不全が始まってしまうことが多いと言われています。

 

今回のタロちゃんもその可能性が考えられましたので、尿検査と腎臓・膀胱の超音波検査に加えて、血液検査をご提案させて頂きました。

 

タロちゃんは今までほとんど動物病院に連れて行けておらず、気にはなっていたとのことで、往診での血液検査および尿検査、超音波検査(エコー検査)にご同意頂けましたので、実施することとしました。

 

まずはタロちゃんをトイレから出してきてもらい、バスタオルに包んで素早く採血と超音波検査を実施しました。

 

往診では、必ずバスタオルないし大きめのタオルを2枚ほど、ご準備いただいています。

 

診療時に、そのタオルでわんちゃん・猫ちゃんを包んであげることで、本人たちも落ち着いて診療を受けてくれます。

 

タロちゃんは何度もトイレに行き、おしっこを絞り出すようにしていたため、超音波検査で膀胱を見てもほとんど溜まってはいませんでしたが、少し溜まっているのをみると中に結石が認められました。

 

採尿をすることは出来なかったので、まずは対症療法を実施しました。

 

ご飯もお水も食べられていないとのことでしたので、皮下点滴に加えて、お腹を動かすお薬や炎症を抑えるお薬、また、冒頭でお話ししたように細菌感染と結石が併発していることもあるので抗生物質を使用し、その日の診察は終了としました。

 

ちなみに、皮下点滴も無闇に打つと過剰状態になり、逆に具合が悪くなってしまったり、最悪肺水腫を起こしてしまったりすることがありますので、注意が必要です。

 

特に腎不全でBUN(尿素窒素)、CRE(クレアチニン)、IP(リン)などが高いが入院はできない猫ちゃんなどに対し、過剰なまでの皮下点滴を一度に投与するケースもあるかと思います。

 

しかし、結果として代謝が追いつかずにぐったりしてしまったり、貧血がある猫ちゃんであれば貧血が一過性に進行してしまいます、ふらついたり立ち上がれなくなってしまったりなども起こりかねません。

 

ペットの状態や環境などさまざまな要因はありますが、基本は30ml/kgを目安に、それ以上は1度に投与しないことをお勧めします。

 

抗生物質は、腎不全があると使用を推奨されていないお薬もあるので、念のため腎不全でも使用できるお薬を使用しました。

 

次の日に再診のご予約を入れて、様子を確認させて頂くこととしました。

 

血液検査では、やはり腎臓の数値がかなり高く、ステージ4の数値でした。

 

慢性腎不全のステージは4つありますが、その1番悪化しているステージです。

 

おそらく食欲不振はそこから来ていると考えられました。

 

この数値が続いてしまうと食欲不振だけでなく、悪心や嘔吐、さらには神経症状が出てしまうこともあるので、継続的な皮下点滴が必要と考えられました。

 

次の日、再診のためにお伺いすると、タロちゃんは部屋の隅にあるタロちゃんの寝床に隠れてしまいました。

 

逃げられるほど元気になったようで私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフも少し安心できました。

 

タロちゃんは注射以降、ソワソワする様子もなくなり、少しご飯も食べてくれたそうで、朝はまとまったおしっこをしてくれたとのことでした。

 

ご家族様に、血液検査の結果をご説明したところ、大変驚かれていましたが、お家での皮下点滴を頑張って頂けることになりました。

 

また結石に関しては、どういった種類の石なのか、溶ける石なのかどうかを尿検査で見てみなければなりません。

 

その日の朝にしたおしっこをご家族様が採尿してくださっていたので、今回はそのおしっこで検尿をすることになりました。

 

その日は、皮下点滴のご指導をさせていただき、昨日と同様お薬も混ぜて、次は3日後に再診としました。

 

皮下点滴の指導も、往診専門動物病院では、ご自宅という環境で、どの場所で何を使い、どんな風にペットを押さえてあげて、皮下点滴をするのがいいかを一緒に考え、ご提案させていただきます。

 

道具だけをお渡しして「家でどうぞ」ではなく、ちゃんとお母さん、お父さんが打てるようになるまで、何度でも指導させていただきます。

 

もちろん、中にはどうしても暴れてしまい、ご家族様だけでは皮下点滴ができない場合もあります。

 

その場合には、おそらく抱っこしてギュッとしてしまえご家族様でも皮下点滴を打つことができることが多いので、わんにゃん保健室のスタッフがサポートにお伺いさせていただくということも可能です。

 

今回の場合には、タロちゃんも嫌がらずに皮下点滴を受け入れてくれたので、そのまま同日にお渡しができました。

 

また、尿検査の結果ですが、タロちゃんの結石は溶ける石である可能性が高いことがわかり、以降は尿石用のご飯に切り替えて、ウェットフードも与えてもらっています。

 

ご家族様も皮下点滴に慣れていただき、ご家族様もタロちゃんもストレスなく元気に過ごしてくれています。

 

タロちゃんの腎臓の数値は1ヶ月に1回の血液検査で定期チェックして、皮下点滴の量を調節していく予定です。

 

今回のタロちゃんのように、血尿が主訴であっても、その背景に実は慢性疾患が隠れていることも、猫ちゃん、とくに高齢猫では珍しくありません。

 

そのため、日々の些細な変化に気付くことで病気の早期発見に繋がるかもしれません。

 

もし変化に気付いた場合、あるいは変化はないけれど健康診断をしてほしい、しかし動物病院に連れて行くとストレスが大きすぎる、といった場合にはお気軽に往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。

 

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