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発作と向き合いながら暮らすということ②(ペット在宅緩和ケア/東京犬猫往診)

今回は、前回に引き続き、水頭症を抱えながら生活してきた、小枝ちゃんのお話です。

 

前回のブログはこちらからご覧いただけます。

 

それでは、続きに入ります。

 

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水頭症には好発犬種があり、マルチーズやトイ・プードル、チワワなどが該当します。

 

生まれながらにある先天性、何かしらの病気に併発した後天性に分けられますが、なんとなく多くの場合が先天性、つまり簡単いうと、生まれつき、ということです。

 

水頭症に伴う脳のダメージによる症状の一つが発作や行動異常であり、それを長年お薬コントロールしてきました。

 

今回は、前回からの続き「初診時の検査問診と対策」の続きと、その後についてです。

 

初診時血液検査

往診であったとしても、現段階での状態把握及び方針決定のために、どうしても初回検査が必要となってきます。

 

ただし、1週間前までのデータがかかりつけ動物病院にて実施済みで、そのデータを参照できた場合には、状態次第で、負担を減らす目的で、初診時検査をパスすることもありますが、できる限り実施してあげています。

 

実施してあげることで、今まで気づかなかったものが見えることがあります。

 

その背景には、今までの検査項目を絞り込みすぎてしまった結果、評価できなかったということも、実際にありました。

 

犬猫の状態が検査不適ではない限り、負担と相談しながらも、初回検査は実施していきましょう。

 

血液検査

さぁ検査頑張ろう!と抱っこして保定した瞬間、結構強く嫌がりました...

 

嫌がるとチアノーゼが出てしまうという状況も事前に把握できていましたので、スタッフ人数を揃えて臨むことができ、持ち込んだ酸素ボンベを最大限使用し、保定と酸素管理の看護師2人体制で、採血を無事終えることができました。

 

採血量も、少量でいいわけではなく、外注検査を実施するにはある程度の検体量が必要なため、当院では必ず保定を動物看護師にお願いしています。

 

保定一つで、犬猫の安全性だけでなく、押さえる圧力や緊張の伝わりなどに付随するストレスも下がり、検査精度も大幅に上がります。

 

もしお願いした往診専門動物病院で、獣医師一人でくると言われた場合には、保定として動物看護師さんをお願いできないか、確認してみてください。

 

もし連れてきてもらえない場合には、ご家族様がその役を担わなければなりませんので、当日しっかりと指導を受けてから、保定に取り組むようにしましょう。

 

 

超音波検査

呼吸状態の異常の要因除去を目的とし、胸水エコー、腹水エコーにて貯留がないことを確認しました。

 

特別押さえることはなく、横の下の方からピッピッとあてて終了です。

 

今回の検査では、胸水も腹水も貯留していませんでした。

 

 

尿検査

負担を避けたいところではありますが、培養検査を実施するためにも採尿を行いました。

 

採尿検体には、自然尿(自然に排尿した尿)、カテーテル尿(カテーテルで抜去した尿)、穿刺尿(針を刺して採取した尿)があります。

 

培養検査をするには、穿刺尿が必要なため、頑張ってもらいました。

 

先ほどの採血の状況があったので、できるかどうかも含めて取り組みましたが、全く嫌がらず、むしろ気づいていないようなくらいでした^^

 

 

...という流れで、前回のブログ〜ここまでが、初診時問診と検査まででした。

 

次に、初診時における診療プランの決定です^^

 

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初診時診療プラン

初診時のプラン決定は、検査結果が出揃うまでの行動指針及び処方内容を決定していくというものです。

 

早速みていきましょう^^

 

投薬プラン

小枝ちゃんのご飯のタイミングを中心に投薬されていたのですが、意識レベルを少しあげ、かつ夜鳴きや発作の頻度を下げるためには、医薬品の都合に合わせたプログラムを実施する必要があります。

 

そのため、ご飯と投薬の時間を8:00、16:00、24:00に固定することで、8時間おきに使用するお薬を中心とした生活リズムをお願いし、夜鳴きや明け方に1時間おきに起こされるようなことの頻度がどうなるかを評価してもらうこととしました。

 

 

今後のプラン

発作のコントロールで使用する薬は、薬用量の変更が伴う場合に、2週間程度経過後に血中濃度測定を行い、用量判定および薬の効果を評価していきます。

 

ただ、小枝ちゃんの場合には、すでに長期間にわたって使用されていたこともあり、何より採血が苦手なこともあって、次回1週間後の往診では、できる限りストレスのないよう、検査は行わないこととしました。

 

状態次第ですが、その後は1ヶ月単位での診察としています。

 

状態も安定していた中、お正月に排尿痛が始まり、感受性試験で適応とされた抗生物質の多剤療法を行った結果、落ち着きを取り戻すことができました。

 

 

状態の変化と対策

時間の経過とともに、病状は変化します。

 

2023年1月の後半になると、薬が苦手となってしまい、薬がご飯に入っているかと、ご飯もあまり食べてくれなくなってしまいました。

 

どこまで頑張るべきなのか...

この状態でも飲ませるべきなのか...

 

ご状況をしっかりと共有いただき、ご家族様とご相談の上、今は1種類のみで状態維持を図ることとしました。

 

状態も下がってきたことから、前倒しで診察を組み直し、今の状態に合わせた投薬プランに切り替えていきます。

 

ペットの在宅医療を選ばれるご家族様のほとんどが、すでに愛犬、愛猫が緩和ケアのステージであったり、看取りを踏まえたターミナルケアのステージです。

 

状態の変化だけでなく、どんなことに悩んでいるのかをご共有いただき、その部分の解決ができなくとも、少しでも緩和できればと考えています。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、在宅医療に特化した緩和ケアと看取りを見据えたターミナルケアに特化した獣医療を提供しています。^^

 

 

 

2023年2月5日

小枝ちゃんは、家族が見守る中、お空へ旅立っていきました。

 

お母さんたちが寝ている横で、最後の瞬間を知らせないくらい、とても静かに旅立っていったそうです。

 

旅立つ数日前に、大好きだったきゅうりとりんごを食べてくれ、眼振もなぜか止まっており、うんちもおしっこもしてくれましたとのことでした。

 

きっと、神様がくれたお別れの時間だったのかなって思いました^^

 

最後が苦しかったのかは誰にもわかりませんが、ただ静かに寝ている姿を見ると、とても穏やかな最期だったんだと、そう思えるほどの綺麗な寝顔でした^^

 

みんなからたくさんのパワーをもらって、無事に虹の向こうへお引越しできたのかな?

 

お姉さんたちが辛そうな時は、そっと向こうから応援してあげてね^^

 

小枝ちゃんのご冥福を心からお祈り申し上げます。

 

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