往診専門動物病院ってなんですか?どこに病院があるんですか?と聞かれることがありますので、ここでしっかりと往診専門動物病院のことを伝えていきたいと思います!
ということで、今回は多くの飼い主様に往診専門動物病院と往診獣医療を知っていただけるように、何回かに分けて、『往診専門動物病院の往診獣医療』について書いていきます!
初回となる今回は、『往診専門動物病院とは』・『往診専門の獣医療誕生の背景』・『具体的な往診例』についてです!
往診専門動物病院とは
往診専門の獣医療について、皆様はご存知でしょうか?
往診専門動物病院とは、その名の通り『往診』を『専門』に行なっている動物病院です。
動物病院といっても、通常の動物病院とは違って病院施設を持っていないことが多いということが特徴です。
往診専門獣医師は、自宅やオフィスに医療機器や医薬品、医療資材などを保管し、往診依頼を受け付ければご自宅まで医療資材・機器を持って訪問します。
訪問先は、飼い主様のご自宅や高齢者向け住宅、猫カフェやドッグカフェ、トリミングサロンやペットショップ、または企業のオフィスなど、ペットがどこで生活しているかによって訪問先は変わってきます。
どんな環境においても、ペットと飼い主様にとって最良となる獣医療をご提案し処置・治療が行える獣医療に特化したのが、往診専門動物病院です。
往診専門獣医療の誕生背景
従来の犬猫の往診(訪問)獣医療は、動物病院のオプションとして行われているサービスとして考えられていました。
通常の動物病院が提供できる往診(訪問)サービスは、昼休憩や診療終了後などの時間に行われています。
しかし、多くの動物病院は検査・手術を待っているわんちゃんや猫ちゃんをたくさん抱えているため、それらの時間をその子達のために費やさなくてはいけないのが現状です。
時間や獣医師数の関係上、訪問での獣医療を求めている犬・猫がいることはわかっていても、なかなかそこまで獣医療を届けることは難しいため、通院できない犬・猫に関しては目を瞑るしか選択肢がありませんでした。
獣医療は日々発展しており、人間の医療レベルまで追いついている分野も存在していると考えられています。
しかし、これは全て『動物病院に通院できる』ペット達にとってのことであり、『動物病院に通院できない』ペット達からすれば、体調が悪くても注射すら提供されることができません。
また、高齢犬・猫や病気が進行した状態のペット達を通院させることは難しい場合が多く、できる限り負担をかけないで家で看てあげたいと希望するご家族様に対して動物病院が提供できる獣医療は限られてしまいました。
必要な薬や処置道具を渡すことはできても、ペットの病態の経過を把握する方法は飼い主様からの話しかないので、今の病状を詳しく把握することができず、診察していれば判断できた症状や病状の変化も見逃してしまう可能性がありました。
この『動物病院に通院できないペット達』にも最良な獣医療を提供する方法として、動物病院のオプションではなく、往診に特化した獣医療形態である往診専門動物病院の存在が必要とされました。
本当に往診(訪問)獣医療を必要としているご家族様に、訪問で獣医療を届け、最後の日まで決して飼い主様を一人で悩ませず、最善の診療を一緒に考え提供していくことができる存在として往診専門動物病院は誕生しました。
具体的に訪問を必要としている飼い主様とペット(犬・猫)の例
訪問による獣医療提供を必要とされているケースは、ご家族様側の事情と犬猫側の事情に大きく分けられます。実際に多かった往診事例を掲載させていただきます。
【ご家族様側の事情】
・(飼い主様が)高齢なため、ペットを連れて通院することが大変。
・子供が小さいので家を空けられないし、赤ん坊を連れて動物病院に行って迷惑をかけたくない。
・多頭飼育で、数頭に分けて何度も通院するくらいなら、往診で一気に診てもらいたい。
・仕事で忙しいので、通院や待ち時間にかかる時間を節約したい。
・プライベートを重視したい。
【猫に多い事情】
・キャリーに入ってくれない。
・キャリーに入ると狂ったようにずっと鳴き叫んでしまう。
・待合室で他のペットが気になってしまう(吠えられるなど)。
・一緒に住んでいるが触らせてもらえない。
・診察台に乗せると極度に緊張してしまう。
・診察後に帰宅すると、隠れてしまって数日間出てこなかった。
【犬に多い事情】
・大型犬で足が不自由なので連れていけない。
・多頭飼育で集団ワクチン、フィラリア、ノミダニなどの予防を一気にやってほしい。
このように、ご家族様やペットの性格・性質によって、動物病院に通院することが難しいとされるご家族様は多くいます。
往診専門動物病院が提供できる往診に特化した獣医療サービスは、通院に変わる新たな選択肢の一つとして、これらの問題の解決策となっていくと考えられます。また、今後往診がさらに求められるであろうと予想できるデータとして、昨今の猫の飼育頭数増加があります。
散歩などの手がかからない猫をペットとして迎え入れているケースが東京都内でも多く見られます。
平成29年度のデータでは、犬の飼育頭数が約890万頭、猫の飼育頭数が約950万頭と、猫の方が多くなっていますが、もともとは犬の方が多かったです。
しかし、現代社会の流れなのか、現在では猫の方が多くなり、その数はどんどん増えています。
可愛いし手間もかからないということだけで、安易に猫を飼うことは危険です。上記の事情を見てわかるように、猫ちゃんの多くは通院すること自体を苦手としています。病気になったら近くの動物病院に連れていけばいいやではなく、もし連れていけなかったとした場合に訪問対応してくれる獣医師が近くにいるかどうかをしっかりと探しておきましょう。
今回は、往診獣医療のさわりのところだけを書かせていただきました^^
次回は、往診を呼ばれているご家族様やペットの特徴について書いていきます。
訪問による往診獣医療のニーズは、認知度が上がってくるに連れて伸びています。
なかなか通院できなくて困っているご家族様は、まずはお気軽にご相談ください。
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