わんにゃん保健室 03-4500-8701

嘔吐・下痢・食欲なし・よだれ(猫往診/腎不全/東京葛飾区)

こんにちは!

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、慢性疾患の猫ちゃんを診察することがとても多いです。

主訴では、最近よく吐く、元気がない、ご飯を食べない、痩せた、ふらふらしているなど様々ですが、食べなくなってから1週間が経過しているという電話が感覚的に多いな感じています。

猫ちゃんは、ご飯を何も口にしなければ数日で危険な状態に陥ってしまうことが予想されます。

普段と違うペット(犬・猫)の様子に気づかれましたら、かかりつけの動物病院に連絡をして予約を取って通院させるか、それが難しいようであればわんにゃん保健室までご連絡ください。

基本は予約診療ですが、その日の診療スケジュールを確認し対応できる場合には、できる限り訪問し診察を行っています。

 

ペットの変化にいち早く気づいてあげられるのは飼い主様だけですので、しっかりと愛犬・愛猫の様子を普段か観察してあげましょう!

 

さて、今回は慢性腎臓病の高齢猫ちゃんのお話です。

皆さま、慢性腎臓病という病気は聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、原因はご存知でしょうか?

猫ちゃんが高齢になると慢性腎臓病が多くなる原因は、様々なことが言われていますが正確にはまだ分かっていません。

 

猫だから?

 

ワクチンの影響?

 

腎臓が弱いから?

 

...などなど都市伝説的なことも言われていますが、正確には不明なままです。

しかし、慢性腎臓病になりやすくなる、あるいはきっかけになる疾患はあります。

例えば、尿路結石症腎盂腎炎などの疾患です。

尿路結石症とは、尿路、つまりおしっこが通る道に石ができてしまうことです。

猫ちゃんは通常お水を飲む量が少なく、おしっこの回数も少ないため、膀胱内に濃いおしっこをたくさんためて一気にすることが多いのです。

そうすると膀胱内での尿の貯留時間が長く結石ができやすくなってしまうのです。

この結石が尿道に詰まってしまうと、急性腎不全になってしまい慢性腎臓病に移行してしまいやすいのです。

あるいは、膀胱炎の細菌が腎臓に感染してしまう腎盂腎炎も慢性腎臓病へ移行しやすいと言われています。

このように、慢性腎臓病になるきっかけがある場合もよく見られます。

今回はこの中でも尿路結石によって尿路閉塞になった経験がある猫ちゃんの慢性腎臓病の治療についてお話ししていきます。

 

隠れる猫.jpg

 

症例は東京葛飾区在住の12歳の高齢猫の男の子、白猫だけど、ひじきちゃんです。

ひじきちゃんとの出会いは3ヶ月ほど前のことです。

いつものように往診車で東京都内を回っていたところ、ひじきちゃんのご家族様からお電話を頂きました。

 

お家の高齢猫ちゃんが、昨日の夜からおしっこが出ていないとのことで、尿路結石の経験もあるらしいのですが、動物病院では連れて行っている道中でさえかなり興奮してしまうため、緊急かもしれないが往診で来てもらいたいとのことでした。

尿路結石なら緊急疾患なため、すぐにお伺いさせて頂くこととしました。

お家にお伺いすると、ひじきちゃんは別の部屋に行っていましたが、緊急処置が必要かもしれないので、まずは膀胱内におしっこが溜まっているか見るためひじきちゃんのいるお部屋に行って、超音波の検査をすることにしました。

ひじきちゃんは押し入れの1番奥にいて、往診専門動物病院わんにゃん保健室のスタッフが素早くバスタオルをかけて出てきてもらいました。

ひじきちゃんは嫌がっていましたが、元気がないのか強い抵抗はありませんでした。

超音波検査にて膀胱を見てみると、かなりのおしっこが溜まっており、膀胱の中にはキラキラと浮遊物がありました。

そのため、まずは尿路閉塞の解除を試みました。

 

尿道の中にカテーテルを入れ閉塞物を膀胱に押し戻します。

ひじきちゃんは嫌がっていましたが、強く抵抗する元気は無いようでした。

何とか閉塞を解除し、膀胱内のおしっこ抜くことができ、一部は検査用に採取しました。

おしっこは血尿で、濁りがありました。

 

閉塞を解除すると、少し楽になったのか、ひじきちゃんの抵抗が強くなってきましたので、そのまま身体検査と血液検査も実施させていただきました。身体検査では、軽度の脱水が見られましたが、不整脈などはありませんでした。

また採血時はすごく抵抗していたので素早く終わらせ治療に移りました。

尿路閉塞があったため、点滴は生理食塩水で行い、吐き気止めや胃薬、抗生物質、また尿道の腫れを抑えるために1回のみ炎症を抑えるお薬を注射しました。

処置が終わった後、ひじきちゃんを解放してあげるとすぐに押し入れの奥に入っていきました。

いつもの診察とは順番が前後してしまいましたが、ご家族様に詳しくお話をお伺いすると、いつも朝から昼まで2,3回するそうなのですが、その日は朝の排尿がなく朝ごはんも食べなかったため、いつもと様子が違うと思って見ていると、以前尿路閉塞になった時と様子が似ていたため、往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡をいただいたとの事でした。

しかし前回尿路閉塞になった時も、その後点滴通院の指示を受けたとの事でしたが、ひじきちゃんがかなり興奮して疲弊してしまうため、通院もほとんどできなかったようです。また内服薬もすごく敏感で、すぐに気づいてしまい飲ませられないと言うことで前回は諦めてしまったとの事でした。

 

本来であれば、今回も抗生物質などは内服で続けていただきたいお薬ですが、投薬がとても難しいと言うことなので、ご家族様とご相談し、2週間効く抗生物質を次の日の再診時に注射することとしました。

 

尿路閉塞で1番怖いのが、急性腎不全による高カリウム血症です。高カリウム血症になると、不整脈が起こってしまい、最悪の場合死に至ります

そのためまず1番に尿路閉塞の解除が必要です。

今回ひじきちゃんの場合は早めにご連絡をいただけたため、急性腎不全になっていないことを願い次の日に血液検査の結果をご説明するためもう一度再診にお伺いすることとしてその日の診察は終了しました。

 

血液検査では軽度の高カリウム血症が見られ、腎臓の数値は高くなっていました。

おそらく尿路閉塞によるものと、カリウムの上がり方から考えるともしかすると以前から慢性腎臓病がすでにあった可能性も考えられました。

また、尿検査の結果は、ストルバイト結晶と言う石が出ていましたが、この石はご飯を変えることで溶けてくれるため、ご飯の変更もご提案させていただくことにしました。

 

次の日もう一度お伺いさせていただくと、ひじきちゃんはかなり元気になっていたようでご飯も完食してくれたようです。

また、おしっこも順調に出ているようで、ご家族様も安心されていました。

血液検査の結果をご説明すると、排尿の回数が少し増えてきていたため、もしかすると慢性腎臓病は、以前からあったかもしれないとの事でした。

また尿石の種類をご説明し、ご飯の変更もご提案させていただきました。

ご家族様としてはできるだけストレスのない生活をして、本人が苦しくなければ治療は最低限で行っていきたいとご希望だったので、まずは慢性腎不全に対する点滴治療、抗生物質の注射、またご飯の変更を行っていき、血液検査にて定期的に腎臓の状態をチェックしていくこととしました。

その日は2週間効く抗生物質の注射と点滴治療を行い、2,3日後にもう一度再診させていただくこととしました。動物病院に連れて行くとストレスが強いひじきちゃんですが、おうちでの治療では少しストレスは減っているようでした。

 

その後ひじきちゃんは元気にしてくれていて、お家での皮下点滴も実施できており、月に1回の診察となっています。

 

ひじきちゃんのように、緊急疾患であっても、動物病院はストレスがかかりすぎる猫ちゃんもたくさんいます。

そのような場合には、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。

 

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