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ラブラドールレトリバーの穏やかな最期(在宅ターミナルケア/胸水/東京練馬区)

東京都練馬区で暮らしていたシュンくんは、11歳のラブラドールレトリバー。穏やかで優しい性格のシュンくんは、高齢のご夫婦と暮らしながら、日々を大切に過ごしていました。

2024年4月、いつも楽しそうに歩いていたシュンくんが、散歩中に立ち止まることが増え、息が荒くなる姿を見せ始めました。気になったご夫婦が動物病院で検査を受けた結果、進行性の腫瘍が見つかりました。

治療を進めるか、穏やかな時間を優先するか悩んだ末、ご夫婦は在宅緩和ケアを選択。シュンくんが安心して過ごせる環境を整え、ご夫婦とともに穏やかな最期を迎えるまでのストーリーを、実際のケア内容やご家族の話などを交えながらご紹介します。

 

 

1. シュンくんとご家族の日々と病気の兆候

シュンくんは、東京都練馬区に暮らしていた11歳のラブラドールレトリバーです。人懐っこく穏やかな性格で、特にお母さんのそばにいるのが大好きでした。ご家族にとってシュンくんは、家族そのものであり、日々の生活に欠かせない存在でした。

 

シュンくんとご夫婦の日常

ご夫婦は高齢ではありましたが、毎日シュンくんの散歩を日課として楽しんでいました。練馬区の緑豊かな公園や散歩道を一緒に歩き、シュンくんはいつも嬉しそうに尻尾を振っていました。

お母さんがキッチンで料理をしているときには足元でお座りし、お父さんが新聞を読んでいるときにはそばに寄り添って一緒に過ごす。そんな何気ない日々が、シュンくんとご夫婦にとってかけがえのない時間でした。

 

病気の兆候が見え始めた日々

2024年の春、シュンくんの様子に少しずつ変化が現れ始めました。散歩中に急に立ち止まり、歩くのをためらうような仕草を見せたり、帰宅後に疲れたように横になる時間が増えました。

「少し年を取ったのかな?」と当初は楽観的に考えていたご夫婦ですが、ある日シュンくんが散歩中に座り込み、息を荒げる姿を見せたことで心配が募りました。

 

動物病院での検査と診断

ご夫婦はシュンくんを動物病院に連れて行き、検査を受けました。診断結果は、進行性の腫瘍による胸腔内の転移。腫瘍が胸水貯留を引き起こし、呼吸が苦しくなる可能性が高いとのことでした。

「治療を進めるべきか、シュンくんが穏やかに過ごせる方法を考えるべきか…」と、ご夫婦は深く悩みました。このとき、治療ではなく在宅での緩和ケアを選ぶことを決意しました。

 

 

2. 腫瘍の診断と通院でのケア

シュンくんが進行性の腫瘍と診断された後、ご夫婦は治療とケアについて何度も話し合いを重ねました。動物病院での診療は、シュンくんの症状を緩和するための重要なステップでしたが、次第に通院そのものが大きな負担となっていきました。

 

病気の進行と診断結果

動物病院での検査の結果、シュンくんの腫瘍は胸腔内に転移しており、胸水の貯留が確認されました。この状態は、腫瘍が胸膜を刺激し、液体が溜まることで呼吸困難を引き起こすリスクが高いものでした。

病気が進行すると、胸水の抜去が必要になる頻度が増え、また呼吸を助けるための酸素環境の整備も重要になると説明を受けたご夫婦。治療を進めるよりも、シュンくんが安心して穏やかに過ごせる方法を模索し始めました。

 

通院中に行われたケアとその効果

最初の通院では、胸水抜去が行われました。この処置により一時的に呼吸が楽になり、食欲や活動量が回復したように見えました。

しかし、胸水は再び溜まる可能性が高く、定期的な検査と抜去が必要になると説明を受けました。また、内服薬による症状管理も併せて行うことになりました。

 

通院の負担が見えてきた頃

通院を重ねる中で、ご夫婦は次第にその負担を感じるようになりました。シュンくんを車に乗せて病院まで運ぶことは、年齢的にご夫婦にとっても負担が大きく、シュンくん自身も帰宅後に疲れ切った様子を見せることが増えました。

「もっとシュンが楽に過ごせる方法はないだろうか…」そう感じたご夫婦は、往診による在宅緩和ケアの可能性について調べ始めました。

 

 

3. 通院から往診へ:在宅緩和ケアへの切り替え

シュンくんの通院が重なるにつれて、ご夫婦はシュンくん自身の負担とともに、自分たちの体力的な限界を感じ始めました。そんな中、在宅緩和ケアという選択肢が浮上し、シュンくんが安心して穏やかな日々を過ごせる環境を整えるきっかけとなりました。

 

通院が難しくなった理由

シュンくんは比較的落ち着いて通院を受け入れていましたが、胸水抜去や診療後にはぐったりしてしまうことが増えていました。ご夫婦もまた、シュンくんを車に乗せる作業や病院での待ち時間に疲れを感じ、通院そのものが双方にとってストレスとなっていました。

特にシュンくんが疲労で息を切らしながら横たわる姿を見るたびに、ご夫婦は「この時間がもっと穏やかになれば…」という思いを強くされていたそうです。

 

在宅緩和ケアを検討したきっかけ

通院中に知った在宅緩和ケアという選択肢に、ご夫婦は興味を持ち始めました。そこで「シュンが家で診てもらえるなら」という期待から、往診専門の動物病院である当院に相談をいただきました。

ご自宅で診療を受けられることで、シュンくんのストレスを大幅に軽減し、さらにご夫婦自身も負担を減らせることが大きな決め手となり、在宅緩和ケアを始めることを決意されました。

 

在宅緩和ケアの始まり

初回の往診では、シュンくんの状態を詳しく確認し、ご家族と一緒に緩和ケアのプランを立てました。ケアプランでは以下の点を重視しました。

  • 定期的な胸水抜去のスケジュール作成
  • 呼吸をサポートする酸素発生装置の導入
  • 内服薬が難しくなった場合に備えた皮下点滴の準備
  • シュンくんがストレスを感じにくい環境作り

「シュンくんが家でのびのび過ごせるのが一番の喜び」というご夫婦の希望に沿って、在宅緩和ケアが本格的にスタートしました。

 

 

4. 在宅緩和ケアの実施内容

シュンくんが在宅緩和ケアを受け始めてから、ご自宅での生活は大きく変わりました。ストレスなく穏やかな時間を過ごせるよう、さまざまなケアが行われました。ここでは、シュンくんに対して具体的に行われたケア内容をご紹介します。

 

内服薬から皮下点滴への切り替え

シュンくんは病気が進行しても、比較的内服薬を受け入れてくれる子でした。しかし、胸水が溜まり始めて呼吸が苦しくなると、内服薬を与えること自体が負担となる可能性がありました。

ご夫婦には「内服薬を無理に飲ませることが呼吸を悪化させることもある」と説明し、必要な薬の一部を皮下点滴で投与する準備をしました。皮下点滴には輸液剤を少量加え、苦痛を最小限にしながら薬を体内に届ける工夫をしました。

 

呼吸をサポートする酸素環境の整備

シュンくんの呼吸を楽にするために、酸素発生装置を2台導入しました。ラブラドールレトリバーのような大型犬の場合、酸素ハウスを設置するのが難しいため、鼻先に酸素を吹きかける方法を採用しました。

酸素供給を安定させるために、風量やシュンくんの状態に合わせた運用方法を調整しました。特に胸水が溜まり始めて呼吸が荒くなったときには、酸素を直接鼻先に吹きかけることでシュンくんの負担を軽減しました。

 

食欲低下時のケアと栄養補助

腫瘍が進行するとともに、シュンくんの食欲が低下する日もありました。このようなときには、好きな食べ物を少量ずつ与えることで少しでも栄養を摂れるよう工夫しました。

また、ご夫婦に「シュンくんが自分のペースで食べられるよう見守ってください」とお伝えし、無理に食べさせることは避けていただきました。食べる楽しみを保ちながら、必要に応じて栄養補助食品を利用することで、シュンくんのエネルギーをサポートしました。

 

シュンくんの体調に合わせた細やかなケアは、ご夫婦の負担を軽減するとともに、シュンくんが安心して過ごせる環境を作ることに大きく貢献しました。

 

6. 最期の1週間:シュンくんの穏やかな時間

シュンくんが過ごした最期の1週間は、ご夫婦とシュンくんが穏やかに絆を深める特別な時間でした。この時期のケアは、呼吸や痛みを管理しながら、シュンくんができるだけ快適に過ごせるよう細心の注意を払いながら進められました。

 

呼吸と痛みの管理:最優先のケア

シュンくんは胸水が溜まりやすい状態が続いていました。往診時にはこまめに胸水の状態を確認し、必要に応じて抜去を行いました。このとき、シュンくんが苦痛を感じないよう、慎重に進めることを心がけました。

呼吸をサポートするための酸素発生装置もフル稼働しました。シュンくんは直接鼻先に酸素を吹きかけられることで、呼吸が落ち着き、リビングで安心して横たわる姿が見られました。

 

ご夫婦とシュンくんの特別な時間

最期の数日間、シュンくんは食事の量が減り始めましたが、ご夫婦が手で与えた少量のフードは受け取ってくれました。「いつも通りにシュンが少しでも食べてくれることが、本当に嬉しい」とお母さんは話していました。

また、お父さんはシュンくんがそばで寝られるようにリビングに布団を敷き、一緒に過ごす時間を増やしました。ご夫婦は「シュンと一緒にいられる今が何より大切」と話し、穏やかな日々を大切にされていました。

 

最後の日に向けた準備

ご夫婦には、最期の時間に向けてできる準備をお伝えしました。特に以下の点を共有しました。

  • 呼吸が荒くなったときの対処法
  • 痛みが強い場合の頓服薬の使用方法
  • シュンくんの体調がさらに変化したときの対応

「できる限りのことをしたい」というご夫婦の思いに寄り添いながら、最期の時間が苦しみの少ないものとなるようサポートしました。

 

 

7. シュンくんの旅立ちとご家族の思い

2024年の秋、シュンくんは穏やかに最期の時を迎えました。ご夫婦に見守られながら、自宅という安心できる場所で、苦しみの少ない静かな旅立ちとなりました。

 

最期の日

その朝、シュンくんの呼吸は浅くゆっくりとしたものになっていました。お母さんはシュンくんを抱きかかえながら「そばにいるよ、大丈夫だからね」と優しく声をかけ続けました。お父さんも隣でシュンくんの頭を撫でながら、ずっと見守っていました。

呼吸が止まる瞬間は、あまりにも静かで穏やかなものでした。ご夫婦は「こんなに静かな旅立ちができるなんて、夢にも思わなかった」と話されていました。

 

緩和ケアがもたらした安心感

シュンくんの旅立ちを迎えた後、ご夫婦は「シュンが穏やかに過ごせたのは在宅緩和ケアのおかげです」と感謝の言葉を口にされていました。

「通院ではなく自宅でケアを受けられたことで、シュンが最後まで安心できたのだと思います。私たちも、シュンと一緒にいる時間を大切にすることができました」とお母さんは振り返ります。

 

ご家族が感じた緩和ケアの価値

シュンくんの最期の時間は、痛みや苦しみを最小限に抑え、ご夫婦との穏やかな時間を大切にすることができました。「緩和ケアはペットのためだけでなく、私たち家族のためのケアでもあったと実感しました」とお父さん。

ご家族に寄り添いながら、ペットとその家族が共に過ごす最期の時間を支えることが、緩和ケアの最大の価値であると改めて感じた瞬間でした。

 

 

8. わんにゃん保健室が提供する在宅緩和ケア

わんにゃん保健室では、ペットとご家族が安心して穏やかに最期の時間を過ごせるよう、在宅緩和ケアを中心とした診療を行っています。シュンくんのように通院が難しくなったペットや、ご家族の心の負担を軽減したい方に寄り添ったケアを提供します。

 

ペットとご家族に寄り添うオーダーメイドのケア

ペットの状態やご家族の希望に応じて、個別のケアプランを作成します。具体的には以下の内容を柔軟に対応しています。

  • 定期的な往診とこまめな状態確認
    ペットの体調に合わせた診療スケジュールを組み、変化に迅速に対応します。
  • 自宅での酸素環境の構築
    呼吸をサポートするための酸素発生装置やその他の機器を導入します。
  • 皮下点滴や胸水抜去などの専門的なケア
    通院が難しいペットでも、在宅でできる範囲での診療を行います。

 

東京23区を中心とした往診サービス

わんにゃん保健室は、東京都内を中心に往診サービスを提供しています。特に東京都練馬区などのエリアで、多くのご家族から信頼をいただいております。ご自宅でケアを受けられることで、ペットのストレスが軽減され、ご家族も安心して見守ることができます。

診療エリアや往診の詳細については、お気軽にお問い合わせください。

 

後悔のない選択を一緒に

「最期の時間を穏やかに過ごしてほしい」「苦しみを少しでも和らげたい」という思いを持つご家族のために、わんにゃん保健室では一つひとつの診療を丁寧に行っています。

ペットが安心できる環境で、ご家族と笑顔で過ごせる時間を作ることが、私たちの使命です。どんな小さな不安でも、まずはご相談ください。

ペットとご家族が笑顔で過ごせる穏やかな日々を、私たちと一緒に作っていきましょう。

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