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ペットのターミナルケア

ペットの最期の時間を迎えるとき、ご家族にはさまざまな選択が求められます。「もっと何かできたのでは?」「これでよかったのだろうか?」と、迷いや葛藤を抱えることも少なくありません。

ターミナルケアでは、時に冷静な判断を求められる場面があります。しかし、その選択は「正解・不正解」ではなく、「その子にとって最善かどうか」が大切です。ご家族の決断に後悔が残らないよう、ペットの状態や希望をしっかりと見つめ、自分を信じて選択していくことが重要です。

この記事では、ターミナルケアにおいてご家族が持つべき心構えや、決断のポイントについてお伝えします。

【目次】

 

1. ターミナルケアとは?

ペットのターミナル期とは?

ターミナル期とは、病気の進行や加齢により治療による回復が見込めなくなった段階のことを指します。この時期のケアでは、延命を目的とするのではなく、ペットができるだけ苦痛を感じず、穏やかに過ごせることを最優先に考えます。

ターミナルケアの目的と役割

ターミナルケアの最大の目的は、ペットの生活の質(QOL)を維持し、できる限り安らかに最期を迎えられるようにすることです。そのため、以下のようなケアが行われます。

  • 痛みや苦しみを和らげるための緩和医療
  • 呼吸困難時の酸素供給や環境調整
  • 食欲が低下した際のサポート
  • ご家族の精神的なケアと意思決定のサポート

在宅ケアと病院ケアの違い

ターミナル期のケアには、動物病院での治療と在宅での緩和ケアの2つの選択肢があります。

  • 病院でのケア: 集中的な医療措置が可能だが、移動や環境のストレスが大きい
  • 在宅ケア: 慣れた環境で安心して過ごせるが、家族のサポートが必要

どちらの選択肢がペットにとって最善かを、ご家族と獣医師で話し合いながら決めることが大切です。

 

 

2. ご家族が持つべき心構え

冷静な判断が求められる場面

ターミナル期では、ご家族が「何をしてあげるべきか」「どこまで治療を続けるべきか」といった選択を迫られることが多くなります。特に、延命処置を行うか、緩和ケアに切り替えるかの判断は、多くのご家族にとって難しい決断です。

その場の感情に流されず、ペットにとって何が最善かを考えることが大切です。決して「諦める」のではなく、「ペットのために最良の選択をする」という視点を持つことが求められます。

「してあげたいこと」と「必要なこと」

ご家族は、「もっとご飯を食べてほしい」「最期まで歩かせてあげたい」など、できるだけ今まで通りの生活を送らせてあげたいと思うものです。しかし、ペット自身がそれを望んでいるかどうかを考えることも重要です。

例えば、食事を無理に与えることで苦しみが増す場合もあります。また、移動が負担になる状態で無理に歩かせることが、ペットの体力を奪うこともあります。「本当に必要なことは何か?」を冷静に見極めることが大切です。

自分の決断を信じることの大切さ

どんな選択をしても、「あの時こうしていれば…」という後悔が残ることは少なくありません。しかし、その時の自分が精一杯考えて出した決断であれば、それがペットにとって最善の選択だったはずです。

「正解のない選択」だからこそ、ご家族はペットの状態と向き合い、自分を信じて決断をすることが必要になります。迷ったときには、獣医師や周囲のサポートを受けながら、冷静に判断できる環境を整えましょう。

 

 

3. ターミナル期における決断

延命治療を続けるか、緩和ケアに切り替えるか

ターミナル期では、延命治療を続けるか、緩和ケアに移行するかの判断が求められます。

  • 延命治療:さまざまな方法を駆使して、できる限り生命を維持する
  • 緩和ケア:痛みや苦しみを和らげ、穏やかに過ごせるようサポートする

どちらの選択肢も間違いではなく、ご家族の価値観やペットの状態に合わせて決めることが大切です。

苦痛緩和のための鎮静や鎮痛処置

ターミナル期には、呼吸困難や痛みが出てくることがあり、鎮静剤や鎮痛剤を使用するかどうかの判断が必要になることがあります。

しかし、ご家族の中には「意識がなくなってしまうのでは?」という不安を感じる方もいます。獣医師と相談しながら、ペットにとって最良の方法を選択することが重要です。

最期をどこで迎えさせてあげるか

ペットの最期を病院で迎えるのか、それとも自宅で迎えるのかという選択も、ご家族にとって大きな決断となります。

  • 病院での看取り:医療設備が整っているため、緊急対応が可能
  • 在宅での看取り:慣れた環境で、家族に囲まれて穏やかに過ごせる

在宅での看取りを希望される場合は、事前に緩和ケアの準備を整えておくことが大切です。

 

 

4. ご家族自身のケアも大切に

ペットロスとどう向き合うか

ターミナルケアの過程では、ペットの状態を見守る中で強い悲しみや不安を感じることがあります。そして、最期を迎えた後も「ペットロス」と呼ばれる喪失感に苦しむことが少なくありません。

  • 「もっと何かできたのでは?」と後悔してしまう
  • ペットがいない日常に適応するのが難しくなる
  • 気持ちの整理がつかず、涙が止まらない

ペットロスは自然な感情です。大切なのは、一人で抱え込まずに誰かに気持ちを話すこと。家族や獣医師、ペットロスに理解のある友人と、気持ちを共有することが心のケアにつながります。

少しでも後悔しないためにできること

「もっとこうしてあげればよかった…」と後悔しないために、以下のことを意識してみてください。

  • ペットの様子を日々観察し、必要なケアを行う
  • 「何が正解か」ではなく、「今できる最善の選択」を考える
  • 決断に迷ったときは、獣医師や専門家の意見を参考にする

ご家族が冷静に考え、しっかりと向き合うことで、「最期までできることをやってあげられた」と思えるようになります。

支えてくれる人と繋がる

ターミナルケアの期間は、ご家族自身の心のケアも非常に重要です。一人で抱え込まず、信頼できる人と話すことで気持ちが少し楽になることもあります。

  • 動物病院のスタッフや往診獣医師に相談する
  • 同じ経験をした飼い主さんと交流する
  • ペットロスのサポートグループに参加する

ペットのためにも、ご家族自身の心のケアを大切にしながら、最期までしっかりと寄り添っていきましょう。

 

 

5. 獣医師ができるサポート

ご家族の決断を支える役割

ターミナルケアでは、ご家族が重要な決断を迫られる場面が多くあります。しかし、その決断を一人で抱え込む必要はありません。きっとかかりつけの獣医師は、医学的な視点だけでなく、ご家族の気持ちにも寄り添いながら、最善の選択をサポートしてくれるはずです。

  • 現在のペットの状態を正しく把握する
  • 緩和ケアに関する選択肢を分かりやすく説明する
  • ご家族の意向に沿った治療・ケアプランを提案する

「このまま見守るべきか、処置をするべきか」など、判断に迷った際には、獣医師と話し合うことで適切な選択ができるようになります。少なくとも、ご家族としてどうしていきたいのかを、できるだけ明確にして伝えましょう。

ターミナルケアにおける医療の選択肢

ペットの状態に応じて、ターミナル期には以下のような医療的な選択肢が考えられます。

  • 痛みや苦しみを軽減するための鎮痛剤・鎮静剤
  • 呼吸が苦しい場合の酸素供給(酸素発生装置、酸素マスク)
  • 水分補給のための皮下点滴
  • 食事が取れない場合の栄養管理

「どこまで治療を行うか」はご家族の希望によって異なります。獣医師と相談しながら、ペットにとって一番穏やかに過ごせる方法を選びましょう。

ご家族とペットのための最適なプラン

ターミナルケアは、ペットだけでなく、ご家族にとっても大切な時間です。獣医師は、その時間が少しでも穏やかに、後悔のないものとなるよう、サポートを提供します。

  • ペットの体調に応じたケアプランを作成
  • ご家族が自宅でできるケアのアドバイス

「何をしてあげるべきか」と悩むのではなく、「今、何ができるのか」を一緒に考えながら、最期の時間を大切に過ごしましょう。

 

 

6. 私たちのターミナルケア

在宅緩和ケアを支える往診専門動物病院

わんにゃん保健室は、ご自宅での緩和ケア・ターミナルケアを専門とする往診動物病院です。「病院に連れて行くのが難しい」「最期まで自宅で一緒に過ごしたい」というご家族の願いに寄り添いながら、ペットが安心できる環境で穏やかに過ごせるようサポートします。

当院のターミナルケアでできること

ペットの状態やご家族の意向に合わせて、以下のようなケアを提供しています。

  • ペットの苦痛を軽減するための鎮痛・鎮静処置
  • 呼吸困難時の酸素供給(酸素発生装置の設置・管理)
  • 水分補給や薬の投与を目的とした皮下点滴
  • 食事が取れない場合の栄養管理アドバイス
  • ご家族ができるケアの指導
  • 最期の時間を穏やかに過ごすための環境づくり

「何をしてあげるのがベストなのか分からない」と感じたときも、獣医師と相談しながらケアを決めることができます。

対応エリアとご相談について

当院では、東京23区・千葉・埼玉・神奈川エリアを中心に往診を行っています。「今すぐ相談したい」「これからターミナルケアを考えたい」といった場合も、お気軽にお問い合わせください。

ターミナルケアは、ご家族にとってもペットにとっても、とても大切な時間です。最後の時間を後悔のないものにするために、一緒に考えていきましょう。

お問い合わせは、お電話またはWebフォームから受け付けています。

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