わんにゃん保健室

診察をご希望の場合には、必ず留守番電話にメッセージをお残しください。(お名前、ご住所、電話番号、動物種、年齢、体重、性別、症状)

東京23区へ往診エリア拡大!お気軽にご相談ください。

03-4500-8701 往診WEB予約はこちら
わんにゃん保健室 03-4500-8701 往診WEB予約はこちら

診察をご希望の場合には、必ず留守番電話にメッセージをお残しください。(お名前、ご住所、電話番号、動物種、年齢、体重、性別、症状)

東京23区へ往診エリア拡大!お気軽にご相談ください。

猫の腎臓病と穏やかに過ごすための在宅ケア

腎臓病は高齢の猫ちゃんにとても多い病気のひとつです。10歳を超えると多くの猫ちゃんで腎機能の低下が見られ、徐々に進行していきます。

初期は多飲多尿や食欲低下といった症状が見られる程度ですが、進行すると嘔吐や体重減少、貧血などが現れ、最終的には腎不全へと移行します。腎臓病は完治が難しい病気ですが、適切なケアを行うことで穏やかな時間を長く過ごすことができます。

しかし、猫ちゃんは通院を極端に嫌がることが多く、ストレスによって病状が悪化することもあります。そんな時に選択肢となるのが「在宅ケア」です。往診を利用することで、ご家族の負担を減らしつつ、猫ちゃんにとっても安心できる環境で治療を受けることができます。

この記事では、腎臓病の猫ちゃんに対する在宅ケアの流れや、看取りに向けた準備について詳しく解説します。

 

目次

 

 

猫の腎臓病の初期症状と気づき方

腎臓病は静かに進行する病気

猫の腎臓病は「気づいたときには進行している」ことが多い病気です。初期段階では目立った症状が少なく、ご家族が異変に気づく頃にはすでに腎機能の多くが失われていることも珍しくありません。

特に、高齢の猫ちゃんでは腎臓の機能が徐々に低下していくため、「年のせいかな?」と思われがちです。しかし、腎臓病の早期発見・早期対策が猫ちゃんの余命を大きく左右します。

 

こんな症状が見られたら要注意

以下のような症状が見られたら、腎臓病の可能性を疑いましょう。

- 水をたくさん飲む(多飲)

- トイレの回数が増え、尿の量が多い(多尿)

- 体重が減ってきた(削痩)

- 毛づやが悪くなった

- 後ろ足がふらつく(筋力低下)

- 食欲が落ちてきた

- 嘔吐が増えてきた

 

腎臓病の発見が遅れやすい理由

猫ちゃんは本能的に体調の悪さを隠そうとする動物です。特に腎臓病はゆっくり進行するため、少しずつ変化していく姿を毎日見ているご家族が異変に気づきにくいこともあります。

また、猫ちゃんは環境の変化を嫌うため、「病院に連れて行くこと自体がストレスになるのでは?」と通院をためらうご家族も多いです。

そのため、動物病院での定期検診が難しい猫ちゃんの場合は、日々の様子をしっかり観察し、異変に気づいたらできるだけ早く対応することが大切です。

 

 

猫の腎臓病が進行するとどうなる?

腎臓病の進行とともに現れる症状

腎臓病が進行すると、猫ちゃんの体にはさまざまな変化が現れます。初期症状の段階では気づきにくかった異変も、次第にはっきりと見えてくるようになります。

- 食欲が著しく低下し、好きなものも食べなくなる

- 体重減少が顕著になり、骨ばってくる

- 毛づやがさらに悪くなり、被毛がバサバサする

- 嘔吐が頻繁になり、胃液を吐くことが増える

- 後肢のふらつきが強くなり、歩くのが困難になる

- 貧血が進行し、歯茎や舌の色が薄くなる

- おしっこの色が薄くなり、臭いが弱くなる

 

腎不全の末期に起こる変化

腎臓病がステージ4に進行すると、腎機能のほとんどが失われ、老廃物を排出できなくなります。すると、以下のような症状が現れることがあります。

- まったく食べなくなる

- 水を飲む量も減る

- 寝ている時間が圧倒的に長くなる

- 呼吸が荒くなることがある

- 意識がぼんやりする(尿毒症による影響)

- 強い貧血で動くのが困難になる

- 尿毒症による痙攣発作が起こる

 

猫の腎不全末期での選択肢

この段階になると、腎臓の機能を回復させることはできません。そのため、治療の目的は「腎臓の負担を軽減しながら、少しでも快適に過ごしてもらうこと」にシフトします。

選択肢としては、以下のようなものがあります。

- 皮下点滴で体の水分バランスを維持する

- 貧血対策として造血ホルモン剤を使用する

- 嘔吐や胃腸の不快感を和らげる内服薬を使う

- 食事を無理に与えず、猫ちゃんのペースに合わせる

- 酸素室を準備し、呼吸をサポートする

ご家族ができることは限られていますが、猫ちゃんが少しでも楽に過ごせるように、最適なケアを考えていくことが大切です。

 

 

在宅でできる腎不全のケア

皮下点滴による水分補給

腎不全の猫ちゃんにとって、皮下点滴は重要なケアのひとつです。特に、腎機能が低下すると体内の水分バランスが崩れ、脱水が進行しやすくなります。定期的に皮下点滴を行うことで、次のような効果が期待できます。

- 脱水を防ぎ、腎臓への負担を軽減する

- 老廃物の排出を促し、尿毒症の進行を遅らせる

- 食欲の回復をサポートする

ご家族が自宅で皮下点滴を行う場合、適切な手技と準備が必要です。当院では、ご家族が無理なく実施できるよう、丁寧にトレーニングを行っています。

 

投薬管理:無理なく飲ませる工夫

腎不全の治療では、複数の薬を併用することが一般的ですが、猫ちゃんにとって投薬は大きなストレスになりやすいものです。以下のような方法を取り入れることで、負担を軽減しつつ投薬を続けることができます。

- 錠剤をすりつぶしてウェットフードに混ぜる

- シロップタイプの薬をスポイトで与える

- 投薬用のおやつを活用する

- どうしても飲めない場合は、皮下点滴に切り替える

当院では、猫ちゃんの状態や性格に合わせた投薬方法を提案し、ご家族と一緒に最適な方法を見つけていきます。

 

食欲が落ちたときの対応

腎不全が進行すると、食欲が低下することがよくあります。無理に食べさせようとすると、かえって猫ちゃんにストレスを与えてしまうこともあるため、以下のような工夫をしながら様子を見ていきます。

- 好きなフードや手作り食を試してみる

- 温めて香りを立たせることで食欲を刺激する

- 強制給餌が必要かどうかを慎重に判断する

- 食欲促進剤の使用を検討する

最終的には、食べる・食べないも猫ちゃんの意思のひとつです。無理のない範囲で、ご家族と一緒にサポートしていきます。

 

 

家での生活環境の整え方

トイレ環境の工夫

腎不全の猫ちゃんは多飲多尿になり、トイレの回数が増えることが一般的です。また、体力の低下によりトイレまでの移動が負担になることもあります。以下のような工夫で、快適なトイレ環境を整えましょう。

- トイレの数を増やし、寝床の近くにも設置する

- 段差をなくし、入りやすい形状のトイレを選ぶ

- ペットシーツを活用し、万が一の粗相にも対応できるようにする

特に、高齢の猫ちゃんはトイレの失敗が増えることがあります。叱らずに、できるだけ負担のない環境を整えてあげることが大切です。

 

寝床と移動スペースの調整

腎不全が進行すると、筋力が低下し、ふらつきや転倒のリスクが高まります。安全で快適に過ごせるよう、寝床や移動スペースを見直しましょう。

- 柔らかく暖かいベッドを用意し、快適な睡眠環境を整える

- 滑りにくいマットを敷き、転倒を防ぐ

- キャットタワーの段差を減らし、安全に登れるようにする

寝床の位置を工夫することで、猫ちゃんが安心して休めるようになります。

 

温度管理と快適な空間作り

腎不全の猫ちゃんは体温調節が難しくなることがあります。特に冬場の寒さは体力を奪うため、適切な温度管理が重要です。

- 冬場は湯たんぽやペット用ヒーターで温かく保つ

- 夏場はエアコンや扇風機を使い、適度な涼しさを維持する

- 直射日光を避けつつ、適度に日向ぼっこできる場所を用意する

快適な環境を整えることで、猫ちゃんがリラックスして過ごせるようになります。

 

 

在宅緩和ケアでの投薬と水分補給

投薬の工夫と飲ませ方

腎不全の猫ちゃんにとって、適切な投薬は病状の進行を遅らせるために重要です。しかし、猫ちゃんは投薬を嫌がることが多いため、できるだけ負担の少ない方法を選ぶ必要があります。

- シロップや粉薬を使用し、投薬用のおやつやウェットフードに混ぜる

- カプセルに入れて匂いを抑え、投薬をスムーズにする

- 強制投薬が必要な場合は、事前に獣医師から適切な方法を学ぶ

無理に投薬すると猫ちゃんにストレスがかかるため、なるべく自然に摂取できる方法を探していくことが大切です。

 

水分補給の重要性

腎不全では脱水を防ぐことが非常に重要です。猫ちゃんが自発的に水を飲める環境を整えることで、体調を安定させやすくなります。

- 複数の場所に新鮮な水を用意し、いつでも飲めるようにする

- 流れる水を好む猫ちゃんには、自動給水器を設置する

- ウェットフードや水分を多く含むフードを与え、水分摂取量を増やす

猫ちゃんが水を飲みやすい環境を整えることが、腎臓の負担を軽減するポイントです。

 

皮下点滴の導入と実施方法

腎不全が進行すると、経口摂取だけでは十分な水分補給が難しくなることがあります。そのため、皮下点滴を取り入れることで、脱水を防ぐことができます。

- 獣医師の指導のもと、ご家族が自宅で皮下点滴を行う

- 点滴の頻度や投与量は、猫ちゃんの状態に合わせて調整する

- 点滴を行う際は、猫ちゃんがリラックスできる環境を整える

皮下点滴はご家族の協力が必要ですが、在宅緩和ケアを進める上で非常に有効な手段となります。

 

 

腎不全の猫ちゃんの生活環境の工夫

猫ちゃんが過ごしやすい環境作り

腎不全の猫ちゃんが快適に過ごせるように、生活環境を工夫することが重要です。体力の低下や関節の衰えを考慮し、以下のような調整を行いましょう。

- 移動の負担を減らすために、ベッドやトイレを近くに配置する

- 登り降りの負担を軽減するため、スロープやステップを設置する

- 寒さや暑さに敏感になるため、適温を維持できるように空調を調整する

 

トイレ環境の見直し

腎不全では多尿傾向があるため、トイレ環境の調整が必要です。

- トイレの数を増やし、猫ちゃんがすぐに行けるようにする

- 高さの低いトイレを用意し、足腰への負担を軽減する

- トイレの出入り口に滑り止めマットを敷き、安全に移動できるようにする

 

快適な寝床の準備

腎不全の猫ちゃんは寝ている時間が長くなるため、快適な寝床を用意しましょう。

- 体圧を分散するクッション性の高いベッドを用意する

- 冬場は湯たんぽや電気毛布などで適度に暖かさを確保する

- 静かで落ち着いた場所に寝床を配置し、ストレスを軽減する

生活環境の調整を行うことで、猫ちゃんが安心して過ごせる時間を増やしてあげることができます。

 

 

腎不全の猫ちゃんとの最期の時間

ターミナル期のサイン

腎不全が進行し、ターミナル期に入ると以下のような変化が見られることがあります。

- 食欲が極端に低下し、ほとんど食べられなくなる

- 水を飲む量が減り、脱水が進行する

- 動くことが少なくなり、一日の大半を寝て過ごす

- 呼吸が浅くなり、不規則になる

- 意識がぼんやりし、呼びかけへの反応が鈍くなる

これらの症状が見られた場合、積極的な治療を行うか、できるだけ穏やかに見送るか、ご家族での話し合いが必要です。

 

看取りに向けた準備

最期の時間を穏やかに過ごせるよう、以下の準備をしておきましょう。

- 猫ちゃんが安心できる静かな環境を整える

- 必要に応じて酸素ハウスや保温設備を用意する

- 食事が取れなくなった場合の水分補給方法を考える

- 痛みや苦しみを軽減するための頓服薬を準備する

- 看取りのタイミングについて、獣医師と相談しておく

 

ご家族の心の準備

看取りの時間はご家族にとっても精神的に大きな負担がかかる時期です。以下のポイントを意識して、心の準備を整えましょう。

- 「最期の時間をどう過ごしたいか」を家族で話し合っておく

- 愛猫の状態に合わせて、できることを受け入れる

- 悲しみや不安を抱え込まず、獣医師や周囲のサポートを頼る

- 後悔のないよう、できる限りそばにいてあげる

最期の時間をどう過ごすかは、それぞれのご家族によって異なります。どの選択も間違いではなく、愛猫とご家族にとって最善の方法を見つけることが大切です。

 

 

看取り後の対応とご家族のケア

看取り後の対応

愛猫が旅立った後、まずは静かにお別れの時間をとることが大切です。すぐに何かを決めなくても大丈夫です。以下の手順を参考にしてください。

- 猫ちゃんの体を優しく拭き、落ち着いた場所に寝かせる

- ご家族でお別れの時間をゆっくりととる

- 動物病院やペット葬儀社に連絡し、火葬や埋葬の手続きを確認する

- 信頼できる人に話を聞いてもらい、気持ちを整理する

 

ペット葬儀の選択肢

ペットの葬儀にはいくつかの方法があります。それぞれのご家庭に合った形を選びましょう。

- 個別火葬:自宅でお別れをした後、ペット専門の火葬施設で個別に火葬を行い、遺骨を手元に残す

- 合同火葬:他のペットと一緒に火葬し、遺骨は共同墓地に納める

- 自宅での供養:遺骨を手元に置き、写真や思い出の品とともに供養する

- ペット霊園での埋葬:専門の施設に納骨し、定期的にお参りできる場所を確保する

 

ご家族の心のケア

ペットを失った悲しみ(ペットロス)は、深い喪失感を伴うことがあります。無理に気持ちを切り替えようとせず、自然な形で受け入れることが大切です。

- 悲しい気持ちを抑え込まず、家族や友人と共有する

- 写真や思い出を振り返り、感謝の気持ちを持つ

- 必要であれば、ペットロスカウンセリングを受ける

- 次のステップに進む準備ができたら、新たな家族を迎えることを検討する

愛猫との時間はかけがえのないものであり、思い出はずっと心の中に残り続けます。どのような形であっても、大切な家族として過ごした時間を忘れずに、ゆっくりと前を向いていきましょう。

◆-----------------------------------◆

犬猫の往診専門動物病院
わんにゃん保健室
 
猫の腎不全、末期がん(腫瘍)、診断後の慢性疾患、酸素室設置、家での皮下点滴など、お気軽にご相談ください!
電話番号:03-4500-8701(往診本部直通)
 
 
受付時間:10:00~19:00
休診日:不定休診療カレンダー
 
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル5F
 
【わんにゃん保健室】
公式インスタグラム、facebookがスタート!
 
 
ブログ
非常事態宣言について
ドクターズインタビューに当院のドクターが掲載されました

所在地

本拠点:
〒111-0036
東京都台東区松が谷3-12-4
マスヤビル5F

東京23区へ往診エリア拡大!
お気軽にご相談ください。

診療日・受付時間

診療時間 10:00~19:00
休診:不定休

>診療カレンダー

電話番号

03-4500-8701
診察をご希望の場合には、必ず留守番電話に
メッセージをお残しください
(お名前、ご住所、電話番号、動物種、年齢、体重、性別、症状)

お問い合わせ

お問い合わせはコチラ

リンク集

ご自宅での緩和ケアを
ご検討される方へ