往診専門動物病院わんにゃん保健室では、年末年始は通常診療を終了としています。
しかし、急な体調不良などの緊急症例や高齢期(シニア期)の緩和ケアおよび病末期におけるターミナルケアのご相談は随時受け付けています。
ということで、今日は年末夜間緊急でご連絡をいただきました、わんちゃんの症例をご紹介させていただきます。
ミニチュア・ダックスフンド/避妊雌/12歳/トリミング後に体調不良
年末にトリミングをお願いしていた12歳の女の子、中央区日本橋住みです。
トリミングから帰ってくると、なんだか呼吸が荒く、好きなおやつも食べないくらい食欲がなかったとのことでした。だんだんと呼吸が荒くなってきてしまい、急いでご連絡をいただきました。
直前の診察が台東区元浅草でしたので、比較的早くお伺いすることができました。
お伺いすると、元気に挨拶してくれていましたが、目元は何となく具合が悪そうでした(上眼瞼がやや加水気味)。体温も高く、呼吸がやや荒かったですが、往診診察を進めた結果、心音・肺音ともに異常を認めませんでした。歩様も元気に飼い主様を追いかけてる姿から問題を認めず、両目はやや潤んでいました。また、腸の蠕動運動亢進などの異常音もなく、また腹膜炎を疑う所見もありませんでした。往診では、詳しい問診と既往歴、過去の検査データなどをゆっくり詳しくお伺いさせていただきます。
今回、検査結果から一過性の症状である可能性が高いと判断しました。処置は皮下点滴の中に複数の医薬品を混ぜたものを背中に投与しました。注射も嫌がらずによく頑張りました!
今夜は食事を与えず、明日の朝は通常量よりもずっと少ない量(1~2口程度)を頻回あげてもらうようお伝えしました。また、大好きなお散歩も、残念ですが明日1日は控えていただき、状態が改善すれば、明後日からは通常通りの生活に戻れることをお伝えしました。
今回疑わなければいけなかった緊急ポイントは、『その症状が急性期であり今まさに進行しているのかどうか』でした。避妊済みのわんちゃんでしたので、子宮蓄膿症はもとから否定されていましたが、もしこれが未避妊雌であれば、まず子宮蓄膿症を疑い、往診先では即座に腹部エコー検査を行います。また、明らかなバイタルレベルの低下であれば緊急対応できる動物病院の紹介受診を促します。また、もしこれが強い腹膜炎のようなものであったり、同等レベルの怖い救急疾患であれば、年明けまで待っているという選択肢を選んだ時点でアウトです。
このように、どんな症状が緊急疾患にあたるかは、非常に難しい判断が問われます。決して飼い主様だけで判断せず、まずはかかりつけの動物病院にご連絡してください。そして、どうしても繋がらなければ当院までご連絡ください。
往診専門動物病院わんにゃん保健室では、かかりつけの動物病院が開院するまでの対症療法(症状緩和の処置)にも対応しています。かかりつけの動物病院が年末年始は診療を行ってなく、高齢ペット(犬・猫)と暮らしているご家族様は、当院の電話番号(03-4500-8701)をメモ書き程度で構いませんので、控えておくことをおすすめします。
明日はいよいよ2018年のラストです!
急変したペットたちからSOSコールがこないことを祈っています。
年末年始、気合いを入れてスタンバイ中!
それでは、よいお年を!
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