こんにちは!!
皆様体調はいかがでしょうか?
台風などの低気圧が来るまでは、ほとんど晴れていたにも関わらず、台風が過ぎてもじめじめ、蒸し暑い日が続いていますね。夏が終わって、秋が近づいてきているのを感じます。
しかし、まだまだ暑い日が続いているので、わんちゃん、猫ちゃんの熱中症にはくれぐれもお気を付けください。湿度計があるご自宅は少ないかと思いますが、温度が低くても湿度が上がると熱中症になってしまうことがあるので、できれば、温度計と湿度計がついているものをお部屋にセットすることをお勧めいたします。
また、呼吸が悪くなってしまっていて、酸素ハウスを使用している高齢犬や高齢猫のご家族様もいらっしゃるかと思います。酸素ハウスの中は特に息で蒸れやすいので、温度に気を使ってあげて下さい。
酸素ハウスを使用していても苦しそうで、しかし、外に連れ出すのはさらにストレスを加えてしまう、など動物病院に連れていけないけれど痛みや吐き気、呼吸が荒い状態などを和らげてあげたいときは、お気軽に往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。
ご自宅に獣医師が訪問し診察を行いますので、酸素ハウスに入ったまま処置をさせて頂き、その子その子に合った過ごし方もご家族様とご相談させて頂くことができます。
さてさて、それでは今回は、脱水してしまった高齢猫のすずちゃん(東京江東区在住)18歳についてご紹介させて頂きます。
すずちゃん(高齢猫、東京江東区)は、ほとんど病院に行ったことがなく、小さいころに尿路閉塞になって以来、病気という病気はしてこなかった猫ちゃんです。普段はお外とお家を行き来していて、お外でも喧嘩をするぐらい強い子でした。(本来は飼い猫の外出は条例で許可されていませんのでご注意ください。)
しかし、数日前、ケンカをして帰宅してから、元気食欲がない、歩くとすぐ疲れてしまう、ということで、ご連絡を頂き、ご自宅まで獣医師と動物看護師が訪問させて頂きました。
初めて会った高齢猫のすずちゃん(東京江東区)の印象は、身体も大きくてたしかに強そうな猫ちゃんだな、という印象でしたが、かなりぐったりしていて呼吸も荒く、なんとなく目がうつろであり、食欲もないということから、全身状態が悪いことはひしひしと伝わってきて、何とか元気になってほしいという思いで診察をさせて頂きました。
お外に行くということで、まず最初に疑ったのが猫ちゃんの熱中症です。
外に行くと、日陰にいても人間でも暑いですが、猫ちゃんたちは私たちよりも体温が高く、地面にも近いため、より暑さを感じやすい体になっています。また、高齢猫ではより体温調節が苦手になってしまっているため、ご家族様も気づかないうちに熱中症になってしまっているというケースもあります。
では、熱中症になるとどうなってしまうのでしょうか?
まず、身体に熱がこもってしまい、体温が40℃近く、または40℃を超えることもあります。そうすると、体中の細胞が熱に負けてしまい、細胞が死んでいき、早急に処置ができない場合には多臓器不全になって致死的になることもあります。
症状としては、初期だと
・息づかいが荒い
・嘔吐、下痢を繰り返す
などが見られ、進行すると
・舌の色が悪くなる(紫色、チアノーゼ)
・立ってられない(ふらつきなど)
・ぐったりしている
と変化していきます。
特に、鼻が短い、短頭種のわんちゃんでは、熱がからだにこもりやすいので、お散歩中など特に注意が必要です。また、猫ちゃんでは、口をハアハアさせて体温を逃がすということをしないので、どうしても外に出ちゃうタイプの猫ちゃんの場合、この時期は注意が必要です。(くれぐれも、外出させるのは避けてください。)
熱中症を疑ったときにはまず、わきの下、首、股を冷やしてあげて、部屋全体も涼しくし、扇風機で風も送ってあげましょう。人間の熱中症の時の緊急処置に似ていますが、その通りで、まずは身体を冷やすのが最優先です。
話は逸れてしまいましたが、東京江東区在住で高齢猫(シニア猫)のすずちゃんも熱中症を疑いましたが、身体は熱くなく、はっきりと熱中症、という症状ではありませんでした。
次に、歩くとふらつき、倒れることもある、ということでしたので、高齢猫では多い、心筋症を疑いました。
また、他にも、高齢猫で多い病気として、甲状腺機能亢進症、慢性腎不全があるので、そこに関しても、心臓と深く関係があるため、飼い主様と相談し、採血をご自宅で行なって血液検査を行いました。
往診でご訪問させていただいた初日は、かなり脱水もあったので、皮下点滴、食欲がでるように、胃薬と消化管を動かすお薬、また、ビタミン剤や肝臓保護薬、炎症がある可能性も否定できない状態でしたので、ステロイド剤、ケンカの傷もあったので抗生剤を注射で使用しました。
血液検査の結果からは、心筋症の疑いと強い炎症反応、腎臓の数値の上昇が見られました。炎症反応は、ケンカの傷だけではなく、体調が一気におちるような炎症が身体の中で起こったのではないかと考えられます。また、それによって、水を飲めず、脱水していってしまい、腎不全も悪化してしまったと考えられました。
次の日には少し食べてくれるようになったとのことでした。
しかし、飼い主様のご希望もあり、これ以上の治療はしない、ということになりました。
通常であれば、入院を必要とする状態ではありますが、敏感で繊細な猫ちゃんでは、処置をすることが逆に負担になってしまうこともあります。
往診専門動物病院わんにゃん保健室では、そのような猫ちゃんでもお家で処置をすることで、少しでも負担を減らせていければと考えておりますが、お家でも処置が負担になってしまう猫ちゃんもいます。
それでも治療が必要な場合もありますが、その場合でも決して無理に処置を行うのではなく、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ご家族様と相談して、今後この子とどのように過ごしていきたいと考えているか、ご希望にできるだけ添えるように、ご家族様の気持ちに寄り添って、治療内容をご提案させて頂いております。
処置が辛そうだったので、一度やめてしまった、動物病院が怖そうなので行かなくなってしまった、という場合でも決して諦めずに、一度ご相談ください。
往診専門動物病院わんにゃん保健室では、その子その子に合った治療プランをご相談させて頂きます。
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