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リンパ腫の犬(ターミナルケア/高齢犬の緩和ケア/東京足立区)

こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診専門獣医師の江本宏平です。

 

往診専門動物病院として、獣医師と動物看護師でご自宅まで訪問しています。

本日は、東京足立区での症例についてです。腫瘍が全身に転移しながらも頑張ったわんちゃんの緩和ケアのお話です。

 

悪性腫瘍はそのままにしておくと、多くの場合転移していき、リンパ節にいき、そのまま全身に転移を起こしていきます。そうなる前に治療をすることが治癒への一歩ですが、なかなか症状が出ていなかったり、逆に急速に進行していて、数ヶ月前の健診では何もなかったのに・・・ということも珍しくありません。

回ご紹介するわんちゃんも、全く症状がなく、ずっと元気にしていたにも関わらず急に元気が無くなった時には全身に転移があった、というパターンです。

ゴールデン.jpg

 

わんちゃんは、東京足立区在住の13歳の高齢犬のムックちゃんです。

ムックちゃんは、白内障であまり目が見えないためすごく怖がりさんですが、とっても元気食欲もあり、動物病院には予防薬をもらいに行ったり予防接種をする程度しか行かなくても良いほどでした。

しかし、数日前から急に食べなくなってぐったりし始めたため、動物病院に行くとリンパ腫のステージⅣと診断され、抗がん剤を頑張りましたが、何度かやるうちに耐性がついて効かなくなったり、副作用が出たりがあり、ご家族様としてはこれ以上頑張らせるのはかわいそうだと思い、緩和ケアをご希望され、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡を頂きました。

 

お家にご訪問すると、ムックちゃんは寝起きで、チラッとこちらを見る程度であまり関心がないようでした。

ご家族様によると、抗がん剤を行うと最初のうちはすごく効いていて元気になっていたそうなのですが、最近は抗がん剤後もあまり変化なく、血液検査の数値も横ばいであまり効果を感じられなくなったそうです。しかし、食欲はしっかりとあるため、お薬は飲めそうです。

まずは現状を把握するために、身体検査、血液検査、超音波検査を実施する必要があることをご説明し、ムックちゃんに頑張ってもらうことになりました。

 

身体検査では全身のリンパ節が腫れていましたが現在は発熱はなく、心臓には少し雑音が入ってありました。

次に血液検査です。

血液検査は抗がん剤を行なっていたのでほとんどの血管を使用してしまっていたため血管がなかなか見つからず、首からの採血を頑張ってもらいました。

首からと言うと人間で考えるとギョッとしてしまいますが、実は緊急時や抗がん剤の時に手足の血管が使えるように、繰り返し採血をするときには首から取るのが最も適していて、針も細いので痛みはほとんどありません。

ムックちゃんの場合は目の前におやつを持ってきてもらうと素直に頑張ってくれました!

 

その後は超音波検査です。往診専門動物病院わんにゃん保健室では、動物看護師の保定のもと、獣医師による超音波診断をご訪問にてご自宅で行うことができます。お腹の超音波検査ですが、脾臓も肝臓も転移が見られ大きくなっていた、とのことから、横になってもらうのも要注意しつつ検査を行いました。肝臓や脾臓が大きい子は、横に倒したり仰向けにしたりした際に、脾臓などから出血してしまうことがあるため、注意しなければなりません。

 

超音波検査では、脾臓も肝臓も大きくなっていて、消化管のリンパ節も少し大きくなってきていました。その他腎臓には異常はなく、終了となりました。

 

血液検査の結果は後日ご説明をするということで、その日は内服薬を処方して終了となりました。リンパ腫は抗がん剤を行うのが第1選択の治療になりますが、抗がん剤ほど積極的な治療をしない場合にはステロイドを高容量で使用していきます。

今回は緩和ケアが目的なのでステロイド剤を処方しました。

 

ここで、リンパ腫について少しお話させて頂きます。

リンパ腫というのは、血液成分のリンパ球がガン化してしまう病気で、全身の臓器で起こる可能性があります。

大きくは、縦隔型、多中心型、消化器型と分かれますが、今回のムックちゃんは多中心型リンパ腫で、全身のリンパ節が急に腫れてガン化してしまっていました。ちなみに、犬で最も多いのが多中心型、猫で多いのが消化器型です。

全身的に起こる疾患なので、基本的には外科切除ではなく、抗がん剤での治療になりますが、抗がん剤の効果はリンパ腫の種類にもより、ある型ではかなり効果的と言われていますが、別の型ではあまり効果がないとも言われています。

しかし、抗がん剤治療で寛解といって、がん細胞が検出されなくなるぐらい治療効果が出ることも多い腫瘍なので、諦めずに治療することが基本的には推奨されています。

ただし、副作用が強く出てしまうと抗がん剤治療を続けること自体が負担になってしまうので、この場合はステロイド剤を使って緩和ケアを行なっていく、ということになります。

ステロイドでは一時的にすごく良くなりますが、1〜2ヶ月ほどで耐性ができて残念ながら効かなくなってしまいます。

 

今回のムックちゃんは、抗がん剤も頑張ったあとなので、ご家族の方も、もうよく頑張ってくれたのであとは苦しくなく過ごしてほしい、とのご希望でしたので、ステロイドを使って身体のしんどさを取る、という治療が1番ムックちゃんのためになると考え、治療に当たらせて頂きました。

もちろん、糖尿病などのステロイドによる副作用もあるため、定期的なチェックは必要となってきます。

初診の時点では、リンパ球がかなり多く、肝臓の数値も高いもののステロイド剤を使えない数値ではありませんでしたので良かったです。

 

ムックちゃんは、その後1ヶ月ほどすごく調子よく過ごしてくれましたが、徐々にステロイドを飲んでいても食欲の浮き沈みが出てきて、ステロイドへの耐性が出てきました。

それでもよく頑張ってくれていましたが、ある日ご家族様から、首のあたりが浮腫んできたとのご連絡を頂き、すぐにお伺いさせて頂いたところ、おそらくリンパ節の腫れによってリンパ液の流れや血流が悪くなり浮腫が出て来たと考えられ、ステロイドを増やしましたが、次の日にご家族様の膝の上で虹の橋を渡って行きました。

 

しかし、最期までムックちゃんらしく過ごしてくれていて、息苦しさや痛みは感じていなかったようだとご家族様からお聞きし、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室なスタッフも、少しでもムックちゃんを痛みや吐き気などの苦痛から解放することにご協力できて良かったです。

 

末期のガンや難治性の疾患、慢性疾患があっても諦めず、緩和ケアをお家ですることも出来るので、一緒に大切な家族の動物たちを痛みや吐き気から少しでも緩和してあげましょう。

一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡下さい。

 

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