新型コロナウイルス感染症がその猛威を奮っており、まだまだ収束どころか拡大傾向にあると毎日のニュースで拝見しています。できる限り人混みや、密集しそうな場所への出入りを避けるよう日本政府から言われていますが、それでも生活していくためには全く外出しないわけにはいきません。
また、愛犬・愛猫と暮らしているご家族様ならば、ペットの健康診断はこの時期を避ければいいだけのことですが、愛犬・愛猫が急に体調が悪くなってしまったら、新型コロナが怖いから動物病院にペットを連れて行かない、とは言ってはいられません。
もしも愛犬・愛猫が、
・食欲がない
・吐く(嘔吐)
・下痢(軟便、うんちが緩い、便が水っぽい)
・呼吸が変(猫の開口呼吸、呼吸が早い)
・なんとなく元気がない
など、普段と違う様子をペットに感じた場合に、様子を見てれば治るだろうではなく、必ずかかりつけの動物病院の担当獣医師に相談してください。また、新型コロナウイルス蔓延のこともありますので、すぐにペットを連れて動物病院に行くのではなく、まずはかかりつけの動物病院にお電話で相談するように心がけましょう。そして、必要であれば、動物病院にペットを連れて通院することも検討してください。なお、予約診療ができないかどうかのご相談も、こんな時なので行うことをお勧めします。
逆に、体調不良でなければ、この時期はできる限り動物病院に行くことは推奨できません。
理由は、この時期(特に3月後半〜6月いっぱい)が1年間で最も動物病院が混雑することが予想される時期だからです。
動物病院の繁忙期は3月後半〜6月(特に犬)
理由は、この時期からペットの予防シーズンが始まるからです。
ペットの予防と言うと、狂犬病予防ワクチン接種、混合ワクチン接種、フィラリア感染症、ノミ・ダニ感染症、避妊去勢手術などなど、予防に関する獣医療的に関わっていくことがたくさんありますが、時期的なもので一番影響力があるのが狂犬病予防ワクチン接種とフィラリア予防です。
狂犬病予防ワクチン接種に関しては、3月くらいに市区町村から狂犬病予防ワクチン接種のお手紙が届きます。
それには、各地域における狂犬病予防ワクチン接種の集合注射会場と日時が記載されており、ご自宅から近い場所やご都合が合う日にそこにいき、獣医師会から召集された各地域の動物病院の院長が集結する集合注射会場で狂犬病予防ワクチンを接種してもらいます。(狂犬病予防ワクチン接種は集合注射だけでなく、動物病院であればほとんどどこでも狂犬病予防ワクチン接種をしてもらえます。動物病院の医薬品在庫の関係などもありますので、まずは動物病院に問い合わせることをお忘れなく。)
また動物病院を繁忙期化してしまう要因に、狂犬病予防ワクチン接種にかぶさってしまうフィラリア感染症予防シーズンの開始があります。
そんなこんなで、春から初夏くらいにかけて、動物病院は通常診療に加えて予防診療が始まってしまうため、どこの動物病院に行っても大混雑を避けられません。
狂犬病予防ワクチン接種はやらなければいけないのか
よく聞かれる質問に、「狂犬病予防ワクチン接種は行わなければ行かないのか」があります。
答えは、YESです。獣医療は通常、農林水産省の管轄区分ですが、狂犬病予防ワクチン接種だけは厚生労働省の管轄です。つまり、狂犬病予防ワクチン接種はペットだけでなく人間を守るための法律であることを念頭に、できる限り接種してあげてください。日本における狂犬病の発生事例は、50年以上前を最後に、一度も発生していません。しかし、万が一今狂犬病が世界のどこからか持ち込まれて場合に、抗体保有率が高くない現状を考えると、蔓延する可能性が大きく懸念されています。
もちろん、全員が全員打たなければいけないわけではありません。愛犬が持病を抱えていたり、高齢で体力的に狂犬病予防ワクチン接種を行うには厳しいと判断された場合に、担当獣医師の診断のもと、狂犬病予防ワクチン接種見送り証を発行してもらえます。(今までは狂犬病予防ワクチン接種猶予証明書と言われていましたが、何やら問題があったようで、見送り証とされたようです。)
狂犬病予防ワクチン接種を見送ることを許可された場合には、その年の狂犬病予防ワクチン接種を見送ることができます。狂犬病予防ワクチン接種を見送れる期間は、担当獣医師が作成した狂犬病予防ワクチン接種見送り書に定めれた期間であり、慢性疾患だった場合でも半永久的にではなく、翌年の3月31日までです。詳しくは、各保健所までお問い合わせください。
狂犬病予防ワクチン接種に関しては犬の飼い主であれば義務となるため、打つ打たないにしろ、必ず獣医師にご相談してください。
ほとんど全ての動物病院で狂犬病予防ワクチン接種は可能であると書きましたが、往診専門動物病院も例外ではありません。(漢方専門など、一部を除く)
往診専門動物病院わんにゃん保健室では、完全予約制でご自宅まで獣医師と動物看護師がお伺いし、家の中で狂犬病予防ワクチン接種を行うことができます。1頭飼いはもちろんのこと、多頭飼育で動物病院に連れていくことすら大変な場合には、往診専門動物病院でご自宅でのワクチン接種をご希望されています。往診では、往診料が発生してしまうため、通常の動物病院に通院するのと比較すると少し費用がかかってしまうことが懸念されますが、長い待ち時間を密集した場所で待つ必要なく、ご自宅で愛犬たちとゆっくりお待ちいただけます。
また、狂犬病予防ワクチン接種のタイミングで健康診断として血液検査を実施することも可能です。血液検査は基礎項目の31項目で行っており、追加でフィラリア抗原検査を実施することも可能です。その他、気になる項目がございましたら、都度獣医師にご相談ください。
往診専門動物病院わんにゃん保健室では、東京23区全域までペット往診を行っています。
現在は、東京中央区と東京足立区の診察が多いことから、比較的東京中央区と東京足立区はご予約が取りやすくなっています。ご予約は病院Webページの問い合わせフォームからのご予約依頼、または電話(03-4500-8701, 10:00 – 19:00, 不定休)まで、お気軽にご連絡ください。
新型コロナウイルス感染症が蔓延化している今だからこそ、考えなければならないことがたくさんあります。
動物病院に行くべきなのか、まずはかかりつけ動物病院に電話で相談するべきなのか、事前予約をして行くべきなのか、今行くべきなのか、などたくさん考えるべき点はあります。
何より、ご家族様が倒れてしまっては元も子もなくなってしまいますので、ご自分の安全を確保した上で、愛犬・愛猫が必要とする予防医療を、愛犬・愛猫に届けてあげましょう。
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【執筆・監修】
江本宏平(在宅緩和ケア専門獣医師)
【病院名】
往診専門動物病院 わんにゃん保健室
【診療受付】
10:00~19:00(不定休)
【住所】
東京都台東区松が谷3-12-4 マスヤビル
【連絡先】
03-4500-8701(留守電対応)
Mail:house.call@asakusa12.com
※診療中につき電話をとることができないことが多いです。
往診をご希望の際には、問合せフォームからご連絡をいただくか、留守番電話にメッセージをお残しください。
【SNS】
Instagram:
@wannyan_hokenshitsu(診療紹介)
@koheiemoto(家族に向けた心のケア)
note:
https://note.com/koheiemoto
【ご挨拶】
末期がん、腎不全、心疾患など、 高齢の犬や猫に対する在宅緩和ケア・ターミナルケアを専門としています。
ご自宅でのケアに限界を感じたとき、 病院への通院が難しくなってきたとき、
「最後まで苦しませたくない」という気持ちに寄り添った診療を行っています。
【診療対応地域(往診対応エリア)】
東京都:
23区全域、国立市、府中市、三鷹市、稲城市、調布市、狛江市、武蔵野市
神奈川県:
川崎市(高津区・宮前区・川崎区)、横浜市(青葉区・港北区・神奈川区・鶴見区)
埼玉県:
戸田市、川口市、草加市、蕨市、八潮市、三郷市
千葉県:
松戸市、市川市、浦安市、習志野市