2021年12月01日 リライト
猫ちゃんの腎不全は永遠のテーマであり、まだまだ改善の余地があるとさる分野だと思います。
現在は、食事療法(療法食など)、内服薬、点滴、の3パターンであり、これらの内容であれば往診で十分網羅できることから、猫ちゃんの腎不全の多くは往診に切り替わっています。
いつから往診に切り替えるべきなのかについては、★専用ページがありますので、そちらをご参照ください^^
また、在宅切り替えに関するブログは以下ですので、こちらも合わせてどうぞ!
★★★★在宅切替を検討中のご家族様へ★★★★
近年、AIMという新薬が話題となっていますが、まだ詳細が上がってきていないためなんとも言えませんが、もしかしたら、猫ちゃんの腎不全に対する突破口となりうるかもしれませんね!
往診専門動物病院わんにゃん保健室では、東京中央区を中心に東京23区全体まで、獣医師と動物看護師が1チームとなって、ご自宅で待っている犬猫たちの元まで訪問し、検査・治療を行い、また生活環境などを考慮した診療プランをご提案させていただきます。
動物病院に通院するのが苦手で、キャリー入れるとヨダレを垂らしてしまう、おしっこしてしまうなど、繊細な猫ちゃんと暮らしているご家族様、往診専門動物病院までお問い合わせください。
本日は嘔吐している高齢猫のお話です。
お家の猫ちゃんの嘔吐回数が増えたり、それに伴い食欲が落ちているということはありませんか?
シニア期に入った猫ちゃんが嘔吐をしているときには様々な原因が考えられます。
慢性腎臓病(腎不全などまでに悪化してしまった)や甲状腺機能亢進症、消化器型リンパ腫や膵炎、または時期的なことを踏まえると熱中症なども考えられます。
今回は嘔吐回数が増えて食欲が落ちてしまった高齢猫ちゃんのお話です。
高齢猫の嘔吐(東京中央区/慢性腎臓病/腎不全)
症例は東京都中央区在住の17歳の高齢猫のプリンちゃんです。
往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ホームページからのお問合せメールでの受付と、お電話での受付どちらでもご予約お受けしております。
最近嘔吐回数が増えて、それに伴い少しずつ食欲も落ちてしまっているとのことで、早めの診察が必要と判断したためご連絡を頂いた当日のご予約を取らせていただきました。
プリンちゃんのお家にお伺いすると、プリンちゃんはお部屋の端のベッドに横になっていて少しぐったりしている様子でした。
ぐったりして動けない状態までに進行してしまった猫ちゃんに対し、ストレスをかけて動物病院に通院させるのは、結構リスクが高いことです。
まずはぐったりしてしまったということをかかりつけの動物病院があれば担当の獣医師に相談し、指示を仰ぐことをお勧めします。
私たちはこの日、まずは詳しくお話をお伺いさせていただくこととしました。
往診で出会う高齢期(シニア期)の猫ちゃんの多くは、今まで動物病院で診てもらえていなかったケースが半分以上であり、ここからも猫ちゃんいう生き物がストレスに弱いということを物語っているなと感じています。
ほぼ初めての受診ですので、今までの出来事やどんな性格の子で、食欲は普段からあるタイプなのか、知らない人は苦手なのか、症状はいつからなのかなど、ゆっくりと時間をかけてお母さんのペースでお伺いさせていただいています。
話しづらい環境にならないことを心がけ、できる限り寄り添えるような問診をさせていただきますので、伝えづらい事などでもご遠慮なく、診療時にご相談ください。
プリンちゃんに関しては、普段から食欲にむらがあるとのことで、ウェットのご飯はいつも完食していたそうです。
よく毛玉を吐くことはあったそうですが、ここ2週間ほど前から胃液も吐いたり、未消化のご飯を吐くようになり、1週間ほど前から嘔吐の回数も増えて、ウェットフードも少しずつ残す量が増えてきたとのことでした。
しかし、プリンちゃんは若いころに動物病院に行ったときにかなりの興奮状態になってしまい検査や治療には鎮静剤が必要と言われて以来動物病院には行っておらず、今回もそのような興奮状態になってしまうと、と思うと動物病院に連れて行けずに悩んでいたとのことでした。
そこで、「猫/吐く/頻度が増えた」など検索をしていたところ、往診専門動物病院があることを知り、わんにゃん保健室にご連絡を頂いたとのことでした。
高齢猫ちゃんで嘔吐回数が増えたり、食欲が落ちてきた時に考えなければならないのは、冒頭に少しお話した通り、慢性腎不全や膵炎、甲状腺機能亢進症や消化器型リンパ腫など様々な疾患を考えなければなりません。
まずは嘔吐・食欲不振の原因を特定するために、血液検査と超音波検査をご提案させていただき、ご同意頂けましたので実施させていただきました。
プリンちゃんをバスタオルで包んで、最初は身体検査です。
身体検査では重度の脱水と削痩、軽度の貧血が認められました。その後、血液検査は難なく終わることができ、超音波検査を実施しました。
プリンちゃんはお家で安心できる環境だからかすべての検査をお利口にさせてくれました。
超音波検査では大きな異常はなく、明らかな腫瘍や膵臓の炎症は認められませんでしたので、リンパ腫や膵炎は否定的となりました。
その後脱水していたことから、皮下点滴と吐き気止め、胃薬などのお薬を皮下注射してその日の処置は終了とし、次の日再診にて血液検査の結果をご説明することとしました。
次の日、プリンちゃんは相変わらずあまり食べていないそうでしたが、吐き気止めのおかげか吐くことはなく、ウェットフードのにおいも嗅ぎに行っていて、食べたそうな様子はあるとのことでした。
血液検査では腎臓の数値がかなり上昇しており、貧血の進行も認められました。
おそらく尿毒症による嘔吐と食欲不振が考えられました。
腎臓の数値を下げるために、まずは3日間の皮下点滴をご提案させていただいたところ、それでプリンちゃんが少しでも楽になるなら、とご同意していただけましたので初診日から3日間は皮下点滴を行い、様子があがってくるかを見させてもらい、場合によっては1週間の皮下点滴もするかもしれないとお話させてもらいました。
その日も同様に皮下点滴と吐き気止めなどのお薬、また、貧血が認められたので、造血ホルモンの注射も実施しました。
ここで、腎不全になると貧血してしまう仕組みについて少しお話させていただきます。
腎臓からは本来エリスロポエチンと呼ばれる造血ホルモンが出されます。
その造血ホルモンが骨髄に作用して、骨髄にて新しい赤血球が作られます。
そして古い赤血球は肝臓で壊され、バランスが保たれます。
しかし、慢性腎不全が進んでしまうと、造血ホルモンが不足してしまうため、貧血が進んでしまいます。
そのため、今回のプリンちゃんのように慢性腎不全が進行してしまっているときには貧血している猫ちゃんも珍しくありません。
こういった時には、往診では造血ホルモンの注射を週に1回注射します。
初診日から3日目、少し食欲も上がってきたことから、ご家族様での皮下点滴に切り替えさせていただき、7日目に血液検査を実施したところ腎臓の数値はかなり下がっていました。
その時にはかなり食欲も元に戻っており、プリンちゃんのご家族様もすごく安心されていました。
今回のように慢性腎不全の場合には最初の集中的な治療時は密な往診プランを組ませていただき、以降はお家での皮下点滴に切り替えさせていただくこともよくあります。
それは、私たちがお伺いするよりも、動物たちのストレスが軽減されるためです。
今回のプリンちゃんのように徐々に具合が悪くなる場合もあれば、それまでは症状を我慢して急激に症状が出てくる猫ちゃんもいます。
何か異変を感じた場合は早めに往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。
往診専門動物病院わんにゃん保健室では、それぞれのご家族様、猫ちゃんの生活に合った治療法をご相談させていただきます。
以下のブログや特設ページも参考にしてみてください^^
在宅切替を検討中のご家族様へ(東京犬猫往診/往診専門動物病院)
急に食べなくなってしまった(猫/腎不全/口内炎/東京中央区)
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