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実家の猫ちゃんは腎臓病(東京北区/猫往診)

もともとは一緒にご実家で住んでいましたが、ライフステージの変化に伴い、実家を離れるといいうこと多くあるケースです。

 

今回の猫ちゃんは、娘さんがアメリカに引っ越され、ご実家には高齢のご両親と猫ちゃんがいるという環境で、実家にいる猫ちゃんの健康状態管理をご依頼されたケースのご紹介です。

 

猫ちゃんは現在16歳10ヶ月で、高齢のお母さん、お父さんと日々のんびりと過ごせています。

 

腎臓病ステージ3で、1日2回のシロップ投薬を頑張っています。

 

往診での血液検査と超音波検査は1ヶ月に1回程度、2週間おきに内服薬シロップの交換補充です。

 

それでは症例紹介に入ります。

 

逆光モコちゃん.png

 

予約から初診までの流れ

基本はアメリカに住まれている娘さんからご依頼を受け、通院が猫ちゃんにとって負担であることと、今後通院させる側の人間(ご両親)にとっても通院は厳しいという理由から、往診での管理をお願いされました。

 

おそらく今後はお母さんが基本的に診察に立ち会うこともあり、診療報告や治療プラン、医薬品の説明なども全てメールにて共有させていただくこととしました。

 

また、メールに決済フォームをお送りし、そこから決済可能ですので、遠方の地にいらしたとしても、ご実家にいる猫ちゃんの診療時における状況報告を共有できるようにしました。

 

そして、まだ最後の方針という段階では全くないですが、以前一緒に住んでいた猫ちゃんの経験から、外科や抗がん剤などの攻めた医療は望まなず、穏やかに家の中で過ごさせてあげたいという方針を受けました。

 

 

初診時の診療内容

初診時には、今の状態を把握するために検査を行います。

 

検査方法として用いる基本的な手技は、血液検査と超音波検査です。

 

爪切りは毎回実施することとし、初診は終了です。

 

往診では、X線検査を実施することが難しいため、X線検査は実施しませんが、もし通院可能な場合には、X線検査もお勧めします。

備えあれば憂いなし。定期健診は大切です^^

 

 

再診(検査結果説明と方針決定)

血液検査結果の説明と今後の方針を決めていきます。

 

腎臓が少し悪くなっていることが見つかり、内服薬の開始相談です。

 

シロップ剤.jpg

 

1回に投与する薬の量は、全部1錠という簡単なものではなく、体重あたりで計算するため、物によっては分割使用する必要があります。

 

今回処方する薬は動物薬で揃えられたため、1錠そのままのものと、1/2錠に分割して使用してもらうものでしたので、分割する上では比較的簡単なものでしたが、お母さんからすれば難しい課題となる可能性もありました。

 

そのため、お姉さんが日本にいる間に、次に帰国するまでの量を分割しておくか、処方時に私たちの方で分割するか、またはお母さんに頑張ってもらうかの選択肢がありましたが、お母さんに頑張っていただけることとなりました。

 

分割し1回量を準備していただき、乳鉢で粉砕し、それをウェットフードにかけて与えてもらうこととしました。

 

 

投薬プランの変化

腎臓病は進行性の病気であり、早期発見・早期対策が重要です。

 

早期に対策をすることで、腎臓病の進行を抑えてあげられることが期待されます。

 

この猫ちゃんの場合には、腎臓病ステージ2で発見できましたので、比較的早くから内服などの対策を立てることができました。

 

慢性腎不全に罹患した猫の余命は約771日とされています。

なお、IRISステージ分類という専門的な分類方法があるのですが、それによると軽度の臨床症状がみられるステージ2bで約3年(中央値1151日)、重度の臨床症状がみられるステージ3で約2年(中央値778日)、集中治療が求められるステージ4では約3ヶ月(中央値103日)であったと報告されているようです。

とはいうものの、データ上の話であり、このデータが必ずしも愛猫に当てはまる訳ではないので、一つの目安として知っておく程度で十分であると考えています。

 

・・・しかし、ここで問題が2つ起こりました。

 

1. 医薬品のフレーバー問題

医薬品の多くは苦く、あまりにも飲ませづらいものには糖衣と言って、砂糖のようなものでコーティングが使用されています。

 

これらを分割して飲ませるのですら至難の技なのに、粉にしてしまうと、その苦さはご飯全体に広がってしまいます。

 

今回は動物薬ということである程度、犬猫への投薬特有の問題をカバーできるような作りではあったのですが、逆に動物役特有の問題であるフレーバーで、こちらの猫ちゃんはダメだったようです。

 

同じ医薬品でも製剤が変わればその味や形などは変わるため、飲めなかった猫ちゃんが飲めるようになったということも起こり得ます。

 

しかし、ここで重要なのは動物薬の多くは若干フレーバーがあるということです。

 

今回は、腎臓病で使用する医薬品を人薬のOD錠(口腔内徐放剤)にすることで、味の問題を解決することができました。

 

 

2. 分割して粉砕することが難しい

分割まではまだしも、粉砕するときは上から押し砕く必要があるため、上から下に向かった力を込めなければいけません。

 

何気ない日常での投薬指導では、きっとこの問題に気づけなかったと思います。

 

ご高齢のお母さんが猫ちゃんの看病を家の中で実施していくということを常に考えた上で、投薬プランを再度検討させていただきました。

 

そして、ここでご提案させていただいたのはシロップにして飲ませる方法です。

 

ただ、通常ですと、投薬したい医薬品達を必要量粉砕し投薬便に移し、1回量を0.3mlに作成できるよう指示書を書いてお渡しします。

 

なお、投薬便には5ml〜100mlのサイズがあるので、適宜使い分けます。

 

しかし、スポイトとして使用するシリンジ(針がついていない注射器)ですが、これまた一定のところまで吸い上げるのが細かい作業となってしまうため、小さい数字が難なく見える世代でないと難しいです。

 

今回は、1回に使用するシロップを吸った状態で、朝用シロップ、夜用シロップ、というように1回1回シリンジを使い捨てできるような投薬タイプで処方させていただきました。

 

この方法であれば、ご高齢のお母さんでも問題なく実施することができ、現在も同じ方法で投薬していただいています。

 

このように、ご自宅に上がることで見えなかった問題点が見える化でき、より継続しやすい方法をご提案することができます。これは往診専門動物病院の強みですね!

 

モコちゃん(窓際全身).jpg

 

まとめ

診療の形式により、通院ができるわんちゃん、猫ちゃんに対しては動物病院への通院が推奨されますが、通院を苦手とする場合には、往診という選択肢があります。

 

往診では、ご家族様が実際に生活している環境を生の目で見ることができるため、診察室での診療方針決定や指導よりも、よりこの猫ちゃんに特化した診療プランを組むことができます。

 

診療プランには、もちろんわんちゃん、猫ちゃんの病気に対する検査や処方などが含まれていますが、往診ではご家族様の行動プランも一緒に含めて考えていきます。

 

「1日2回の投薬が難しいのであれば、1日1回の投薬で済む処方内容を組んでいく。」

 

「錠剤は飲まめないのであれば、粉にしてウェットフードと混ぜましょう。」

「ウェットが好きじゃなくドライフード派であれば、シロップにしてドライフードにかけましょう。その時、ドライの食感を無くさないために、できるだけ少ない量のシロップに全部溶かせるように、計算させていただきます。」

 

「どんな形状でも内服が難しいのであれば、注射薬での投薬プランを組みましょう。複数種類あるのであれば皮下点滴として、打てるようになるまで一緒にトレーニングしていきましょう!」

 

「ご家族様での注射が難しいようであれば、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室で注射プランを組んでお伺いさせていただきますね!」

 

他にも呼吸状態が苦しくなった場合の酸素環境の構築や、介護が必要になった場合のマインドセットや実技的な内容を含めた指導など、その子その子にオリジナル性ある診療プランを作成していきます。

 

わんちゃん、猫ちゃんの通院でお困りの方は、都内であれば当院までご連絡ださい。また、都外であっても近隣地区であればご相談の上、お伺いさせていただけますので、諦めずにまずはご連絡ください^^

 

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