前回の続きです。
前回の記事は、こちら「動物病院の転院方法①」から読めますので、まだ読まれていない方は、順番に読むことをお勧めします。
ここまでくると、今までは絶対的な信頼をおいていた動物病院に対して、最近「ん?」と感じた理由が見えてきたと思います。
もし違和感を感じていた場合には、転院の準備を進めましょう。
転院の準備
転院するにあたってあった方がいい情報は、犬猫が健康体であるならば、基本的にないです。
既往歴があれば、どんな病気をいつ発症し、どんな検査とどんな治療(投薬など含める)をした結果、いつ治ったのか、または医薬品のアレルギーや投与後に体調を壊した事があるのか、をまとめておきましょう。
もし今現在も継続治療している病気があれば、それはいつ発症し、どんな治療をしながら経過観察をしていて、今どんな状態なのか、をまとめておきましょう。
各種検査結果は、全部持っておくといいですが、大体は手元にある分で十分だと思います。
なぜかというと、転院先で必ず再検査を行うからです。
このような内容をまとめておくと、転院先にスムーズに状況を理解してもらう事ができると思います。
これは一般的な転院の話であり、もし動物病院への通院から、往診による在宅医療への切り替えを検討したい場合については、上記内容とは異なるのかというご質問を多くいただきますが、全く一緒で大丈夫です。
動物病院に通院していて在宅医療へ切り替えるケースでは、基本的には診断がついており、すでにその病気に対して何かしらのアプローチをかけている最中だと思います。
いくつか例を出してご説明していきます。
猫の慢性腎臓病の往診切り替え
慢性腎臓病の場合には、定期的な血液検査と、高い頻度での皮下点滴が求められることとなりますが、基本的には慢性腎臓病(腎不全)に関しては往診切り替えが可能です。
血液検査も超音波検査も、皮下点滴の指導や処方なども全部、往診で可能です。
皮下点滴もやり方さえわかれば、ムチ打ってキャリーに入れて通院させる必要はなくなりますし、検査後にキャリーの中で震えることもなくなります。
慢性腎臓病ステージ1と言われた時点から、これから高頻度での通院が予想できますので、もし通院が苦手であれば、早期からの往診切り替えをお勧めします。
猫の消化器型リンパ腫の往診切り替え
リンパ腫といえば抗がん剤による化学療法が効果的であることは有名ですが、その副反応によって急な経過を遂げてしまったという症例もたくさん見てきました。
もう抗がん剤ではなく、リンパ腫などの病気からくる不調や苦痛を緩和させながら、余生を可能な限り負担なく過ごさせてあげたいと考えた場合に、往診切り替えをお勧めします。
この2つ以外にもたくさんありますが、大切なことは「愛犬、愛猫の余生をどのように過ごさせてあげたいのか」を、ご家族様で決めておくことです。
方針さえ決まって仕舞えば、あとはその方針を軸に進めていくだけです。
最近は、早期から往診切り替えを希望され、初診時から予想される未来に向けた在宅緩和ケアの相談ができるため、より不安少なく病状の変化を受け入れることができるかもしれません。
在宅緩和ケアを希望されるご家族様(東京/千葉/埼玉/神奈川)
在宅緩和ケアという考え方は、まだ浸透していないこともあり、かかりつけの動物病院では受け入れてもらえないかもしれません。
そのため、もし在宅緩和ケアをご希望される場合には、往診専門動物病院に相談するようにしましょう。
東京、千葉、埼玉、神奈川であれば、私たち、往診専門動物病院わんにゃん保健室がご自宅まで訪問し、在宅緩和ケアプランを構築させていただき、余生を最後までサポートしていきます。
まずは事前にご連絡をいただき、体調がグッと下がる前にペットの状態とご家族様の意向を把握させてください。
転院することは決して悪いことではなく、むしろ正しい判断だと思います。
感じた違和感をスルーしてしまうのではなく、まずはセカンドオピニオンから始めていきましょう。
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