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ペット往診動物病院日記の最近のブログ記事

「動物病院への通院から、往診専門動物病院に切り替えるタイミングはいつでしょうか。」

 

多くのご家族様からいただく質問です。

 

往診への切り替えタイミングはいつからなのでしょうか?

 

その参考になればと思います。

写真②(エコー+酸素).JPG

 

①無難に通院できるうちは通院

元気な時は、というと語弊があるかもしれませんが、動物病院に通院できる間は、多くの方が通院の選択肢を選ばれているように感じます。

 

嘔吐、下痢、食欲不振などに対して、症状だけをみて対症療法としての治療を選択するのであれば、往診専門動物病院も通常の動物病院もさほど差はありません。

 

しかし、症状に対して、鑑別診断と言われる、「もしかしたら〇〇という病気かもしれない」というものを複数個あげて、それらの可能性を探るべく検査に踏み切り、さらに必要であれば麻酔をかけた検査まで、というような、「診断」を求めるのであれば、間違いなく動物病院への通院が必要になってきます。

 

しかし、地域にある、俗にいう一次診療施設に該当する動物病院の多くは、確定診断を下し治療に踏み込むというようなステップを飛ばして、まずは治療先行で診療を進めていくことが多いと思われます。

 

検査を進めるには、それなりの費用と、わんちゃん・猫ちゃんへのストレスがかかってくることから、なかなか診断を求めて精査していくところまで、そう簡単に踏み込めないという現実があります。

 

多くの一過性の症状に対する対症療法であれば、往診専門動物病院で十分対応できることが多いです。

 

しかし、単純に費用が動物病院への通院と比較すると高くなってくることを考えると、やはり、通院できるうちは動物病院に通院させるという選択肢をとられることがおすすめです。

 

このような背景はあるものの、中にはどうしても動物病院が苦手だったり、通院すること自体が難しい性格だったり(特に猫ちゃんに多い)すると、症状が出ていても、そのうち治るだろうとたかを括ってしまいやすい傾向にあるかと思われます。

 

これは危険な判断になりかねないので、このような場合には、すぐに往診専門動物病院に連絡するようにしましょう。

 

②治療が見込めないのであれば往診

では、往診専門動物病院への切替のタイミングはいつになるのでしょうか?

 

それは、「治療が見込めないと判断されたとき」です。

 

この言葉を聞くと、心にドッと重みを感じるかと思いますが、そんなことはなく、もう積極的な検査や治療をするのではなく、必要最小限の検査でストレスを軽減してあげ、余生はこの子なりにのんびりと過ごさせてあげたい、と考えた時がこれに該当します。

 

病気であげるのであれば、腎臓病、心臓病、肝臓病、がん(腫瘍)、てんかん、認知症、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、糖尿病などなど・・・あげていけばキリがないのですが、意外にほとんどの病気が該当してきます。

 

週に何回か、月に何度かなど、ある程度定期的に動物病院へ通院し、検査と処置をしてもらっているような病気であれば、内容次第で往診に切替ができると考えています。

 

例えば、猫ちゃんの腎不全です。

 

ステージにもよりますが、最初はご飯、次に内服薬、最後に点滴となっているだろうなと思うのですが、検査は血液検査と尿検査、動物病院によっては血圧測定もされるかと思いますが、これらは往診で対応できることが多いです。(当院では血圧測定は積極的に行なっていませんので、もしされたい場合にはご相談ください)

 

ほとんどの猫ちゃんで、キャリーに入れられ、揺られながら動物病院へ向かうことは難しいことと思われます。中には、それで血圧が上がり過ぎてしまい、帰ってきたらぐったり、食欲もなく、嘔吐下痢が始まってしまった、ということも少なくありません。

 

・月1回〜3ヶ月に1回程度の往診による血液検査、尿検査など

・必要に応じた内服薬の処方

・必要に応じた皮下点滴処置

 

このプランであれば、月1回の往診で十分ですので、無理に負担をかけてまで、動物病院へ通院する必要はありません。

 

そして、今後皮下点滴の頻度が増えてくるようであれば、往診で獣医師が毎回来て処置するのではなく、ご希望があればご家族様だけで皮下点滴ができるように、しっかりと皮下点滴指導をさせていただきます。

なお、内服薬が苦手な猫ちゃんがほとんどですので、あの手この手を一緒に考えながら投薬方法を相談したり、またはシリンジなどスポイトのようなものを使用しての投薬指導など、ご家族様の希望される内容に基づいて多岐にわたる提案をさせていただきます。

 

③酸素室が必要になった時

呼吸状態が悪かったり、貧血がひどかったりなどすると、体内をめぐる酸素量(酸素供給量)が不十分となり、大気中の酸素濃度では苦しくて生活できない状態までになることがあります。

 

これに該当するのが、心臓病と末期の腎臓病やその他病気だと思われます。

 

例えば、トイプードルで肺水腫を伴う僧帽弁閉鎖不全症という症例です。

動物病院への通院は、むしろ優しい動物看護師さんたちにたくさん撫でてもらえるから大好きで、定期的に動物病院へ通院し検査していたのですが、肺水腫を発症(心臓の病気が進行)してしまってことをきっかけに、酸素室ありきでの生活を余儀なくされてしまいました。

 

本当であればもっとたくさん検査してあげたいし、治療だって受けさせてあげたいというお母さんの願いとは裏腹に、リビングではある程度の時間(15分程度)、運動を伴わなければ生活できていましたが、少しでも興奮すると、舌の色が紫色になってしまう(チアノーゼ)状態を繰り返してしまうため、往診に切り替えました。

 

往診では、検査や処置の前に酸素室内の酸素濃度を上げて十分にこの子を酸素化し、素早く検査・処置を終わらせて、すぐに酸素室に戻して呼吸状態の悪化を防いでいきます。

 

わんにゃん保健室では、さらに酸素ボンベを持ち込み、検査・処置中は純酸素を嗅がせながらの厳戒態勢で臨んでいます。

 

このように、呼吸状態が悪くなってしまい、大気中の酸素濃度では生活が難しくなってきた場合には、満を辞して往診に切り替えることをお勧めします。

 

④大型犬で抱っこが必要になった

大型犬だと、例えば腰が痛くてうまく歩けなくなってしまっただけでも、動物病院へ通院することが難しくなることがあります。

 

痛み止めさえ効いてしまえば、おそらくまた動物病院へ通院できることと思われますが、それまでは無理に動かさずに、往診の獣医師を呼んで治療してもらうことがおすすめです。

 

運動器疾患以外でも、嘔吐、下痢、食欲不振でぐったりなど、こういった場合にも、実は通院できないとされるケースは多くあります。

 

例えばラブラドールレトリバー(36kg)、脾臓腫瘍(がん)の症例では、急に立てなくなり、嘔吐と軟便、食欲不振があったので抱っこして動物病院に行こうとしたところ、抱っこを嫌がり鳴いてしまうため、2階がリビングだったのですが、1階へ下ろすことができずに往診に切り替えたということもありました。

 

病気になると、言葉で意思疎通ができる私たち人間ですら不安になるのに、言葉での意思疎通が私たちとできない犬猫からすれば、よりその不安は大きいものと思います。

 

それに、大型犬の場合には普段から抱っこされるのに慣れていないため、持ち上げられることに対して恐怖心を示すのは当たり前です。

 

こういう場合にも、無理をせずに往診に切り替えてあげるようにしましょう。もちろん、状態が安定したら、獣医師の判断のもと通院に切り替えるように相談していただけると思いますので、「今のこの子にとっての最良とはなんだろう。」ということを常に考えてあげてください。

 

 

今は当たり前のようにできている動物病院への通院が、当たり前ではなくなる瞬間がいつか訪れます。

 

その時に、「犬猫にも往診専門の動物病院がある」ということを、頭の片隅に置いておいていただければ、きっといつか大きな助けになることと思われます。

 

犬猫にとって、飼い主様が全てであり、その飼い主様が下した決断で、この子の運命が決まります。

 

困った時は、まずはかかりつけの動物病院の獣医師に相談してみましょう。

 

通院が難しいと感じた場合には、症状が治まるのを待つのではなく、往診専門動物病院に相談しましょう。

 

東京23区とその近隣地区(千葉、埼玉、神奈川含む)であれば、当院が対応できますので、お困りの際には、まずはご連絡ください。

過去に犬の膵炎関連の記事を書いていますので、気になる方は是非読んでみてください!

急な食欲廃絶と嘔吐が止まらない(犬/東京目黒区/緩和ケア)

高齢犬の膵炎(嘔吐/食欲なし/動けない/東京中央区)

ペットの緩和ケアと看取りのお話

ペットの緩和ケアやターミナルケアをお考えのご家族様向けに参考ページを作成しました。

今後、もし慢性疾患など、治療による根治ではなく、症状や病状のコントロールのみと診断された場合、通院で今後も診てもらうか、在宅に切り替えるべきかを考える参考にしていただければと思います。

ペットの緩和ケアと看取りのお話

是非ご一読ください。

過去に猫の腎不全関連の記事を書いていますので、気になる方は是非読んでみてください!

慢性腎不全を治療中の16歳の猫ちゃん(東京墨田区)

元気がなくなった高齢犬(東京墨田区)

慢性腎不全の猫(東京葛飾区)

ふらつく猫(東京板橋区)

 

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下痢、実は怖い(犬猫往診獣医/東京)

わんにゃん保健室 獣医師の江本です!

 

ブログの更新がなかなかできず、今となってしまいました…

 

さて、本日は、「見逃してはいけない下痢」についてです!

 

腹痛の猫.jpg

 

家の中にいて、特に何か変わったことがないのに、急にわんちゃん猫ちゃんが下痢をしたって経験はありますか?

もちろん子犬子猫の時はしていたけれど、最近はあまりしなくなった、という子も多いのではないでしょうか?

あるいは、大人になっても下痢をしやすい子とほとんどしない子といったようにいわゆる体質的なものもあるかもしれません。

 

今回はそんな下痢のお話をしようと思います。

 

今回はタイトルの通り、単に下痢といっても、その原因によって、一過性のものと、実は重大な病気が潜んでいる下痢だった、ということもあるので、どういった下痢だと危険なのかというのをお話しさせて頂こうと思います。

 

下痢の話をする前に、まずは消化管の吸収、そして栄養分の通り道のお話しをしようと思います。

 

私たちがご飯を食べるとまずは食道を通って胃に入ります。

胃に入った食べ物は胃液によってタンパク質が消化されます。

その後十二指腸を通る時に膵臓からの消化酵素や肝臓からの消化酵素と混ざり、脂肪なども消化されます。

その後、ゆっくりと腸管の蠕動運動で移動していき小腸、大腸と通り、直腸に行って排便されます。

その間に、小腸では栄養分が吸収され、大腸では水分が吸収され、それらが消化管に張り巡らされている毛細血管にいき、毛細血管が1本の大きな血管に集合して門脈となり肝臓へ栄養分と毒素が混ざったものが運ばれます。

なお、毒素が肝臓で解毒されます。

この流れの中で、下痢に関係があるのは胃から直腸までの間ですが、下痢の種類は大きく2種類に分かれています。

 

下痢は大きく2つに分けられ、それらを小腸性下痢大腸性下痢と呼びます。

 

大腸性下痢の特徴

・水分量が多い

・少量頻回の下痢

・便を出そうとしても出ないしぶりがあることもある

・出血の色は鮮血

・体重減少は一般的にしない など

 

小腸性下痢の特徴

・軟便や水様便など様々

・量が増えるが回数は増えない

・出血すれば黒色

・体重減少することがある など

 

 

 

下痢の場合は、まずこのどちらの特徴を持っているかを見ていくことから始めます。

大腸では水分の吸収を行なっているので、大腸が原因である大腸性下痢の場合は、水分の吸収がうまくいっておらず、水分量が多い便になってしまいます。

しかし、小腸が正常ならば栄養分は取れているので、体重減少は起こりません。

脱水による一時的な減少は起こるかもしれませんが、どんどん体重が減っていく、ということはないでしょう。

 

一方で、小腸が原因である小腸性下痢の場合は、大腸で水分は吸収されますが、それ以前の小腸で栄養分が吸収されていないため、便の量が増えます

しかし、大腸で水分吸収されるためにとどまるため、回数は増えません

これが大きく分けた下痢の種類です。では、この2種類の下痢の原因はどういったものが考えられるのでしょうか?

まずは大腸性下痢です。

 

大腸性下痢の原因

・細菌感染

・寄生虫感染

・アレルギー

・腫瘍

・異物  など

 

小腸性下痢の原因

・食事性

・寄生虫

・細菌感染

・腫瘍

・急性膵炎

・先天性 など

 

ほとんど原因が同じじゃないか!と思われるかもしれません。

しかし、実は下痢の分類はこれだけでは無いのです。

大腸性下痢は主に急性慢性かに分けられます。

小腸性下痢も急性か慢性かに分けられますが、急性では全身症状があるかないかさらに分けることができます。

ここまで分類すると、下痢の原因はだいぶ絞り込むことができるのです。

ここで、急性と慢性という言葉が出てきましたが、ではどれぐらい続いたら慢性なのでしょう?

消化管の粘膜はだいたい1週間で新しい粘膜になると言われています。

例えば急性の下痢をしてもちゃんと治療をすればだいたい1週間経てば元に戻るはずなのです。

もちろん個体差がありますので、ちょうど1週間で完治、というわけにはいかないこともありますが、だいたいの目安としてはそれぐらいです。

なので、それ以上、つまり2週間以上続く下痢を慢性下痢と言って良いでしょう。

 

この急性か慢性かというのはとても大切で、お家の子がどれぐらいの期間下痢をしているか、確認しておきましょう。

急性か慢性かで、どこまで検査を行うかもずいぶんと変わってきます。

通常急性大腸性下痢の場合、元気や食欲があれば、慢性疾患子犬高齢犬、高齢猫でなければ大きな問題になることは少ないはずです。

しかし、急性小腸性下痢で、元気食欲がない場合はかなりの注意が必要です。

急性小腸性下痢で全身症状がある場合には、細菌感染の場合もありますが、もっとも怖いのは急性膵炎です。

急性膵炎は命に関わることもあるので、元気食欲もない場合にはすぐに動物病院に相談しましょう。

長くなってしまいましたが、下痢の分類から、どういった下痢が注意が必要か、伝わりましたでしょうか??

 

やはり一番注意が必要なのは、急性で元気食欲がなくなってしまう場合と、2週間以上の慢性的な下痢です。

慢性的な下痢の場合、アレルギーから腫瘍などまでさまざまな原因を考えて検査が必要になるかもしれません。

また、高齢犬や高齢猫では、下痢で脱水してしまうことで余計に体力を落としてしまうこともありますので、下痢の時は早めに動物病院へ相談されることをお勧めします。

しかし、高齢犬や高齢猫で動物病院に連れて行くことや、待ち時間を考えると、連れて行くこと自体心配になってしまうこともあるかと思います。

その時は往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。

お家を診察室として使わせていただき、待ち時間なく診察をさせて頂くことができます。便検査から、血液検査や超音波検査まで検査の内容も豊富にあるので、検査についてもご相談させていただけます!

 

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こんにちは!

 

お家のわんちゃん、猫ちゃんに多飲多尿の症状、

 

つまり、

 

お水をたくさん飲んで、たくさんのおしっこをする

 

という症状はありませんか?

 

多飲多尿.jpeg

 

 

もともとよくお水を飲むタイプの犬猫では判断がつきづらいこともあるのですが、基本的にそういった症状がある場合には注意が必要です。

 

今回はお家のわんちゃん、猫ちゃんで多飲多尿の症状が出た時に気をつけなければならない病気についてお話しします。

 

まず、わんちゃん猫ちゃんで、多飲多尿と聞いた時に私たち獣医師が考えるのは、こんな感じです。

 

犬の多飲多尿

わんちゃんで多飲多尿を認めた場合には、以下のようなものを疑ったりします。

・腎臓病?

・糖尿病?

・クッシング症候群?

・アジソン病?

・高カルシウム血症?

・尿崩症?

・膀胱炎?

などを考えます。

 

猫の多飲多尿

一方猫ちゃんだと、ちょっと変わります。

・腎臓病?

・甲状腺機能亢進症?

・糖尿病?

・高カルシウム血症?

などを考えます。

 

 

もちろん、状況によって全く違かったり、同じようでももっと多くのことを考えなければいけないということは多々あります。また、わんちゃん猫ちゃん問わず、未避妊の女の子であれば子宮蓄膿症も疑います。

 

たくさんの疾患が出てきましたが、この中でも特に頻度の多い腎臓病や甲状腺機能亢進症、糖尿病についてお話しします。

 

まずは腎臓病です。

 

腎臓病の症状

往診で出会う、特に高齢の猫ちゃんのほとんどが慢性腎臓病、さらには慢性腎不全になっており、

 

元気低下(あまり動かない)

食欲廃絶(ご飯を全く食べない)〜食欲低下(ちょっとしか食べなくなった)

高い頻度の嘔吐(1日1回以上の吐き戻しなど)

軟便〜下痢、または便秘

 

といった症状を伴っています。

 

こういった場合、検査の結果慢性腎臓病として診断された場合に、治療を続けていくことになります。

 

発症しやすいのは高齢の猫ちゃんですが、わんちゃんでも起こることは多々あります。また、発症の少ない若齢の犬猫でも、例えば先天的に腎臓の機能が悪かったり、もともと片方しかなかったり、または空胞がたくさんできてしまっていたり(多発性嚢胞腎)など、生まれつき腎機能が弱いこともあるので、定期検査はしっかりつ行ってあげましょう!

 

ここで慢性腎臓病のお話です。

 

高齢の猫ちゃんに多い慢性腎臓病とは、腎臓への障害が慢性的に継続している状態のことを指します。

 

尿検査で尿蛋白や血尿が出ている、画像診断で腎臓の形態異常が見られる、血液検査で腎機能の低下が見られるときに診断されます。

 

腎臓の状態状態で言うと、腎臓の血管が徐々に少なくなっていき、本来おしっこの中に出て行くはずの老廃物が体の中に溜まってしまい症状を出します。

また、わんちゃんと猫ちゃんでは初期では障害が起こっている部位が異なります。

 

腎臓は糸球体といって血管がたくさん集まっている部分と、尿細管といって、糸球体から伸びて、必要な物質の再吸収を行っている部分に大きく分かれます。

 

糸球体はザルのようなイメージで、血管内から水分やそのほかの様々な物質がザルの穴を通って出ていき、尿細管に流れていきます。

 

もちろんザルの穴を通らない、たんぱく質のような大きい物質は通り抜けずに血管内を流れていきます。

 

一方、尿細管では、糸球体で出て行ったものの中で体に必要な物質を再吸収して、尿細管内の原尿はどんどん濃縮されていきます。

 

そうして濃縮されたものがおしっことして膀胱内に貯められます。

 

この中で、糸球体の機能が落ちてしまうと、ザルの穴が大きくなってしまい、たんぱく質も通り抜けてしまうようになります。

 

しかし、たんぱく質は尿細管で再吸収されないため尿中に尿たんぱくとして出て行ってしまいます。

 

その結果、わんちゃんの腎臓病では多くは最初に尿たんぱくの上昇が認められます。

 

一方、尿細管の機能が落ちてしまった場合、糸球体で出されてしまった水分を再吸収する能力が落ちてしまいます。

 

その結果、薄いおしっこを大量にするようになってしまいます。これが多飲多尿の原因です。

脱水しやすくなってしまうので、定期的な皮下点滴が必要になります。

 

 

【腎臓病の猫ちゃんの過去のブログ】

こちらもご参考にどうぞ^^

もしご自宅の猫ちゃんの症状が該当するようであれば、もしかしたらも考えられるので、お早めに獣医師に相談するようにしましょう!

慢性腎不全を治療中の16歳の猫ちゃん(東京墨田区)

元気がなくなった高齢犬(東京墨田区)

慢性腎不全の猫(東京葛飾区)

第一章 腎臓病の猫〜そのときは突然に〜①

ふらつく猫(東京板橋区)

 

 

次に甲状腺機能亢進症です。

こちらもとても多い症例です。

往診専門動物病院という特徴もあるのですが、出会う猫ちゃんで食欲亢進(よく食べる、食べても食べてもご飯を欲しがるなど)、異様に元気でよく鳴くようになった(要求吠えのような印象)、それなのに体重は増えないし、むしろ減ってきたような感じがする、というような感じです。

さらに、軟便気味の猫ちゃんもいれば、よく吐くようになったという猫ちゃんもいます。

ちなみに、わんちゃんで多いのは、甲状腺機能低下症という、甲状腺機能亢進症とは真逆の病気です。(甲状腺機能低下症については後日お話しします。)

 

実は、甲状腺機能亢進症は、慢性腎臓病と深い関係があります。

甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンが大量に出る疾患です。

甲状腺ホルモンは体の代謝を調節しており、甲状腺ホルモンが少なければ内臓の働きも低下してしまい、元気がなくなってしまいます。

代謝も落ちて太りやすく、皮膚病になったり、心拍数が落ちてしまったりします。一方、甲状腺ホルモンが増えると代謝が上がり見た目は元気になったように見えます。

ご飯もよく食べ、心拍数も上がります。消化管の動きも亢進し、嘔吐や下痢の原因になります。

あるいは血圧の上昇も認められます。

もちろん腎臓の中の血管の血圧も上がるので、毒素の排出も増えるのですが、体にとっては負担がかかってしまっています。

そのため、腎臓の数値は一見問題がないように見えても実は甲状腺ホルモンを正常値まで落とすと腎臓の数値が上がってしまうことがあります。

そのうえ、腎臓の機能もあがるため、多飲多尿になってしまいます。

 

往診では、血液検査にて甲状腺機能亢進症を確認したら、抗甲状腺ホルモン薬で内服によるコントロールを行います。検査のタイミングは、投薬開始または投薬用量変更から2週間後、安定していればその1ヶ月後、さらに安定していれば以降3ヶ月おきに検査を行います。

内服ができる前提でのお話ですので、もし内服が苦手な猫ちゃんだった場合には、投薬するためのアイデアは考えられるだけご提案させていただきます。それでもできなかった場合には、残念ですが諦めるというご家族様も現実問題いらっしゃいます。

まずは検査をし、もし内服が必要だと判断されたら、そこから方法を一緒に考えましょう。

 

【甲状腺機能亢進症の猫ちゃんの過去のブログ】

こちらもご参考にどうぞ^^

もしご自宅の猫ちゃんの症状が該当するようであれば、もしかしたらも考えられるので、お早めに獣医師に相談するようにしましょう!

猫の甲状腺機能亢進症と腎臓病(東京台東区)

急な食欲低下の高齢猫(東京中央区)

猫の嘔吐と食欲不振(東京足立区)

甲状腺機能亢進症を治療中の猫ちゃん(東京中央区)

 

 

最期に糖尿病です。

糖尿病は皆さんご存じの通り尿中に糖が出てしまう病気です。

糖が尿細管を通ることで、浸透圧の関係で水分が尿細管内に引っ張られ、尿中の水分が増えます。

その結果、多飲多尿になりますが、インスリン治療にて血糖値をコントロールし、尿糖が出なくなれば症状は緩和されます。

人では糖尿病性腎症といって、腎臓病に発展してしまうこともありますが、猫ちゃんではそのような報告はありません。

 

このように一口に多飲多尿といっても、原因は様々で一概に原因がはっきりしない場合もよくあります。血液検査や超音波検査を使って原因を探索していきますが、高カルシウム血症などはどこからきているか判断が難しいこともあります。

しかし、中には甲状腺機能亢進症や慢性腎不全、糖尿病やクッシング症候群などの慢性疾患が隠れていることも少なくありません。

そして、多飲多尿というのは、ご家族様が最も気づきやすい症状の一つでもありますので、ご家族様の気づきで早期発見につながるかもしれません。

もし、お家のわんちゃん、猫ちゃんでこのような症状に覚えがある場合、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室にご相談ください。動物病院に連れていけない子もしっかりと検査・治療をさせていただきます。

動物病院が苦手な猫ちゃん、そして連れて行くことが難しい犬猫と暮らしているご家族様、諦める前に、まずは往診専門動物病院までご連絡ください。

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室です。

 

本日は、診療が立て込んでおり、以下のような症例のご自宅に獣医師と動物看護師で訪問させていただきました。

 

1件目:慢性腎臓病の猫、16歳、日本猫、去勢雄、東京江東区

診療内容は月一回の血液検査での腎臓の進行具合の評価です。

状態は安定しており、猫ちゃんも頑張ってお薬を飲んでくれていました!

 

2件目:腎不全の猫、18歳、アメリカンショートヘア、避妊雌、東京千代田区

診療内容は、ターミナルケアです。ここ毎日往診させていただき、皮下点滴処置をメインに注射薬をブレンドして行っています。検査は1週間に1回です。

 

3件目:巻き爪の猫、10歳、日本猫、去勢雄、東京中央区

結構繊細で怒りん坊な猫ちゃんでしたが、どうにか捕獲して巻き爪を解除したら、結構出血がひどかったので、止血に時間がかかりました。お薬が飲めないのと普段はさわれないということから、注射で抗生物質を投与して、最後にお母さんに抱っこしてもらって温もりを感じていただき終了です。

 

4件目:甲状腺機能亢進症の猫、8歳、日本猫、去勢雄、東京中央区

甲状腺ホルモンの定期検診です。今は安定しているため、3ヶ月に1回の検査でもう1年になります。このまま安定していくことを願っています。

 

5件目:心臓病の犬、16歳、キャバリア、避妊雌、東京中央区

酸素室の中で寝ており、昼間はお母さんが見ている時という条件で部屋の中をうろうろしたえり、外出も許可できています。今は月1回の血液検査と腹部エコー評価を実施しています。

 

今日であった症例が物語っているように、やはり猫ちゃんの慢性腎臓病と甲状腺機能亢進症は多いように感じています。

 

となる今回は、甲状腺機能更新症の猫ちゃんと慢性腎臓病(腎不全)の猫ちゃんの嘔吐についてです。

 

猫ちゃんと暮らしている方、ぜひご一読ください^^

 

まずは「甲状腺機能亢進症」からです。

 

甲状腺機能亢進症

 

こちらは中〜高齢猫に多い疾患です。

 

特に高齢猫で、よく食べるようになった、元気になった、よく鳴くようになった、吐く回数が増えた、食べるのに太らないといった症状がある場合には、この甲状腺機能亢進症が疑われます。

 

甲状腺機能亢進症の猫.jpg

 

甲状腺機能亢進症では、甲状腺ホルモンの分泌量が増えることで、体の様々な臓器において機能が亢進する疾患です。

 

もちろん心臓においても機能が亢進するので、心拍数や血圧が上昇し、元気に見えるようになります。

 

そして心拍数が上がることで、心臓の負荷が増えてしまい、心臓病を併発してしまったり、血栓を作って血栓症を引き起こしてしまったり、ということもあります。

 

また、消化管の機能も亢進するため、蠕動運動が活発になり、未消化物でも先に流してしまったり、食べ過ぎたりしてしまうことで、嘔吐や下痢といった症状が出てきます。

 

甲状腺機能亢進症は血液検査で診断し、内服薬でホルモン濃度を調節することで治療を行います。

 

しかし、甲状腺機能亢進症を治療することで、後述する慢性腎不全が悪化してしまうこともあるので、慢性腎不全がある場合にはそちらに関しても注意しなければなりません。

 

往診で甲状腺機能亢進症を疑っている猫ちゃんの診察をする場合には、甲状腺ホルモンについて、甲状腺機能亢進症と心臓病との関係性甲状腺機能亢進症と腎臓病との関係性、その他、高血圧に伴う失明(網膜剥離など)や肺水腫など、広い知識をわかりやすく噛み砕いてご説明させていただいています。

 

先住猫がいた、または老猫と暮らしていて動物病院に通院できている飼い主様からは、何となく病名だけは聞いたことがあった、と伺うことが多いですが、

 

ほとんどの方で、

 

「説明してもらったが、早くて覚えていない」

 

「そういう関連性があるんですね〜」

 

と、初めて表情を浮かべられています。

 

治療プランを組む上で、飼い主様の病気に対する理解は必須になってきますので、当院ではしっかりとご説明させていただくことを大切に、日々往診専門獣医療をご提供させていただいております。

 

定期的な血液検査や皮下点滴、投薬のコントロールなどのために、毎回動物病院に通院させているが、その度に猫ちゃんがぐったりしてしまうということはありませんか?

 

通院のストレスが大きすぎると感じていらっしゃるのであれば、どうしても通院させなければいけない状況でない限り、ご自宅で検査・処置・治療プランの見直しをしてあげることを検討していきましょう。

 

おそらく、その内容であれば往診で十分対応できるはずです。

 

猫ちゃんにとって最良となる診療プランを組んでいきましょう!

 

さぁ、いよいよ一番気になる「慢性腎臓病(腎不全)」です。

 

慢性腎臓病

 

従来は腎臓の病気をまとめて腎不全と呼ぶことが多かったので、飼い主様に届きやすいキーワードとして「腎不全」と話してしまうことは、今でもあります。

 

しかし、腎不全は腎臓病の中でも後半の方であり、ここではもっと大きな括りとして慢性腎臓病という病名を使用していきます。

 

往診で出会う猫ちゃんの多くが腎臓病であり、その治療方法はいくつかあるのですが、全て猫ちゃんの性格と飼い主様がどこまでしてあげたいかによって、その環境で生活している猫ちゃん専用の診療プランをご提案させていただいています。

 

慢性腎臓病の猫.jpg

 

慢性腎不全では、本来おしっこから出て行く老廃物が体の中に溜まっていき、一定のラインを超えると尿毒症の症状を引き起こします。

 

尿毒素がたまると、気分が悪くなったり、食欲不振、嘔吐や下痢、ひどい場合にはけいれん発作を起こすこともあります。

 

そうならないために、尿毒素を体から出来るだけ出すために点滴を行なったり、慢性腎不全の進行を抑える治療薬を使用したりします。

 

進行速度を緩める治療をしても、言葉の意味通り、進行を止めることはできません。

 

そのため、定期的に血液検査を実施し、数値の上昇が見られる場合には点滴の量を増やしたり、吐き気がひどい場合には吐き気止めを注射したりといった治療をして、出来るだけ症状の緩和を目的に治療を進めます。

 

基本的に、検査の頻度は月1回であり、その時のデータによって今後の診療プランや治療内容を検討していきます。

 

往診の場合も同じで、状態が安定してしまえば、月1回程度の診察と検査、検査自体は5分程度ですので、猫ちゃんにとっても負担の少ない診療として考えています。

 

嫌なことをされた後は、すぐに好きな場所に隠れられるのもまた、往診ならでは強みです。

 

慢性腎臓病の治療と検査には、やはり獣医師が必要です。

 

また、その頻度は減ることはなく、今後増えていきます。

 

もし動物病院に通院することが苦手な場合には、これからその苦手意識は徐々に高まり、この先であまりの興奮で痙攣を起こしたり、ぐったりしてしまったり、ということも起こり得ます。

 

もし通院が難しくなった、ないしすでに難しいと判断された場合には、往診専門動物病院までご連絡ください。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、東京中央区を中心に、東京千代田区や目黒区、江東区など、東京23区とその近隣地区まで、獣医師と動物看護師がチームとなってお伺いさせていただきます。

 

諦める前に、まずはご連絡ください。

 

前回と今回で、猫ちゃんでよく見られる嘔吐の原因をご紹介させて頂きました。

しかし、これが全てではなく、高齢猫であればもちろん腫瘍性疾患も考えなければなりません。

 

そのため、もしお家の猫ちゃん、とくに高齢猫の嘔吐の回数が増えたという場合には、獣医師にご相談ください。

 

猫ちゃんでは、動物病院に行くのが苦手な子も多いかと思います。

 

そういった場合に、待ち時間もなく、処置が終わるとすぐに自分の場所に戻ることができる、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

次回もお楽しみ^^

 

 

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室です^^

当院は、東京中央区と台東区、江東区に拠点を構えて、獣医師と動物看護師がチームとなって、ご訪問させていただいています。

 

今日は【猫ちゃんの嘔吐、それ大丈夫?】というお話ですので、今猫ちゃんと暮らしている方、そしてこれから猫ちゃんを迎え入れようとお考えの飼い主様は、是非最後までご一読ください^^

 

お家の猫ちゃんは、普段どのくらいの頻度で嘔吐をしますか?

 

・嘔吐の頻度は、週1回未満なんで問題ないと思っています!吐いた後もケロッとしています。

 

週2〜3回くらいで、吐いた後は食欲がないのですが、1日くらい経つと普段通り元気に戻る、というのをずっと繰り返しています。

 

・頻度は週1回くらいですが、結構大量に吐いて、1回とカウントしていいのかわかりませんが、ゲポッゲポッって4,5回立て続けに吐きます。その後は至って元気なんですが…。

 

・ここ最近、急に吐くようになってきて、今ではほぼ毎日吐いています。元気は元気ですし食欲もちゃんとあります。

 

いろんなキーワードが隠れていますね。

 

嘔吐頻度は猫ちゃんによって様々だと思います。

 

そして、「普段から」よく吐くなどの光景を見ていると、それが異常なのかどうかの判断も鈍ってきます。

 

ちなみに当院では、

 

往診先で出会う猫ちゃんのご家族様には、週1回程度の嘔吐であれば生理的嘔吐として受け止め、その後に元気・食欲・排便状況・排尿状況などの一般状態に特に変化がなければ、様子を見ていきましょう!

 

と伝えています。

 

猫ちゃんの飼い主様の多くは、猫は吐く生き物だと認識されています。

 

がしかし、そこには思わぬ疾患が隠れているかもしれません。

 

あまりにも嘔吐が続く場合(例えば週2回以上が目安です)には、一度獣医師に、早めにご相談してください。

 

今回は、そんな猫ちゃんの嘔吐の原因をいくつかご紹介します。

 

誤食

 

まずは「誤食」です。

 

元気な子猫.jpg

 

誤食とは食べてはいけないものを食べてしまうことで、子猫に多いです。

カーペットの端や、おもちゃ、ひも状のものなど、食べてしまうものはその子の好みによって様々です。

誤食をすると、食道に詰まってしまうこともゼロではありませんが、多くは胃の中まで流れていきます。

胃の中に異物があることで嘔吐を引き起こすこともありますが、異物がそのまま胃の中に数ヶ月間留まり、数ヶ月後に胃〜十二指腸の間で詰まってしまい症状を引き起こすこともあります。

また、胃の中からスムーズに流れていったとしても、消化管のどこかで閉塞を引き起こして嘔吐という症状が出ることで誤食が判明することも少なくありません。

 

誤食物が胃の中にあったり、食べてすぐの場合であれば催吐処置を行い、誤食物を吐き出させますが、鋭利なものであったり、すでに腸管に進んでいる場合、閉塞を起こしている場合な内視鏡での摘出や手術を行うことになります。

 

そのため、往診では対応できません。

ですので、普段は動物病院へ通院することが苦手な猫ちゃんであっても、満を辞して、頑張ってキャリーに押し込んで緊急で連れていくしかありません。

 

催吐処置によって、もしかしたら誤嚥をさせてしまい、誤嚥性肺炎を発症し、致命的なこととなってしまうことだって考えられます。

動物病院であれば、病院にもよりますが酸素室での集中管理からもしかしたら気管支戦場まですることができるかもしれません。

誤食をさせてしまった場合には、待たずに動物病院に飛び込みましょう。

 

また、誤食する子は異食癖がある子と認識してあげましょう。必ずと言っていいほど繰り返します。

 

誤食は、教科書的に考えればご家族様に気をつけて頂くだけで防げるものなのですが、環境全体に常に気をつけているわけにもいかないと思います。

 

できる限りものを家の中に置かない、棚やゴミ箱にも簡易的な施錠をする(猫ちゃんは鍵のついていない扉は開けられると思っていてください)と徹底しているご自宅もありました。

 

お家の猫ちゃんに誤食癖がある場合には、家の中のオペレーション自体を考え直す必要があるかもしれません。

 

気をつけましょう。

 

次に「慢性膵炎」です。こちらも猫ちゃんの嘔吐の原因でよく見られます。

 

慢性膵炎

 

膵炎とは、膵臓の炎症のことです。

 

わんちゃんでは急性膵炎が救急疾患としてポイントになりますが、猫ちゃんでは急性膵炎はあまり見られず慢性膵炎がよく見られます。

 

膵臓で炎症が起こることで、周囲の消化管にも炎症が波及し、胃腸炎のような症状を引き起こします。

 

また、嘔吐とは別のお話になりますが、膵臓は消化酵素を出す細胞もあれば、インスリンを出す細胞もあります。

 

そのため、慢性膵炎によって、膵臓の細胞が減ってしまうとインスリンが減って糖尿病になってしまうことがあります。

 

糖尿病になると多飲多尿という症状も出てくるので、慢性膵炎がある猫ちゃんは注意しましょう。

 

慢性膵炎の原因は自己免疫疾患が多いと言われていますが、実際にはっきりとした原因があるわけではなく、様々な要因が組み合わさって起こっていると考えられます。

 

往診では、嘔吐を高頻度で認める猫ちゃんには、血液検査を実施しています。

もし膵臓の検査項目に異常値を認めれば、1週間程度〜の集中的な皮下点滴治療を毎日実施してあげ、状態の安定を図ることを行なっています。

 

ちなみに、犬で急性嘔吐(いきなりゲボゲボ吐き出して、嘔吐が止まらずにぐったりしている様子)の場合は、往診適応外です。

 

もし高齢犬で通院がどうしても苦手な場合には、できる限りお伺いさせていただいていますが、往診は救急車でないため緊急で伺うことができませんので、その点だけご了承いただいております。

 

嘔吐って、奥が深いですね。

 

猫の嘔吐.jpg

 

まだ続きます。あと2個です。しかし、文量も多くなってしまったので、今回はここまでとします!

 

今回は、猫ちゃんに見られる嘔吐について2つの病気を挙げて説明させていただきました。

 

猫ちゃんの嘔吐って、放っておいてもいいかなって思っていた飼い主様に、こういった考え方が届けばいいなと思い書かせていただきました。

 

次回は、【猫ちゃんの嘔吐、それ大丈夫?】②ということで、甲状腺機能亢進症で嘔吐する猫ちゃんについて、そして高齢猫ちゃん必見の慢性腎臓病(慢性腎不全)で吐いてしまう猫ちゃんについてお送りします^^

 

それでは、また次回お会いしましょう!

 

 

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こんにちは!

 

新型コロナウイルス性肺炎が話題になっていますが、動物からの感染症にちなんで、暖かくなって来たので、予防の観点から、SFTSという病気に関してのお話です。

 

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春になるとわんちゃんのご家族様は特に予防の季節、という感じがするのではないでしょうか?

もちろん、法律で決められている狂犬病の予防接種や、フィラリアの予防もすごく大切で、ぜひやって頂きたいところです。

ただ、それだけではなく、今回はノミダニ予防、特にマダニを介してわんちゃん猫ちゃん、そしてヒトにも感染する病気が近年獣医療界で注目されているので、マダニ予防のお話しをさせて頂こうと思います。

ちなみに、東京中央区を中心に最近では活動しているのですが、マダニに刺されている犬猫を見たことがありません。みんなノミダニやフィラリアなどと同じように、ちゃんと予防できているからなのかなって思っています。

 

今日お話しようと思っている病気は感染症です。

SFTSという感染症を聞かれたことはありますか?何それ?という方がほとんどだと思います。

SFTSとは、正式名「重症熱性血小板減少症候群」という名前で、SFTSウイルスというウイルスによる感染症です。

この感染症はマダニを介して感染していきます。

ウイルスをもったマダニは生涯ウイルスを保有することができ、野生動物など、動物を吸血した際に、その動物にウイルスが感染します。

ウイルスは、その動物の体内で増殖し、別のマダニが吸血した際にウイルスもマダニに移行して、どんどん広がっていきます。

日本では、西日本を中心に広がっていましたが、最近では東日本にも広がってきており、注意が必要です。そのため、きっと東京23区でマダニに寄生された犬猫を見ないのだと信じています。

 

では、感染するとどうなってしまうのでしょうか?

症状は動物種によって違いがあり、まだ分かっていないことも多いのですが、猫ちゃんではとくに重篤な症状を示すことが多いようで、食欲不振や元気消失、嘔吐や40度近い高熱、黄疸が見られることが多いです。

また、血を固める作用がある血小板が減ってしまうことで、出血性の下痢など出血傾向を伴うこともあります。そして、治療をしても、命を落としてしまうこともあります。わんちゃんでの感染もあり、わんちゃんでは黄疸は認められることが少ないようですが、食欲不振や元気消失は認められます。

また、嘔吐や発熱、そして命を落としてしまうこともあります。

しかし、致死率もわんちゃんよりも猫ちゃんの方が高く、その理由はまだ分かっていません。また、マダニに吸血されればもちろんですが、吸血されていない人でも、動物たちから感染してしまうこともあります。人でも致死的になってしまうことが多く、特に50代以上の方は致死率が上昇し、重篤化するリスクも上昇します。

人でも症状としては、発熱や吐き気、嘔吐、倦怠感、関節痛などがあり、初めは風邪や疲れと間違われることが多いのですが、感染リスクがある場合には速やかにお医者さんに伝えましょう。

ここまで、SFTSの怖い面ばかりをお話ししてきましたが、実際にはSFTSウイルスとは環境中ではとても弱いウイルスなので、感染経路や予防、適切な対処をすれば感染を抑えることができます。

ではまずは感染経路からお話ししていきましょう。

感染経路は、冒頭にもお話ししましたが、まずはマダニからの感染です。感染マダニに吸血されることで、ウイルスに感染してしまうので、マダニがいるようなところに行く際は必ず防御できるように忌避剤や厚手の服や靴下などの着用を心掛けましょう。また、野生動物や、野良の猫ちゃん、お散歩をする猫ちゃんや、野良猫さんと接触のある飼い猫さんからの感染が近年注目されています。ウイルス性の感染症なので、動物同士、猫から猫はもちろんのこと、猫から人への感染も起こります。

外で見かけた犬猫が可愛いからと、つい触れたくなる気持ちはわかります。しかし、万が一のことも考えて、そっと優しく微笑んであげる程度にしておくことが無難でしょう。

 

感染経路は、主に血液、目や鼻、口からの粘液や糞便にウイルスがたくさん含まれているため、それらが傷口や粘膜に接した場合に感染が起こってしまいます。たとえば感染した猫ちゃんに噛まれてしまった場合などにかかってしまうことが多いと言われています。

ある動物病院では、SFTSの症状を示した猫ちゃんが来院し、検査、処置を行なった後、皮下点滴がわずかに血液と共に漏れてきていたため、獣医師と看護師でそれを拭おうとしたところ、猫ちゃんがブルブルっと身震いをしたため、その血液混じりの点滴が飛び散ってしまい、その時にはしっかりと手袋とマスクもしていましたが手洗いも行なったそうなのですが、数日後その獣医師と看護師がSFTSを発症、早めに医療機関を受診していたため、重症にはならなかったそうなのですが、その程度の体液でも感染してしまうのが事実です。

そして、おそらくこの時は身震いして飛んでしまった点滴が目に少量入ってしまったのかもしれません。もし、感染したのが高齢者だった場合は重篤になっていたかと思います。

では、どうやってわんちゃんや猫ちゃんへの感染を防御すれば良いのでしょう?

それはノミダニの予防薬をつけることです。少し前まではノミダニ予防薬ですが、マダニの予防はできないお薬もありましたが、今ではマダニも含めたノミダニ予防薬が主流になってきています。

往診専門動物病院では、わんちゃん用にはネクスガードスペクトラ、猫ちゃん用にはレボリューションプラスを使用しています。フィラリアのシーズンやノミダニ予防など、往診専門動物病院でも対応できますので、お気軽にお声かけください。

 

これらの予防薬を使用することで、マダニからの感染症を確実に予防することができるので、特にお外にいく猫ちゃんでは必ず予防してあげましょう。また、お家では触れなくてとても付けられない、という場合には、往診専門動物病院わんにゃん保健室にご相談下さい。

 

ノミダニのお薬をつける、ということも含めて、身体検査なども一緒に実施させて頂きます。

そして、もしお家のわんちゃん猫ちゃんが疑わしい!という場合には速やかにそのことを動物病院にお伝えした上で受診しましょう。

また、ウイルス自体はアルコールや石鹸水で流すだけで殺滅できる程度のものなので、体液がついてしまったりした場合は速やかにしっかりと洗い流しましょう。

 

このように、動物を介して人にうつってしまう感染症もたくさんあります。

今回は少し怖いお話しをしましたが、しっかりと予防をすれば決して過剰に恐れることはありません。そして先ほどもお話ししましたが、お家ではつけられない、という場合には往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。いつでもご相談をお受けしています。

 

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こんにちは!

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、訪問に特化した動物医療を提供しています。

出会う犬猫の多くが高齢であり、何かしらの病気を抱えながらも日々のんびりと暮らしている子たちです。

往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡をいただく中で特に多いのが、詳しい検査や積極的な治療は望まないが、できるだけ楽にしてあげたいという緩和ケアの依頼から、状態によって最後に日までの集中的に緩和処置を行うターミナルケアの依頼です。

緩和ケアとターミナルケアの中では、よく状態安定を目的にステロイドを使用します。その中で、よく質問に上がるのが「ステロイドって怖くないんですか?」というのがあります。

 

ですので、今日はステロイドについてお話ししようと思います。

 

ステロイドというと、何となく怖い気がする、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。私たちも、往診専門動物わんにゃん保健室でステロイドを使用することももちろんあります。

しかし、中にはステロイドは使いたくない、という方もいらっしゃいます。

もちろん闇雲に使い続けると副作用が出てしまいますが、ちゃんとした理由の元使用し、長期間使い続けなければ大きな副作用が出ることは比較的少ないです。

そこで今回は、ステロイドとはどんなお薬なのか、どういった時に使用するのか、副作用はどういったものがあるのかなどをお話ししていこうと思います。

 

そもそもステロイドとはどんなお薬なのでしょう?

 

ステロイドとは、副腎皮質ホルモン剤です。

つまり、身体の中でも作られている物質です。副腎皮質ホルモンは、糖質コルチコイドといって血糖値を上げるホルモンと、鉱質コルチコイドといって電解質のバランスをとるホルモンの2種類があり、ステロイド剤にはその2種類のホルモンがある比率で含まれています。その比率は薬の種類によって異なるので、副作用の出方や出やすさもステロイド剤の種類によって違ってきます。副腎皮質ホルモンは、ストレスがかかると身体の中で放出され、ストレス耐性がつくようにできています。このように、身体の中で作られているからこそ、使い方にも気をつけなければいけません。

 

では、ステロイド剤の副作用とは何でしょうか?

先ほどお話ししたように、ステロイド剤には、血糖値を上げる作用と電解質バランスを取る作用があります。

つまり、ステロイド剤を使用すると血糖値が上がってしまうため、糖尿病になってしまうことがあります。これが一つ目の副作用です。

 

あるいは、本来は体から出る副腎皮質ホルモンで電解質のバランスを取っているのですが、外から同じものが入ってくることで電解質のバランスがうまく取れなくなってしまうことがあります。これが二つ目の副作用です。

 

また、かなり長期的にステロイドを使用していると、外から副腎皮質ホルモンが入ってくるため、体からの副腎皮質ホルモンの放出量が減ってしまい、副腎自体が小さくなってしまい、ステロイドをやめても副腎皮質ホルモンが不足してしまうことがあります。

それら以外にも、免疫抑制や食欲増進、多飲多尿、肝臓への負担などたくさんあります。

しかし!これらの副作用が出るのは長期的に使用し続けた結果起こることが多いです。

しっかりと症状に合わせて、副作用が出ていないか検査をしながら使用していくと、こういった副作用はあまり起こりません。

 

では、次はどういう時にステロイドを使用していくのかをお話ししていきます。

ステロイド剤を使用する場面はいろいろですが、主には

 

・末期の疾患の緩和ケア、ターミナルケア

・腫瘍

・免疫疾患

・皮膚疾患

・アナフィラキシーショック

・炎症性疾患

 

などがあります。

末期の疾患の緩和ケアやターミナルケアの際には、ステロイドを使って、少しでも食欲増進を図ったり、末期の疾患の倦怠感や辛さを和らげる目的で使用していきます。

往診専門動物病院わんにゃん保健室でも、こういった使用をすることが多く、比較的辛さを和らげてあげることができています。

こういった場合には高容量で使用するわけではなく、比較的少ない量で使用していきます。

また、免疫疾患やアナフィラキシーショックでは高い用量で使用するため、副作用に注意が必要です。

アナフィラキシーショックでは1度の仕様なのでほとんど心配はありませんが、免疫疾患や皮膚疾患では、長期的に使用することが多く、特に免疫疾患では高用量での使用期間も長くなるため、副作用が起こりやすくもあります。

そのため、闇雲に使用し続けるのではなく、獣医師の診察のもと、処方に従って使用して、しっかりと検査も行いましょう。

腫瘍性疾患の場合は、腫瘍性の痛みを伴うこともよくあるのですが、ステロイドは腫瘍性疾患の痛みも比較的よくとってくれます。

もちろん、麻酔系や麻薬系の痛み止めも使用していくのですが、それらを使用すると消化管の動きが悪くなってしまったり、鎮静作用が出てしまったりすることもあるので、ステロイドを一緒に使用していくことがよくあります。

 

簡単にステロイドの副作用や使用するタイミングをお話しさせていただきましたが、しっかりと検査を行い、獣医師処方のもと、むやみに長期使用をしなければ決して怖れる薬ではなく、メリットもたくさんあるお薬です。

しかし、ステロイドを使用すると逆に悪化してしまったり、それこそ副作用が出てしまうことももちろんございます。

そのため、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室でも、使用する目的を明確にしたり、使用しても良いかどうかをしっかりと検査してから使用したりと、使用には気をつけています。

 

もちろん、往診専門動物病院わんにゃん保健室ではステロイドを使用しない治療法もご提案させて頂きます。動物たち、ご家族様に合った治療法をご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。

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こんにちは!

暑いですね。毎日、めちゃめちゃ暑いです。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、飼い主様の家まで往診車に乗り、基本的には獣医師と動物看護師でご訪問させていただいています。

その際に、車内温度が上がりすぎないようにカバーをかけていますが、それでも暑くなりすぎる場合が多いので、常に車内にある荷物を持ち運んでいます。

入室の際に、もし荷物が多かったらすみません。

 

さて、今回は病気のお話です。

みなさん、甲状腺という臓器をご存知でしょうか?

人でも、バセドウ病などがありますがあれらも甲状腺の疾患です。

喉の気管の横に付いているとても小さな臓器ですが、身体の中ではとても重要な役割を担っています。

しかし、わんちゃん、特に高齢犬では甲状腺の機能が落ちてしまう、甲状腺機能低下症という病気がとても多いのです。

そこで今回は、甲状腺機能低下症についてお話していこうと思います。

 

以前にも甲状腺機能低下症の話、または真逆の甲状腺機能亢進症(主に猫)の話もご参考にどうぞ!

 

 

甲状腺機能低下症のブログ

・歩き方が変?(東京足立区)

・皮膚が悪くなった大型犬(東京足立区)

・大量出血の犬(東京墨田区)

 

甲状腺機能亢進症のブログ

・急な食欲低下の高齢猫(東京中央区)

・甲状腺機能亢進症を治療中の猫ちゃん(東京中央区)

・猫の嘔吐と食欲不振(東京足立区)

 

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そもそも甲状腺とはどのように働いているのでしょうか?

甲状腺は甲状腺ホルモンというホルモンを出して、それが全身の臓器の働きを活性化します。

しかし、甲状腺自身が勝手にどんどんとホルモンを出していると、たくさん出すぎてしまって臓器が活発になりすぎてしまうため、脳が調節をしています。

身体の中で甲状腺ホルモン濃度が一定ラインより低くなると、脳下垂体というところから甲状腺ホルモン放出ホルモンという、甲状腺に甲状腺ホルモンを出させるホルモンが放出されます。

そのホルモンが甲状腺に届くと甲状腺は甲状腺ホルモンを分泌します。

それが血液にのって全身に行き渡ります。

そうすると全身の臓器が活性化され、代謝が上がっていきます。

例えば心臓であれば心拍数や血圧の上昇、消化管であれば消化、腎臓では尿産生の増加、など多岐にわたって身体の代謝が上がります。

そして、甲状腺ホルモンの血中濃度が一定の濃度に達すると、脳下垂体に負のフィードバックといって、甲状腺ホルモン放出ホルモンの分泌がストップされます。

そうすると、甲状腺は刺激を受けなくなるため、甲状腺ホルモンを出すことをストップし、身体の中での甲状腺ホルモンの濃度は維持されます。

これが、甲状腺ホルモンの調節機能です。

 

では高齢犬で多い甲状腺機能低下症とはどういった病気でしょうか。

 

甲状腺機能低下症とは、何らかの要因によって、甲状腺からのホルモン分泌量が減ってしまい、体内の甲状腺ホルモン濃度が低くなってしまう疾患です。

余談ですが、人では女性が多いと言われているこの疾患ですが、わんちゃんでは疾患率に特に性差はありません。

わんちゃんの甲状腺機能低下症の原因は、ほとんどは甲状腺自体が原因と言われており、免疫疾患による甲状腺炎や、特発性(原因不明)甲状腺萎縮、甲状腺腫瘍などが挙げられます。

 

では、甲状腺機能低下症になるとどうなってしまうのでしょう??

 

先ほど、甲状腺は代謝を司る臓器というお話をしましたが、その機能が落ちてしまうので、全身の代謝が落ちてしまい、さまざまな変化をもたらします。

 

心臓では心拍数が落ちてしまったり、不整脈になったりします。

その結果、不整脈が続くと失神してしまったり、疲れやすくなってしまったり、といった変化が出てきます。

また、血圧も落ちるので、寝る時間が増えたり、なんとなく元気がないような感じになってきます。

皮膚では、通常は皮膚のターンオーバーによって垢となり、古い皮膚はどんどん落ちて生まれ変わっていくのですが、皮膚の代謝が落ちてしまうことで、皮膚のターンオーバーが遅れてしまい、古い皮膚がなかなか落ちなくなってしまったり、皮脂が出過ぎてしまったり、逆に出なくて乾燥してしまったり、と皮膚にも影響が出てきます。

古い皮膚がなかなか落ちない結果、そこに細菌感染が起こりやすくなり、痒みが出たりして、皮膚炎を起こす原因となったり、皮膚が分厚くなることで、いわゆる「悲しそうな顔」になってしまいます。

そのほか、腎臓では腎臓の血圧が下がってしまったり、太りやすくなってしまったり、神経障害も起こりますので、それにより斜頸が見られることもあります。

とてもさまざまな症状が出るので、この症状が出ているからこの病気!というわけにはいきません。

 

診断方法としては血液検査で甲状腺ホルモン濃度を測定します。

 

治療方法としては、甲状腺ホルモンを内服薬で飲むことです。

甲状腺ホルモンを外から入れてあげることで、甲状腺自体が出せない分を補ってくれます。

ただ飲みすぎてしまっていたり、あるいは血中濃度が上がらなかったり、個々で飲む量は変わってくるので、最初は2週間でもう一度血中濃度を測定します。そうして、ホルモン濃度を正常範囲内に入れていきます。

猫ちゃんでは、甲状腺機能亢進症といって、甲状腺ホルモンが出すぎる病気が多いのですが、高齢犬では甲状腺機能低下症がよく見られます。

甲状腺機能亢進症はすぐ命に関わる、ということはないのですが、甲状腺機能低下症は、不整脈が起こったり、血圧が下がったりすることで、命に関わることもあります。

そのため、高齢犬がお家にいる方は、健康診断の時にぜひ一緒に検査することをおすすめします。

最近あまり歩かなくなってきた、寝ている時間が増えた、体重が増えた気がする、顔に覇気がない、といった高齢犬だからかな?と思ってしまうこれらの症状、実は甲状腺機能低下症かもしれません。

もし思い当たる症状があれば、検査をしてみることをお勧めします。

ただ、高齢で歩かなくなってしまい病院に行けない、高齢になって病院での待ち時間のストレスをかけたくない、といった方は一度往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡ください。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、血液検査はもちろん、超音波検査も実施することもできますし、それらの症状からどういった検査が必要か、ご提案させていただきます。

高齢になってほとんど外に行かなくなったというわんちゃんのご家族様、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。

 

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こんにちは!!

 

中央区晴海と江東区豊洲では、昨年度にはこの時期になると、浴衣を着た人がたくさんいました!夏が来たなという気持ちになった風景でした!しかし、やはりコロナの影響ですね、なんとなく閑散としたお盆の始まりのような感じです。

最近は中央区晴海や江東区豊洲といった臨海地区からの往診依頼が増えています。ご自宅まで訪問すると、結構このあたりはおっきなマンションが立ち並んでるなと圧巻にとらわれてしまいます。勝どき、豊洲、晴海エリアはオリンピック村建設予定地が近いためか、どんどん開拓されていて、文明の力を感じています。こちらもまた、オリンピックが延期となってしまった今、今後どうなっていくんだろうなと感じながら、往診車の中から眺めています。

 

夏も本番となり、どんどん暑くなってきましたね。

犬猫、特に高齢犬・猫(シニア犬・シニア猫)とお家で一緒に暮らしている方は、すでに夏の暑さ対策を始められているかと思いますが、もしまだ夏の暑さ対策をしていない方がいらっしゃれば、ぜひ室温を下げる、湿度を下げるなどして、暑さ対策をしてあげてください!

繰り返しますが、特に、高齢犬、高齢猫を飼っていらっしゃる方は、動物も高齢になると体温調節が苦手になっていくので、冷房で調節して、湿度も低めにすることをお勧めします。

もし、帰宅後、冷房をつけ忘れていたことに気づき、わんちゃん、猫ちゃんがぐったりしている場合は熱中症の可能性が高いです。どうぞお気を付けください。

 

最近気温が上がってきて、何か元気がない、いつもと違う感じがする、という場合には、いつでも往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。動物病院への通院が大変、動物病院に通院すること自体がストレスになってしまい行く勇気がない、という方も、往診専門動物病院わんにゃん保健室ではご自宅まで往診専門獣医師が訪問しますので、お家で待ち時間なく、安心して診察させていただけます!

 

隠れる猫.jpg

 

それでは、今回は猫ちゃんが口を開けている時のお話をさせていただこうと思います。

早速ですが、みなさん、猫ちゃんの口が開いているのはあまりイメージがないかと思いますが、どうでしょう??

 

猫ちゃんが口を開けているときに考えなければならない病気がいくつかありますが、今回は代表的な病気をご紹介させていただこうと思います。

 

・心臓病

・甲状腺機能亢進症

・呼吸器疾患

の3つはまず考えていかなければいけません。

 

犬は暑いときや興奮したときに、口から熱を逃がすために、パンティングといって、口を開けて呼吸することがよく見られますが、猫ちゃんは通常口を開けて呼吸することはありません。

ではどういう時に口を開けて呼吸するのかというと、呼吸が苦しいときや、鼻が詰まっていて鼻呼吸出来ないときに口呼吸をしてしまいます。

それでは、上に書いた3つの疾患についてお話させていただこうと思います。

 

猫の心臓病

どんな病気??

高齢の猫で多い心臓病は、肥大型心筋症といって、心臓の筋肉がどんどん内側に分厚くなっていき、心臓がうまく拡張できないという疾患です。心臓は通常、拡張して、肺から血液を受け取り、その血液を、心臓が収縮することで全身に送り出す働きをします。

ところが、心臓がうまく拡張できないと、肺からの血液をうまく受け取ることが出来ず、全身に血液を送り出すことができません。

 

そうなると、身体は酸素不足になってしまい、息が苦しくなってしまうので、

症状としては

・口を開けて呼吸する

・舌の色がきれいなピンク色でなく、紫っぽい

・運動量が減ってじっとしている

などの症状が出ますが、初めはなんとなく元気がないかな?という感じで気付きにくいです。

では、どうように診断をするのかというと、本来心臓の超音波検査を行い、診断することが多いですが、それでも心臓に明らかな変化が起こっていなければ、はっきりと診断することは難しいといわれています、

そこで、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ご自宅に訪問し血液を採取(採血)し、血液検査で心臓に変化が起こっているかを見ていきます。

 

甲状腺機能亢進症

どんな病気???

甲状腺とは、のどにあるすごく小さな臓器で、身体の代謝をつかさどっています。甲状腺機能が亢進すると、体内の代謝がすごく上がってしまい、

症状としては、

・よく食べているのに痩せてきた

・毛艶が悪くなってきた

・痒みはなさそうなのに毛が抜ける

・多飲多尿

・よく鳴くようになった

・よく嘔吐するようになった

など様々です。中には、嘔吐が多くて食欲がなくなる猫もいます。

診断は、血液検査で甲状腺ホルモンを測定することで診断できます。また、すごく興奮しやすくなったり、心拍数や血圧が上がるので、心臓にも負担がかかり、その影響で元から心臓が悪い子や、心臓に負担がかかりすぎてしまった子は呼吸が苦しくなることもあります。また、心臓に負荷がかかりすぎてしまった結果、血栓ができて、それが肺に詰まってしまうと急激に呼吸が悪くなってしまいます。

 

呼吸器疾患

呼吸器とは、口・鼻~肺までの疾患のことです。肺炎や肺腫瘍、肺血栓症、鼻の腫瘍など、呼吸器に疾患が起こった場合には呼吸が苦しくなります。

その結果、口呼吸になってしまうことがよくあります。

これらの多くはレントゲン検査での診断となります。

 

口を開けて呼吸をしている高齢猫では、主に以上のような疾患を考えて、原因特定のために検査を行い、治療を考えていく必要があります。

しかし、こうした猫ちゃんたちにはもちろん検査や病気に合ったお薬が必要ですが、最も必要なのは『酸素』です。

空気中には、実は、酸素は20%程度しかありません。

そこで、もっと高い濃度で酸素をかがせてあげることで、呼吸が楽になり、口呼吸を止めてあげることができます。

お家で酸素をかがせてあげるために、酸素室というものをレンタルで設置されることをおすすめします。

呼吸が楽になることで、根本的に治っているわけではないですが、元気になったり、食欲が出たりします。また、最初は酸素室を嫌がっていても、その中に入ると楽になることが分かると嫌がらなくなることも多いです。

 

そのように呼吸が悪くなってしまっている猫ちゃんは、外に出したり、ストレスをかけると余計に呼吸状態が悪くなってしまうことが多いので、動物病院に連れていけない、逆に興奮してしまって心配、というご家族の方も多いかと思います。

たしかにそのように、呼吸が悪い子は、興奮させないようにしなければなりません。

 

そこで、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、お家に獣医師が訪問し、検査・処置をさせていただくので、終わればすぐに自分のいつもの居場所にもどることが出来ます。

また、往診なので、猫ちゃんを連れて外に出る必要がなく、興奮も少なく処置をすることが出来ます。

 

最近口を開けて息をしているけど、どうしよう、という場合には、諦めず、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室にお気軽にご相談ください。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ご家族様、動物たち、それぞれの性格、生活環境に合ったオーダーメイドで無理のない治療を提案させていただきます。

 

 

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皆さんは、往診専門動物病院で診察を受けたことはありますか?

往診専門動物病院は、その名の通り、ご自宅での診察に特化した動物病院です。

動物病院に行くことが苦手なわんちゃんや猫ちゃん、そして体力的にもう動物病院への通院でストレスを与えたくないという状況にあるペットに対して、家にいながら獣医療を提供してあげることができます。

また、動物病院ごとで特色はありますが、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、高齢になった犬猫に対する緩和ケアやターミナルケアに特化した診療を行なっています。

もちろん、ワクチンなどの予防接種やフィラリア予防などのも行うこともできます。また、定期検診としての血液検査も行なっています

 

これから犬猫を迎える方、すでに犬猫と暮らしている方は往診専門動物病院があることを知っておくといいかなと思います。

最初のうちは家の近くにある動物病院がかかりつけになることかと思いますが、飼い主様の不調など、何らかの原因で動物病院まで通院させられないという場合に備えて、家まで訪問してくれる往診専門動物病院を探しておきましょう。

 

今回は、どうしても動物病院が苦手でキャリーを見るとよだれを流してしまう猫ちゃんが、急な食欲不振と嘔吐、下痢を示し、検査結果から膵炎だった症例についてお話していこうと思います。

 

猫の膵炎.jpg

 

膵炎はわんちゃんの急性膵炎が人の膵炎とイメージは似ているかと思いますが、猫ちゃんの膵炎は少し様子が違います。

 

まずは、膵炎って聞いたことあるけど・・・という方のために膵炎のご説明です。

 

そもそも膵臓とは胃の近くにある臓器で、様々な消化酵素を十二指腸に出して、消化を助けています。

具体的には、タンパク、炭水化物、脂肪の消化、十二指腸液の中和などが行われています。

この膵臓から出てくる消化酵素は出てくるときは不活性型で消化する力はないのですが、分泌されて、十二指腸に到達すると他の物質によって活性型になり、消化をすることが出来るようになります。

 

このような仕組みがあるので、通常は膵臓自体が消化酵素によって消化されることはないのですが、急性膵炎では何らかの理由でこの消化酵素が、膵臓内で活性化してしまい、膵臓自身を消化して細胞が壊死することから始まります。

 

これが急性膵炎の激しい壊死と炎症の正体です。

しかし、なぜこのようなことが起こるのかはわかっていません。

人やわんちゃんでは食事の影響が言われていますが、猫ちゃんでは食事内容というよりも、炎症性腸疾患や肝疾患が危険因子と言われており、慢性的な嘔吐があると、十二指腸の内容物が逆流して急性膵炎を引き起こす引き金として重要ともいわれています。

 

膵炎がどうやって起こるのか分かったところで、では次は症状の説明です。

イメージとしては、

・おなかが痛い

・激しい嘔吐

・下痢

・全くご飯を食べない

などが挙げられるかと思いますが、猫ちゃんでは症状が少し異なります。

 

・全くご飯を食べない

・脱水

・元気消失

などが挙げられますが、お腹の痛みや嘔吐、発熱を示す猫ちゃんはわんちゃんに比べてすごく少ないです。

なので、これといって膵炎に特徴的な症状はなく、どのような疾患でも認められる症状しか見られないので、診断は慎重に行う必要があります。

では次はどうやって診断していくか、ですね。疑っても診断できないと治療に進めないので、診断が重要になってきます。

一番重要となってくるのは血液検査です。

ここでも一般的な検査は膵炎に特徴的な所見はありませんが、膵炎では炎症の数値の上昇や膵臓特異的リパーゼの上昇が認められます。

レントゲン検査では膵臓はうつらないので診断は難しく、画像検査で有用なのは超音波検査です。

超音波検査では、炎症によって、膵臓の周囲の脂肪が白く見え、それが診断の一助となってきます。

また、膵炎で注意しなければいけないのは、激しい炎症による体の中での変化です。激しいい炎症が体の中で起こると、血栓症や胸水貯留、肺水腫、敗血症などが二次的に起こることが少なくありません。そしてこれらが併発すると、回復もかなり厳しくなってきます。なので、膵炎の場合には呼吸状態の変化も決して見逃してはならないサインです。

 

次は、治療方法です。

 

猫ちゃんの膵炎では、基本的に嘔吐がないので早期からご飯を与えましょう。

 

人では絶食と言われていると思いますが、わんちゃんや猫ちゃんでは嘔吐がない場合には早期からご飯を与えてもらいます。

 

わんちゃんでは基本的に低脂肪食を与えてもらいますが、猫ちゃんでは特に食事成分に制限はありません。

しかし、食欲がない場合が多いのでその時は、積極的に行く場合には食道チューブを使用する場合もあります。

食道チューブの設置には、麻酔をかけた外科処置が必要なため、往診では食道チューブの設置ができないため、信頼できそうな動物病院を紹介することもありますが、往診をご依頼されるという状況から、多くの場合が家で口へご飯を流し込む強制給餌を行って少量頻回投与を頑張ってもらっています。

猫ちゃんは、摂取カロリーの不足が数日間続くと、身体の中でエネルギーを作るために脂肪を肝臓に蓄えます。

それによって、脂肪肝になってしまい、肝機能が落ちてしまいます。

肝機能が落ちてしまうと、黄疸が出たり、肝臓での解毒作用が低下してしまい、高アンモニア血症になってしまったりといったことが起こり、それによって食欲がさらになくなってしまう、という悪循環に陥ってしまいます。

膵炎に対する特効薬というのはないので、基本的には対症療法を行って、膵臓が復活してくるのを待つしかありません。

しかし、その過程でしっかりと対症療法を行い、呼吸状態が悪くなってしまったりしていないかをしっかりとみていくことがすごく重要になってきます。

また、猫ちゃんでは膵炎と一緒に胆管炎、炎症性腸炎といった3臓器が一緒に炎症を起こしてしまう、三臓器炎というのが起こることがあります。

この場合、肝臓の数値もかなり上昇し、膵臓の数値、炎症の数値すべてが上昇しますが、これに関しても、抗生剤の投与を行ったり、ステロイド剤の投与を行ったり、といった治療が主になってきます。

 

これまでお話してきたのは、急性膵炎のお話ですが、猫ちゃんでは慢性膵炎の例も多くあり、慢性膵炎は気付かないことが多いですが、何らかの要因で急性悪化した際に、急激な症状を示します。

 

猫ちゃんは普段、本能的に多少の症状では元気にふるまってしまいます。

しかし、実は急激な症状を示す前かもしれません。

ご家族様にはぜひその少しの変化に気づけるように、また、病気の早期発見のためにも、定期健診を受けることをお勧めいたします。

往診専門動物病院わんにゃん保健室でも、血液検査や超音波検査などの定期健診が実施可能です。

お家から出られなくて定期健診を諦めていた方、特に症状はないし大丈夫かな、という方も、一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡下さい。

年齢、種類によって多い疾患、どのような治療が必要になるか、など詳しくお伝えさせて頂きます。

 

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削痩とぐったり(猫、リンパ腫、東京往診)

こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

 

往診専門動物病院では、診療施設を持たず、医療機器や資材、医薬品を飼い主様のご自宅まで持ち込み、家の中で検査から治療までの一通りを行います。

 

往診では、血液検査から糞便検査、尿検査など、大型医療機器を必要としない検査であれば、動物病院と変わらない診察を受けることができます。

 

おしりの悪性腫瘍の猫.jpg

 

また、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、獣医師と動物看護師が一緒にお伺いしますので、全く触れない猫ちゃんであったり、大型犬で立ち上がれないなどの症状であったりしても、安心して家の中で診察を行うことができます。

 

往診で出会うペットの多くが高齢であったり、ぐったりしていて残りの時間を家の中でストレスなく過ごさせてあげたいというケースであったりします。

そんなわんちゃん、猫ちゃんに対して腹部超音波検査(エコー検査)を行うと、しばしば腫瘍病変と出会います。

 

そんな時、往診で出会う多くの飼い主様が、最愛のペットに対する外科手術や放射線治療はもちろんのこと、抗がん剤治療ですら選択されません。

動物病院に通院できる犬猫であれば、きっと抗がん剤治療までは挑戦される方が多いのかなと思いますが、往診で出会うご家族様のほぼ全員が、抗癌剤ではなく緩和治療を希望されています。

 

動物病院で腫瘍が見つかり、余命宣告を受け、余生をゆっくり過ごさせてあげたいとお考えの飼い主様、状態が急変する前にご連絡ください。事前に状態を把握させていただき、診療プランを一緒に考えていきましょう。

 

今回は腫瘍性疾患の中でも遭遇することが多いものの中で、リンパ腫というガンがあります。

 

リンパ腫とはどういう病気か、皆さんご存知ですか?

 

最近では、テレビなどで見ることもあるかもしれませんが、ピンと来ない方も多いかと思います。

そこで今回は、猫ちゃんのリンパ腫についてお話しようと思います。

 

まず、リンパ腫とは何でしょうか?

リンパ腫とは、血液中のリンパ球という細胞のガンで、血液のガンなので、どの臓器でも起こる可能性があります。その中でも、動物では大きく3つに分けられています。

 

①多中心性リンパ腫

 

②縦隔型リンパ腫

 

③消化器型リンパ腫

 

の3タイプです。

 

①の多中心型リンパ腫とは、全身のリンパ腫がガン化してしまい、全身のリンパ節の腫脹が見られます。

犬でよく見られるリンパ腫のタイプで、発症すると、元気消失、食欲減退、発熱などが見られます。

 

②の縦隔型リンパ腫とは、胸の中にある縦隔という部位にできるリンパ腫です。

縦隔にあるリンパ腫が腫れたり、悪化すると胸水が溜まって呼吸が苦しくなることもあります。

こちらは主に猫のよく見られます。

 

最後に③の消化器型リンパ腫です。

消化器型リンパ腫とは、お腹の消化管にできるリンパ腫のことで、消化管の粘膜が肥厚し、嘔吐や下痢を引き起こしたり、お腹のリンパ節が腫れて外からでも触ることができることもあります。

消化器型リンパ腫は主に高齢の猫でよく見られるリンパ腫です。

 

症状は3タイプそれぞれですが、共通して元気がなくなったり、食欲が落ちたり、痩せるといったどんな病気にも当てはまる症状が見られるので、診断が大切になってきます。

診断は、腫れているリンパ節から細胞を取って調べるという方法です。

そこでガン化したリンパ球が見られれば診断がつきますが、たとえば縦隔型リンパ腫の場合、胸の中に針を刺すことは極めて難易度が高く、また、動いてしまう子の場合には鎮静剤などを使用しなければ難しいこともよくあります。

逆に多中心型リンパ腫が疑われる場合には、触診で触ることが出来るので、検査は容易に行うことが出来ます。

そのため、診断をつけるためには検査が必要ですが、どこまで検査を行うかは、基本的にはご相談ということが多いかと思います。

 

では、リンパ腫と診断された場合どういった治療をすることになるのでしょうか?

 

もっとも分かれ目になるのは、積極的に治療をするのか、緩和治療を行うのか、というところかと思います。

 

積極的な治療を行うのであれば、抗がん剤を使用します。

リンパ腫は比較的抗がん剤が効きやすいタイプの腫瘍なので、効果があれば寛解といって、治っているわけではありませんがガン細胞が体の中からほとんど消えている状態まで持っていくことができます。

ここまで来れれば2年ほど頑張ることができることもあります。

しかし、抗がん剤の効果や副作用の出方にはかなりの個体差があり、同じ治療をしていても全く副作用が出ない子もいれば、副作用が強すぎて抗がん剤を続けることが出来なくなってしまうこともあります。また、副作用も出なければ効果も出ない、という子もいます。

これはやはりやってみなければ分からないというところではあります。

 

一方、緩和治療という方法もあります。

積極的な治療ではかなり体力が必要になります。

高齢であったり、基礎疾患があったり、治療を行う前からかなり体力が落ちている場合には、抗がん剤が適応にならないこともあります。

そういった場合には、ステロイドを使用します。

リンパ腫はステロイドがかなり効果があり、一時的にすごく良くなってくれることが多いです。

ステロイドは食欲増進や元気を出すという効果もあるので、劇的な変化が見られます。

しかし、ステロイドは抗がん剤ではないので、次第に耐性が出来ていき、実際効果があるのが1ヶ月ほど、平均寿命としては2ヶ月程度と言われています。

 

治療として2種類をあげましたが、どちらを選んでも正解です。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、リンパ腫と診断された場合には、これらの治療をご説明した上で、今後どちらの治療を行っていくかご相談させて頂きます。

抗ガン剤は病院での注射になりますが、緩和治療は基本的にお家での投薬になります。

そのため、動物病院に行くことが難しい場合、動物病院のストレスが強い場合にもその選択をされる方もたくさんいらっしゃいます。

また、緩和治療では、副作用はほとんどなく、最期までその子らしくお家で過ごすことが出来るかと思います。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、今までにもリンパ腫の緩和ケアを行った例がたくさんあります。

動物病院でリンパ腫と診断されたが、抗ガン剤は...という場合や、ガンの緩和ケアをして欲しい、などというご相談もよく受け付けます。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ご家族様と環境、その動物に合った治療法をよくご相談し、ご提案させて頂きます。

 

ガン以外にも、高齢猫の緩和ケアを考えていらっしゃる方もいると思います。

緩和ケア、ターミナルケアもいつでも往診専門動物病院わんにゃん保健室までご相談ください。

 

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診専門獣医師の江本宏平です。

往診専門ということもあり、診察はもっぱら猫ちゃんが多く、わんちゃんでは大型犬で起立不能(立てない)や後肢ふらつきなどでご予約いただくことが多いです。

診療エリアは東京中央区、東京港区を始め東京23区全土であり、たまに近隣地区まで訪問することもあります。最近は、東京板橋区からのご依頼が増えてきました。動物病院に通院できない場合には、諦めず、まずは当院までご連絡ください。また、慢性腎不全の猫ちゃんで、皮下点滴の為だけに動物病院に通院させている場合には、ご自宅での皮下点滴に切り替えることができますので、猫ちゃんの皮下点滴でお悩みの飼い主様もお気軽にお問い合わせください。

 

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今日は、最近痩せてしまい歩く時にふらつきが出てきてしまったという、東京板橋区在住の高齢猫ちゃんのお話です。

 

ふらつきが出てきた猫ちゃん、皆さんは何を想像しますか?

 

筋肉が少ないから支えられない?麻痺が起こっている?貧血?など考えられることは様々です。

 

今回ご紹介するのは、そんなたくさん原因が考えられる、ふらつきという症状が出てきた高齢猫ちゃんです。

 

症例は東京板橋区在住の17歳の高齢猫のマルちゃんです。

 

ふらつき、嘔吐、食欲低下(猫/東京板橋区)

マルちゃんとは、1ヶ月ほど前にかかってきた1本のお電話が最初の出会いでした。

マルちゃんのお母さんからの電話が来たのは、これまた偶然で、東京板橋区を往診していた時でした。

 

お家の猫ちゃんが最近痩せてきていて、そのせいかふらつくようになったとのことで、往診をご希望されました。食欲も落ちてきているとのことでしたので、その日のご予約の空いているお時間で、お電話当日に往診させて頂くこととしました。

ちなみに、猫ちゃんで食欲の低下を認めた場合には、あまり放って置かないほうがいい場合が多いです。

 

マルちゃんのお家にお伺いすると、マルちゃんは別のお部屋にて横になっているとのことでしたので、先にご家族様から詳しくお話しをお伺いすることとしました。

 

マルちゃんは3年ほど前におしっこが増えてきた気がするということで、一度動物病院に行った際に、血液検査を行なったところ腎臓の数値はまだ高くはなかったということなのですが、尿検査で腎不全の初期の可能性があると言われたとのことで、その後も気にはなっていたそうなのですが、元気も食欲もあったので、様子を見ていたそうです。

というのは、動物病院に行った際に、かなり大興奮で診察室の中でも鎮静が必要かもしれないと言われるほどの興奮で、お家に帰った後も疲れでぐったりしてしまっていたそうで、それを考えるとどうしても動物病院に連れて行くのが躊躇われたとのことで、今回往診をご希望され往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡を頂いたとのことでした。

 

マルちゃんはここ1ヶ月ほどで少しずつ食欲が落ちてきて、みるみる痩せてしまい、それとともにふらつきも出てきてしまったということでした。

以前からおしっこが薄かったということから、慢性腎不全の進行がもっとも可能性として考えられました。しかし、他の原因でふらつきが出てしまうこともあるので、まずは身体検査、血液検査を実施して、原因を特定することをご提案させて頂いたところ、ご同意頂き、マルちゃんのお部屋に入らせもらいました。

マルちゃんのお部屋に入ると、マルちゃんはベッドの上で丸くなっており、いつもなら知らない人が来るとすぐどこかに行ってしまうそうなので、元気がない様子でした。

 

まずは身体検査です。

 

身体を触るとたしかにすごく筋肉が落ちてしまっていて、痩せていました。また、すごく脱水しており、舌の色も薄くなっていて貧血していることが予測されました。加えて、よだれも出ており、悪心がある様子でした。心臓や肺の音には問題はありませんでした。その後素早く採血を行い、その日は脱水を補正するために皮下点滴、吐き気どめ、胃薬などを注射し、マルちゃんを解放しました。

 

ご家族様に現在の身体検査での所見をご説明したところ、驚かれていましたが、猫ちゃんは本能的に自分の体調不良を隠して元気なように振舞ってしまうので、もちろん気付かないこともよくあります。

この時点で私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室にご連絡を頂けて良かったかと思います。

次の日にもう一度再診させて頂くこととして、その日の診察は終了としました。

 

血液検査では、やはり腎臓の数値がかなり高くなっており、貧血の数値は低くなっていました。このことから、慢性腎不全の悪化による尿毒症と貧血が今回の食欲不振とふらつきの原因と考えられました。

 

では慢性腎不全でなぜ貧血になってしまうのでしょうか?

本来、腎臓から骨髄に向けて赤血球を作るように指令するホルモンを出します。そのホルモンをエリスロポエチンと言います。エリスロポエチンの量によって骨髄で作られる赤血球の数は上下し、コントロールされています。ところが、慢性腎不全になるとエリスロポエチンの産生量が下がってしまい、骨髄に向けて指令が送れなくなってしまい、身体の中の赤血球が減ってしまいます。そうして貧血になってしまうのです。

 

ではそうなってしまった時はどうすれば良いのでしょう?

 

そういう時は、外から注射でエリスロポエチンを入れてあげます。根本的な治療ではありませんが、こうすることで骨髄が反応して赤血球を作ってくれます。

赤血球は酸素を全身に運ぶ大切な役割をしているので、赤血球が減ってしまうと全身が酸欠状態になってしまいます。そのため、あまりにも貧血が進んでしまっている場合には酸素室のレンタルをオススメします。

今回のマルちゃんは酸素室が必要なほどではありませんでしたが、貧血を起こしているため、エリスロポエチンの注射は必要と考えられました。

 

次の日、再診にお伺いすると、昨日より少し顔つきは良いけれどまだご飯は食べていないとのことでした。貧血や腎臓の数値に関してご家族様にご説明し、注射の必要性をお話しさせて頂いたところ、エリスロポエチンの注射を行い、集中的な点滴治療をまずは3日間させて頂くこととなりました。

 

3日目には、マルちゃんは少しウェットフードを食べてくれるまでになっていたので、引き続きもう少し同じ治療を続けたところ、1週間後にはご飯をいつも通り食べてくれるまでになり、ご家族様も一安心されていました。また、貧血の数値も改善し、ふらつきもなくなりました。

 

しかし、脱水が完全になくなっているわけではないので、緩和ケアとして、お家での1日1回の皮下点滴を行なって頂いて、次回の診察は2週間後となっています。

その後は月に1回の診察ペースに出来ればと思っていますが、マルちゃんの調子次第でご家族様とのご相談となります。

 

マルちゃんのように、気付かないうちに慢性腎不全が悪化しているケースは珍しくありません。しかし、もう一度体調を持ち直してくれる猫ちゃんもたくさん出会ってきました。

動物病院が苦手で連れて行けていないご家族様も、私たち往診専門動物病院わんにゃん保健室ではお家での診察になるので、動物たちのストレスも最小限です。お気軽にご相談ください。

 

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

 

緊急事態宣言が発動されてから2週間が経ち、動物病院に通院できないで困っている犬猫からの体調不良に伴う緊急往診が急激に増えてきています。

現在、緊急事態宣言に伴い、当院としても可能な限り暴露及び伝播を回避できるように日々取り組んでおります。

また、緊急事態宣言中は基本的にワクチン接種のみや爪切りなどの日常ケアのみのご依頼は、緊急事態宣言後に延期させていただくことがありますので、ご了承ください。

ちなみに、フィラリア感染症予防シーズンが始まっていますが、これはワクチンとは違い、緊急事態宣言中でもフィラリア検査をすることをお勧めします。理由は単純で、蚊に緊急事態宣言は通用しないからです。

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本日は、フィラリア予防について簡単なお話をするのと併せて、昨今流行して話題になっているコロナウイルスに関してのお話です。

来年のオリンピックもどうなるか、と言われていますが、今回はそんなコロナウイルスを獣医師の観点からお話しようと思います。

 

フィラリア予防の流れ

フィラリアは蚊が媒介する病気で、蚊が飛び出したらフィラリア予防として飲み薬や背中に垂らすタイプの薬などを始め、蚊が飛び終わったのを確認してからもう1回投与してあげます。

全ての蚊が媒介するわけではありませんが、ここでは細かいお話を割愛し、蚊が飛んでていあた感染するかもと考えましょう。

 

家から出さないから大丈夫

うちは高層マンションなので大丈夫

今まで予防していなかったけどフィラリア感染しなかったので大丈夫

 

など、フィラリア予防をされない飼い主様は実際のところかなりの数います。

しかし、もしフィラリアを保有する蚊に吸血され感染してしまった場合に、心臓に寄生してしまい、最悪急なお別れとなってしまいます。

 

フィラリア予防をする時は、まずは今現在フィラリアに感染していないかの検査を行います。

検査方法は採血をしての血液検査(検査方法についてはまた今度お話しします)。

 

フィラリア感染が陰性だった場合に、安心してフィラリア予防薬の投薬を開始していただけます。

投薬プランは大きく2パターンあり、1つ目は5月〜12月までの計8ヶ月投薬するプランです。これを、当院ではシーズン投与と呼んでいます。

シーズン投与のメリットは8回で済むので費用面としてはいいですが、デメリットとしては投薬していない期間(1・2・3・4月)に、万が一暖かい日が継続したために蚊が飛んでいた場合にはフィラリア感染を起こしてしまうということです。

せっかくフィラリア予防していたにもかかわらず、4月・5月のフィラリア検査でフィラリア陽性!なんてこともあり得るということです。

 

そのため、当院ではシーズン投与ではなく、もう一方の方法をお勧めしています。

それは、休薬月なしの通年投与です。

通年投与では、休薬期間がないため、万が一暖冬で蚊が飛んでいても、安心してお散歩できます。

 

また、内服やスポイトでのフィラリア予防薬の特性として必ず覚えておいていただきたいことは、飲んだ時に体内にいたフィラリアを叩くだけであり、1ヶ月間ずっと効果を締めひているわけではあないということです。

つまり、飲んだ翌日には、もしかしたら蚊に刺されてフィラリアが体内に入ってきているかもしれません。

しかし、しっかりと定期的に予防薬を飲んでいれば、基本的には心臓に寄生する前に駆除できますので、飲み忘れに注意して、安心なペットライフを送りましょう。

 

コロナウイルス感染症(犬・猫)

次に、コロナウイルス感染症についてです。

今流行っているCOVID-19はコロナウイルス属ベータコロナウイルス科に属しており、報道されている通り、発熱や倦怠感、咳や筋肉痛、重症化すると肺炎を引き起こします。

感染は、ウイルス保持者の咳やくしゃみなどによる飛沫感染が主と言われています。

もちろんその飛沫がどこかに付着し、それを触ってものを食べたりすることでも感染することがあります。

しかし、ウイルス自体は強いわけではないので、アルコールで死滅すると言われており、世間ではアルコール消毒関係のものが品薄になってしまっていますね。

そこでよく私たち獣医関係者が聞かれるのは、動物にはうつらないのか?ということです。もちろん動物にもコロナウイルスによって引き起こされる感染症はありますが、COVID19に関しては、海外の報告で感染を認めているものの症状を示さないということであり、ペットから人への感染については、現段階では認めていません。

しかし、コロナウイルスもウイルスなので、インフルエンザウイルスのようにどんどん遺伝子変異が起こる可能性があり、遺伝子変異が起こると感染する可能性もあるかと思います。

現に、ニュース番組では、すでに変異株が現れていると耳にしています。また、動物の毛などに感染者の飛沫が飛んで、それを別の人が触って感染するなどといったことは起こるかもしれません。

今後の遺伝子変異などには注意が必要かもしれません。

では動物にかかるコロナウイルスはどういったものなのでしょうか?犬では犬コロナウイルス、猫では猫コロナウイルスがそれぞれ種特異的、つまり犬コロナウイルスは犬にのみ、猫コロナウイルスは猫にのみ感染します。

犬コロナウイルス感染症、猫コロナウイルス感染症はCOVID19の症状、つまり新型コロナウイルス感染症の症状と異なるのでしょうか?答えはイエスです。犬コロナウイルス感染症や猫コロナウイルス感染症は主に胃腸炎を引き起こし、消化器症状が主になります。

それでは、犬コロナウイルス感染症、猫コロナウイルス感染症について、それぞれご説明していきます。

まず、犬コロナウイルス感染症は多くは免疫力の低い子犬で問題となります。

症状としては、嘔吐や下痢、血便、発熱などが見られ、それにより衰弱して命に関わることもあります。

治療としては、犬コロナウイルス感染症に対する特効薬というのはなく、対症療法を行い、体力回復とともにその子の免疫力をアップすることとなります。

猫コロナウイルス感染症に関しても、多くは免疫力が低い子猫で起こります。

お外で生まれた子猫ちゃんに関しては約80%の猫ちゃんたちがかかったことがあると言われているぐらい、多くの猫ちゃんが罹患しています。

子猫の時に出てくる症状としては多くは犬コロナウイルス感染症と同様、胃腸炎の症状です。嘔吐や下痢、それに伴い食欲不振になり、体力が落ちていってしまい、命に関わることもあります。

治療に関しても、犬コロナウイルス感染症同様、点滴や抗生物質の注射など、対症療法を行い、体力回復と免疫力アップに期待します。

犬コロナウイルス感染症、猫コロナウイルス感染症ともに、免疫力が上がり、体力が回復すると、体に抗体ができるので、次第に症状もなくなっていきます。

しかし、猫コロナウイルス感染症で気をつけなければならないのが、通常の猫コロナウイルスの変異型である猫伝染性腹膜炎ウイルスによる、猫伝染性腹膜炎ウイルス感染症です。

猫伝染性腹膜炎ウイルス感染症とは、猫コロナウイルスよりもはるかに致死率が高く、ほとんどの場合で回復は難しいと言われており、治療法も確立されていません。

 

では、猫伝染性腹膜炎とはどういった感染症なのでしょうか?

 

猫伝染性腹膜炎とは、猫コロナウイルスの変異型によって引き起こされる感染症で、病態によってドライ型とウェット型に分けられます。

ドライ型とは、お腹の中のリンパ節が腫れたり、嘔吐や下痢などの消化器症状が出てきたりして、数日のうちに急激に状態が落ちてしまいます。

一方ウェット型とは、お腹や胸の中に腹水や胸水がたまってしまう病態で、腹水の場合はすぐに命に関わることはありませんが、胸水は肺を圧迫してしまうため、呼吸が苦しくなってしまいます。

そのため、胸水がたまっている場合には、速やかな処置が必要になりますが、すぐにまた溜まってしまうので、かなり厳しい状態となってしまいます。

しかし、この猫伝染性腹膜炎にも治療法はありませんので、対症療法を行なっていくほかありません。

往診専門動物病院では、ご自宅で最後の時間を出来る限りその子らしく過ごさせてあげたいという飼い主様から多くのご予約を受けており、通常の動物病院よりも猫伝染性腹膜炎の子猫と出会う機会が多くあります。

治療法は確立していなく、治る見込みは正直ないと言っても過言ではありません。しかし、そうだとしても楽にしてあげることはできます。

子猫を向かい入れて、万が一、猫伝染性腹膜炎を発症してしまった場合には、ご自宅で何が出来るのか、どんな最後を過ごせるのかなど、飼い主様と詳しく相談した上で診療プランを組んでいきますので、お一人で悩まずに、まずはご連絡ください。

 

このように、動物でもコロナウイルスによる感染症がありますが、現在人で流行しているコロナウイルスとは症状が異なります。

しかし、香港やベルギーでは犬や猫などのお家の動物たちから、またアジアではトラからCOVID-19が検出されたと言われており、いつ動物たちを介して人に感染するようになるか分からない状態であるのも事実です。

 

現状では、3密を避けて、東京都や周辺の県、大阪府を超えて全国で緊急事態宣言も出ています。

しかしこういった外出自粛の時に、お家のわんちゃん猫ちゃんに体調の変化が出てしまうこともあるかと思います。

そういった場合には、お家を出ずに、お家を診察室として使わせて頂く、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

 

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往診専門動物病院わんにゃん保健室 獣医師の江本宏平です。

往診専門動物病院は完全予約制のため、基本的には前日19:00までのご予約確定により、翌日の訪問をさせていただいております。猫ちゃんの腎不全や心不全などの慢性疾患や継続での往診が必要な場合には、診察の最後に次回の予定を組んでいくことで、定期的に往診を行う診療プランを組ませていただいています。

 

ただ、いつ愛犬・愛猫が体調を崩してしまうかわからないということもあり、多く場合、初診は急なお電話で受ける傾向があります。また、なぜか多いのが夜間の時間帯です。

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、夜間診療も状況によりお受けしています。

 

当院の通常往診の予約時間は10:00 – 19:00ではあり、19:00以降は自動的に留守番電話に切り替わります。通常往診以外の対応は、状況により対応し兼ねてしまうこともございますが、もし夜間緊急でお電話くださった場合には、必ず留守番電話にメッセージをお残しください。そして、往診スタッフからの折り返しを待っている間も、緊急性が高い場合には、別の夜間診療を行っている動物病院を検索し、お問い合わせください。

当院の夜間診療は19:00 – 21:00で、深夜診療は21:00以降です。費用に関しては、こちらをご参照ください。

なお、往診は救急車ではないため、通院させることができるのであれば、夜間緊急を対応している動物病院に駆け込むことをお勧めします。

しかし、通院させることがそもそも耐えられないくらいまで病態が進行しているわんちゃん、猫ちゃんの場合には、まずはご連絡をいただき、私たちの到着を、または翌日の電話折り返しをお待ちください。

 

では、どんな症例が今まで夜間診療として出会ったのかを簡単にご紹介していきます。

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1. 嘔吐が止まらない猫(東京中央区晴海)

18歳の日本猫の去勢雄の太郎くん。お母さんからお電話を頂いたのは、21:30頃でした。この日は夜間診療の時間を超えていましたので、深夜診療で対応させていただきました。

お話をお伺いすると、3ヶ月くらい前から食欲が低下してきて痩せてきており、水を飲む量もおしっこの量もずっと多かったとのことでした。太郎くんの性格上、キャリーを見るだけでよだれを流してしまうくらい動揺してしまうということから、動物病院への通院は考えられなかったとのことでした。そのため、なんとなく症状には気づいていたが、老化現象で仕方ないことと捉えていたとのことでした。しかし、吐き戻している姿を見て、なんとかしてあげたいと思い必死にインターネットで検索したところ、当院までたどり着いたとのことでした。

診察で得られた所見から、重度の腎不全である可能性が高いことをお伝えし、血液検査と複数の注射薬を混ぜた皮下点滴を行いました。その後、動物病院オフィスに戻り迅速検査を行ったところ、腎臓の数値が測定不能なまでに高くなっていました。

その結果から、翌日の朝と夜、翌々日の朝と夜と1日2回の往診を1週間、1日1回の往診を1週間行い、今では3ヶ月に1回の往診まで状態を安定させることができました。

そして、人見知りでシャイな性格の太郎くんも、私たちのことを受け入れてくれたのか、往診にいくと擦り寄ってきて、血液検査にも協力的にじっと我慢してくれています。

 

あの日、お母さんが夜間でどこの動物病院もやってないし、むしろ往診専門動物病院なんてきてくれるわけがないと諦めなかったことで、今日も太郎くんは元気にマイペースで過ごせています。

 

2. 焼き鳥を串ごと食べてしまったゴールデンレトリバー(東京港区)

19:30頃、少し酔っぱらったお父さんからお電話があり、焼き鳥を串ごと食べちゃったんだけど来て欲しいとお電話を受けました。

しかし、残念ですがこの症例は往診適応外でしたので、頑張って近くの動物病院で、尚且つ内視鏡がある動物病院に言ってくださいとお伝えしました。

串などの尖ったものを飲み込んでしまった場合には、吐かせることで食道などの消化管に刺さり傷つけてしまうことがあるので、催吐処置はしません。

 

3. 急な後肢ふらつきと痛み(東京足立区)

お電話が来たのは、22:00頃でした。お母さんからのご連絡だったのですが、内容としては次のようなものでした。お散歩から帰ってきて足を洗い終わって、床でいつも通り放してあげたところ、キャンッ!と鳴いたきり立てなくなり、抱っこをするにも触れるだけで鳴いてしまうため、どうしたらいいのかわからずに電話をしたとのことでした。

10歳、去勢雄のミニチュアダックスフンドのマイケルくんは、東京港区台場でしたの、電話から1時間ほどで診察に入ることができ、注射での処置で様子見とさせていただき、注射から2時間ほどで立ち上がれるようになったとのことでした。動物病院に通院できるタイプでしたので、翌日には2次医療の動物病院をご紹介させていただきCT, MRIをとり、椎間板ヘルニアを確認され、その後治療を経て、現在も元気に歩いています。

あの日、お母さんが待たずにご連絡をいただけたことで、初動が早くなり、マイケル君の今に繋げられました。

 

4. 食欲がなくなり、ぐったりした猫(東京中央区勝どき)

16歳2ヶ月、日本猫のまいちゃん、避妊済の女の子です。

お母さんから最初にご連絡をいただいたのは、18:30過ぎでした。まいちゃんは1ヶ月ほど前から体調が悪く、ご飯もほとんど食べていなかったとのことで、ここ1週間は全く食べず、ただ水だけは飲んでくれていたが、3日前からはふらつきが目立ってしまい、この日の朝からはもう起き上がることもできなくなってしまったとのことでした。最初、お母さんは翌日の診察をご予約する予定でお電話を頂いたのですが、電話問診の中で緊急性が高いと判断し、お母さんに状況を説明した上で、当日での夜間診療にて訪問させていただきました。

診療に入れたのは20:00頃で、予想していた通り、猫のまいちゃんはかなり重篤な状態であり、もう目に力がないほどまでに弱っていました。

状況を説明した上で、腹部超音波検査にて尿が作れているのかを確認したところ、少しだけできていたことと、3年前に腎不全と言われたということから、慢性腎不全の末期と判断し、採血を行い、吐き気止め、抗生剤、ステロイド、胃薬など複数の注射薬を皮下点滴に混ぜて投与しました。血液検査結果は、やはり腎臓の数値が測定値を超えており、かなりの脱水状態ではあるものの、貧血も進行しており、一回で皮下点滴による輸液を危険であると判断し、1回量を30ml(3kg程度)として、翌日の朝も往診に行きました。

すると、昨日までは意識混濁状態だったまいちゃんが、目に力が入っていて、私たち獣医療スタッフに対してニャ〜と挨拶してくれました。

この日から1日2回の往診が始まりました。

見る見るうちに元気になり、初診から1週間後には、ふらつきながらも歩けるようにまで復活を見せてくれました。お母さんに皮下点滴のやり方を指導し、ご自宅で毎日皮下点滴を打ってもらい、最後の日はお母さんの腕の中でゆっくりと眠りについたとのことでした。

 

夜間診療をしている動物病院を知っておきましょう

いつ愛犬・愛猫が体調不良を見せるかはわかりません。つまり、大切なことは事前に調べておくことです。

 

・自宅から近い動物病院で、夜間診療に対応している動物病院はどこにあるのか

 

・夜間でも自宅まで来てくれる往診専門動物病院はあるのか

 

・また、かかりつけの動物病院がお休みの日にお願いできる動物病院はどこか

 

などです。

 

愛犬・愛猫の命を守れるのは、飼い主様以外は他にいません。

だからこそ、命の責任を背負っているという自覚を持って、万が一の時への準備は怠らないようにしましょう。

 

また、これくらいの症状であれば明日動物病院に連れて行けばいいか、ではなく、まずはかかりつけの動物病院に症状を説明し緊急性があるのかどうかを確認してあげてください。その上で、夜間緊急の動物病院に通院するか、夜間診療対応の往診専門動物病院に来てもらうかなどを判断しましょう。

 

往診専門動物病院では、通常診療は10:00から19:00であり、19:00から21:00が夜間診療、21:00以降は深夜診療となります。また、通常診療以外では、状況によっては対応しかねてしまう場合がございますのでご了承ください。

 

飼い主様にとって、そして一緒に暮らしている犬猫たちの安心安全を一緒に守っていきましょう!

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こんにちは!

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の江本宏平です。

往診という診療形態から、猫ちゃんの診察が多いのですが、中でも多い主訴として、よく吐く、食欲がない、ぐったりしている、トイレにいくが尿が出ない、など多岐に渡る中で、圧倒的に多いのが、よく吐く(頻回嘔吐)です。

今回は猫ちゃんが吐いてしまう原因についてお話していこうと思います。

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皆さま、お家の猫ちゃんが吐いてしまっても、猫だから、と思って特に気にしないことはございませんか?

 

たしかに、毛玉や空腹で吐いてしまうこともありますが、あまりにも嘔吐回数が多かったり、痩せてきたりするようであればそれは病気かもしれません。

そこで、今回は見逃しがちな猫ちゃんの嘔吐の原因になる多い病気についてお話していこうと思います。

 

もちろん毛玉を吐くことは、特に長毛種の猫ちゃんであれば多いと思うので、それに関しては除いて、猫ちゃんが吐いてしまう病気で多いのは、慢性腎臓病、甲状腺機能亢進症、膵炎の3つがあげられます。もちろんこれ以外にも肝臓の病気や膀胱炎、胃腸炎などでも嘔吐してしまうこともありますが、上の3つが気付かないうちに進行してしまうことがあるので、今回はまず上記3つに気をつけて頂きたいと思います。

 

まずは慢性腎臓病についてお話ししていきます。

 

慢性腎臓病の猫

猫ちゃんの慢性腎臓病は数年単位で進行していき、ある一定のラインを超えると嘔吐や悪心などの症状が出てきます。これは身体の中に、本来おしっことして出て行く尿毒素が蓄積してしまうことで起こり、尿毒症と言われています。尿毒症は、腎臓の4分の3以上機能が落ちてしまうと起こってきますが、ここまで進行するまでに出てくる症状としては多くは多飲多尿かと思います。腎臓病の猫ちゃんのおしっこは水のように無色無臭で、お水の減りも早くなってきます。

 

では尿毒症になってしまったらどうしたら良いのでしょう?

 

腎臓の機能自体を復活させることはできないので、少しでも身体の中から出して、身体の中の尿毒素を排泄することが大切です。また、リンという物質も腎臓病では蓄積されていくのですが、リンの血中濃度が増えてしまっても強い嘔吐や悪心が出てくるので、リンも排泄させてあげなければなりません。尿毒素やリンを排泄させるために、皮下点滴やサプリメントを使って、身体からそれらの濃度を減らして、症状を軽減させてあげます。他には、あまりにも吐き気が強い場合には、吐き気止めを使って吐き気を抑えてあげて食欲を出させてあげることもあります。

 

慢性腎臓病の進行は治療をしていても進行を止めることは出来ず、進行を遅らせることしかできませんが、それでも早期に発見してあげることで、吐き気が出るほどの状態になるまでの期間を延ばすことができるので、お家の猫ちゃんたちのおしっこの状態をよく見てあげましょう。また、よだれが多くて気持ち悪そう、よく吐くようになった、などの症状がある場合は慢性腎臓病かもしれません。

 

次に甲状腺機能亢進症のお話です。

 

甲状腺機能亢進症の猫

ブログでも何度か甲状腺のお話しはさせて頂いているかと思いますが、今一度簡単にどういう病気かお話しさせて頂きます。

 

甲状腺とは、身体の代謝を調節する臓器で、甲状腺ホルモンというホルモンが全身に行き渡ることで、全身の臓器が活発に動き出します。例えば心臓であれば心拍数や血圧の上昇が見られますが、消化管の動きも活発にするため、食べ物が消化される前にどんどん流れていき、便として排泄されます。しかし、消化される前なので、下痢になってしまうことがよくあります。また、胃の動きも活発になるため、嘔吐もよく起こってしまいます。ただ、身体の代謝としては上がっているので、見た目では食欲もあり、活動も活発になるので、もっとも見過ごしがちな疾患と言えます。

嘔吐下痢をよくするようになっても、食欲が落ちない、食べても食べても痩せていく、といった場合、特に高齢になって食が細くなっていたのに急に食欲が上がってきた、などの変化がある場合はこの甲状腺機能亢進症の可能性が高いです。動物病院に連れていけない場合でも、往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ご自宅に往診専門獣医師と動物看護師が訪問し、安全に採血をしてホルモン濃度を測定することで診断が可能なので、動物病院に行くと興奮してしまうためしばらく行っていない方は、一度健康診断のためにも、血液検査を行ってみましょう。

また、甲状腺機能亢進症はお薬でコントロールすることができる病気です。もし甲状腺機能亢進症と診断されても、しっかりとコントロールすれば、症状も良くなってくるので、いつでも往診専門動物病院わんにゃん保健室にご相談ください。

 

最後に膵炎です。

 

膵炎の猫

猫ちゃんの膵炎は慢性膵炎が多いと言われています。犬では急性膵炎が多く、急性膵炎は救急疾患で命に関わるのですが、一方で猫ちゃんの膵炎は慢性なので、症状が出る以前から膵炎であることも珍しくありません。それが何らかの要因で急性の症状が出て、急激に食欲が落ちてしまったりします。嘔吐は起こることと起こらないことがありますが、嘔吐しているときは必ず考えていかないといけない病気の1つです。

犬では膵臓にかなりの痛みを生じるため、お腹を押されることをすごくいやがりますが、猫の膵炎ではあまり痛みが分からないことが一般的です。

ただ、膵炎の根本的な治療というのはわんちゃんでも猫ちゃんでもありません。そのため、対症療法、たとえば点滴や吐き気止めなどを使って出来るだけ早く食欲を戻して膵臓の炎症が収まるのを待つ、という治療になります。あまりにも症状が激しい場合には、しっかりと飼い主様と相談させていただいた上で、抗炎症剤を使うこともあります。

 

このように嘔吐ひとつ取ってもかなりさまざまな病気が考えられます。

大した変化でなくても、実は病気が隠れている可能性があるので、何か様子が変わったかな?という場合には、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

また、動物病院に連れていけないほど神経質で繊細な猫ちゃんの場合でも、往診専門動物病院わんにゃん保健室ではいつでもご相談をお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

 

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往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診専門獣医師の江本宏平です。

かなりの冷え込みを見せた今日ですが、ご家で一緒に過ごしているわんちゃん・猫ちゃんの様子はいかがでしょうか?冬になると、なぜか犬猫の膀胱炎が増えてきます。本日は東京中央区で高齢猫の膀胱炎を2件、急患として受け入れました。

膀胱炎といっても症状は様々ですが、よくある症状として『何度もトイレを行き来する』『トイレの回数の割りには尿が出ていない気がする』というのが多く見受けられます。

ペット(犬・猫)の様子がいつもと何か違うなと感じた場合には、飼い主様だけで判断せずに獣医師に相談しましょう。

往診専門動物病院わんにゃん保健室の最近の流れとしては、東京中央区、東京葛飾区、東京墨田区、東京台東区、東京江東区で高齢の猫ちゃん症例を多く受けております。

高齢猫と暮らしていて、その猫ちゃんの性格上、動物病院に通院することが苦手な場合には、元気なうちから往診専門動物病院に診察を依頼し、今後の相談をきちんとしておきましょう!

 

さて、話は変わって、今回シニア犬と過ごす上で多い病気、気をつけることをお話しようと思います。

 

マロちゃん.jpg

 

近年シニアのわんちゃんが増える一方で、未だにシニアのわんちゃんたちがかかりやすい病気や介護などについてはあまり知られていないかと思います。もちろん、健康診断のセットに含まれていることもありますが、ではどういった症状に気をつけないといけないのか、また介護のやり方など、実践的な知識はあまり広まっていません。

 

そこで、今回はそんな高齢犬を飼っていらっしゃる方にぜひ気をつけて頂きたいこと、高齢犬に多い病気についてお話させていただきます。

 

いわゆるシニア犬と呼ばれるのは6歳以上のわんちゃんたちですが、6歳というとまだまだ元気なわんちゃんが多いかと思います。お散歩も元気にいくし、ご飯もよく食べるし問題なさそう!というご家族様も多いでしょう。

 

たしかに、最近は医療技術が進み、人だけでなく、動物たちの平均寿命もどんどん伸びています。平均寿命はわんちゃんで14歳、猫ちゃんで 16 歳と言われています。もちろんそれ以上生きる子もたくさんいます。

 

わんちゃんの寿命が延びたことで、一緒に過ごせる時間は増えましたが、一方で病気と闘っていたり、介護が必要になる子が出てきたことも事実です。しかし、疾患といっても、早期に見つけられれば治療を早く始め、寿命を延ばすことが出来るようになりました。それも、医療の進歩のおかげです。それでは、わんちゃんが健康に長く過ごせるよう、いつも一緒に過ごしているご家族様に、知っていて頂きたい病気や症状をご紹介していきます。

 

わんちゃんは犬種によって体型や性質が本当に様々なので、かかりやすい、かかりにくいがありますが、一般的に多い病気を取り上げていこうと思います。

 

高齢のわんちゃんで気をつけて頂きたい疾患は

 

① 甲状腺機能低下症

② 心臓病

③ 腎臓病

 

です。他にも腫瘍や副腎の病気など様々ありますが、ここでは一旦この 3 つに絞らせて頂

 

きます。

 

まず、①甲状腺機能低下症です。甲状腺というのは身体の代謝を調節している臓器で、すごく小さい臓器ですがかなり重要な役割を担っています。甲状腺から、甲状腺ホルモンというホルモンが出され、それが全身に行き渡り臓器を働かせています。その甲状腺ホルモンの泌量が減ってしまい、身体の代謝が落ちてしまう疾患です。身体の代謝が落ちてしまうと、心拍数や血圧の低下や、運動量の低下、また皮膚の代謝も落ちてしまうので皮膚病になりやすくなったり脱毛してしまったりします。主な症状としては、よく寝るようになった、と感じることが多いと思うのですが、これが見逃しやすく、年だからかな?となってしまうことが少なくありません。急に寝る時間が増えた、疲れやすくなった、フケっぽくなった、太りやすくなった、などの症状が出やすい病気です。気をつけて見てあげましょう。そして気が付いたら、動物病院に相談しましょう。

 

次に②心臓病です。わんちゃんの心臓病で多いのは僧帽弁閉鎖不全症や拡張型心筋症です。僧帽弁閉鎖不全症は小型犬のわんちゃん、特にトイプードルやチワワ、シーズーなどの犬種に多く、拡張型心筋症は大型犬に多く見られる傾向があります。僧帽弁閉鎖不全症は健診などで聴診をした際に気付くことがほとんどですが、お家で気をつけてみて頂くことは、今までしていたことができなくなったりすることです。例えば今までお散歩を 1 時間しても疲れなかったのに最近は 30 分ほどで帰るようになったり、階段をのぼらくなったり、玄関までのお出迎えがなくなったり、とほんの些細な変化が兆候の多々あります。

 

そして 1 番怖いのが、全く心臓病に気付かず、気付いた時には呼吸状態が悪くなってしまっている時です。心臓の機能が落ちてくると、肺に水が溜まる、いわゆる肺水腫になってしまい、命に関わることになってしまうので、そうなる前にできれば定期的な健診を受けましょう。

 

最後に③慢性腎臓病です。猫ちゃんの慢性腎臓病は数年単位での進行なのに対して、わんちゃんの慢性腎臓病は、無治療では1 年で進行していきます。わんちゃんの慢性腎臓病のもっとも最初に出る変化はおしっこにタンパクが出てくることなのですが、これは尿検査をしてみないと分かりません。そのため、定期的な尿検査をすることをお勧めします。

 

そこから進んでいくと、おしっこが薄くなったり、腎臓の数値が上がって食欲が落ちてしまったり、といった目に見えた症状が出て来ますが、症状なく進んでいくところが怖いところですね。

 

また、高齢犬はどんなに健康な子でもシニアになってくると、後ろ足の筋肉が弱ってきて、ふらつきが出てきたり、その後、前足の筋肉が落ちてきて、足が左右に開いてしまう、といった変化が起こってきます。そうするとご飯を食べたり、お水を飲んだりするのも立ちながらできなくなってしまうことも多くなってしまうため、出来るだけ歩けるうちは歩いて運動をさせて、筋肉が衰えないようにしましょう。どうしても寝ている時間が長くなってしまうので、筋肉は落ちてきてしまうのですが、ご家族様が負担にならない程度には歩かせましょう。

 

そのほかにも褥瘡(床擦れ)にならないようにしてあげたり、尿やけを起こさないようにしたり、といった介護が必要になってくるシニアの犬猫も増えてきましたが、介護に関してはまた別の記事でお伝えさせていただきます。

 

今回は高齢犬で多い疾患と気をつける症状について書かせて頂きましたが、もちろんこれだけではありません。犬猫もシニア(高齢)になってくると、気をつけなければいけない病気が増えてきます。また、健診をお勧めします、と書かせて頂きましたが、そもそも動物病院に連れていけない、という方もいらっしゃるかと思います。そういう時は、往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡をください。往診専門動物病院わんにゃん保健室では、動物病院に犬猫を連れて行くのではなく、獣医師と動物看護師がお家に訪問して必要な検査を実施させて頂きます。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、健診以外にも、なんかいつもと様子が違うな、最近こんな変化が出てきた気がする、といった些細な変化でもご対応しておりますので、いつでもご相談ください。

 

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こんにちは!

 

今回は、近年ついにわんちゃんより飼育頭数が増えた猫ちゃん、特に高齢の猫ちゃんとの過ごし方、気をつけるべき症状、多い病気についてお話していこうと思います。

 

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往診専門動物病院わんにゃん保健室では、東京中央区などの都内を往診車で訪問しておりますが、猫ちゃんと出会うことがとても多く、特に高齢の猫ちゃんに出会うことがとっても多いです。最近では18,19歳、中には20歳なんて子にも出会うことがあり、びっくりします。

 

そもそも高齢って何歳からなの?10歳ぐらい?まだ家の子は元気だよ、という方もたくさんいらっしゃると思います。もちろん、15歳でもピンピン元気な子もたくさんいます。

 

しかし、実際シニアとして分類されるのは6歳からです。びっくりするぐらい若いですよね。

 

そんな最近増えてきた高齢猫ちゃんと住まれていても、毎日一緒だとあまり変化は分からないかもしれません。そこで今回は、気をつけるべき変化と多い病気についてお話していきます。

 

先ほど6歳を超えるとシニアに分類されるとお話しましたが、6歳で症状が出てくる子は実際にはほとんどいません。なぜなら、病気がなかったり、あるいは病気の初期のために症状が出てこないからです。

 

シニア猫の代表疾患ベスト3

シニアの猫ちゃんでもっとも多い慢性疾患は代表的には3つあります。

 

1 慢性腎臓病

 

2 甲状腺機能亢進症

 

3 心臓病

 

です。

 

そしてこれらの臓器は密接に関係しています。

 

 

 

まずは慢性腎臓病についてご説明していきます。

 

慢性腎臓病は、猫ちゃんの場合、数年単位で徐々に進行していくことが多いのですが、基礎疾患として、例えば腎結石や膀胱結石によって尿路閉塞になったり、腎盂腎炎になったりしたことがある場合には進行のスピードが早い場合があります。

 

数年単位で、少しずつ腎臓に張り巡らされている毛細血管が減っていき、少しずつおしっこの量が増えていきます。またおしっこの量が増えると身体が脱水してしまうので、お水をたくさん飲むようになります。これがいわゆる多飲多尿という症状です。この症状は血液検査で変化が出るよりもだいぶ前から出てくる変化なので、1番気をつけてみて頂く変化かと思います。

 

また、慢性腎臓病の猫ちゃんは、骨のカルシウムを血中に溶かしてしまうため、骨密度が低下してしまいます。その結果、関節炎が起こりやすくなったり、少しの段差で骨折しやすくなってしまったり、といった変化が起こります。関節炎は決して慢性腎臓病でだけで起こるわけではありませんが、高齢の猫ちゃんでは多く見られる変化で、運動量が減ったり、段差をジャンプしなくなったり、といった変化が起きてきます。この変化は、最近年だからあまり動かないのかな?と見逃しがちですが、もしかしたら足が痛いのかもしれません。

 

次に、甲状腺機能亢進症です。甲状腺とは、身体の代謝を調節する臓器で、甲状腺ホルモンというホルモンを出して全身に指令を送ります。代謝が上がるので、心拍数や血圧が上がったり、腸の動きが良くなったりするので、猫ちゃんは活発になったり、よくご飯を食べるようになります。この変化は一見ご家族様からすると最近妙に元気になったが、元気そうなので大丈夫かな、と思わせてしまいます。しかし実は身体はかなり無理をしていて、早めに治療をしてあげないと疲弊しきってしまいます。腎臓としては血圧が上がるのでたくさんおしっこを作ることができて良いのですが、心臓としては心拍も血圧も上がるので、とても負担がかかっています。年齢の割に最近元気になってきた、食べているのに痩せていく、よく鳴くようになった、などの変化があれば注意が必要です。

 

次に心臓病です。猫ちゃんで多いのは肥大型心筋症といって、心臓の筋肉が内側に肥大していき、心臓の部屋の大きさが小さくなってしまう病気です。心臓の部屋が小さくなると、心臓に入る血液量が減ってしまい、1回の拍出で押し出せる血液量が少なくなってしまいます。そうすると心臓はそれをカバーするために頑張って心拍数を上げて拍出量を維持しようとしますが、心拍数が上がると心臓の筋肉はより肥大していき、心臓のお部屋は小さくなっていってしまいます。この繰り返しになるので、心臓をサポートするお薬が必要になります。そして、心臓病になってしまった猫ちゃんは通常でも心拍数が高いので、運動すると心拍数がより上がり、また、心臓の負荷が大きいため、すぐに疲れてしまいます。1番分かりやすい変化は、この疲れやすいことと、疲れやすいので自ら運動しなくなりよく寝るようになります。

 

心臓病の猫ちゃんで、甲状腺機能亢進症もある場合はもっと心臓への負荷がかかってしまいます。一方、腎臓病の猫ちゃんは脱水しやすいので点滴をすると体液量がふえて、心臓が送り出す血液量が増えてしまい心臓にはより負担がかかってしまいます。

 

このように絶妙なバランスでこれらの臓器は成り立っているので、できれば全ての臓器で同時に検査を行うことをお勧めしています。

 

一見元気そうにしている猫ちゃんでも、特に高齢の場合、いつもと様子が違う場合は注意が必要です。

猫ちゃんの性格上、また高齢なのでお家で治療をしたい方は一度往診専門動物病院わんにゃん保健室までご連絡ください。

 

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こんにちわ。

往診専門動物病院わんにゃん保健室 往診獣医師の大東です。

先週は東京墨田区、東京葛飾区からのペット往診依頼が立て込み、高齢の猫ちゃんで元気がない、食欲がない、ふらつくという主訴のもと、検査結果から腎不全であったという症例と複数出会いました。心臓にも雑音があり、目も見えていないため、すでに腎不全からくる腎性高血圧によってダメージを受けていたという症例が2症例いました。動物病院へ通院できない猫ちゃんでも、往診専門動物病院わんにゃん保健室ならご自宅まで訪問できますので、在宅で獣医療を猫ちゃんに提供することができます。ペットの体調が悪そうだななど、異変に気がつきましたらすぐにご連絡ください。

 

さて、今回は症例のご紹介ではなく、前置きは猫であったにも関わらず、わんちゃんの心臓病のお話をしようと思います。

犬の心臓病といっても、犬の心臓病もとってもたくさんの種類があり、ここだけではお話しきれないので・・・

今回は、犬の心臓病の中でも最もよく見られる「僧帽弁閉鎖不全症」についてお話していきます。

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そもそも心臓の構造ってどうなってるの?

犬の心臓は、人と同じで、4つの部屋に分かれています。右上に右心房、右下が右心室、左上に左心房、左下に左心室の4つがあり、それぞれのお部屋に太い血管が繋がっています。

簡単に血液の流れをお話しますと

全身→右心房→右心室→肺→左心房→左心室→全身

という流れになっています。

そして、今回お話する「僧帽弁」というのは

全身→右心房→右心室→肺→左心房→僧帽弁→左心室→全身

のように、左心房と左心室のお部屋の仕切りとして存在し、肺で酸素交換をして綺麗になった血液を全身に送るために左心房から左心室に一方向に血液が流れるようにしてくれています。

心臓はポンプの役割があると言われており、実際、上の矢印の方向に血液を送るために心臓は日々収縮してくれています。

そして、収縮したときに、お部屋の間を血液が逆流しないようにするために、弁がついています。上には書いていませんが、もちろん右心房と右心室の間にも三尖弁という弁がありますよ。

 

ではいよいよ本題へ・・・

 

僧帽弁閉鎖不全症ってどんな病気?

僧帽弁閉鎖不全症とは、僧帽弁がもろくなったり、厚くなったり、僧帽弁を支える筋肉が切れてしまったりして、僧帽弁の閉まりが不完全になってしまい、左心室に行くはずの血液の一部が左心房に帰って行ってしまう病気です。

そうすると、せっかく肺で綺麗になった血液が、左心室に行かずに、左心房にうっ滞してしまい、左心房の圧が上がってしまいます。そして、本来全身に送られるはずの血液が、心臓の中に溜まってしまいますので、そのままでは身体は血液が不足してしまいます。そこで、心臓は送り出そうとして、頑張ってポンピングします。

そうして、心臓が頑張ることで、身体は今までと同じぐらいの量の血液が循環します。

身体は今までと同じぐらいの量の血液が来るので、問題なく動くことが出来ているため、ご家族様は症状にほとんど気づかないかと思います。

しかし、その裏側で心臓は頑張り続けているので、その負荷がどこかのタイミングで症状として現れてきます。

 

犬の僧帽弁閉鎖不全症の症状

初期の段階では、今までと変わりない生活が出来るでしょう。

しかし、進行してくると、例えば、運動をしたり、興奮したりするとそのたびに心拍数があがり、疲れやすくなってきます。

また、もっと進行すると、今までできていた、お家に入ったときのお迎えをしなくなったり、寝ている時間が増えたりしてきます。

そして、さらに進行すると、肺水腫といって、肺に水が溜まって、呼吸が苦しくなってしまったり、咳がでたりするようになります。肺水腫になってしまうと命にかかわりますが、僧帽弁閉鎖不全症があるからといって全員が肺水腫になるわけではありません。しかし、致命的な症状なので、もっとも注意しなければなりません。

他にも、失神が起こってしまったり、酸欠になってチアノーゼになってしまったりと、進行するとかなり注意が必要な疾患です。

 

犬の僧帽弁閉鎖不全症の治療方法

まずは、頑張ってくれている心臓に対して、1回の収縮力を上げるお薬を使用していったり、血圧を下げて心臓から血液が出ていくときの負荷を減らすお薬を使用します。

それではコントロールが難しい場合には利尿剤を併用します。しかし、利尿剤は全身の血液量を減らして、心臓の負荷を下げまずが、腎臓に無理やりおしっこを作らせるので、腎臓への負担は避けられません。

あるいは最近では外科手術によって治療することもありますが、完全に治る子と、完全には治らない子がいるので、その辺りをご相談しながら治療方針を決めていかなくてはなりません。また、術後の合併症はどの子にも同程度の確率で起こることがあり、かなり低い確率ですが、最悪の場合亡くなってしまうこともあります。しかし、肺水腫を繰り返す、など内服でのコントロールが難しい子では、外科治療を選択することもあります。

 

僧帽弁閉鎖不全症は現在根治的な治療法は、外科治療のみとなっています。しかし、他の基礎疾患があって手術が困難な場合、右側の心臓(三尖弁の逆流)については手術での治療は出来ない場合には内科的に治療していきます。また、僧帽弁閉鎖不全症においても、多くのわんちゃんは、内服薬でコントロールしています。進行性の病気ではありますが、しっかりとコントロール出来れば、肺水腫にならずに過ごせる子も、肺水腫になったとしても再び内服でコントロールできる子もいます。

 

そして最も大切なのが、早期に発見して、お薬を開始することです。

疲れやすくなった、などの様子の変化が出る前に、聴診でわかることがほとんどなので、お家から出せない、動物病院に通院したことがない、という方でも、まずは往診専門動物病院わんにゃん保健室にご相談下さい。ご自宅まで獣医師と動物看護師が一緒に訪問し、しっかりとペット(犬、猫)の診察をさせて頂きます。

また、心臓病と聞くと驚いてしまう方も多いかと思いますが、しっかりとお薬でコントロールできる子も多いので、いつでもご相談下さい。

 

 

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こんにちは!往診専門動物病院わんにゃん保健室の獣医師です。

 

当院は、ご自宅を訪問しご自宅で診療を行う往診を専門とする動物病院です。

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往診をご利用されるご家族様にはそれぞれの理由がありますが、多くお聞きする理由としては、①ペット(犬・猫)が通院が苦手である②ペット(犬・猫)が高齢である③持病のあるペット(犬・猫)に負担をかけたくないといったものがあります。

 

往診では、ご自宅にお伺いしますので、外出するという負担をなくすことが出来、待ち時間という時間の無駄もなくすことが出来ます。

また、わんちゃんや猫ちゃんが一番ストレスを感じる診察や検査、処置の後にはすぐに安心できるいつもの居場所に戻ることが出来るため、ストレスも軽減してあげることが出来ます。

 

往診においても、身体検査だけでなく、血液検査や、超音波検査などある程度の検査や処置を実施することが可能です。必要に応じて、専門の二次診療施設をご紹介させていただくこともあります。

 

当院の診療範囲は、台東区や中央区を中心とした東京23区全域および周辺地域です。まずはお気軽にお問い合わせください。

 

 

高齢ペット(犬・猫)の緩和ケア・在宅介護相談会

 

 

当院では、診療業務の他、ご家族様向けのセミナーの実施や、ペットに関する各種イベントへの参加も積極的に行っています。

 

先月は、台東区の御徒町駅前で開催された『すまいるフェスin台東区 2019 ~ありがとうのRENSAで人も動物も笑顔に~』に参加させていただき、“高齢ペットの緩和ケア・ペットの在宅介護相談会”を実施してきました。

多くの方々がイベントにご来場下さり、高齢ペットの緩和ケア・ペットの在宅介護相談会にも高齢になったペットとの暮らしの中でさまざまな悩みを抱えるご家族様にお立ち寄りいただきました。

 

先程もお話ししましたように、ご自宅に伺い診察する往診という特性から、当院は高齢犬や高齢猫のご家族様からの診療のご依頼を多く受けます。それぞれのご家族様ごとに、オーダーメイドの介護の形を一緒に考えてきました。

そんな経験を踏まえ、高齢ペットの緩和ケア・在宅介護相談会を実施いたしました。

 

相談会の中で出てきたお話は、もちろん病気に関するお話が多かったのですが、高齢ペットの行動の変化に関するお話が同じくらい多くあったことが印象的でした。

 

今日は、高齢ペットの行動の変化について少しお話させていただきます。

 

ペット(犬・猫)の高齢化

 

獣医療の発展やペットの飼育環境の改善により、犬猫の寿命はとても長くなりました。

2018年に一般社団法人ペットフード協会が行った全国犬猫飼育実態調査によると、一般家庭で飼育された犬の平均寿命は14.29歳、猫の平均寿命は15.32歳だそうです。

 

ペットの寿命が延びたことにより、以前よりもペットの高齢化による行動の変化を感じるご家族様が増えてきたように感じます。

 

人と同じように、犬猫も高齢になると加齢による身体機能の低下や、視力や聴力の衰え、認知機能の低下からさまざまな行動の変化が見られることがあります。

夜鳴きや、徘徊行動、攻撃的な行動、トイレの失敗、昼夜逆転、無駄吠えなど、それはさまざまな形で現れてきます。

 

もちろん、その中には何かしら治療が必要な疾患が隠れていることもあるため、原因をきちんと見極めることが大切です。

原因を見極めた上でそれが治療出来る疾患が原因ではなかった場合には、生涯向き合っていくことが必要となります。

 

向き合っていく上で考えるポイントは、

 

①ペットにとってそのことで苦痛があるのか

 

そして、

 

②ご家族様にとって負担となっているかということだと思います。

 

例えば、痴呆で落ち着きなく徘徊し続け、ゆっくり眠ることも出来ていない犬猫の子達には、気持ちを落ち着かせてあげるお薬を使うことがペットにとって良いこともあります。

トイレの失敗が増えて家中で用を足してしまい、ご家族様にとって大きな心労となってしまう場合には、おむつをつけてあげるという方法が一つの解決策となることもあります。

ちょっと無駄吠えはするけれど、本人に苦痛はないし、ご家族様もそれも可愛さと思って気にならないということであれば、そのままでもいいのです。ご家族様も夜も眠れなくて、体調を崩してしまうようなことがあれば、それは対策を考える必要があります。

 

完全に若い頃と同じような生活が送れなくても、ペットとご家族様がお互いに大きなご負担なく生活できること、高齢ペットとの暮らしで目指す形はこれで十分だと思います。

 

高齢犬・高齢猫の介護にお悩みのご家族様へ

 

高齢ペットの介護をされているご家族様、皆さん一人ではありません。

同じような状況の方もたくさんいらっしゃいます。

動物病院でも、治療だけでなく介護に関する相談も出来ます。

 

一人で悩まないでください。

 

頑張りすぎないでください。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、獣医療面だけでなく、高齢犬・高齢猫のペット介護に関しても知識が豊富なスタッフが介護に関する相談をお受けすることも出来ます。ペットにとってもご家族様にとっても最後まで幸せな気持ちで日々の生活を送ってほしい、と考えています。

 

以前、落ち着いて眠ることが出来ないわんちゃんのご家族様からご相談を受け、ベットのタオルの敷き方を一工夫することでぐっすり眠ってくれるようになった子がいました。ほんの一工夫で生活の質が大きく変わることもあります。

 

高齢犬・高齢猫のペット在宅介護についてのご相談や、高齢のペットの今後の通院や治療に関するご相談もいつでもお待ちしておりますので、こちらからどうぞお問い合わせください。

 

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最近は、一段と暖かくなって気持ちの良い晴天の日が多いですね。

梅雨前の絶好のお出かけ日和ですね。

 

往診に向かう往診車内もぽかぽかして、日向ぼっこをしている気分です。

 

5月に入り、わんちゃんはフィラリア予防を始める季節となりました。

また、狂犬病のワクチン接種のお知らせもお手元に届き、動物病院に通院する機会が増える時期ではないでしょうか。

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室では、ご自宅を訪問し、ご自宅で診療を行う往診というスタイルで診療を行っております。

 

ご家族様のご事情や、ペットの性格上の理由、ペットが高齢であるまたは持病があるなどの理由で通院が難しい場合には、どうぞお気軽にご連絡ください

 

わんちゃんであれば、フィラリアの検査および予防薬の処方、狂犬病ワクチンの接種もお受けしております。

また、わんちゃんや猫ちゃんの混合ワクチンの接種や、血液検査を含む健康診断もご自宅で実施することが可能です。

 

まずは、こちらのフォームまたはお電話にてご予約またはお問い合わせください。

 

うとうと猫 フリー 写真.jpg 

 

猫ちゃんは往診のご依頼が多い

 

 

当院では、特に猫ちゃんの診察のご依頼を多くいただいております。

これは、外出を好まない子が多いという猫ちゃんの特性によるものであると思っています。

 

キャリーに入らない、キャリーの中で落ち着きがない、移動中や病院の待合室でずっと鳴いている、家では大人しいのに病院では暴れてしまう、これらは猫ちゃんのあるあるです。

 

猫ちゃんの性格に問題があるわけでも、ご家族様の接し方に問題があるわけでもなく、猫ちゃんは往々にして臆病な性格をしています。散歩を好む猫ちゃんがほとんどいないことからもそれが分かると思います。

 

そのため、通院が出来ないまたは通院させるのはかわいそうという理由から、往診を選択されるご家族様が多くいらっしゃいます。

そんな猫ちゃん達は、多くの子が検査や処置を嫌がります。しかし、病院と違って、往診であれば、検査が終わればもう自由の身で、お家の中の大好きな居場所にすぐに帰ることが出来ます。

 

 

往診に慣れてきた猫ちゃん達だと、処置の後すぐは一旦逃げていき、私たちが帰るころにはまたひょっこり顔を見せてくれる子もいます。そんな姿には、本当に癒されます。

 

今日は、往診でお伺いしている尿石症の猫ちゃんの症例をご紹介します。

 

 

6歳の猫ちゃん・尿石症(中央区)

 

 

こちらの猫ちゃんは、かかりつけの病院で行った尿検査で尿石症が見つかりました。

 

尿石症とは、字の通り尿の中に結石が出来る疾患です。

細かい結晶が出来てしまっている状態でも尿石症と言われ、それが大きな結石となり、膀胱炎や尿道閉塞をおこしてしまうこともある疾患です。

 

尿石症により出来てしまう結晶は何種類もあり、その結晶の種類によって治療法が変わってきます。

猫ちゃんで多くみられる結晶には、リン酸マグネシウムアンモニウムシュウ酸カルシウムがあり、リン酸マグネシウムアンモニウムは食事管理により治療することが出来るのですが、シュウ酸カルシウムは食事管理による治療が出来ず、尿量を増やして薄めていくか、結石になっていればそれを手術で取り出さなければいけないこともあります。

 

当院で往診に伺った猫ちゃんは、シュウ酸カルシウムが尿中に認められているとのことでした。幸いなことに膀胱炎の症状は出ていないとのことでした。

かかりつけの病院では、尿量を増やすために通院による皮下点滴を提案されたそうですが、通院に極度のストレスを感じてしまうとのことで往診での実施をご希望なさいました

 

まず、初日に皮下点滴を実施すると同時に、ご家族様に皮下点滴のやり方のご指導をさせていただきました。

臆病な猫ちゃんでしたので、往診でもストレスは大きい上に頻繁な皮下点滴が必要になることが予想されたので、可能な限りご家族様で実施していただけるようにご説明しました。

 

慣れない器具を使いますので、もちろん1回で出来るようになることは難しいです。

ご家族様が安心して出来るようになるまでは、何度も丁寧にお教えしています。

 

無事にご自宅での皮下点滴が出来るようになり、診察は月1回の頻度にすることが出来るようになりました。

1回、診察と皮下点滴の資材をお渡しに往診に伺い、尿検査を繰り返し行いました。

 

そして、ご自宅で皮下点滴を行うようになって約2か月で、ついに尿中の結晶が認められなくなりました。

皮下点滴の継続により、維持できている可能性があるため、現在は皮下点滴の頻度を減らしながら、月1回の尿検査を実施しています。

 

ご家族様と猫ちゃんの頑張りの賜物なので、次回の検査でも尿中の結晶が出ないことを祈っています。

 

 

往診専門動物病院わんにゃん保健室の方針

 

 

この猫ちゃんのように、もともと通院や検査、処置が苦手なために往診を選択されるご家族様が多いため、当院では、ご自宅で可能なことはご自宅で出来るようにご指導させていただき、出来る限り診察の頻度を減らしていけるように考えております。

 

逆に、頻繁な診察や獣医師による処置が必要なわんちゃん猫ちゃんに対しては、時間外を使ってでも可能な限り診察のお時間を確保させていただいております。

 

ご家族様のご希望と、ペットの性格や症状に合わせて、それぞれに必要でありかつ実施が可能な方法をご提案させていただきます。

ご家族様のお仕事の都合や、費用の問題、なんでもご相談ください。

 

当院では、ご家族様からのご相談に対しじっくりお話出来る時間を確保できるように、完全予約制で往診に伺っております。まずは、こちらの予約フォームまたはお電話にてご予約をお願いいたします。

 

予約フォームからのご連絡には、返信まで数日お時間をいただく場合がございます。お急ぎの方はお電話でのご予約をお勧めいたします。

また、診察中や時間外のご連絡に関しましては、留守電にメッセージを残していただけますと折り返しのご連絡が可能です。

 

ご連絡をいつでもお待ちしております。

 

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